JP5603271B2 - 放射性廃液の処理方法およびその処理装置 - Google Patents

放射性廃液の処理方法およびその処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射性廃液の処理方法およびその処理装置に係り、特に、原子力発電所等の放射性物質取り扱い施設内で発生する、界面活性剤を含む放射性廃液(例えば、洗濯廃液)を処理するのに好適な放射性廃液の処理方法およびその処理装置に関する。
原子力発電所および核燃料再処理施設等の放射性物質取り扱い施設では、汚染管理区域内で着用された作業用衣類等は、放射性物質取り扱い施設内に設置されている専用の洗濯設備で洗濯される。この洗濯により、界面活性剤に代表される有機物を含んだ洗濯排水が放射性廃液として発生する。また、汚染管理区域内での手洗い廃液およびシャワー排水も、有機物を含んだ放射性廃液となる。
放射性物質取り扱い施設、例えば、原子力発電所内で発生した洗濯廃液および手洗い廃液等の有機物を含む放射性廃液は、原子力発電所内に設置された洗濯廃液処理装置により、その放射性廃液に含まれた放射性核種、懸濁固形物(SS)、化学的酸素要求量(COD)、およびn−Hx(ノルマルヘキサン)抽出物等が環境放出規準に適合する濃度まで十分に分離、除去された後、原子力発電所の外へ放出される。
有機物を含む上記の放射性廃液に含まれた、懸濁固形分、粒子状の放射性物質および油等の汚れ成分を取り込んだ浮遊有機物成分は、フィルタによるろ過処理により分離が可能である。しかしながら、有機物を含む放射性廃液に含まれた溶解性のCOD成分、n−Hx抽出物成分は、フィルタによっては分離することができない。有機物を含む上記の放射性廃液に含まれるCOD成分としては、洗濯に用いた洗剤の主な成分である界面活性剤、作業用衣類に付着した油脂類、および人体からの皮脂成分がある。これらのCOD成分は、そのままでは外部の環境に放出できず、その放射性廃液に対しては、従来から凝集沈澱処理、活性炭処理および濃縮蒸留処理等の廃液処理方法が適用されている。
また、二次廃棄物発生量を抑制するという観点から、オゾン、紫外線等の酸化力を利用し、有機物を含む放射性廃液に含まれる界面活性剤等の有機物を分解する方法についても、多くの提案があり、オゾンによる界面活性剤の分解効率を上げるためにその放射性廃液を加温する方法(例えば、特開2000−193789号公報)、および触媒を併用した方法(例えば、特開2002−228795号公報)が提案されている。
さらに、界面活性剤に対するオゾン分解処理の効率化を図る方法として、一般産業分野で適用実績のあるオゾンガスの微細化(マイクロバブル化)による処理も提案されている(例えば、特開2009−90258号公報)。
特開2000−193789号公報 特開2002−228795号公報 特開2009−90258号公報
オゾンおよび紫外線等の酸化力を利用して有機物を分解する放射性廃液の処理方法については、処理時間の短縮およびオゾン注入量低減の観点から、放射性廃液を加温する方法、触媒を併用する方法およびオゾンガスのマイクロバブル化方法等が提案されている。しかしながら、放射性廃液に注入したオゾンと放射性廃液に含まれる塩化物イオンの影響により、処理槽、配管・弁、処理装置等で材料の腐食が生じる懸念がある。
オゾンが、単独で、界面活性剤を含む放射性廃液に含まれている場合には、原子力発電所で広く使用されるステンレス鋼で構成される、その放射性廃液の処理装置において、そのステンレス鋼での顕著な腐食の発生が認められない。しかしながら、界面活性剤を含む放射性廃液中で、オゾンと塩化物イオンが共存する場合には、特に、この放射性廃液を処理する放射性廃液処理装置の隙間部での隙間腐食のポテンシャルが上昇し、放射性廃液処理装置の運転開始後、短時間で処理装置の構造材において腐食が進行する。
原子力発電所内で発生する、洗濯廃液および手洗い廃液等は、汗の成分が混入するため塩化物イオン濃度が高く、またその他有機性廃液についても塩化物イオンの混入を無視することはできない。したがって、オゾン等による酸化処理を適用するに際しては、材料面での対策が不可欠となる。
放射性廃液処理装置における構造部材の腐食対策として、添加されたオゾンを含んでいる放射性廃液と接触する全構造部材に、耐食性のある特殊材料を用いる、またはその全構造部材の表面を耐食性のあるライニング材で覆うことが考えられる。しかしながら、原子力発電所で広く採用されているステンレス鋼(SUS304,SUS316材等)以外の特殊材料を、原子力発電所内の原子力設備で用いることは、望ましくない。また、フッ素樹脂等のライニング材の使用は、処理槽およびタンクの内面等のライニング施工が可能な箇所では有効である。しかしながら、ポンプ、弁および配管のそれぞれの内面では、そのようなライニング材によるライニングが困難である。
