JP5585499B2 - 潤滑剤塗布装置およびこれを備える画像形成装置 - Google Patents

潤滑剤塗布装置およびこれを備える画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、像担持回転体を有する画像形成装置に備えられる潤滑剤塗布装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式のプリンタなどの画像形成装置は、像担持回転体の一例としての感光体ドラムを帯電させて、帯電された感光体ドラムを露光して静電潜像を形成し、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を記録シートに転写すると共に、記録シートに転写されずに感光体ドラム上に残った残留トナーをクリーナにより清掃する構成になっている。
この残留トナーの清掃方法としては、クリーニングブレードの先端を、回転する感光体ドラム表面に圧接して、感光体ドラム上の残留トナーを掻き取る構成が一般的である。
クリーニングブレードを感光体ドラム表面に圧接させる構成をとる場合、感光体ドラムとクリーニングブレード間の摩擦力が増大すると、クリーニングブレードの先端部分が折れ曲がって変形したり破損したりすることが生じるおそれがある。また、クリーニングブレードの先端部分の磨耗が増大し、想定寿命よりも短い期間でクリーニング不良が生じるおそれがある。
このようなクリーニングブレードの変化や破損、磨耗の増大を防止する方法として、感光体ドラムに潤滑剤を塗布することにより、感光体ドラムとクリーニングブレード間の摩擦力を低減させる方法がある。
特許文献1には、固形潤滑剤に接触するブラシローラを回転させて、ブラシローラにより固形潤滑剤を削り、削り取られた潤滑剤粉をブラシ繊維に取り込んだ状態で感光体ドラムの表面まで搬送し、感光体ドラムに潤滑剤粉を塗布させる構成が開示されている。
特開2006−251751号公報
しかしながら、上記のような潤滑剤粉をブラシローラで削り取る従来の構成では、潤滑剤の感光体ドラムへの供給効率が悪いという問題がある。
すなわち、従来からブラシローラに用いられているブラシ繊維は、一般にナイロンやポリエステルからなり、潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛からなるが、ナイロンやポリエステルは、ステアリン酸亜鉛よりも仕事関数が低い。仕事関数は、物質から電子を取り出すために必要なエネルギーを示し、帯電のし易さを表す量として知られており、仕事関数が低いほど電子を放出し易く、正に帯電し易くなる。
ブラシ繊維の方が潤滑剤よりも仕事関数が低い場合、固形潤滑剤がブラシ繊維で削り取られる際の摩擦により、ブラシ繊維が正に帯電し、潤滑剤粉が負に帯電され易くなる。感光体ドラムの帯電極性は、負であることが一般的なので、潤滑剤粉が感光体ドラムと同極性の負に帯電されてしまうと、クーロンの斥力により潤滑剤粉がブラシ繊維から感光体ドラムに移動し難くなる。
潤滑剤粉がブラシ繊維から感光体ドラムに移動し難くなれば、ブラシ繊維の先端が感光体ドラムの表面を摺擦する際に潤滑剤粉を感光体ドラムの表面に塗布させようとしても、潤滑剤粉の一部が感光体ドラムに移動せずにブラシ繊維に残ることが生じ易くなる。
潤滑剤粉がブラシ繊維に残ることが生じ易くなることは、ブラシローラの1回転当たりの、感光体ドラムへの潤滑剤の供給量が少なくなることを意味し、潤滑剤の供給効率が悪いことになる。潤滑剤粉がブラシ繊維に残ることが続くと、やがてブラシ繊維が潤滑剤粉で詰まり、固形潤滑剤を削り取って搬送するというブラシ繊維の性能が低下し、感光体ドラムへの潤滑剤の供給量が早期に低下することになる。
潤滑剤粉の供給効率をできるだけ向上させる方法として、例えば感光体ドラムの残留電位(負)よりも絶対値で大きいマイナスのバイアス電圧をブラシローラに印加して、ブラシ繊維に付着している潤滑剤粉を感光体ドラムに移動させ易くする方法が考えられる。
しかしながら、この方法は、ブラシ繊維の先端の電界強度が強くなり、低い電圧でも感光体ドラムとの間で放電が起き易く、放電が起きるとブラシ繊維が劣化して、ブラシ繊維の劣化により感光体ドラムへの潤滑剤粉の供給量が早期に低下することに繋がる。
感光体ドラムへの潤滑剤の供給量が早期に低下すると、感光体ドラムとクリーニングブレード間の摩擦力の増大によるクリーニングブレードの破損などが早期に生じ易くなる。また、潤滑剤は、クリーニング性に限られず、転写性向上の目的で用いられる場合もあり、この場合には潤滑剤の安定供給ができなくなると、早期に転写性が低下してしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、感光体ドラムなどの像担持回転体に潤滑剤を長期に亘って安定して供給することが可能な潤滑剤塗布装置およびこれを備える画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る潤滑剤塗布装置は、像担持回転体を有する画像形成装置に備えられ、固形潤滑剤を削り、削り取った潤滑剤粉を像担持回転体の周面に塗布する潤滑剤塗布装置であって、像担持回転体と固形潤滑剤の間に介在し、回転により固形潤滑剤を第1位置で削り、削り取った潤滑剤粉を第2位置で像担持回転体の周面に塗布する塗布部材と、塗布部材の回転方向に沿って第2位置よりも下流かつ第1位置よりも上流の位置で、回転している塗布部材に当接して、塗布部材を摩擦帯電させる摩擦帯電部材と、を備え、摩擦帯電部材と塗布部材と固形潤滑剤の各材料として、摩擦帯電部材との摩擦で帯電している塗布部材により削り取られた潤滑剤粉の帯電極性が像担持回転体の帯電極性と逆極性になるような仕事関数の大きさのものが選択されていることを特徴とする。
