JP5593420B2 - イブプロフェンの昇華が抑制された固形製剤 - Google Patents
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Description
しかしながら、イブプロフェンは昇華性物質のため、ガラス瓶等の密閉容器に保存した場合、経時的に内壁に曇りを生じることが知られており、様々な防止方法が検討されている(特許文献1〜4参照)。
本発明はイブプロフェン、特にイブプロフェン及びトラネキサム酸を含む固形製剤において、イブプロフェンの昇華が抑制される固形製剤を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、以下のものに関する。
(1)イブプロフェン、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含有する固形製剤。
(2)イブプロフェンを含む内層と、ポリビニルアルコールを含む外層を有することを特徴とする(1)に記載の固形製剤。
(3)少なくとも前記外層中にケイ酸を含有することを特徴とする(2)に記載の固形製剤。
(4)更に、トラネキサム酸を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の固形製剤。
(5)前記トラネキサム酸を内層中に含有することを特徴とする(4)に記載の固形製剤。
(6)密閉系保存容器に封入され、密閉保存されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の固形製剤。
本発明の好ましい形態においては、薬効成分として、イブプロフェンに加え更にトラネキサム酸を含有する。
。本発明の固形製剤中に含まれるイブプロフェンの割合は、固形製剤全体に対してイブプロフェンとして1〜70質量%が好ましく、5〜60質量%が更に好ましく、7〜50質量%が特に好ましい。
本発明の固形製剤の形状としては、本発明の固形製剤にかかる成分が均一に固形製剤中に混在していてもよいが、イブプロフェンを含有する内層と、ポリビニルアルコールを含有する外層とを有することが望ましく、少なくとも前記外層中にケイ酸を含有させる場合がより好ましい。本発明において内層とは、固形製剤が多層構造をとる場合の内側の層をいい、内層が核であってもかまわない。また、内層が固形製剤であってもよく、その場合には、更に外層を形成することで本発明の固形製剤を構成する。
本発明では、予め製造したイブプロフェンとトラネキサム酸を含有する固形製剤を内層とし、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含む外層を更に形成させるのが好ましい。具体的には、糖衣層やフィルムコーティング層として、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含む外層を形成させたり、または核錠中にイブプロフェン及びトラネキサム酸を含有し、外殻にポリビニルアルコール及びケイ酸を含む有核錠とすること等が挙げられる。
なお、イブプロフェンとトラネキサム酸を分けて別々に造粒し、これら造粒物を一緒に打錠して、上述の素錠を製造してもよく、素錠として、イブプロフェンを核錠中に含みトラネキサム酸を外殻に含む有核錠、又はトラネキサム酸を核錠中に含みイブプロフェンを外殻に含む有核錠とすることもできる。トラネキサム酸によるイブプロフェンの昇華増大を避けるという観点から、イブプロフェンとトラネキサム酸を別々の造粒物として製造した素錠や上述の有核錠を素錠とするのが好ましい。
明のいずれでもよいが、特に半透明又は透明の容器の場合には、容器内部の固形製剤の形状変化が目視できることから、目に見えて本発明の効果を把握することが可能である。
ガラス瓶(10K規格瓶)にシリカゲル(2g)と下記試料1と2をそれぞれ充填し密栓した後、60℃の条件下で保存した。保存から1週、2週、3週後の各時点でシリカゲルを取り出して重量を測定し、シリカゲルに吸着されたイブプロフェン重量のシリカゲル重量に対する相対値を算出した。結果を表1に示す。
試料2:イブプロフェン1g+トラネキサム酸1g
A:保存開始時のシリカゲル重量
B:保存後のシリカゲル重量
イブプロフェン900g(米沢浜理製:商品名 日本薬局方イブプロフェン)、トラネキサム酸1499.4g(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方トラネキサム酸)、ヒドロキシプロピルセルロース106.2g、結晶セルロース1897.2g、クロスカルメロースナトリウム360gを高速攪拌造粒機(深江工業製:FS−10型)に投入して混合後、精製水466gを添加して練合した。この造粒物を流動層乾燥機(フロイント産業製:FLO−5型)に投入して乾燥後、整粒機(岡田精工製:ND−10型)を用いて整粒した。この整粒物4762.8g及びステアリン酸マグネシウム97.2gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤18000錠を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製:商品名 ポバール2
05S(重合度500、けん化度86.5〜89.0mol%))486g、軽質無水ケイ酸(日本アエロジル製:商品名 アエロジル300)243g、トリアセチン81g及び精製水10800gからなるフィルムコーティング液を調製した後、錠剤コーティング機(パウレック製:ドリアコーター650DS)によりコーティングし、1錠の質量が280mgのフィルムコーティング錠15000錠を得た。
実施例1の軽質無水ケイ酸の代わりにタルク(日本タルク製:商品名 タルクMS)243gを添加し、その他は実施例1と同様にして錠剤を得た。
実施例1のポリビニルアルコールの代わりにヒプロメロース(信越化学工業製:商品名TC−5R)486gを添加し、その他は実施例1と同様にして錠剤を得た。
実施例1、比較例1及び2で得た錠剤各20錠ずつガラス瓶(10K規格)に入れ、密栓した後、40℃で3箇月間保存した。保存期間経過後、目視によって、ガラス瓶内壁の曇りの有無を判定した。結果を表2に示す。
Claims (8)
- イブプロフェンを含む内層と、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含む外層を有する固形製剤。
- イブプロフェンを1日投与量として300〜600mg含有する請求項1記載の固形製剤。
- 更に、トラネキサム酸を内層中に含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固形製剤。
- トラネキサム酸を1日投与量として400〜750mg含有する請求項3に記載の固形製剤。
- ケイ酸が、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、無水ケイ酸水加物から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形製剤。
- ポリビニルアルコールが、部分けん化物又は完全けん化物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の固形製剤。
- 密閉系保存容器に封入され、密閉保存されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固形製剤。
- 剤形が錠剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の固形製剤。
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