JP5594000B2 - 監視ネットワーク、プログラム、記録媒体 - Google Patents
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Description
(種類1)取得した情報をそのまま出力するか、または、監視システムの監視結果を利用する別のシステム(後工程のシステム)や監視システムの管理者が利用し易いように取得した情報を加工して出力する監視システム。
(種類2)取得した情報に基づいて何らかの判定を行い、その判定結果を監視結果として記録すると共に出力する監視システム。
種類2の監視システムには、例えば、電子機器内部の温度を測定する温度センサとその温度に基づいて電子機器の異常を判定する判定装置とを組み合わせたもの、ネットワークに接続されたコンピュータに対して定期的に伝文を送信し、その応答確認によりコンピュータの生存チェックを行うもの等がある。
本発明は、種類2の監視システムに関するものである。
例えば、本出願人(株式会社トラフィック・シム)が製造販売しているデジタル放送向けTS(Transport Stream)監視システム(製品名「TSM-1000」「TSW-1000」「TSW-3000」「TSW-500」「TSG-1000」など)においては、1台のコンピュータで1万〜10万項目の監視結果をリアルタイムに管理し、監視システムの監視結果を利用する別のシステム(後工程のシステム)や監視システムの管理者へ通知する機能を有している。
(方法1)監視結果をログとして記録する方法。
(方法2)監視結果を状態として記録する方法。
方法2には、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いた監視システムがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
そして、PULL型の監視システムでは、マネージャがエージェントに対して監視結果の送信を要求すると、エージェントからマネージャに対して監視結果が送信される。
また、PUSH型の監視システムでは、監視結果が変化する度にエージェントからマネージャに対して監視結果が送信される。
また、PULL型の監視システムでは、マネージャがエージェントに対して監視結果の送信を要求してから次に監視結果の送信を要求するまでの間に(PULL動作とPULL動作の間に)、監視結果が複数回変化すると、その監視結果の複数回の変化をマネージャが把握できず取りこぼすため、監視結果の変化を一瞬でも見逃してはならない用途には使用できない。
特に、PUSH型の監視システムでは、エージェントが短時間に多数の監視結果を送信するとマネージャの負荷が過大になり、エージェントから送信された監視結果をマネージャが受信できずに取りこぼす確率が大きくなる。
(方法A)マネージャが監視結果を確実に受信できるように、エージェントが同一の監視結果を複数回送信する方法。
(方法B)再送機能付の通信プロトコルを用い、マネージャが監視結果を受信できなかったことをエージェントが検知した場合に、その監視結果をエージェントがマネージャへ再送する方法。
また、方法Aおよび方法Bでは、マネージャが同一の監視結果をエージェントに送信している最中にも監視結果が変化する場合があり、その場合には新たな監視結果を送信できなくなるおそれがある。
例えば、異常を示す監視結果が日常的に多発していると、まれに重大な異常が発生した際に、日常的に多発している重大ではない監視結果に埋もれて適切な処置がされないままとなる「オオカミ少年状態」となってしまう懸念があった。
すなわち、SNMPを用いた監視システムでは、監視結果の記述方法が規格化されておらず、例えば、「値が0のとき異常がないことを表す」「値が1のとき正常であることを表す」「値が50〜100の範囲内のとき正常であることを表す」「値がOKのとき正常であることを表す」といった具合に、監視システムによって監視結果の記述方法がまちまちであった。
そのため、複数の監視結果を自動的に集計して新たな監視結果を生成する際には、監視結果の記述方法に応じた集計プログラムを開発する必要があり、その開発に多大な労力を要していた。
(1)情報の監視を確実に行うことが可能な監視ネットワークを低コストに提供する。
(2)前記(1)の監視ネットワークを実現するようにコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを提供する。
(3)前記(1)の監視ネットワークを実現するようにコンピュータシステムを機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
請求項1に記載の発明は、
1台または複数台の監視装置と、通信回線と、監視システムとを備えた監視ネットワークであって、
前記監視装置は、
監視ネットワークにおける監視対象の監視結果の状態を検知する検知手段と、
現在時刻を計測する計時手段と、
前記検知手段の検知結果に基づき、前記監視結果の状態を判定し、その監視結果の状態が変化する度に履歴要素を生成し、前記計時手段が計測した現在時刻に基づいて前記検知手段が前記監視結果の状態を検知した時刻を確定時刻とし、その確定時刻と前記履歴要素とを組み合わせて状態履歴を生成する状態履歴生成手段と、
前記状態履歴生成手段が生成した前記状態履歴を記憶する記憶手段と、
前記状態履歴生成手段が生成した前記状態履歴を前記通信回線を介して送信する送信手段とを備え、
前記監視システムは、
前記1台または複数台の監視装置から前記通信回線を介して送信されてくる前記状態履歴を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記状態履歴を記憶して管理する記憶管理手段とを備え、
前記状態履歴は、前記確定時刻と1個以上の履歴要素とが1つに配列されて構成され、
前記確定時刻は、前記状態履歴が確定している時点の時刻の情報であり、
前記履歴要素は、変化時刻および前記監視結果の状態から構成され、
前記変化時刻は、前記監視結果の状態が変化した時刻の情報であり、
前記監視結果の状態は、発生状態と復帰状態の2つの情報値を有し、
前記発生状態は、予め規定されている状態が前記監視対象に起こっていることを表し、
前記復帰状態は、前記発生状態が無くなったことを表すことを技術的特徴とする。
そのため、監視システムが監視装置に対して状態履歴の送信を要求してから次に状態履歴の送信を要求するまでの間に(PULL動作とPULL動作の間に)、監視装置が複数個の履歴要素を生成していたとしても、その複数個の履歴要素は監視装置の記憶手段に記憶されているため、監視装置は複数個の履歴要素を全て監視システムへ送信できる。
請求項1をPUSH型の監視ネットワークに適用した場合には、監視ネットワークにおける監視対象の監視結果の状態が変化する度に監視装置が履歴要素を生成し、監視装置は生成した履歴要素を記憶手段に記憶しておき、記憶手段から読み出した状態履歴を通信回線を介して監視システムへ送信する。
