JP5601375B2 - 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理技術に関する。
昨今、立体視が可能な動画(3D動画とも言う)を利用した3Dテレビが脚光を浴びている。3Dテレビでは、視点が異なる2つの画像が利用されて立体視が可能な画像(3D画像とも言う)が生成される。この3D画像の技術では、ユーザーの眼の焦点調節機能が利用されて画像の奥行き感が実現されている。
ところが、3D動画については、急激なシーンの切り替わり等が生じると、ユーザーに疲労感を与え易くなる。そこで、シーンの切り替わり位置における奥行き感が徐々に変更されることで、立体視を行うユーザーの疲労感を軽減できる技術が提案されている(例えば、特許文献1等)。
また、3D画像の技術は、種々の映像分野で採り入れられており、例えば、視差が人の融合範囲に入るように調節されることで広い範囲で画像の立体視が可能となる内視鏡装置が提案されている(例えば、特許文献2等)。
特開2009−239388号公報 特開平8−313825号公報
ところで、1つの撮影画像に基づいて該撮影画像に係る視点とは異なる仮想的な視点から同一の被写体を捉えた画像(仮想視点画像とも言う)が擬似的に生成されれば、3D画像の生成が可能となる。そして、1つの動画に基づいて該動画に係る視点とは異なる仮想的な視点から同一の被写体を捉えた動画(仮想視点動画とも言う)が擬似的に生成されれば、3D動画の生成が可能となる。
しかしながら、上記仮想視点画像では、元の撮影画像では捉えられていない被写体の部分に対応する領域が、画素値が不明な領域(オクルージョン領域とも言う)となってしまう。そして、このオクルージョン領域の発生により、3D動画において本来存在すべき映像が存在せず、ユーザーに違和感を与えてしまう。更に、画像においてオクルージョン領域が占める割合が高くなれば高くなるほど、ユーザーが受ける違和感が増大する。そして、特に、画像中に近景が急に現れるシーン等では、ユーザーが受ける違和感の増大が顕著となる。
このような問題に対して、上記特許文献1,2の何れの技術も、大小異なるサイズのものが発生し得るオクルージョン領域に対応して、ユーザーが受ける違和感を低減することはできない。なお、このような問題を解決する上では、3D動画の元となる仮想視点動画が視覚的に違和感のないものとされることが求められる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、仮想的な視点から見た擬似的な動画を生成する際にユーザーに与える視覚的な違和感を低減する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の態様に係る画像処理装置は、複数のフレームを含む動画像を取得する画像取得部と、各前記フレームを対象として、各画素に対して所定のルールに基づき目標視差を設定する目標視差設定部と、前記複数のフレームのうちの第1フレームを対象として、各画素に対して初期視差を設定する初期視差設定部と、前記複数のフレームのうちの前記第1フレームに続く時間順次の第1期間第2期間および第3期間に係る複数のフレームについて、各画素の視差を前記初期視差から前記目標視差に向けて調整する視差調整部と、を備え、前記第1期間における視差の変化量を該第1期間の長さで割ることで求められる第1変化率が、前記第2期間における視差の変化量を該第2期間の長さで割ることで求められる第2変化率よりも小さく、前記第2変化率が、前記第3期間における視差の変化量を該第3期間の長さで割ることで求められる第3変化率よりも大きい。
第2の態様に係る画像処理装置は、第1の態様に係る画像処理装置であって、前記初期視差から前記目標視差に向けた視差の変化に係る複数種類の調整パターンを記憶する記憶部、を備え、前記視差調整部が、前記複数種類の調整パターンのうちの前記初期視差と前記目標視差との差に応じた調整パターンに沿って各画素の視差を調整する。
第3の態様に係る画像処理装置は、第1の態様に係る画像処理装置であって、前記視差調整部が、Nを自然数とした場合に、該視差調整部によって調整された後のN番目のフレームの視差と前記目標視差とに基づいて、N+1番目以降のフレームの視差を調整する。
第4の態様に係る画像処理装置は、第1の態様に係る画像処理装置であって、前記視差調整部が、Qを自然数とした場合に、N+Q番目のフレームにおける各画素に係る目標視差と、該視差調整部によって調整された後の前記N番目のフレームの視差とに基づいて、N+1番目以降のフレームの視差を調整する。
第5の態様に係る画像処理装置は、第1または第2の態様に係る画像処理装置であって、前記視差調整部が、所定時間に相当する数のフレームについて、各画素の視差を前記初期視差から前記目標視差まで調整する。
第6の態様に係る画像処理装置は、第1から第4の何れか1つの態様に係る画像処理装置であって、前記視差調整部が、時間的に隣り合うフレーム間における視差の調整量が上限値を超えないように各画素の視差を調整する。
第7の態様に係る画像処理装置は、第1から第6の何れか1つの態様に係る画像処理装置であって、前記視差調整部が、前記動画で捉えられている第1の被写体の視差に応じて、前記第1の被写体とは異なる第2の被写体について各画素の視差を調整する。
第8の態様に係る画像処理装置は、第1から第6の何れか1つの態様に係る画像処理装置であって、前記視差調整部が、各前記フレームで捉えられている被写体の位置に応じて、各画素の視差を調整する。
第9の態様に係る画像処理装置は、第1から第8の何れか1つの態様に係る画像処理装置であって、前記目標視差が、各前記フレームに係る視点と仮想的な視点との離隔距離と、各前記フレームが撮影された際における撮像装置から被写体までの距離とに対応する。
第10の態様に係る画像処理装置は、第1から第9の何れか1つの態様に係る画像処理装置であって、Nおよびpをそれぞれ自然数とした場合に、前記複数のフレームのうちのN番目のフレームと該N番目のフレームよりも時間的に前に係るN−p番目のフレームとの比較によって、該N番目のフレームにおける被調整領域を検出する検出部、を更に備え、前記視差調整部が、前記被調整領域に係る各画素の視差を前記初期視差から前記目標視差に向けて調整する。
第11の態様に係る画像処理方法は、(a)複数のフレームを含む動画像を取得するステップと、(b)各前記フレームを対象として、各画素に対して所定のルールに基づき目標視差を設定するステップと、(c)前記複数のフレームのうちの第1フレームを対象として、各画素に対して初期視差を設定するステップと、(d)前記複数のフレームのうちの前記第1フレームに続く時間順次の第1期間第2期間および第3期間に係る複数のフレームについて、各画素の視差を前記初期視差から前記目標視差に向けて調整するステップと、を備え、前記第1期間における視差の変化量を該第1期間の長さで割ることで求められる第1変化率が、前記第2期間における視差の変化量を該第2期間の長さで割ることで求められる第2変化率よりも小さく、前記第2変化率が、前記第3期間における視差の変化量を該第3期間の長さで割ることで求められる第3変化率よりも大きい。
第12の態様に係るプログラムは、情報処理装置に含まれる制御部において実行されることにより、前記情報処理装置を、第1から第10の何れか1つの態様に係る画像処理装置として機能させるプログラムである。
第1から第10の何れか1つの態様に係る画像処理装置によれば、仮想的な視点から見た擬似的な動画を生成する際にユーザーに与える視覚的な違和感を低減することができる。
第2の態様に係る画像処理装置によれば、的確な視差の調整が容易に可能となる。
第3の態様に係る画像処理装置によれば、適切な視差の調整が可能となる。
第4の態様に係る画像処理装置によれば、目標視差の変化に対応する視差の調整が容易に可能となる。
第5の態様に係る画像処理装置によれば、視差の調整に要する時間の変動が抑制されるため、ユーザーに与える視覚的な違和感が適切に抑えられる。
第6の態様に係る画像処理装置によれば、視差の顕著な変化が抑制されるため、ユーザーに与える視覚的な違和感が適切に抑えられる。
第7の態様に係る画像処理装置によれば、物体どうしの間における視差の整合性が良くなるため、ユーザーに与える視覚的な違和感が適切に抑えられる。
第8の態様に係る画像処理装置によれば、ユーザーが着目する度合いに応じた視差の調整が可能となる。
第9の態様に係る画像処理装置によれば、立体視が可能な画像の生成に適した目標視差を設定することが可能となる。
第10の態様に係る画像処理装置によれば、必要に応じた視差の調整が可能となる。