一方で、オゾンおよび塩化物イオンの共存による腐食環境を緩和する方策として、界面活性剤を含む放射性廃液の温度を下げる、あるいはその放射性廃液へのオゾンの注入量を減らすことが考えられる。界面活性剤を含む放射性廃液へのオゾン注入量の低減には、オゾンガスをマイクロバブルなど微細化することが有効と考えられる。その放射性廃液に微細化したオゾンを注入するだけでは、放射性廃液へのオゾン注入量を減らしても放射性廃液に溶存しているオゾンの濃度を低減することができず、構造部材の腐食ポテンシャルを完全に排除することはできない。
本発明の目的は、オゾンと塩化物イオンの共存下における構造部材の腐食を抑制することができる有機物を含む放射性廃液の処理方法およびその処理装置を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、塩化物イオンおよび有機物を含む放射性廃液と接触するステンレス鋼製の構造部材を有する放射性廃液処理装置を用いて塩化物イオンおよび有機物を含む放射性廃液の処理を行う放射性廃液の処理方法であって、
その放射性廃液の溶存オゾン濃度および酸化還元電位を測定し、溶存オゾン濃度および酸化還元電位の少なくとも一つの測定値に基づいて放射性廃液へのオゾンの注入量を制御し、
オゾンを注入する前における放射性廃液の全有機炭素濃度に基づいてオゾンの注入量を決定し、溶存オゾン濃度および酸化還元電位の少なくとも一つの測定値が対応する設定値以下であるとき、その決定された注入量に基づいて放射性廃液へのオゾン注入量を制御し、
溶存オゾン濃度および酸化還元電位の少なくとも一つの測定値が対応する設定値よりも大きいとき、記放射性廃液へのオゾン注入量を減少させることにある。
放射性廃液の溶存オゾン濃度及び酸化還元電位の少なくとも1つの測定値に基づいて放射性廃液へのオゾンの注入量を制御するので、オゾンと塩化物イオンの共存下における放射性廃液処理装置の構造部材の腐食を抑制することができる。
少なくとも1つの測定値に基づいた放射性廃液へのオゾンの注入量の制御の好ましい例は、少なくとも1つの測定値が対応する設定値よりも大きくなったとき、放射性廃液へのオゾン注入量を低減することである。
本発明によれば、放射性廃液に含まれる有機物を、オゾンを用いて分解する際、オゾンと塩化物イオンの共存下における放射性廃液処理装置の構造部材の腐食を抑制することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の放射性廃液の処理方法で用いられる放射性廃液処理装置の構成図である。 界面活性剤を含む放射性廃液の処理時間の経過に伴うTOC残存率、酸化還元電位および溶存オゾン濃度の変化を示す特性図である。 界面活性剤を含む放射性廃液に含まれる有機物濃度を監視しながら放射性廃液へのオゾン注入量を制御した場合における、放射性廃液の処理時間の経過に伴うTOC残存率、酸化還元電位および溶存オゾン濃度の変化を示す特性図である。 本発明の他の実施例である実施例2の放射性廃液の処理方法で用いられる放射性廃液処理装置の構成図である。
発明者らは、放射性物質を界面活性剤等の有機物を含む洗濯廃液を、散気装置を底部に配置した容器内に充填し、散気装置からオゾンを0.1g/L/hの注入量で容器内の洗濯廃液内に向かって噴出させる。洗濯廃液にオゾンを噴出させながら、洗濯廃液のTOC濃度、酸化還元電位および溶存オゾン濃度を測定した。これらの測定値は、オゾンの噴出を開始した以降の処理時間の経過に伴って、図2に示すように変化した。洗濯廃液のTOC濃度の測定には、連続測定が可能なTOC計を用い、洗濯廃液の溶存オゾン濃度の測定には、連続測定が可能なオゾン濃度計を用いた。構造部材の腐食ポテンシャルの確認には、洗濯廃液の酸化還元電位を測定する測定装置、例えば、酸化還元電位計を用いて洗濯廃液の酸化還元電位を測定した。図2の縦軸に示された酸化還元電位の値は酸化還元電位の測定値の1/10の値を示している。したがって、実際の酸化還元電位の測定値は、図2に示す酸化還元電位の値の10倍になっている。
TOC濃度は、処理時間の経過に伴って減少した。酸化還元電位は、処理時間が約325分を経過した以降において急激に増加し、処理時間が約420分を経過した以降はほぼ一定になる。また、溶存オゾン濃度は、処理時間が約325分を経過する前までは実質的に0ppmであったが、処理時間が約420分を経過した以降において増加した。
