JP5593916B2 - 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体 - Google Patents

近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体 Download PDF

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Description

本発明は、車輌用窓ガラス、建築用窓ガラス等に用いられる、可視光透過性、赤外線(熱線)反射性、電磁波透過性に優れる近赤外反射積層膜およびこの近赤外反射積層膜を含む近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体に関する。
一般に高屈折率層と低屈折率層とをそれぞれの光学的膜厚を調整して交互に積層させた積層膜は特定の波長の光を選択的に反射することが理論的にも裏付けられ、建築物の窓や車輌用部材などに用いる熱線遮蔽用の反射膜として可視光線を透過し、近赤外線を選択的に反射する積層膜として利用されている。
積層膜を作製する方法としては、透明な支持体上に、蒸着法、スパッタ法などのドライ製膜法で各層を順次形成させて作製する方法が報告されているが(例えば、特許文献1参照)、いずれのドライ製膜法も製造コストが高く、大面積化が困難であり、使用できる材料や基板が耐熱性のあるものに限定されるという問題点があった。
一方、溶液塗布によるウエット(湿式)製膜法によれば、製造コストが安く、比較的大面積化しやすくなるという利点がある。湿式塗布の一種であるデイップ塗布法により中間層を塗布、あるいは、転写印刷法で週乾燥を塗布後、熱風によって乾燥させ、その上に高屈折率層を塗布、乾燥後2層を同時に焼成しているが(例えば、特許文献2参照)、2層を超える層を塗り重ねることは述べていない。
透明PETフィルムの上に屈折率が1.5もしくは1.27以下である低屈折率層用溶液と高屈折率層溶液を交互に6層以上積層して熱線遮断部材を得ているが(例えば、特許文献3参照)、塗布手段としてはバーコーターなどの湿式製膜方式をあげているものの、一層ずつ塗布するために製造コストが充分に低減できないばかりか、多層化するに従い塗膜の平滑性が劣化して均一な積層膜を得ることが困難になるだけでなく、層間の密着性が悪くなるという問題点があった。
低屈折率層と高屈折率層をバインダーを含む樹脂層とすることにより層間密着性にも優れた熱線遮蔽膜からなる7層以下の積層体を形成するのに湿式法による塗布工程を用いることを示しているが(例えば、特許文献4参照)、この文献の場合も湿式塗布の方法として挙げられている方法はスピンコート法等で、いずれの方法も一層を塗布後乾燥してはその上にまた一層を塗布する方法であり、製造コストが充分に低減できないばかりか、多層化するに従い均一で透明な積層膜を得ることが困難になるという問題点があった。
一方、赤外線反射膜付きプラスチックフィルムを中間膜で挟持して合わせガラスを作製する場合に、低屈折率の誘電体膜と高屈折率の誘電体膜とを交互に4層から11層積層した前記赤外線反射膜の熱集縮率が90℃〜150℃の温度範囲において0.5から3%の範囲であると、湾曲状のガラス板の場合、プラスチックフィルムにしわが生じて、外観欠陥となることを避けられると記載されているが(例えば、特許文献5参照)、この文献に示された赤外線反射膜では実際にクラックが生じることを十分に防ぐことは出来なかった。
特開平7−246366号公報 特開平6−345488号公報 特開2003−266577号公報 特開2009−86659号公報 特開2009−35438号公報
本発明の目的は、透明支持体上に屈折率が異なる隣接した2層から構成されるユニットを積層したことにより形成された近赤外反射積層膜を含む近赤外反射フィルムにおいて、低コストでありながら、所望の近赤外線反射性能を有しつつ、均一で可視光領域の透明性も良好であるとともに、合わせガラス等としたときにシワやクラックが生じない近赤外反射積層膜および近赤外反射積層膜を含む近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.透明支持体上に750〜1400nmの波長範囲での屈折率が異なる隣接した2層から構成され、かつ両層の屈折率の差が0.3以上のユニットを積層したことにより形成された近赤外反射積層膜を有する近赤外反射フィルムであって、該近赤外反射フィルムは、JIS K5600−5−1に記載の耐屈曲性試験(円筒形マンドレル法)により該近赤外反射積層膜が、割れ、または該透明支持体から剥がれを起こし始めるマンドレルの直径が30mm以下であることを特徴とする近赤外反射フィルム。
2.前記近赤外反射積層膜が、同時重層塗布で積層されたユニットにより形成されたことを特徴とする前記1に記載の近赤外反射フィルム。
3.前記近赤外反射積層膜が、同時重層塗布で積層された2以上のユニットにより形成されたことを特徴とする前記1または2に記載の近赤外反射フィルム。
4.前記近赤外反射積層膜が、同時重層塗布で積層された3以上のユニットにより形成されたことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の赤外反射フィルム。
5.前記近赤外反射積層膜が、該近赤外反射積層膜を形成するユニットの少なくとも1層に、金属酸化物もしくは無機微粒子から選ばれる少なくとも1種と、ポリビニルアルコールを含有し、少なくとも2以上のユニットを積層したことにより形成されたことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
6.前記近赤外反射積層膜が、該近赤外反射積層膜を形成するユニットの、750〜1400nmの波長範囲での屈折率が他の層に比べ高い方の層に、金属酸化物として平均粒径100nm以下の酸化チタン粒子とポリビニルアルコールを含有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
7.前記近赤外反射積層膜が、該近赤外反射積層膜を形成するユニットの、750〜1400nmの波長範囲での屈折率が他の層に比べ低い方の層に、無機微粒子として平均粒径100nm以下のシリカ粒子とポリビニルアルコールを含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムが、基体の少なくとも一方の面に設けられていることを特徴とする近赤外反射体。
