JP5589683B2 - 情報表示端末 - Google Patents
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Description
こうした構成の結果、従来の情報表示端末は、表示装置を為すガラス基板自身が重い事に加え、金属製の補強部材を使用することから、携帯用であっても、500g近く、又はそれ以上の重量に達していた。
この構成によれば、表示装置が柔軟であるために、落下などの衝撃が加わっても、表示装置自体の緩衝作用により、破損し難くなる。好適例に於いては、表示装置が軽量なプラスティックフィルムに形成されている事に由来する。また、この構成によれば、保護部により、電気光学パネルの機械的な耐久性や化学的な耐久性を高める事ができる。
従って、従来の様に補強部材を用いて表示装置全体を外箱に収納しなくても、筐体を表示装置の外縁部の一部に配置するだけで、実用強度を確保する事ができる。また、この構成によれば、表示装置は筐体上部と筐体下部とで挟まれているので、この表示装置の表示面の法線方向で、表示装置を筐体に固定する事ができる。さらに、筐体下部とは粘着材で固定されている。その結果、情報表示端末全体を薄く且つ軽くできるので、疲労感を覚えることなく、長時間に渡って使用できる。又、表示装置を大きくしても重量は僅かしか増えないので、比較的大きな表示面積を有して、且つ長時間使用可能な携帯用の情報表示端末が実現できる。換言すれば、使い勝手の良い情報携帯端末を実現する事ができる。
[適用例2] 上記適用例に係わる情報表示端末において、表示装置と主回路基板との間に回路保護フィルムが配置され、回路保護フィルムには、主回路基板の凹凸に相補的な凹凸が設けられている事が好ましい。
この構成によれば、簡単に主回路基板の凹凸を吸収して、組み立て時に於ける表示装置の破損確率をほぼゼロ%に低減する事ができる。
表示装置が筐体に比べて軽量であるので、情報表示端末の重心を筐体の内部に位置させる事ができる。筐体は表示装置の外縁部に配置されているので、重心も外縁部近傍に位置する事になる。こうすると情報表示端末を誤って落下させても、多くの場合は筐体が下向きとなって落ちて行き、筐体が最初に床と衝突する。それ故に落下の衝撃は筐体が一番強く受ける事になり、表示装置は筐体ほど強い衝撃を受けない。加えて、表示装置が被る衝突の衝撃は、筐体が最初に床と衝突するので、落下速度と表示装置の質量とで定まり、情報表示端末の質量とは関係なくなる。表示装置自身は柔軟性を有して軽いので、この事からも表示装置が被る衝撃は弱くなる。即ち、筐体だけが落下衝撃に対して高い耐久性を有していれば、たとえ表示装置自体の落下衝撃耐久性が低くても、情報表示端末全体が落下衝撃に対して高い耐久性を有する事になる。かくして表示装置への補強部材が不要と化し、薄くて軽く、丈夫な情報表示端末とする事ができる。
加えて、情報表示端末の重心が外縁部に位置するので、使用者が情報表示端末の筐体を手でつかみ持つと、即ちそれは情報表示端末の重心近傍をつかむ事になる。重心の近傍をつかむので、使用者が受ける情報表示端末のトルクは極めて小さくなる。こうして情報表示端末を片手で保持しても、疲労せずに長時間使用する事が可能となる。
この構成によれば、表示装置の表示面に平行な方向で、表示装置を筐体に固定する事ができる。
この構成によれば、正面視で表示部全域を利用して、これに情報を表示する事ができる。
この構成によれば、情報表示端末を制御する主回路基板や電池を相対的に大きな筐体下部に組み入れられると共に、筐体上部が小さいので、正面視では情報表示端末の大半が表示部とできる。即ち、正面視では情報表示端末の大きさを表示部の大きさとほぼ同じにする事ができる。
人が手を軽く丸めた際に手のひら下部(親指の近位指節間関節筋肉部)から中指先又は薬指先までの距離はおおよそ3cmから6cmである。従って、この構成によれば、筐体下部の一つの辺を手のひらに当て、その辺と平行する他方の辺に中指や薬指を掛ける事ができ、情報表示端末を容易に保持する事が可能になる。又、前述の如く、情報表示端末の重心は筐体下部の内部乃至はその近傍に位置するので、重心が手のひらの上となり、使用者は殆どトルクを感じなくなる。即ち、手や指に疲労感を覚えさせることなく、情報表示端末を活用できる。
この構成によれば、正面視では情報表示端末の大半を表示部とできると共に、重心を外縁部近傍に位置させる事が可能になる。