発明者らは、図2に示すTOC濃度、酸化還元電位および溶存オゾン濃度の測定結果から、以下に述べる新たな知見を得ることができた。オゾンを注入している界面活性剤を含む廃液の溶存オゾン濃度は、その廃液中に分解対象となる有機物(例えば、界面活性剤)がある程度存在している場合(例えば、TOC濃度が40ppm程度)、溶存オゾン濃度設定値以下であるが、界面活性剤を含む廃液へのオゾン注入によってTOC濃度が低くなると、その廃液中の溶存オゾン濃度が上昇することが、新たに分かった。この結果、発明者らは、この現象を利用し、界面活性剤を含む廃液の溶存オゾン濃度を測定し、溶存オゾン濃度が溶存オゾン濃度設定値(例えば、0.1ppm)よりもおおきいとき、その廃液へのオゾン注入量を低減させればよいという新たな発想を行うに至った。また、溶存オゾン濃度ではなく、酸化還元電位が酸化還元電位設定値(例えば、550mV)よりも大きくなったときに、その廃液へのオゾン注入量を低減させてもよい。
このような溶存オゾン濃度に基づいたオゾン注入量の制御または酸化還元電位に基づいたオゾン注入量の制御を行うことにより、界面活性剤を含む放射性廃液を処理する放射性廃液処理装置の構造部材の腐食ポテンシャルを増大させる放射性廃液の溶存オゾン濃度および廃液収集タンク3から排気されたベントガスに含まれるオゾンの濃度を上昇させること無く、放射性廃液に含まれる界面活性剤等の有機物の分解処理を実施することができる。したがって、オゾンと塩化物イオンの共存下における構造部材の腐食を抑制して、放射性廃液に含まれる有機物を分解することができる。
以上の検討結果を反映した、本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の放射性廃液の処理方法を、図1を用いて説明する。
まず、本実施例の放射性廃液の処理方法に用いられる放射性廃液処理装置30を、図1を用いて説明する。放射性廃液処理装置30は、廃液収集タンク3、微細気泡発生装置7、循環ポンプ8、オゾン発生装置9、オゾン注入装置10、オゾン濃度計12、酸化還元電位計14、循環配管18および制御装置25を備えている。放射性物質取り扱い施設である、例えば、原子力発電所には、洗濯設備1、手洗い設備2およびシャワー設備(図示せず)が設けられている。洗濯設備1が配管15によって廃液収集タンク3に接続され、手洗い設備2が配管16によって廃液収集タンク3に接続される。シャワー設備の排水を導く配管(図示せず)も、廃液収集タンク3に接続される。加熱装置4が廃液収集タンク3の周囲に設けられる。
循環配管18の一端が廃液収集タンク3の底部に接続され、循環配管18の他端が廃液収集タンク3の側壁に設けられた微細気泡発生装置7に接続される。循環ポンプ9が循環配管18に設けられ、オゾン注入装置10が循環ポンプ8の下流で循環配管18に設けられる。オゾン発生装置9がオゾン供給管19によりオゾン注入装置10に接続される。オゾン発生装置9は、電圧を印加することにより酸素に放電させてこの酸素からオゾンを生成する。TOC計11、オゾン濃度計12および酸化還元電位計14が循環ポンプ8とオゾン注入装置10の間の循環配管18に設置される。TOC計11、オゾン濃度計12および酸化還元電位計14は表示装置(図示せず)に接続される。オゾン濃度計12および酸化還元電位計14は制御装置25にも接続されている。排水管23が循環配管18に接続され、活性炭ろ過器(ろ過装置)13が排水管23に設けられる。
薬品タンク5が薬品注入管17によって廃液収集タンク3に接続される。NaOH水溶液が薬品タンク5に充填されている。ベント管24が廃液収集タンク3の上端部に接続され、オゾン処理装置6がベント管24に設けられる。ベント管24は、図示されていない換気空調系に接続される。
放射性廃液処理装置30を用いた本実施例の放射性廃液の処理方法を以下に説明する。作業員の作業用衣類等を洗濯することによって洗濯設備1で発生した、界面活性剤、および作業用衣類に付着した油類および作業員の皮脂成分および汗等の有機物を含む放射性洗濯廃液が、配管15を通って廃液収集タンク3に導かれる。作業員が手を洗うことによって手洗い設備2で発生した界面活性剤および作業員の皮脂成分等の有機物を含む廃液が、配管16を通って廃液収集タンク3に導かれる。シャワー設備において発生ずる界面活性剤等の有機物を含む廃液が、廃液収集タンク3に導かれる。
廃液収集タンク3内の放射性廃液が設定レベルに到達したとき、廃液収集タンク3への廃液の受入を停止する。廃液収集タンク3内の有機物を含む放射性廃液が、廃液収集タンク3に設けられた加熱装置4により約50℃に加熱される。加熱装置4を廃液収集タンク3ではなく循環配管18に設置し、廃液収集タンク3から排出されて循環配管18内を循環する放射性廃液を加熱してもよい。
約50℃に加熱された廃液収集タンク3内の有機物を含む放射性廃液は、循環ポンプ8で昇圧されて循環配管18および廃液収集タンク3を循環する。オゾン発生装置9で発生したオゾンガスをオゾン注入装置10に供給し、オゾンガスを、オゾン注入装置10から循環配管18内を流れる放射性廃液に注入する。オゾンガスはエジェクタ等によりオゾン発生装置9から吸引し放射性廃液に注入することによりオゾンガスのサイズを小さくすることができる。しかし、本実施例では、循環配管18から廃液収集タンク3への流入部に微細気泡発生装置7を設けているので、オゾン注入装置10にてオゾンガスの微細化は行っていない。
