JP5599078B2 - アデノシンテトラホスフェート化合物の製造法 - Google Patents

アデノシンテトラホスフェート化合物の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP5599078B2
JP5599078B2 JP2011519910A JP2011519910A JP5599078B2 JP 5599078 B2 JP5599078 B2 JP 5599078B2 JP 2011519910 A JP2011519910 A JP 2011519910A JP 2011519910 A JP2011519910 A JP 2011519910A JP 5599078 B2 JP5599078 B2 JP 5599078B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
added
mmol
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011519910A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010150791A1 (ja
Inventor
悟 向後
和臣 大沢
弘之 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamasa Corp
Original Assignee
Yamasa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamasa Corp filed Critical Yamasa Corp
Priority to JP2011519910A priority Critical patent/JP5599078B2/ja
Publication of JPWO2010150791A1 publication Critical patent/JPWO2010150791A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5599078B2 publication Critical patent/JP5599078B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/16Purine radicals
    • C07H19/20Purine radicals with the saccharide radical esterified by phosphoric or polyphosphoric acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、アデノシンテトラホスフェート化合物の効率的な製造法に関する。
下記式(1)で表されるアデノシンテトラホスフェート化合物またはその塩は、P2Yプリン受容体のアゴニストであり、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの治療薬としての開発が期待されている化合物である。
Figure 0005599078
(式中、Mは水素原子またはNa+などのイオンを示す。)
このようなアデノシンテトラホスフェート化合物の合成法としては、従来、例えば下記[化2]に示したように、式(3)化合物を2工程のリン酸化反応により式(5)で表されるトリリン酸誘導体とし、これを1−メチルアデノシン−5’−リン酸イミダゾリデート(7)と反応させることで目的の式(1)化合物とする方法(従来法1)や、式(4)化合物とアデノシン5’−トリリン酸イミダゾリデート、または式(5)化合物とアデノシン5’−モノリン酸イミダゾリデートから合成される式(1’)化合物をメチル化する方法(従来法2)が報告されている(特許文献1)。
Figure 0005599078
(式中、Mは水素原子またはNa+などのイオンを示す。)
WO2008/060632 WO2008/012949
Organic Letters,8,2075−2077(2006)
しかしながら、これらの従来の合成法は、各工程での合成収率が低いために、式(2)化合物から式(1)化合物を得るまでの通算の単離収率は従来法1で0.3%、従来法2で0.03〜0.08%程度と、到底実用的な方法とは言えなかった。
また、従来法1および2とも、工業的に不利とされる、シリカゲルやイオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーによる精製方法が多用される、立体異性体の混合物として生成する式(3)化合物を分離するための工程が必要である、さらに、式(1)化合物を高純度で得るために分取用HPLCのような大量合成には不利な装置が必要になる等、工業的生産に適用するには重大な問題点を多数有していた。
より詳細に問題点を分析すれば、式(1)化合物の従来の合成法には、以下(A)〜(C)に挙げるような大きな問題点があった。
(A)目的の式(1)化合物の生産に用いる出発原料の式(3)化合物は、後述の実施例中に示すようにα,β−立体異性体混合物として調製されるため、これらを分離して目的のβ体のみを得るためには、分取用HPLCのような大掛かりな精製装置の使用が必須であり、しかも2工程を経た単離収率は23%と低い。
(B)式(3)化合物を式(4)化合物に、さらに式(4)化合物を式(5)化合物とする工程では、いずれの工程も単離収率が低い上、精製に手間のかかるイオン交換カラムクロマトグラフィーを用いており、収率、精製の簡便さの点で問題がある。
(C)式(5)化合物を式(1)化合物とする工程では、従来、式(5)化合物を水中、塩化マンガンの存在下、1−メチルアデノシン−5’−リン酸イミダゾリデート(式(7)化合物)と反応させていた。しかしながら、ここで用いられている1−メチルアデノシン−5’−リン酸イミダゾリデートの合成には、アデノシン−5’−リン酸(式(6)化合物)から2工程の操作を必要とする上、1−メチルアデノシン−5’−リン酸イミダゾリデートの単離収率も18%と低収率でしか得られない。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、下記(X)〜(Z)のような知見を得ると共に、当該方法を用いることで、従来の合成法における手間の掛かる精製操作を大幅に簡略化し、式(1)化合物の収率を公知の方法と比較して格段に向上させることができることを見出した。
(X)式(3)化合物の調製において、後述のように、従来法では1:3.5(α:β)の比で不要なα体が生成する。この問題に対して発明者らは、(a)反応系にモレキュラーシーブスを共存させ、ルイス酸を種々検討することにより、目的のβ体の生成比を1:24〜1:27にまで改善できること、(b)出発原料に、従来の式(2)化合物に代えて式(8)化合物を用いることで、中間体である式(9)化合物が結晶となるため、この段階で結晶化によって目的とするβ体のみを優先的に得られることを見出した。こうして得られた式(9)化合物を脱保護することにより、式(3)化合物が単一の異性体として得られ、従来法と異なり、工業的に不利なシリカゲルカラムクロマトグラフィーや分取用HPLCのような装置を用いることなく、結晶化のみで式(3)化合物を2工程で69%と高収率で得られることが明らかとなった。
Figure 0005599078
(式中、Meはメチル基、Bzはベンゾイル基、Acはアセチル基を示す。)
(Y)式(4)化合物の調製において、新たに2,3位の水酸基に保護基を導入した式(10)化合物を中間体として、塩基の存在下でリン酸化反応を行い、また、式(4)化合物をN−メチルイミダゾリデート体を中間体として経由させることによって、収率を大きく改善でき、さらに精製も簡便に実施できる活性炭カラムクロマトグラフィーにより行うことによって、式(5)化合物の単離収率、精製の手間を大幅に改善できることを見出した。
Figure 0005599078
(式中、Meはメチル基、Bzはベンゾイル基を示す。)