この構成によれば、正面視では情報表示端末の大半を表示部とできると共に、重心を外縁部近傍に位置させる事が可能になる。
表示部には複数の画素が行列状に配置され、各画素を選択して画像信号を供給する行配線と列配線が設けられる。これらの行配線と列配線を一つの角をなす隣接する二辺に集める事でこの部位に筐体を配置する事ができる。
この構成によれば、表示装置に背面から衝撃や応力が加えられても破損する恐れを低くできる。加えて、この情報表示端末は筐体下部が表示部まで延びており、筐体下部の端部(エッジ)が表示部と重なっている。表示部は柔軟性を有する為に、表示部が曲げられた際に筐体下部の端部が表示装置に対する支点となり、表示装置に局所的な強い応力を加える恐れがある。この場合にも背面衝撃緩衝シートが応力を緩和するので、応力による表示装置の破損を防ぐ事ができる。
加えて情報表示端末は筐体下部に主回路基板や電池を積み、その表面には鋭い凹凸が存在する。情報表示端末の製造途中で、この凹凸が表示装置に押しつけられる事があり得るが、その際にも背面衝撃緩衝シートが凹凸とそれに伴う空間的圧力分布を緩和する。この結果、製造途中で情報表示端末が破損される確率が小さくなり、生産性(歩留まり)を向上させる事ができる。
この構成によれば、表示装置に正面から衝撃や応力が加えられても破損する恐れを低くできる。更に、表示装置が曲げられた際に、筐体上部の端部(エッジ)が表示装置に加える応力を正面衝撃緩衝シートが緩和するので、局所応力による表示装置の破損を防ぐ事ができる。
正面衝撃緩衝シートと背面衝撃緩衝シートは同じ材質乃至は似通った材質とされるので、この構成によれば、表示装置の正面と背面とで衝撃緩衝シートが有する内部応力が同等となり、自然な状態で表示装置を平らにできる。即ち、意図せずに表示装置が反ったり、或いは丸まったりする事態を防ぐ事ができる。
また、表示装置を意図的に曲げたり、或いは丸めたりした際にも、応力中性面が、表示装置の断面方向にて、中央付近に来るので、表示装置が破損しにくくなる。即ち、柔軟な表示装置の曲げに対する耐久性を向上させる事ができる。
前述の如く情報表示端末は筐体下部内に主回路基板や電池を有するが、この構成によれば、スイッチ用切り欠き部を介して操作スイッチを情報表示端末の正面に設ける事ができ、操作性に優れた情報表示端末を実現できる。
この構成によれば、薄膜トランジスターを用いた薄膜回路は、表示部に設けられた複数の画素を独立に制御できるので、高品位な表示を可能とする。
柔軟性を有する表示装置は、表示装置と主回路基板とをテープ配線にて接続する際に接続不良が発生する確率が、従来のガラス製の表示装置よりも高くなる。その為にテープ配線の配線数はできる限り少ない事が望まれる。又、情報表示端末を使用している最中に接続不良が発生する確率は、一本の配線当たりに発生する不良確率に配線数を掛けた値となる。従って、この構成によれば、製品寿命を長くするにも矢張りテープ配線の配線数はできる限り少ない事が望まれる。駆動回路を画素回路が形成された領域の外周部に薄膜トランジスターにて形成する事で、配線数を著しく減少させる事ができ、その結果として製造歩留まりが向上し、同時に製品寿命を延ばす事が可能になる。
柔軟性を有する表示装置は、ガラス基板に薄膜回路を形成した後に、この薄膜回路をガラス基板から剥離して、プラスティックフィルムに接着する方法で製造できる。即ち、この構成によれば、柔軟性を有する表示装置を比較的容易に製造できる。
この構成によれば、0.5mmから1.1mmと云った通常の厚みを有するガラス基板に薄膜回路を形成した後に、ガラス裏面を削る事で柔軟性を有する表示装置を製造できる。
この構成によれば、汎用的な非晶質シリコン薄膜トランジスター技術を利用でき、大型の情報表示端末を製造できる。
この構成によれば、半導体層を有機物薄膜とすると、薄膜トランジスターを印刷法で作製する事も可能となり、製造コストを大幅に削減する事が可能となる。
柔軟性を有する表示装置は、ガラス基板にプラスティックフィルムを固定し、このフィルム上に薄膜回路を直接形成する方法で製造できる。即ち、この構成によれば、柔軟性を有する表示装置を比較的容易に製造できる。
柔軟性を有する表示装置は、ステンレスシートなどの金属板を酸化硅素膜などの絶縁膜で覆い、この絶縁膜上に薄膜回路を直接形成する方法で製造できる。この方法ではプラスティックフィルムに直接薄膜回路を形成する方法よりも製造温度を高くできるので、この構成によれば、柔軟性を有する表示装置を比較的容易に製造できる。
