以下、本発明の一実施形態に係るマッサージ機を前記図1ないし図26に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、着座した被施療者を支える椅子状のものであり、詳細には、床面上に載置されて椅子全体を安定的に支持する基台部11と、この基台部11の上方で被施療者の臀部を支える座部12と、この座部12の後側で被施療者の背中を支える背もたれ部13と、座部12の左右両側で被施療者の肘や前腕部を支える肘掛部14と、座部12の前側で被施療者の脚を支える脚支持部15と、マッサージ動作に係る各種操作入力を受付けるリモコン30と、搭載されている複数の施療機構によるマッサージ動作を操作入力や記録情報等の内容に基づいて制御する制御部40とを備える構成である。
前記基台部11は、椅子各部をなす前記座部12、背もたれ部13、肘掛部14、及び脚支持部15を一体に取付けられてこれらを支持するものである。また、前記座部12は、基台部11に対し座面の傾斜角度を調整可能として取付けられ、座面にて被施療者の臀部や太腿部を支えつつ内蔵の施療機構でマッサージを実行するものである。この座部12の施療機構としては、空気の給排で動作する臀部用エアセル71、及び太腿用エアセル72を備える構成である。これらエアセルを空気の給排で動作させるエアポンプ70が座部12下側のスペースに配設される。
前記背もたれ部13は、人の背中形状に合せた表面形状とされて前記基台部11及び座部12に対し傾斜角度を調整可能として配設され、その内部に、マッサージを実行する施療機構を備える構成である。
背もたれ部13内部には、揉み、叩き等の刺激を被施療者に与える施療子としての左右一対の揉み玉51とこれを動作させる駆動機構部60が一体となったメカユニット50と、このメカユニット50を背もたれ部13上下方向に移動可能に支持しつつ、背もたれ部の各部を内部から支える枠状の背もたれ部フレーム13aと、前記エアポンプ70による空気の給排で動作する背中用エアセル73及び腰用エアセル74とがそれぞれ配設される構成である。このうちメカユニット50、背中用エアセル73、及び腰用エアセル74が、それぞれマッサージを実行する施療機構をなす。
なお、この背もたれ部13の左右両側部には、被施療者に面する内面側にエアセル等の施療機構を設けた一対の側壁部を突出配設して、被施療者の上腕部等に対して側方からマッサージを行えるようにすることもできる。
前記背もたれ部フレーム13aは、メカユニット50を背もたれ部13上下方向に移動可能とし且つ他方向への動きは拘束して支持する左右一対のガイドフレーム20間に、複数の横フレームを横方向に掛渡して一体に連結して、略梯子状のフレーム構造とされるものである。
前記肘掛部14は、座部12の両側に配設され、背もたれ部13がリクライニング角度を変化させたり、座部12が傾動した場合でも、被施療者の前腕を安定的に支持するよう形成される構成である。この肘掛部14にも、前記エアポンプ70による空気の給排で動作するエアセルを配設して、被施療者の前腕部に対しマッサージを行える構成としてかま
わない。
前記脚支持部15は、座部12の前側に位置し、座部12前端付近を中心として傾動可能に配設されるものである。詳細には、脚支持部15は、被施療者の左右の脚がそれぞれ入る大きさの二つの溝部15aを生じさせた形状として形成され、座部12前端に取付けられる本体部16と、この本体部16の端部に配設される足支持部17と、前記本体部16に配設され、前記エアポンプ70による空気の給排で膨縮動作する施療機構としての脚用エアセル、すなわち、前側エアセル75a、76a、77a、78a、及び後側エアセル75b、76b、77b、78bとを備える構成である。
前記本体部16は、各溝部15aごとに、溝部15aの側面に位置する側壁部16aと、溝部15aの溝底に位置する底部16bと、これら側壁部16aと底部16bとの間で、側壁部16a及び底部16bに対し傾いた傾斜面16cとをそれぞれ形成される構成である。
この本体部16における二つの溝部15aのそれぞれでは、溝連続方向所定範囲で、底部16bから脚外側及び脚内側となる両側壁部16aにかけて、脚外側と脚内側とで対をなす後側エアセル75b、76b、77b、78bが配設されると共に、この後側エアセルと並べて、脚外側と脚内側の各側壁部16aの溝部開口寄り部位にそれぞれ前側エアセル75a、76a、77a、78aが配設される。
前記後側エアセル75b、76b、77b、78bは、一方の側端部に本体部16への固定用の膨縮しない被固定部75d、76d、77d、78dを形成されてなり、この被固定部75d、76d、77d、78dを底部16b中央に固定されて、後側エアセルの膨縮する部分を底部16b中央に対する両側方、すなわち、底部16bの横の各傾斜面16cに沿うようにして位置させる構成である。