第11の態様に係る画像処理方法および第12の態様に係るプログラムの何れによっても、仮想的な視点から見た擬似的な動画を生成する際にユーザーに与える視覚的な違和感を低減することができる。
図1は、一実施形態に係る処理の特徴を説明するための図である。 図2は、一実施形態に係る画像処理システムの概略構成を例示する図である。 図3は、画像処理装置に係る機能的な構成を例示するブロック図である。 図4は、三角測量の原理を利用した目標視差の求め方を説明するための図である。 図5は、第N右眼用フレームの一例を模式的に示す図である。 図6は、第N右眼用フレームの一例を模式的に示す図である。 図7は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。 図8は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。 図9は、画像処理装置の動作フローを示すフローチャートである。 図10は、画像処理装置の動作フローを示すフローチャートである。 図11は、仮想視点画像に係る視差の調整の一態様を例示する模式図である。 図12は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。 図13は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。 図14は、仮想視点画像に係る視差の調整の一態様を例示する模式図である。 図15は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。 図16は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。 図17は、仮想視点画像に係る視差の調整の一態様を例示する模式図である。 図18は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。 図19は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。 図20は、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における画像上の物体のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。更に、画像データと、該画像データに基づいて表示される画像とをまとめて「画像」と総称する。
<(1)一実施形態に係る処理の特徴>
図1は、一実施形態に係る処理の特徴を説明するための図である。
図1で示されるように、例えば、n枚(nは2以上の自然数)のフレームからなる動画のうちのN番目(Nはn以下の自然数)のフレーム(第Nフレームとも言う)GNは、長方形の外縁を有する。ここでは、第NフレームGNの左上の画素が原点とされ、第NフレームGNの長辺に沿った方向(ここでは横方向)がX軸方向とされ、第NフレームGNの短辺に沿った方向(ここでは縦方向)がY軸方向とされる。そして、第NフレームGNの右方向が+X方向とされ、第NフレームGNの下方向が−Y方向とされる。なお、図1および図1以降の他の図では、直交するXYの2軸が必要に応じて示されている。
ここでは、図1で示されるように、例えば、n枚(nは2以上の自然数)のフレームからなる動画のうちのN番目(Nはn以下の自然数)のフレーム(第Nフレームとも言う)GNから、立体視が可能な3D画像が生成される場合を想定する。例えば、第NフレームGNがそのまま左眼用のN番目のフレーム(第N左眼用フレームとも言う)GNLとして使用され、第NフレームGNから右眼用のN番目のフレーム(第N右眼用フレームとも言う)GNRが生成される場合を想定する。
ここでは、第NフレームGN(第N左眼用フレームGNL)が撮影された際におけるカメラの位置(具体的には、撮像素子)が第N視点とされ、第N右眼用フレームGNRを撮影するための仮想的なカメラの位置が第N仮想視点とされる。そして、第N視点と第N仮想視点とが、人間の標準的な左眼と右目との位置関係にある。これにより、第N左眼用フレームGNLと第N右眼用フレームGNRとの間において、同じ被写体を捉えた画素の位置のズレ(すなわち視差)が生じる。
ところで、第N右眼用フレームGNRには、第N左眼用フレームGNLで捉えられていた物体(ここでは人物)OBNと背景とに対応する領域だけでなく、第N左眼用フレームGNLでは人物OBNの後方に位置するために捉えられなかった被写体の部分に対応する領域(非撮影領域ともオクルージョン領域とも言う)OCNとが存在する。このオクルージョン領域OCNについては、実際の画素値が不明である。このため、動画における冒頭のシーンおよび被写体が全く別のものに切り替わるシーンにおいて、オクルージョン領域OCNが突然に画面上に表示されると、ユーザーに違和感を与える虞がある。
そこで、本実施形態では、第N右眼用フレームGNRが生成される際に、各種条件に応じて視差の変化量が適宜調整されることで、オクルージョン領域OCNが極力目立たないように、該オクルージョン領域OCNの発生量が調整されている。
<(2)画像処理システムの概略構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の概略構成を示す図である。
情報処理システム1は、カメラ2と測距機3と情報処理装置4とを備えている。情報処理装置4は、カメラ2と測距機3とに対してデータの送受信が可能に接続されている。
カメラ2は、例えば、デジタルカメラによって構成されている撮像装置である。デジタルカメラは、CCD等の撮像素子を有するものである。カメラ2では、被写体からの光が受光され、光電変換によって、被写体の輝度に係る分布を示す情報が画像データとして取得される動作(いわゆる撮影)が行われる。
このカメラ2は、所定のタイミングで複数回の撮影を行うことで、n個の画像データを取得する。このn個の画像データは、動画を構成するn枚のフレームに相当する。例えば、一連の複数回の撮影からなる動画の撮影において、N番目の撮影によって第Nフレームが得られる。第Nフレームは、例えば、横にA個の画素(Aは自然数、例えば、A=1280)および縦にB個の画素(Bは自然数、例えば、B=960)からなるマトリックス状の画素の配列からなる。カメラ2で得られるn枚のフレームに係るデータは、データ線CBを介して情報処理装置4に送信される。
測距機3は、カメラ2に対する位置関係と姿勢とが保持されつつ該カメラ2に併設され、例えば、レーザーを用いて被写体までの距離を計測する機器である。この測距機3によって、カメラ2(具体的には、撮像素子)から被写体の各部分までの距離が測定されることで、各撮影時におけるカメラ2から被写体の各部分までの距離が測定される。
例えば、N番目の撮影時におけるカメラ2(すなわち第N視点)から被写体の各部までの距離(被写体距離とも言う)を示す情報(第N距離情報とも言う)が得られる。換言すれば、第N距離情報は、第Nフレームを構成している各画素で捉えられた被写体の部分と第N視点との距離(被写体距離)を示す情報を含む。n枚のフレームに対応して測距機3で得られるn個の距離情報は、データ線CBを介して情報処理装置4に送信される。
情報処理装置4は、例えばパーソナルコンピュータ(パソコン)によって構成され、操作部41と表示部42とインターフェース(I/F)部43とを備えている。操作部41は、マウスおよびキーボード等を含み、表示部42は、液晶ディスプレイ等を備え、I/F部43は、カメラ2と測距機3とからのデータを受信する。また、情報処理装置4は、記憶部44と入出力部45と制御部46とを有している。
記憶部44は、例えばハードディスク等によって構成され、カメラ2で得られる各画像を記憶する。また、記憶部44には、情報処理装置4において各種動作を実現するためのプログラムPG等が格納される。この各種動作には、立体視可能な動画の作成動作が含まれる。
入出力部45は、例えば、ディスクドライブを備えて構成され、光ディスク等の記憶媒体9を受け付け、制御部46との間でデータの授受を行う。
制御部46は、プロセッサーとして働くCPU46aと、情報を一時的に記憶するメモリ46bとを有し、情報処理装置4の各部を統括的に制御する。また、制御部46では、記憶部44内のプログラムPGが読み込まれて実行されることで、各種機能および各種情報処理等が実現される。この情報処理において一時的に生成されるデータは、メモリ46bに適宜記憶される。そして、制御部46の制御により、情報処理装置4は、立体視可能な動画の作成を行う画像処理装置として働く。なお、記憶媒体9に記憶されているプログラムを、入出力部45を介してメモリ46bに格納させることが可能である。
<(3)画像処理に関する機能的な構成>