まず、本願で使用される言葉を次の様に定義する。
情報表示端末とは、情報を表示する機能を有する電子機器で、一例としては電子書籍やインターネット閲覧機器、パーソナルコンピューター、携帯電話、ビデオ映像観賞器、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションシステム、パーソナルデジタルアシスタンツなどである。
表示装置とは、いわゆるディスプレイで、電力や所定の信号などを入力すると画像を表示する装置である。
筐体とは、表示装置を制御するための主回路基板や電池などを納めた箱である。
「情報表示端末の概要」
図1は、本実施形態の情報表示端末を模式的に示しており、(a)は正面斜視図、(b)は背面斜視図である。以下、図1を用いて、まず情報表示端末の概要を説明する。
図2は情報表示端末を模式的に示す断面図で、図1(a)のA−A‘の断面に相当する。図1(a)のA−A‘線上に操作スイッチ4は存在しないが、参考の為に、それも描いてある。ここでは図2を用いて、情報表示端末の断面構造を説明する。
図3は、情報表示端末の構成要素である表示装置を正面視にて模式的に示した図である。又、図4は、情報表示端末の構成要素である筐体を正面視にて模式的に示しており、(a)は筐体上部を示した図で、(b)は筐体下部を示した図である。ここでは表示装置の平面構造とその筐体への固定方法とを説明する。
図3に示す様に、保護部6の右辺には、スイッチ用切り欠き部42が形成されている。スイッチ用切り欠き部42が形成されている場所は、電気光学パネル5と正面視にて重ならず、且つ筐体上部31と重なる部位である。スイッチ用切り欠き部42とは、保護部6がそこだけ取り除かれている部位である。図3では筐体上部31がかぶせられる表示装置2の右側の外縁部22にある保護部6が、中央付近で台形状に切り取られており、これがスイッチ用切り欠き部42となっている。これに対応して、図4(a)に示す様に、筐体上部31には穴が開けられ、スイッチ孔41をなしている。図2に示した様に、情報表示端末1は筐体下部32内に主回路基板や電池を有し、操作スイッチ4も筐体下部32内の主回路基板から伸長する。こうして操作スイッチ4は、表示装置2に設けられたスイッチ用切り欠き部42と、筐体上部31に設けられたスイッチ孔41を介して、情報表示端末1の正面に取り出される。
ここでは、まず図4を用いて、筐体上部31と筐体下部32の各辺の名称を定義する。筐体上部31は表示装置2の右辺に設置されるが、この辺に平行な筐体上部31の辺を「筐体上部31の長辺」と呼ぶ。又、筐体上部31の長辺に直交し、表示装置2の短辺に平行な辺を「筐体上部31の短辺」と呼ぶ。筐体上部31の長辺で、表示装置2の内側に位置する辺(表示装置2の中心に近い方の辺)を「左辺31L」と呼び、筐体上部31の長辺で、表示装置2の外側に位置する辺(表示装置2の中心から離れた方の辺)を「右辺31R」と呼ぶ。筐体上部31の短辺で上側の辺を、「上辺31U」と呼び、筐体上部31の短辺で下側の辺を、「下辺31D」と呼ぶ。筐体下部32に関してもこれらと同様な名称を用いる。尚、長辺と短辺の定義を上記とするので、実際の辺の長短は「長辺」や「短辺」と云った名称と合わないこともあり得る。又、上辺と下辺の定義を上記とするので、これらの短辺の上下関係が名称と合わない事もあり得る。
図5(a)は情報表示端末の使用時に於ける正面斜視図の一例であり、図5(b)は情報表示端末の使用時に於ける背面斜視図の一例である。ここでは図5を用いて、情報表示端末を使いやすくする構成要件を説明する。
図3に戻る。
保護部6は、筐体3が設置されない各辺に於いては、電気光学パネル5よりも1mmから9mm大きくされている。1mm以上有れば保護部6が強く接着され、水蒸気や酸素が横方向から電気光学パネル5に浸入するのを防げる。一方、保護部6は表示には寄与しないので、9mmよりも小さければ表示面に対して保護部6がコンパクトとなり、携帯しやすい情報表示端末1となる。理想的には、保護部6は筐体3が設置されない各辺に於いて、電気光学パネル5よりも2mmから8mmの範囲内で大きく設定するのが好ましく、本実施形態では、好適例として、5mm大きく設定している。従って、図3に示す表示装置2の縦の長さ(181mm)は、電気光学パネル5の縦の長さ(171mm)よりも10mm長くなっている。