また、像担持回転体の帯電極性は負であり、前記摩擦帯電が行なわれる前の、塗布部材の仕事関数をφb、摩擦帯電部材の仕事関数をφm、固形潤滑剤の仕事関数をφjとしたとき、φm>φb、かつ、φj<(φm+φb)/2の関係を満たすことを特徴とする。
さらに、前記塗布部材は、ブラシ状の部材からなることを特徴とする。
ここで、前記塗布部材は、芯金の周囲に導電性のブラシ繊維が設けられてなり、芯金が接地されていることを特徴とする。
また、前記摩擦帯電部材は、フッ素を含む樹脂からなることを特徴とする。
さらに、前記画像形成装置には、像担持回転体の周面に当接して、その周面に残留しているトナーを除去するクリーニング部材が配置されており、前記塗布部材は、クリーニング部材が像担持回転体の周面に当接している位置よりも、像担持回転体の回転方向下流の位置で像担持回転体の周面に接触することを特徴とする。
また、前記塗布部材が像担持回転体の周面に潤滑剤を塗布する第2位置よりも、像担持回転体の回転方向下流の位置に配され、像担持回転体の周面に接触して、塗布部材により像担持回転体に塗布された潤滑剤を均す均し部材を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記の潤滑剤塗布装置を備えることを特徴とする。
このようにすれば、像担持回転体に供給される潤滑剤の帯電極性が、像担持回転体の帯電極性と逆極性になるので、クーロンの引力により潤滑剤が像担持回転体に供給され易くなり、かつ、塗布部材にバイアス電圧を印加させる必要もないので、従来に比べて潤滑剤の供給効率を向上させて、潤滑剤を長期に亘って安定して像担持回転体に供給することが可能になる。
プリンタの全体の構成を示す図である。 プリンタに備えられるクリーナの構成を拡大して示す図である。 クリーナに備えられる摩擦帯電部材とブラシ繊維と固形潤滑剤のそれぞれが帯電している様子を示す模式図である。 (a)は、摩擦帯電前の摩擦帯電部材とブラシ繊維と固形潤滑剤の仕事関数の大きさを示す模式図であり、(b)と(c)は、仕事関数が変化する様子を模式的に示す図である。 実施例1、2および比較例1〜4の構成において潤滑剤塗布が良好に行われたか否かを示す実験の結果を示す図である。
以下、本発明に係る潤滑剤塗布装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)を例にして説明する。
(1)プリンタの全体の構成
図1は、プリンタの全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンタは、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、作像部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40と、制御部50などを備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色からなるカラーの画像形成を実行する。以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
作像部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像ユニット10Y、10M、10C、10Kを備えている。
作像ユニット10Y〜10Kは、像担持回転体としての感光体ドラム11Y〜11Kと、その周囲に配設された帯電器12Y〜12Kと、露光部13Y〜13Kと、現像器14Y〜14Kと、クリーナ16Y〜16Kなどを備えており、感光体ドラム11Y〜11KにY〜K色のトナー像を作像する。
中間転写部20は、同図の矢印方向に周回走行する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21を張架するローラ22、23、24と、中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11Y〜11Kに当接される一次転写ローラ15Y〜15Kと、中間転写ベルト21を介してローラ22に当接される二次転写ローラ25と、中間転写ベルト21上の残留トナーを除去するクリーナ26などを備える。