本発明によれば、透明支持体上に屈折率が異なる隣接した2層から構成されるユニットを積層したことにより形成された近赤外反射積層膜を含む近赤外反射フィルムにおいて、低コストでありながら、所望の近赤外線反射性能を有しつつ、均一で可視光領域の透明性も良好であるとともに、合わせガラス等としたときにシワやクラックが生じない近赤外反射積層膜および近赤外反射積層膜を含む近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
車輌用窓ガラス、建築用窓ガラス等に用いられる、可視光透過性、赤外線(熱線)反射性、電磁波透過性に優れる近赤外反射積層膜およびこの近赤外反射積層膜を含む近赤外反射フィルムを得ようとしたとき、従来は、バインダー樹脂を用いないスパッタ法や、熱もしくはUVで硬化する樹脂を用いて近赤外反射積層膜を生成していたが、この方法では合わせガラスを作製すると近赤外反射積層膜にクラックなどの欠陥を生じてしまった。またスパッタ法では大面積化が困難であり、従来の知見から親水性バインダーを用いて同時重層塗布が出来れば大判でかつ製造コストを低減することが考えられたが、所望の近赤外反射性能を得るためには、できるだけ屈折率の差を大きくするか、積層する層の数を大きくせねばならず、異なる隣接した2層から構成されるユニットを形成し近赤外反射層とすることが可能な高屈折率層と低屈折率層の組成や層全体の構成については得られないでいたのが実情であった。本発明はこの点を鋭意検討した結果、透明支持体上に屈折率が異なる隣接した2層から構成されるユニットを形成し近赤外反射層とするにあたって、両層の750〜1400nmの波長範囲での屈折率の差を少なくとも0.3以上にしつつ、親水性バインダーを用いて水系で重層塗布を行うと、良好な重層塗布を行うことが出来るものの、塗布後いわゆるウエブを高速で搬送させながら塗布膜をずれや流れを生じさせないまま乾燥させることは難しく、この時親水性バインダーとしてポリビニルアルコールを用いると、乾燥工程まで含めて良好で安定な同時重層塗布を行うことが出来、またJIS K5600−5−1に記載の耐屈曲性試験(円筒形マンドレル法)により近赤外反射積層膜が割れを起こすかまたは透明支持体から剥がれを起こし始めるマンドレルの直径が30mm以下である組成とすることにより、最終的に均一な光学特性を有する近赤外反射積層膜を含む近赤外反射フィルムを作製できることを見出した事実に基づくものである。
本発明の近赤外反射フィルムは、透明支持体上に屈折率が異なる隣接した2層から構成されるユニットを積層したことにより形成された近赤外反射積層膜を含み、JIS R−3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上で、かつ、波長750nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有する。
〔支持体〕
本発明の近赤外反射フィルムに用いることの出来る透明支持体としては、波長400nmから750nmの可視光領域、及びそれより長波側の1400nmまでの近赤外領域での光透過性が良好で、屈曲性を有するフィルムであって、光や熱に対して安定なものであればよい。例えば、各種樹脂等を用いることができ、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスルフィド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、繊維素系樹脂等が挙げられ、これらを2種以上混合して用いても良い。
本発明に用いることの出来る好ましい透明支持体としては、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明の透明支持体には、熱安定剤、紫外吸収剤、酸化防止剤、防腐剤防カビ剤等、熱線遮蔽膜の効果を持続させる目的で各種添加剤を加えても良い。更に、特定の波長の可視光、近赤外線、赤外線を吸収あるいは反射する色素や顔料、色素等の着色剤や無機酸化物微粒子など、更なる機能付与を目的として各種添加剤を加えても良い。
本発明の透明支持体のガラス転移温度(Tg)は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、通常60〜500℃であり、好ましくは80〜300℃、より好ましくは100〜300℃である。ここでTgが60℃より低いと、長期使用中に積層体が変形し、選択反射波長が変化してしまい好ましくない。Tgが500℃より高いと、内部応力の発生や歪に対して割れやすくなるため好ましくない。
本発明の透明支持体の線熱膨張係数は本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、通常20×10−5/K以下が好ましく、10×10−5/K以下がより好ましい。線熱膨張係数がこれより大きいと高温時の変形量が大きく、歪んでしまい好ましくない。線熱膨張係数の下限については特に制限はないが通常1×10−7/K以上である。これより小さいと基板から熱線遮蔽膜が剥離する恐れがあり好ましくない。
本発明の透明支持体の厚みは、40〜300μm、特に50〜200μmであることが好ましい。また、本発明のフィルム支持体は、2枚を重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。40μmよりも薄いとフィルムの取扱が難しくかつハードコート層や赤外線反射膜の応力によりカールしやすく、一方、300μmより厚いと合わせ加工時に脱気不良による外観欠陥が出る。本発明の透明支持体の可視光線透過率は90%以上が好ましく、より好ましくは95%以上である。
《近赤外反射フィルム》
次に、透明支持体上に形成される、本発明の2層構成のユニットを積層したことにより形成された近赤外反射フィルムについて説明する。
本発明のユニットにおける、屈折率が異なる隣接した2層の屈折率の差は、低い製造コストとなる少ない積層数のユニットで所望の近赤外反射性能を得ようとするならば大きい方が好ましく、本発明で遮蔽しようとする熱線の波長領域である750〜1400nmの波長範囲で、0.3以上であることが必要である。但し後述する塗布上の制約、及び最終的に合わせガラスとした時の性能から、0.3以上かつ0.6以下が好ましく、0.4以上かつ0.55以下がより好ましい。この時、隣接した2層のうち屈折率が他の層に比べ高い方の層である高屈折率層の屈折率は1.80以上1.95以下であることが好ましく、1.85以上1.90以下であることがより好ましい。隣接した2層のうち屈折率が他の層に比べ低い方の層である低屈折率層の屈折率は1.4以上1.55以下であることが好ましく、1.45以上1.50以下であることがより好ましい。屈折率は、多波長アッベ屈折計、プリズムカプラ、ミケルソン干渉計、分光エリプソメーター、等で測定することが出来る。