そのため、監視装置が短時間に多数個の履歴要素を生成した場合でも、生成した履歴要素は記憶手段に一旦記憶されるため、監視装置が履歴要素を生成する度に監視システムへ送信する必要がないことから、監視システムの負荷が過大にならず、監視装置から送信された状態履歴に含まれる履歴要素を監視システムが取りこぼすおそれが無くなり、状態履歴の送信に係るオーバーヘッドを削減できる。
従って、請求項1によれば、監視装置が生成した履歴要素を監視システムが取りこぼすことなく全て受信することが可能であり、監視装置が生成した全ての履歴要素を監視システムが時間と同期して管理できる。
そして、請求項1によれば、状態履歴に含まれる複数個の履歴要素のうち変化時刻が最新の履歴要素と確定時刻に基づいて、監視対象の監視結果の最新の状態を確実に把握できる。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視結果の状態は、前記発生状態と前記復帰状態の2つの情報値に加えて、不定状態、参照不要状態、参照不明状態、参照先無し状態から成るグループから選択された少なくとも1つの情報値を有し、
前記不定状態は、前記発生状態とも前記復帰状態とも判断がつかない状態を表し、
前記参照不要状態は、前記監視結果の状態を参照することが禁止されている状態を表し、
前記参照不明状態は、前記参照不要状態であるかどうかかが不明な状態を表し、
前記参照先無し状態とは、参照すべき前記監視結果の状態が存在しない状態を表すことを技術的特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載の監視ネットワークにおいて、
前記状態履歴生成手段は、前記計時手段の計測した現在時刻を生存確認時刻とし、その生存確認時刻と前記確定時刻と前記履歴要素とを組み合わせて前記状態履歴を生成し、
前記状態履歴は、前記生存確認時刻と前記確定時刻と1個以上の履歴要素とが1つに配列されて構成され、
前記生存確認時刻は、前記監視装置の正常な動作が確認された最新の時刻の情報であることを技術的特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、前記記憶管理手段に記憶している前記状態履歴に対して識別子および属性情報を付与して紐付け管理することを技術的特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、1個または複数個の前記状態履歴を関数の引数とし、前記状態履歴を加工して得られた新たな状態履歴を生成する演算手段を備えることを技術的特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムを複数台備え、前記複数台の監視装置および監視システムを階層構造またはメッシュ型構造で管理することを技術的特徴とする。
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、複数個の前記状態履歴について、前記確定時刻が同一であるならば、その確定時刻を共通にして、複数個の前記状態履歴に含まれる前記履歴要素を1つに配列することにより、複数個の前記状態履歴を1個の状態履歴として管理することを技術的特徴とする。
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、前記履歴要素に含まれる監視結果の状態が変化する度に、その監視結果の状態の変化に応じて、予め設定しておいたログ文字列を前記記憶管理手段に記憶させることを技術的特徴とする。
請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、前記履歴要素に含まれる監視結果の状態が変化する度に、その監視結果の状態の変化に応じて、視覚的通知手段、聴覚的通知手段、触覚的通知手段から成るグループから選択された少なくとも1つの通知手段により、前記監視結果の状態の変化を監視ネットワークの管理者へ通知することを技術的特徴とする。
請求項10に記載の発明は、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視結果の状態が、前記監視結果の数値に置き換えられ、
前記履歴要素は、前記変化時刻および前記監視結果の数値から構成されることを技術的特徴とする。
請求項11に記載の発明は、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視結果の状態が、前記監視結果の文字列に置き換えられ、
前記履歴要素は、前記変化時刻および前記監視結果の文字列から構成されることを技術的特徴とする。
請求項12に記載の発明は、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおける前記各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
請求項13に記載の発明は、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおける前記各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
また、請求項13によれば、請求項12のプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供できる。
図1は、第1実施形態の監視ネットワーク10の概略構成を示すブロック図である。
監視ネットワーク10は、1台の監視システム20、1台の監視装置40、通信回線CLから構成されている。
コンピュータ本体21は、CPU(Central Processing Unit)30、GPU(Graphics Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、入出力装置(I/O:Input/Output system)34、HDD(Hard Disk Drive)35などを備えた周知のマイクロコンピュータシステムによって構成されている。
コンピュータ本体41は、CPU30、ROM32,RAM33,入出力装置34などを備えた周知のマイクロコンピュータシステムによって構成されている。
監視装置40のコンピュータ本体41において、監視システム20のコンピュータ本体21と異なるのは、GPU31およびHDD35が省かれている点だけである。
時計装置43は、現在時刻を計測し、その現在時刻をデータ信号に変換し、そのデータ信号をコンピュータ本体41の入出力装置34を介してCPU30へ送信する。