これに対して、筐体3が設置される辺に於いては、保護部6は電気光学パネル5よりも5mmから13mmの範囲内で大きくなっている。前述の如く、この部位には固定用切り欠き部71やスイッチ用切り欠き部42が設けられるので、その分だけ他の辺よりも保護部6の幅が広く取られる。理想的には、筐体3が設置される辺に於いては、保護部6は電気光学パネル5よりも6mmから12mmの範囲内で大きくされ、本実施形態では9mm大きくされた。従って、図3に示す表示装置2の横幅(149mm)は、電気光学パネル5の横幅(135mm)よりも左辺で5mm、右辺で9mm幅広とされ、合計で14mm広くなっている。
図6は電気光学パネルを模式的に示す正面図である。又、図7は、図2から表示装置を抜粋した断面図で、図3のA−A‘の断面に相当する。尚、参考の為に、固定用切り欠き部71を破線にて描いてある。ここでは図6と図7とを用いて、情報表示端末に使われる電気光学パネルを説明する。
電気光学パネル5は表示部21と周辺部52とに分けられる。表示部21は電気光学材料の光学特性を変調できる部位で、ここに情報が表示される。電気光学パネル5の内で表示部21以外を周辺部52と称する。同時に、電気光学パネル5を画素領域511と非画素領域とに分けることもできる。画素領域511とは複数の画素513が行列状に配置されている領域で、各画素513の光学特性を制御することで画素領域511に情報が表示される。非画素領域とは電気光学パネル5で画素領域511でない箇所を指す。画素領域511の概念を用いると、表示部21は画素領域511と余白領域512とからなり得る。余白領域512とは、画素領域511に隣接する非画素領域(画素領域511の外周部)に設けられた額縁状の領域である。ここには精細な情報を表示することはできないが、画素領域511の外周部に配置された駆動回路や配線を隠して、白(明)黒(暗)乃至はこれらの中間階調の表示をなして、余白とされている領域である。尚、余白領域512はなくても構わず、その場合は表示部21と画素領域511とが一致し、周辺部52と非画素領域とが一致する事になる。
画素領域511の外周には走査回路82や信号回路83が設けられ、その他にも実装部91や配線が設けられる。実装部91はテープ配線9を介して主回路基板に接続される。主回路基板は駆動回路等に電源や信号を供給し、電気光学パネル5を制御する。配線には、駆動回路間を結ぶ配線や、駆動回路と画素領域511とを結ぶ配線、及び実装部91と駆動回路等を結ぶ配線が含まれている。画素領域511に隣接する外周部位には余白領域512が形成される。即ち、余白電極にて駆動回路の一部や配線の一部を覆う。余白電極は画素電極と同じ材料(例えば透明導電膜)で同じ層上(例えばTFTの最上層)に形成される。余白電極は、主回路基板内の制御回路に電気的に接続される。制御回路は余白電極の電位を変調する事によって、余白電極上に設けられた電気光学材料の光学特性を制御する。
第一基板は柔軟性を有するプラスティックフィルムであるが、ここでは第一基板上への薄膜素子の形成方法を述べる。具体的には、最初にガラス基板に形成された薄膜回路80を剥離して、プラスティックフィルムに転写する方法である。
ここでは図7を用いて、表示装置の断面構造を説明する。
保護シート61はポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルム等が基材となり、その一面乃至は両面に酸化硅素膜や窒化硅素膜が水や酸素に対するバリアー層として成膜されている。保護シート61の内側面(第一基板53裏面や第二基板54裏面に接する面)には熱可塑性樹脂がホットメルト接着剤として塗布されており、電気光学パネル5と保護シート61とを接着している。表示装置2を作製する際には、電気光学パネル5にホットメルト接着剤が塗布された面を合わせ、真空中にて熱圧着して、保護シート61と電気光学パネル5とを接着する。熱可塑性樹脂を利用する事で樹脂が電気光学パネル5の総てに隙間なく流動し、電気光学パネル5の上下左右前後を満遍なく固定する。もし僅かな隙間が存在して、その隙間で電気光学パネル5が固定されていないと、柔軟性を有する薄膜回路80はその部位から壊れる恐れが高い。熱可塑性樹脂を保護シート61の接着剤として使用する事でこの課題は回避され、機械的強度が著しく向上したフレキシブルな表示装置2が実現する。