本発明の近赤外反射フィルムの近赤外線透過率は通常80%以下であり、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下である。がこれより高い場合は、近赤外線の選択反射性が低いため好ましくない。なお下限については特に制限はないが、通常0.1%以上である。
本発明の近赤外反射フィルムの近赤外線透過率に対する可視光線透過率の比で求められる選択透過性は通常1.05以上であり、好ましくは1.10以上である。選択透過性が1.05より低いと可視光線透過率を高めるために赤外線透過率も高くなってしまい、遮光性、遮熱性が不十分となるため好ましくない。なお、この選択透過性の上限については特に制限はないが、通常10以下である。
本発明の近赤外反射フィルムのヘーズは通常0.05〜20%であり、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜5%である。ヘーズが0.05%より低いと近赤外反射フィルムを安定的に大面積で製造することが困難となるため好ましくない。ヘーズが20%より高いと用途が制限されるため好ましくない。
本発明における、屈折率が異なる隣接した2層の膜厚は、ユニットの高屈折率層と、低屈折率層のそれぞれの層の膜厚は、通常5〜1000nm、より好ましくは20〜600nm、さらに好ましくは40〜300nmである。ここで膜厚が5nmより薄いと、表面粗さが大きくなり選択反射性が低下しやすくなるため好ましくない。また、製造時の膜厚制御が困難となるため好ましくない。膜厚が1000nmより厚いと、無機粒子を含有した層の場合、膜内での多重散乱が増加して透明性が低下するため好ましくない。
本発明における、屈折率が異なる隣接した2層の層構成は、表面層は、高屈折率層であることが好ましい。また、高屈折率層と低屈折率層との界面は完全に分かれていても、あるいは界面で高屈折率層材料と低屈折率層材料が混合した状態になっていても良い。ただし、この時の混合した層の厚みは高屈折率層の膜厚に対して10%以下が良い。これ以上混合層が厚いと、反射率が低下してしまうため好ましくない。
本発明における、屈折率が異なる隣接した2層からなるユニットの積層数は、前述した式によって750〜1400nmの波長範囲で所望の反射率を得るため必要な積層数が導き出されるが、2以上17以下であれば良く、好ましくは3以上8以下である。
本発明の赤外線反射フィルムは、屈折率が異なる隣接した2層からなるユニット、もしくはこのユニットを複数重ねて、また必要に応じてさらに各種の層を単層又は複数層としてこれらの下層、中間層、或いは上層に重ねて、透明支持体上にそれらの全部を一度に、もしくは複数回に分けて、同時重層法で塗布、乾燥して製造するが、この時の塗布方式としては、カーテン塗布あるいはホッパーを用いるスライドビード塗布方法が好ましく用いられる。長尺の支持体を用いて連続搬送しながら塗布、乾燥した後巻き取る場合は、塗布面を外側に向けて巻き取ることが好ましい。塗布、乾燥を複数回に分けて製造する場合には、複数回の塗布を透明支持体の両側に振り分けて行うことが出来る。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.3以上であることを特徴とするが、高屈折率層と低屈折率層からなるユニットを上記のようにそれぞれ複数有する場合には、全ての屈折率層が本発明で規定する要件を満たすことが好ましい。但し、最表層に関しては、本発明で規定する要件外の構成であっても良い。
同時重層塗布を行うには、各層塗布液の粘度を、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sとする。カーテン塗布方式の場合は、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sとする。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
各層塗布液の粘度を整えるため、増粘剤を用いることが好ましい。増粘剤としては、添加前と比較して添加後の液体の粘度が増加する増粘効果を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、有機アマイド系化合物、変性ヒマシ油誘導体、変性ポリオレフィンワックス系物質及び有機粘土誘導体、増粘多糖類、セルロース及びセルロース誘導体などが挙げられる。特に増粘多糖類が、表面層塗布膜の膜厚均一化に有効に機能させることが出来るため好ましい。
塗布および乾燥方法としては、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
低温でのゲル化を促進するため、透明支持体の表面にカルボキシメチルセルロース、アクリル酸グラフト化デンプン等の水溶性のアニオン性ポリマーを予め塗布しておいたり、ナトリウムラウリルサルフェート、或いはジオクチルナトリウムスルホサクシネートとナトリウムベンゾエートの混合物等を塗布液に添加しておいても良い。これらとカルシウムドデシルベンゼンスルホネート、ポリアルキレングリコールエーテルなどの界面活性剤を併用することも効果がある。
本発明における赤外線反射フィルムを直接またはポリビニルブチラールシートやエチレン酢酸ビニル共重合樹脂シート等の中間膜に挟持して合わせガラスを製造する際にクラックなどの欠陥を生じないためには、JIS K5600−5−1に記載の耐屈曲性試験(円筒形マンドレル法)により近赤外反射積層膜が割れを起こすか、または透明支持体から剥がれを起こし始めるマンドレルの直径が30mm以下であることが必要である。上記範囲とするためには、本発明の高屈折率層におけるバインダー樹脂の金属酸化物粒子に対する質量比率を3〜18%とし、本発明の低屈折率層におけるバインダー樹脂の無機粒子に対する質量比率を5〜20%とすることで実現できる。
また、この範囲であれば、前述した高屈折率層と低屈折率層の屈折率、及び両層の屈折率の差が0.3以上であるという条件を満たしながら、良好な塗布・乾燥性を達成し、均一な光学特性を有する近赤外反射積層膜を有する近赤外反射フィルムを得ることが出来ることが判明した。