ちなみに、コンピュータで読み取り可能な記録媒体には、例えば、半導体メモリ、HD(Hard Disk)、光ディスク(CD−ROM,DVDなど)、光磁気ディスク(MOなど)、相変化ディスク、磁気ディスク、磁気テープなどがある。尚、記録媒体の具体例の名称には登録商標が含まれる。
すなわち、監視システム20のコンピュータ本体21と、監視装置40のコンピュータ本体41とは、それぞれの入出力装置34が通信回線CLによって接続されている。
そして、入出力装置34は、監視ネットワーク10のネットワークコントローラとして機能する。
尚、監視システム20および監視装置40には、市販のパーソナルコンピュータを使用してもよい。
通信回線CLを有線通信の伝送路によって具体化した場合には、例えば、ISDN(Integrated Services Digital Network),ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line),光通信回線などを含む公衆電話回線を利用したインターネット回線、CATV(Community Antenna TeleVision)やLAN(Local Area Network)などの専用通信回線などから構成される。
また、通信回線CLを無線通信の伝送路によって具体化した場合には、例えば、電波通信や光無線通信を用いた無線LANなどから構成される。
また、コンピュータ本体41は、検知装置42が一定時間毎(周期的)に検知結果を送信してくる度に、時計装置43の計測した現在時刻に基づき、検知結果を受信した時刻を最新の確定時刻として古い確定時刻に上書きする。
また、コンピュータ本体41は、時計装置43の計測した現在時刻を最新の生存確認時刻(ALIVE時刻)として古い生存確認時刻に上書きする。
そして、コンピュータ本体41は、生存確認時刻と確定時刻と履歴要素とを組み合わせて状態履歴を生成し、その状態履歴をRAM33に記憶(記録)すると共に、その状態履歴をデータ信号に変換し、PULL型またはPUSH型により、状態履歴のデータ信号を通信回線CLを介して監視システム20へ送信する。
また、監視システム20は、RAM33またはHDD35に記憶して管理している状態履歴を利用する別のシステム(後工程のシステム:図示略)に対して、PULL型またはPUSH型により、状態履歴のデータ信号を通信回線CLを介して送信する。
状態履歴は、生存確認時刻、確定時刻、1個以上の履歴要素がこの順番で1つに配列されて構成されている。
生存確認時刻は、監視装置40の正常な動作が確認された最新の時刻(最終の時刻)の情報である。
確定時刻は、状態履歴が確定している時点の時刻の情報である。
変化時刻は、監視ネットワーク10における監視対象の監視結果の状態が変化した時刻の情報である。
監視結果の状態は、発生状態と復帰状態の2つの情報値を有している。
発生状態とは、予め規定されている状態が監視対象に起こっていることを表す。
復帰状態とは、発生状態が無くなったことを表す(予め規定されている状態が監視対象に起こった後に、その状態が無くなったことを表す)。
例えば、監視ネットワーク10の監視対象がデジタル放送のTS(Transport Stream)の場合には、TSにエラーが発生している状態を発生状態と定義し、TSのエラーの発生状態が解除されてエラーが発生しなくなった状態を復帰状態と定義することが考えられる。
尚、TSのエラーについては、本出願人の過去の特許出願(特開2010−119046号公報、特開2008−283603号公報、特開2007−142536号公報、特開2006−013612号公報)に詳述してある。
また、監視ネットワーク10の監視対象が河川の水位の場合には、河川の水位が安全水位を超えて増水している状態を発生状態と定義し、河川の水位が下がって安全水位以下になった状態を復帰状態と定義することが考えられる。
履歴要素[1]は、最初の履歴要素[0]の次(1回目)に監視装置40が生成した履歴要素である。
履歴要素[n]は、最初の履歴要素[0]からn回目に監視装置40が生成した履歴要素である。
図3に示す例では、履歴要素[0]の変化時刻が「10:10:28」で状態が「復帰状態」であり、履歴要素[1]の変化時刻が「10:10:30」で状態が「発生状態」であり、履歴要素[2]の変化時刻が「10:10:33」で状態が「復帰状態」であり、履歴要素[3]の変化時刻が「10:10:37」で状態が「発生状態」であり、確定時刻が「10:10:40」であり、生存確認時刻が「10:10:42」である。
第1実施形態の監視ネットワーク10では、監視装置40による監視対象の監視結果が時間の経過に伴い変化するが、その監視結果の履歴が状態履歴の形式で監視システム20にて管理されるため、以下の作用・効果が得られる。
従って、PULL型の監視ネットワーク10では、監視装置40が生成した履歴要素を監視システム20が取りこぼすことなく全て受信することが可能であり、監視装置40が生成した全ての履歴要素を監視システム20が時間と同期して管理できる。
第1実施形態によれば、ポーリングの周期についてもベストエフォート形を適用することが可能であるため、実用性に富んでいる。
従って、PUSH型の監視ネットワーク10においても、PULL型と同様の作用・効果が得られ、監視装置40が生成した全ての履歴要素を監視システム20が時間と同期して管理できる。
また、監視装置40は、状態履歴のデータ信号を監視システム20へ送信した後に、予め設定しておいた所定時間が経過した時点で、RAM33に記憶しておいた状態履歴を削除してもよい。
このようにすれば、監視装置40のRAM33の記憶容量を少なくして低コスト化を図ることが可能になり、少ない記録容量のRAM33で履歴要素を効率良く記憶保存することができる。
GPU31は、行列演算など単純な演算を大量に高速に演算することを目的とした演算装置であるため、状態履歴の生成に好適である。しかし、GPU31を省き、高速動作が可能なCPU30や、ロジック回路で構成された専用ハードウェアによって状態履歴を生成してもよい。
そして、確定時刻は、状態履歴が確定している時点の時刻である。
そのため、監視システム20は、状態履歴に含まれる複数個の履歴要素のうち変化時刻が最新の履歴要素と確定時刻に基づいて、監視対象の監視結果の最新の状態を確実に把握できる。
そして、生存確認時刻は、監視装置40の正常な動作が確認された最新の時刻(最終の時刻)である。
そのため、監視システム20は、生存確認時刻に基づいて、監視装置40の故障や通信回線CLの障害の有無を確実に把握できる。
第2実施形態の監視ネットワーク10の構成は、図1に示した第1実施形態と同じである。
第2実施形態において、第1実施形態と異なるのは、履歴要素に含まれる監視結果の状態が、発生状態と復帰状態に加えて不定状態の情報値を有している点だけである。
すなわち、第2実施形態では、履歴要素に含まれる監視結果の状態が、発生状態,復帰状態,不定状態の3つの情報値を有している。
