JP5578751B2 - 制電性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

制電性熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、制電性に優れた、極性基を有する熱可塑性樹脂組成物に関し、特に、制電性に優れ、かつ成形時の熱安定性、物理特性などに優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【従来の技術】
従来、熱可塑性ポリエステルエラストマー及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、優れた耐摩耗性、機械強度を有し、広く使用されており、導電性充填剤を含む導電性熱可塑性ポリウレタンエラストマーも広く使用されている。
近年、精密機器の急速な普及にともない、より高い制電機能が要求されており、従来の帯電防止水準では、安定性、恒久性の点から十分では無くなってきている。
例えば、熱可塑性ポリエステルエラストマー及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーにカーボンブラックに代表される導電性充填材を複合化したものは、導電性は優れるものの、柔軟性、加工性の低下を招く他、摩耗性の低下に起因する導電性物質の脱落による導電性能の不安定化などの問題がある。
また、導電性充填材が黒色であるため、成形品の色調が黒色に限定され、意匠性が乏しいという問題もある。
さらに、従来、ICチップの包装に使用されるICトレーなどの素材としての制電性組成物は、軽量化、薄肉化、コンパクト化が検討されるようになり、強度と高い剛性が求められる傾向にある。さらに、ICの種類の識別などを目的として、トレー、キャリアテープの着色性などの意匠上の要求もある。導電性フィラーにおいて汎用されているカーボンブラックは、経済的であり、抵抗値の低いものが得られるが、黒色に限定されるのと、一般的には加工性や材料強度などに問題があることから、通常は種々の改質材と共に複合化されて使用されている。
帯電防止剤は、表面にブリードさせて機能を持たせる界面活性型のものと、いわゆる高分子型帯電防止剤と称する親水性高分子材料をポリマーアロイ化することによって機能を発現させるものがある。高分子型帯電防止剤は、熱可塑性樹脂に対し、親水性高分子をポリマーアロイ化することによって永久的な制電性能を付与するものであり、産業上の利用価値が高い。しかしながら、アロイ化される制電性樹脂の添加量は比較的多く必要であり、しかも制電性樹脂は親水性セグメントであり、柔軟性を有するものが多いため、樹脂の剛性が低下し、成形品の変形が生じる。これらの樹脂については、無機の充填材、ガラス繊維などを併用することによって改質が試みられているが、上記の制電性組成物と同様、表面に、艶ムラ、ウェルドマーク、フラッシュマーク、毛羽立ちなどを生じ、成形品の表面平滑性が満足のいくものではない。表面平滑性が阻害されると、表面固有抵抗値のバラツキが生じたり、電気電子用品の接触状態に影響を及ぼすことによって制電機能が阻害される。
いずれも、通常、帯電防止レベルの指標とされている表面固有抵抗率は1011〜1013Ω/sq.であり、体積固有抵抗率は、1011〜1013Ω・cmである。
近年、ICやLSIなどの高性能化と大容量化により、トレーなどの包装用途に求められる電気特性として、表面固有抵抗率が1011Ω/sq.以下、及び、体積固有抵抗率が1011Ω・cm以下であることが求められるようになり、いわゆる従来の帯電防止領域の水準では充分でなくなっている。そして、この電気特性を満たすために、カーボンブラックを使用する例が圧倒的に多い。しかし、これは、強度や曲げ弾性率の低下を招くため、無機系の充填材が比較的多量に添加されるのが一般的である(特開昭59−96142号公報)。
しかしながら、無機系の充填材として広く使用されているマイカ、タルクなどは比較的多量に添加されるため、導電性フィラーによって構成されている材料では、加工性の低下、耐衝撃強度の低下などが助長されるほか、導電性のバラツキが大きくなるなどの問題がある。
一方、これらの強度特性の低下を防ぐために、ガラス繊維、炭素繊維などのチョップ繊維を併用する例もあるが、これらのチョップ繊維は、剛性、強度の付与には効果的ではあるものの、艶ムラ、ウェルドマーク、フラッシュマーク、毛羽立ちなどの点で成形品の表面平滑性が満足のいくものではない。さらに、成形品の表面状態の悪化とともに、機器との接触が不充分となり、支障を来す。
近年、これらの熱可塑性エラストマーに、高機能化を目的とし、各種改質剤を添加したり、他の高分子と混合する(ポリマーブレンドやポリマーアロイを形成する)などして、新たな用途に対応する試みがなされている。
一方、これらの改質剤を添加することにより、熱可塑性エラストマーや追加の他のポリマーの熱分解を促進する場合が多様にある。また、長時間にわたり成形加工を行うと、樹脂の熱分解による分子量低下、物理特性の低下や成形加工性の悪化、成形機の老朽化の促進等の不具合を生じる場合がある。