注入されたオゾンガスを含む放射性廃液は、微細気泡発生装置7を経て廃液収集タンク3に流入する。放射性廃液に含まれたオゾンガスは、微細気泡発生装置7で微細な気泡(マイクロバブル)となり、廃液収集タンク3に注入される。
廃液収集タンク3に注入されたオゾンガスの微細な気泡(マイクロバブル)は、廃液収集タンク3内での滞留時間が極めて長く、そして、微細な気泡のオゾンガスは自己分解によりOHラジカルを生成する。放射性廃液が有機物を十分含んでいれば、生成されたOHラジカルは放射性廃液内の有機物成分と反応する。このため、放射性廃液内の微細な気泡のオゾンガスは未反応オゾンとして殆ど残留しなく、放射性廃液の溶存オゾン濃度が溶存オゾン濃度設定値(例えば、0.1ppm)以下に保持される(図2参照)。微細気泡発生装置7は、単純曝気方式によるオゾンの注入およびエジェクタ吸引方式によるオゾンの注入に比べ、未反応オゾンガスとしてベント管24に排気されるオゾンガスの量が少なくなる。微細気泡発生装置7の替りに、廃液収集タンク3内に散気装置(例えば、直径の小さい多数の噴出口を形成したチューブ)を設置し、散気装置にオゾン発生装置9を接続し、オゾン発生装置9で発生したオゾンガスを散気装置の多数の噴出口から廃液収集タンク3内の放射性廃液中に噴出させてもよい。
オゾン注入装置10からオゾンガスが循環配管18内に注入される前で有機物を含む放射性廃液が循環配管18を通って循環しているとき、TOC計11が放射性廃液のTOC濃度を測定する。このTOC濃度は、放射性廃液のTOC濃度の初期値となる。オゾン濃度計12および酸化還元電位計14も、オゾンガスが注入されていない状態での、その放射性廃液の溶存オゾン濃度および酸化還元電位をそれぞれ測定する。溶存オゾン濃度および酸化還元電位のそれぞれの測定値はそれぞれの初期値となる。測定されたTOC濃度、溶存オゾン濃度および酸化還元電位のそれぞれの初期値は、表示装置に表示される。
オペレータは、表示装置に表示されたTOC濃度の初期値(例えば、図3に示す95ppm)を見て、TOC濃度の初期値であるこの95ppmに基づいて、オゾン注入量(例えば、廃液収集タンク3及び循環配管18内に存在する全放射性廃液15Lに対して1.44g/h(0.1g/L/h))を決定する。放射性廃液へのオゾンの注入量は、オゾンを注入する放射性廃液の量、およびこの放射性廃液のTOC濃度の初期値を基に決定される。
オペレータは決定したオゾン注入量である1.44g/hをオゾン注入量設定値(第1オゾン注入量設定値)として入力装置(図示せず)に入力する。制御装置25は、このオゾン注入量設定値をメモリに記憶する。オペレータにより入力されたオゾン濃度計12および酸化還元電位計14でそれぞれ測定された溶存オゾン濃度および酸化還元電位のそれぞれの測定値が制御装置25に入力される。制御装置25は、入力した溶存オゾン濃度の測定値が溶存オゾン濃度設定値(例えば、0.1ppm)以下であり、酸化還元電位の測定値が酸化還元電位設定値(例えば、550mV)以下であるかを判定する。溶存オゾン濃度の測定値が溶存オゾン濃度設定値以下で酸化還元電位の測定値が酸化還元電位設定値以下であるとき、制御装置25は、オゾン注入量1.44g/hをオゾン注入量の設定値として、このオゾン注入量設定値に基づいて、オゾン発生装置9に印加する電圧(またはオゾン発生装置9に供給する電流)を制御する。上記のように制御された電圧が印加された(または電流が供給された)オゾン発生装置9は、オゾン注入装置10から循環配管18内を流れる放射性廃液に注入するオゾンの注入量が1.44g/hになるように、酸素を原料としてオゾンを生成する。オゾン発生装置9で発生したオゾンガスは、オゾン注入装置10から循環配管18内を流れる放射性廃液に、1.44g/hで注入される。
注入されたオゾンガスを含む放射性廃液は微細気泡発生装置7を通って廃液収集タンク3内に流入する。オゾンガスを含む放射性廃液が微細気泡発生装置7を通過するとき、オゾンガスは、微細気泡発生装置7によって、前述したように、微細な気泡となる。微細な気泡のオゾンガスの自己分解により生成されたOHラジカルが、放射性廃液に含まれる界面活性剤及び油脂類等の有機物を分解する。
