JP5585089B2 - 劣化状態判定装置、画像形成装置及び劣化状態判定プログラム - Google Patents

劣化状態判定装置、画像形成装置及び劣化状態判定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、劣化状態判定装置、画像形成装置及び劣化状態判定プログラムに関する。
印刷装置(プリンタ)や複写機(コピー機)等の画像形成装置では、例えば、記録材としての用紙を用紙収納部から取り出して後段の装置部(例えば画像形成部)へ供給する給紙機構部における給紙動作において、ミスフィード(0枚を給紙)、重送(複数枚を重畳して給紙)、スキュー(搬送方向に対して傾いた状態で給紙)等の給紙不良が発生することがある。給紙不良状態では、用紙を取り除く等の煩わしい復旧作業が発生するとともに、一時的な装置の停止に伴い生産性の低下をもたらす。
給紙不良の原因が、用紙を移動させるためのロール部材等の構成部品の劣化によるものである場合には、一時的な復旧作業を行っても、断続的或いは継続的に給紙不良が発生する可能性が高い。
ここで、ロール部材の劣化を原因とした給紙不良を予防するために、例えば、用紙走行枚数からロール部材の劣化状態を判断して、予防的に構成部品を交換する等のメンテナンスを行う手法が知られている。
また、例えば、用紙が通過したタイミングを検出するタイミングセンサを用紙搬送途中の複数地点に配し、各タイミングセンサの計測結果によって、或る区間の通過に要した時間を求めて当該区間における移動速度を算出し、ロール部材の劣化状態を判断する手法が知られている。この手法に関し、図14には、カット紙(1枚ずつ裁断された用紙)に対応した給紙機構部の構成を例示してあり、図13には、連続紙(各ページがミシン目を介して連結された用紙)に対応した給紙機構部の構成を例示してある。
まず、カット紙の場合について説明する。図14の給紙機構部では、用紙PB(カット紙)が収納される用紙収納部91と、用紙収納部91から用紙PBを1枚ずつ取り出すピックアップロール92と、ピックアップロール92により取り出された用紙PBを下流側へ移動させるフィードロール対93(フィードロール93a、93b)と、当該用紙PBを更に下流側へ移動させる搬送ロール対94(搬送ロール94a、94b)とを備え、後段の装置部(例えば画像形成部)へ用紙PBを供給(給紙)する機能を有する。また、ピックアップロール92の上流部分、フィードロール対93と搬送ロール対94の間、及び搬送ロール対94の下流部分の各位置に、第1〜第3のタイミングセンサ95〜97を設けてある。そして、例えば、第1のタイミングセンサ95と第2のタイミングセンサ96との区間(測定区間)の距離Lと、これらのタイミングセンサ95、96の設置位置を用紙PBの先端又は後端が通過したタイミングとに基づいて、測定区間における用紙PBの移動速度を算出する。
次に、連続紙の場合について説明する。図13の給紙機構部では、用紙PA(連続紙)が収納される用紙収納部81と、用紙収納部81から用紙PAを取り出すピックアップロール82と、ピックアップロール82により取り出された用紙PAを下流側へ移動させるフィードロール対83(フィードロール83a、83b)と、当該用紙PAを更に下流側へ移動させる搬送ロール対84(搬送ロール84a、84b)とを備え、後段の装置部(例えば画像形成部)へ用紙PAを供給(給紙)する機能を有する。また、フィードロール対83と搬送ロール対84の間、及び搬送ロール対84の下流部分の各位置に、第1及び第2のタイミングセンサ85、86を設けてある。そして、例えば、第1のタイミングセンサ85と第2のタイミングセンサ86との区間(測定区間)の距離Lと、これらのタイミングセンサ85、86の設置位置を連続紙における先頭ページの用紙PAの先端が通過したタイミングとに基づいて、連続紙における先頭の用紙PAについて測定区間における移動速度を算出する。なお、連続紙における他のページ(先頭ページ以外)については、その先端部分の通過をタイミングセンサ85、86で検知することが困難なため、その移動速度は算出されない。
また、給紙に用いるロール部材の劣化の判断に関し、以下のような技術が開示されている。
例えば、給紙トレイ内の印刷用紙と対向する位置に変位情報取得部を設け、印刷用紙の搬送方向の後端通過や移動速度を検出し、変位情報取得部が、照明光を印刷用紙に照射し、その散乱反射成分を移動量検出センサで受光し、移動量検出センサが、搬送過程にある印刷用紙表面に現れる構造的特徴を観察することで後端通過を検知し、コントロール回路が、第1センサを用いて求められる、ソレノイドのON時間を基点とする第1センサ通過時間を、変位情報取得部を用いて求められる用紙後端通過時間で補正して、第1センサ通過時間を求め、第1センサ通過時間の正常範囲に対するずれの度合いに基づき、故障の有無や故障の状態、故障内容の診断を行なう技術が開示されている(特許文献1参照)。
例えば、シート搬送装置は、シートを搬送する搬送ローラと、当該搬送ローラによるシートの搬送速度を示す搬送速度データを測定し、測定された複数個の搬送速度データを使用して、搬送ローラの搬送性能の劣化度合いを判定する制御部とを備え、制御部は、測定される搬送速度データが判定に不適切なデータとなる可能性が高い所定の事象を検知すると、そのとき測定された搬送速度データを無視する技術が開示されている(特許文献2参照)。
特開2005−206307号公報 特開2007−050940号公報