図3は、制御部46で実現される画像処理装置に係る機能的な構成を例示するブロック図である。情報処理装置4は、画像取得部461、距離情報取得部462、領域検出部463、目標視差設定部464、初期視差設定部465、視差調整部466、仮想視点画像生成部467、および立体視画像生成部468を備えている。
画像取得部461は、記憶部44等に格納されている複数のフレームを含む動画像を取得する。この動画像は、例えば、カメラ2によって所定のタイミングで複数回の撮影が行われることで取得される複数のフレームを備えて構成されている。そして、複数のフレームは、例えば、動画を構成するn枚(nは2以上の自然数)のフレームに相当する。
距離情報取得部462は、記憶部44等に格納されている動画を構成している第Nフレームが撮影された際におけるカメラ2から被写体までの距離を示す距離情報(第N距離情報とも言う)を取得する。このカメラ2から被写体までの距離は、第Nフレームが撮影された際におけるカメラ2(具体的には、撮像素子)から第Nフレームの各画素で捉えられている被写体の部分までの距離である。
領域検出部463は、n枚のフレームのうちのN番目のフレーム(第Nフレーム)と、同一のn枚のフレームのうちのN−p番目(pは自然数)のフレーム(第N−pフレーム)との比較を行う。この比較により、領域検出部463は、第Nフレームにおいて視差を調整すべき領域(被調整領域とも言う)を検出する。なお、詳細な被写体の変化が認識される観点から、pは1であることが好ましい。
目標視差設定部464は、n枚のフレームに含まれる第Nフレームを対象として、各画素に対して所定のルールに基づいて目標とする視差(目標視差とも言う)を設定する。目標視差は、第N視点から撮影された第Nフレームを基準として、N番目の仮想的な視点(第N仮想視点とも言う)から撮影すれば得られると予測されるN番目の擬似的なフレーム(第N仮想視点画像とも第N仮想視点フレームとも言う)を生成するための各画素のシフト量に相当する。第N視点と第N仮想視点との関係は、第N視点の位置を人物の左目の位置とすれば、第N仮想視点の位置が同一人物の右目の位置となる関係を有する。したがって、例えば、第N視点と第N仮想視点とを結ぶ仮想的な直線(仮想直線とも言う)が、カメラ2の撮影方向と直交するような条件が考えられる。なお、第N視点と第N仮想視点については、例えば、被写体を囲む仮想的な円周上に配置されても良いし、その他の配置が採用されても良い。
初期視差設定部465は、被調整領域毎に、n枚のフレームのうちの被調整領域が出現するフレーム(出現フレームとも言う)を対象として、各画素に対して初期視差を設定する。初期視差は、−X方向(または+X方向)の所定数(例えば、0)の画素に相当するものであれば良い。例えば、第N視点および第N仮想視点から被写体までの距離が短い場合には、右目で見た被写体は左目で見た被写体よりも左側にシフトするため、初期視差は−X方向に0以上の数の画素に設定されることが好ましい。なお、第N視点および第N仮想視点から被写体までの距離が長い場合には、例えば、3D画像において被写体までの距離が遠い感覚をユーザーに対して強く与える目的で、初期視差が+X方向に0以上の数の画素に設定され、目標視差が+X方向に設定される態様も考えられる。
視差調整部466は、被調整領域毎に、n枚のフレームのうちの出現フレームに続く複数のフレームについて、各画素の視差を初期視差から目標視差に向けて調整する。この初期視差から目標視差に向けた視差の調整は、各種条件によって異なる。各種条件としては、出現フレームにおける目標視差の大きさ、調整後の視差と目標視差との差、フレームにおける被調整領域の位置、およびカメラ2から被調整領域で捉えられた物体までの距離等が挙げられる。
仮想視点画像生成部467は、n枚のフレームについて、視差調整部466で調整された視差の情報に基づき、n枚の仮想視点フレームを生成する。すなわち、n枚の左眼用のフレームからn枚の右眼用のフレームがそれぞれ生成される。
立体視画像生成部468は、n枚の左眼用のフレームと仮想視点画像生成部467によって生成されたn枚の右眼用のフレームとに基づいて、立体視が可能な動画(3D動画)を生成する。ここで生成された3D動画のデータは、例えば、記憶部44または入出力部45等に向けて出力され、記憶部44または記憶媒体9に記憶される。
<(4)被調整領域の検出方法>
ここで、領域検出部463による被調整領域の検出方法について説明する。
第Nフレームと第N−pフレームとの比較が行われる際、例えば、N=1で且つp=1の場合には、第N−pフレームは存在しない。このとき、第Nフレームは動画の最初のフレームであり、該第Nフレームにおける全領域が、被調整領域として検出される。
また、例えば、Nが2以上で且つp=1の場合には、領域検出部463は、第N−pフレームと第Nフレームとの間における対応点の探索により、第N−pフレームには存在していないが、第Nフレームには存在している被写体の部分が捉えられた領域(出現領域とも言う)が検出される。ここで、対応点の探索としては、例えば、位相限定相関法(POC法)またはテンプレートマッチング等を用いた処理が挙げられる。
更に、第N距離情報に基づいて第Nフレームにおける出現領域が物体毎に区別されることで、第N−pフレームには存在していなかった物体を示す領域が被調整領域として検出される。これにより、必要に応じた視差の調整が可能となる。なお、出現領域を物体毎に分類する方法としては、例えば、相互に隣接する画素について被写体距離が所定の閾値(例えば、10cm)以内である場合に、この相互に隣接する画素が、同一物体を捉えた画素として認識される方法が挙げられる。
また、領域検出部463では、n枚のフレームのうち、被調整領域毎に、被調整領域が出現する出現フレームが認識される。
<(5)目標視差の設定方法>
ここで、目標視差設定部464による目標視差の設定方法について説明する。
目標視差の設定に係る所定のルールとしては、例えば、三角測量の原理が利用されたルールが挙げられる。このルールは、第Nフレームの撮影時における第N視点と、第N仮想視点との離隔距離と、第Nフレームが撮影された際におけるカメラ2から被写体の各部分までの距離(被写体距離)とから目標視差が設定されるようなルールである。
具体的には、図4で示されるように、カメラ2(すなわち第N視点)から被写体20Bまでの距離をD、第N視点と第N仮想視点との離隔距離をB、カメラ2のレンズの焦点距離をf、第Nフレームと第N仮想視点フレームとの間において被写体の同一部分を捉えた画素のズレ量(目標視差)をΔdとすると、下式(1)の関係が成立する。
D=f×B/Δd ・・・(1)。
上式(1)のうち、離隔距離Bは、例えば、標準的な人間の右目と左目との離隔距離に応じて一義的に決められる。焦点距離fは、カメラ2の設計によって決められる。また、距離Dについては、第Nフレームに係る第N距離情報によって与えられる。このため、第Nフレームの各画素について目標視差Δdが求められる。
<(6)視差の調整の具体例>
以下、視差調整部466で行われる視差の調整について具体例を挙げて説明する。
<(6−1)目標視差の大小に応じた視差の調整>
<(6−1−1)視差の調整についての概要>
図5は、被調整領域が出現した出現フレームにおける被調整領域の目標視差が大きな場合において、仮に目標視差にそのまま従って生成された第N右眼用フレームGNRの具体例を模式的に示す図である。図5で示される第N右眼用フレームGNRには、被調整領域に相当する人物が捉えられた領域(物体領域とも言う)OBNと、その領域OBNに対応するオクルージョン領域OCNとが含まれている。図5では、比較的大きなオクルージョン領域OCNが示されている。
ここで、オクルージョン領域が全く存在していないフレームが基準とされる場合と、オクルージョン領域が既に存在しているフレームが基準とされる場合との間で、オクルージョン領域の増大に対してユーザーが持つ印象が異なる。従って、目標視差が大きな場合には、オクルージョン領域の増大に応じて、時間的に隣り合うフレーム間における視差の調整量(1フレーム当たりの視差の調整量とも言う)が徐々に増大されれば、ユーザーに与える違和感が低減される。そして、比較的長時間に対応する数のフレームにおいて、被調整領域に係る視差が初期視差から目標視差に向けて調整されることが好ましい。
図6は、被調整領域が出現した出現フレームにおける被調整領域の目標視差が小さな場合において、仮に目標視差にそのまま従って生成された第N右眼用フレームGNRの具体例を模式的に示す図である。図6で示される第N右眼用フレームGNRには、図5で示されたものと同様に、被調整領域に相当する人物が捉えられた領域(物体領域とも言う)OBNと、その領域OBNに対応するオクルージョン領域OCNとが含まれている。