廃液収集タンク3内の有機物を含む50℃の放射性廃液は、循環ポンプ8の駆動によって、循環配管18および廃液収集タンク3を循環する。この循環する放射性廃液に、オゾン注入装置10から連続してオゾンガスが1.44g/hで注入される。放射性廃液が循環している間に、オゾンガスの自己分解により生成されたOHラジカルの作用により放射性廃液に含まれる界面活性剤及び油脂類等の有機物が分解され、TOC計11で測定された、放射性廃液のTOC濃度が図3に示すように減少する。循環する放射性廃液に含まれる界面活性剤及び油脂類等の有機物のオゾンによる分解処理が進行し、放射性廃液の有機物濃度が低下してくると、放射性廃液に含まれる有機物の量に対して放射性廃液に含まれるオゾンの量が余剰となるため、前述したように、放射性廃液の溶存オゾン濃度および酸化還元電位が上昇し(図2参照)、併せて、廃液収集タンク3からベント管24に排気されたベントガスに含まれるオゾンの濃度も上昇する。放射性廃液は作業用衣服に付着している汗の成分等を含んでいるので、塩化物イオンが存在する。このような塩化物イオンの存在下で、放射性廃液の溶存オゾン濃度が数ppmオーダとなると、放射性廃液処理装置30の例えばステンレス鋼製の構造部材において隙間腐食発生のポテンシャルが高くなる。
このため、放射性廃液の有機物濃度がある程度高い状態でオゾンによる有機物の分解処理を停止すれば、放射性廃液の溶存オゾン濃度を上昇させることなく有機物の分解処理を終了することができる。しかし、この時点の放射性廃液の有機物の濃度は、環境放出規準を満足していない。
放射性廃液の溶存オゾン濃度の測定値が溶存オゾン濃度設定値(例えば、0ppm)よりも大きくなったとき(図2参照)、または放射性廃液の酸化還元電位の測定値が酸化還元電位設定値(例えば、55mV)よりも大きくなったとき、オペレータは入力装置により減少させたオゾン注入量設定値を制御装置25に設定する。制御装置25は、この新たに設定したオゾン注入量設定値(第2オゾン注入量設定値)に基づいてオゾン発生装置9に印加する電圧(またはオゾン発生装置9に供給する電流)を減少させる。これにより、オゾン発生装置9でのオゾンの発生量が減少し、オゾン注入装置10から循環配管18に注入されるオゾン注入量が1.44g/hよりも減少する。放射性廃液に含まれるオゾンが全て有機物の分解に使用されて余剰オゾンが発生しなくなり、放射性廃液の溶存オゾン濃度が溶存オゾン濃度設定値以下になる。本実施例は、放射性廃液の溶存オゾン濃度及び酸化還元電位の少なくとも1つの測定値が、設定値よりも大きくなったとき、オゾン注入量設定値を低減し、制御装置25がオゾン発生装置9でのオゾン発生量を制御して(例えば、オゾン発生装置9に印加する電圧を制御して)放射性廃液へのオゾン注入量を低減する。オゾン発生量の制御は、実質的に放射性廃液に注入するオゾン注入量を制御していることになる。
もし、循環する放射性廃液の溶存オゾン濃度が溶存オゾン濃度設定値(例えば、0.1ppm)以下であってその放射性廃液の酸化還元電位が酸化還元電位設定値を超えたときは、制御装置25は、酸化還元電位計14で測定された酸化還元電位測定値に基づいてオゾン発生装置9でのオゾン発生量を減少させるように、その発生量を制御する。具体的には、制御装置25は、オゾン発生装置9に印加する電圧を減少させる。この結果、溶存オゾン濃度がその設定値以下であっても、放射性廃液へのオゾン注入量を減少させることができ、酸化還元電位測定値をこの設定値以下に低減できる。
表示装置に表示された、放射性廃液のTOC濃度の測定値が設定値(TOC濃度の環境放出規準)以下になったとき、放射性廃液へのオゾンの注入が停止され、オゾンによる有機物の分解が終了する。
放射性廃液に含まれている有機物が分解されると、放射性廃液が酸性になる。このため、有機物の分解が終了した後、例えば、廃液収集タンク3内の放射性廃液をサンプリングし、サンプリングした放射性廃液のpHを測定する。放射性廃液のpHが酸性の値になっているとき、薬品タンク5内のNaOH水溶液を、薬品注入管17を通して廃液収集タンク3内の放射性廃液に注入する。循環ポンプ8が駆動して放射性廃液が廃液収集タンク3及び循環配管18内を循環しているので、放射性廃液と注入されたNaOH水溶液が混合され、放射性廃液が中和される。サンプリングした放射性廃液のpHが中性になったとき、NaOH水溶液の注入が停止され、活性炭ろ過器13の上流で排水管23に設けられた開閉弁(図示せず)を開く。そして、TOC濃度が設定値よりも低くなった廃液収集タンク3内の放射性廃液が排水管23に排出される。循環配管18を通して放射性廃液が循環している間は、排水管23に設けられた上記の開閉弁は閉じている。活性炭ろ過器13は、排出された放射性廃液に含まれているわずかに残留しているオゾン、及び放射性廃液に含まれた固形分を除去する。活性炭ろ過器13を通過した放射性廃液は、排水管23を通して例えば濃縮缶に導かれて濃縮される。
廃液収集タンク3内の有機物が分解された放射性廃液が、全て、排水管23に排出された後、洗濯設備1および手洗い設備2で発生した界面活性剤等の有機物を含む放射性廃液が廃液収集タンク3内に供給され、この放射性廃液に対して、前述と同様なオゾンによる有機物の分解処理が行われる。