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、以上のような従来の技術的課題を解決すべく鋭意検討した結果、極性基を有する熱可塑性エラストマーにエチレンと(メタ)アクリル酸またはその塩との共重合体及び/又は環状イミノエーテル化合物ならびにアルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンと、イオン解離可能なアニオンとによって構成される金属塩を添加することにより、表面固有抵抗率が1011Ω/sq.以下であり、体積固有抵抗率が1011Ω・cm以下であり、かつ成形時に発泡を生じることのない、熱安定性、物理特性などに優れた制電性熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記成分:
(a)極性基を有する熱可塑性エラストマー 100重量部、
(b)エチレンと(メタ)アクリル酸またはその炭素数1〜10個のアルキルエステルもしくは塩との共重合体、及び/又は、下記式
Figure 0005578751
[式中、XおよびDそれぞれ独立して2価の炭化水素基である]で表わされる環状イミノエーテル化合物 0.01〜15重量部、および
(c)過塩素酸リチウムLiClO4、過塩素酸ナトリウムNaClO4、過塩素酸マグネシウムMg(ClO42、過塩素酸カリウムKClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO22、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムK・N(CF3SO22、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO22、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO23およびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO23である群から選ばれる1つ又はそれ以上の金属塩 0.001〜5重量部
を含む事を特徴とする制電性熱可塑性樹脂組成物である。
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性樹脂の各成分について、以下に説明する。
成分(a):極性基を有する熱可塑性エラストマー
本発明の組成物に用いられる成分(a)は、分子構造内に極性基を有するものであればいかなるものでもよいが、なかでも、ポリエーテルエステルアミド系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、およびポリアミド系エラストマーが好ましい。
(a−1):ポリエーテルエステルアミド系樹脂
本発明の(a−1)ポリエーテルエステルアミド系樹脂は、ポリエーテルセグメントを有する高分子の非イオン系界面活性剤の1種である。具体例としては、ポリエチレングリコール系ポリエステルアミド共重合体などポリエーテルセグメントを有する制電性エラストマーが挙げられる。
(a−2):ポリエステル系エラストマー
本発明の(a−2)成分であるポリエステル系エラストマーとは、分子内のハードセグメントとしてポリエステルを、ソフトセグメントとしてガラス転移温度(Tg)の低いポリエーテルまたはポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーである。具体的には、ハードセグメントとして、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系結晶性ポリエステルを、ソフトセグメントとしてポリエーテルを用いたポリエステル/ポリエーテル型、ハードセグメントとして芳香族系結晶性ポリエステルを、ソフトセグメントとして脂肪族系ポリエステルを用いたポリエステル/ポリエステル型などが挙げられる。
ポリエステル/ポリエーテル型は、例えばテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコールなどを出発原料として、エステル交換反応、重縮合反応によって合成される。本発明の(a−2)成分としては、通常のポリエステルエラストマーが全て使用でき、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
(a−4):ポリウレタン系エラストマー
本発明のポリウレタン系エラストマー(a−4)とはウレタン基を持つ熱可塑性エラストマーである。具体的には、ソフトセグメントとしての、長鎖グリコールとイソシアネートの反応で得られるポリウレタンと、ハードセグメントとしての、短鎖グリコールとイソシアネートからなるポリウレタンとの、直鎖状のマルチブロックコポリマーであり、必要に応じて、架橋剤(鎖延長剤)も用いられる。
ここで、長鎖グリコールとしては、ポリエーテル系としてポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、あるいはそれらの共重合体が挙げられ、ポリエステル系としてポリアジペート、ポリラクトン、ポリカーボネート、脂肪族系としてポリブタジエン、ポリイソプレンなどが挙げられる。
また、短鎖グリコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールのような脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどのような脂環族グリコール、ハイドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルのような芳香族グリコールが、通常、使用される。