しかし、図6で示されるオクルージョン領域OCNは比較的小さいため、ユーザーに対して違和感を与える可能性が低い。従って、このような条件では、比較的短時間に対応する数のフレームにおいて、被調整領域に係る視差が初期視差から目標視差に向けて調整される。これにより、違和感と視差調整に要する時間との双方の抑制が可能である。但し、視差の調整量の急激過ぎる変化は、ユーザーに違和感を与えるため、例えば、視差を調整する初期および終期の少なくとも何れか一方において、1フレーム当たりの視差の調整量が低く抑えられることが好ましい。すなわち、該初期および終期において、比較的緩やかに視差が調整されることが好ましい。
<(6−1−2)目標視差の大小についての判定>
目標視差が大きいか否かの判定方法としては、例えば、その目標視差を設定するために用いられた距離、すなわちカメラ2から被調整領域で捉えられた物体までの距離が、所定の閾値(例えば、1m程度の値)未満であれば、目標視差が大きいものと判定される方法が考えられる。
また、例えば、物体領域OBNのX方向に沿った横幅に相当する画素数(物体幅とも言う)と、目標視差に相当する画素のシフト量との比に基づいて判定される方法が採用されても良い。この方法では、例えば、シフト量を物体幅で割った値が所定の閾値(例えば、0.1)以上であれば、目標視差が大きいものと判定される。
また、例えば、物体領域OBNの面積と、オクルージョン領域OCNの面積との比に基づいて判定される方法が採用されても良い。この方法では、例えば、オクルージョン領域OCNの面積を物体領域OBNの面積で割った値が所定の閾値(例えば、0.1)以上であれば、目標視差が大きいものと判定される。
そして、目標視差が大きいものと判定されない場合は、目標視差が小さいものと判定される。
<(6−1−3)目標視差が大きな場合>
ここでは、説明の複雑化を防ぐために、視差が調整される際には、目標視差が一定値である簡単な例を挙げて説明する。
図7は、出現フレームの被調整領域における目標視差が大きな場合について、時間の経過と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。図7では、横軸が時間の経過を示し、縦軸が視差を示している。この時間の経過は、動画における出現フレームの時刻を基準とした時間の経過を示す。そして、出現フレームにおける被調整領域の目標視差daobが太い破線で描かれた直線L10で示され、時間の経過と調整後の視差との関係が太い実線で描かれた曲線L11で示されている。また、目標視差が大きいか否かを判定するための所定の閾値dTHが示されている。
図7の曲線L11に対応する視差の調整としては、例えば、次のステップ(A1)〜(A3)が順に行われる動作が考えられる。
(A1)視差の調整が開始され、評価値Viが閾値α以下であれば、1フレーム当たりの視差の調整量が比較的小さな状態が維持される。(A2)評価値Viが閾値αを超えると、1フレーム当たりの視差の調整量が増大する。(A3)評価値Viが閾値βを超えると、1フレーム当たりの視差の調整量が減少する。
ここで、評価値Viは、例えば、視差の調整が開始されてから経過した時間であっても良いし、視差が開始されてからのフレームの数であっても良いし、調整後の視差であっても良い。また、閾値α,βは、それぞれ予め決められた固定の値であっても良いし、視差の調整が開始されてから経過した時間、視差が開始されてからのフレームの数、および調整後の視差のうちの少なくとも1以上の値から算出されても良い。例えば、評価値Viが、調整後の視差であり、閾値α,βが、目標視差の所定数%である場合が考えられる。具体例としては、閾値αが目標視差の20%であり、閾値βが目標視差の80%であるような場合が考えられる。
このように、視差の調整が行われる期間には、評価値Viが0から閾値αに至るまでの第1期間A1、評価値Viが閾値αを超えてから閾値βに至るまでの第2期間A2、および評価値Viが閾値βを超えた後の第3期間A3が含まれる。そして、例えば、第1期間A1における1フレーム当たりの視差の調整量が一定値a1であり、第2期間A2における1フレーム当たりの視差の調整量が一定値a2であり、第3期間A3における1フレーム当たりの視差の調整量が一定値a3であるような場合が考えられる。
但し、ユーザーに対して違和感を極力与えない観点から、評価値Viが閾値α,βに到達する前後を含むある程度の期間において、1フレーム当たりの視差の調整量が徐々に変更されることが好ましい。つまり、図7の曲線L11で示されるように、視差の調整量が徐々に変更されることで、視差が曲線的に変化するような態様が好ましい。これにより、視差が、加速度的に増加した後に緩やかに目標視差まで到達する。
なお、図7の曲線L11では、経過時間がT0〜T1aである第1期間A1において視差が初期視差d0からd1aまで到達し、経過時間がT1a〜T2aである第2期間A2において視差がd1aからd2aまで到達し、経過時間がT2a〜T3aである第3期間A3において視差がd2aからdaobまで到達する例が示されている。つまり、n枚のフレームのうちの出現フレームに続く時間順次の第1期間A1と第2期間A2と第3期間A3とに係る複数のフレームについて、各画素の視差が初期視差から目標視差に向けて調整される。
より具体的には、第1期間A1における視差の変化量を第1期間A1の長さで割ることで求められる視差の変化率(第1変化率とも言う)が、第2期間A2における視差の変化量を第2期間A2の長さで割ることで求められる視差の変化率(第2変化率とも言う)よりも小さい。このような視差の調整により、仮想視点から見た擬似的な動画を生成する際にユーザーに与える視覚的な違和感を低減することが可能となる。また、第2変化率が、第3期間A3における視差の変化量を第3期間A3の長さで割ることで求められる視差の変化率(第3変化率とも言う)よりも大きい。なお、第2変化率は、例えば、第1変化率および第3変化率の数倍〜数十倍であることが好ましい。
ところで、曲線L11で示されるような視差の曲線的な変化は、種々の方法によって実現可能である。種々の方法としては、予め準備されている時間の経過とともに視差が曲線的に変化するパターン(調整パターンとも言う)が用いられる方法、および所定の関数に従って視差を変化させる方法等が挙げられる。
まず、調整パターンに従って視差を調整する方法としては、例えば、予め準備された複数種類の調整パターンのうちの初期視差と目標視差との差に応じた調整パターンに沿って各画素の視差が調整される場合が考えられる。この場合、各種類の調整パターンは、時間経過に対して初期視差から目標視差に向けて視差が曲線的に変化するデータによって示され、記憶部44に予め記憶されていれば良い。そして、この調整パターンは、例えば、初期視差と目標視差との差に応じて決まる視差の調整に必要な期間に合わせて、時間経過の方向に伸縮されれば良い。
このような調整パターンに従った視差の調整により、的確な視差の調整が容易に可能となる。なお、動画における1秒当たりのフレームの数が60である場合、すなわちフレームレートが毎秒60フレームである場合、視差の調整に要するフレームの数は、例えば、120〜180程度といった比較的大きな数となる。
次に、所定の関数に従って視差を調整する方法としては、例えば、n枚のフレームのうちのN番目の第Nフレームが視差の調整に係る被調整領域の出現フレームである場合、第Nフレームの初期視差と目標視差とに基づいて、N+1番目以降のフレームの視差が調整される態様が考えられる。また、例えば、n枚のフレームのうちのN番目の第Nフレームにおける調整後の視差と目標視差とに基づいて、N+1番目以降のフレームの視差が調整される態様が考えられる。このような関数に従った視差の調整により、適切な視差の調整が可能となる。
なお、所定の関数に従った視差の調整方法の具体例としては、初期視差と目標視差との差と、調整後の第Nフレームの視差と目標視差との差とに基づいた、PID制御が考えられる。このPID制御では、例えば、評価値Viが閾値α,βに到達する度に、積分項の係数と微分項の係数と比例項の係数とがそれぞれ変更される態様が考えられる。これにより、視差が、直ぐに目標視差まで到達せずに、ある程度の遅延時間を有して初期視差から目標視差まで到達するように調整される。
ところで、閾値α,β等といった閾値が用いられず、所定のパラメータに応じて視差が調整されても良い。所定のパラメータとしては、視差の調整に既に要した時間、視差の調整に用いられる時間、および調整後の視差と目標視差との関係等が挙げられる。例えば、視差の調整に既に要した時間が関数に代入されることで視差の調整量が算出される態様が考えられる。また、例えば、目標視差の大小に応じて、視差の調整に用いられる時間が設定され、その時間に合わせて、時間経過と視差との関係を示す曲線状の調整パターンが伸縮される態様が考えられる。また、例えば、調整後の視差と目標視差との関係に応じて、時間経過と視差との関係を示す曲線状の調整パターンが伸縮される態様が考えられる。
