JP5600873B2 - 溶融めっき鋼帯の製造方法 - Google Patents

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本発明は、溶融亜鉛めっき鋼帯などの溶融めっき鋼帯の製造方法に関する。
鋼帯を連続してめっきする方法として、鋼帯を亜鉛、アルミニウムなどの溶融金属中に浸漬することで鋼帯表面にめっきを施す溶融めっき法が知られている。この溶融めっき法を、鋼帯に溶融亜鉛めっきを施す場合を例に説明すると、冷間圧延された鋼帯又は熱間圧延された後に表面のスケールが除去された鋼帯を、無酸化性又は還元性雰囲気に保たれた焼鈍炉に導入して、表面酸化膜の除去を兼ねた焼鈍処理を施した後、溶融亜鉛の温度とほぼ同程度の温度まで冷却し、引き続き鋼帯を溶融亜鉛浴中に導入し、浴中に設けられたシンクロールに巻き付けて略V字形の経路で溶融亜鉛浴中を通板させ、その表面に溶融亜鉛を付着させる。そして、溶融亜鉛浴から引き出された直後の鋼帯の両面にガスワイピングノズルからガスを吹き付け、過剰の溶融金属を払拭してめっき付着量の調整を行う。
溶融めっき法は、電気めっき法と比較した場合、めっき鋼帯を安価に製造できる、厚めっきの鋼帯を容易に製造できるなど多くの利点がある。なかでも溶融亜鉛めっきを施した後、めっき層を合金化処理して製造される合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、耐食性、溶接性及び加工性に優れた特性を有するため、主に自動車用鋼帯として広く使用されているが、特に外装用鋼帯として使用される場合には、塗装後の高鮮映性も要求されるなど、品質に対する要求が益々厳しくなっている。さらに、昨今の旺盛なニーズに対応するため、増産も強く求められている。
溶融亜鉛めっき鋼帯の製造プロセスにおいて、ワイピング部は製品の品質及び生産性を決定づける重要な部分である。図6に、めっき付着量推定式の一例を示すが、めっき付着量Wとノズル(=ガスワイピングノズル)−鋼帯間距離Dは、ほぼ比例関係にあることが知られている。このことは、ノズル−鋼帯間距離Dが変化するとめっき付着量Wにムラが生じ、それが品質上の欠陥につながることを意味する。
図7(a),(b)は、ワイピング部における鋼帯の変形(反り)やパスラインからの変位を平面的に示したもの(鋼帯は水平断面で示す)であるが、例えば、図7(a)のように鋼帯が幅方向でC状に反っている(所謂C反り)場合、中央部と端部とでめっき付着量にムラが出る。ここで、D=10mmでW=50g/mとなる条件でワイピングしている際に、中央部がノズルに1mm近づき、両端部がノズルから1mm遠ざかるようなC反りが発生している場合を考えると、中央部はD=9mmになるので、めっき付着量W=45g/mとなり、両端部はD=11mmになるので、めっき付着量W=55g/mとなる。したがって、板幅方向で10g/mのめっき付着量ムラを生じることになる。
また、図7(b)のように鋼帯が面外方向に振動している場合、ライン方向(長手方向)で縞模様状にめっき付着量ムラが出る。この縞模様のピッチはライン速度と板振動の周波数とで決まり、ライン速度150mpmで板振動周波数が5Hzの場合、縞模様ピッチは150/60/5=0.5mとなる。そして、D=10mmでW=50g/mとなる条件でワイピングしている際に、仮に鋼帯が振幅±1mmで振動すると、50±5g/mのめっき付着量ムラを生じることになる。
鋼帯のC反りや振動は、めっき付着量ムラに起因する品質欠陥を生むだけでなく、生産性の低下も招く。めっき付着量Wはノズル−鋼帯間距離Dと比例関係にあるだけでなく、ライン速度LSの平方根とも比例する。つまり、その他の操業条件を変えずにライン速度を上げると、めっき付着量は増大する。換言すると、めっき付着量を一定に保ったままライン速度を上げるには、ワイピング能力を高める必要がある。ワイピング能力を高めるにはワイピングガス圧を高くする方法もあるが、むやみにガス圧を高めると、スプラッシュと呼ばれる溶融亜鉛の飛散による欠陥を生じやすいので、好ましくない。そこで、ノズルを鋼帯に近づけ、ノズル−鋼帯間距離Dを小さくすることが有効となるが、鋼帯の反りや振動がある場合にはノズルと鋼帯とが接触する恐れがあり、ノズル−鋼帯間距離Dを小さくすることには限度がある。
したがって、ワイピング部における通板安定化、すなわち、鋼帯の反りやパスラインの変位(パス変動・振動)を抑制することは、溶融亜鉛めっき鋼帯の品質及び生産性双方の向上に極めて重要となる。そこで従来、ワイピング部の直上近傍に電磁石による通板安定化装置を配置し、その電磁石の吸引力を適切に制御することで、鋼帯の反りやパスラインの変位(パス変動・振動)を抑制し、通板安定化を図る技術(例えば、特許文献1)が開発され、一部実用化されている。この方法では、電磁石は鋼帯に対して非接触で力を作用させることができるので、鋼帯への接触による品質劣化を招かずに済むメリットがある。