一方、上記イソシアネートとしては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4′−および2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)などが用いられる。
また、上記架橋剤(鎖延長剤)としては、3,3−ジクロロ−4,4−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)などの芳香族ジアミンなどが用いられる。
上記(a−4)ポリウレタンエラストマーは、1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
(a−5):ポリアミド系エラストマー
本発明の(a−5)成分であるポリアミドとは、アミド結合をその繰り返し単位中に有するアミド系樹脂を総称するものであり、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12などや、ポリアミドポリエステル共重合体、ポリアミドポリエーテル共重合体などが挙げられる。
本発明の(a−5)成分であるポリアミド系エラストマーとは、ハードセグメントであるポリアミド拘束相と、ソフトセグメントとしてのポリエーテル及び/またはポリエステル構造を有する熱可塑性エラストマーの総称である。例えば、ポリアミド(PA)拘束相としてPA12成分を用いたポリアミド系エラストマーは、ラウロラクタム、ジカルボン酸、およびポリエーテルジオールを、ラクタム開環触媒としての水を加えて加圧加熱下で反応させてカルボキシルテレケリックナイロン12オリゴマーを得、次にポリエーテルジオールと縮合反応させることにより得られる。ポリアミド拘束相としては、この他に、PA6なども用いられる。
ポリアミド系エラストマーは、上記合成方法により、基本構造的には、ポリエーテルブロックポリアミドエラストマーまたはポリエーテルエステルブロックポリアミドエラストマーの形態のものとなり、使用されるジオールの種類などによって様々な特性を持ったポリアミド系エラストマーが得られる。
ポリアミド系エラストマーは、高温特性と機械特性、耐油性、低温特性などに優れているため、機械部品、自動車部品などの他、スポーツ用品関係など広範囲に使用されている。
また、加工性、特性を改質する目的として、ポリアミドやポリアミド系エラストマーに他の樹脂を混合してポリマーアロイ、ポリマーブレンドなどの形態で使用することも可能である。
なお、本発明における成分(a)は、好ましくは、ガラス転位温度が室温以下である。
成分(b):エチレンと(メタ)アクリル酸またはその炭素数1〜10個のアルキルエステルもしくは塩との共重合体および環状イミノエーテル化合物
成分(b)としては、以下に説明するエチレンと(メタ)アクリル酸またはその炭素数1〜10個のアルキルエステルもしくは塩との共重合体および環状イミノエーテル化合物の両方またはいずれか一方を使用することができる。
(b−1):エチレンと(メタ)アクリル酸またはその炭素数1〜10個のアルキルエステルもしくは塩との共重合体
本発明におけるエチレンと(メタ)アクリル酸またはその炭素数1〜10個のアルキルエステルもしくは塩との共重合体は、
エチレンと一般式(I):
【化1】
CH=C(R)−COOM (I)
[式中、Rは水素又はメチル基を表し、MはLi、Na、K、Zn、Mg、Ag、Cu、Ca、Ba、Feなどの金属、炭素数1〜10個のアルキル基又は水素を表す。]で表される単量体との共重合体である。上記一般式(I)で表される単量体としては、メタクリル酸金属塩、アクリル酸金属塩、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられる。中でもメタクリル酸金属塩が好ましい。この共重合体は、高い反発弾性率を持つイオン架橋結合を有するイオン性共重合体であって、具体的にはエチレンとアクリル酸又はメタクリル酸の如き不飽和有機酸との共重合体であり、カルボキシル基の全部又は一部が金属イオンにより中和又は架橋されているものが良い。一般式(I)におけるMは、好ましくはNa、Znである。
エチレンとの共重合体において、上記単量体は、3〜20重量%、特に4〜15重量%を占めることが好ましい。特に、メタクリル酸金属塩含量が3〜20重量%、特に4〜15重量%のエチレン−メタクリル酸金属塩共重合体が好ましい。上記単量体が3重量%未満では、得られる組成物中に単量体が充分に分散しないという問題点があり、20重量%を超えると必要な反発弾性が得られない。また、上記共重合体は、0.5〜15g/10分のメルトフローレート(JISK 6760に準処し、温度190℃、荷重2160gで測定)を有することが好ましい。ここで必要に応じて、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体を配合することができ、3種以上の樹脂の混合物を用いることもできる
(b−2):環状イミノエーテル化合物
本発明における環状イミノエーテル化合物としては下記式(II)で示されるものが使用される。
【化2】
Figure 0005578751
(II)