<(6−1−4)目標視差が小さな場合>
ここでも、説明の複雑化を防ぐために、視差が調整される際には、目標視差が一定値である簡単な例を挙げて説明する。
図8は、出現フレームの被調整領域における目標視差が小さな場合について、時間の経過と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。図8では、図7と同様に、横軸が時間の経過を示し、縦軸が視差を示しており、該時間の経過は、動画における出現フレームの時刻を基準とした時間の経過を示す。そして、出現フレームにおける被調整領域の目標視差dbobが太い破線で描かれた直線L20で示され、時間の経過と調整後の視差との関係が太い実線で描かれた曲線L21で示されている。また、目標視差の大小を判定するための所定の閾値dTHが示されている。
図8の曲線L21に対応する視差の調整としては、図7の曲線L11に対応する視差の調整と同様に、例えば、次のステップ(B1)〜(B3)が順に行われる動作が考えられる。
(B1)視差の調整が開始され、評価値Viが閾値α以下であれば、1フレーム当たりの視差の調整量が比較的小さい状態が維持される。(B2)評価値Viが閾値αを超えると、1フレーム当たりの視差の調整量が増大する。(B3)評価値Viが閾値βを超えると、1フレーム当たりの視差の調整量が減少する。
ここで、評価値Viおよび閾値α,βは、目標視差が大きな場合における視差の調整についての説明で既述されたような種類の値であれば良い。なお、ここでは、評価値Viが、調整後の視差であり、閾値αが目標視差の5%であり、閾値βが目標視差の80%であるような例が考えられる。
このように、視差の調整が行われる期間には、評価値Viが0から閾値αに至るまでの第1期間B1、評価値Viが閾値αを超えてから閾値βに至るまでの第2期間B2、および評価値Viが閾値βを超えた後の第3期間B3が含まれる。そして、1フレーム当たりの視差の調整量が、例えば、第1期間B1では一定量b1、第2期間B2では一定量b2、第3期間B3では一定量b3である場合が考えられる。但し、ユーザーに対して違和感を極力与えない観点から、図8の曲線L21で示されるように、評価値Viが閾値α,βに到達する前後を含むある程度の期間において、1フレーム当たりの視差の調整量が徐々に変更されることが好ましい。
なお、図8の曲線L21では、経過時間がT0〜T1bである第1期間B1において視差が初期視差d0からd1bまで到達し、経過時間がT1b〜T2bである第2期間B2において視差がd1bからd2bまで到達し、経過時間がT2b〜T3bである第3期間B3において視差がd2bからd3obまで到達する例が示されている。ここで、曲線L21で示されるような時間経過に対する視差の曲線的な変化は、例えば、上述された図7の曲線L11で示されたような時間経過に対する視差の曲線的な変化を実現する方法と同様な方法によって実現可能である。ここで、例えば、調整パターンに従った視差の調整が採用される場合、的確な視差の調整が容易に可能となり、動画のフレームレートが毎秒60フレームであれば、視差の調整に要するフレームの数は、例えば、30程度と比較的小さな数となる。
<(6−1−5)動作フロー>
図9および図10は、目標視差の大小に応じた視差の調整に係る動作フローを例示するフローチャートである。本動作フローは、制御部46によって記憶部44内のプログラムPGが読み込まれて実行されることで実現される。例えば、ユーザーによる操作部41の操作に応じて情報処理装置4における3D動画の生成が要求され、本動作フローが開始される。
図9のステップS1では、画像取得部461によって、記憶部44等に格納されているn枚のフレームを含む動画像が取得される。
ステップS2では、距離情報取得部462によって、ステップS1で取得されたn枚のフレームにそれぞれ対応する距離情報が、記憶部44等から取得される。この距離情報は、動画を構成しているn枚のフレームがそれぞれ撮影された際におけるカメラ2から被写体までの距離を示す情報である。なお、ここでは、ステップS1の処理とステップS2の処理とが並行して実行される例が示されているが、ステップS1の処理とステップS2の処理とが、この順に実行されても良いし、この逆の順に実行されても良い。
ステップS3では、領域検出部463によって、n枚のフレームのうちの第Nフレームと、同一のn枚のフレームのうちの第N−pフレーム(pは自然数)との比較が行われることで、第Nフレームにおける被調整領域が検出される。ここでは、Nが1〜nに順に設定されて、第Nフレームのうち、第N−pフレームには存在していなかった物体を示す領域が被調整領域としてそれぞれ検出される。なお、N=1の場合には、第1フレームのうちの全ての物体を示す領域が被調整領域として検出される。このとき、各被調整領域に対して識別情報(ここでは、識別番号)が付される。
ステップS4では、目標視差設定部464によって、n枚のフレームに含まれる各フレームを対象として、各画素に対して所定のルールに基づいて目標視差が設定される。
ステップS5では、初期視差設定部465によって、処理対象となる被調整領域の識別番号Mが1に設定される。
ステップS6では、初期視差設定部465によって、ステップS3で検出された全ての被調整領域のうち、M番目の被調整領域が指定され、図10のステップS11に進む。
ステップS11では、初期視差設定部465によって、ステップS6で指定された被調整領域について、該被調整領域が出現した出現フレームの各画素に対して初期視差が設定される。
ステップS12では、視差調整部466によって、ステップS6で指定された被調整領域についての目標視差が所定の閾値dTH以上であるか否かが判定される。ここでは、例えば、ステップS6で指定された被調整領域についてステップS4で設定された目標視差の最小値が、所定の閾値dTH以上であるか否かが判定される。そして、目標視差が所定の閾値dTH以上であれば、ステップS13に進み、目標視差が所定の閾値dTH未満であれば、ステップS14に進む。なお、ここでは、目標視差の最小値が用いられて判定が行われたが、これに限られず、例えば、目標視差の最大値または目標視差の平均値が用いられても良いし、目標視差から算出されるパラメータが用いられて判定が行われても良い。
ステップS13では、視差調整部466によって、目標視差が大きな場合における視差の調整が実行される。
ステップS14では、視差調整部466によって、目標視差が小さな場合における視差の調整が実行される。
ステップS15では、初期視差設定部465によって、ステップS3で検出された全ての被調整領域が既にステップS6で指定されたか否かが判定される。ここで、全ての被調整領域が既に指定されていれば、ステップS16に進み、全ての被調整領域が未だ指定されていなければ、ステップS17に進む。
ステップS16では、初期視差設定部465によって、処理対象となる被調整領域の識別番号Mが1つ大きな値に設定されて、図9のステップS6に進む。
ステップS17では、仮想視点画像生成部467によって、動画を構成するn枚のフレームについて、ステップS13およびステップS14で調整された視差の情報に基づき、n枚の仮想視点フレームが生成される。
ステップS18では、立体視画像生成部468によって、ステップS1で取得されたn枚のフレームとステップS17で生成されたn枚の仮想視点フレームとに基づいて、立体視が可能な動画(3D動画)が生成される。これにより、本動作フローが終了する。
<(6−1−6)調整量に上限を設ける場合>
図11は、仮想視点画像に係る視差の調整についての一態様を例示する模式図である。仮に、1フレーム当たりの視差の調整量が大きい場合には、図11の左方のルートで示されるように、例えば、第1〜第3仮想視点フレームに相当する第1〜3右眼用フレームG1C〜G3Cにおいてオクルージョン領域が急激に増大する。そして、その後、第N仮想視点フレームに相当する第N右眼用フレームGNRにおける視差が目標視差となる。このような場合は、1フレーム当たりの視差の調整量が大きくなり過ぎて、ユーザーの眼に与える負担が増大する。
そこで、ユーザーの眼に対して優しく且つ違和感を与えないことを目的として、1フレーム当たりの視差の調整量がある程度の量以下に抑制される方法が考えられる。例えば、上述した目標視差の大小に応じた視差の調整が行われる際に、1フレーム当たりの視差の調整量に上限値が設けられても良い。このとき、図11の右方のルートで示されるように、例えば、第1〜第3仮想視点フレームに相当する第1〜3右眼用フレームG1CR〜G3Rにおいてオクルージョン領域が緩やかに増大する。
