JP5602496B2

JP5602496B2 - 尿失禁改善パンツ

Info

Publication number: JP5602496B2
Application number: JP2010121291A
Authority: JP
Inventors: 正志伊藤; 由紀関口
Original assignee: Fuji Keiki KK
Current assignee: Fuji Keiki KK
Priority date: 2009-09-25
Filing date: 2010-05-27
Publication date: 2014-10-08
Anticipated expiration: 2030-05-27
Also published as: JP2011089244A

Description

本発明は、尿失禁改善パンツに関する。本発明の尿失禁改善パンツは、骨盤底障害（尿失禁及び骨盤臓器脱）の改善に寄与するものであり、男性用としても女性用としても使用することができる。

従来、尿吸収パッドを装着することにより尿失禁に対処する種々の型式の尿失禁パンツが開発され、市販されている（例えば、特許文献１、非特許文献１参照）。

特開２００８−２３３６５号公報失禁用パンツ「モドラーヌ」（日本直販オンラインカタログ，ＵＲＬ：http//www.666-666.jp）

しかしながら、従来の尿失禁用パンツは、専ら、漏れた尿を如何に効率的に吸収するか等の尿吸収パッドに関して工夫を凝らしたものが大半であり、着用することにより尿失禁の改善を図ろうとするものは見当たらない。

本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、着用することにより尿失禁の改善に役立つ尿失禁改善パンツを提供することを目的としている。また、本発明は、下腹部や臀部の垂れに対して体型補整を行う付随的な機能を併せ有する尿失禁改善パンツを提供することを目的としている。

尿失禁は、女性に数多く見られ、内科的な原因もあるが、多くの場合骨盤底筋群の弛緩により発生すると言われている。すなわち、骨盤底筋群が弛緩すると、力を入れたときに膀胱が下がり、これに伴い尿道の位置が動き、尿道が開いて尿失禁が生ずることとなる。尿失禁は、４０歳以上の女性の３０％〜４０％の人が経験すると言われている。本発明者は、尿失禁の原因となっている骨盤底筋群の弛緩に着目し、これを改善することにより、尿失禁に効果的に対処する尿失禁改善パンツを案出した。

本願請求項１に記載の、前身頃、後身頃およびクロッチ部を有する尿失禁改善パンツは、前記前身頃及び前記後身頃の上縁に設けた袋状部内に弾性材料製の紐を挿入することによって、又は前記前身頃及び前記後身頃の上縁に弾性材料製の紐を縫着することによって形成された弾性バンド部と、前記前身頃に配置され、前記クロッチ部を上方に引っ張るための前テンション部と、前記後身頃に配置され、前記クロッチ部を上方に引っ張るための後テンション部と、前記前身頃と前記後身頃の境界部に配置され、前記クロッチ部を上方に引っ張るための側部テンション部とを備えていることを特徴とするものである。

本発明の尿失禁改善パンツでは、弾性バンド部により、着用者の腹横筋を所望のように締めつけることができるので、骨盤底筋群の筋肉の収縮が促進され、尿失禁を改善することができる。また、本発明の尿失禁改善パンツを着用すると、着用者の股間より腹部にいたる部分が前テンション部、後テンション部、及び側部テンション部により上方に引っ張られるので、骨盤底筋群を支持しその牽引による障害を軽快することにより、失禁と臓器の下垂がしにくくなるとともに、二次的な効果としてヒップアップ作用も得られる。さらに、本発明の尿失禁改善パンツにおいて、前刺激部および後刺激部により排尿異常に効果的なつぼ（開元、中極、仙骨部分）に刺激が与えられるように構成すれば、骨盤内の血流が改善し、骨盤内の疼痛改善にも効果がある。

次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る尿失禁改善パンツについて説明する。図１は、本発明の第１の実施の形態に係る尿失禁改善パンツを概略的に示した正面図、図２は、図１の尿失禁改善パンツの背面図である。図１および図２において全体として参照符号１０で示される本発明の第１の実施の形態に係る尿失禁改善パンツは、前身頃１２と、後身頃１４と、クロッチ部１６とを備えている。