(Z)式(5)化合物を式(1)化合物とする工程に関連する反応としては、従来、アデノシン5’−環状トリリン酸とアデノシン5’−モノリン酸との反応において、亜鉛塩の存在下反応させる方法(非特許文献1)が知られていた。しかしながら、後述の検討のように、亜鉛塩を用いる方法では、高収率を達成するには保護されたアデノシンヌクレオチド原料が必要であり、本発明のような無保護の原料を用いた場合には、合成収率30.8%と低いものであった。
そこで本発明者らは、当該反応に最適な条件を鋭意検討した結果、特定の金属塩、とくにマグネシウムの塩を存在させるのが、最も好適な条件であることを見出した。
従来、マグネシウムの塩の存在下、ジ(ピリミジンヌクレオシド5’−)ポリホスフェートを合成する方法に関してすでに報告されている(特許文献2)。しかし、本発明化合物とより近い化合物の反応であるアデノシン5’−環状トリリン酸とアデノシン5’−モノリン酸との反応においては、マグネシウム塩は亜鉛塩より数段劣り、高収率を達成できないことが報告されており(非特許文献1)、アデノシンテトラホスフェートの合成に亜鉛塩に代えてマグネシウム塩を用いたとしても高収率で目的化合物を得ることができるとは到底考えられず、全くの予想外のことであった。
Figure 0005599078
したがって、本発明は以下の通りである。
[1] 式(XI)化合物を縮合剤を用いて式(XIV)化合物に変換後(工程A)、マグネシウム、マンガンまたは鉄のいずれかより選択された金属塩の存在下、式(XIII)と反応させることにより式(I)化合物を得る(工程B)ことを特徴とするアデノシンテトラホスフェート化合物の製造法。
Figure 0005599078
(式中、Arはアリール基、Xは硫黄原子もしくは酸素原子またはイミノ基のいずれかより選ばれる基、RとRは水素原子、アルキルまたはアラルキル基のいずれかより選ばれる基、Mは水素原子またはイオンを示す。)
[2]Rがアルキル、Rが水素原子、Arがアルコキシフェニル、Xは酸素原子で表される化合物である、[1]に記載の製造法。
[3]Rがメチル、Rが水素原子、Arがメトキシフェニル、Xは酸素原子で表される化合物である、[1]に記載の製造法。
[4]縮合剤がカルボジイミド類である、[1]に記載の製造法。
[5]金属塩がマグネシウム塩である、[1]に記載の製造法。
[6]工程Aと工程Bを連続して行う、[1]に記載の製造法。
本発明の合成法は、従来法と比較して、式(I)化合物(出発原料(式(XI)化合物を含め)に至る各工程の収率が高く、また、精製手段として結晶化を多用することにより、精製が著しく容易になっていることが、最大の特長となっている。
すなわち、従来法によると、目的とする式(1)化合物の通算収率は0.03〜0.3%程度と極めて低いものであったのに対し、本発明では当該化合物を、出発原料(式(XI)化合物)の原料化合物である式(II)化合物から通算した場合であっても、単離収率が約14%と、きわめて効率よく合成することができる。
また、従来法では、工業的に不利なクロマトグラフィー操作を頻繁に行っていたのに対し、本発明では、ほとんどの工程で、精製手段として結晶化を用いており、クロマトグラフィーによる精製は、活性炭カラムクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィーをそれぞれ1回行うのみで済むため、従来法と比較して大幅に精製法が簡略化されている。
従って、本発明は、高収率かつより簡易な方法でアデノシンテトラホスフェート化合物を合成することが可能であり、工業的な大量合成に好適な方法である。
本発明は、下記式(XI)化合物を縮合剤を用いて式(XIV)化合物に変換後(工程A)、金属塩の存在下、式(XIII)化合物と反応させることにより式(I)化合物を得る(工程B)2つの工程からなることを特徴とするアデノシンテトラホスフェート化合物の製造法に関するものである。
Figure 0005599078
(式中、Arはアリール基、Xは硫黄原子もしくは酸素原子またはイミノ基のいずれかより選ばれる基、RとRは水素原子、アルキルまたはアラルキル基のいずれかより選ばれる基、Mは水素原子、Naなどの金属イオン又は置換アンモニウムイオンを示す。)
工程Aにおいて、式(XI)化合物を式(XIV)化合物へ変換するための縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、水溶性カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミドといったカルボジイミド類、ジフェニルホスホロクロリデート等のリン酸ハロゲン化物、塩化トルエンスルホニル等のスルホン酸ハロゲン化物、カルボニルジイミダゾール、等の公知の縮合剤を使用することができ、特にカルボジイミド類が好適である。
反応は、使用する縮合剤により異なるもの、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の単独又は混合溶媒中、式(XI)化合物1モルに対して縮合剤1〜5モル使用し、0℃〜50℃、好ましくは15〜30℃で1〜24時間程度反応させることにより実施できる。
より具体的に、縮合剤としてジイソプロピルカルボジイミドを使用する場合、ジメチルホルムアミド中、式(XI)化合物1モルに対して、ジイソプロピルカルボジイミドを1〜5モル、好ましくは1.2〜2モルを用い、0〜50℃、好ましくは20〜30℃で1〜3時間程度反応させることにより実施できる。
このようにして得られた式(XIV)化合物は、単離することなく連続して次の工程Bに利用できる。工程Bでは、金属塩の存在下、式(XIII)化合物と反応させて式(I)化合物を合成する。
反応に共存させる金属塩としては、マグネシウム、マンガン及び鉄のいずれかより選択された金属の塩であれば、特に制限されない。具体的には、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化マンガン、塩化第二鉄等の金属ハロゲン化物、マグネシウム、マンガン、鉄の硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸塩等といった金属無機酸塩、マグネシウム、マンガン、鉄のトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ステアリン酸、クエン酸塩等を例示することができる。
そのような金属塩の中でも、合成収率及び取扱い易さの点でマグネシウム塩が好ましく、特に塩化マグネシウムなどのマグネシウムのハロゲン化物を好適なものとして例示できる。なお、用いる金属塩は、無水物であっても水和物であっても構わない。
反応は、式(XIV)化合物1モルに対し、式(XIII)化合物を1〜5モル、好ましくは1〜2モル、及び金属塩1〜5モル、好ましくは1〜2モルをそれぞれ添加し、0〜100℃、好ましくは15〜30℃で、1〜24時間程度反応させることにより実施できる。
反応後、合成目的の式(I)化合物は、一般のヌクレオチドの単離精製に使用されている方法(例えば、再結晶法、イオン交換カラムクロマトグラフィー、吸着カラムクロマトグラフィー、活性炭カラムクロマトグラフィーなど)を適宜組み合せて分離精製することができ、必要に応じて塩型とすることもできる。
次に、原料化合物である上記式(XI)で表されるリボーストリリン酸誘導体と式(XIII)で表されるアデノシン5’−モノリン酸誘導体の調製法に関し、詳細に説明する。最初には、式(XI)化合物は、好ましくは、以下に説明する3つの工程より調製する。
第1工程;
式(II)化合物を、ルイス酸およびモレキュラーシーブスの存在下、フェノール化合物と反応させ、立体異性体混合物である式(III)化合物を得、得られた式(III)化合物から結晶化によりβ体(式(IV)化合物)のみを分離し、該化合物をアルカリ性条件下、脱保護して式(V)化合物を得る工程。
Figure 0005599078
(式中、Arはアリール基、Xは硫黄原子もしくは酸素原子またはイミノ基のいずれかより選ばれる基、Rは保護基、Rはアシル基を示す。)
第2工程;
式(V)化合物の5位水酸基を選択的に保護し、2,3位水酸基を5位保護基とは除去法の異なる保護基で保護後、5位保護基を選択的に除去することにより、式(VII)化合物を得、該化合物を塩基の存在下、リン酸化して式(VIII)化合物とし、2,3位の保護基を除去して式(IX)化合物を得る工程。
Figure 0005599078