このような構成では、例えば、視差調整部466によって、1フレーム当たりの視差の調整量が上限値を超えないように各画素の視差が調整される。これにより、視差の顕著な変化が抑制されるため、ユーザーに与える視覚的な違和感が適切に抑えられる。
図12は、1フレーム当たりの視差の調整量に上限値が設けられた場合について、時間の経過と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。図12では、図7および図8と同様に、横軸が時間の経過を示し、縦軸が視差を示しており、該時間の経過は、動画における出現フレームの時刻を基準とした時間の経過を示す。そして、出現フレームにおける被調整領域の目標視差dcobが太い破線で描かれた直線L30で示され、時間の経過と調整後の視差との関係が太い実線で描かれた曲線L31で示されている。また、比較のために、1フレーム当たりの視差の調整量に上限値が設けられていない場合における時間の経過と調整後の視差との関係が、一点鎖線で描かれた曲線L32で示されている。
仮に、1フレーム当たりの視差の調整量に上限値が設けられていなければ、曲線L32で示されるように視差が急激に上昇する場合であっても、1フレーム当たりの視差の調整量に上限値が設けられれば、曲線L31で示されるように視差は急激には上昇しない。このような制御は、例えば、視差の調整量が上限値を超える場合には、関数または調整パターンに基づいて導出される調整量が上限値に置換されるような簡単な制御によって実現可能である。なお、1フレーム当たりの視差の調整量に上限値が設けられる場合、例えば、フレームレートが毎秒60フレームであれば、視差の調整に要するフレームの数は、例えば、120〜180程度といった比較的大きな数となる。
また、例えば、時間経過と視差との関係を示す曲線状の調整パターンが伸縮されることで、1フレーム当たりの視差の調整量が上限値以下となるように制御される方法も考えられる。
<(6−1−7)目標視差の変動に応じた視差の調整>
上述された視差の調整では、目標視差が一定値である簡単な例が挙げられつつ説明がなされたが、実際の動画では、同一の物体であっても時間の経過とともに目標視差が変化するのが一般的である。そこで、調整後の視差と、該調整後の視差に係るフレームよりも時間的に先のフレームに係る目標視差とに基づいて、1フレーム当たりの視差の調整量が変更されるようにしても良い。
例えば、視差調整部466が、動画を構成するn枚のフレームのうちのN+Q番目(N,Qは自然数)のフレーム(第N+Qフレームとも言う)における各画素の目標視差と、視差調整部466によって既に調整された後のN番目のフレーム(第Nフレーム)の視差とに基づいて、N+1番目以降のフレームの視差を調整しても良い。なお、ここで、フレームレートが毎秒60フレームである場合、例えば、Qが1〜60程度に設定されるような構成が考えられる。これにより、目標視差の変化に対応した視差の調整が容易に可能となる。
具体的には、被調整領域の各画素について、第Nフレームについて調整後の視差と、第N+Qフレームにおける目標視差との差が閾値以上の場合は、1フレーム当たりの視差の調整量が増大され、逆にその差が閾値未満の場合には、1フレーム当たりの視差の調整量が低減される構成が考えられる。例えば、第N+Qフレームにおける目標視差がOccN+Qとされ、第Nフレームにおける調整後の視差がOccNとされ、閾値がδthとされると、下式(2)が成立する場合には、1フレーム当たりの視差の調整量が増大され、下式(2)が成立しない場合には、1フレーム当たりの視差の調整量が減少する。
(OccN+Q−OccN)≧δth ・・・(2)。
なお、1フレーム当たりの視差の調整量だけでなく、視差の調整に要する時間も併せて変更されても良い。
但し、このような視差の調整は、例えば、上述された目標視差が大きな場合における視差の調整、または目標視差が小さな場合における視差の調整がある程度の時間行われた後に行われることが好ましい。これにより、仮想視点から見た擬似的な動画を生成する際にユーザーに与える視覚的な違和感が低減される。
図13は、時間の経過に応じて変動する目標視差に応じた視差の調整が行われる場合について、時間の経過と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。図13では、時間の経過に応じて変動する目標視差が、太い破線で描かれた曲線L40で示され、経過時間と調整後の視差との関係が、太い実線で描かれた曲線L41で示されている。
また、時間の経過とともに目標視差が増減することも考慮すると、視差が増大する方向の視差の調整と、視差が減少する方向の視差の調整とが、それぞれ行われることが好ましい。視差が減少する方向の視差の調整は、例えば、目標視差と調整後の視差との差の変化量に応じて行われれば良い。
具体的には、このような目標視差の変動に応じた視差の調整は、例えば、第Nフレームについて調整後の視差と、第N+Qフレームにおける目標視差とに基づくPID制御によって実現される。より詳細には、第Nフレームについての調整後の視差と、第N+Qフレームにおける目標視差との差に応じた、積分項、微分項、および比例項等を含む関数に応じて視差の調整が行われる態様が考えられる。
なお、例えば、第N+Qフレームに係る目標視差と、第N+Qフレームの時間的に近傍の1以上のフレームに係る目標視差とについての平均値および中心値等のような演算値と、第Nフレームについての調整後の視差との差に応じて、視差の調整が行われても良い。
<(6−1−8)画面上の位置に応じた視差の調整の変更>
更に、各フレームで捉えられている被写体の位置に応じて、各画素の視差が調整されても良い。これにより、ユーザーが着目する度合いに応じた視差の調整が可能となる。
例えば、動画のうちの各フレームの中央付近がユーザーによって最も注視される領域となり易い。このため、各フレームの中央付近におけるオクルージョン領域の発生はユーザーに違和感を与え易いものと考えられる。このような観点から、各フレームの中央付近に位置する被調整領域の各画素については、視差が急激に増加することなく、緩やかに視差が増加するような視差の調整が実行されることが好ましい。その一方で、各フレームの端部付近に位置する被調整領域の各画素については、視差が比較的速く増加して、目標視差に近づくような視差の調整が実行されることが好ましい。
図14は、仮想視点画像に係る視差の調整の一態様を例示する模式図である。図14で示されるように、例えば、第N右眼用フレームGNRのうち、中央付近において物体が捉えられた被調整領域OB1Nについては緩やかに視差が増加し、端部付近において物体が捉えられた被調整領域OB2Nについては視差が比較的速く増加するような視差の調整が実行される態様が考えられる。
図15および図16は、フレームにおける被調整領域の位置に応じて視差が調整される場合について、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。図15では、目標視差が太い破線で描かれた直線L10で示され、フレームの中央付近における被調整領域についての経過時間と調整後の視差との関係が太線で描かれた曲線L11で示されている。また、図16では、目標視差が太い破線で描かれた直線L10で示され、フレームの端部付近における被調整領域についての経過時間と調整後の視差との関係が太線で描かれた曲線L13で示されている。
このような視差の調整は、例えば、被調整領域が出現した出現フレームにおける被調整領域の位置に応じて行われる。より具体的には、フレームが中央付近から端部付近にかけて複数の領域に区分けされ、区分けされた領域毎に異なる視差の調整が、被調整領域の各画素について実行されても良い。なお、区分けされる領域の数が多い方が、ユーザーに違和感を与えないため好ましい。また、区分けされる領域毎に視差の調整が切り替えられても良いが、フレーム上における画素の位置情報(例えば、アドレス)に応じて視差の調整量が算出されても良い。
更に、視差の調整量が、位置情報だけなく、調整後の視差、変動後の目標視差、視差の調整に既に用いられた時間、および視差の調整に要する時間等のうちの少なくとも1以上の情報に応じて決定される態様も考えられる。また、フレームについて区分けされた領域毎に、時間の経過とともに視差が曲線的に変化する調整パターンが準備され、被調調整領域の位置情報に応じて、調整パターンが選択され、選択された調整パターンに応じた視差の調整が行われても良い。なお、該調整パターンは、視差の調整に要する時間および目標視差の大きさ等に応じて、時間方向および視差の大小方向のうちの少なくとも一方方向への伸縮が行われても良い。