給送部30は、給紙カセット35に収容されている記録用のシートとしての用紙Sを搬送路37に向けて1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ31と、繰り出された用紙Sを搬送路37上を搬送する搬送ローラ対32と、搬送される用紙Sを二次転写位置29に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対33などを備えている。
定着部40は、定着ローラと加圧ローラを圧接させて定着ニップを確保すると共にヒータにより定着ローラを加熱して定着に必要な温度を維持する。
制御部50は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、露光部13Y〜13Kに配されたレーザダイオードを駆動するための駆動信号を生成する。生成された駆動信号により作像ユニット毎に、露光部13Y〜13Kのレーザダイオードが駆動されて、レーザビームLが出射され、感光体ドラム11Y〜11Kが露光走査される。
この露光走査を受ける前に、感光体ドラム11Y〜11Kは、帯電器12Y〜12Kにより一様に帯電されており、レーザビームLの露光により、感光体ドラム11Y〜11Kの周面に静電潜像が形成される。
感光体ドラム11Y〜11Kは、マイナス(負)極性に帯電する帯電特性を有しており、帯電器12Y〜12Kにより感光体ドラム11Y〜11Kがマイナス帯電され、レーザビームLにより画像の形成されるべき部分が露光される。
各静電潜像は、現像器14Y〜14Kによりトナーで現像される。トナーは、ここでは帯電極性がマイナスのものが用いられ、いわゆる反転現像方式になっている。各色のトナー像は、一次転写ローラ15Y〜15Kと感光体ドラム11Y〜11K間に作用する静電力により中間転写ベルト21上に一次転写される。
なお、感光体ドラムとトナー間には、ファンデルワールス力が働いているので、トナー像を構成するトナー粒子のうち、静電的に中間転写ベルト21に一次転写できないトナー(残留トナー)が少ないとはいえ存在する。
この残留トナーは、クリーナ16Y〜16Kにより除去される。残留トナーが除去された後の感光体ドラム11Y〜11Kの周面には、クリーナ16Y〜16Kのそれぞれに設けられた潤滑剤塗布部(後述)により潤滑剤が塗布される。
感光体ドラム11Y〜11Kへの各色の作像動作は、トナー像が中間転写ベルト21上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト21上に多重転写された各色トナー像は、中間転写ベルト21の周回走行により二次転写位置29に移動する。
上記作像動作のタイミングに合わせて、給送部30からは、タイミングローラ対33を介して用紙Sが給送されて来ており、その用紙Sは、中間転写ベルト21と二次転写ローラ25の間に挟まれて搬送され、二次転写ローラ25とローラ22間に作用する静電力により、中間転写ベルト21上の各色トナー像が一括して用紙S上に二次転写される。
二次転写位置29を通過した用紙Sは、定着部40に搬送され、定着ニップを通過する際に、トナー像が加熱、加圧されて用紙Sに定着された後、排出ローラ対38を介して排出され、収容トレイ39に収容される。
(2)クリーナ16Y〜16Kの構成
図2は、クリーナ16Yの構成を拡大して示す図であり、クリーナ16Yの周辺に配されている感光体ドラム11Yや帯電器12Yなども合わせて示している。なお、クリーナ16Y〜16Kは、いずれも基本的に同じ構成なので、ここではクリーナ16Yの構成を説明して、他のクリーナ16M〜16Kについてはその説明を省略する。
同図に示すように、クリーナ16Yは、クリーニングブレード61と、回収スクリュー62と、ブラシローラ63と、固形潤滑剤64と、摩擦帯電部材65と、ホルダ66と、圧縮バネ67と、均しブレード68などを備え、これらの部材が筐体60に支持されてなり、ここではブラシローラ63、摩擦帯電部材65〜均しブレード68が潤滑剤塗布部69を構成する。なお、圧縮バネ67を除く各部材は、感光体ドラム11Yの軸方向に沿って長尺状であり、その軸方向長さが少なくとも印字幅よりも長くなっている。圧縮バネ67は、その軸方向に沿って間隔をおいて複数個が配置されている。
クリーニングブレード61は、ポリウレタンゴムをシート状に加工してなり、その先端が感光体ドラム11Yの周面に、感光体ドラム11Yの回転方向(ドラム回転方向)とは逆方向(カウンター方向)に当接して、感光体ドラム11Y上の残留トナーTを掻き取る。掻き取られた残留トナーTは、回収スクリュー62に送られ、回収スクリュー62により廃トナー回収ボックス(不図示)に搬送されて回収される。
ブラシローラ63(塗布部材)は、金属製の芯金71の周囲にブラシ繊維72が設けられてなるロール状のブラシ部材であり、クリーニングブレード61よりもドラム回転方向下流の位置であり、感光体ドラム11Yと固形潤滑剤64との間に介在し、ブラシ繊維72の、感光体ドラム11Yの周面に対向するブラシ部分が感光体ドラム11Yの周面に当接して感光体ドラム11Yの周面に潤滑剤を塗布する。