(式中、Arはアリール基、Xは硫黄原子もしくは酸素原子またはイミノ基のいずれかより選ばれる基、RとRは保護基、Mは水素原子またはイオンを示す。)
第3工程;
式(IX)化合物のリン酸基を式(X)化合物に変換後、ピロリン酸塩と反応させることにより式(XI)化合物を得る工程。
Figure 0005599078
(IX) (X) (XI)
(式中、Arはアリール基、Xは硫黄原子もしくは酸素原子またはイミノ基のいずれかより選ばれる基、Rはイミダゾリル基またはN−メチルイミダゾリル基、Mは水素原子またはイオンを示す。)
第1工程は、式(II)化合物を、ルイス酸およびモレキュラーシーブスの存在下、フェノール化合物と反応させ、立体異性体混合物である式(III)化合物を得、得られた式(III)化合物から結晶化によりβ体(式(IV)化合物)を分離し、該化合物をアルカリ性条件下、脱保護して式(V)化合物を得る工程である。
で表される水酸基の保護基としては、水酸基の保護基として常用されているものであればよく、たとえばエーテル系保護基、アシル系保護基、シリル系保護基、アセタール系保護基などを例示することができる。より具体的には、エーテル系保護基としては、メチルエーテル、第3級ブチルエーテル、ベンジルエーテル、メトキシベンジルエーテル、トリチルエーテルなどを、アシル系保護基としてはアセチル、ベンゾイル、p−クロロベンゾイル、ピバロイルなどを、シリル系保護基としてはt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリルなどを、アセタール系保護基としてはイソプロピリデン、エチリデン、メチリデン、ベンジリデン、テトラヒドロピラニル、メトキシメチルなどをそれぞれ使用することができる。これらの中でも、結晶性の良い、ベンゾイル基等のアシル系保護基が好適である。
は、アシル基であればよく、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル基などを例示することができる。
このような原料化合物は、市販品を用いるか、公知の方法(Helvetica Chimica Acta,42,1171−1173(1959)など)により調製することができる。また、公知の方法で調製された式(II)を精製することなく、反応に供することもできる。
式(II)化合物から式(III)化合物への反応は、式(II)化合物を、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン等の有機溶媒中、式(II)化合物1モルに対して0.01〜2モルのルイス酸、式(II)化合物1gに対して2g以上のモレキュラーシーブスの存在下、1〜10モル、好ましくは1.2当量のフェノール化合物と0〜50℃、好ましくは20〜30℃で1〜24時間反応させることにより実施できる。
当該反応に使用するルイス酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、三フッ化ホウ素エーテル錯体、四塩化すず、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム等が例示されるが、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルが最も好適である。
また、使用するモレキュラーシーブスは、市販のものを適宜用いることができる。中でもモレキュラーシーブ4Aがとくに好適である。
フェノール化合物としては、フェノール、チオフェノール、および、これらの2位、4位等をC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C1−4アルキルスルホニル、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル等の置換基で置換したものが例示される。
式(III)化合物の異性体混合物を結晶化により単一の異性体(IV)化合物とするには、得られた式(III)化合物を、使用した式(II)化合物に対してアセトン、2−ブタノン等のケトン系有機溶媒および/またはジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒に溶解させ、これにメタノール、エタノール、イソプロパノールを貧溶媒として加え、晶析させればよい。
式(IV)化合物の保護基を除去し、式(V)化合物とする反応では、使用した保護基に応じ、酸性加水分解、アルカリ性加水分解、フッ化テトラブチルアンモニウム処理、接触還元などの通常の処理方法から適宜選択して行えばよい。
第2工程は、式(V)化合物の5位水酸基を選択的に保護し、2,3位水酸基を5位保護基とは除去法の異なる保護基で保護後、5位保護基を選択的に除去することにより、式(VII)化合物を得、該化合物を塩基の存在下、リン酸化して式(VIII)化合物とし、2,3位の保護基を除去して式(IX)化合物を得る工程である。
で表される5位水酸基の保護基は、1級水酸基の選択的な保護基として常用されているものであればよく、具体的には、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、トリチル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル基などが例示される。
また、Rで表される2,3位水酸基の保護基としては、水酸基の保護などで通常使用されるものであればよく、たとえばアシル系保護基、エーテル系保護基、シリル系保護基、アセタール系保護基などを例示することができる。
より具体的には、エーテル系保護基としては、メチルエーテル、第3級ブチルエーテル、ベンジルエーテル、メトキシベンジルエーテル、トリチルエーテルなどを、アシル系保護基としてはアセチル、ベンゾイル、p−クロロベンゾイル、ピバロイルなどを、シリル系保護基としてはtert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリルなどを、アセタール系保護基としてはイソプロピリデン、エチリデン、メチリデン、ベンジリデン、テトラヒドロピラニル、メトキシメチルなどをそれぞれ使用することができる。
5位水酸基の保護基の除去は、使用した保護基に応じ、酸性加水分解、アルカリ性加水分解、フッ化テトラブチルアンモニウム処理、接触還元などの通常の処理方法から適宜選択して行えばよい。
得られた式(VII)化合物は、精製することなく次の工程に用いることができる。また、式(VII)化合物を結晶として得たい場合は、Rで表される保護基としては結晶性の高いp−クロロベンゾイル基のようなアシル系保護基を選択し、式(VII)化合物の粗生成物をエタノールといった有機溶媒から結晶化させればよい。
式(IX)化合物は、式(VII)化合物の5位水酸基をリン酸化後、2,3位の保護基を除去することにより得られる。
式(VII)化合物を式(VIII)化合物とするには、ピリジン、アセトニトリル、トルエン、リン酸トリアルキル等の有機溶媒中、式(VII)化合物を、式(VII)化合物1モルに対して1〜10モル、好ましくは1.5モルの塩基の存在下、1〜5モル、好ましくは1.2当量のリン酸化剤と−30〜30℃で1〜24時間反応させればよい。
用いる塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール等の複素環アミンを例示することができ、リン酸化剤として、オキシ塩化リン、テトラクロロピロリン酸等や各種アミダイト試薬を例示することができる。
得られた式(VIII)化合物を引き続き、脱保護することにより式(IX)化合物が得られる。
保護基の除去は、使用した保護基に応じ、酸性加水分解、アルカリ性加水分解、フッ化テトラブチルアンモニウム処理、接触還元などの通常の処理方法から適宜選択して行えばよい。
例えば、2,3位の保護基としてベンゾイル基などのアシル系保護基を用いた場合、エタノール中、式(VIII)化合物を、濃アンモニア水と0℃〜室温で1〜3日処理すればよい。この場合、反応の進行に伴い、生成した式(IX)化合物が析出するので、これを濾取、乾燥するのみで式(IX)化合物が得られる。
第3工程は、式(IX)化合物のリン酸基を式(X)化合物に変換後、ピロリン酸塩と反応させることにより式(XI)化合物を得る工程である。