また、動画においては、フレームにおける被調整領域の位置が、時間の経過に応じて変化することが考えられる。このとき、フレームにおける被調整領域の位置の変更に応じて、視差の調整内容が変更されても良い。例えば、フレームの中心付近に位置する被調整領域が、フレームの端部付近に移動した場合には、端部付近に応じた視差の調整が行われれば良い。
なお、このようなフレームにおける被調整領域の位置に応じて実施される視差の調整は、目標視差が小さな場合における視差の調整、目標視差が大きな場合における視差の調整、および目標視差の変動に応じた視差の調整のうちの1以上の視差の調整と、適宜に組み合わされても良い。
<(6−1−9)被調整領域のグループ化>
また、動画で捉えられている一の被写体に係る視差に応じて、該一の被写体とは異なる他の被写体について、各画素の視差が調整されても良い。これにより、物体どうしの間における視差の整合性が良くなるため、ユーザーに与える視覚的な違和感が適切に抑えられる。
例えば、カメラ2から被写体としての複数の物体までの距離が略同一である場合には、仮想視点画像では、該複数の物体に係る被調整領域に対して略同一の視差が設定されることが好ましい。仮に、該複数の物体に係る被調整領域に対して全く異なる視差が設定されると、ユーザーに視覚的な違和感を与えてしまう。そこで、距離情報取得部462によって取得される距離情報に基づいて、カメラ2からの距離が略同一の複数の物体に係る複数の被調整領域がグループ化されて、同一の視差の調整が行われることが好ましい。
図17は、距離情報に応じて複数の被調整領域がグループ化されて視差が調整される場合について、仮想視点画像に係る視差の調整の一態様を例示する模式図である。図17で示されるように、例えば、第N右眼用フレームGNRのうち、カメラ2からの距離が略同一の3人がそれぞれ捉えられた第1〜第3の被調整領域OB1N〜OB3Nについて、同一の視差の調整が行われるような態様が考えられる。
図18は、比較のために、複数の被調整領域がグループ化されない場合について、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。図19は、複数の被調整領域がグループ化された場合における時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。
図18では、目標視差が太い破線の直線L50で描かれ、経過時間と調整後の視差との関係について、第1の被調整領域OB1Nに係る関係が実線の曲線L51で描かれ、第2の被調整領域OB2Nに係る関係が太線の曲線L52で描かれ、第3の被調整領域OB3Nに係る関係が一点鎖線の曲線L53で描かれている。そして、曲線L51〜L53で示される視差の調整については、経過時間が同一であっても調整後における視差にかなりのばらつきが生じる。この場合には、ユーザーに視覚的な違和感を与えてしまう。
そこで、図19で示されるように、1つの被調整領域に係る視差の調整に一本化されて、第1〜第3の被調整領域OB1N〜OB3Nに係る視差の調整が行われることが好ましい。これにより、物体どうしの間における視差の整合性が良くなるため、ユーザーに与える視覚的な違和感が適切に抑えられる。
ところで、このような構成では、例えば、カメラ2からの距離が所定値(例えば、±数十cm)以内である物体について、複数の被調整領域がグループ化される態様が考えられる。また、目標視差が所定範囲(例えば、±数ピクセル)に含まれるような複数の被調整領域がグループ化される態様が考えられる。
そして、視差の調整量は、調整後の視差、変動後の目標視差、視差の調整に既に用いられた時間、および視差の調整に要する時間等のうちの少なくとも1以上の情報に応じて決定される態様が考えられる。時間の経過とともに視差が曲線的に変化する調整パターンに応じた視差の調整が行われても良い。なお、該調整パターンは、視差の調整に要する時間および目標視差の大きさ等に応じて、時間方向および視差の大小方向のうちの少なくとも一方方向への伸縮が行われても良い。
また、複数の被調整領域のうち、視差の調整の基準とされる被調整領域は、例えば、フレームの中心に最も近い被調整領域であるような態様が考えられる。また、仮にステレオ画像を用いた三角測量の原理に基づいて距離情報が得られる場合には、複数の被調整領域のうち、ステレオ画像における対応点の探索における確からしさを示す評価値が最も高い被調整領域が、視差の調整の基準とされても良い。なお、評価値としては、対応点の探索処理がPOC(位相限定相関法)によって行われる場合には、被調整領域についてのPOC値のピーク値に応じた値(例えば、平均値、積算値等)が評価値として採用される態様が考えられる。
なお、このような距離情報に応じて複数の被調整領域がグループ化されて実施される視差の調整は、目標視差が小さな場合における視差の調整、目標視差が大きな場合における視差の調整、目標視差の変動に応じた視差の調整、およびフレームにおける位置に応じた視差の調整のうちの1以上の視差の調整と、適宜に組み合わされても良い。
<(7)変形例>
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
◎例えば、上記一実施形態では、目標視差の大小、目標視差の変動、画面上の位置、および距離情報に応じた視差の調整が行われる例が挙げられたが、視差の調整方法については、これに限られず、その他の視差の調整方法が採用されても良い。例えば、動画においてある物体に係る被調整領域が存在する時間に応じて、視差の調整に要する時間が増減されて、視差が調整されても良い。換言すれば、n枚のフレームを有する動画においてある物体に係る被調整領域が含まれるフレームの数に応じて、視差の調整に要する時間が増減されて、視差が調整されても良い。
具体的には、視差調整部466により、所定時間に相当する数のフレームについて、被調整領域における各画素の視差が初期視差から目標視差まで調整されても良い。ここで言う所定時間は、動画においてある物体に係る被調整領域が存在する時間の50%以内の時間に設定される。
このような視差の調整については、例えば、所定時間に応じて、時間の経過とともに視差が曲線的に変化する調整パターンが時間の方向および視差の大小方向のうちの少なくとも一方向について伸縮され、該伸縮後の調整パターンに応じた視差の調整が行われれば良い。これにより、視差の調整に要する時間の変動が抑制されるため、ユーザーに与える視覚的な違和感が適切に抑えられる。
図20は、所定時間に相当する数のフレームにおいて、被調整領域における各画素の視差が初期視差から目標視差まで調整される場合について、時間と調整後の視差との関係を模式的に例示するグラフである。図20では、目標視差ddobが太い破線の直線L60で描かれている。また、経過時間と調整後の視差との関係について、比較例として所定時間Tthdを超える時間T1dで初期視差d0から目標視差ddobまで調整される視差の変化が実線の曲線L61で示され、所定時間Tthdで初期視差d0から目標視差ddobまで調整される視差の変化が曲線L62で示されている。
なお、被調整領域の各画素に係る視差の調整に要する時間が常に一定となるように所定時間が設定されても良いし、目標視差の大小に応じて、被調整領域の各画素に係る視差の調整に要する時間が一義的に調整されても良い。
◎また、上記一実施形態では、視差が時間の経過に対して曲線的に変化するように視差の調整が行われたが、これに限られない。例えば、第1期間A1、第2期間A2、および第3期間A3のそれぞれにおいて、視差が時間の経過に比例して変化するように視差が調整されても良い。すなわち、第1期間A1における視差の変化量を第1期間A1の長さで割ることで求められる視差の変化率(第1変化率とも言う)が、第2期間A2における視差の変化量を第2期間A2の長さで割ることで求められる視差の変化率(第2変化率とも言う)よりも小さければ良い。
また、例えば、第1期間B1、第2期間B2、および第3期間B3のそれぞれにおいて、視差が時間の経過に比例して変化するように視差が調整されても良い。すなわち、第1期間B1における視差の変化量を第1期間B1の長さで割ることで求められる視差の変化率が、第2期間B2における視差の変化量を第2期間B2の長さで割ることで求められる視差の変化率よりも小さくなるように視差が調整されても良い。
◎また、上記一実施形態では、三角測量の原理が利用されて目標視差が設定されたが、これに限られない。例えば、MTD(Modified Time Difference)法およびCID(Computed Image Depth)法等といったその他の方法によって目標視差が設定されても良い。つまり、目標視差は、第Nフレームに係る第N視点と第N仮想視点との離隔距離と、第Nフレームが撮影された際におけるカメラ2から被写体までの距離とに対応すれば良い。