以上に述べたように、本実施例は、放射性廃液の溶存オゾン濃度及び酸化還元電位の少なくとも1つの測定値が、対応する設定値よりも大きくなったとき、オゾンの発生量を制御して放射性廃液へのオゾン注入量を低減するので、図3に示すように、放射性廃液の溶存オゾン濃度を溶存オゾン濃度設定値以下に保持することができる。しかしながら、オゾンによる有機物の分解処理を開始して約400分を経過した時点以降において、放射性廃液の溶存オゾン濃度の測定値が溶存オゾン濃度設定値(例えば、0.1ppm)近傍の低い状態になっているときに、酸化還元電位の測定値が酸化還元電位の設定値である550mVを超える状態をもたらした(図3参照)。このように、酸化還元電位の測定値が酸化還元電位の設定値である550mVを超えるとき、制御装置25は、前述したように、オゾン発生装置9でのオゾン発生量を減少させる制御を行う。このため、循環配管18内へのオゾン注入量が減少し、放射性廃液の酸化還元電位の測定値が酸化還元電位の設定値以下に低下する。放射性廃液の酸化還元電位が550mVを超えると、放射性廃液処理装置30の構造部材が腐食する確率が高くなるが、上記した制御を行うことによって、放射性廃液の酸化還元電位をこの設定値以下に抑えることができるため、放射性廃液処理装置30の構造部材の腐食を抑制することができる。上記の酸化還元電位の制御により、放射性廃液の溶存酸素濃度をこの設定値以下に低下させることができる。
また、放射性廃液に含まれる容器物がオゾンにより分解されて生成された中間生成物(有機物の一種)の影響により、放射性廃液の溶存オゾン濃度の計測値が、溶存オゾンの濃度の設定値以下であっても、放射性廃液の酸化還元電位の測定値が酸化還元電位設定値の550mVを超える場合がある。このときには、溶存オゾン濃度測定値及び酸化還元電位測定値を入力している制御装置25は、溶存オゾン濃度計測値が溶存オゾン濃度設定値以下であり、酸化還元電位測定値が酸化還元電位設定値である550mVを超えていると判定したとき、制御装置25が、前述したように、オゾン発生装置9でのオゾン発生量を減少させる制御を行って、循環配管18を流れている放射性廃液へのオゾン注入量を減少させる。この制御により、放射性廃液の溶存オゾン濃度がこの設定値以下になっている状態で、酸化還元電位がこの設定値以下になる。このため、放射性廃液のTOC濃度を、環境放出規準を満足する濃度まで低減させた状態で放射性廃液処理装置30の腐食を抑制できる。
本実施例は、放射性廃液の溶存オゾン濃度及び酸化還元電位の少なくとも1つの測定値に基づいて放射性廃液へのオゾンの注入量を制御するので、放射性廃液のTOC濃度を、有機物の分解により、環境放出規準を満足する濃度まで低減することができ、オゾンと塩化物イオンの共存下における放射性廃液処理装置30の構造部材の腐食を抑制することができる。
本実施例では、環境放出規準を満足する濃度まで放射性廃液のTOC濃度を低減する場合、TOC濃度の低減時において放射性廃液へのオゾン注入量または放射性廃液の溶存オゾン濃度を抑制することによって、その溶存オゾン濃度を上昇させること無く放射性廃液に含まれる有機物の分解処理を継続することができる。
本実施例では、もし、循環する放射性廃液の溶存オゾン濃度が溶存オゾン濃度設定値以下であっても、その放射性廃液の酸化還元電位測定値が酸化還元電位設定値を超えたときには、制御装置25の制御により、酸化還元電位測定値に基づいてオゾン発生装置9でのオゾン発生量を減少させ、オゾン注入量を減少させることができる。このため、放射性廃液の溶存オゾン濃度が溶存オゾン濃度設定値以下であっても、その放射性廃液の酸化還元電位測定値が酸化還元電位設定値を超えたときには、オゾン注入量を減少させて放射性廃液内の有機物の分解を継続して行うことができる。
廃液収集タンク3内の放射性廃液に含まれる有機物を、上記したように、オゾンを用いて分解処理を行っているとき、放射性廃液の溶存オゾン濃度の測定値および酸化還元電位の測定値のいずれが先に、または同時に、それぞれの設定値よりも大きくなるかは分からない。しかしながら、本実施例では、溶存オゾン濃度測定値および酸化還元電位測定値が制御装置25に入力されており、これらの測定値の少なくとも1つが該当する設定値よりも大きくなったときに、制御装置25がオゾン発生装置9でのオゾン発生量を制御してその量を減少させることができ、放射性廃液へのオゾン注入量を低減できる。このため、溶存オゾン濃度測定値および酸化還元電位測定値の少なくとも1つが該当する設定値よりも大きくなったときに、溶存オゾン濃度を減少させることができ、放射性廃液処理装置30の放射性廃液と接触する構造部材の腐食をさらに抑制することができる。