すなわち、監視装置40のコンピュータ本体41が受信した検知装置42の検知結果のデータ信号にエラーが含まれており、履歴要素に含まれる監視結果の状態が発生状態なのか復帰状態なのか不明の場合、監視装置40のコンピュータ本体41は監視結果の状態を不定状態と判定する。
図4に示す例において、図3に示した第1実施形態の例と異なるのは、履歴要素[1]の状態が「不定状態」になっている点だけである。
すなわち、時刻が「10:10:30」から「10:10:33」までの間については、履歴要素に含まれる監視結果の状態が発生状態なのか復帰状態なのか不明である。
また、監視結果の状態が確実に発生状態の場合にのみ、後工程のシステムが対処しなければならないような場合には、後工程のシステムでは不定状態を復帰状態として扱えばよい。
第3実施形態の監視ネットワーク10の構成は、図1に示した第1実施形態と同じである。
第3実施形態において、第1実施形態と異なるのは、履歴要素に含まれる監視結果の状態が、発生状態と復帰状態に加えて参照不要状態の情報値を有している点だけである。
すなわち、第3実施形態では、履歴要素に含まれる監視結果の状態が、発生状態,復帰状態,参照不要状態の3つの情報値を有している。
すなわち、監視結果の状態を後工程のシステムで利用して欲しく無い時間帯を、監視装置40のコンピュータ本体41が参照不要状態として設定する。
尚、参照不要状態の時間帯については、監視ネットワーク10の管理者が予め設定しておく。
そのため、監視装置40は、深夜の放送休止中の時間帯については、検知装置42の検知結果に基づいて生成された履歴要素に含まれる監視結果の状態に関係なく、履歴要素に含まれる監視結果の状態を参照不要状態として状態履歴を生成すればよい。
図5に示す例において、図3に示した第1実施形態の例と異なるのは、履歴要素[1]の状態が「参照不要状態」になっている点だけである。
すなわち、時刻が「10:10:30」から「10:10:33」までの間については、履歴要素に含まれる監視結果の状態に関係なく、監視装置40が参照不要状態と判定していることになる。
第4実施形態の監視ネットワーク10の構成は、図1に示した第1実施形態と同じである。
第4実施形態において、第1実施形態と異なるのは、監視システム20がRAM33またはHDD35に記憶している状態履歴に対して識別子および属性情報を付与して紐付け管理している点だけである。
尚、具体的な紐付け管理については、監視ネットワーク10の管理者が監視システム20の入力装置22を用いて設定する。
図6に示す例において、状態履歴に含まれる履歴要素は出生率であり、出生率が増加している状態を発生状態と定義し、出生率が変化しないか又は減少している状態を復帰状態と定義している。
そして、状態履歴に対して識別子(ID:IDentifier)IDrおよび属性情報がそれぞれ紐付け管理されている。
属性情報には、国名、人口、GDP(Gross Domestic Product)の3つの情報値が含まれている。
また、人口が2億人以上10億人未満の国を指定して絞り込んだ結果、アメリカ合衆国(USA)とインドネシアの2カ国が絞り込まれ、その2カ国の識別子IDr[0],IDr[5]の一覧に対して、絞り込み結果を表す識別子ListID[1]を付与して紐付け管理している。
尚、図7に示す例では、属性情報に含まれる情報値のうち、人口に基づいて絞り込みを行っているが、GDPに基づいて絞り込みを行ってもよい。
第5実施形態の監視ネットワーク10の構成は、図1に示した第1実施形態と同じである。
第5実施形態では、履歴要素に含まれる監視結果の状態が、第2実施形態と第3実施形態を組み合わせものであり、発生状態,復帰状態,不定状態,参照不要状態の4つの情報値を有している。
そして、第5実施形態において、監視システム20は、履歴要素に含まれる監視結果の状態が変化する度に、その監視結果の状態の変化に応じて、予め設定しておいたログ文字列をHDD35に記憶させる。
第5実施形態によれば、監視結果の状態の変化に対して抜けなくログ文字列をHDD35に記憶させることにより、監視システム20は監視結果の状態の変化を確実に管理できる。
また、ログ文字列をHDD35に記憶させることに加え、ログ文字列を監視システム20の表示装置23に表示させるようにすれば、監視ネットワーク10の管理者に監視結果の状態の変化を確実に通知できる。
第6実施形態の監視ネットワーク10の構成は、図1に示した第1実施形態と同じである。
第6実施形態において、第5実施形態と異なるのは、図8に示すNo.1〜No.12の場合に対応した通知を監視システム20が通知装置24に実行させる点だけである。
従って、第6実施形態によれば、第5実施形態と同様の作用・効果が得られる。
また、監視システム20は、監視結果の状態が不定状態に変化した場合(図8に示すNo21,No.5,No.12の場合)には、通知装置24に設けられた黄色ランプ(図示略)を点灯させる。
また、監視システム20は、図8に示すNo.1〜No.12のログ文字列を、通知装置24に設けられた音声再生装置により音声合成して再生させる。
第7実施形態の監視ネットワーク10の構成は、図1に示した第1実施形態と同じである。
第7実施形態において、第1実施形態と異なるのは、履歴要素を構成する監視結果の状態が、監視結果の数値に置き換えられている点だけである。
履歴要素は、変化時刻および監視結果の数値から構成されている。
変化時刻は、監視ネットワーク10における監視対象の監視結果の数値が予め設定しておいた閾値を超えて変化した時刻の情報である。
例えば、監視ネットワーク10の監視対象がデジタル放送の場合には、放送局から送信される各種データのビットレートを監視結果の数値として定義することが考えられる。
また、監視ネットワーク10の監視対象が原子力発電所の原子炉の場合には、原子炉の温度を監視結果の数値として定義することが考えられる。
また、監視ネットワーク10の監視対象が原子力発電所の原子炉の場合には、原子炉の温度を監視結果の数値として定義することが考えられる。
また、監視ネットワーク10の監視対象が河川の安全管理の場合には、河川の水位を監視結果の数値として定義することが考えられる。
第8実施形態の監視ネットワーク10の構成は、図1に示した第1実施形態と同じである。
第8実施形態において、第1実施形態と異なるのは、履歴要素を構成する監視結果の状態が、監視結果の文字列に置き換えられている点だけである。
履歴要素は、変化時刻および監視結果の文字列から構成されている。
変化時刻は、監視ネットワーク10における監視対象の監視結果の文字列が別の文字列に変化した時刻の情報である。
例えば、監視ネットワーク10の監視対象がデジタル放送の場合には、地上デジタル放送で利用されている電子番組表内にて番組のジャンルを表す文字列(「ドキュメンタリー」「ニュース」「ドラマ」「音楽」など)を監視結果の文字列として定義することが考えられる。