電磁石の吸引力を利用してワイピング部での通板安定化を図る方法では、特許文献1にも示されているとおり、一般的には電磁石を板幅方向に所定の間隔で3個以上並べて配置することで、板幅方向の反りを矯正できる。これは、鋼帯が通常C反りをしているためで、この場合、電磁石が鋼帯幅方向の両端部および中央部に位置していることが重要となる。
溶融亜鉛めっき鋼帯の製造ラインでは、大抵、一つのラインで様々なサイズ(板厚、板幅)のめっき鋼帯を製造しており、あるラインでは板厚が0.4〜2.3mm、板幅が610〜1850mmの範囲をカバーしている。このように広範囲の板幅に対して、電磁石を両端部及び中央部に常に配置することは容易でないが、例えば数多くの電磁石を板幅方向に並べ、鋼帯のサイズによって使用する電磁石を切り換えることで、これを実現する方式が提案されている(特許文献2)。しかしながら、電磁石はある一定の大きさを持っており、このため設置個数も限られることから、必ずしも鋼帯両端部に電磁石が確実に位置する保証はない。
そこで、電磁石を鋼帯エッジに追従して移動させる機構を設けることで、鋼帯幅方向の両端部と中央部に確実に電磁石が位置できるようにした提案もなされている(特許文献3)。この場合には、鋼帯幅方向の両端部及び中央部の良好な位置制御と振動抑制が可能となり、概ね十分な通板安定化が達成される。
特開平2−62355号公報 特開平7−256341号公報 特開平11−287564号公報
しかし、このような技術であっても、鋼帯の板幅が広く且つ板厚が薄い場合には、満足な結果が得られないこともある。これは、板幅が広いと幅方向に並んだ電磁石間隔が大きくなるとともに、板厚が薄いと板の曲げ剛性が低くなるため、電磁石吸引力による鋼帯の変形が局部的になり、電磁石から離れた位置、すなわち鋼帯両端部から板幅の1/4程度中央に寄った付近では、鋼帯が殆ど動かない(すなわち、電磁石の作用による鋼帯の変位が殆どない)ためである。つまり、電磁石の吸引力の影響がほとんど及ばない制御不可能な場所が存在してしまうのである。
図5は、鋼帯Sを水平断面した状態でのワイピング部(3a,3bはガスワイピングノズルを示す)の平面図であるが、例えば、ガスワイピングノズル間中央からずれてC反りしている鋼帯S(図5の実線)を矯正しようとすると、電磁石が存在する板幅方向中央部と両端部は目標パス位置に矯正することができるが、両端部から中央に少し寄った付近(図中、丸で囲った箇所)では鋼帯Sが殆ど動かず、結果的に、図5の2点鎖線で示すような大きなW状の反り(以下、これを「W反り」という)が残ってしまう。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、通板安定化装置により鋼帯形状などの矯正を行いつつ、鋼帯の溶融めっきを行う方法において、あらゆる鋼帯サイズについて良好な形状矯正を実現し、ワイピング部での安定した通板性によって高品質の溶融めっき鋼帯を高い生産性で製造することができる溶融めっき鋼帯の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電磁石の吸引力の影響が最も及びにくい鋼帯幅方向位置(すなわち、通板安定化装置の電磁石を作用させた際に電磁石の作用による鋼帯の変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置)で、鋼帯が1対のガスワイピングノズルの中間位置に近づくように、或いはめっき付着量が目標値に近づくように、ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向位置を調整することにより、あらゆる鋼板サイズにおいて、ワイピング部での良好な通板安定化を達成できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、電磁石の吸引力が及びにくい鋼帯位置を動かして制御しなくても良いように、ガスワイピングノズルを鋼帯板厚方向で適切に位置調整することにより、安定通板を実現するものであり、以下を要旨とするものである。
[1]溶融めっき浴を出た鋼帯の両面にガスを噴射してめっき付着量を調整する1対のガスワイピングノズルと、該ガスワイピングノズルの近傍位置で鋼帯両面に対向して鋼帯幅方向で間隔をおいて配置された3個以上の電磁石を有する通板安定化装置を備えた連続溶融めっき設備において、前記通板安定化装置により鋼帯の変形及び/又はパスラインからの変位を矯正しつつ、鋼帯に連続溶融めっきを施す溶融めっき鋼帯の製造方法であって、