芯金71は、不図示の駆動部からの駆動力により、ブラシ繊維72が感光体ドラム11Yの周面に当接する位置において、ドラム回転方向とは逆方向に回転し、ブラシ繊維72を構成するブラシ毛先端の、芯金71の回転方向に沿った線速度が、感光体ドラム11Yの周面の速度よりも速くなるように、芯金71の回転速度が規定されている。
ブラシ繊維72は、ここでは導電性のポリエチレン繊維が用いられ、ブラシ繊維72を構成するブラシ毛の1本1本の根元が芯金71を介して接地されている。
ブラシ毛は、2〜15デニール(D)の合成繊維からなり、ブラシ毛の高さが2〜8〔mm〕程度であり、単位面積当たりの本数(植密度)が5万〜30万(本/平方インチ)程度、電気抵抗値が10〜1010〔Ω〕程度になっている。
固形潤滑剤64は、金属石鹸の粉体を溶融成型したものであり、ここではステアリン酸亜鉛が用いられている。
ホルダ66は、固形潤滑剤64を保持するものであり、圧縮バネ67は、ホルダ66を介して固形潤滑剤64をブラシローラ63に押圧させるための付勢力を付与する。ブラシローラ63に押圧された固形潤滑剤64は、ブラシローラ63の回転によってブラシ繊維72の各ブラシ毛により削り取られる。削り取られた潤滑剤粉は、ブラシ繊維72に取り込まれた状態で感光体ドラム11Yに搬送され、感光体ドラム11Yに塗布される。
本実施の形態では、ブラシ繊維72、固形潤滑剤64、摩擦帯電部材65について、削り取られた潤滑剤粉が感光体ドラム11Yの帯電極性であるマイナスとは逆極性のプラスに帯電されるような仕事関数の大きさの材料が選択されている。
潤滑剤粉をプラス極性に帯電させることにより、ブラシローラ63のブラシ繊維72が感光体ドラム11Yの周面を摺擦するときに擦り付けることによる機械的な潤滑剤粉の供給だけでなく、静電的に潤滑剤粉が感光体ドラム11Yに引き付けられることによる潤滑剤粉の供給を行えるようになり、潤滑剤の供給効率を従来よりも向上させることができる。この理由については、後述する。
摩擦帯電部材65は、ブラシローラ63の周囲であり、ブラシローラ63の回転方向に沿って、ブラシローラ63が感光体ドラム11Yと接触する接触位置P2(潤滑剤を塗布する位置に相当)よりも下流、かつ、ブラシローラ63が固形潤滑剤64と接触する接触位置P1よりも上流である接触位置P3に位置する。
摩擦帯電部材65は、表面がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなり、その表面が、回転しているブラシローラ63のブラシ繊維72にやや食い込むような状態でブラシ繊維72に当接して、ブラシ繊維72を摩擦帯電させる。摩擦帯電部材65とブラシ繊維72との仕事関数の大小により、ここではブラシ繊維72がプラス極性に摩擦帯電されるようになっている。
均しブレード68は、ポリウレタンゴムをシート状に加工してなり、ブラシローラ63よりもドラム回転方向下流の位置に配置され、先端が感光体ドラム11Yの周面にカウンター方向に当接して、感光体ドラム11Y上に塗布されている潤滑剤粉を均して、感光体ドラム11Y上に潤滑剤粉の被膜を形成させる。ステアリン酸亜鉛からなる潤滑剤粉で形成された被膜は、離型性が高く、摩擦係数が小さいことが特徴であり、転写性、クリーニング性が高く、クリーニングブレード61と感光体ドラム11Yの周面との摩擦力を低減することができると共に、感光体ドラム11Yの周面の磨耗も抑制され、それぞれの部材の長寿命化を実現できる。
(3)仕事関数の設定について
図3は、摩擦帯電部材65とブラシ繊維72と固形潤滑剤64のそれぞれが帯電している様子を示す模式図であり、図4(a)は、摩擦帯電前の摩擦帯電部材65とブラシ繊維72と固形潤滑剤64の仕事関数の大きさを示す模式図であり、図4(b)と図4(c)は、仕事関数が変化する様子を模式的に示す図である。
図3に示すように、ブラシローラ63の回転によりブラシ繊維72を構成する各ブラシ毛の先端部(以下、「ブラシ毛先端部」という。)73が摩擦帯電部材65との接触位置P3を通過する際に、ブラシ毛先端部73と摩擦帯電部材65との摩擦により、ブラシ毛先端部73がプラス極性に摩擦帯電される。
ブラシ毛先端部73がプラス極性に摩擦帯電されている状態で、固形潤滑剤64との接触位置P1に至り、接触位置P1を通過する際に、ブラシ毛先端部73と固形潤滑剤64との摩擦により固形潤滑剤64が削られると共に削り取られた潤滑剤粉Jがプラス極性に摩擦帯電される。
プラス極性に摩擦帯電されている潤滑剤粉Jは、接触位置P1を通過後、ブラシ繊維72に取り込まれた状態で、ブラシローラ63と感光体ドラム11Yとの接触位置P2に向けて搬送される。
感光体ドラム11Yの帯電極性は、上記のようにマイナス極性であり、クリーニング後であってもマイナスの残留電荷が残っていることが多いので、プラス極性に摩擦帯電されている潤滑剤粉Jは、接触位置P2において、ブラシ繊維72が感光体ドラム11Yの周面に擦り付けられることによる機械的な塗布に加えて、クーロンの引力の作用により感光体ドラム11Yに引き付けられることによる静電的な塗布が行われる。