式(IX)化合物のリン酸基を活性化して式(X)化合物とするには、N−メチルイミダゾリデート法(Russian Jounal of Bioorganic Chemistry, 22, 599−604(1996))やイミダゾリデート法(Jounal of American Chemical Society, 87, 1785(1965))といった公知の方法を利用することができる。
例えば、活性化の方法にN−メチルイミダゾリデート法を用いる場合、アセトニトリル等の有機溶媒中、式(IX)化合物1モルに対して1〜10モルのジメチルアニリンおよび1〜10モルのトリエチルアミン存在下、式(IX)化合物を1〜10モルのトリフルオロ酢酸無水物と−20〜30℃で10〜60分間、1〜10モルのN−メチルイミダゾールと10〜60分間反応させることによって活性化させることができる。
また、イミダゾリデート法による活性化は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の有機溶媒中、式(IX)化合物を、式(IX)化合物1モルに対して1〜5モル、好ましくは3モルのカルボニルジイミダゾールと、0〜30℃で1〜24時間反応させることで達成できる。得られた式(X)化合物は、単離することなく次の工程に利用することが可能である。
式(X)化合物は、式(X)化合物1モルに対して1〜10モルのピロリン酸塩と反応させることにより、式(XI)化合物へと変換できる。たとえば、N−メチルイミダゾリデート法により活性化した場合には、2モル程度のピロリン酸塩と0℃〜室温で10〜60分間、イミダゾリデート化では5モル程度のピロリン酸塩と室温で1〜3日間反応させるのが好ましい。また、ピロリン酸はトリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム等の3級アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩として使用することができる。
次に、もう1つの原料化合物である式(XIII)で表されるアデノシン5’−モノリン酸酸誘導体は、記式(XII)化合物をアルキル化あるいはアラルキル化することによって調製する。
Figure 0005599078
(XII) (XIII)
(式中、R、Rは水素原子、アルキルまたはアラルキルのいずれかより選ばれる基、Mは水素原子またはイオンを示す。)
式(XII)化合物を式(XIII)化合物とするには、式(XII)化合物の水酸基を適当な保護基を用いて保護した後、アルキル化あるいはアラルキル化し、引き続き保護基を除去すればよい。
保護基としては、水酸基の保護で通常使用されるものであればよく、たとえばアシル系保護基、エーテル系保護基、シリル系保護基、アセタール系保護基などを例示することができる。
より具体的には、エーテル系保護基としては、メチルエーテル、第3級ブチルエーテル、ベンジルエーテル、メトキシベンジルエーテル、トリチルエーテルなどを、アシル系保護基としてはアセチル、ベンゾイル、p−クロロベンゾイル、ピバロイルなどを、シリル系保護基としてはtert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリルなどを、アセタール系保護基としてはイソプロピリデン、エチリデン、メチリデン、ベンジリデン、テトラヒドロピラニル、メトキシメチルなどをそれぞれ使用することができる。
保護基にて水酸基を保護した式(XII)化合物は、引き続き、アルキル化剤あるいはアラルキル化剤と反応させる。たとえば、上記反応液に対し、10〜100モルのヨウ化メチル、硫酸ジメチル、メタンスルホン酸メチル、ジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン等のメチル化剤を加え、0〜50℃で1〜7日間反応させればよい。
水酸基の保護基の除去は、使用した保護基に応じ、酸性加水分解、アルカリ性加水分解、フッ化テトラブチルアンモニウム処理、接触還元などの通常の処理方法から適宜選択して行えばよい。
このようにして得られた式(XI)化合物および式(XIII)化合物は、必要により遊離体から塩型(たとえば、ナトリウム塩などの金属塩、テトラブチルアンモニウム塩などの置換アンモニウム塩など)に変換して、原料化合物として使用すればよい。
以下、本発明を実験例及び実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
<アデノシンテトラホスフェート化合物の合成例>
−[4−メトキシフェニルβ−D−リボフラノシド]5−]P−(1−メチルアデノシン5’−)テトラリン酸(1)の合成
Figure 0005599078
化合物5(4.05mmol)の水溶液(250mL)を、陽イオン交換樹脂(PK216(三菱化学社製)、プロトン型、30mL)に通過させ、通過後の樹脂を脱イオン水で洗浄した。通過液、洗浄液に1N水酸化テトラn−ブチルアンモニウム(8.10mL、8.10mmol)を加え中和後、濃縮した。残渣をアセトニトリル(20mL×3)で共沸し、淡黄色アメ状の化合物5をテトラn−ブチルアンモニウム塩として得た。
この残渣をジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、ジイソプロピルカルボジイミド(940μL、6.07mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。ここに、化合物12のジメチルホルムアミド溶液、塩化マグネシウムのジメチルホルムアミド溶液を加え、室温で18時間撹拌した。なお、化合物12のジメチルホルムアミド溶液は、化合物12(2.63g、7.28mmol)を脱イオン水(50mL)に溶解し、氷冷下、10%水酸化テトラn−ブチルアンモニウムでpHを8.0としたものを、40℃で濃縮、残渣をジメチルホルムアミド20mLで3回共沸した後、ジメチルホルムアミド10mLに溶解して調製した。また、塩化マグネシウムのジメチルホルムアミド溶液は、塩化マグネシウム6水和物(1.48g、7.28mmol)をジメチルホルムアミド20mLで3回共沸した残渣をジメチルホルムアミド10mLに溶解して調製した。
反応液に冷脱イオン水(30mL)を加え撹拌した後、脱イオン水で500mLとした。HPLCによる定量の結果、化合物1の合成収率は75.6%であった。
1N水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0とした後、DEAEセファデックスカラムクロマトグラフィー(DEAEセファデックス150mL、0.10〜0.15M塩化リチウムにより溶出)により精製を行った。目的物を含む画分を濃縮後、残渣をメタノール(40mL)に溶解し、アセトン(160mL)を加え、生成した沈殿をろ取、乾燥した。得られたリチウム塩を脱イオン水に溶解し、陽イオン交換樹脂カラム(PK216(三菱化学社製)、ナトリウム型、20mL)に通過させ、通過後の樹脂を脱イオン水で洗浄した。通過液、洗浄液を合わせ濃縮後、残渣を脱イオン水に溶解、予備凍結後、終夜、凍結乾燥した。白色粉末状の化合物1を得た。
H−NMR(DO):δ8.65(1H,s,aromatic),8.46(1H,s,aromatic),6.95(2H,d,aromatic,J=9.5),6.87(2H,d,aromatic,J=9.5),6.13(1H,d,H−1’,J=5.5),5.45(1H,d,H−1,J=2.0),4.84(1H,t,H−2’ ,J=5.0),4.63(1H,dd,H−3’ ,J=3.5,5.0),4.74(1H,t,H−3,J=5.5),4.41(1H,m,H−4’),4.32(1H,dd,H−2,J=2.0,5.0),4.26(1H,q,H−4,J=5.0),4.29(1H,m,H−5’),4.19(1H,m,H−5a),4.11(1H,m,H−5b),3.78(3H,s,methyl),3.86(3H,s,methyl)
31P−NMR(DO):δ−11.20(m),−23.00(m)
MS(ESI):m/z 838[M−H],860[M1Na−H],882[M2Na−H],905[M3Na−H],926[M4Na−H]
実験例1:P−[4−メトキシフェニルβ−D−リボフラノシド]5−]P−(1−メチルアデノシン5’−)テトラリン酸(1)合成における金属塩の効果の検討