本発明は、記録材を収容部から後段側の装置へ記録材を供給する部位におけるロール部材の劣化状態を精度良く判定できるようにすることを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、ロール部材の回転によって記録材を移動させることで、記録材を収容部から後段側の装置へ記録材を供給する供給手段と、予め定められた観測点における前記ロール部材による記録材の移動速度を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された移動速度のデータを記録材の供給量に関連付けて蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段により記録材の供給量に関連付けて蓄積された移動速度データに基づいて、前記ロール部材の劣化状態を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする劣化状態判定装置である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の劣化状態判定装置において、前記判定手段は、前記蓄積手段により記録材の供給量に関連付けて蓄積された移動量データに基づいて、記録材の供給量と記録材の移動速度との関係式を導き出し、当該関係式を用いて前記ロール部材の劣化状態を判定する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の劣化状態判定装置において、前記検出手段による移動速度の検出対象となる時間範囲は、前記ロール部材による記録材の移動動作を開始して予め定められた時間を経過した後の時間範囲である、ことを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の劣化状態判定装置において、前記検出手段として、記録材の移動量を予め定められた時間間隔毎に測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果に基づいて記録材の移動速度を算出する算出手段とを有し、前記判定手段による前記ロール部材の劣化状態の判定を、前記測定手段により測定された移動量のデータ数が予め定められた基準データ数に満たない記録材を除外して行うようにする、ことを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の劣化状態判定装置において、前記検出手段として、記録材の移動量を予め定められた時間間隔毎に測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果に基づいて記録材の移動速度を算出する算出手段とを有し、前記判定手段による前記ロール部材の劣化状態の判定を、予め定められた基準移動量に満たない移動量が前記測定手段により測定された記録材を除外して行うようにする、ことを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の劣化状態判定装置において、自装置又は後段側の装置に発生したエラーを検出する検出手段を備え、前記判定手段による前記ロール部材の劣化状態の判定を、前記ロール部材による移動動作中に前記検出手段によりエラーが検出された記録材を除外して行うようにする、ことを特徴とする。
請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の劣化状態判定装置において、前記ロール部材として、記録材を収容部から取り出すための第1ロール部材と、当該第1ロール部材により取り出された記録材を後段側の装置へ送出するための第2ロール部材を有し、前記判定手段は、記録材の移動に対する寄与率が前記第1ロール部材の方が高い期間における記録材の移動速度に基づいて前記第1ロール部材の劣化状態を判定し、記録材の移動に対する寄与率が前記第2ロール部材の方が高い期間における記録材の移動速度に基づいて前記第2ロール部材の劣化状態を判定する、ことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、ロール部材の回転によって記録材を移動させることで、記録材の収容部から前記画像形成手段側へ記録材を供給する供給手段と、予め定められた観測点における前記ロール部材による記録材の移動速度を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された移動速度のデータを記録材の供給量に関連付けて蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段により記録材の供給量に関連付けて蓄積された移動速度データに基づいて、前記ロール部材の劣化状態を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に記載の本発明は、ロール部材の回転によって記録材を移動させることで、記録材の収容部から後段側の装置へ記録材を供給する装置に係るコンピュータに、予め定められた観測点における前記ロール部材による記録材の移動速度を検出する検出機能と、前記検出機能により検出された移動速度のデータを記録材の供給量に関連付けて蓄積手段に蓄積させる蓄積機能と、前記蓄積機能により記録材の供給量に関連付けて蓄積された移動速度データに基づいて、前記ロール部材の劣化状態を判定する判定機能と、を実現させるための劣化状態判定プログラムである。
請求項1に記載の本発明によると、記録材を収容部から後段側の装置へ記録材を供給する部位におけるロール部材の劣化状態を、本発明を適用しない場合に比べて精度良く判定することが可能になる。例えば、連続紙に対応した給紙機構部におけるロール部材の劣化状態を、先頭ページの移動速度だけでなく各ページの移動速度に基づいて判定することができ、また、カット紙において連れ送りが発生した場合でも支障なく判定することができる。
請求項2に記載の本発明によると、装置の運用状況や動作環境等の要因に応じたロール部材の劣化の進行具合を考慮して判定することができる。更に、例えば、現在の移動速度を関係式と比較することで、現時点におけるロール部材の劣化状態を判定することができ、例えば、ロール部材の交換の目安となる移動速度に関する閾値を関係式と比較することで、ロール部材の交換が必要となる時点における供給量を判定することができる。
請求項3に記載の本発明によると、移動動作を開始した直後の移動速度が不安定な状態ではなく、移動速度が安定した状態における検出結果に基づいてロール部材の劣化状態を判定することができ、判定精度が高められる。
請求項4に記載の本発明によると、連れ送り等によって十分な測定ができなかった記録材を除外してロール部材の劣化状態を判定することができ、判定精度が高められる。
請求項5に記載の本発明によると、測定結果に異常値が含まれる記録材を除外してロール部材の劣化状態を判定することができ、判定精度が高められる。
請求項6に記載の本発明によると、移動動作中に装置エラーが発生した記録材を除外してロール部材の劣化状態を判定することができ、判定精度が高められる。