このように潤滑剤粉Jがプラス極性に帯電されるのは、上記のように摩擦帯電部材65とブラシ繊維72と固形潤滑剤64の仕事関数の大きさによる。
図4(a)に示すように、摩擦帯電前の摩擦帯電部材65の仕事関数をφm、ブラシ繊維72の仕事関数をφb、固形潤滑剤64の仕事関数をφjとすると、次の(式1)と(式2)の関係を満たすようになっている。
φm>φb・・・(式1)
φj<φave・・・(式2)
ここで、φave=(φm+φb)/2である。
図4(b)は、摩擦帯電部材65とブラシ毛先端部73との摩擦帯電により、摩擦帯電部材65とブラシ毛先端部73との仕事関数が変化する様子を示す図である。
上記(式1)により、摩擦帯電部材65の仕事関数φm>ブラシ繊維72の仕事関数φbの関係があるので、摩擦帯電部材65とブラシ毛先端部73との摩擦により、摩擦帯電部材65よりも仕事関数の低いブラシ毛先端部73の電子が摩擦帯電部材65に移動する。この電子の移動により、ブラシ毛先端部73が電気的に安定している状態から電子が不足する状態になってプラスに帯電し、仕事関数がφaveに上がって、固形潤滑剤64の仕事関数φjよりも高い状態になる。
ここで、仕事関数φaveは、〔(φm+φb)/2〕で現され、摩擦帯電による電子の移動により、摩擦帯電部材65とブラシ毛先端部73との双方の仕事関数が同じ大きさまで変化した場合のその大きさを示している。異なる2つの部材間における仕事関数の差によって電子が移動するので、仕事関数が同じ大きさということは、これ以上の電子の移動が行われない状態にあることになる。
摩擦帯電部材65との摩擦帯電によりブラシ毛先端部73の仕事関数がφaveに変化し、ブラシ毛先端部73は、摩擦帯電後、すなわち摩擦帯電部材65との接触位置P3(図3)を通過した後、仕事関数がφaveになった状態で、固形潤滑剤64との接触位置P1に向かい、接触位置P1を通過する際に固形潤滑剤64を削る。
図4(c)は、ブラシ毛先端部73が固形潤滑剤64を削るときの摩擦により、ブラシ毛先端部73と潤滑剤粉Jの仕事関数が変化する様子を示す図である。
上記(式2)により、摩擦帯電後のブラシ毛先端部73の仕事関数φave>固形潤滑剤64の仕事関数φjの関係があり、かつ摩擦帯電後のブラシ毛先端部73は、摩擦帯電部材65との摩擦帯電により電子を奪われた状態になっており、元の安定状態に戻ろうとして、ブラシ毛先端部73と固形潤滑剤64との摩擦により削り取られた潤滑剤粉Jから電子を奪う。すなわち、潤滑剤粉Jの電子がブラシ毛先端部73に移動する。
これにより、潤滑剤粉Jが電気的に安定していた状態から電子が不足する状態になってプラスに帯電する。潤滑剤粉Jからブラシ毛先端部への電子の移動により、ブラシ毛先端部73の仕事関数は、摩擦帯電部材65との摩擦帯電直後よりも低くなり、摩擦帯電前の安定状態に近づくことになる。
なお、ブラシ毛先端部73は、図3に示すようにプラスに帯電されている潤滑剤粉Jを、感光体ドラム11Yとの接触位置P2に搬送して感光体ドラム11Yに塗布する際に、感光体ドラム11Yの周面に接触する。
感光体ドラム11Yは、上記のようにマイナスの残留電荷が存在していることが多いので、その接触の際に感光体ドラム11Yから電子がブラシ毛先端部73に移動する場合がある。その時点でのブラシ毛先端部73が、安定状態よりも電子が少なくなっている場合には、電子の移動により安定状態に戻ることになる。電子が過剰に供給されようとすると、接地されている芯金71を介してアースに徐々に落とされることによって、ブラシ毛先端部73に過剰な電子が溜まり続けることが防止される。
これによりブラシ毛先端部73は、摩擦帯電前の安定状態に戻った後、ブラシローラ63の1回転により摩擦帯電部材65との接触位置P3に至り、接触位置P3を通過する際に再び、摩擦帯電部材65との摩擦帯電によりプラス極性に帯電される。
上記のように、ブラシ毛先端部73が摩擦帯電部材65で摩擦帯電されてからブラシローラ63の1回転により摩擦帯電部材65の位置に戻るまでのサイクルが、ブラシ繊維72を構成する1本1本のブラシ毛について、ブラシローラ63の1回転毎に繰り返されることにより、潤滑剤粉Jが感光体ドラム11Yの帯電極性の逆極性であるプラスに帯電した状態で感光体ドラム11Yに供給することができるようになる。
なお、摩擦帯電部材65に存在する電子は、ここではブラシローラ63の回転停止時にブラシ繊維72から芯金71を介してアースに落とされることにより、摩擦帯電部材65に溜まり続けることが防止される。
(4)潤滑剤塗布評価の実験結果について
図5は、実施例1、2および比較例1〜4の構成において潤滑剤塗布が良好に行われたか否かを示す実験の結果を示す図である。
同図に示す摩擦帯電部材、塗布ブラシ、潤滑剤の各欄は、用いた材質と仕事関数の大きさを示しており、ブラシ電圧印加の欄は、ブラシローラに電圧を印加したか否かを示し、潤滑剤塗布評価の欄は、耐久前と、耐久、ここでは10、20、30万枚のプリント後におけるそれぞれの評価を示している。
(4−1)実験条件