Figure 0005599078
化合物5(1.00mmol)にトリエチルアミン(418μL、3.00mmol)を加え、ジメチルホルムアミド(10mL)で3回共沸した。残渣をジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、ジイソプロピルカルボジイミド(232μL、1.50mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。ここに、化合物12のジメチルホルムアミド溶液、塩化マグネシウム、または塩化亜鉛のジメチルホルムアミド溶液を加え、室温で24時間撹拌した。反応液を脱イオン水で250mLとし、5μLをHPLC(260nm)で分析し、化合物1の合成収率を算出した。なお、化合物12のジメチルホルムアミド溶液は、化合物12(592mg、1.64mmol)を脱イオン水(20mL)に溶解し、氷冷下、10%水酸化テトラブチルアンモニウムでpHを8.0としたものを、40℃で濃縮、残渣をジメチルホルムアミド10mLで3回共沸した後、ジメチルホルムアミド2.5mLに溶解して調製した。また、塩化亜鉛のジメチルホルムアミド溶液は、塩化マグネシウム6水和物(305mg、1.50mmol)、または塩化亜鉛(204mg、1.50mmol)をジメチルホルムアミド10mLで3回共沸した残渣をジメチルホルムアミド2.5mLに溶解して調製した。その結果を表1に示す。
Figure 0005599078
表1の結果から、金属塩が存在しないときの化合物1の合成収率は4.59%と極めて低いのに対し、塩化マグネシウムを共存させると合成収率は53.0%と大きく改善した。一方、塩化亜鉛を用いた場合は合成収率30.8%と塩化マグネシウムを用いた結果と比較して半分弱で大きく減弱することがわかった。
<原料化合物の合成例1>
1)2,3、5−トリ−O−ベンゾイル−1−O−p−メトキシフェニル−β−D−リボ−ペントフラノース(9)の合成(方法1:化合物8を出発原料とする方法)
Figure 0005599078
(式中、Bzはベンゾイル、Acはアセチル、Meはメチルを示す)
化合物(8)(30.0g、59.5mmol)、4−メトキシフェノール(8.85g、71.3mmol)をトルエン(300mL)に溶解し、モレキュラーシーブス4A(Wako、60g)を加え、室温で1時間撹拌した後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.2mL、6.6mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液にトリエチルアミン(6mL)を加えてろ過した後、ろ液を飽和重曹水(300mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮した。結晶状の残渣を2−ブタノン(60mL)に加熱溶解後、エタノール(300mL)を添加し、析出した結晶をろ取した。得られた粗結晶(27.2g)を2−ブタノン(60mL)に加熱溶解し、エタノール(300mL)を加え再結晶を行い、白色粉末状の化合物9(収量25.5g、44.8mmol、単離収率75.3%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ8.04−7.32(15H,m,aromatic),6.98(2H,d,aromatic,J=9.0),6.79(2H,d,aromatic,J=9.0),6.02(1H,dd,H−3,J=5.0,7.0)5.90(1H,d,H−2,J=5.0),5.80(1H,s,H−1)4.82(1H,m,H−4),4.73(1H,dd,H−5a,J=4.5,12.0),4.55(1H,dd,H−5b,J=4.5,12.0),3.76(3H,s,methyl).
2)2,3、5−トリ−O−ベンゾイル−1−O−p−メトキシフェニル−β−D−リボ−ペントフラノース(9)の合成(方法2:D−リボースを出発原料とする方法)
Figure 0005599078
(式中、Bzはベンゾイル、Acはアセチル、Meはメチルを示す)
D−リボース(7.50g、50.0mmol)をメタノール(35mL)に懸濁後、濃硫酸(125μL)を滴下し、室温で24時間撹拌した。反応液にピリジン(360μL)を加え濃縮後、残渣をジオキサン(20mL)で2回共沸し、粗メチルリボシドを得た。
粗メチルリボシドをピリジン(15mL)、トルエン(25mL)に溶解後、氷冷下、塩化ベンゾイル(20.0mL、172mmol)を滴下し、50℃で18時間加熱撹拌した。反応液に脱イオン水(10mL)を加え50℃で1時間撹拌後、濃縮した。残渣に酢酸エチル(300mL)を加え、脱イオン水(300mL)、次いで飽和重曹水(300mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮した。残渣をジオキサン(20mL)で2回共沸し、粗ベンゾイルエステルとした。
粗ベンゾイルエステルをトルエン(25mL)に溶解し、無水酢酸(5.70mL、60.3mmol)を加えた。濃硫酸(1.5mL)を滴下後、室温で30分間撹拌した。酢酸ナトリウム(2.5g)、脱イオン水(10mL)を加え、室温で30分間撹拌後、酢酸エチル(300mL)を加え、脱イオン水(300mL)、ついで飽和重曹水(300mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮した。残渣をジオキサン(20mL)で2回共沸し、粗化合物8(粗収量25.8g、精製することなく次の反応に使用)とした。
粗化合物8(25.8g)、4−メトキシフェノール(7.44g、59.9mmol)をトルエン(250mL)に溶解し、モレキュラーシーブス4A(50g)を加え、室温で1時間撹拌した後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.0mL)を加え、室温で26時間撹拌した。反応液にトリエチルアミン(6mL)を加えてろ過した後、ろ液を飽和重曹水(300mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮した。アメ状の残渣をエタノール(250mL)に溶解、撹拌し、析出した結晶をろ取した。結晶をエタノール(50mL)で洗浄後、真空乾燥し、褐色粉末状の化合物9(収量18.7g、32.9mmol、D−リボースからの単離収率65.8%)を得た。
得られた結晶(18.7g)を2−ブタノン(40mL)に加熱溶解し、エタノール(200mL)を加え再結晶(収量17.0g、29.9mmol、再結晶化回収率90.9%、D−リボースからの単離収率59.8%)。
3)1−O−p−メトキシフェニル−β−D−リボ−ペントフラノース(3)の合成
Figure 0005599078
(式中、Bzはベンゾイル、Meはメチルを示す)
化合物9(25.0g、44.0mmol)をメタノール(250mL)に懸濁し、ナトリウムメトキシド(1.19g、22.0mmol)を加え、 室温で22時間撹拌した。反応液に陽イオン交換樹脂(Dowex 50WX8−100、プロトン型)を加えて中和後、ろ過により樹脂を除去し、ろ液を濃縮した。結晶状の残渣をエタノール(10mL)に加熱溶解し、イソプロピルエーテル(200mL)を加え、析出した結晶をろ取した。結晶をイソプロピルエーテル(50mL)で洗浄後、真空乾燥し、白色粉末状の化合物3(10.3g、40.2mmol、収率91.4%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ6.91(2H,d,aromatic,J=9.5),6.84(2H,d,aromatic,J=10.0),5.31(1H,d,H−1,J=1.0),5.25(1H,d,OH,J=5.0),4.96(1H,d,OH,J=6.0),4.66(1H,t,5−OH,J=5.5),3.97(2H,m,H−2&3)3.86(1H,m,H−4),4.82(1H,m,H−4),3.53(1H,ddd,H−5a,J=4.0,5.5,11.5),3.37(1H,dt,H−5b,J=5.5,11.5),3.69(3H,s,methyl).