尿失禁改善パンツ１０は又、前身頃１２及び後身頃１４の上縁に配置された弾性バンド部１８を備えている。

弾性バンド部１８は、前身頃１２及び後身頃１４の上縁に設けた袋状部内に挿入された紐１８ａによって形成されており、着用時に所望のように紐１８ａを締めることによって腹横筋を締めるようになっている。或いは、弾性バンド部１８は、前身頃１２及び後身頃１４の上縁に設けた袋状部内にゴム等の弾性材料を挿入したり、弾性材料自体を前身頃１２及び後身頃１４の上縁に縫着したりすることによって、形成してもよい。

尿失禁改善パンツ１０は又、前身頃１２に配置され、クロッチ部１６を上方に引っ張るための前テンション部２０と、後身頃１４に配置され、クロッチ部１６を上方に引っ張るための後テンション部２２と、側部（すなわち、前身頃１２と後身頃１４との境界部）に配置され、クロッチ部１６を上方に引っ張るための側部テンション部２４とを備えている。

前テンション部２０、後テンション部２２、及び側部テンション部２４は、例えば、ゴム等の弾性材料を前身頃１２および後身頃１４に縫着することによって形成してもよく、或いは、前身頃１２および後身頃１４自体をストレッチ加工することによって形成してもよい。なお、尿失禁改善パンツ１０の前テンション部２０、後テンション部２２、及び側部テンション部２４は、図１及び図２に示されるように、逢着又はストレッチ加工により互いに一体に形成されている。

尿失禁改善パンツ１０に、前身頃１２に配置され、着用者のつぼを刺激する前刺激部（図示せず）と、後身頃１４に配置され、着用者のつぼを刺激する後刺激部（図示せず）とを設けてもよい。前刺激部および後刺激部は、磁石（フェライト磁石、コバルト磁石、アルニコ（アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅の合金）磁石、ネオジウム磁石等）又は遠赤外線放射物によって形成されている。なお、前刺激部は、排尿異常に効果のあるつぼ（開元、中極）に位置し、後刺激部は、排尿時に効果のあるつぼ（仙骨部分）に位置するように取り付けるのが好ましい。

なお、軽失禁に対処するため、クロッチ部１６の内側の所要箇所に、所要の吸収パッド２６を配置するのが好ましい。

図３〜図７は、本発明の第２の実施の形態に係る尿失禁改善パンツを示した図である。本発明の第２の実施の形態に係る尿失禁改善パンツ３０は、前テンション部４０および後テンション部４２が一体に形成されたものではなく、それぞれ分離して別個に形成されたものである点を除いて、本発明の第１の実施の形態に係る尿失禁改善パンツ１０と実質的に同一の構成を有している。

図３〜図７を参照してより詳細に説明すると、尿失禁改善パンツ３０は、前身頃３２と、後身頃３４と、クロッチ部３６と、前身頃３２及び後身頃３４の上縁に配置された弾性バンド部３８とを備えている。弾性バンド部３８は、弾性バンド部１８と同様の構成を有するものでよい。

尿失禁改善パンツ３０は又、前身頃３２の内側に配置され、クロッチ部３６を上方に引っ張るための前テンション部４０と、後身頃３４の内側に配置され、クロッチ部３６を上方に引っ張るための後テンション部４２と、クロッチ部３６の内側に配置された吸収パッド４６とを備えている。なお、図３、図４および図６における参照符号３３は、前身頃３２と後身頃３４の境界部に取り付けた飾り用レースを表している。

前テンション部４０および後テンション部４２は、通気性をもつ弾性織物で形成されている。前テンション部４０および後テンション部４２は、上縁が弾性バンド部３８にそれぞれ縫製されている。

前テンション部４０と後テンション部４２は、下部において吸収パッド４６を介して互いに連結されている。前テンション部４０と後テンション部４２は、非着用時において吸収パッド４６がクロッチ部３６から離れた状態になるように、前身頃３２と後身頃３４の長さよりも短くなるように形成されている。これにより、着用時において吸収パッド４６が上方に引っ張られるので、着用者の股間部分を圧迫することとなり、骨盤底筋群を支持し牽引することにより尿失禁障害を改善することができる。