本発明における、近赤外反射積層膜の波長750〜1300nmの波長領域における最低透過率は、90%以下であることが好ましい。この最低透過率が90%を超えると遮熱性が不十分となるため好ましくない。この最低透過率は、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、更に好ましくは65%以下である。なお、最低透過率の下限は通常5%以上であり、好ましくは10%以上である。
本発明の近赤外反射フィルムの可視光線透過率は通常50〜99%であり、好ましくは60〜99%、より好ましくは70〜99%、さらに好ましくは80〜98%である。
本発明の高屈折率層で用いることのできる金属酸化物としてはより高くて均一な反射特性を与えるという必要性からより小粒径の微粒子が好ましい。そのような金属酸化物微粒子としては、TiO(酸化チタン)、SiO、ZrO、Al、ZnO、Sb、ZrSiO、ゼオライトなどが挙げられる。また、これらの微粒子は、高屈折率層に含有させるために後述の微粒子分散液とした場合の分散性や安定性向上の観点から、表面処理を施したものを用いるか、あるいは表面処理を施さないものを用いるかを判断できる。表面処理を行うとした場合の表面処理の具体的な材料としては酸化ジルコニウム、酸化ケイ素などの異種金属酸化物、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、オルガノシロキサン、ステアリン酸などの有機酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、複数種を組み合わせて用いても良い。高屈折率層を形成するための後述の微粒子分散液の安定性の観点から表面処理材としては、異種金属酸化物及び/又は金属水酸化物が好ましく、この中でも特に金属水酸化物が好ましい。
金属酸化物微粒子がこれらの材料で表面被覆処理されている場合、その被覆量(一般的にはこの被覆量は、微粒子の質量に対する当該微粒子の表面に用いた表面処理材料の質量割合で示される。)は、0.01〜99質量%であることが好ましい。この被覆量が少な過ぎると、表面処理による分散性や安定性の向上効果を十分に得ることができないため好ましくなく、多過ぎると高屈折率層の屈折率が低下し、ひいては隣接した2層の屈折率の差が少なくなり、本発明のユニットの積層数が多くなって高い製造コストとなるため好ましくない。
高屈折率層に含まれる金属酸化物微粒子の屈折率はバルクの状態で1.65以上であることが好ましく、1.75以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましく、2.5以上であることが更に好ましい。また3.0以下であることが好ましい。金属酸化物微粒子の屈折率が1.65より低いと近赤外反射積層膜における近赤外線透過率が高くなるため好ましくない。金属酸化物微粒子の屈折率が3.0より高いと膜中での多重散乱が増加し、透明性が低下するため好ましくない。
高屈折率層に含まれる金属酸化物微粒子の粒径は通常5nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが更に好ましい。また、70nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。無機粒子の粒径が5nmより小さい場合、無機粒子が凝集しやすく、透明性がむしろ低くなるため好ましくない。また、粒径が小さいと表面積が大きくなり、触媒活性が高まり、高屈折率層や隣接した層の劣化が促進される恐れがあるため好ましくない。無機粒子の粒径が70nmより大きいと高屈折率層の透明性が低下するため好ましくない。本発明の効果を損なわない限り、粒径の分布は制限されず、広くても狭くても複数の分布を持っていてもよい。
高屈折率層における金属酸化物含有量は70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。また、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。高屈折率層の金属酸化物含有量が70質量%より少ないと高屈折率層の屈折率を1.80以上とすることが実質的に難しくなる。高屈折率層の無機粒子含有量が95質量%より多いと高屈折率層の水系塗布が困難となり、乾燥後の膜の脆性も大きくなって、耐屈曲性が低下するため好ましくない。
本発明の高屈折率層を形成するための後述の金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点ではTiO(二酸化チタンゾル)がより好ましい。また、TiOの中でも特にアナターゼ型よりルチル型の方が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高いことから好ましい。
本発明で用いることのできる二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
また、その他の二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
二酸化チタン微粒子の好ましい一次粒子径は、5nm〜15nmであり、より好ましくは6nm〜10nmである。
本発明における高屈折率層のバインダー(樹脂)としては、親水性樹脂が挙げられる。親水性樹脂としては水溶性の樹脂、水分散性の樹脂、コロイド分散樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。親水性樹脂の具体例としては、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、フッ素系等の樹脂が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、カゼイン、澱粉、寒天、カラギーナン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、セルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール等のポリマーを挙げることができるが、これらの中でポリビニルアルコールが好ましい。バインダー樹脂として用いられるポリマーは1種類を単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
高屈折率層のバインダー樹脂として用いられるポリマーの分子量には特に制限はないが、酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビリルアルコールは、平均重合度が1000以上のものが好ましく用いられ、特に1500〜5000のものが好ましく用いられる。さらに、ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