4)1−O−p−メトキシフェニル−β−D−リボ−ペントフラノース5−モノリン酸(4)の合成(方法1:2,3位の保護基としてベンゾイル基を使用する方法)
Figure 0005599078
(式中、Bzはベンゾイル、Meはメチルを示す)
化合物3(10.4g、40.6mmol)をジメチルホルムアミド(100mL)に溶解し、イミダゾール(6.08g、89.3mmol)、tert−ブチルクロロジメチルシラン(6.73g、44.5mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。反応液にメタノール(10mL)を加えて濃縮した後、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、脱イオン水(200mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮後、残渣をピリジンで共沸(20mL×2)し、粗シリルエーテルを得た。
粗シリルエーテルをピリジン(50mL)に溶解し、氷冷下、塩化ベンゾイル(13.0mL、112mmol)、ジメチルアミノピリジン(248mg、2.03mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液に脱イオン水(20mL)を加え、室温で1時間撹拌した後、濃縮し、残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解した。有機層を水(300mL)、飽和重曹水(200mL×2)で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮した。残渣をトルエンで共沸(50mL×3)し、粗ベンゾイルエステルを得た。
粗ベンゾイルエステルをメタノール(160mL)に溶解し、酸性フッ化アンモニウム(6.47g、113mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。反応液を濃縮後、残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解し、飽和重曹水(300mL)で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮した。淡黄色アメ状の粗化合物10(精製せず、次の反応に使用)を得た。
粗化合物10をジオキサン(50mL×2)で共沸後、リン酸トリエチル(77mL)に溶解した。アルゴン雰囲気下、−10℃でトリブチルアミン(13.1mL、55.0mmol)、オキシ塩化リン(4.06mL、43.6mmol)を加え、同温度で3時間撹拌した。冷50%アセトニトリル(180mL)、トリエチルアミン(36.5mL、262mmol)を加え、−10℃で30分間、室温で2時間撹拌した後、クロロホルム(300mL)、脱イオン水(300mL)を加え撹拌した。水層より、クロロホルム(300mL×10)で抽出し、有機層を合わせて濃縮した。残渣をエタノール(360mL)に溶解し、28%アンモニア水(180mL)を加え、室温で2日間撹拌した。析出した沈殿をろ取し、エタノールで洗浄後、乾燥し、白色粉末状の化合物4(11.6g、ジアンモニウム塩として31.3mmol、化合物3から収率77.1%)を得た。
H−NMR(DO):δ7.10(2H,d,aromatic,J=9.0),7.00(2H,d,aromatic,J=9.0),5.57(1H,d,H−1,J=2.0),4.44(1H,t,H−3,J=6.0),4.36(1H,dd,H−2,J=2.0,4.5),4.22(1H,q,H−4,J=5.0),3.95(1H,dt,H−5a,J=5.0,11.0),3.88(1H,dt,H−5b,J=5.5,11.0),3.82(3H,s,methyl);31P−NMR(DO):δ3.66(s).
5)1−O−p−メトキシフェニル−β−D−リボ−ペントフラノース5−モノリン酸(4)の合成(方法2:2,3位の保護基としてp−クロロベンゾイル基を使用する方法)
Figure 0005599078
(式中、p-Cl-Bzはp−クロロベンゾイル、Meはメチルを示す)
化合物3(9.00g、35.1mmol)をピリジン(57mL)に溶解し、氷冷下、ジメチルアミノピリジン(86mg)、tert−ブチルクロロジメチルシラン(6.36g、42.2mmol)を加え、同温度で10分間、室温で20時間撹拌した。氷冷下、塩化p−クロロベンゾイル(10.8mL、84.2mmol)を滴下後、40℃で24時間撹拌した。反応液に脱イオン水(10mL)を加え、40℃で1時間撹拌後、濃縮し、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解した。有機層を脱イオン水(200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL×2)で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、濃縮した。残渣をトルエンで共沸(20mL×3)し、粗p−クロロベンゾイルエステルを得た。粗p−クロロベンゾイルエステルをメタノール(30mL)、アセトニトリル(30mL)に溶解し、p−トルエンスルホン酸(2.0g)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液にピリジン(1mL)を加え中和後、濃縮し、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、濃縮した。残渣をジオキサンで共沸(20mL×2)し、粗化合物10’を得た。
粗化合物10’(23.7g)をリン酸トリエチル(66mL)に溶解し、0℃でトリブチルアミン(11.3mL、47.4mmol)、オキシ塩化リン(3.51mL、37.7mmol)を加え、同温度で3時間撹拌した。反応液に冷50%アセトニトリル(158mL)、トリエチルアミン(31.5mL、226mmol)を加え、0℃で10分間、室温で4時間撹拌した後、n−ブタノール:酢酸ブチル(1:1、300mL)、脱イオン水(300mL)を加え撹拌した。水層より、n−ブタノール:酢酸ブチル(1:1、300mL×3)で抽出し、有機層を合わせて濃縮した。残渣をエタノール(240mL)に溶解し、28%アンモニア水(120mL)を加え、室温で22時間撹拌した。析出した沈殿をろ取し、エタノール(30mL×2)で洗浄後、乾燥し、白色粉末状の化合物4(8.66g、ジアンモニウム塩として23.4mmol、化合物3から66.7%)を得た。
6)1−O−p−メトキシフェニル−β−D−リボ−ペントフラノース5−トリリン酸(5)の合成(方法1:イミダゾリデート法)
Figure 0005599078
(式中、Meはメチルを示す)
化合物4(13.1g、ジアンモニウム塩として35.4mmol)を脱イオン水(800mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(PK216(三菱化学社製)、プロトン型、200mL)に通過させ、通過後の樹脂を脱イオン水で洗浄した。通過液、洗浄液をトリブチルアミン(18.5mL、77.7mmol)に受けて中和後、濃縮し、残渣をジメチルホルムアミド(100mL×3)で共沸した。
得られた化合物4のトリブチルアミン塩をジメチルホルムアミド(350mL)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(17.3g、107mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応液にメタノール(2.9mL)を加えて10分間撹拌後、ピロリン酸の3トリブチルアミン塩(5当量)のジメチルホルムアミド溶液(750mL)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液をろ過後、ろ液を濃縮した。残渣を脱イオン水に溶解し、全量を800mLとし、1N塩酸でpHを1.5とした。これを活性炭カラム(1L)に吸着し、水洗(5L)の後、0.2Nアンモニア水、20%エタノール−0.2Nアンモニア水で溶出した。溶出液を濃縮後、残渣を0.2Nアンモニア水に溶解し、室温で終夜処理した。反応液を濃縮後、水を加えて全量を800mLとし、DEAEセファデックスカラム(500cc、50〜75〜100〜200〜300mM炭酸水素アンモニウムで溶出)により精製した。化合物5を含む画分を濃縮後、残渣を水(100mL×5)で共沸した。残渣に水を加えて全量を600mLとし、陽イオン交換樹脂カラム(PK216(三菱化学社製)、プロトン型、200mL)に通過させ、通過後の樹脂を脱イオン水で洗浄した。通過液、洗浄液をトリエチルアミン(26.0mL、109mmol)に受けて中和後、濃縮した。残渣をジオキサン(100mL×3)で共沸し、淡黄色アメ状の化合物5(283nmでの紫外線吸収より、収量25.9mmol、収率73.2%)をトリエチルアミン塩として得た。
H−NMR(DO):δ7.11(2H,d,aromatic,J=9.0),6.99(2H,d,aromatic,J=9.0),5.56(1H,d,H−1,J=2.0),4.51(1H,dd,H−3,J=5.0,6.0),4.35(1H,dd,H−2,J=1.5,5.0),4.26(1H,q,H−4,J=5.0),4.18(1H,dt,H−5a,J=4.0,11.5),4.11(1H,dt,H−5b,J=6.0,12.0),3.82(3H,s,methyl),3.19(H,q,TEA,J=7.5),1.27(H,t,TEA,J=7.5);31P−NMR(DO):δ−10.82(d),−11.21(d),−23.17(t).