同図に示す仕事関数の大きさは、紫外線電子分光法(UPS測定法)により測定された数値を示しており、ここではVG Scientific社製のESCALab200Rを用いた。具体的には、紫外線He−Iを照射し、運動エネルギーが20〜50eV間での測定を行い、価電子帯レベルのバンド幅を求め、紫外線He−IのエネルギーによりHOMOレベルを求めた。
実験機は、コニカミノルタ社製bizhub Pro 6501P(A4用紙:65枚/分、600dpi)をベースに、摩擦帯電部材、塗布ブラシ、潤滑剤を上記の実施例と比較例のそれぞれの材質に代えたものを作製して、これを各例の実験機とした。
塗布ブラシは、繊維の材質を除いて、繊維太さ6デシテックスで、繊維抵抗が10Ωの導電性繊維を、外径6mmの金属製の芯金に基布厚み0.5mmでブラシ外径が12mm(繊維高さ2.5mm)、繊維密度120KF/inchでロール状にしたものを用いた。固形潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛を固形化したものを用い、押圧バネにより塗布ブラシに対して、6N/mの押圧力になるように当接させた。
摩擦帯電部材は、塗布ブラシと接触する表面がPTFEからなる固定部材を用い、塗布ブラシのブラシ繊維と摩擦帯電するように配置した。なお、摩擦帯電部材の、塗布ブラシに対する食い込み量は、1mmとしたが、ブラシ繊維が摩擦帯電部材のエッジに当たって削られる、いわゆるフリッカとして摩擦帯電部材が働くことのないように、摩擦帯電部材の、塗布ブラシと接触する領域の回転方向上流端(ブラシ繊維が摩擦帯電領域に入る入口に相当)と下流端(ブラシ繊維が摩擦帯電領域から出る出口に相当)については、食い込み量が0になるようにしている。
均し部材としては、ポリウレタンゴムを厚み2mmで突き出し量を8mmにして板金に保持し、感光体ドラムに対して当接角を10°、当接力が10N/m〜30N/mの範囲内になるように調整した。ポリウレタンゴムは、硬度62〜78度、反発弾性が8〜45%(いずれも25℃における測定値)のものを使用した。
潤滑剤塗布評価は、耐久の枚数ごとに感光体ドラムの摩擦係数を代用測定値として用いて評価した。目標となる摩擦係数を維持することは、潤滑剤の塗布が目標値を維持することと同等とみなせるからである。
ここで、耐久前とは、実験に先立って感光体ドラムにある程度の潤滑剤を塗布するために100枚のプリントを行う場合のその100枚のプリント後の結果を示している。この耐久前のプリントは、23℃55%RHの環境下で、各色1%相当の濃度の画像を100枚連続プリントすることにより行われた。この100枚連続プリントにより感光体ドラムに潤滑剤が塗布され、潤滑剤が塗布された後、摩擦係数測定を行った。
摩擦係数の測定は、HEIDON製 トライボギア ミューズ94iの摩擦係数測定用プローブにネル布(コットン100%)を貼付して測定し、摩擦係数が0.3未満であれば○、0.3〜0.4であれば△、0.4以上であれば×として評価した。
耐久は、23℃55%RHの環境下で、各色について、20%相当の格子状ライン画像(ブルー)を10万枚、20万枚、30万枚連続プリントすることにより行われた。各枚数分の連続プリント終了時における潤滑剤評価方法は、耐久前と同じ摩擦係数の測定により行われた。なお、Y〜Kの各色について測定したが、どの色でも同じ結果となった。
(4−2)実験結果
実施例1と2は、それぞれ上記の(式1)と(式2)を満たすものであり、耐久前および耐久後において全て評価結果が○になっており、長期に亘って必要な量の潤滑剤を感光体ドラムに塗布し続けることができた。
一方、比較例1は、(式1)を満たすが、(式2)を満たしていない構成であり、(式2)を満たさないことから、摩擦帯電後のブラシ毛先端部73の仕事関数φaveが固形潤滑剤64の仕事関数φjよりも低くなり、潤滑剤粉Jの極性をマイナスにしてしまう。このため、目標の潤滑剤塗布量を供給することができず、評価結果が×になった。
比較例2は、(式1)を満たしておらず、(式2)を満たす構成である。
(式1)を満たしていないということは、ブラシ繊維72の仕事関数φbの方が摩擦帯電部材65の仕事関数φmよりも高い構成であり、ブラシ毛先端部73が摩擦帯電部材65で摩擦帯電される際に摩擦帯電部材65から電子を奪うため、ブラシ毛先端部73がマイナス極性に帯電される。
一方で、(式2)が満たされているので、潤滑剤粉Jの極性をプラスにすることができ、感光体ドラムに潤滑剤粉Jを塗布することができる。しかしながら、初期的には塗布が行えるが、摩擦帯電後のブラシ毛先端部73の極性がマイナスなので、プラスの潤滑剤粉Jが次第にブラシ繊維72の中に蓄積され、その蓄積量が増えると、やがてブラシ繊維72に潤滑剤粉Jが詰まったようになり、潤滑剤塗布機能が低下することになる。
このことから比較例2は、耐久前では評価結果が○であったが、耐久が進むに連れて評価結果が△から×に移っていき、長期に亘って必要な量の潤滑剤を感光体ドラムに塗布し続けることができなかった。