水溶性の樹脂を用いる場合には、溶剤として水を主成分とし、場合により親水性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。親水性の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。環境面からは塗布溶液の溶媒としては特に水、アルコール類の使用が好ましい。
無機微粒子の分散及び反射特性を向上させるため、界面活性剤及び分散剤を用いても良い。界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いてもよいがアニオン性または非イオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。アニオン性界面活性剤としては,例えば、脂肪酸塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト脂肪酸エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては,例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シリコン系等が挙げられる。
本発明における低屈折率層は、無機微粒子と少量の親水性バインダーから形成されていることが好ましい。本発明の低屈折率層で用いることのできる無機微粒子としては上述した高屈折率層で挙げた無機粒子を挙げることができる。これらの無機粒子は、低屈折率層に含有させるために後述の無機粒子分散液とした場合の分散性や安定性向上の観点から、表面処理を施したものを用いるか、あるいは表面処理を施さないものを用いるかを判断できる。表面処理を行うとした場合の表面処理の具体的な材料としては、PAC等のいわゆる無機ポリマーが好ましい。
無機微粒子がこれらの材料で表面被覆処理されている場合、その被覆量(一般的にはこの被覆量は、微粒子の質量に対する当該微粒子の表面に用いた表面処理材料の質量割合で示される。)は、0.01〜99質量%であることが好ましい。この被覆量が少な過ぎても多すぎても、表面処理による分散性や安定性の向上効果を十分に得ることができないため好ましくない。
本発明に係る低屈折率層においては、無機微粒子としてシリカ粒子(二酸化ケイ素)を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
本発明に係る金属酸化物は、その平均粒径が100nm以下であることが好ましい。一次粒子の状態で分散された金属酸化物の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、20nm以下のものが好ましく、より好ましくは10nm以下である。また二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
本発明に係る各種微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
〔無機ポリマー〕
本発明に係る各屈折率層では、ジルコニウム原子含有化合物あるいはアルミニウム原子含有化合物等の無機ポリマーを用いることができる。
本発明に適用可能なジルコニウム原子を含む化合物は、酸化ジルコニウムを除くものであるが、その具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニル、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニルが好ましく、特に、炭酸ジルコニルアンモニウム、酸塩化ジルコニル、酢酸ジルコニルが好ましい。上記化合物の具体的商品名としては、第一希土類元素化学工業株式会社製の酢酸ジルコニルZA(商品名)や、第一希土類元素化学株式会社製の酸塩化ジルコニル(商品名)等が挙げられる。
ジルコニウム原子を含む化合物は、単独で用いても良いし、異なる2種類以上の化合物を併用してもよい。
また、本発明で用いることのできる分子内にアルミニウム原子を含む化合物には、酸化アルミニウムは含まず、その具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。
これらの中でも、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸珪酸アルミニウムが好ましく、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが最も好ましい。
〔屈折率層のその他の添加剤〕
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔近赤外反射フィルムの応用〕
本発明の近赤外反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
特に、本発明に係る近赤外反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂基材に貼合されている部材には好適である。
接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、近赤外反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また近赤外反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の近赤外反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表すものとする。
実施例1
(試料1−比較例)
厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に高屈折率層として、ZrO膜(厚み135nm)、低屈折率層としてSiO膜(175nm)を公知のスパッタリング法により順次形成することを繰り返し、各々6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料1を作製した。
(試料2−比較例)
厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に高屈折率層として、TiO膜(厚み135nm)、低屈折率層としてSiO膜(175nm)を公知のスパッタリング法により順次形成することを繰り返し、各々6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料2を作製した。