<原料合物の合成例2>
1−O−p−メトキシフェニル−β−D−リボ−ペントフラノース5−トリリン酸(5)の合成(方法2:N−メチルイミダゾリデート法)
Figure 0005599078
(式中、Meはメチルを示す)
上記で調製した化合物4(1.85g、ジアンモニウム塩として5.00mmol)を脱イオン水(50mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(PK216(三菱化学社製)、プロトン型、10mL)に通過させ、通過後の樹脂を脱イオン水で洗浄した。通過液、洗浄液をトリエチルアミン(1.40mL、10.0mmol)に受けて中和後、濃縮し、残渣をアセトニトリル(20mL×3)で共沸した。
得られた化合物4のトリエチルアミン塩をアセトニトリル(20mL)に溶解し、ジメチルアニリン(2.55mL)、トリエチルアミン(0.70mL、5.02mmol)を加え0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸無水物(3.55mL)のアセトニトリル溶液(5mL)を5分間かけて滴下し、0℃で5分間、室温で10分間撹拌した。反応液を減圧下、30℃で約15mLを留去後、N−メチルイミダゾール(1.20mL)、トリエチルアミン(3.50mL)のアセトニトリル溶液(5mL)を加え、0℃で1時間撹拌した。ピロリン酸の3トリブチルアミン塩(2当量)のアセトニトリル溶液(10mL)を加え、0℃で5分間、室温で10分間撹拌した。反応液に脱イオン水(100mL)を加え撹拌後、7.5N水酸化ナトリウム水溶液でpH10.0に合わせ、クロロホルム(50mL)で3回抽出した。水層を1N塩酸でpH7.0に合わせ濃縮後、脱イオン水で500mLとした(HPLCによる分析では合成収率81.6%)。この溶液を活性炭カラム(二村化学工業タイコー活性炭300cc)に吸着させ、水洗後、0.2Nアンモニア水で溶出した。目的物を含む画分を250mLに濃縮し、陽イオン交換樹脂(PK216(三菱化学社製)、プロトン型、10mL)に通過させ、通過後の樹脂を脱イオン水で洗浄した。通過液、洗浄液をトリエチルアミン(5mL)に受けて中和後、濃縮した。残渣をアセトニトリル(20mL×3)で共沸し、淡黄色アメ状の化合物5(HPLCによる定量により、収量3.86mmol、収率77.2%)をトリエチルアミン塩として得た。
<原料化合物の合成例3>
1−メチルアデノシン5’−モノリン酸(12)の合成
Figure 0005599078
化合物6(20.0g、57.6mmol)をジメチルアセトアミド(200mL)に懸濁し、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(70mL、286mmol)を加え、室温で1時間撹拌後、さらにヨウ化メチル(72mL、1.16mol)を加え、室温で43時間撹拌した。反応液を濃縮後、残渣をエタノール(290mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(290μL)を加え、氷冷下、3時間撹拌した。生じた沈殿をろ取し、冷エタノール(50mL)で洗浄、乾燥した。得られた沈殿を水(2500mL)に溶解し、陰イオン交換樹脂カラム(IRA67(ローム&ハース社製)、ギ酸型、200mL)に通過させ、通過後の樹脂を脱イオン水で洗浄した。通過液、洗浄液を合わせて濃縮後、エタノール(300mL)を加え、生じた沈殿をろ取、冷エタノール(50mL)で洗浄した。真空乾燥後、白色粉末状の化合物12(15.4g、遊離酸として42.6mmol、収率74.0%)を得た。
H−NMR(DO):δ8.66(1H,s,aromatic),8.53(1H,s,aromatic),6.19(1H,d,H−1’,J=5.5),4.53(1H,t,H−3’,J=4.5),4.41(1H,br.t,H−4’),4.14(2H,m,H−5’),3.94(3H,s,methyl);31P−NMR(DO):δ0.59(s).