本実施例では、放射性廃液に含まれる有機物のオゾンによる分解処理後において、放射性廃液の溶存オゾン濃度は極めて低いが、後段の処理装置(例えば、濃縮缶)に放射性廃液を導く排水管23に設けられた活性炭ろ過器13でその残留オゾンを除去することができる。
本実施例によれば、循環する放射性廃液の溶存オゾン濃度を溶存オゾン濃度設定値以下にすることができるので、廃液収集タンク3からベント管24に排出されるオゾンガスの量を無視できるほど小さくすることができるので、排オゾン処理装置6を小型化することができる。
本実施例では、有機物を含む放射性廃液を例えば50℃程度に加熱するので、放射性廃液に含まれる有機物の分解効率を向上させることができ、放射性廃液の溶存オゾン濃度および廃液収集タンク3から放出されるベントガスのオゾン濃度をさらに低減することができる。
本実施例では、オゾンを注入する前のTOC濃度初期値に基づいてオゾン注入量を決定し、決定したオゾン注入量およびTOC濃度測定値に基づいて、放射性廃液に注入するオゾンの発生量を制御している。しかしながら、TOC濃度初期値に基づいてオゾン注入量設定値を決めないで、制御装置25によりTOC濃度測定値に基づいてオゾンの発生量を制御して放射性廃液へのオゾン注入量を減少させても良い。このような制御によっても、放射性廃液に含まれる界面活性剤等の有機物をオゾンにより分解することができ、溶存オゾン濃度および酸化還元電位の少なくとも1つの測定値が該当する設定値よりも大きくなったときに、制御装置25により、オゾン発生装置9でのオゾン発生量を制御し、オゾン注入量を減少させることができる。このような制御では、TOC濃度初期値に基づいてオゾン注入量設定値を決める本実施例に比べて、オゾンによる有機物の分解により放射性廃液のTOC濃度が設定値まで低減されるまでに要する時間が長くなる。しかしながら、溶存オゾン濃度および酸化還元電位の少なくとも1つの測定値に基づいてオゾン注入量を制御できるので、本実施例で生じる各効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である実施例2の放射性廃液の処理方法を、図4を用いて説明する。
まず、本実施例の放射性廃液の処理方法に用いられる放射性廃液処理装置30Aを、図4を用いて説明する。放射性廃棄物処理装置30Aは、実施例1で用いられる放射性廃液処理装置30を共通のベース26上に設置した構成を有する。加熱装置4および微細気泡発生装置7を設けた廃液収集タンク3と、循環ポンプ8、オゾン注入装置10、TOC計11、オゾン濃度計12および酸化還元電位計14を設置した循環配管18と、オゾン供給管19によりオゾン注入装置10に接続されたオゾン発生装置9と、活性炭ろ過器13と、オゾン処理装置6と、制御装置25とが、共通ベース26上に設置されている(。循環配管18の一端が廃液収集タンク3の底部に接続され、循環配管18の他端が微細気泡発生装置7に接続されている。配管15B,16Bが廃液収集タンク3の上端部にそれぞれ接続される。活性炭ろ過器13は、循環配管18に接続された排水管23Aに設けられる。オゾン処理装置6は、廃液収集タンク3の上端部に接続されたベント管24Aに設けられる。
放射性廃液処理装置30Aは共通ベース26上に設置されているので、有機物を含む放射性廃液が発生する場所まで、放射性廃液処理装置30Aを、容易にクレーン等を用いて移送することができる。移送後に所定の位置に置かれた放射性廃液処理装置30Aにおいて、配管15Bを、ジョイント27を用いて洗濯設備1に接続された配管15Aに接続し、配管16Bを、ジョイント27を用いて手洗い設備2に接続し、排水管23Aを、ジョイント27を用いて処理装置に接続された排水管23Bに接続し、ベント管24Aを、ジョイント27を用いて換気空調系に接続されたベント管23Bに接続する。図示されていないが、シャワー設備に接続された配管も、ジョイントを用いて廃液収集タンク3に接続する。
洗濯設備1、手洗い設備2およびシャワー設備で発生した有機物を含む放射性廃液が、実施例1と同様に、廃液収集タンク3に集められる。放射性廃液処理装置30Aを用いた本実施例の放射性廃液の処理方法は、実施例1の放射性廃液の処理方法と同様に、オゾン注入量が制御され、有機物が分解される。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、さらに、放射性廃液処理装置が共通ベース26に設置されて搬送が可能であるので、洗濯廃液および手洗い廃液などの界面活性剤を含有した放射性廃液の処理だけではなく、原子力発電所内で発生する種々の、有機物を含む放射性廃液の処理に放射性廃液処理装置30Aを用いることができる。