(試料3−比較例)
厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に高屈折率層として、ジルコニアゾル(日産化学製 ナノユースZR30−AR)100部、アクリルラテックス20部(東洋インキ製 TOCRYL X−4454)を乾燥膜厚135nmになる様にワイヤーバーで塗布し乾燥した。その上に低屈折率層として、コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS)100部、アクリルラテックス15部(東洋インキ製 TOCRYL X−4454)、塗布助剤としてアニオン型フッ素系界面活性剤(メガファックF−120)4%水溶液0.4部、を175nmになる様にワイヤーバーで塗布した後乾燥することを繰り返し、各々6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料3を作製した。
(試料4−比較例)
厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)PET上に高屈折率層として、ルチル型酸化チタン微粒子分散液RT−1を(正味の酸化チタンとして)100部、アクリルラテックス15部(東洋インキ製 TOCRYL X−4454)を乾燥膜厚135nmになる様にワイヤーバーで塗布し乾燥した。その上に低屈折率層として、コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS)100部、アクリルラテックス10部(東洋インキ製 TOCRYL X−4454)、塗布助剤としてアニオン型フッ素系界面活性剤(メガファックF−120)4%水溶液0.4部を、乾燥膜厚175nmになる様にワイヤーバーで塗布した後乾燥することを繰り返し、各々6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料4を作製した。
(試料5−本発明)
厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に高屈折率層として、ルチル型酸化チタン微粒子分散液RT−1を)(正味の酸化チタンとして)100部、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)12部を乾燥膜厚135nmになる様にワイヤーバーで塗布した。その上に低屈折率層として、コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS)を100部、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)12部、アニオン型フッ素系界面活性剤(メガファックF−120)4%水溶液0.4部、を乾燥膜厚175nmになる様にワイヤーバーで塗布した後乾燥することを繰り返し、各々6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料5を作製した。
(試料6−本発明)
上記調製した各分散液と以下に記載の各添加剤を順次混合して本願の近赤外反射積層膜用の各塗布液を調製した。
[第1層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第2層高屈折率層用塗布液]
ルチル型酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンとして) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 10部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第3層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.2部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第4層高屈折率層用塗布液]
ルチル型酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンとして) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 10部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.3部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[近赤外反射フィルムの形成]
上記調製した各塗布液を、高屈折率層を乾燥膜厚135nm、低屈折率層を乾燥膜厚175nmになる条件で厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に40℃でスライドホッパー型コーターを用いて4層同時重層塗布後乾燥し、これを3回繰り返すことにより各々6層(計12層)からなる近赤外フィルム試料6を作製した。
(試料7−本発明)
上記調製した各分散液と以下に記載の各添加剤を順次混合して本願の近赤外反射多層膜用の各塗布液を調製した。
[第1層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第2層高屈折率層用塗布液]
ルチル型酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンとして) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 10部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第3層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.2部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第4層高屈折率層用塗布液]
ルチル型酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンとして) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 10部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.3部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第5層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.4部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第6層高屈折率層用塗布液]