比較例3は、摩擦帯電部材65を備えない構成であり、潤滑剤粉Jの帯電極性は、ブラシ繊維72と潤滑剤との仕事関数で決まることになる。比較例3では、ブラシ繊維72の仕事関数φb<潤滑剤の仕事関数φjの関係があるので、潤滑剤粉Jの帯電極性は、マイナスになる。これにより、長期に亘って必要な量の潤滑剤を感光体ドラムに塗布し続けることができなかった。
比較例4は、摩擦帯電部材65を備えない構成、かつブラシローラ63にマイナスの電圧を印加する構成である。摩擦帯電部材65を備えない構成のため、潤滑剤粉Jの帯電極性は、ブラシ繊維72と潤滑剤との仕事関数で決まる。比較例4では、ブラシ繊維72の仕事関数φb<潤滑剤の仕事関数φjの関係があるので、潤滑剤粉Jの帯電極性は、マイナスになる。また、ブラシローラ63に印加されるマイナスの電圧は、感光体ドラムのマイナスの残留電位よりも絶対値で大きい値が設定されている。
このブラシローラ63と感光体ドラム間に生じる電位差により、ブラシローラ63に削り取られた潤滑剤粉Jは、ブラシローラ63が感光体ドラムの周面と接触する接触位置P2で感光体ドラムの周面に移動し易くなるが、その一方でブラシローラ63へのマイナス電圧の印加により、それぞれのブラシ毛先端部73で電界強度が強くなって放電が起き易く、ブラシ繊維72の劣化が早期に進み易くなる。
このため、耐久前や耐久開始直後では、評価結果が○であったが、耐久が進むに連れて評価結果が△から×に移り、結果的に長期に亘って必要な量の潤滑剤を感光体ドラムに塗布し続けることができなかった。
以上、説明したように本実施の形態では、摩擦帯電部材とブラシ繊維と固形潤滑剤を、上記の(式1)と(式2)を満たす材料のものを用いるので、ブラシローラに電圧を印加することなく、長期に亘って必要な量の潤滑剤粉を感光体ドラムに供給し続けることができ、摩擦係数を低くすることによりクリーニングブレードの磨耗や破損を防ぎ、クリーニングブレードを長寿命化できると共に、転写性、クリーニング性の向上、および感光体ドラム周面の磨耗の進行を抑えて、感光体ドラムの長寿命化を実現することができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、固形潤滑剤64を削り取って、削り取った潤滑剤粉Jを感光体ドラムに塗布する塗布部材として、ブラシローラ63を用いる例を説明したが、その形状はブラシ状に限られない。例えば、スポンジ状のものや、周面に微小な凹凸などの粗さを設けてなるローラなどを用いることもできる。
(2)上記実施の形態では、ブラシローラ63が感光体ドラム11Yとの接触位置である位置P2において、感光体ドラム11Yの回転方向に対して逆方向に回転する構成例を説明したが、これに限られず、例えば同方向に回転する構成としても良い。
この構成の場合、摩擦帯電部材65は、ブラシローラ63の周囲においてブラシローラ63の回転方向に接触位置P2よりも下流かつ接触位置P1よりも上流の位置に配置される。ブラシローラ63の回転方向は、装置構成によって適した方向が決められる。
(3)上記実施の形態では、摩擦帯電部材65がPTFEからなり、ブラシ繊維72(塗布部材)がポリエチレンからなり、固形潤滑剤64がステアリン酸亜鉛からなるものを用いる例を説明したが、これらの材料に限られることはない。塗布部材と摩擦帯電部材と固形潤滑剤は、その仕事関数が上記の(式1)と(式2)を満たす材料のものを選択して用いることができる。
上記の(式1)と(式2)を満たす範囲内で、例えば塗布部材をポリエステル系樹脂繊維やアクリル系樹脂繊維、または金属繊維を用いることもできる。また、ブラシの構成は、織った基布を芯金に巻いた織りブラシでもあっても良いし、また静電吸引力によって芯金に植毛する静電植毛ブラシであっても良い。
また、例えば固形潤滑剤64をステアリン酸亜鉛に代えて、ステアリン酸マグネシウムやステアリン酸リチウムといった脂肪酸金属塩を利用することもできる。
さらに、摩擦帯電部材をPTFEとしたが、フッ素を含む樹脂一般、例えばPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PFEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)などを用いるとしても良い。
上記では、(式1)と(式2)を用いたが、例えば塗布部材と摩擦帯電部材と固形潤滑剤の各材料が、摩擦帯電部材との摩擦で像担持回転体(感光体ドラム)の帯電極性とは逆極性に帯電した塗布部材により削り取られた潤滑剤粉の帯電極性が、像担持回転体の帯電極性と逆極性になるような仕事関数の大きさのものから選択される構成をとれば、上記の実施の形態と同じような条件で潤滑剤塗布を行うことができる。
(4)上記実施の形態では、摩擦帯電部材65がブラシローラ63のブラシ繊維72の先端部73に食い込むようになる位置に配置するとしたが、ブラシ繊維72との接触により摩擦帯電されれば良く、その食い込み量は装置構成に応じて適した値が設定される。