請求項7に記載の本発明によると、記録材を収容部から取り出すための第1ロール部材と、当該第1ロール部材により取り出された記録材を後段側の装置へ送出するための第2ロール部材のそれぞれについて、劣化状態を判定することができる。
請求項8に記載の本発明によると、記録材を収容部から後段側の装置へ記録材を供給する部位におけるロール部材の劣化状態を、本発明を適用しない場合に比べて精度良く判定することが可能になる。
請求項9に記載の本発明によると、記録材を収容部から後段側の装置へ記録材を供給する部位におけるロール部材の劣化状態を、本発明を適用しない場合に比べて精度良く判定することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置における劣化状態判定部の機能ブロックを例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置における劣化状態判定に関する処理フローを例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置における連続紙に対応した給紙機構部の構成を例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置における連続紙を基準とした視点での移動量測定の軌跡を例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置における連続紙についてのデータ採取に関する処理フローを例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるカット紙に対応した給紙機構部の構成を例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるカット紙を基準とした視点での移動量測定の軌跡を例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるカット紙についてのデータ採取に関する処理フローを例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置における用紙移動量の検出結果を例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置で導き出される劣化予測曲線を例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置における給紙動作での各ロール部材の寄与率を例示する図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるハードウェア構成を例示する図である。 従来方式の画像形成装置における連続紙に対応した給紙機構部の構成を例示する図である。 従来方式の画像形成装置におけるカット紙に対応した給紙機構部の構成を例示する図である。
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置における劣化状態判定部の機能ブロックを例示してある。なお、画像形成装置としては、例えば、印刷装置(プリンタ)、複写機(コピー機)、ファクシミリ装置、或いは、印刷・複写・ファクシミリ等の機能を複合的に備えた複合機などが用いられる。
本例の劣化状態判定部は、記録材としての用紙を用紙収納部から取り出して後段の装置部(画像形成部側)へ供給する給紙機構部において給紙動作に用いられるロール部材の劣化状態を判定する機能を有しており、用紙移動量検出部11、RTC(Real Time Clock)12、用紙搬送駆動制御部13、エラー情報検出部14、劣化判定部15、通知部20を備えている。
用紙移動量検出部11は、RTC12により計時される現在時刻のデータに基づいて、サンプリング周期として予め定められた測定間隔(例えば10ms)毎に給紙機構部のロール部材により移動される用紙の移動量を検出し、その検出値(移動量)を表す移動量データを劣化判定部15へ出力する。本例では、発光部及び撮像部を備えた移動量測定センサーを給紙機構部内の搬送経路の途中(例えば、用紙収納部から用紙を取り出すためのピックアップロールの上流部分)に設け、発光部から用紙へ光を照射した部分を撮像部で撮像して撮影画像を得るようにし、時間的に異なるタイミングで得られた撮影画像同士(例えば、最新の撮影画像とその直前の撮影画像)を比較して、互いの撮影画像における共通部分について画像間の変位量から用紙移動量を検出し、測定間隔毎の移動量データを間欠的に出力する。なお、このような手法に限定するものではなく、他の手法により用紙の移動量を検出するようにしてもよい。
用紙搬送駆動制御部13は、給紙機構部の構成部品(例えば、ピックアップロールやフィードロールなどのロール部材を回転駆動させる各フィードモータ)の駆動制御を行う。本例では、構成部品の起動信号や停止信号を制御信号として用紙搬送駆動制御部13から用紙移動量検出部11へ出力するようにしており、この制御信号は用紙移動量検出部11における移動量検出の開始タイミングの決定に用いられる。すなわち、例えば、用紙移動量検出部11では、用紙収納部から用紙を取り出すためのピックアップロールを回転駆動させるフィードモータの起動信号を用紙搬送駆動制御部13から受けた時点(給紙の開始タイミング)から移動量検出を開始し、或いは、この起動信号を受けた後で予め定められた時間(例えば50ms)を経過した時点から移動量検出を開始する。また、用紙として連続紙を用いる場合などには、各ページの区切り毎にページ開始情報を用紙移動量検出部11に出力するようにして、給紙の開始タイミングをページ毎に特定できるようにしている。
エラー情報検出部14は、給紙機構部又は後段の装置部(例えば画像形成部)から機械状態情報を取得して、これら装置部に発生したエラーを検出する。検出されたエラーの情報は、用紙搬送駆動制御部13へ出力されて給紙機構部の構成部品の駆動制御に用いられるほか、劣化判定部15へ出力されて後述する劣化状態判定において参酌される。
劣化判定部15は、移動量算出部16と、移動量格納部17と、劣化状態値算出部18と、劣化状態判定部19を備え、用紙移動量検出部11による検出結果に基づいて給紙機構部のロール部材の劣化状態を判定する。
移動量算出部16は、給紙機構部による給紙動作中に用紙移動量検出部11から出力される測定間隔毎の移動量データの値を移動速度(単位時間あたりの用紙移動量)に換算する。
移動量格納部17は、移動量算出部16により算出された移動速度を表す移動速度データを、給紙枚数(供給量)を表す供給量データに関連付けて記憶部(メモリ)に蓄積する。以下の説明では、連続紙の供給量を表す単位としても「枚」を用いるが、この場合の1枚は1ページ(ミシン目で区切られた単位)に対応する。
本例では、移動速度を算出する対象の時間範囲として、給紙動作を開始してから予め定められた時間を経過した後の時間範囲(例えば給紙動作開始後の50ms〜100msの期間)を用いるようにして、給紙動作を開始した直後の移動速度が不安定な状態における検出値を除外するようにしている。なお、給紙動作の開始タイミングは、用紙搬送駆動制御部13から出力される制御信号やページ開始情報などに基づいて特定できる。
また、本例では、用紙1枚単位で移動速度を算出してその移動速度データを蓄積するようにしているが、測定間隔毎の移動量データをそれぞれ個別に移動速度データに変換して蓄積するようにしてもよく、或いは、メモリ容量や後続処理の処理負担を考慮して、複数枚(例えば10枚)の単位で移動速度を平均し、平均移動速度のデータを蓄積するようにしてもよい。
劣化状態値算出部18は、移動量格納部17に供給量データに関連付けて蓄積されている移動速度データに基づいて、給紙機構部のロール部材により移動される用紙の移動速度(単位時間あたりの用紙移動量)とその移動速度が検出された時点までの給紙枚数(供給量)との関係からロール部材の劣化状態値を算出する。本例では、後述するような劣化予測曲線(給紙枚数と移動速度との関係式)を導き出した上で、現時点までの給紙枚数を劣化予測曲線に照らして移動速度を算出し直し、当該算出し直した移動速度を劣化状態値として劣化状態判定部19へ出力する。
劣化状態判定部19は、劣化状態値算出部18から出力される劣化状態値(移動速度の逆算値)をロール部材の交換の目安となる移動速度に関する閾値(劣化閾値)と比較して、ロール部材の劣化状態を判定する。本例では、劣化状態値(移動速度の逆算値)が劣化閾値より小さい(又は劣化閾値未満)の場合に、交換が必要な程度の劣化状態であると判定し、他の場合に、交換が必要な程度の劣化状態でないと判定する。なお、現時点において検出された移動速度そのものではなく、現時点までの給紙枚数及び劣化予測曲線から逆算した移動速度と劣化閾値とを比較するのは、移動速度の検出毎にばらつきが生じることを考慮したものである。
通知部20は、劣化判定部15により交換が必要な程度の劣化状態であると判定された場合に、その旨を表す情報を、利用者(ユーザ)や、画像形成装置の管理を請け負う管理センタ(或いは管理者)や、印刷指示等を送った指示元のサービス(或いは端末装置)などに通知する。通知は種々の手法により行うことができ、例えば、ディスプレイ等の表示装置により表示出力してもよく、用紙等の記録材に印刷出力してもよく、送信先として設定された人物・装置・サービス等に宛てて送信出力してもよい。
以上のように、本例の画像形成装置における劣化状態判定部では、位置的に離れた2つ(又はそれ以上)の各観測点を用紙の先端又は後端が通過したタイミングとその観測点間の距離とに基づく用紙の移動速度ではなく、或る(1つの)観測点における用紙の移動速度そのものを検出してロール部材の劣化状態を判定するため、用紙の先端又は後端が通過したタイミングをページ単位で検出することが困難(すなわち、各ページについて移動速度を検出することが困難)な連続紙についてもページ単位で移動速度を取得することができ、給紙機構部におけるロール部材の劣化状態の判定を精度良く行うことが可能になる。
ここで、本例の劣化判定部15では、エラー情報検出部14によりエラー情報が出力された場合には、その際に給紙中の用紙を除外して劣化状態判定を行うようにしている。除外のやり方としては、例えば、該当する用紙について得られた移動速度データを移動量格納部17に蓄積されないよう廃棄してもよく、エラーが発生したことを表す情報を移動速度データに付して移動量格納部17に蓄積しておき、当該情報が付された移動速度データを劣化状態値算出部18の処理対象から除外するようにしてもよく、種々の手法を採用することができる。
また、本例の劣化判定部15では、移動速度を算出する対象の時間範囲内(例えば給紙動作開始後の50ms〜100msの期間)における移動量データのデータ数が予め定められた基準データ数に満たない用紙を除外して劣化状態判定を行うようにしている。除外のやり方としては、上述したような種々の手法を採用することができる。また、移動速度を算出する対象の時間範囲及び当該時間範囲における基準データ数としては、用紙の大きさに応じた設定としてもよい。なお、本例では、移動量が0又は移動していないと推定される程度に小さい値の移動量データを外してデータ数をカウントしている。
また、本例の劣化判定部15では、用紙移動量検出部11から出力される測定間隔毎の移動量データについて、移動速度を算出する対象の時間範囲内(例えば給紙動作開始後の50ms〜100msの期間)における移動量データ中に予め定められた基準移動量に満たないもの(異常値)が含まれる用紙を除外して劣化状態判定を行うようにしている。すなわち、その用紙について得られた全ての移動量データが基準移動量以上(正常値)である場合に劣化状態判定に用いるようにする。除外のやり方としては、上述したような種々の手法を採用することができる。
なお、本例では、劣化予測曲線から逆算した移動速度をロール部材の交換の目安となる移動速度に関する閾値(劣化閾値)と比較することで、現時点における劣化状態を判定しているが、このような判定に限定するものではない。すなわち、例えば、劣化予測曲線と劣化閾値を表す直線との交点から、ロール部材の交換が必要となることが予測される時点における給紙枚数(予測枚数)を判定するようにしてもよい。
また、本例では、用紙の供給量として給紙枚数を用いているが、これに限定するものではなく、例えば、手差し等により異なる大きさの用紙を給紙する場合等を考慮して、給紙した用紙の搬送方向の長さを供給量として取り扱うようにしてもよい。
図2には、本例の画像形成装置における劣化状態判定部による劣化状態判定に関する処理フローを例示してある。
本例の劣化状態判定部では、測定間隔毎の移動量データを少なくとも用紙1枚分について蓄積可能な測定値格納領域を有しており、測定値格納領域に用紙移動量検出部11で得られた測定間隔毎の移動量データを一時的に蓄積していく構成にしてある。
用紙1枚の給紙が終了して測定値格納領域に対するデータ更新(移動量データの蓄積)が完了すると(ステップS11)、移動量算出部16が、更新データ(測定間隔毎の移動量データ)に基づいて移動速度(単位時間あたりの用紙移動量)を算出し(ステップS12)、移動量格納部17が、その移動速度データを供給量データ(給紙枚数)に関連付けて蓄積していく。
そして、劣化状態値算出部18が、蓄積された供給量データ及び移動速度データに基づいて、予め定められた給紙枚数単位(例えば10枚単位)毎に移動速度を平均して平均移動速度(平均移動量値)を算出し(ステップS13)、この平均移動速度(平均移動量値)に基づいて、劣化予測曲線を表す多項式の各係数を曲線フィッティングにより算出する(ステップS14)。その後、劣化状態判定部19が、劣化予測曲線(多項式)から得られる現在値(移動速度の逆算値)が劣化閾値を超過しているか否かを判定し(ステップS15)、超過している場合には、通知部20が、給紙機構部のロール部材(例えばピックアップロール)の交換が必要である旨の報知を行う(ステップS16)。
本例の劣化状態判定部が設けられる給紙機構部について、記録材として連続紙が用いられる場合について、図3〜図5を参照して説明する。
図3には、連続紙に対応した給紙機構部の構成を例示してある。
本例の給紙機構部は、連続紙である用紙PAが収納される用紙収納部31と、用紙収納部31から用紙PAを取り出すピックアップロール32と、ピックアップロール32により取り出された用紙PAを下流側へ移動させるフィードロール対33(フィードロール33a、33b)と、当該用紙PAを更に下流側へ移動させる搬送ロール対34(搬送ロール34a、34b)とを備え、後段の装置部(例えば画像形成部)へ用紙PAを供給(給紙)する機能を有する。また、用紙収納部31とピックアップロール32の間の位置に移動量測定センサー35(用紙移動量検出部11)を設けてあり、更に、フィードロール対33と搬送ロール対34の間、及び搬送ロール対34の下流部分の各位置に、第1及び第2のタイミングセンサ35、36を設けてある。
本例では、用紙移動量検出部11としての移動量測定センサー35が、予め定められた測定間隔(例えば10ms)毎の用紙移動量を検出して移動量データとして出力し、これを受けた用紙移動量算出部16が、予め定められた時間範囲内(例えば給紙開始後の50ms〜100msの期間)について移動速度(単位時間あたりの用紙移動量)を算出する。ここで、移動速度を算出する対象の時間範囲は、第1又は第2のタイミングセンサ35、36による用紙先端の検知時点に基づいて定めるのではなく、連続紙のページ区切り毎に用紙搬送駆動制御部13から出力されるページ開始情報を受けた時点に基づいて定めることで、連続紙の各ページについて個別に移動速度を検出できるようにしている。これにより、連続紙に対応した給紙機構部におけるロール部材の劣化状態判定を実現している。
図4には、用紙(連続紙)を基準とした視点での移動量測定の軌跡を例示してある。
図中の右矢印は用紙搬送方向を示しており、連続紙である用紙PAが図中の左側から右側へ搬送されることを表している。図4では、移動量測定センサー35による移動量検出の開始時点における観測点をp(1)で示しており、その後、測定間隔(サンプリング周期)が経過した時点の観測点であるp(2)は、p(1)から距離mだけ左側へ移動した位置であり、測定間隔が経過する毎にp(3)、p(4)へと更に左側の位置に観測点が移動している。すなわち、用紙PAが左側から右側へ搬送されることに伴って、移動量測定センサー35による観測点は用紙PA上において右側から左側へ推移する。
図5には、連続紙についてのデータ採取に関する処理フローを例示してある。
本例では、ジョブ(例えば印刷ジョブ)が開始されると、ページの切り替わり制御などに用いられるページ開始情報に基づいて、ページ相当の用紙搬送の開始タイミングを特定し(ステップS21)、これに伴って、用紙移動量検出部11により得られる測定間隔毎の移動量データの採取(測定値格納領域への蓄積)を開始する(ステップS22)。
その後、ページ相当の用紙搬送が終了すると、ページ相当の用紙搬送を行っている間に給紙機構部又は後段の装置部(例えば画像形成部)にエラーが発生したか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の判定において、エラーが発生したと判定された場合には、測定値格納領域に蓄積された移動量データを廃棄し(ステップS27)、一方、エラーが発生していないと判定された場合には、更に、測定値格納領域に蓄積された移動量データのデータ数が予め定められた基準データ数以上であるか否か(及び全ての移動量データが基準移動量を超える正常値であるか否か)を判定する(ステップS24)。そして、ステップS24の判定において、データ数が予め定められた基準データ数以上でない(又は基準移動量を超えない異常値の移動量データが含まれる)と判定された場合には、測定値格納領域の蓄積データを廃棄する(ステップS27)。
一方、ステップS24の判定において、データ数が予め定められた基準データ数以上である(及び全ての移動量データが基準移動量を超える正常値である)と判定された場合には、測定値格納領域に蓄積された移動量データに基づいて移動速度を算出し、その移動速度データで移動量格納部17を更新(移動速度データを追加)する(ステップS25)。そして、ステップS25のデータ更新を終えると、ジョブが完了したか否かを判定し(ステップS26)、完了していないと判定された場合には、未完了のジョブについて同様の処理(ステップS21〜S25)の処理を繰り返し、完了したと判定された場合には処理を終了する。
なお、本例の劣化状態判定部が設けられる給紙機構部としては、記録材としてカット紙が用いられるものであってもよく、その場合について図6〜図8を参照して説明する。
図6には、カット紙に対応した給紙機構部の構成を例示してある。
本例の給紙機構部は、カット紙である用紙PBが収納される用紙収納部51と、用紙収納部51から用紙PBを取り出すピックアップロール52と、ピックアップロール52により取り出された用紙PBを下流側へ移動させるフィードロール対53(フィードロール53a、53b)と、当該用紙PBを更に下流側へ移動させる搬送ロール対54(搬送ロール54a、54b)とを備え、後段の装置部(例えば画像形成部)へ用紙PBを供給(給紙)する機能を有する。また、用紙収納部51の用紙取り出し面(本例では上面)における用紙搬送方向の下流側部分にピックアップロール53が設けられ、ピックアップロール53より上流側部分の位置に移動量測定センサー55(用紙移動量検出部11)が設けてある。
本例では、用紙移動量検出部11としての移動量測定センサー55が、予め定められた測定間隔(例えば10ms)毎の用紙移動量を検出して移動量データとして出力し、これを受けた用紙移動量算出部16が、予め定められた時間範囲内(例えば給紙開始後の50ms〜100msの期間)について移動速度(単位時間あたりの用紙移動量)を算出する。ここで、移動速度を算出する対象の時間範囲は、例えば、1枚の給紙毎に用紙搬送駆動制御部13から出力されるページ開始情報を受けた時点に基づいて定められる。なお、用紙の先端又は後端の通過を検知する通過検知センサーを用紙搬送経路の途中に設け、当該通過検知センサーにより用紙の先端又は後端の通過したことに基づいて、移動速度を算出する対象の時間範囲を定めるようにしてもよい。
図7には、用紙(カット紙)を基準とした視点での移動量測定の軌跡を例示してある。
図7(a)では、移動量測定センサー55による移動量検出の開始時点における用紙位置をS(1)で示し、その後、測定間隔(サンプリング周期)が経過した時点毎の用紙位置をS(2)、S(3)、S(4)で示してあり、時間の経過に伴って用紙搬送方向(本例では右方向)に用紙PBが進行していく様子を表している。また、図7(b)では、移動量測定センサー55による移動量検出の開始時点における観測点をp(1)で示しており、その後、測定間隔(サンプリング周期)が経過した時点の観測点であるp(2)は、p(1)から距離mだけ左側へ移動した位置であり、測定間隔が経過する毎にp(3)、p(4)へと更に左側の位置に観測点が移動している。すなわち、用紙PBが左側から右側へ搬送されることに伴って、移動量測定センサー55による観測点は用紙PB上において右側から左側へ推移する。
図8には、カット紙についてのデータ採取に関する処理フローを例示してある。
本例では、ジョブ(例えば印刷ジョブ)が開始されると、ページの切り替わり制御などに用いられるページ開始情報又は用紙搬送経路の途中に設けられた通過検知センサーによる用紙の先端又は後端の通過の検知に基づいて、給紙の開始タイミングを特定し(ステップS31)、これに伴って、用紙移動量検出部11により得られる測定間隔毎の移動量データの採取(測定値格納領域への蓄積)を開始する(ステップS32)。
その後、1枚の給紙が終了すると、給紙を行っている間に給紙機構部又は後段の装置部(例えば画像形成部)にエラーが発生したか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33の判定において、エラーが発生したと判定された場合には、測定値格納領域に蓄積された移動量データを廃棄し(ステップS37)、一方、エラーが発生していないと判定された場合には、更に、測定値格納領域に蓄積された移動量データのデータ数が予め定められた基準データ数以上であるか否か(及び全ての移動量データが基準移動量を超える正常値であるか否か)を判定する(ステップS34)。そして、ステップS34の判定において、データ数が予め定められた基準データ数以上でない(又は基準移動量を超えない異常値の移動量データが含まれる)と判定された場合には、測定値格納領域の蓄積データを廃棄する(ステップS37)。
一方、ステップS34の判定において、データ数が予め定められた基準データ数以上である(及び全ての移動量データが基準移動量を超える正常値である)と判定された場合には、測定値格納領域に蓄積された移動量データに基づいて移動速度を算出し、その移動速度データで移動量格納部17を更新(移動速度データを追加)する(ステップS35)。そして、ステップS35のデータ更新を終えると、ジョブが完了したか否かを判定し(ステップS36)、完了していないと判定された場合には、未完了のジョブについて同様の処理(ステップS31〜S35)の処理を繰り返し、完了したと判定された場合には処理を終了する。
図9には、本例の用紙移動量検出部11(移動量測定センサー35、55)による用紙移動量の計測結果を例示してある。横軸は給紙開始からの経過タイミング(ms)を表し、縦軸は測定された移動量(ポイント)を表している。図9(a)では、用紙1枚を給紙する過程で計測された移動量の変化状況(累積値)をグラフ61で示しており、また、データ採取区間として設定された期間(給紙動作開始後の50ms〜100msの期間)の部分を図9(b)に拡大して示しており、同図では10msあたりの移動量を移動速度として算出している。また、図9(a)には、カット紙の給紙における連れ送り(用紙収納部11における最上位の用紙の給紙に連れて次位(上から2番目)の用紙が若干進行すること)による位置ずれや、給紙開始時のスリップ等に起因して、通常より遅れたタイミングから移動量が計測され始めた場合の移動量の変化状況(累積値)をグラフ62で示してある。このように、給紙開始を開始して暫くは移動速度が不安定な状態であるため、本例では、給紙動作を開始してから予め定められた時間を経過した後の時間範囲についてデータ採取するようにしている。なお、スリップの判別は、給紙開始からの速度立ち上がりの遅れ、或いは用紙搬送中の移動速度の低下(移動量の減少)から判別できる。
次に、本例の劣化状態値算出部18により導き出される劣化予測曲線(給紙枚数と移動速度との関係式)について説明する。
図10には、本例の劣化状態値算出部18により導き出される劣化予測曲線を例示してある。横軸は給紙枚数(k枚)を表し、縦軸は移動速度(mm/s)を表している。図10では、給紙枚数と移動速度(実測値)との関係をそのままプロット(符号41)して示すと共に、これに基づいて導き出される劣化予測曲線42を示してある。また、ロール部材の交換の目安となる移動速度に関する閾値(劣化閾値)43、当該ロール部材が性能的な限界に達したと想定される場合の移動速度(性能限界値)44、当該ロール部材による現時点までの給紙枚数45を併せて示してある。なお、劣化閾値としては、性能限界値より手前の値(高い移動速度値)が設定される。図10によると、現時点では300k枚(30万枚)程度の給紙が行われたがロール部材をまだ交換する必要がなく、これまでと同様に画像形成装置が利用される場合には、400k枚(40万枚)程度の給紙時点で交換が必要となると予測されることがわかる。
本例では、劣化状態値算出部18が、逐次蓄積される単位当たりの移動速度データに基づいて、給紙枚数をx、移動速度をyとした場合にy(x,w)=w22+w1x+w0で表現される劣化予測曲線について誤差関数が最小となる各係数w2、w1、w0を求める(曲線フィッティング)ことを行う。そして、劣化状態判定部19が、劣化状態値算出部18により得られた多項式(線形回帰モデル)を劣化閾値と比較して、現在の状態が劣化閾値を超えた劣化状態にあるか否かを判定し、通知部20が、劣化状態判定部19により劣化状態にあると判定された場合にその旨の警告(通知)を行う。
なお、本例において曲線フィッティングにより得られた図10の劣化予測曲線42は、多項式y=−1E−04x2−0.0015x+199.41で表され、R2=0.9974となる。このR2は決定係数と呼ばれるもので、近似曲線の予想値が実際のデータにどの程度近いかを示しており、1に近づくほど予測値が曲線フィッティングで表されている確率が高いことを示す。
次に、カット紙に対応した給紙機構部において、複数のロール部材を用いて給紙する場合の各ロール部材による寄与率に基づく劣化状態判定について説明する。
図11には、2つのロール部材を用いて給紙する場合の各ロール部材(本例では、図6におけるピックアップロール52とフィードロール対53)の寄与率を例示してある。横軸は用紙収納部51を基点とした場合の用紙の先端部の搬送距離(mm)を表し、縦軸は給紙動作に対する各ロール部材による寄与率(%)を表している。また、グラフ65はピックアップロール52の寄与率であり、グラフ66はフィードロール対53の寄与率である。同図によると、或る程度の用紙搬送距離まではピックアップロール52の寄与率が100%でフィードロール対53の寄与率が0%であり、その後、次第にフィードロール対53の寄与率が上昇すると共にピックアップロール52の寄与率が低下していって寄与率の関係が逆転し、最終的に、ピックアップロール52の寄与率が0%でフィードロール対53の寄与率が100%になっている。
そこで、上記のように複数のロール部材を用いて給紙する場合の各ロール部材の寄与率の関係に基づいて、給紙動作に対する寄与率がピックアップロール52の方が高い期間における用紙移動速度に基づいてピックアップロール52の劣化状態を判定することができ、また、給紙動作に対する寄与率がフィードロール対53の方が高い期間における用紙移動速度に基づいてフィードロール対53の劣化状態を判定することができる。なお、3以上のロール部材を用いて給紙を行う場合において、各ロール部材による寄与率の関係に基づいて各ロール部材のそれぞれについて劣化状態を判定するようにしてもよい。
図12には、本例に係る画像形成装置のコンピュータにおける主要なハードウェアを例示してある。
本例では、各種演算処理を行うCPU71、CPU71の作業領域となるRAM72や基本的な制御プログラムを記録したROM73等の主記憶装置、本発明の一実施形態に係るプログラムや各種データを記憶する補助記憶装置(例えば、HDD等の磁気ディスクや、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリなど)74、各種情報を表示出力するための表示装置や操作者により入力操作に用いられる操作ボタンやタッチパネル等の入力機器とのインタフェースである入出力I/F75、他の装置との間で有線又は無線により通信を行うインタフェースである通信I/F76、等のハードウェア資源を有するコンピュータにより構成されている。
そして、本発明の一実施形態に係るプログラムを補助記憶装置74等から読み出してRAM72に展開し、これをCPU71により実行させることで、本発明の一実施形態に係る劣化状態判定装置の各機能を画像形成装置のコンピュータ上に実現している。
なお、1台のコンピュータにより劣化状態判定装置(或いは画像形成装置)を実現してもよく、各機能部を複数台のコンピュータに分散して設けて劣化状態判定装置(或いは画像形成装置)を実現してもよい。
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、例えば、当該プログラムを記憶したCD−ROM等の外部記憶媒体から読み込む形式や、通信回線等を介して受信する形式などにより、本例に係るコンピュータに設定される。
また、本例のようなソフトウェア構成により各機能部を実現する態様に限られず、それぞれの機能部を専用のハードウェアモジュールで実現するようにしてもよい。
11:用紙移動量検出部、 12:RTC、 13:用紙搬送駆動制御部、 14:エラー情報検出部、 15:劣化判定部、 16:移動量算出部、 17:移動量格納部、 18:劣化状態値算出部、 19:劣化状態判定部、 20:通知部、
31、51:用紙収納部、 32、52:ピックアップロール、 33(33a、33b)、53(53a、53b):フィードロール対、 34(34a、34b)、54(54a、54b)搬送ロール対、 35、55:移動量測定センサー、 36、37:タイミングセンサー

Claims (8)

  1. ロール部材の回転によって記録材を移動させることで、記録材を収容部から後段側の装置へ記録材を供給する供給手段と、
    予め定められた観測点における前記ロール部材による記録材の移動速度を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された移動速度のデータを記録材の供給量に関連付けて蓄積する蓄積手段と、
    前記蓄積手段により記録材の供給量に関連付けて蓄積された移動速度データに基づいて、前記ロール部材の劣化状態を判定する判定手段と、
    を備え
    前記ロール部材は、前記検出手段で記録材の移動速度を検出している間に当該記録材を移動させるものであって、当該ロール部材として、記録材を収容部から取り出すための第1ロール部材と、当該第1ロール部材により取り出された記録材を後段側の装置へ送出するための第2ロール部材を有し、
    前記検出手段は、前記第1ロール部材と前記第2ロール部材の少なくとも一方が記録材の移動に寄与する期間について記録材の移動速度を検出し、
    前記判定手段は、記録材の移動に対する寄与率が前記第1ロール部材の方が高い期間における記録材の移動速度に基づいて前記第1ロール部材の劣化状態を判定し、記録材の移動に対する寄与率が前記第2ロール部材の方が高い期間における記録材の移動速度に基づいて前記第2ロール部材の劣化状態を判定する、
    ことを特徴とする劣化状態判定装置。
  2. 前記判定手段は、前記蓄積手段により記録材の供給量に関連付けて蓄積された移動量データに基づいて、記録材の供給量と記録材の移動速度との関係式を導き出し、当該関係式を用いて前記ロール部材の劣化状態を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の劣化状態判定装置。
  3. 前記検出手段による移動速度の検出対象となる時間範囲は、前記ロール部材による記録材の移動動作を開始して予め定められた時間を経過した後の時間範囲である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の劣化状態判定装置。
  4. 前記検出手段として、記録材の移動量を予め定められた時間間隔毎に測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果に基づいて記録材の移動速度を算出する算出手段とを有し、
    前記判定手段による前記ロール部材の劣化状態の判定を、前記測定手段により測定された移動量のデータ数が予め定められた基準データ数に満たない記録材を除外して行うようにする、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の劣化状態判定装置。
  5. 前記検出手段として、記録材の移動量を予め定められた時間間隔毎に測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果に基づいて記録材の移動速度を算出する算出手段とを有し、
    前記判定手段による前記ロール部材の劣化状態の判定を、予め定められた基準移動量に満たない移動量が前記測定手段により測定された記録材を除外して行うようにする、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の劣化状態判定装置。
  6. 自装置又は後段側の装置に発生したエラーを検出する検出手段を備え、
    前記判定手段による前記ロール部材の劣化状態の判定を、前記ロール部材による移動動作中に前記検出手段によりエラーが検出された記録材を除外して行うようにする、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の劣化状態判定装置。
  7. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    ロール部材の回転によって記録材を移動させることで、記録材の収容部から前記画像形成手段側へ記録材を供給する供給手段と、
    予め定められた観測点における前記ロール部材による記録材の移動速度を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された移動速度のデータを記録材の供給量に関連付けて蓄積する蓄積手段と、
    前記蓄積手段により記録材の供給量に関連付けて蓄積された移動速度データに基づいて、前記ロール部材の劣化状態を判定する判定手段と、
    を備え
    前記ロール部材は、前記検出手段で記録材の移動速度を検出している間に当該記録材を移動させるものであって、当該ロール部材として、記録材を収容部から取り出すための第1ロール部材と、当該第1ロール部材により取り出された記録材を後段側の装置へ送出するための第2ロール部材を有し、
    前記検出手段は、前記第1ロール部材と前記第2ロール部材の少なくとも一方が記録材の移動に寄与する期間について記録材の移動速度を検出し、
    前記判定手段は、記録材の移動に対する寄与率が前記第1ロール部材の方が高い期間における記録材の移動速度に基づいて前記第1ロール部材の劣化状態を判定し、記録材の移動に対する寄与率が前記第2ロール部材の方が高い期間における記録材の移動速度に基づいて前記第2ロール部材の劣化状態を判定する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. ロール部材の回転によって記録材を移動させることで、記録材の収容部から後段側の装置へ記録材を供給する装置に係るコンピュータに、
    予め定められた観測点における前記ロール部材による記録材の移動速度を検出する検出機能と、
    前記検出機能により検出された移動速度のデータを記録材の供給量に関連付けて蓄積手段に蓄積させる蓄積機能と、
    前記蓄積機能により記録材の供給量に関連付けて蓄積された移動速度データに基づいて、前記ロール部材の劣化状態を判定する判定機能と、
    を実現させるための劣化状態判定プログラムであって、
    前記ロール部材は、前記検出機能で記録材の移動速度を検出している間に当該記録材を移動させるものであって、当該ロール部材として、記録材を収容部から取り出すための第1ロール部材と、当該第1ロール部材により取り出された記録材を後段側の装置へ送出するための第2ロール部材を有し、
    前記検出機能は、前記第1ロール部材と前記第2ロール部材の少なくとも一方が記録材の移動に寄与する期間について記録材の移動速度を検出し、
    前記判定機能は、記録材の移動に対する寄与率が前記第1ロール部材の方が高い期間における記録材の移動速度に基づいて前記第1ロール部材の劣化状態を判定し、記録材の移動に対する寄与率が前記第2ロール部材の方が高い期間における記録材の移動速度に基づいて前記第2ロール部材の劣化状態を判定する、
    ことを特徴とする劣化状態判定プログラム。
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