前記通板安定化装置の電磁石を作用させた際に電磁石の作用による鋼帯の変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置において、鋼帯が1対のガスワイピングノズルの中間位置に近づくように、ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向での位置を調整することを特徴とする溶融めっき鋼帯の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、通板安定化装置の電磁石を作用させた際に電磁石の作用による鋼帯の変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置において、鋼帯が1対のガスワイピングノズルの中間に位置するように、ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向での位置を調整することを特徴とする溶融めっき鋼帯の製造方法。
[3]上記[1]又は[2]の製造方法において、ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向での位置調整がなされた状態において鋼帯の反りが矯正されるように、各電磁石の吸引力を調整することを特徴とする溶融めっき鋼帯の製造方法。
[4]溶融めっき浴を出た鋼帯の両面にガスを噴射してめっき付着量を調整する1対のガスワイピングノズルと、該ガスワイピングノズルの近傍位置で鋼帯両面に対向して鋼帯幅方向で間隔をおいて配置された3個以上の電磁石を有する通板安定化装置を備えた連続溶融めっき設備において、前記通板安定化装置により鋼帯の変形及び/又はパスラインからの変位を矯正しつつ、鋼帯に連続溶融めっきを施す溶融めっき鋼帯の製造方法であって、
前記通板安定化装置の電磁石を作用させた際に電磁石の作用による鋼帯の変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置において、めっき付着量が目標値に近づくように、ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向での位置を調整することを特徴とする溶融めっき鋼帯の製造方法。
通板安定化装置により鋼帯形状などの矯正を行いつつ、鋼帯の溶融めっきを行う方法において、あらゆる鋼帯サイズについて、W反りなどの不具合を発生しない良好な通板安定化を実現でき、このため高品質の溶融めっき鋼帯を高い生産性で安定して製造することができる。
図1及び図2は、本発明の実施に供される鋼帯の溶融めっき設備(例えば、溶融亜鉛めっき設備)の概略構成を示すもので、図1は全体説明図、図2は図1中のII−II線に沿う矢視図である。
図1において、1は溶融亜鉛ポット、2はこの溶融亜鉛ポット1内に配置されるシンクロールである。3a,3bは、1対のガスワイピングノズル(以下、単に「ノズル3a,3b」という)であり、溶融めっき浴を出た鋼帯Sの両面にガスを噴射してめっき付着量を調整する。この1対のガスワイピングノズル3a,3bは、鋼帯板厚方向に移動可能(位置調整可能)である。
4は、前記ガスワイピングノズル3a,3bの近傍位置(本実施形態では直上近傍位置)に設けられる非接触式の通板安定化装置であり、この通板安定化装置4は、鋼帯両面に対向して鋼帯幅方向で間隔をおいて配置された複数(本実施形態では各3個)の電磁石5を有している。この電磁石5は、鋼帯幅方向の中央部および両端部に対向できるよう最低3箇所に設けられ、これら個々の電磁石5による吸引力を制御することにより、鋼帯Sの変形(反りなど)やパスラインに対する変位(パス変動、振動など)が矯正される。電磁石5は4箇所以上に設けてもよい。
また、通常、通板安定化装置4には、鋼帯Sの変形(反りなど)やパスラインからの変位(パス変動、振動など)を測定するために距離計(図示せず)が付設されている。
なお、通板安定化装置4は、ガスワイピングノズル3a,3bの直下近傍或いはガスワイピングノズル3a,3bの直下及び直上近傍の両方に配置してもよい。
本願の第一の発明では、前記通板安定化装置4により鋼帯Sの変形及び/又はパスラインからの変位を矯正しつつ、鋼帯Sに連続溶融めっきを施すに当たり、通板安定化装置4の電磁石5を作用させた際に電磁石5の作用による鋼帯Sの変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置において、鋼帯Sが1対のガスワイピングノズル3a,3bの中間位置に近づくように、好ましくは鋼帯Sが1対のガスワイピングノズル3a,3bの中間に位置するように、ガスワイピングノズル3a,3bの鋼帯板厚方向での位置を調整する。