(5)上記実施の形態では、本発明に係る潤滑剤塗布装置およびこれを備える画像形成装置をタンデム型カラーデジタルプリンタ等に適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、像担持回転体表面に潤滑剤を塗布する構成であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。また、像担持回転体を感光体ドラムとする構成例を説明したが、ドラム状に限られず、例えばベルト状のものなどであっても良い。さらに、潤滑剤塗布部69がクリーナ16Yに設けられている構成例を説明したが、クリーナ16Yとは別に配置される構成であっても構わない。また、潤滑剤塗布部(装置)は、少なくともブラシローラ63と摩擦帯電部材65とを備える構成であれば良い。
また、感光体ドラム上の残留トナーを除去するクリーニング部材としてクリーニングブレード61を用いる構成例を説明したが、ブレード状のものに限られず、他の形状のものであっても構わない。この場合、クリーニングブレード61と感光体ドラム11Y周面との摩擦力の増大が問題にならない場合があり得るが、このような場合でも潤滑剤の安定供給により、例えば転写性を長期に亘って向上することができるという効果がある。
また、帯電部材としてローラ状の帯電器12Y〜12Kを用いる構成例を説明したが、ローラ状に限られず、他の形状のものや帯電チャージャなどを用いるとしても良い。さらに、感光体ドラム11Yの周面に塗布された潤滑剤を均す均し部材として、均しブレード68を用いる例を説明したが、均す機能を有するものであれば、ブレード状のものに限られず、例えばローラ状のものを用いることもできる。
上記の各部材の材料、大きさ、電気抵抗値などが上記のものに限られないことはいうまでもなく、装置構成に応じて適した材料、大きさなどが決められる。
さらに、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明に係る潤滑剤塗布装置は、画像形成装置に設けられている像担持回転体に潤滑剤を塗布する技術として有用である。
11Y、11M、11C、11K 感光体ドラム
12Y、12M、12C、12K 帯電ローラ
61 クリーニングブレード
63 ブラシローラ
64 固形潤滑剤
65 摩擦帯電部材
68 均しブレード
69 潤滑剤塗布部
71 芯金
72 ブラシ繊維
73 ブラシ毛先端部
J 潤滑剤粉

Claims (8)

  1. 像担持回転体を有する画像形成装置に備えられ、固形潤滑剤を削り、削り取った潤滑剤粉を像担持回転体の周面に塗布する潤滑剤塗布装置であって、
    像担持回転体と固形潤滑剤の間に介在し、回転により固形潤滑剤を第1位置で削り、削り取った潤滑剤粉を第2位置で像担持回転体の周面に塗布する塗布部材と、
    塗布部材の回転方向に沿って第2位置よりも下流かつ第1位置よりも上流の位置で、回転している塗布部材に当接して、塗布部材を摩擦帯電させる摩擦帯電部材と、を備え、
    摩擦帯電部材と塗布部材と固形潤滑剤の各材料として、摩擦帯電部材との摩擦で帯電している塗布部材により削り取られた潤滑剤粉の帯電極性が像担持回転体の帯電極性と逆極性になるような仕事関数の大きさのものが選択されていることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  2. 像担持回転体の帯電極性は負であり、前記摩擦帯電が行なわれる前の、塗布部材の仕事関数をφb、摩擦帯電部材の仕事関数をφm、固形潤滑剤の仕事関数をφjとしたとき、
    φm>φb、かつ、φj<(φm+φb)/2の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤塗布装置。
  3. 前記塗布部材は、
    ブラシ状の部材からなることを特徴とする請求項1または2に記載の潤滑剤塗布装置。
  4. 前記塗布部材は、
    芯金の周囲に導電性のブラシ繊維が設けられてなり、芯金が接地されていることを特徴とする請求項3に記載の潤滑剤塗布装置。
  5. 前記摩擦帯電部材は、
    フッ素を含む樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置。
  6. 前記画像形成装置には、像担持回転体の周面に当接して、その周面に残留しているトナーを除去するクリーニング部材が配置されており、
    前記塗布部材は、
    クリーニング部材が像担持回転体の周面に当接している位置よりも、像担持回転体の回転方向下流の位置で像担持回転体の周面に接触することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置。
  7. 前記塗布部材が像担持回転体の周面に潤滑剤を塗布する第2位置よりも、像担持回転体の回転方向下流の位置に配され、像担持回転体の周面に接触して、塗布部材により像担持回転体に塗布された潤滑剤を均す均し部材を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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