例えば、電子番組表内にて番組のジャンルを表す文字列を監視結果の文字列とした場合には、「ドキュメンタリー」を発生状態、「ニュース」を復帰状態、「ドラマ」を不定状態、「音楽」を参照不要状態として扱うことが考えられる。
図11は、第9実施形態の監視ネットワーク100の概略構成を示すブロック図である。
監視ネットワーク100は、図1に示した第1実施形態の監視システム20と同一構成の監視システム20a〜20c、第1実施形態の監視装置40と同一構成の監視装置40a〜40e、第1実施形態の検知装置42と同一構成の検知装置42a,42b、監視システム110a,110bから構成されている。
尚、監視システム20a〜20c,110a,110bと監視装置40a〜40eと検知装置42a,42bとは、第1実施形態と同様に通信回線CLを介して接続されているが、図11では通信回線CLの図示を省略してある。
同一構成の監視システム110a,110bはそれぞれ、コンピュータ本体21、入力装置22、表示装置23、通知装置24、検知装置42、時計装置43から構成されている。
また、監視システム110a,110bのコンピュータ本体21は、検知装置42がそれぞれ一定時間毎に検知結果を送信してくる度に、時計装置43の計測した現在時刻に基づき、検知結果を受信した時刻を最新の確定時刻として古い確定時刻に上書きする。
また、監視システム110a,110bのコンピュータ本体21は、時計装置43の計測した現在時刻を最新の生存確認時刻として古い生存確認時刻に上書きする。
そして、監視システム110a,110bのコンピュータ本体21は、生存確認時刻と確定時刻と履歴要素とを組み合わせて状態履歴を生成し、その状態履歴をRAM33またはHDD35に記憶する。
監視システム110a,110bのコンピュータ本体21はそれぞれ、検知装置42a,42bの検知結果を受信し、検知装置42の場合と同様に、検知装置42a,42bの検知結果に基づいて履歴要素を生成し、その履歴要素に基づいて状態履歴を生成し、その状態履歴をRAM33またはHDD35に記憶する。
監視システム110aのコンピュータ本体21は、生成した状態履歴をデータ信号に変換し、PULL型またはPUSH型により、状態履歴のデータ信号を通信回線CLを介して送信する。
監視システム20bは、監視装置40d,40eから送信されてくる状態履歴のデータ信号を受信し、それら状態履歴に基づいて別の状態履歴を新たに生成し、その別の状態履歴のデータ信号を監視システム20c,110aへ送信する。
監視システム20cは、監視システム20a,20bから送信されてくる状態履歴のデータ信号を受信し、それら状態履歴に基づいて別の状態履歴を新たに生成し、その別の状態履歴のデータ信号を監視システム110bへ送信する。
監視システム110bは、監視システム110aから送信されてくる状態履歴のデータ信号を受信すると共に、検知装置42bから送信されてくる検知結果のデータ信号を受信し、その状態履歴および検知結果と監視システム110a自身が生成した状態履歴とに基づいて別の状態履歴を新たに生成し、その別の状態履歴を管理する。
そして、監視システム20a〜20c,110a,110bは、受信した状態履歴を単独で管理したり、受信した状態履歴または自身が生成した状態履歴から別の状態履歴を生成して管理する。
すなわち、監視システム110bが階層型構造の最上層の階層(レイヤー)となり、監視システム20c,110aが2番目の階層となり、監視システム20a,20bが3番目の階層となり、監視装置40a〜40eが最下層の階層となる。
図13は、第10実施形態の監視ネットワーク200の概略構成を示すブロック図である。
監視ネットワーク200において、図11に示した第9実施形態の監視ネットワーク100と異なるのは、白抜き矢印Pに示すように、監視システム110bが監視システム20bへ状態履歴のデータ信号を送信している点だけである。
従って、第10実施形態の監視ネットワーク200によれば、監視システム20a〜20c,110a,110bおよび監視装置40a〜40eをニューラルネットワークのようなメッシュ型構造で管理することができる。
第11実施形態の監視ネットワーク100,200の構成は、図11または図13に示した第9実施形態または第10実施形態と同じである。
例えば、図11または図13に示した監視システム20cは、監視システム20a,20bからそれぞれ送信されてきた2個の状態履歴について、生存確認時刻および確定時刻が同一であるならば、生存確認時刻および確定時刻を共通にして、監視システム20aから送信されてきた状態履歴の履歴要素20a[0]〜20a[n]の配列の末尾に、監視システム20bから送信されてきた状態履歴の履歴要素20b[0]〜20b[n]を追加して1つに配列することにより、1個の状態履歴として管理する。
尚、3台以上の監視システムまたは監視装置がそれぞれ生成した3個以上の状態履歴を、1台の監視システムで1個の状態履歴として管理してもよい。
第12実施形態の監視ネットワーク100,200の構成は、図11または図13に示した第9実施形態または第10実施形態と同じである。
第12実施形態において、監視システム20cは、監視システム20aから送信されてくる状態履歴のデータ信号を受信し、その状態履歴(入力状態履歴)に基づいて別の状態履歴(出力状態履歴)を新たに生成する。
図15〜図21はそれぞれ、第12実施形態において監視システム20cが実行する新たな状態履歴の生成方法の第12−1例〜第12−7例を説明するための説明図である。
図15に示すように、第12−1例において、監視システム20cは、入力状態履歴にNOT処理を施すことにより出力状態履歴を生成する。
すなわち、入力状態履歴の発生状態は出力状態履歴では復帰状態に変換され、入力状態履歴の復帰状態は出力状態履歴では発生状態に変換される。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻および確定時刻は、入力状態履歴と同じになる。
図16に示すように、第12−2例において、監視システム20cは、入力状態履歴における短時間の発生状態を除去する処理を施すことにより出力状態履歴を生成する。
すなわち、入力状態履歴における設定時間t1未満の発生状態は、出力状態履歴では復帰状態に変換される。
そのため、入力状態履歴における時間t2の発生状態は設定時間t1以上であるため出力状態履歴でも発生状態のままになり、入力状態履歴における時間t3の発生状態は設定時間t1未満であるため出力状態履歴では復帰状態に変換される。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻は、入力状態履歴と同じになる。
また、入力状態履歴の確定時刻における状態が発生状態で、且つ、連続発生状態が設定時間t1未満の場合は、入力状態履歴における最後の復帰状態から発生状態への変化時刻が、出力状態履歴の確定時刻となる。