図3は、本発明の一実施形態における鋼帯S及びガスワイピングノズル3a,3bの挙動を示すものであり、図3(イ),(ロ)ともに、鋼帯Sを水平断面した状態でのワイピング部の平面図である。図中、cが1対のガスワイピングノズル3a,3bの中間位置を示し、この中間位置cは目標パス位置でもある。
板幅が広く且つ板厚が薄い鋼帯Sが、図3(イ)のように目標パス位置からずれてC反りしている場合、これを鋼帯幅方向の中央部及び両端部の3個の電磁石5で矯正しようとすると、電磁石の吸引力が及びにくい位置では鋼帯Sを動かすことができないため、図5のようにW反りが残ってしまうことは先に述べたとおりである。
そこで、本発明では、ガスワイピングノズル3a,3bを鋼帯板厚方向(図3(イ)の矢印方向)に平行移動させ、電磁石5の吸引力が最も及びにくい鋼帯幅方向位置、つまり、電磁石5の作用による鋼帯Sの変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置(図3(ロ)の丸で囲んだ位置)において、鋼帯Sが1対のガスワイピングノズル3a,3bの中間位置cに近づくように、好ましくは鋼帯Sが1対のガスワイピングノズル3a,3bの中間位置cにくるように、ガスワイピングノズル3a,3bの鋼帯板厚方向での位置を調整する。言うまでもなく、上記のようにして位置調整されるガスワイピングノズル3a,3bと鋼帯Sとの鋼帯板厚方向での相対位置関係を前提として、鋼帯Sが極力フラットに矯正されるように各電磁石5の吸引力が調整される。これにより、図3(ロ)に示すように、図5のような大きなW反りが残ることなく、鋼帯Sをほぼフラットな形状に矯正することができる。
上述したガスワイピングノズル3a,3bの位置調整は、鋼帯Sがガスワイピングノズル3a,3bの中間位置cになるべく近づくようすることが好ましいが、一般的にめっき付着量の許容差が20%程度であることを考慮すると、各ガスワイピングノズル3〜中間位置c間の距離をLとした場合、図4に示すように、鋼帯板厚方向において中間位置cからその両側L×0.2の範囲内に入るように位置調整されることが好ましい。
電磁石5の作用による鋼帯Sの変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置は、概ね鋼帯両端部から板幅の1/4程度中央部側に寄った付近であるが、より正確には鋼帯サイズ、張力、ロール配置を考慮したFEM解析等で算出することができる。
また、鋼帯板厚方向での鋼帯位置は、次の2つの方法で把握することができ、したがって、これらの方法により、電磁石5の作用による鋼帯Sの変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置を特定することができる。
第1の方法は、板幅方向に複数の距離計を並べて配置し、対象幅方向位置に最も近い1つの距離計の値、あるいは1番目と2番目に近い2つの距離計の線形補間(重み付き平均値)を用いる方法である。多数の距離計を設置しなければならない欠点はあるが、正確な値を把握できる。
第2の方法は、板幅方向の中央部および両端部の電磁石に対応して設置された距離計の値から推定する方法である。最も単純なのは中央部と端部の距離計の値の線形補間(重み付き平均値)を用いる方法であり、例えば、対象幅方向位置が端部から板幅の20%中央に寄った位置であるとすると、対象幅方向位置における板厚方向の鋼帯位置の推定値xは次式で与えられる。
x=x×0.4+x×0.6
ここで x:中央部距離計の測定値
:端部距離計の測定値
より正確には、鋼板サイズ、張力、ロール配置を考慮したFEM解析等で求めた反り形状のプロファイルを用い、中央部と端部の距離計の値から補間すれば良い。
本願の第二の発明では、通板安定化装置4により鋼帯Sの変形及び/又はパスラインからの変位を矯正しつつ、鋼帯Sに連続溶融めっきを施すに当たり、通板安定化装置4の電磁石5を作用させた際に電磁石5の作用による鋼帯Sの変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置において、めっき付着量が目標値に近づくように、ガスワイピングノズル3a,3bの鋼帯板厚方向での位置を調整する。
一般に、溶融めっき鋼帯の製造では、ユーザーの要求に応じためっき付着量を保証するため、オンライン付着量計が設置され、板幅方向の付着量分布を測定している場合が多い。そこで、その付着量計の測定値(信号)に基づき、電磁石5の吸引力が最も及びにくい鋼帯幅方向位置、つまり、電磁石5の作用による鋼帯Sの変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置(図3(ロ)の丸で囲んだ位置)において、めっき付着量が目標値に近づくように、ガスワイピングノズル3a,3bの鋼帯板厚方向での位置を調整する。これにより、この位置でのめっき付着量調整は不要となるので、あとは電磁石5の吸引力が及ぶ鋼帯幅方向位置(中央部、両端部)で鋼板位置制御を行い、めっき付着量を調整すればよいことになる。