共通ベース26に設置した放射性廃液処理装置30Aは、放射性廃液に含まれる有機物のオゾン分解処理に必要な機器及び配管を集約した設備である。このため、機器および配管の設置に際して制約のある既設設備の改造、追設に好適である。
放射性廃液処理装置30Aにおいて、廃液収集タンク3は設備に要求される処理容量により大きさが決まるので、微細気泡発生装置7と合せて共通ベース26とは別のユニットにしても良い。
実施例2の放射性廃液処理装置30Aは実施例1の放射性廃液処理装置30と同様に、放射性廃液処理装置の運転が現場にて実施できるように、近傍に制御盤15を設けている。
実施例1及び2のそれぞれの放射性廃液の処理方法は、原子力発電所で発生する有機物を含む放射性廃液だけでなく、核燃料再処理施設で発生する有機物を含む放射性廃液の処理に適用することができる。
1…洗濯設備、2…手洗い設備、3…廃液収集タンク、4…加熱装置、6…排オゾン処理装置、7…微細気泡発生装置、8…循環ポンプ、9…オゾン発生装置、10…オゾン注入装置、11…TOC計、12…オゾン濃度計、13…活性炭ろ過器、14…酸化還元電位計、18…循環配管、25…制御装置、26…共通ベース。

Claims (7)

  1. 塩化物イオンおよび有機物を含む放射性廃液と接触するステンレス鋼製の構造部材を有する放射性廃液処理装置を用いて前記塩化物イオンおよび前記有機物を含む放射性廃液の処理を行う放射性廃液の処理方法であって、
    前記放射性廃液の溶存オゾン濃度および酸化還元電位を測定し、前記溶存オゾン濃度および前記酸化還元電位の少なくとも一つの測定値に基づいて前記放射性廃液へのオゾンの注入量を制御し、
    前記オゾンを注入する前における前記放射性廃液の全有機炭素濃度に基づいてオゾンの注入量を決定し、前記溶存オゾン濃度および前記酸化還元電位の少なくとも一つの測定値が対応する設定値以下であるとき、前記決定された注入量に基づいて前記放射性廃液へのオゾン注入量を制御し、
    前記溶存オゾン濃度および前記酸化還元電位の少なくとも一つの測定値が対応する前記設定値よりも大きいとき、前記放射性廃液への前記オゾン注入量を減少させることを特徴とする放射性廃液の処理方法。
  2. 測定された前記溶存オゾン濃度が、この溶存オゾン濃度の前記設定値以下であって、前記酸化還元電位の測定値がこの酸化還元電位の前記設定値よりも大きいとき、前記オゾン注入量を減少させる請求項に記載の放射性廃液の処理方法。
  3. 前記溶存オゾン濃度設定値が0.1ppmであり、前記酸化還元電位設定値が550mVである請求項に記載の放射性廃液の処理方法。
  4. 放射性廃液の全有機炭素濃度が設定値以下になったとき、オゾン注入による、前記放射性廃液に含まれる前記有機物の分解処理を終了する請求項1ないしのいずれか1項に記載の放射性廃液の処理方法。
  5. 有機物を含む放射性廃液を蓄えるタンクと、前記タンクに両端部が連絡されてポンプが設けられ、前記放射性廃液を流す循環配管と、前記循環配管の前記放射性廃液の流出部に設けられ、前記タンク内にオゾンガスを散気する散気装置と、前記放射性廃液の溶存オゾン濃度を測定するオゾン濃度測定装置と、前記放射性廃液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定装置と、オゾン発生装置と、前記循環配管に設けられ、前記オゾン発生装置で発生するオゾンを注入するオゾン注入装置と、前記オゾン濃度測定装置で測定された前記溶存オゾン濃度および前記酸化還元電位測定装置で測定された前記酸化還元電位を入力し、前記溶存オゾン濃度および前記酸化還元電位の少なくとも1つの測定値が対応する設定値よりも大きくなったとき、前記オゾン発生装置におけるオゾン発生量を制御し、前記オゾンを注入する前における前記放射性廃液の全有機炭素濃度に基づいてオゾンの注入量を決定し、前記溶存オゾン濃度および前記酸化還元電位の少なくとも一つの測定値が対応する設定値以下であるとき、前記決定された注入量に基づいて前記放射性廃液へのオゾン注入量を制御し、前記溶存オゾン濃度および前記酸化還元電位の少なくとも一つの測定値が対応する前記設定値よりも大きいとき、前記放射性廃液への前記オゾン注入量を減少させる制御装置とを備え
    塩化物イオンおよび前記有機物を含む放射性廃液と接触するステンレス鋼製の構造部材を有することを特徴とする放射性廃液処理装置。
  6. 前記タンクと、前記オゾン濃度測定装置、前記酸化還元電位測定装置、前記オゾン注入装置及び前記ポンプが設けられた前記循環配管と、前記オゾン発生装置とが共通ベース上に設置された請求項に記載の放射性廃液処理装置。
  7. 前記放射性廃液の全有機炭素濃度を測定する全有機炭素濃度測定装置が設けられている請求項またはに記載の放射性廃液処理装置。
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