吸収パッド４６は、着用者の性器（男性および女性）、肛門および会陰部を十分に被覆することができる幅と長さを有するように形成されており、着用時に歩行等の種々の活動に支障を来さないように、性別や体型などに応じて人間工学的な配慮が施された設計がなされている。また、吸収パッド４６は好ましくは、尿を吸収し且つ吸収した尿の漏出を防止するように、上部が吸収性原緞で形成され、下部が防水原緞で形成されている。なお、吸収パッド４６を形成する吸収性原緞は、身体の重要な部位に直接密着するので、天然素材を使用するのが好ましく、抗菌染料を用いて染める等して衛生的な漂白加工を施したものを用いるのが好ましい。

また、吸収パッド４６の上面に、交換可能な使い捨てパッド（図示せず）を付けて使用することにより、より衛生的で快適を使用が可能になる。

尿失禁改善パンツ３０において、前テンション部４０は、上部が前身頃３２の上縁全体に縫製され、上部から下部に移行するにつれて幅狭になる、ほぼ逆三角形の形状に形作られている（図４および図６参照）。したがって、前テンション部４０は、吸収パッド４６の前部分を上方に引っ張る役割のほか、股間から臍が位置する部位まで着用者の下腹部のほぼ全体を被覆しつつ圧迫する役割を果たす。また、後テンション部４２も、上部が後身頃３４の上縁全体に縫製され、上部から下部に移行するにつれて幅狭になる、ほぼ逆三角形の形状に形作られており（図７参照）、吸収パッド４６の後部分を上方に引っ張る役割のほか、着用者の臀部を被覆して引っ張り上げる、いわゆるヒップアップ効果を与える。このような前テンション部４０および後テンション部４２の構成により、着用時に、吸収パッド４６が伸長しつつ上方に引っ張られるので、股間部分が圧迫され、骨盤底筋群が支持され牽引されるので、尿失禁障害を緩和し、臓器が下垂しにくくなるようにするとともに、ヒップアップによる体型補整の副次的な効果も得られる。

好ましくは、前テンション部４０および後テンション部４２を形成する通気性弾性織物の表面に、遠赤外線放射物（例えば、ゲルマニウム）が配置され、又は塗布される。これにより、尿失禁改善パンツ３０においても、尿失禁改善パンツ１０と同様に、前刺激部および後刺激部が形成されることとなる。

尿失禁改善パンツ３０は、普通のパンツと同様の外観を呈しているが、尿失禁症状のある人が着用すると、快適な使用感を得られることに気付くであろう。

本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。

例えば、添付図面に示された尿失禁改善パンツ自体の全体形状は、専ら例示的なものにすぎず、異なる全体形状に形作ってもよい。

本発明の第１の実施の形態に係る尿失禁改善パンツを概略的に示した正面図である。図１の尿失禁改善パンツの背面図である。本発明の第３の実施の形態に係る尿失禁改善パンツを概略的に示した斜視図である。図３の尿失禁改善パンツの正面図である。図３の尿失禁改善パンツの側面図である。図３の尿失禁改善パンツの着用状態を示した正面図である。図３の尿失禁改善パンツの着用状態を示した背面図である。

１０、３０尿失禁改善パンツ
１２、３２前身頃
１４、３４後身頃
１６、３６クロッチ部
１８、３８弾性バンド部
２０、４０前テンション部
２２、４２後テンション部
２４側部テンション部
２６、４６吸収パッド

Claims

前身頃、後身頃およびクロッチ部を有する尿失禁改善パンツであって、
前記前身頃及び前記後身頃の上縁に設けた袋状部内に弾性材料製の紐を挿入することによって、又は前記前身頃及び前記後身頃の上縁に弾性材料製の紐を縫着することによって形成された弾性バンド部と、
前記前身頃に配置され、前記クロッチ部を上方に引っ張るための前テンション部と、
前記後身頃に配置され、前記クロッチ部を上方に引っ張るための後テンション部と、
前記前身頃と前記後身頃の境界部に配置され、前記クロッチ部を上方に引っ張るための側部テンション部と、
を備えていることを特徴とする尿失禁改善パンツ。