尚、保護シート61の内側面に塗布される接着剤は熱可塑性樹脂の他に熱硬化性樹脂や紫外光硬化性樹脂などで有っても構わない。
図8は情報表示端末の使用状態を模式的に示す平面図である。これ迄説明して来た様に、情報表示端末の重心は、機器の中心を外れて、外縁部近傍に位置する。ここでは図8を用いて、これを具体的に検証すると共に、情報表示端末の使用し易さを実証する。
図9は情報表示端末の横方向に於ける断面図で、構成要素別に重心と座標とを描いてある。前述の如く、情報表示端末1の重心は、筐体下部32内に位置する。ここでは図9を用いて、その条件を示す。尚、本実施形態で筐体3は縦方向の中央に位置し、表示装置2の重心Pのy座標Pyは、筐体上部31の重心Fのy座標Fyや筐体下部32の重心Bのy座標Byと重なる。即ち、縦方向では情報表示端末1の重心Cは筐体3内に位置している。従って、ここでは横方向に関して検討する。
0<β<1 (数式4)
である。従って、βの下限を示す数式3の左辺が0以下であり、上限を示す数式3の右辺が1以上で有れば、どんなβに対しても数式3は成り立つ。即ち、
図10は、本実施形態の情報表示端末を模式的に示す正面斜視図である。又、図11も本実施形態の情報表示端末を模式的に示す正面斜視図である。ここでは図10と図11とを用いて、筐体3の長さを説明する。
筐体3は表示装置2の外縁部22に設置される。これ迄の説明では長方形の表示装置2の長辺に筐体3を設置してきたが、これに限らず、長辺以外の辺に設置しても構わない。例えば長方形の表示装置2の短辺に筐体3を設置しても良い。又、これ迄は長方形を表示装置2の例として説明してきたが、表示装置2は長方形や正方形といった四角形に限らず、三角形や五角形、六角形、八角形などの多角形であっても構わず、いずれの辺に筐体3を設置する構成であっても良い。この際に、操作スイッチ4は、情報表示端末1の幅方向で重心付近に設置する。
表示装置2が柔軟性を有して軽く、筐体3が表示装置2の外縁部22の一部に配置されて強固である為に、情報表示端末1全体を薄く且つ軽くできる。特に重量に関しては、従来と同じ表示面積を有していても、十分の一程度とできる。面積が同等で重量が十分の一程度になったことから、情報表示端末1を誤って落下させた際に空気抵抗により落下速度が従来の物よりも遅くなり、床との衝突の際に情報表示端末1が受ける衝撃が小さくなり、情報表示端末1の耐衝撃性を向上させる事ができる。又、表示装置が柔軟であるために、落下などの衝撃が加わっても、表示装置自体の緩衝作用により、破損し難くなる。即ち、従来の様に補強部材を用いて表示装置全体を外箱に収納しなくても、筐体を表示装置の外縁部の一部に配置するだけで、実用強度を確保する事ができる。その結果、情報表示端末全体を薄く且つ軽くできるので、疲労感を覚えることなく、長時間に渡って使用できる。又、表示装置を大きくしても重量は僅かしか増えないので、比較的大きな表示面積を有して、且つ長時間使用可能な携帯用の情報表示端末が実現できる。換言すれば、使い勝手の良い情報携帯端末を実現する事ができる。
「筐体が縦方向の中央以外に配置されている形態」
図12は、本実施形態に係わる情報表示端末を正面視で模式的に示した図である。
以下、本実施形態に係わる情報表示端末について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図12)は実施形態1(図1)と比べて、縦方向に於ける筐体の設置位置が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
Cy<LB+LE (数式13)
となり、筐体3の重心が表示装置2の重心より上方に位置する場合には、
Cy>LE (数式14)
ある。数式12を数式13乃至は数式14に代入して、αに関して解くと、筐体3の重心が表示装置2の重心より下方に位置するか上方に位置するかに係わらず、情報表示端末1の重心Cが縦方向で筐体3内に位置する為の条件が、
「表示装置が衝撃緩衝シートを備える」
図14は、図2から表示装置を抜粋した断面図で、図3のA−A‘の断面に相当する。尚、参考の為に、固定用切り欠き部71も破線にて描いてある。
以下、本実施形態に係わる情報表示端末について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図14)は実施形態1(図7)と比べて、表示装置の構造が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