図17に示すように、第12−3例において、図16に示した第12−2例と異なるのは、時刻Taから発生状態になり、その発生状態が確定時刻まで時間t4だけ続き、時間t4が設定時間t1未満である点だけである。
そのため、入力状態履歴における時間t2の発生状態は時間t1以上であるため出力状態履歴でも発生状態のままになり、入力状態履歴における時間t3,t4の発生状態は時間t1未満であるため出力状態履歴では復帰状態に変換される。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻は、入力状態履歴と同じになる。
しかし、出力状態履歴の確定時刻は、入力状態履歴から除去された短時間の発生状態の時間t4分だけ古い時刻である時刻Taにずらされる。
図18に示すように、第12−4例において、図16に示した第12−2例と異なるのは、時刻Tbから発生状態になり、その発生状態が確定時刻まで時間t5だけ続き、時間t5が設定時間t1以上である点だけである。
そのため、入力状態履歴における時間t2,t5の発生状態は時間t1以上であるため出力状態履歴でも発生状態のままになり、入力状態履歴における時間t3の発生状態は時間t1未満であるため出力状態履歴では復帰状態に変換される。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻および確定時刻は、入力状態履歴と同じになる。
図19に示すように、第12−5例において、監視システム20cは、入力状態履歴における発生状態の単位時間内の延べ発生時間が所定時間以上の場合に、出力状態履歴を発生状態とする。
第12−5例では、単位時間が18秒間、延べ発生時間が10秒間に設定されており、入力状態履歴における発生状態が過去18秒間内に延べ10秒間以上続いた場合に出力状態履歴が発生状態となる。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻および確定時刻は、入力状態履歴と同じになる。
図20に示すように、第12−6例において、監視システム20cは、入力状態履歴における短時間の復帰状態を除去する処理を施すことにより出力状態履歴を生成する。
すなわち、入力状態履歴における設定時間t1未満の復帰状態は、出力状態履歴では発生状態に変換される。
そのため、入力状態履歴における時間t2の復帰状態は設定時間t1以上であるため出力状態履歴でも復帰状態のままになり、入力状態履歴における時間t3の復帰状態は設定時間t1未満であるため出力状態履歴では発生状態に変換される。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻は、入力状態履歴と同じになる。
また、入力状態履歴の確定時刻における状態が復帰状態で、且つ、連続復帰状態が設定時間t1未満の場合は、入力状態履歴における最後の発生状態から復帰状態への変化時刻が、出力状態履歴の確定時刻となる。
図21に示すように、第12−7例において、監視システム20cは、入力状態履歴において単位時間内に復帰状態から発生状態への変化が所定回数以上になった時点から、単位時間内に復帰状態から発生状態への変化が0回になった時点までの期間について、出力状態履歴を発生状態とする。
第12−7例では、単位時間が8秒間、所定回数が3回に設定されており、入力状態履歴において過去8秒間内に復帰状態から発生状態への変化が3回以上になった時点から、過去8秒間内に復帰状態から発生状態への変化が0回になった時点までの期間について、出力状態履歴が発生状態となる。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻および確定時刻は、入力状態履歴と同じになる。
第13実施形態の監視ネットワーク100,200の構成は、図11または図13に示した第9実施形態または第10実施形態と同じである。
第13実施形態において、監視システム20cは、監視システム20a,20bからそれぞれ送信されてくる2個の状態履歴のデータ信号を受信し、その2個の状態履歴(入力状態履歴)に基づいて別の状態履歴(出力状態履歴)を新たに生成する。
図22,図23はそれぞれ、第13実施形態において監視システム20cが実行する新たな状態履歴の生成方法の第13−1例,第13−2例を説明するための説明図である。
図22に示すように、第13−1例において、監視システム20cは、監視システム20a,20bから送信されてくる2個の入力状態履歴にAND処理を施すことにより出力状態履歴を生成し、2個の入力状態履歴が共に発生状態の場合にのみ出力状態履歴が発生状態に変換され、2個の入力状態履歴のいずれか一方が復帰状態の場合は出力状態履歴が復帰状態に変換される。
つまり、時間t5について、監視システム20bの入力状態履歴が発生状態であるか復帰状態であるか不明である。
時間t5について、監視システム20bの入力状態履歴が発生状態であれば出力状態履歴は発生状態に変換され、監視システム20bの入力状態履歴が復帰状態であれば出力状態履歴は復帰状態に変換されるが、監視システム20bの入力状態履歴が不明であるため出力状態履歴も不明である。
そこで、出力状態履歴の確定時刻は、監視システム20bの確定時刻となり、2個の入力状態履歴における確定時刻の内の古い時刻となる。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻は、入力状態履歴と同じになる。
図23に示すように、第13−2例において、監視システム20cは、監視システム20a,20bから送信されてくる2個の入力状態履歴にAND処理を施すことにより出力状態履歴を生成し、2個の入力状態履歴が共に発生状態の場合は出力状態履歴が発生状態に変換され、2個の入力状態履歴が発生状態と不定状態の場合は出力状態履歴が不定状態に変換され、2個の入力状態履歴のいずれか一方が復帰状態の場合は出力状態履歴が復帰状態に変換される。
つまり、時間t6について、監視システム20bの入力状態履歴が発生状態,復帰状態,不定状態のいずれであるか不明である。
しかし、時間t6について、監視システム20bの入力状態履歴が発生状態,復帰状態,不定状態のいずれであっても、監視システム20aの入力状態履歴が復帰状態であるため、出力状態履歴は復帰状態になる。
そこで、出力状態履歴の確定時刻は、監視システム20aの確定時刻となり、2個の入力状態履歴における確定時刻の内の新しい時刻となる。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻は、入力状態履歴と同じになる。
監視システム20cは、監視システム20a,20bからそれぞれ送信されてくる2個の状態履歴(入力状態履歴)にAND処理を施すことにより出力状態履歴を生成する。