◎また、上記一実施形態では、カメラ2で撮影された動画に基づいて立体視画像が生成されたが、これに限られない。例えば、別のカメラで撮影された動画が、記憶媒体9等に格納され、その記憶媒体9から入出力部45を介して制御部46に読み込まれ、その動画に基づいて立体視画像が生成されても良い。
◎また、上記一実施形態では、第NフレームGNがそのまま第N左眼用フレームGNLとして使用され、第NフレームGNから第N右眼用フレームGNRが生成されたが、これに限られない。例えば、第NフレームGNがそのまま第N右眼用フレームGNRとして使用され、第NフレームGNから第N左眼用フレームGNLが生成されても良い。更に、第NフレームGNが第N左眼用フレームGNLおよび第N右眼用フレームGNRの何れとしても使用されず、第NフレームGNに基づいて第N左眼用フレームGNLおよび第N右眼用フレームGNRが生成されても良い。
◎また、上記一実施形態では、測距機3によって第N距離情報が取得されたが、これに限られない。例えば、ステレオカメラ等で撮影されたステレオ画像が用いられて、三角測量の原理によって第N距離情報が取得されても良い。なお、調整中の視差が、ステレオカメラの基線長に対応するものである場合は、ステレオ画像が、第N左眼用フレームGNLおよび第N右眼用フレームGNRとしてそのまま採用可能となる。
◎なお、上記一実施形態では、目標視差が大きな場合と目標視差が小さな場合とにおいて視差の調整処理が切り替えられる例が挙げられたが、これに限られない。例えば、目標視差の大きさが3段階以上に分けられており、目標視差の大きさに対応する段階に応じた視差の調整が実行されても良い。
◎また、上記一実施形態では、第N視点と第N仮想視点との関係が、標準的な人間の右目と左目との位置関係であるものとして説明したが、これに限られない。例えば、第N視点と第N仮想視点との関係が、昆虫の右目と左目との関係等といったその他の関係であっても良い。
◎また、上記一実施形態では、制御部46においてプログラムPGが実行されることで、各種機能および各種情報処理等が実現されたが、これに限られない。例えば、専用の電子回路によって、各種機能および各種情報処理等が実現されても良いし、専用の電子回路とプログラムが実行されることとによって、各種機能および各種情報処理等が実現されても良い。
◎なお、上記一実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
1 情報処理システム
2 カメラ
3 測距機
4 情報処理装置
9 記憶媒体
44 記憶部
46 制御部
461 画像取得部
462 距離情報取得部
463 領域検出部
464 目標視差設定部
465 初期視差設定部
466 視差調整部
467 仮想視点画像生成部
468 立体視画像生成部
PG プログラム

Claims (12)

  1. 複数のフレームを含む動画像を取得する画像取得部と、
    各前記フレームを対象として、各画素に対して所定のルールに基づき目標視差を設定する目標視差設定部と、
    前記複数のフレームのうちの第1フレームを対象として、各画素に対して初期視差を設定する初期視差設定部と、
    前記複数のフレームのうちの前記第1フレームに続く時間順次の第1期間第2期間および第3期間に係る複数のフレームについて、各画素の視差を前記初期視差から前記目標視差に向けて調整する視差調整部と、
    を備え、
    前記第1期間における視差の変化量を該第1期間の長さで割ることで求められる第1変化率が、前記第2期間における視差の変化量を該第2期間の長さで割ることで求められる第2変化率よりも小さく、
    前記第2変化率が、前記第3期間における視差の変化量を該第3期間の長さで割ることで求められる第3変化率よりも大きいことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記初期視差から前記目標視差に向けた視差の変化に係る複数種類の調整パターンを記憶する記憶部、を備え、
    前記視差調整部が、
    前記複数種類の調整パターンのうちの前記初期視差と前記目標視差との差に応じた調整パターンに沿って各画素の視差を調整することを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記視差調整部が、
    Nを自然数とした場合に、該視差調整部によって調整された後のN番目のフレームの視差と前記目標視差とに基づいて、N+1番目以降のフレームの視差を調整することを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記視差調整部が、
    Qを自然数とした場合に、N+Q番目のフレームにおける各画素に係る目標視差と、該視差調整部によって調整された後の前記N番目のフレームの視差とに基づいて、N+1番目以降のフレームの視差を調整することを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記視差調整部が、
    所定時間に相当する数のフレームについて、各画素の視差を前記初期視差から前記目標視差まで調整することを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項1から請求項4の何れか1つの請求項に記載の画像処理装置であって、
    前記視差調整部が、
    時間的に隣り合うフレーム間における視差の調整量が上限値を超えないように各画素の視差を調整することを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1つの請求項に記載の画像処理装置であって、
    前記視差調整部が、
    前記動画で捉えられている第1の被写体の視差に応じて、前記第1の被写体とは異なる第2の被写体について各画素の視差を調整することを特徴とする画像処理装置。
  8. 請求項1から請求項6の何れか1つの請求項に記載の画像処理装置であって、
    前記視差調整部が、
    各前記フレームで捉えられている被写体の位置に応じて、各画素の視差を調整することを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項1から請求項8の何れか1つの請求項に記載の画像処理装置であって、
    前記目標視差が、
    各前記フレームに係る視点と仮想的な視点との離隔距離と、各前記フレームが撮影された際における撮像装置から被写体までの距離とに対応することを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項1から請求項9の何れか1つの請求項に記載の画像処理装置であって、
    Nおよびpをそれぞれ自然数とした場合に、前記複数のフレームのうちのN番目のフレームと該N番目のフレームよりも時間的に前に係るN−p番目のフレームとの比較によって、該N番目のフレームにおける被調整領域を検出する検出部、
    を更に備え、
    前記視差調整部が、
    前記被調整領域に係る各画素の視差を前記初期視差から前記目標視差に向けて調整することを特徴とする画像処理装置。
  11. (a)複数のフレームを含む動画像を取得するステップと、
    (b)各前記フレームを対象として、各画素に対して所定のルールに基づき目標視差を設定するステップと、
    (c)前記複数のフレームのうちの第1フレームを対象として、各画素に対して初期視差を設定するステップと、
    (d)前記複数のフレームのうちの前記第1フレームに続く時間順次の第1期間第2期間および第3期間に係る複数のフレームについて、各画素の視差を前記初期視差から前記目標視差に向けて調整するステップと、
    を備え、
    前記第1期間における視差の変化量を該第1期間の長さで割ることで求められる第1変化率が、前記第2期間における視差の変化量を該第2期間の長さで割ることで求められる第2変化率よりも小さく、
    前記第2変化率が、前記第3期間における視差の変化量を該第3期間の長さで割ることで求められる第3変化率よりも大きいことを特徴とする画像処理方法。
  12. 情報処理装置に含まれる制御部において実行されることにより、前記情報処理装置を、請求項1から請求項10の何れか1つの請求項に記載の画像処理装置として機能させるプログラム。
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