電気光学パネル5の背面を背面衝撃緩衝シート631が被覆するので、表示装置2に背面から衝撃や応力が加えられても破損する恐れを低くできる。加えて、表示部21が曲げられた際に筐体下部32の端部が表示装置2に局所的な強い応力を加える恐れがあるが、背面衝撃緩衝シート631が応力を緩和するので、曲げ応力による表示装置2の破損を防ぐ事ができる。更に、主回路基板324に実装された電池や電子素子325が表示装置2の背面に押しつけられても、背面衝撃緩衝シート631がこれらの凹凸とそれに伴う空間的圧力分布を緩和する。この結果、製造途中で情報表示端末1が破損される確率が小さくなり、生産性(歩留まり)を向上させる事ができる。
「主回路基板上に回路保護フィルムを備える」
図15は、本実施形態に係わる情報表示端末の断面図であり、図1のA−A‘の断面に相当する。尚、操作スイッチも、参考のために、描いてある。
以下、本実施形態に係わる情報表示端末について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図15)は実施形態1(図2)と比べて、主回路基板上の構造が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
回路保護フィルム327には、図16(a)に示す様に、主回路基板324の凹凸に相補的な凹凸が設けられている。主回路基板324上に相補的凹凸を有する回路保護フィルム327を配置する事で、主回路基板324の凹凸を吸収している。回路保護フィルム327に設けられる相補的な凹凸として最も簡単な物は、凹部として回路保護フィルム327に穴や切り欠き(以下、これらを相補孔と称する)を設ける物である。相補孔は、主回路基板324に回路保護フィルム327を配置した際に、電子素子325や半田が存在する場所、或いは背の高い電子素子325や半田が位置する場所(最も高い凸部)に設ける。回路保護フィルム327が電子素子325の厚みよりも厚いので、図16(b)に示す様に相補孔を設ける事で簡単に主回路基板324の凹凸を吸収して、組み立て時に於ける表示装置2の破損確率をほぼゼロ%に低減する事ができる。相補孔は、回路保護フィルム327を、電子素子325や半田の位置に応じた部位の打ち抜きで形成できる。この方法は簡単な上に、量産性も高い。
主回路基板324表面と表示装置2背面との間に回路保護フィルム327を挟んだので、表示装置2と筐体3とを組み立てる際に情報表示端末1が破損される確率が小さくなり、生産性(歩留まり)を向上させる事ができる。
「固定手段の形状が異なる例」
図17は変形例1に係わる情報表示端末の構成要素を正面視にて模式的に示しており、(a)は表示装置を示した図、(b)は筐体上部を示した図、(c)は筐体下部を示した図である。本変形例(図17)は実施形態1(図3、図4)と比べて、固定手段の形状が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。
「駆動回路がTFTにて内蔵されない例」
図18は変形例2に係わる情報表示端末に用いられる電気光学パネルを模式的に示す正面図である。本変形例(図18)は実施形態1(図6)と比べて、駆動回路がTFTにて内蔵されていない点などが異なる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。尚、図18も図6と同様に電気光学材料55と第二基板54とを省略して描いてある。
「駆動回路がTFTにて一部内蔵されている例」
図19は変形例3に係わる情報表示端末に用いられる電気光学パネルを模式的に示す正面図である。本変形例(図19)は実施形態1(図6)と比べて、駆動回路の一部(走査回路82)がTFTにて内蔵されており、駆動回路の他の部分(信号回路83)はTFTで内蔵されていない点などが異なる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。尚、図19も図6と同様に電気光学材料55と第二基板54とを省略して描いてある。
「筐体が表示装置の隣接する二辺に設けられている例」
図20は変形例4に係わる情報表示端末を模式的に示す図で、(a)は正面図で、(b)は背面図である。本変形例(図20)は実施形態1(図1)と比べて、筐体3が表示装置2の隣接する二辺に設けられている点などが異なる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。
本変形例に用いられる表示装置2は、図21(a)に示す様に、テープ配線9が筐体3の設置される二辺に設けられている。保護部6に設けられる固定用切り欠き部71とスイッチ用切り欠き部42は共にテープ配線9を避けて形成される。
変形例2で説明した非晶質シリコンTFTや有機TFT、酸化物TFTを薄膜素子に用いた場合、画素数が増大した際には、走査線用実装部912と信号線用実装部913とを一辺に集めるのが困難になる。又、変形例3で説明した走査回路82をTFTにて内蔵させようとしても、画素数が多いと動作クロック周波数が要求仕様を満たせなかったり、走査回路82での消費電力が大きすぎたりして、内蔵できない事がある。この様に画素数が増大し、低消費電力が求められる場合には、図22に示す様に、走査線用実装部912を第一基板53の一辺(図22では下辺)に設け、信号線用実装部913を、走査線用実装部912を設けた辺に隣接する辺(図22では右辺)に設ける。こうして実装部91に接続するテープ配線9も、表示装置2の外縁部22をなす隣接する二辺に設けられることになる。
「表示装置が四角でない例」
図23は変形例5に係わる情報表示端末を模式的に示す正面図である。本変形例(図23)は実施形態1(図1)と比べて、表示装置2の平面形状などが異なる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。
「表示装置が薄いガラスに形成されている例」
図7を用いて説明する。
本変形例は実施形態1と比べて、第一基板53が薄いガラスである点が異なる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。
「表示装置が薄い金属板に形成されている例」
図7を用いて説明する。
本変形例は実施形態1と比べて、第一基板53が薄い金属板である点などが異なる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。
「電気光学材料が電気泳動材料以外の例」
図7を用いて説明する。
本変形例は実施形態1と比べて、電気光学材料55として電気泳動材料に代わり液晶材料などが用いられている点が異なる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。
「共通電極が第一基板側に作製される例」
図7を用いて説明する。
変形例9は実施形態1(図7)と比べて、共通電極541が第一基板53側に作られる点が異なる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様であり、重複する説明は省略する。
実施形態1(図7)では、共通電極541は第二基板54に形成されているが、これは必須ではなく、共通電極541は第一基板53に形成されても良い。この場合、共通電極541は第一基板53の各画素513内に設けられ、第一基板53の面と平行な電界成分を持つ電界が電気光学材料55に印加される所謂インプレーンスイッチ型の電気光学装置となる。横方向に電気泳動させるEPDや広視野角液晶ディスプレイなどに適応される。
Claims (21)
- 柔軟性を有する表示装置と、前記表示装置を保持するための筐体と、前記表示装置を制御するための主回路基板とを含み、
前記表示装置は、電気光学パネルと、前記電気光学パネルを被覆する保護部とを少なくとも有し、
前記筐体は、筐体上部と筐体下部とを含み、前記表示装置の外縁部の一部に配置されて、前記筐体上部と前記筐体下部とが前記外縁部の一部を挟持しており、
前記主回路基板は、その裏面が前記筐体下部の内側の底面に接し、その表面が粘着材を介して前記表示装置の背面に接した状態で、前記筐体下部の内側に収納されている事を特徴とする情報表示端末。 - 前記表示装置と前記主回路基板との間に回路保護フィルムが配置され、
前記回路保護フィルムには、前記主回路基板の凹凸に相補的な凹凸が設けられている事を特徴とする請求項1に記載の情報表示端末。 - 前記情報表示端末の重心が前記筐体内に位置する事を特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示端末。
- 前記表示装置は、前記保護部であって前記電気光学パネルと正面視にて重ならぬ部位に固定用切り欠き部を有し、
前記筐体は前記固定用切り欠き部に対応する固定用突起を有し、
前記固定用突起が前記固定用切り欠き部にはめ合わされている事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報表示端末。 - 前記筐体上部は前記電気光学パネルの表示部とは正面視に於いて重ならず、前記筐体下部は前記電気光学パネルの表示部の背面と背面視に於いて重なる事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報表示端末。
- 前記筐体上部は筐体上部長と筐体上部幅とを有する平板状であり、
前記筐体下部は筐体下部長と筐体下部幅とを有する平板状であり、
前記筐体上部幅は前記筐体下部幅よりも短い事を特徴とする請求項5に記載の情報表示端末。 - 前記筐体下部幅は3cm以上6cm以下である事を特徴とする請求項6に記載の情報表示端末。
- 前記表示装置は平板状の多角形であり、
前記外縁部の一部は、前記多角形をなす一辺である事を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報表示端末。 - 前記表示装置は平板状の多角形であり、
前記外縁部の一部は、前記多角形をなす一つの角と、前記一つの角をなす隣接する二辺である事を特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報表示端末。 - 前記保護部は背面衝撃緩衝シートを含み、前記背面衝撃緩衝シートは前記電気光学パネルの背面を被覆する事を特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報表示端末。
- 前記保護部は正面衝撃緩衝シートを含み、前記正面衝撃緩衝シートは前記電気光学パネルの正面を被覆する事を特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報表示端末。
- 前記正面衝撃緩衝シートの厚みと前記背面衝撃緩衝シートの厚みとがほぼ等しい事を特徴とする請求項11に記載の情報表示端末。
- 前記表示装置は、前記保護部であって前記電気光学パネルと正面視にて重ならぬ部位にスイッチ用切り欠き部を有し、
前記スイッチ用切り欠き部に操作スイッチを有する事を特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の情報表示端末。 - 前記電気光学パネルは、第一基板と第二基板、及び前記第一基板と前記第二基板とに挟持される電気光学材料とを有し、
前記第一基板には薄膜トランジスターを用いた薄膜回路が形成されている事を特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の情報表示端末。 - 前記薄膜トランジスターの半導体層は結晶性のシリコン膜であり、
前記薄膜回路は画素回路と駆動回路とを含み、
前記画素回路は前記表示部内に形成され、
前記駆動回路は前記画素回路が形成された領域の外周部に形成されている事を特徴とする請求項14に記載の情報表示端末。 - 前記第一基板はプラスティックフィルムであり、前記薄膜回路が前記プラスティックフィルムに接着されている事を特徴とする請求項14又は15に記載の情報表示端末。
- 前記第一基板は厚みが0.1mm以下のガラスである事を特徴とする請求項14又は15に記載の情報表示端末。
- 前記薄膜トランジスターの半導体層は非晶質のシリコン膜であり、
前記薄膜回路は画素回路を含み、
前記画素回路は前記表示部内に形成され、
前記画素回路が形成された領域の外周部には、前記画素回路に信号を供給する基板配線が形成されている事を特徴とする請求項14に記載の情報表示端末。 - 前記薄膜トランジスターの半導体層は有機物薄膜であり、
前記薄膜回路は画素回路を含み、
前記画素回路は前記表示部内に形成され、
前記画素回路が形成された領域の外周部には、前記画素回路に信号を供給する基板配線が形成されている事を特徴とする請求項14に記載の情報表示端末。 - 前記第一基板がプラスティックフィルムである事を特徴とする請求項18又は19に記載の情報表示端末。
- 前記第一基板が金属板である事を特徴とする請求項18又は19に記載の情報表示端末。
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