図26は、図24に示す場合において、第13実施形態のPUSH型の監視ネットワーク100,200における入力状態履歴と出力状態履歴との関係を示す説明図である。
従来のPUSH型の監視ネットワークでは、監視システム20cが状態履歴のデータを実際に受信した時刻を、その状態履歴に含まれる履歴要素の変化時刻としている。
第13実施形態によれば、このような従来技術の問題点を解決できる。
図27に示すように、第13−3例において、監視システム20cは、監視システム20a,20bから送信されてくる2個の入力状態履歴にOR処理を施すことにより出力状態履歴を生成し、2個の入力状態履歴のいずれか一方が発生状態の場合は出力状態履歴が発生状態に変換され、2個の入力状態履歴が共に復帰状態の場合にのみ出力状態履歴が復帰状態に変換される。
つまり、時間t7について、監視システム20bの入力状態履歴が発生状態であるか復帰状態であるか不明である。
時間t7について、監視システム20bの入力状態履歴が発生状態であれば出力状態履歴は発生状態に変換され、監視システム20bの入力状態履歴が復帰状態であれば出力状態履歴は復帰状態に変換されるが、監視システム20bの入力状態履歴が不明であるため出力状態履歴も不明である。
そこで、出力状態履歴の確定時刻は、監視システム20bの確定時刻となり、2個の入力状態履歴における確定時刻の内の古い時刻となる。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻は、入力状態履歴と同じになる。
図28に示すように、第13−4例において、監視システム20cは、監視システム20a,20bから送信されてくる2個の入力状態履歴にOR処理を施すことにより出力状態履歴を生成し、2個の入力状態履歴が共に復帰状態の場合は出力状態履歴が復帰状態に変換され、2個の入力状態履歴が復帰状態と不定状態の場合は出力状態履歴が不定状態に変換され、2個の入力状態履歴のいずれか一方が発生状態の場合は出力状態履歴が発生状態に変換される。
つまり、時間t8について、監視システム20bの入力状態履歴が発生状態,復帰状態,不定状態のいずれであるか不明である。
しかし、時間t8について、監視システム20bの入力状態履歴が発生状態,復帰状態,不定状態のいずれであっても、監視システム20aの入力状態履歴が発生状態であるため、出力状態履歴は発生状態になる。
そこで、出力状態履歴の確定時刻は、監視システム20aの確定時刻となり、2個の入力状態履歴における確定時刻の内の新しい時刻となる。
そして、出力状態履歴の生存確認時刻は、入力状態履歴と同じになる。
尚、3個以上の複数の状態履歴を関数の引数とし、複数の状態履歴を相互に作用させて得られた新たな状態履歴を生成してもよい。
図29は、第14実施形態の監視ネットワーク300を説明するための説明図である。
監視ネットワーク300に設けられた監視システム20は、別の監視システムまたは監視装置(図示略)からそれぞれ送信されてくる3個の状態履歴のデータ信号を受信し、その3個の状態履歴(入力状態履歴)α〜γに基づいて別の状態履歴(出力状態履歴)を新たに生成する。
例えば、監視システム20は、監視結果の状態について、発生状態を数値「1」と定義すると共に、復帰状態を数値「0」と定義し、入力状態履歴αには数値「2」を乗算し、入力状態履歴βには数値「1」を乗算し、入力状態履歴γには数値「5」を乗算し、入力状態履歴α〜γの乗算値の加算結果が所定値以上になった場合に出力状態履歴を発生状態とする。
例えば、入力状態履歴α〜γについて、直近x秒間における発生状態の時間に対してそれぞれ数値「2」「1」「5」を乗算し、入力状態履歴α〜γの乗算値の加算結果が所定値以上になった場合に出力状態履歴を発生状態としてもよい。
また、図19に示す第12−5例または図20に示す第12−6例において、延べ発生時間に所定数値を乗算することにより重み付けを行うことが考えられる。
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
また、監視ネットワークの監視対象に応じて、監視結果に新たな状態を追加してもよく、参照不明状態、参照先無し状態を追加することが考えられる。
例えば、図1に示す監視ネットワーク10の監視対象がテレビ放送の映像であり、映像に乱れが発生している状態を発生状態と定義した場合には、深夜の放送休止中の時間帯であるかどうか判断できないとき、映像に乱れが発生していても、その状態を発生状態と見なすかどうか定かではないため、監視システム20は参照不明状態として扱う。
この参照不明状態は不定状態と類似するように見えるが、不定状態が参照すべき状態であるにもかかわらず、状態を参照した結果、状態自体が不明である場合を指すのに対し、参照不要状態はその状態自体を参照すべきかどうかが定かでない場合を指す。
例えば、図11に示す監視ネットワーク100の監視対象がテレビ放送で受信可能な全てのチャンネルの音声の有無であり、音声が有る状態を発生状態と定義した場合には、監視装置40aが故障したとき、監視すべき状態にもかかわらず、状態が取得できないため、監視システム20aは不定状態として扱う。
しかし、監視装置40bが故障していないとき、監視システム20aが誤って存在しないテレビ局の音声の有無を監視装置40bに問い合わせた場合、そもそも監視装置40bは当該テレビ局の音声を監視しておらず、監視結果の状態が存在しないため、監視システム20aは参照先無し状態として扱う。
これにより、監視対象の障害と監視システムの障害を明確に区別して管理することが可能となる。
しかし、検知装置42,42a,42bは、リアルタイムで監視対象の監視結果の状態を検知し、その検知結果をリアルタイムでコンピュータ本体41,21へ送信してもよい。
また、検知装置42,42a,42bは、監視対象の監視結果の状態を検知し、その状態が変化したときにのみ、その検知結果をコンピュータ本体41,21へ送信してもよい。
また、第10〜13実施形態において、監視システム110a,110bは1個の検知装置42を内蔵しているが、監視システム110a,110bは複数個の検知装置42を内蔵してもよい。
しかし、監視システムおよび監視装置の前記動作を実現する機能を備えた専用の回路をハードウェアとして設けることにより、その専用回路にコンピュータ本体21,41を置き換えてもよい。
[特許請求の範囲]および[課題を解決するための手段]に記載した構成要素と、[発明を実施するための形態]に記載した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
「計時手段」は、時計装置43に該当する。
「状態履歴生成手段」は、監視装置40のコンピュータ本体41、監視システム110a,110bのコンピュータ本体21に該当する。
「記憶手段」は、監視装置40のRAM33に該当する。