実験例2:1−O−p−メトキシフェニル−D−リボ−ペントフラノース保護体を得る際の反応条件の検討
Figure 0005599078
ルイス酸およびモレキュラーシーブスの存在下、あるいは非存在下、1−O−アセチル−β−D−リボ−ペントフラノース保護体とフェノール化合物と反応させ、立体異性体混合物である1−O−p−メトキシフェニル−D−リボ−ペントフラノース保護体を合成し、α、β立体異性体それぞれの存在比を検討した。
エントリー1:
1−O−アセチル−β−D−リボ−ペントフラノース保護体としては、Rがアセチルの化合物2を使用し、公知文献(WO08/060632)に記載の方法に従って反応を行った。反応液を希釈した後、HPLCにより分析し、α、β立体異性体それぞれの存在比、α:β比を算出した。
エントリー2〜5:
1−O−アセチル−β−D−リボ−ペントフラノース保護体としては、Rがベンゾイルの化合物8を使用し、化合物8および4−メトキシフェノール(1.2当量)を有機溶媒(10mL/1gの化合物8)に溶解し、モレキュラーシーブス4A(Wako社、2g/1gの化合物8、または非存在下)を加え、室温で1時間撹拌した後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.4mL/1gの化合物8)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液を希釈後、HPLCにより分析し、エントリー1と同様にα:β比を算出した。
それぞれの条件でのα:β比を表1に示す。なお、表中の「TMSOTf」はトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルを、「MS4A」はモレキュラーシーブス4Aを示す。
Figure 0005599078
従来法(特許文献1:WO08/060632)では、α:β比は1:3.5と、目的としていないα体が大量に生成していたのに対し(エントリー1)、モレキュラーシーブス4Aの存在下、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルをルイス酸として用いると、その比は1:24〜1:27に著しく改善した(エントリー3〜5)。一方、モレキュラーシーブス非存在下では1:2.4に低下したことから(エントリー2)、この反応ではモレキュラーシーブスの存在が重要であることがわかった。

Claims (4)

  1. 式(XI)化合物を、縮合剤を用いて式(XIV)化合物に変換後(工程A)、マグネシウム塩の存在下、式(XIII)と反応させることにより式(I)化合物を得る(工程B)ことを特徴とするアデノシンテトラホスフェート化合物の製造法。
    Figure 0005599078


  2. がメチル、Rが水素原子、Arがメトキシフェニル、Xは酸素原子で表される化合物である、請求項1に記載の製造法。
  3. 縮合剤がカルボジイミド類である、請求項1に記載の製造法。
  4. 工程Aと工程Bを連続して行う、請求項1に記載の製造法。
JP2011519910A 2009-06-23 2010-06-22 アデノシンテトラホスフェート化合物の製造法 Expired - Fee Related JP5599078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011519910A JP5599078B2 (ja) 2009-06-23 2010-06-22 アデノシンテトラホスフェート化合物の製造法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009148344 2009-06-23
JP2009148344 2009-06-23
PCT/JP2010/060577 WO2010150791A1 (ja) 2009-06-23 2010-06-22 アデノシンテトラホスフェート化合物の製造法
JP2011519910A JP5599078B2 (ja) 2009-06-23 2010-06-22 アデノシンテトラホスフェート化合物の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010150791A1 JPWO2010150791A1 (ja) 2012-12-10
JP5599078B2 true JP5599078B2 (ja) 2014-10-01

Family

ID=43386560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011519910A Expired - Fee Related JP5599078B2 (ja) 2009-06-23 2010-06-22 アデノシンテトラホスフェート化合物の製造法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5599078B2 (ja)
WO (1) WO2010150791A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102659856A (zh) * 2012-04-10 2012-09-12 常州康丽制药有限公司 1-O-乙酰基-2,3,5-三-O-苯甲酰基-β-D-呋喃核糖的制备工艺

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001510484A (ja) * 1997-07-25 2001-07-31 インスパイアー ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート及びその塩の大規模生産のための方法
WO2008012949A1 (fr) * 2006-07-26 2008-01-31 Yamasa Corporation Procédé servant à produire un di(nucléoside pyrimidique-5'-)polyphosphate
WO2008060632A2 (en) * 2006-11-17 2008-05-22 Epix Delaware, Inc. Adenosine analogs and their use

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2714198A1 (en) * 2008-02-15 2009-08-20 Microdose Therapeutx, Inc. Methods of making nucleoside tetraphosphate analogs

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001510484A (ja) * 1997-07-25 2001-07-31 インスパイアー ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート及びその塩の大規模生産のための方法
WO2008012949A1 (fr) * 2006-07-26 2008-01-31 Yamasa Corporation Procédé servant à produire un di(nucléoside pyrimidique-5'-)polyphosphate
WO2008060632A2 (en) * 2006-11-17 2008-05-22 Epix Delaware, Inc. Adenosine analogs and their use

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010049329; Qianwei Han et al.: 'One-Flask Synthesis of Dinucleoside Tetra- and Pentaphosphates' Org. Lett., 2006, 8 (10), p2075-2077 *
JPN6010049330; PENDERGAST W. et al.: 'Synthesis and P2Y receptor activity of a series of uridine dinucleoside 5'-polyphosphates' BIOORG. MED. CHEM. LETT.,2001, 11(2),p157-160 *
JPN6010049331; Hyojin Ko et al.: 'Synthesis and potency of novel uracil nucleotides and derivatives as P2Y2 and P2Y6 receptor agonists' Bioorganic & Medicinal Chemistry, 2008,16(12),p6319-6332 *
JPN6010049332; Hiroaki Sawai et al.: 'Mg(II) ion-mediated conversion of mono- and oligonucleotides to 5'-polyphosphates in aqueous soluti' Tetrahedron Letters,1993, 34(30),p4801-4804 *

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2010150791A1 (ja) 2012-12-10
WO2010150791A1 (ja) 2010-12-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5426183A (en) Catalytic stereoselective glycosylation process for preparing 2'-deoxy-2',2'-difluoronucleosides and 2'-deoxy-2'-fluoronucleosides
EP0577303B1 (en) Stereoselective glycosylation process
AU2009279461B2 (en) Process for making 5-azacytosine nucleosides and their derivatives
EP3172218B1 (en) Process for the preparation of gemcitabine-[phenyl(benzoxy-l-alaninyl)] phosphate
AU2005328519B2 (en) Intermediate and process for preparing of beta- anomer enriched 21deoxy, 21 ,21-difluoro-D-ribofuranosyl nucleosides
EP2277878B1 (en) Process for production of ethynylthymidine compound using 5-methyluridine as starting raw material
KR20050109918A (ko) 2'-분지형 뉴클레오시드의 제조 방법
US5744597A (en) Stereoselective anion glycosylation process for preparing 2'-deoxy-2',2'-difluoronucleosides and 2'-deoxy-2'-fluoronucleosides
WO2009086687A1 (zh) 一种合成地西他滨的方法
EP3684780B1 (en) Floxuridine synthesis
JP4593917B2 (ja) プリンヌクレオシドを調製する方法
KR100759608B1 (ko) 2'-데옥시-2',2'-다이플루오로사이티딘의 제조 방법
EP2160397B1 (en) A novel and highly stereoselective process for preparing gemcitabine and intermediates thereof
EP0519464B1 (en) Nucleoside derivatives and production thereof
JP5599078B2 (ja) アデノシンテトラホスフェート化合物の製造法
KR100699099B1 (ko) 1-α-할로-2,2-다이플루오로-2-데옥시-D-라이보퓨라노스유도체 및 이의 제조방법
JP4802712B2 (ja) リボ核酸化合物及びオリゴ核酸化合物の液相合成法
WO2016110761A1 (en) PROCESS FOR PRODUCING 1-β-D-ARABINOFURANOSYLCYTOSINE AND 2,2'-O-CYCLOCYTIDINE
RU2131880C1 (ru) Способ получения обогащенных бета-аномером нуклеозидов
JP2004107329A (ja) 4’−c−エチニル−2’−デオキシプリンヌクレオシドの製造法
EP1654270B1 (en) Process for preparing 2',3'-didehydro-2',3'-dideoxynucleosides and 2',3'-dideoxynucleosides
JPH11217396A (ja) ヌクレオシド誘導体の製造方法
AU2002330955A1 (en) Process for preparing purine nucleosides
JPS6118558B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140709

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5599078

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees