JP5588959B2 - ポリアミドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアミドの製造方法に関する。
ポリアミドは、その優れた特性と溶融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、エンジニアリングプラスチックなどとして広く用いられている。しかしながら、その一方で、これら汎用のポリアミドは、耐熱性の不足、吸水による寸法安定性不良などの点で問題があることが指摘されている。特に、近年になって、電気・電子部品、自動車部品、エンジニアリングプラスチックなどの分野で用いられるポリアミドに対して、物性および機能に一層優れるものが求められている。特に、高耐熱性と併せて、寸法安定性、力学的特性、耐薬品性、重合時や成形加工時の取り扱い性などに一層優れるポリアミドの開発が望まれている。
上記のような要求に対して、特許文献1および2ではジカルボン酸成分として、テレフタル酸とイソフタル酸またはアジピン酸を主成分として用い、ジアミン成分として1,6−ヘキサンジアミン等を主成分として用いて半芳香族ポリアミドを製造する方法が開示されている。この方法では、モノマー原料を用いてまず低次縮合物(一次縮合物)をつくり、その低次縮合物を高重合度化してポリアミドを製造する方法が採用されている。
特開平8−59825号公報 特開平8−198963号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、テレフタル酸およびアジピン酸と1,6−ヘキサンジアミンから主としてなるモノマー原料を用いる低次縮合物の製造工程を、実際には280℃を超える高温で行っているため、低次縮合物の熱劣化が生じ易いという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、テレフタル酸および/またはアジピン酸と1,6−ヘキサンジアミンおよび/またはドデカメチレンジアミンから主としてなるモノマー原料を用いて得られる低次縮合物が高度に発泡しており、嵩比重が低い。そのため、低次縮合物を高重合度化する工程で、低次縮合物粒子の崩壊、重合容器への付着などが生じ易く、取り扱い性に劣り、しかも重合容器などにおける容積効率が低くなるという問題がある。しかも、これらの方法では、低次縮合物の生成後に、反応容器内に水蒸気を別途供給しながら低次縮合物を反応容器から取り出すという方法を採用しており、反応容器からの低次縮合物の取り出しに手間がかかるものとなっている
そこで、本発明は、温和な反応条件で、固相重合で融着を起こさない分子量の低次縮合物を得ることができ、かつ水蒸気供給などの煩雑な操作がない簡便な方法で低次縮合物の抜き出しが可能なポリアミドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、特定の条件で低次縮合物を製造することにより、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合反応を行い、低次縮合物を製造する工程と、不活性ガス雰囲気下、大気圧以下の圧力で、前記低次縮合物を排出および冷却する工程と、冷却した前記低次縮合物を固相重合する工程とを含む、ポリアミドの製造方法であって、前記低次縮合物を製造する工程は、反応温度が230〜250℃で、反応圧力が1.5〜3.5MPaで、反応時間0.5〜4.0時間で、かつ反応終了時の反応系内の水分量が25〜35質量%となる条件で行い、冷却した前記低次縮合物は、濃硫酸中0.5g/dLの濃度で、温度25℃で測定した対数粘度が0.07〜0.20dL/gであり、かつ窒素雰囲気下の熱重量測定の5%重量減少温度が350℃以上である、ポリアミドの製造方法である。
本発明によれば、温和な反応条件で、固相重合で融着を起こさない分子量の低次縮合物を得ることができ、かつ水蒸気供給などの煩雑な操作がない簡便な方法で低次縮合物の抜き出しが可能なポリアミドの製造方法が提供されうる。
以下、本発明の製造方法について、工程ごとに詳細に説明する。
<低次縮合物を製造する工程>
本工程では、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合反応を行い、ポリアミドの低次縮合物を製造する。
前記ジカルボン酸の具体例としては、例えば、テレフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。これらジカルボン酸は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。また、必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸成分を少量併用してもよい。
また、前記ジアミンの具体例としては、例えば、エチレンジアミン、プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン)、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの脂肪族アルキレンジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジメタナミン、トリシクロデカンジメタナミンなどの脂環族ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどを挙げることができる。これらジアミンは、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
これらのジカルボン酸とジアミンとの組み合わせは特に制限されないが、製造されるポリアミドの耐熱性や機械的強度、成型加工性の観点から、前記ジカルボン酸は、テレフタル酸30〜100モル%と、テレフタル酸以外のジカルボン酸0〜70モル%とからなるものであり、前記ジアミンは、炭素数4〜25の脂肪族アルキレンジアミン50〜100モル%と、炭素原子数3〜25の脂環族ジアミン0〜50モル%とからなるものであることが好ましい。
低次縮合物は、上記単量体または塩の水溶液などを、例えば、通常用いられる加圧重合槽に仕込み、水性溶媒中で、撹拌条件下で重縮合反応を行うことにより合成される。
水性溶媒とは、水を主成分とする溶媒である。水以外に用いられる溶媒としては、重縮合反応性や溶解度に影響を与えないものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類が挙げられる。
重縮合反応を開始する際の反応系内の水分量は、反応終了時の反応系内の水分量が20〜35質量%となるようにすれば特に制限はないが、好ましくは20〜60質量%であるようにする。
該水分量が20質量%未満の場合、重縮合反応を開始する際に均一な溶液状とならない可能性がある。一方、60質量%を超える場合、重縮合工程での水分を留去させるのに過大な時間とエネルギーを要する虞があり、反応時間も延長により熱劣化の影響を受ける可能性がある。
本工程においては、重縮合速度の増加および重縮合反応時の劣化防止などの点から、リン系触媒を用いることができる。リン系触媒の具体例としては、例えば、次亜リン酸塩、リン酸塩、次亜リン酸、リン酸、リン酸エステル、ポリメタリン酸類、ポリリン酸類、ホスフィンオキサイド類、ホスホニウムハロゲン化合物などが好ましく、次亜リン酸塩、リン酸塩、次亜リン酸、リン酸がより好ましく用いられる。次亜リン酸塩としては、たとえば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸バナジウム、次亜リン酸マンガン、次亜リン酸亜鉛、次亜リン酸鉛、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸コバルト、次亜リン酸アンモニウムなどが好ましく、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムがより好ましい。リン酸塩としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カルシウム、リン酸バナジウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、リン酸鉛、リン酸ニッケル、リン酸コバルト、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムなどが好ましい。リン酸エステルとしては、例えば、リン酸エチルオクタデシルなどが挙げられる。ポリメタリン酸類としては、例えば、トリメタリン酸ナトリウム、ペンタメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリメタリン酸などが挙げられる。ポリリン酸類としては、例えば、テトラポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。ホスフィンオキサイド類としては、例えば、ヘキサメチルホスホルアミドなどが挙げられる。
リン系触媒の添加量としては、ポリアミド100質量部に対して0.0001〜5質量部が好ましく、0.001〜1質量部がより好ましい。また、添加時期は固相重合完了までであればいつでもよいが、原料仕込み時から低次縮合物の重縮合完了までの間であることが好ましい。また、多数回の添加をしてもよい。さらには、2種以上の異なるリン系触媒を組み合わせて添加してもよい。
また、本工程は、上記した重縮合反応を末端封止剤の存在下に行うことができる。末端封止剤を使用すると、低次縮合物の分子量調節がより容易になり、しかも低次縮合物の溶融安定性が向上する。末端封止剤としては、低次縮合物における末端アミノ基または末端カルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はなく、例えばモノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げることができる。そのうちでも、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが末端封止剤として好ましく用いられ、前記した特性に加えて、取り扱いが容易である点からモノカルボン酸がより好ましく用いられる。
末端封止剤として好ましく使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するモノカルボン酸であれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイン酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。そのうちでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸がより好ましい。
末端封止剤として好ましく使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するモノアミンであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。そのうちでも、反応性、沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが特に好ましい。
低次縮合物を製造する際の末端封止剤の使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって異なり得るが、通常、ジカルボン酸またはジアミンのモル数に対して0.1〜15モル%の範囲内で使用することが好ましい。
本発明の低次縮合物の合成は、通常は撹拌条件下で、昇温および昇圧することによって行われる。重合温度は、原料の仕込み後、コントロールされる。また、重合圧力は、重合の進行に合せてコントロールされる。
本工程における反応温度は、230〜250℃である。反応温度が230℃未満の場合、反応速度が遅く低次縮合物の分子量を十分に高めることができないため好ましくない。一方、反応温度が250℃を超える場合、低次縮合物の分子量を高めることはできるが、過度の熱履歴によりポリアミドの色相が悪化するために好ましくない。
本工程における反応圧力は、1.5〜3.5MPaである。反応圧力が1.5MPa未満の場合、多量の水を留去しつつ反応を進行させることになるため、反応系内の温度や反応系内の水分量を制御することが困難になるだけでなく、低次縮合物が低水分含量となることや、水の蒸発潜熱により冷却されて固化することで、排出が困難となるため好ましくない。一方、3.5MPaを超える場合、耐圧性の高い反応装置が必要になるため経済的に不利になるだけでなく、反応系内の水分量を高く推移させることになり低次縮合物の重合度を高められなくなるため好ましくない。該反応圧力は、好ましくは2.0〜3.5MPaである。
また、本工程における反応時間は、0.5〜4時間である。ここでいう反応時間とは、本発明の反応温度に到達してから排出操作開始までの所要時間を示す。反応時間が0.5時間未満の場合、十分な反応率まで到達せず、未反応物が残存したり、均一な性状の低次縮合物が得られないため好ましくない。一方、4時間を超える場合、反応時間の延長による更なる高重合化の効果は得られず、過度の熱履歴を与えることになるため好ましくない。該反応時間は、好ましくは1〜3時間である。
本工程における低次縮合物の反応終了時の反応系内の水分量は、15〜35質量%である。ここでいう反応終了時とは、所定の重合度に達した低次縮合物となり排出操作を開始する時点を示し、反応中に発生する縮合水も合わせた水分量となる。本発明の範囲となる水分量とするためには、発生縮合水量を加味した仕込み水分量とすることや、コンデンサー、圧力調整弁を備えた装置にて反応圧力調整時に所定量の水を留去して調整することができる。反応終了時の反応系内の水分量が15質量%未満の場合、低次縮合物が反応系内で析出したり、固化するため排出が困難となり好ましくない。一方、35質量%を超える場合、十分な重合度の低次縮合物を得難く、排出時に蒸発分離させる水分量が多いために排出速度を高められなかったり、固相重合前の乾燥処理が必要になる等、製造効率を低下させることになるため好ましくない。反応終了時の反応系内の水分量は、好ましくは20〜35質量%である。
また、低次縮合物の重合前に、必要に応じて塩調工程および/または濃縮工程を加えることもできる。塩調とは、ジカルボン酸成分とジアミン成分とから塩を生成する工程であり、塩の中和点のpH±0.5の範囲に、さらには、塩の中和点のpH±0.3の範囲に調節するのが好ましい。濃縮では、原料仕込み濃度の値が+2〜+90質量%とすることが好ましく、+5〜+80質量%の濃度まで濃縮することがより好ましい。濃縮工程は、90〜220℃の範囲が好ましく、さらに100〜210℃が好ましく、130〜200℃が特に好ましい。濃縮工程の圧力は好ましくは0.1〜2.0MPaである。通常、濃縮の圧力は重合の圧力以下にコントロールされる。また、濃縮促進のため、たとえば、窒素気流などにより強制排出の操作を行うこともできる。濃縮工程は重合時間の短縮に有効である。
本工程では、反応容器から取り出された後(冷却後)の低次縮合物の濃硫酸中0.5g/dLの濃度で、温度25℃で測定した対数粘度(以下、単にIVとも称する)が、0.07〜0.20dL/gとなるように反応を行う。IVが0.07dL/g未満の場合、低融点物が存在するため固相重合時に樹脂粉体が融着したり、装置内へ付着が発生するため好ましくない。一方、0.20dL/gを超える場合、低次縮合物製造時に反応系内で析出、固化するため排出が困難となり好ましくない。該IVは、好ましくは0.09〜0.20dL/gである。なお、IVは、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、反応容器から取り出された後(冷却後)の低次縮合物の熱重量測定(TGA)の5%重量減少温度は、300℃以上である。該5%重量減少温度が300℃未満の場合、未反応物残存量が多く固相重合時に樹脂粉体が融着したり、装置内へ付着が発生するため好ましくない。該5%重量減少温度は、好ましくは350℃以上である。なお、熱重量測定は、具体的には、後述の実施例に記載の方法により行うことができる。
本工程では、低次縮合物を得るための重縮合反応を、バッチ式で行ってもよいし連続式で行ってもよい。また、反応容器への低次縮合物の付着防止や重縮合反応の均一な進行などの点から、低次縮合物を生成させるための重縮合反応を、撹拌下に行うことが好ましい。
<低次縮合物を排出および冷却する工程>
次いで、上記で生成した低次縮合物を反応容器から取り出す。低次縮合物の反応容器からの取り出しは、反応系の温度が上記の230〜250℃の範囲内にあり、かつ反応終了時の反応系における水分量が上記の25〜35質量%の範囲内にある時に、低次縮合物を反応容器から不活性ガス雰囲気下、大気圧以下の圧力で取り出すことにより行う。このような本発明の排出方法によれば、所定圧力に調節した取り出し用の圧力容器を使用する必要がなく、しかも反応容器内に水蒸気を別途供給しながら低次縮合物を反応容器から取り出すという手間も必要とせずに、熱劣化が少なく、対数粘度が充分に高く、しかも嵩比重の高い、非発泡の粉粒体状(粉末状または顆粒状)である低次縮合物を、簡単にかつ効率良く得ることができる。
上記不活性ガス雰囲気は、低次縮合物の酸化劣化を防ぐという観点から、酸素濃度が1体積%以下であることが好ましい。
反応容器からの低次縮合物の排出速度は、反応容器の規模、反応容器内の内容物の量、温度、取り出し口の大きさ、取り出しノズル部の長さなどに応じて適宜調節し得る。しかしながら、一般には、排出口断面積あたりの排出速度が2000〜20000kg/s/mの範囲内であるようにして取り出すことが好ましい。この範囲であれば、得られる低次縮合物の嵩密度が、好ましくは0.35〜0.8g/ccの範囲となり、後述の固相重合の工程で、崩壊、凝集、反応器壁への融着などが生じにくく、取り扱い性に優れ、しかも重合装置などに多く充填することが可能で固相重合工程で用いられる装置の容積効率を向上させることができる。なお、嵩密度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
そして、反応容器から取り出された低次縮合物は、取り出しの際の水の蒸発潜熱によってその温度が瞬時に好ましくは100℃以下に低下するため、熱劣化および酸素による劣化はほとんど生じない。
また、排出される低次縮合物は、低次縮合物が有する顕熱により、同伴する水分の殆どを蒸発させるため、本工程において低次縮合物の冷却と乾燥処理とが同時になされるものである。窒素などの不活性ガスの流通下や、大気圧より減圧下で排出処理を行うことは、乾燥および冷却の効率を高めるため好ましい。また、排出容器としてサイクロン型の固体−気体分離装置を設置することで、排出時の粉の系外飛散を抑制できるだけでなく、高いガス線速下で排出処理を行えるために乾燥、冷却効率を高めることが可能となり好ましい。
このようにして得られる低次縮合物は、対数粘度が前記のように充分に高く、未反応物の残存量も低いために、固相重合による高重合度化に際して、低次縮合物粒子間の融着や凝集を生ずることなく高い温度で固相重合を行うことができ、また副反応による劣化が少ない。
また、必要に応じて、上記で得られる低次縮合物の嵩比重を一層高めたり、粒径を揃えるためのコンパクティング処理や、造粒処理をさらに行ってもよい。
<固相重合>
本工程では、上記において反応容器から取り出した低次縮合物を固相重合による高重合度化を行い、ポリアミドを製造する。該固相反応は、低次縮合物の反応容器からの取り出しにそのまま引き続いて行っても、反応容器から取り出した低次縮合物を乾燥した後に行っても、反応容器から取り出した低次縮合物を一旦貯蔵した後に行っても、または反応容器から取り出した低次縮合物に前記したコンパクティング処理や造粒処理を施した後に行ってもよい。固相重合により高重合度化すると、熱劣化のより少ないポリアミドを得ることができる。
低次縮合物を固相重合する際の重合方法および条件は特に制限されず、低次縮合物の融着、凝集、劣化などを生ずることなく固体状態を保ちながら高重合度化を行える方法および条件であればいずれであってもよい。
しかしながら、低次縮合物および生成するポリアミドの酸化劣化を防止するため、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気中または、減圧下で固相重合を行うことが好ましい。
固相重合の温度は特に制限されないが、最高反応温度が好ましくは170〜260℃であり、より好ましくは最高反応温度が200〜250℃であり、さらに好ましくは最高反応温度が220〜240℃である。本発明によれば、このように、従来と比べてより低い温度で、すなわち、より温和な条件で固相重合が可能となる。なお、該最高反応温度は固相重合終了時にある必要はなく、固相重合終了までのいつの時点で到達してもよい。
本工程で用いられる固相重合の装置については特に制限がなく、公知のいずれの装置も使用することができる。固相重合装置の具体例としては、例えば、一軸ディスク式、ニーダー、二軸パドル式、縦型の塔式装置、縦型の塔式機器、回転ドラム式、またはダブルコ−ン型の固相重合装置、乾燥機器などが挙げられる。
固相重合の反応時間は、特に制限されないが、通常、1時間〜20時間が好ましく採用される。固相重合反応中に、低次縮合物を機械的に攪拌するか、または気体流により攪拌してもよい。
本発明においては、低次縮合物を製造する工程、固相重合する工程、または固相重合後の任意の段階で、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維などの各種繊維材料、無機粉末状フィラー、有機粉末状フィラー、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、潤滑剤などの添加剤、他のポリマーなどを添加してもよい。
本発明の製造方法により得られるポリアミドは、耐熱性、力学性能、低吸水性、耐薬品性などの性能に優れており、それらの特性を活かして、ポリアミド単独で、または必要に応じて上記した各種の添加剤や他のポリマーとの組成物の形態で、ポリアミドに対して従来から用いられている各種成形法や紡糸法、例えば射出成形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、延伸、真空成形などの成形法や溶融紡糸法などによって、各種の成形品や繊維などに成形することができる。それにより得られる成形品や繊維などは、エンジニアリングプラスチックをはじめとして、電子・電気部品、自動車部品、事務機部品などの産業資材や工業材料、家庭用品などの各種の用途に有効に使用することができる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、対数粘度(IV)、嵩比重、5%重量減少温度、融点、結晶化温度、および色相は下記の方法により測定した。
(1)対数粘度
96%濃硫酸中に試料を0.5g/dLの濃度で溶解させて試料溶液を調製する。96%濃硫酸および試料溶液を25℃の温度で、ウベローデ粘度管を用いて落下秒数を測定し、以下の式により算出した。
Figure 0005588959
(2)嵩比重
JIS K−6911:2006に従って測定した。
(3)5%重量減少温度
セイコーインスツルメンツ株式会社製TG/DTA装置を用いて、20ml/min窒素流通下、昇温速度10℃/minで測定を行い、5%重量減少する温度を計測した。
(4)融点、結晶化温度
セイコーインスツルメンツ株式会社製DSCを用い、10ml/minの流速で窒素流通下、昇温速度10℃/minにて30℃から350℃まで昇温したのち5min保持、降温速度10℃/minにて200℃まで測定を行い、昇温時の融解による吸熱ピーク温度を融点、降温時の結晶化による発熱ピーク温度を結晶化温度として計測した。
(5)色相(YI)
日本電色工業株式会社製の小型色彩白度計 NW−11を用いてYI値を測定した。
(実施例1)
原料として、テレフタル酸 67.03g(0.403モル=65モル%)、アジピン酸 31.75g(0.217モル=35モル%)、1,6−ヘキサメチレンジアミン 73.22g(0.630モル 100モル%)、末端封止剤として酢酸 0.75g(0.012モル、ジカルボン酸に対して2モル%)、触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物 0.172g(仕込み原料に対して0.1質量部)、および水115g(仕込み原料に対して40質量%)を、分縮器、圧力調整弁、内視用窓、および底部排出弁を備えた内容積1リットルのオートクレーブ反応槽に仕込み、窒素置換を行った。撹拌しながら0.5時間かけて130℃まで昇温して0.5時間保持し、内容物が均一溶液となることを確認した。その後、1時間かけて内部温度を245℃まで昇温し保持した。内圧が2.4MPaに達した後は、同圧力に維持するように水を留去しながら2時間反応を継続した。
所定の反応時間経過後、反応槽の温度、および反応系内の水分量(21質量%)を維持したまま、生成した低次縮合物を底部排出弁より、窒素流通下、常温(25℃)で、大気圧条件でサイクロン容器に排出した。この際の排出弁ノズル径は3mmであり、排出には約10秒を要した。排出される容器の酸素濃度は0.1体積%であり、白色、粉末状の低次縮合物を得た。排出直後の低次縮合物は温度83℃、水分量1.8質量%、IVは0.15dL/gであり、嵩比重は0.71g/ccであった。TGA測定による5%重量減少温度は383℃であった。
得られた低次縮合物150gを500mL丸底フラスコに仕込み、油浴付きロータリーエバポレータに設置し、窒素置換した後に0.13kPaまで減圧した。真空を保持したまま、フラスコを回転させながら油浴に浸漬し、内部温度を230℃まで2時間かけて昇温した後、同温度で5時間固相重合反応を継続した。所定の反応時間経過後に室温(25℃)まで冷却し、高重合度化したポリアミドを得た。
得られたポリアミドのIVは0.85であり、DSC測定による融点は324℃、結晶化温度は294℃、YIは2であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。結果を表1に示す。
(実施例2)
低次縮合物を製造する際の反応温度を250℃とし、反応圧力を3.3MPaとし、末端封止剤の酢酸をジカルボン酸に対して3モル%としたこと以外は、実施例1と同様の条件でポリアミドを製造した。得られたポリアミドのIVは0.86であり、融点は321℃、結晶化温度は288℃、YIは2であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
(実施例3)
低次縮合物を製造する際の反応温度を230℃とし、反応圧力を2.3MPaとし、固相重合の最高反応温度を240℃としたこと以外は、実施例1と同様の条件でポリアミドを製造した。得られたポリアミドのIVは0.80であり、融点は316℃、結晶化温度は296℃、YIは3であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
(実施例4)
原料として、テレフタル酸 83.79g(0.504モル)、1,10−デカンジアミン 88.21g(0.512モル)、末端封止剤として安息香酸1.85g(0.015モル、ジカルボン酸に対して3モル%)を用い、分縮器、圧力調整弁、内視用窓、および底部排出弁を備えた内容積1リットルのオートクレーブ反応槽に仕込み、窒素置換を行った。撹拌しながら0.5時間かけて180℃まで昇温して0.5時間保持し、内容物が均一溶液となることを確認した。その後、1時間かけて内部温度を245℃まで昇温し保持した。内圧が3.0MPaに達した後は、同圧力に維持するように水を留去しながら2時間反応を継続した。
所定の反応時間経過後、反応槽の温度、および反応系内の水分量(32質量%)を維持したまま、生成した低次縮合物を底部排出弁より、窒素流通下、常温(25℃)で、大気圧条件でサイクロン容器に排出した。この際の排出弁ノズル径は3mmであり、排出には約10秒を要した。排出される容器の酸素濃度は0.1体積%であり、白色、粉末状の低次縮合物を得た。排出直後の低次縮合物は温度81℃、水分量2.1質量%、IVは0.16dL/gであり、嵩比重は0.66g/ccであった。TGA測定による5%重量減少温度は421℃であった。
得られた低次縮合物150gを500mL丸底フラスコに仕込み、油浴付きロータリーエバポレータに設置し、窒素置換した後に0.13kPaまで減圧した。真空を保持したまま、フラスコを回転させながら油浴に浸漬し、内部温度を230℃まで2時間かけて昇温した後、同温度で5時間固相重合反応を継続した。所定の反応時間経過後に室温(25℃)まで冷却し、高重合度化したポリアミドを得た。
得られたポリアミドのIVは0.84であり、融点は310℃、結晶化温度は280℃、YIは2であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
(実施例5)
原料として、テレフタル酸 83.10g(0.500モル)、1,10−デカンジアミン 78.73g(0.457モル)、1,12−ドデカンジアミン 10.17g(0.051モル)を用い、仕込み水を46g(仕込み原料に対して21質量%)とし、低次縮合物の反応時に圧力調整を行わず、容器を密閉した状態としたこと以外は、実施例4と同様の条件でポリアミドを製造した。低次縮合物の反応終了時には、反応圧力は3.3MPaに達し、内部溶液が均一であることが確認された。得られたポリアミドのIVは0.82であり、融点は303℃、結晶化温度は272℃、YIは2であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
(実施例6)
固相重合の最高反応温度を250℃とし、固相重合の反応時間を4時間としたこと以外は、実施例1と同様の条件でポリアミドを製造した。得られたポリアミドのIVは0.90であり、融点は321℃、結晶化温度は283℃、YIは5であり、他の実施例と比べる若干色相が高めであるが、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
(実施例7)
低次縮合物の排出容器を内容積10Lの圧力容器として、窒素置換した後に6mm径の大気解放弁ノズルを解放した状態で低次縮合物の排出を行ったこと以外は、実施例2と同様の条件でポリアミドを製造した。低次縮合物排出時の容器内酸素濃度は2体積%、容器内圧力は最高で0.5MPaに達し、排出直後の低次縮合物温度は170℃であった。得られたポリアミドのIVは0.84であり、融点は322℃、結晶化温度は288℃、YIは6であり、他の実施例と比べる若干色相が高めであるが、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
(比較例1)
低次縮合物を製造する際の反応温度を260℃とし、反応圧力を3.9MPaとしたこと以外は、実施例2と同様の条件でポリアミドを製造した。得られたポリアミドのYIは8であり、色相が悪化するものであった。
(比較例2)
低次縮合物を製造する際の反応温度を220℃とし、反応圧力を1.9MPaとしたこと以外は、実施例2と同様の条件でポリアミドを製造した。得られた低次縮合物のIVは0.06dL/g、TGAによる5%重量減少温度は272℃と低く、固相重合時には低次縮合物が融着し、フラスコ壁面にも多量に付着した。また、得られたポリアミドのIVは0.62dL/g、YIは8であり、重合度が低く、色相も悪化したものであった。
(比較例3)
低次縮合物を製造する際の反応温度を245℃とし、反応圧力を1.4MPaとし、反応終了時の反応系内の水分量を13質量%としたこと以外は、実施例2と同様の条件でポリアミドを製造した。低次縮合物は反応槽内で固化し、排出不可であった。
(比較例4)
低次縮合物を製造する際の反応温度を245℃とし、反応圧力を3.5MPaとし、反応終了時の反応系内の水分量を38質量%としたこと以外は、実施例2と同様の条件でポリアミドを製造した。得られた低次縮合物のIVは0.05dL/g、TGAによる5%重量減少温度は265℃と低く、固相重合時には低次縮合物が融着し、フラスコ壁面にも多量に付着した。得られたポリアミドのIVは0.58dL/g、YIは10であり、重合度が低く、色相も悪化したものであった。
(比較例5)
低次縮合物を製造する際の反応温度を230℃、反応圧力を2.1MPa、反応時間を0.4時間、反応終了時の反応系内の水分量を25質量%としたこと以外は、実施例2と同様の条件でポリアミドを製造した。得られた低次縮合物のTGAによる5%重量減少温度は270℃と低く、固相重合時には低次縮合物が融着し、フラスコ壁面にも多量に付着した。得られたポリアミドのIVは0.64dL/g、YIは6であり、重合度が低く、色相も悪化したものであった。
(比較例6)
低次縮合物を製造する際の反応温度を260℃、反応圧力を3.9MPaとし、また低次縮合物の排出容器を内容積10Lの圧力容器として、窒素置換した後に6mm径の大気解放弁ノズルを解放した状態で低次縮合物の排出を行ったこと以外は、実施例2と同じ条件でポリアミドを製造した。低次縮合物排出時の容器内酸素濃度は2体積%、容器内圧力は最高で0.5MPaに達し、排出直後の低次縮合物温度は170℃であった。得られたポリアミドのYIは15であり、色相が悪化したものであった。
各実施例および各比較例の評価結果を下記表1に示す。表1から明らかなように、本発明の製造条件で得られたポリアミドは、十分に高重合度化し良好な色相を示す。
Figure 0005588959

Claims (3)

  1. テレフタル酸30〜100モル%と、テレフタル酸以外のジカルボン酸0〜70モル%とからなるジカルボン酸と、炭素数4〜25の脂肪族アルキレンジアミン50〜100モル%と、炭素原子数3〜25の脂環族ジアミン0〜50モル%とからなるジアミンとの重縮合反応を行い、低次縮合物を製造する工程と、
    不活性ガス雰囲気下、大気圧以下の圧力で、前記低次縮合物を排出および冷却する工程と、
    冷却した前記低次縮合物を固相重合する工程と
    を含む、ポリアミドの製造方法であって、
    前記低次縮合物を製造する工程は、反応温度が230〜250℃で、反応圧力が1.5〜3.5MPaで、反応時間0.5〜4.0時間で、かつ反応終了時の反応系内の水分量が15〜35質量%となる条件で行い、
    冷却した前記低次縮合物は、濃硫酸中0.5g/dLの濃度で、温度25℃で測定した対数粘度が0.07〜0.20dL/gであり、かつ窒素雰囲気下の熱重量測定の5%重量減少温度が300℃以上である、ポリアミドの製造方法。
  2. 前記不活性ガス雰囲気は、酸素濃度が1体積%以下であり、
    前記冷却する工程は、前記低次縮合物を100℃以下に冷却する工程である、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記固相重合の最高反応温度が170〜260℃である、請求項1または2に記載の製造方法。
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