ルチル型酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンとして) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 8部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.5部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[近赤外反射フィルムの形成]
上記調製した各塗布液を、高屈折率層を乾燥膜厚135nm、低屈折率層を乾燥膜厚175nmになる条件で厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に40℃でスライドホッパー型コーターを用いて6層同時重層塗布後乾燥し、これを2回繰り返すことにより各々6層(計12層)からなる近赤外フィルム試料7を作製した。
(試料8−本発明)
上記調製した各分散液と以下に記載の各添加剤を順次混合して本願の近赤外反射積層膜用の各塗布液を調製した。
[第1層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
ホウ酸 0.3部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第2層高屈折率層用塗布液]
ルチル型酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンとして) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 8部
ホウ酸 0.2部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第3層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.2部
ホウ酸 0.3部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第4層高屈折率層用塗布液]
ルチル型酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンとして) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 8部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.3部
ホウ酸 0.2部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第5層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.4部
ホウ酸 0.3部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[第6層高屈折率層用塗布液]
ルチル型酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンとして) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 8部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.5部
ホウ酸 0.4部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
[近赤外反射フィルムの形成]
上記調製した各塗布液を、高屈折率層を乾燥膜厚135nm、低屈折率層を乾燥膜厚175nmになる条件で厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に40℃でスライドホッパー型コーターを用いて6層同時重層塗布し、これを2回繰り返すことにより各々6層(計12層)からなる近赤外フィルム試料8を作製した。
(試料9−本発明)
前記試料8の作製において、各高屈折率層塗布液のルチル型酸化チタン微粒子分散液100部をジルコニアゾル(日産化学製 ナノユースZR30−AR)100部に置き換えた以外は試料8と同様にして、計12層からなる近赤外フィルム試料9を作製した。
(試料10−本発明)
前記試料8の作製において、2回目の同時重層塗布を、第1〜第6層用塗布液に加え、第13層用として下記低屈折率層用塗布液を用いた。
[第13層低屈折率層用塗布液]
コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS) 100部
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203) 12部
アニオン型フッ素系界面活性剤(DIC製メガファックF−120)4%水溶液
0.4部
ホウ酸 0.5部
純水で全量を1000mlに仕上げた。
まず最初に6層同時重層塗布した後7層同時重層塗布した以外は試料8と同様にして、低屈折率層が7層、高屈折率層が6層(計13層)からなる近赤外反射フィルム試料10を作製した。
(試料11−本発明)
前記試料8の作製において、各低屈折率層用塗布液のポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)12部を5部に、各屈折率層用塗布液のポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)部を3部に変更した以外は試料8と同様にして、低屈折率層が6層、高屈折率層が6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料11を作製した。
(試料12−本発明)
前記試料8の作製において、各低屈折率層用塗布液のポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)12部を20部に、各屈折率層用塗布液のポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)部を18部に変更した以外は試料8と同様にして、低屈折率層が6層、高屈折率層が6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料12を作製した。