この本願の第二の発明でも、電磁石5の作用による鋼帯Sの変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置の特定は、上述した方法で行うことができる。
一般に、付着量計はワイピング部から数十m以上も下流側に設置されているため、時間遅れを有する欠点はあるが、パスずれやC反りは同一コイル内で大きく変化するものではないので、大きな問題となることはない。一方で、付着量データは通常、板幅方向で連続的に測定されるので、対象幅方向位置での値を推定値でなく実測値として正確に把握できるメリットがある。
なお、本発明は溶融亜鉛めっき鋼帯の他、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼帯、アルミニウムめっき鋼帯など、任意の溶融めっき金属帯の製造に適用できる。
本発明の実施に供される鋼帯の溶融めっき設備の概略構成を示す全体説明図 図1中のII−II線に沿う矢視図である。 本発明の一実施形態における鋼帯及びガスワイピングノズルの挙動を示す説明図 本発明において、1対のガスワイピングノズルの中間位置cに対する鋼帯位置の好ましい範囲を示す説明図 従来の溶融めっき設備のワイピング部における鋼帯の挙動を示す説明図 めっき付着量とノズル−鋼帯間距離とライン速度との関係を示す説明図 鋼帯のC反り及び振動によるノズル−鋼帯間距離の変化を示す説明図
符号の説明
1 溶融亜鉛ポット
2 シンクロール
3a,3b ガスワイピングノズル
4 通板安定化装置
5 電磁石
S 鋼帯

Claims (4)

  1. 溶融めっき浴を出た鋼帯の両面にガスを噴射してめっき付着量を調整する1対のガスワイピングノズルと、該ガスワイピングノズルの近傍位置で鋼帯両面に対向して鋼帯幅方向で間隔をおいて配置された3個以上の電磁石を有する通板安定化装置を備えた連続溶融めっき設備において、前記通板安定化装置により鋼帯の変形及び/又はパスラインからの変位を矯正しつつ、鋼帯に連続溶融めっきを施す溶融めっき鋼帯の製造方法であって、
    前記通板安定化装置の電磁石を作用させた際に電磁石の作用による鋼帯の変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置において、鋼帯が1対のガスワイピングノズルの中間位置に近づくように、ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向での位置を調整することを特徴とする溶融めっき鋼帯の製造方法。
  2. 通板安定化装置の電磁石を作用させた際に電磁石の作用による鋼帯の変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置において、鋼帯が1対のガスワイピングノズルの中間に位置するように、ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向での位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の溶融めっき鋼帯の製造方法。
  3. ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向での位置調整がなされた状態において鋼帯の反りが矯正されるように、各電磁石の吸引力を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融めっき鋼帯の製造方法。
  4. 溶融めっき浴を出た鋼帯の両面にガスを噴射してめっき付着量を調整する1対のガスワイピングノズルと、該ガスワイピングノズルの近傍位置で鋼帯両面に対向して鋼帯幅方向で間隔をおいて配置された3個以上の電磁石を有する通板安定化装置を備えた連続溶融めっき設備において、前記通板安定化装置により鋼帯の変形及び/又はパスラインからの変位を矯正しつつ、鋼帯に連続溶融めっきを施す溶融めっき鋼帯の製造方法であって、
    前記通板安定化装置の電磁石を作用させた際に電磁石の作用による鋼帯の変位量が最も少ない鋼帯幅方向位置において、めっき付着量が目標値に近づくように、ガスワイピングノズルの鋼帯板厚方向での位置を調整することを特徴とする溶融めっき鋼帯の製造方法。
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