「送信手段」は、監視装置40の入出力装置34に該当する。
「受信手段」は、監視システム20,110a,110bの入出力装置34に該当する。
「記憶管理手段」は、監視システム20,110a,110bのRAM33またはHDD35に該当する。
「演算手段」は、監視システム20,110a,110bのCPU30またはGPU31に該当する。
「通知手段」は、監視システム20,110a,110bの表示装置23または通知装置24に該当する。
20,20a〜20c,110a,110b…監視システム
21…監視システムのコンピュータ本体
22…入力装置
23…表示装置
24…通知装置
30…CPU
31…GPU
32…ROM
33…RAM
34…入出力装置(I/O)
35…HDD
40,40a〜40e…監視装置
41…監視装置のコンピュータ本体
42,42a,42b…検知装置
43…時計装置
Claims (13)
- 1台または複数台の監視装置と、通信回線と、監視システムとを備えた監視ネットワークであって、
前記監視装置は、
監視ネットワークにおける監視対象の監視結果の状態を検知する検知手段と、
現在時刻を計測する計時手段と、
前記検知手段の検知結果に基づき、前記監視結果の状態を判定し、その監視結果の状態が変化する度に履歴要素を生成し、前記計時手段が計測した現在時刻に基づいて前記検知手段が前記監視結果の状態を検知した時刻を確定時刻とし、その確定時刻と前記履歴要素とを組み合わせて状態履歴を生成する状態履歴生成手段と、
前記状態履歴生成手段が生成した前記状態履歴を記憶する記憶手段と、
前記状態履歴生成手段が生成した前記状態履歴を前記通信回線を介して送信する送信手段と
を備え、
前記監視システムは、
前記1台または複数台の監視装置から前記通信回線を介して送信されてくる前記状態履歴を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記状態履歴を記憶して管理する記憶管理手段と
を備え、
前記状態履歴は、前記確定時刻と1個以上の履歴要素とが1つに配列されて構成され、
前記確定時刻は、前記状態履歴が確定している時点の時刻の情報であり、
前記履歴要素は、変化時刻および前記監視結果の状態から構成され、
前記変化時刻は、前記監視結果の状態が変化した時刻の情報であり、
前記監視結果の状態は、発生状態と復帰状態の2つの情報値を有し、
前記発生状態は、予め規定されている状態が前記監視対象に起こっていることを表し、
前記復帰状態は、前記発生状態が無くなったことを表す
ことを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視結果の状態は、前記発生状態と前記復帰状態の2つの情報値に加えて、不定状態、参照不要状態、参照不明状態、参照先無し状態から成るグループから選択された少なくとも1つの情報値を有し、
前記不定状態は、前記発生状態とも前記復帰状態とも判断がつかない状態を表し、
前記参照不要状態は、前記監視結果の状態を参照することが禁止されている状態を表し、
前記参照不明状態は、前記参照不要状態であるかどうかかが不明な状態を表し、
前記参照先無し状態とは、参照すべき前記監視結果の状態が存在しない状態を表すことを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1または請求項2に記載の監視ネットワークにおいて、
前記状態履歴生成手段は、前記計時手段の計測した現在時刻を生存確認時刻とし、その生存確認時刻と前記確定時刻と前記履歴要素とを組み合わせて前記状態履歴を生成し、
前記状態履歴は、前記生存確認時刻と前記確定時刻と1個以上の履歴要素とが1つに配列されて構成され、
前記生存確認時刻は、前記監視装置の正常な動作が確認された最新の時刻の情報であることを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、前記記憶管理手段に記憶している前記状態履歴に対して識別子および属性情報を付与して紐付け管理することを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、1個または複数個の前記状態履歴を関数の引数とし、前記状態履歴を加工して得られた新たな状態履歴を生成する演算手段を備えることを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項5に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムを複数台備え、前記複数台の監視装置および監視システムを階層構造またはメッシュ型構造で管理することを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、複数個の前記状態履歴について、前記確定時刻が同一であるならば、その確定時刻を共通にして、複数個の前記状態履歴に含まれる前記履歴要素を1つに配列することにより、複数個の前記状態履歴を1個の状態履歴として管理することを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、前記履歴要素に含まれる監視結果の状態が変化する度に、その監視結果の状態の変化に応じて、予め設定しておいたログ文字列を前記記憶管理手段に記憶させることを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視システムは、前記履歴要素に含まれる監視結果の状態が変化する度に、その監視結果の状態の変化に応じて、視覚的通知手段、聴覚的通知手段、触覚的通知手段から成るグループから選択された少なくとも1つの通知手段により、前記監視結果の状態の変化を監視ネットワークの管理者へ通知することを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視結果の状態が、前記監視結果の数値に置き換えられ、
前記履歴要素は、前記変化時刻および前記監視結果の数値から構成されることを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおいて、
前記監視結果の状態が、前記監視結果の文字列に置き換えられ、
前記履歴要素は、前記変化時刻および前記監視結果の文字列から構成されることを特徴とする監視ネットワーク。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおける前記各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の監視ネットワークにおける前記各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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