(試料13−比較例)
前記試料8の作製において、各低屈折率層用塗布液のポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)12部を22部に、各屈折率層用塗布液のポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)部を20部に変更した以外は試料8と同様にして、低屈折率層が6層、高屈折率層が6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料13を作製した。
(試料14−本発明)
前記試料8の作製において、2回目の同時重層塗布を透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の1回目の同時重層塗布を行ったのと反対側に行うことに変更した以外は試料8と同様にして、低屈折率層が6層、高屈折率層が6層(計12層)からなる近赤外反射フィルム試料14を作製した。
(試料の評価)
得られた試料1〜5の第1層高屈折率層と第2層低屈折率層、試料6〜14の第1層低屈折率層と第2層高屈折率層については、別途、厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に同じ組成の単層試料を作製し屈折率測定を行った。試料1〜14については、分光反射スペクトルを測定し、1200nm付近の近赤外領域に反射を有することを確認した。この積層試料に対してJIS K5600−5−1耐屈曲性試験を行った。
〔単膜の屈折率測定〕
分光エリプソメーター(例えば、JOVIN YVON)等の光学薄膜の解析装置で、波長589nm(NaのD線)に対する値を測定した。
〔分光透過スペクトル測定〕
市販の分光光度計(例えば日立製U−3000)により300nm〜1400nmの領域を測定した。
〔分光反射スペクトル測定〕
市販の分光光度計(積分球使用、例えば日立製U−4000)により300nm〜2000nmの領域を測定した。このとき試料の光路に当たる位置を変えて20回測定し、その平均値を近赤外反射率の測定値とした。また変動係数(標準偏差/平均値)を算出した。変動係数が大きいほど膜面が不均一であることを示しており、3.0%を超える場合は製品品質として問題があると言える。
〔JIS K5600−5−1耐屈曲性試験(マンドレル法)〕
JIS K5600−5−1耐屈曲性試験に基づき、屈曲試験機タイプ1(井元製作所製:マンドレル径15mmから50mmまで測定できるようにした高剛性仕様のもの)を用いて、25℃において屈曲試験による柔軟性評価を行った。試料は100mm×50mmの大きさとし、直径15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mmのマンドレルを用いて、前記近赤外反射積層膜を近赤外積層膜側を外側にして折り返す折り曲げ試験を行い、その後目視により観察して近赤外反射積層膜が割れを起こすか、または透明支持体から剥がれを起こし始めるマンドレルの直径を記録した。
〔合わせガラスの欠陥評価〕
得られた近赤外フィルム試料1〜14を、それぞれ、厚さ0.38mmの2枚のPVBフィルムの間に挟み、さらに、大きさが250mm×350mm、厚さが2mmの湾曲した(曲率半径の最小値が0.9m、最大値1m)同形の2枚のガラス板を用い、次のようにして、合せガラスを作製した。
なお、湾曲したガラス板は、フロートガラスを曲げ加工して作製したものであり、曲率半径の最小値0.9mはガラス板の周辺部付近での値であり、曲率半径の最大値1mはガラス板の中央部での値である。
ガラス板、PVBフィルム、近赤外フィルム試料1〜14、PVBフィルム、ガラス板を順次積載され、ガラス板のエッジ部からはみ出したPVBフィルム、近赤外フィルム試料の余分な部分を切断・除去した後、150℃に加熱したオートクレーブ中で30分、加圧脱気して合せ処理した。
作製した近赤外線反射合せガラスのクラック又はシワの数を目視で数え結果を記録した。
試料1〜14に対する以上の測定、評価の結果をまとめて表1に記載した。
Figure 0005593916
表1の結果から明らかな様に、本発明の近赤外フィルム試料は可視光領域の透明性が良好であるとともに、近赤外領域での反射性能とシワやクラックが生じない柔軟性を備えていることが判る。

Claims (7)

  1. 透明支持体上に750〜1400nmの波長範囲での屈折率が異なる隣接した2層から構成され、かつ両層の屈折率の差が0.3以上のユニットを積層したことにより形成された近赤外反射積層膜を有する近赤外反射フィルムであって、該近赤外反射フィルムは、JIS K5600−5−1に記載の耐屈曲性試験(円筒形マンドレル法)により該近赤外反射積層膜が、割れ、または該透明支持体から剥がれを起こし始めるマンドレルの直径が30mm以下であり、
    前記近赤外反射積層膜を形成するユニットの、750〜1400nmの波長範囲での屈折率が他の層に比べ高い方の層は、金属酸化物粒子とポリビニルアルコールとを含有し、
    前記近赤外反射積層膜を形成するユニットの、750〜1400nmの波長範囲での屈折率が他の層に比べ低い方の層は、無機微粒子とポリビニルアルコールとを含有する、
    ことを特徴とする近赤外反射フィルム。
  2. 前記近赤外反射積層膜が、同時重層塗布で積層されたユニットにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
  3. 前記近赤外反射積層膜が、同時重層塗布で積層された2以上のユニットにより形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外反射フィルム。
  4. 前記近赤外反射積層膜が、同時重層塗布で積層された3以上のユニットにより形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の赤外反射フィルム。
  5. 前記金属酸化物粒子が、平均粒径100nm以下の酸化チタン粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  6. 前記無機微粒子が、平均粒径100nm以下のシリカ粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムが、基体の少なくとも一方の面に設けられていることを特徴とする近赤外反射体。
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