式(II)中、Xは2価の炭化水素基であり、具体的にはエチレン、置換エチレン、トリメチレン、置換トリメチレン等があげられる。置換エチレン又は置換トリメチレンの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数8〜20のアラールキル基があげられる。上記アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、イソプロピル等が例示できる。上記アリール基としてはフェニル、ナフチル、ジフェニル等が例示でき、さらには、下記(III)のアリール基でもよい。
【化3】
Figure 0005578751
(III)

(ここでRは−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−CH2−、−CH2 ・CH2−、−C(CH32−である。)また、シクロアルキルとしてはシクロヘキシルが例示できる。
上記Xとしては、これらのうちでもエチレン、トリメチレンが特に好ましい。なお、式(II)中の2個のXは互いに同一であることが好ましいが、相異なる基であっても差支えない。
式(II)中のDは、2価の炭化水素基であり、その具体例としては、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、炭素数8〜20のアラールキレン基等があげられる。さらに具体的には、上記アルキレン基として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン等が例示でき、またシクロアルキレン基としてシクロヘキシレンが例示できる。また、アリーレン基としてはフェニレン、ナフチレン、ジフェニレン及び下記の基が例示できる。このDは上述のXと同一の炭化水素基でもよく、異なってもよい。
【化4】
Figure 0005578751
(IV)

(ここでR′は−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−CH2−、−CH2 ・CH2−、−C(CH32−である。)また、式(II)中、
【化5】
Figure 0005578751
(V)

で示される環状イミノエーテルは5員環又は6員環を形成するが、5員環のものはビスオキサゾリンと呼ばれる化合物であり、6員環のものはビスオキサジンと呼ばれる化合物である。これらの具体例としては、次の如き化合物をあげることができる。
(i)ビスオキサゾリン類:2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−3,3′−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)。
(ii)ビスオキサジン類:2,2′−メチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−プロピレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ブチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−p・p′−ジフェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)。
本発明における式(II)で示される環状イミノエーテル化合物としては、なかでも2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が特に好ましい。
成分(b)を配合することによって成分(a)の粘度低下、すなわち分子量の低下を抑制することができ、従って、成形時の発泡を抑えることができる。
成分(b)の配合量は、成分(a)100重量部に対し、0.01〜15重量部である。
好ましい配合量は、使用する成分(b)によって異なり、成分(b−1)を単独で用いる場合は、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは1〜8重量部、特に好ましくは3〜5重量部である。成分(b−2)を単独で用いる場合は、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。成分(b−1)、(b−2)を併用する場合は、好ましくは0.1〜15重量部である。
成分(b)が下限値未満の場合、必要とする粘度低下防止効果が得られず、上限値を越えた場合、加工性が悪くなるという問題が発生する。
成分(c):アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンと、イオン解離可能なアニオンとによって構成される金属塩
成分(c)におけるアルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンとしては、例えば、Li+、Na+ 、K+、Mg2+、Ca2+などが挙げられる。好ましくはイオン半径の小さいLi+、Na+、K+であり、特に好ましくはリチウムイオン(Li+)である。
イオン解離可能なアニオンとしては、例えば、Cl-、Br-、F-、I-、NO3 -、SCN-、ClO4 -、CF3SO3 -、BF4 -、(CF3SO22-、(CF3SO23-などが挙げられる。好ましくはClO4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(CF3SO23-であり、特に好ましくはClO4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(CF3SO23-である。
上記カチオン及びアニオンによって構成される金属塩類は数多く存在する。好ましくは過塩素酸リチウムLiClO4、過塩素酸ナトリウムNaClO4、過塩素酸マグネシウムMg(ClO42、過塩素酸カリウムKClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO22、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムK・N(CF3SO22、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO22、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO23、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO23である。より好ましくは過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム及びトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムである。特に好ましくは過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムである。
成分(c)を添加することによって、得られる樹脂組成物の表面固有抵抗率、および、体積固有抵抗率を低減することができる。成分(c)の配合量は、成分(A)100重量部に対して、上限値が5重量部、好ましくは3重量部、より好ましくは2重量部である。下限値は0.001重量部、好ましくは0.01重量部、より好ましくは0.02重量部である。上記下限未満では、充分な導電性を得ることが難しく、一方、上記上限を超えては、結晶化の進行や材料劣化等を招き制電効果が低下する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に、下記の成分(d)を含めることができる。
成分(d):成分(c)を溶解する有機化合物
成分(d)は、本発明の樹脂組成物において、成分(c)の金属塩の成分(a)への溶解性及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンの解離安定性を高めるものである。
好ましくは、成分(d)は、−{O(AO)n}−基(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜7の整数を示す)を有し、かつ全ての分子鎖末端がCH3基及び/又はCH2基である有機化合物である。上記分子鎖末端のCH2基とは、二重結合をしている炭素原子を有するものである。
成分(d)は、例えば、炭素数1〜9の直鎖又は分岐脂肪族アルコール1モルに、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールと、二塩基酸とを原料として、一般的なエステル化合物の製造方法によって製造することができる。
ここで、上記アルコールの例としては、プロパノール1モルにエチレンオキシド1〜7モル、プロピレンオキシド1〜4モル、またはブチレンオキシド1〜3モル、ブタノール1モルにエチレンオキシド1〜6モルまたはプロピレンオキシド1〜3モル、ヘキサノール1モルにエチレンオキシド1〜2モル、ペンタノール1モルにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、またはブチレンオキシド1〜2モル、オクタノール1モルにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、またはブチレンオキシド1〜3モル、ノナノール1モルにエチレンオキシド1〜4モル、プロピレンオキシド1〜2モル、またはブチレンオキシド1〜2モルをそれぞれ付加させたヒドロキシル化合物が挙げられる。
なお、これらの化合物の中で、ブタノール1モルにエチレンオキシド2モルを付加させた2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、ブタノール1モルにエチレンオキシド1モルを付加させた2−ブトキシエタノールが、加工性とのバランスの点で好ましい。
また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、コハク酸などのカルボン酸、およびこれらのカルボン酸無水物などが挙げられる。
上記原料を使用して製造される成分(d)は、好ましくは、末端にヒドロキシル基を有さないアルキル基である化合物である。
更に好ましくは、成分(d)は、下記一般式(VI)で表される化合物である。
【化6】
COO(AO)n

Z ・・・・・(VI)

COO(AO)n

上記式中、Zは炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキレン基、芳香族を含む2価の炭化水素基、又は2価の脂環式炭化水素基を示し、Aは夫々独立して、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Qは夫々独立して、炭素数1〜9の、直鎖又は分岐のアルキル基を示し、nは夫々独立して、1〜7の整数である。
特に好ましくは、下記化学式(VII)に示されるアジピン酸ジブトキシエトキシエチル(ビス〔2−(2ブトキシエトキシ)エチル〕アジペート)、または下記化学式(VIII)に示されるビス(2−ブトキシエチル)フタレートである。
【化7】
COO(CH2CH2O)249

(CH24 ・・・・・(VII)

COO(CH2CH2O)249
【化8】
COOCH2CH2OC49

Ph ・・・・・(VIII)

COOCH2CH2OC49
成分(d)は、成分(d)/成分(c)の重量比が1/1〜99/1の範囲になるように配合されるのが好ましい。より好ましくは2/1〜19/1の範囲で、更に好ましくは3/1〜9/1である。成分(d)の配合量を上記範囲にすることにより、ブリードのない安定した導電性を得ることができる。上記上限を超えては、得られる組成物の粘度が著しく低下し、ドローダウンなどの成形加工性が低下し、成形品の寸法安定性が悪くなるほか、物理的特性の低下を招く。
また、取り扱いを容易にする為には、室温で液状の有機化合物が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、制電性を損なわない範囲で下記成分(e)をさらに含有して、樹脂組成物の熱安定性を高めることができる。
成分(e):非極性熱可塑性エラストマー、及び、ガラス転位温度が室温以上の極性樹脂
成分(e)としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンやアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのポリスチレン系樹脂、アクリレート/メタクリレート系樹脂などのビニルモノマー重合体または共重合体;低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低圧法低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などのポリα−オレフィン;プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体などの、α−オレフィン同士またはα−オレフィンと他のモノマーとの共重合体;その他のポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステルおよび脂肪族系ポリエステル;液晶ポリエステル;ポリフェニレンオキシドなどの芳香族ポリエーテル;ポリアセタール系樹脂ポリカーボネート系樹脂;ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのスルホン系ポリマー;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
本発明においては、上記の熱可塑性樹脂の中から1種または2種以上の混合物が目的に応じて適宜選択される。
なかでも、成形性の点から、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのビニルモノマー重合体または共重合体;ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体や結晶性プロピレン−ブテン1共重合体などの結晶性プロピレン共重合体、ナイロン、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましく、特にポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体(ABS樹脂)などのビニルモノマー重合体または共重合体が好ましい。
また、耐熱性の点からは、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリイミド、芳香族ポリエーテルなどが好ましい。
本発明の制電性樹脂組成物を上記成分(e)とのポリマーアロイの形態とすることで、制電性樹脂組成物が成分(e)中に分散し、その結果、制電性効果を有し、且つ、熱安定性を有する樹脂組成物が得られる。
成分(a)100重量部に対する成分(e)の添加量の範囲は、好ましくは50〜3500重量部、更に好ましくは100〜3500重量部である。
特に、成分(a)がポリエーテルエステルアミドの場合は、200〜3500重量部が好ましい。
本発明の制電性熱可塑性樹脂組成物には、各種充填材、安定剤、着色剤、強化用ゴム、エラストマー成分、可塑剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、安定剤、補強剤、滑剤、発泡剤、耐候(光)剤、金属粉などの添加剤を適宜配合することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各成分を予備混合し、溶融混練して、通常の2次加工原料形態であるペレット状コンパウンドとして使用することができる。ペレット加工することによって、各種成分を均一に予備分散ならしめ、高分子特性としての安定性を得ることができる。
ペレット状コンパウンドの加工において用いられる予備混合機としては、予備分散、分配、拡散混合を目的とするブレンダーが用いられる。ブレンダーの代表例としては、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(スーパーミキサー)、タンブラーミキサー、タンブルミキサー、エアーブレンダーなどが挙げられる。これらの予備混合機は、各配合物の形態や拡散レベル、および、溶融混練機に応じて選定される。また、予備混合機を用いず、各成分をそれぞれ異なるブラベンダーなどの定量切出機や定量液体添加装置を用いて、溶融混練機に投入してもよい。
溶融混練機としては、一般的には単軸、二軸押出機、バンバリー式、ロール式などが挙げられる。これらも、組成物の形態や目的、生産性に応じて選定し、溶融混練することにより、ペレット状の原料を製造することが可能である。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各成分をドライブレンドして得られるパウダー状としても使用できる。上記ペレット状コンパウンドの加工において用いられる予備混合機を用いてドライブレンドして、パウダー状の混合物の原料を製造することも可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、あらゆる成形方法に対応でき、異形押出を含む押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、エンボス成形など各種成形機による成形加工が可能である。
上記の各種成形機は、通常使用される一般的な仕様のものが採用できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その優れた特性を生かし、即ち、中程度の均一かつ安定した導電性を生かし、種々の用途に使用することができる。上記のようにカーボンブラック含有樹脂は、中程度の均一かつ安定した導電性が得られないと言う欠点を有している。従来、該欠点を認めつつも、代替品がないことからカーボンブラック含有樹脂が使用されて来た中程度の導電性を必要とする、下記の様々な用途に好適に、本発明の熱可塑性樹脂組成物が使用され得る。例えば、特に、LCD関連分野、LSI関連分野、IC関連分野、OA機器、AV機器、家電機器等の導電性あるいは帯電防止性が要求される分野、特に電子写真技術を用いたプリンター、複写機等の帯電・現像・転写ロール等に極めて好適に使用することができる。導電ロールは、電子写真、静電記録によるプリンター等の用途に好適である。近年、電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置の転写材、トナーに対する接触帯電部材などとして半導電性弾性ロールが注目されており、現像ロール、転写ロール等に用いられている。家電機器カバー、OA機器カバー、FDケースカバー、帯電防止カバー、静電防止薄板、静電防止袋、ICカバーテープ、静電防止衣服、無菌服などに好適に使用することができる。
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例中における部および%は、特に断らない限り、重量基準である。
実施例および比較例で使用した成分は、以下の通りである。
<成分(a)>
(1)ペルプレン P−70B(商標):東洋紡績株式会社製
種類:ポリエーテル/エステル系熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)
(Tg:−10℃以下)

(2)パンデックスT−8180N(商標):ディーアイシーバイエル株式会社製
種類:熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(TPUE)
(Tg:−10℃以下)

(3)ペレスタットNC6321(商標):三洋化成工業株式会社製
種類:ポリエーテルエステルアミド(PEEA)
(Tg:−45〜−55℃)

(4)ペバックス2533SA01(商標):東レ株式会社製
種類:熱可塑性ポリアミド系エラストマー(TPAE)
(Tg:−60〜―70℃)
<成分(b)>
(b−1):ハイミラン1605(商標);三井デュポン・ポリケミカル株式会社製
種類:エチレン−メタクリル酸共重合系アイオノマー(Naイオン系)
(b−2):CPレジンA(商標);三国製薬株式会社製
種類:2,2'−(1,3)−フェニレン−ビス(2―オキサゾリン)
(略称:1,3−PBO)
<成分(c):>
(1)LiClO4: 過塩素酸リチウム
(2)LiN(CF3SO2)2 : ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドリチウム
(3)LiCF3SO3:トリフルオロメタンスルホン酸リチウム:
<成分(d)>
アジピン酸ジブトキシエトキシエチル(下記式(IX)で示される化合物);三光化学工業株式会社製
【化9】
COO(CH2CH2O)249

(CH24 ・・・・・(IX)

COO(CH2CH2O)249
<成分(e):>
(1)KODA PETG 6763(商標):イーストマン・ケミカル製
種類:極性樹脂、 PETG(下記式(X)で示される化合物)
(Tg:81℃)
【化10】
Figure 0005578751

(X)

(2)ユーピロンS−1000R (商標):三菱ガス化学製
種類:極性樹脂、ポリカーボネート
(Tg:145〜155℃)
実施例
下表の配合処方に従い、成分(a)〜(e)を直径47mmの2軸押出機にて混練温度190℃〜230℃で溶融混練を行った。実施例1〜4および比較例1〜4は220℃、実施例5〜7および比較例5〜6は200℃、実施例8および比較例7は220℃、実施例9および比較例8は210℃、実施例10および比較例9は230℃であった。得られた樹脂組成物の制電性(体積固有抵抗率、表面固有抵抗率)および成形性(発泡性)の結果を下記表1及び2に示す。
なお、実施例および比較例において用いた評価方法は次の通りである。
<試験片の調製及び成形性(発泡性)>
サンプルペレットを型締め力120tonの射出成形機に供給して、射出成形機内にて所定の温度で滞留させた後、成形をおこない、成形品の状態を観察した。成形条件は、シリンダー温度=200または230℃、金型温度=40℃であり、ゲートは、幅40×厚み0.5mmのフィルムゲートを使用した。試験片形状は、厚み3mmのプレートであり、外寸は80×40mmである。成形品の発泡の有無を目視で確認した。
<表面固有抵抗率、体積固有抵抗率(制電性)>
幅6×長さ6×厚み0.3(cm)の射出成形試験片を用い、三菱化学(株)製、ハイレスタにて、ASTM D257に準じて測定を行った。測定条件は温度23℃、湿度50%、印加電圧500Vであった。
【表1】
Figure 0005578751
【表2】
Figure 0005578751
表から明らかなように、実施例1〜10の本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、体積固有抵抗率が1011Ω・cm以下であり、表面固有抵抗率が1011Ω/sq.以下であり、しかも、200℃または230℃での成形において発泡を生じなかった。
一方、成分(b)を含まない比較例1〜3および5〜9の樹脂組成物はいずれも、成形時に発泡を生じ、正確な体積固有抵抗率および表面固有抵抗率を測定することができなかった。また、成分(c)を含まない比較例4は、体積固有抵抗率が1012Ω・cm以上であり、表面固有抵抗率が1012Ω/sq.以上であり、制電性に劣るものであった。
【発明の効果】
本発明は、制電性に優れ、かつ成形時の熱安定性、物理特性などに優れた熱可塑性樹脂組成物を提供する。

Claims (6)

  1. 下記成分:
    (a)極性基を有する熱可塑性エラストマー 100重量部、
    (b)エチレンと(メタ)アクリル酸またはその炭素数1〜10個のアルキルエステルもしくは塩との共重合体、及び/又は、下記式
    Figure 0005578751
    [式中、XおよびDそれぞれ独立して2価の炭化水素基である]で表わされる環状イミノエーテル化合物 0.01〜15重量部、および
    (c)過塩素酸リチウムLiClO4、過塩素酸ナトリウムNaClO4、過塩素酸マグネシウムMg(ClO42、過塩素酸カリウムKClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO22、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムK・N(CF3SO22、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO22、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO23およびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO23である群から選ばれる1つ又はそれ以上の金属塩 0.001〜5重量部
    を含む事を特徴とする制電性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 成分(a)が、ポリエーテルエステルアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、およびポリアミド系エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種以上である事を特徴とする請求項1記載の制電性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 成分(d)として、成分(c)を溶解する有機化合物をさらに含有し、成分(d)が−{O(AO)n}−基(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜7の整数を示す)を有し、かつ全ての分子鎖末端がCH3基で構成される有機化合物である事を特徴とする請求項1または2記載の制電性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 成分(d)/成分(c)の重量比が1/1〜99/1である事を特徴とする請求項3に記載の制電性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 成分(c)が過塩素酸リチウムLiClO4、過塩素酸ナトリウムNaClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO22、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO22、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO23およびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO23である群から選ばれる1つ又はそれ以上である事を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の制電性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 成分(a)100重量部に対し、成分(e)として非極性熱可塑性エラストマー、及び/又は、ガラス転位温度が室温以上の極性樹脂50〜3500重量部をさらに含有する事を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の制電性熱可塑性樹脂組成物。
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