後側エアセル75b、76b、77b、78bをその被固定部75d、76d、77d、78dのみで溝部15aの溝底側の底部16b中央に固定し、後側エアセルの膨縮する部分を、脚外側と脚内側で底部16bを中心として略対称の配置としつつ傾斜面16cに沿わせて膨縮させることで、後側エアセル75b、76b、77b、78bを脚外側と脚内側とで均等に膨張させると、脚のふくらはぎ部分を溝部開口側へ押す押圧力が一部生じるものの、押圧力は溝部15aの中心に向う横向きの成分が主となる。
これにより、膨張状態の脚外側の後側エアセル75b、78bと脚内側の後側エアセル76b、77bとの間に、脚のふくらはぎ部分を挟もうとする力が生じることとなり、脚のふくらはぎ部分にはこれを手でつまむように挟んだのと同様の刺激を与えることができる。
前記前側エアセル75a、76a、77a、78aは、一方の側端部に本体部16への固定用の膨縮しない被固定部75c、76c、77c、78cを形成されてなり、この被固定部75c、76c、77c、78cを各側壁部16aの底部16b寄り部位に固定されて、前側エアセルの膨縮する部分をエアセル固定箇所より溝部開口に近い側に位置させる構成である。
詳細には、前側エアセルの被固定部75c、76c、77c、78cは、傾斜面16cにおける側壁部16a寄りの一部に穿設された凹部16dに位置する、側壁部16aの最も底部寄りの部位に固定され、後側エアセル75b、76b、77b、78bの他方の側端部と重なり合う配置とされる。この前側エアセル75a、76a、77a、78aは、各エアセルを含めた本体部16表面をカバー(図示を省略)で覆われる他、収縮時には側壁部16aに沿う状態となるものであり、溝部15aへの脚の出し入れの支障となることはない。
前側エアセル75a、76a、77a、78aをその被固定部75c、76c、77c、78cのみで側壁部16aに固定し、側壁部16aの溝部開口に近い部位に位置させた前側エアセルの膨縮する部分を、側壁部16aを基点として膨縮させることで、前側エアセル75a、76a、77a、78aを脚外側と脚内側とで均等に膨張させると、脚のふくらはぎ部分を底部16b側へ押す押圧力が一部生じるものの、押圧力は溝部15aの中心に向う横向きの成分が主となる。
これにより、脚外側の前側エアセル75a、78aと脚内側の後側エアセル76b、77bとを膨張させると、共に横向きの押圧力成分の強いこれらのエアセル間に脚を保持した場合、前側エアセル75a、78aと後側エアセル76b、77bの押圧力を対向させて、これら前側エアセルと後側エアセルとの間で斜めに脚を挟もうとする力を無駄なく脚に伝えられることとなり、脚を手で挟むように押圧するのと同様の刺激を与えることができる。これは脚内側の前側エアセル76a、77aと脚外側の後側エアセル75b、78bとを膨張させる場合についても同様である。
また、脚外側の前側エアセル75a、78aと後側エアセル75b、78bとを膨張させると、共に横向きの押圧力成分を強く生じさせられることで、溝部15aに脚を保持した場合、脚を反対側の脚内側側壁部へ寄せようとする力を十分に確保でき、脚外側のエアセルを膨張させ、脚内側のエアセルを収縮させた場合、無理なくスムーズに脚を脚内側側壁部の方へ寄せることができる。これは脚内側の前側エアセル76a、77aと後側エアセル76b、77bとを膨張させる場合についても同様であり、脚を反対側の脚外側側壁部へ寄せようとする力を適切に得られることとなる。
前記足支持部17は、本体部16の先端部に位置しており、本体部16に連結して配設されている。被施療者が着座した場合、足支持部17が被施療者の足を左右方向、下方向、及び後方向から取囲むようにして支持する。足支持部17には、施療機構としての足側部エアセル79a、79b、79c、79dが左右の各足を挟んで対をなすように配設されている。
足支持部17に足を付けた足支持状態で、左右でそれぞれ足を挟んで対向する足側部エアセル79a、79b、79c、79dを、所定のタイミングで膨張させると、足部分などを押圧してマッサージが行える仕組みである。
この他、足側部エアセル79a、79b、79c、79dは、空気給排に伴う膨張、収縮による直接的なマッサージ機能以外に、膨張状態の押圧力を利用して足を両側方から押圧して挟持し、足の想定外の動きを抑える挟持手段としての機能を備えるようにすることもできる。
被施療者は、本体部16に左右の脚をそれぞれ支持させ、また、足支持部17に足を付けて支持させることとなる。この支持状態で、左右でそれぞれ脚を挟んで対向する前側エアセル75a、76a、77a、78a及び後側エアセル75b、76b、77b、78bをそれぞれ所定のタイミングで膨張させると、脚のふくらはぎ部分などを押圧してマッサージが行える仕組みである。
この他、脚用エアセルである前側エアセル75a、76a、77a、78a及び後側エアセル75b、76b、77b、78bは、空気給排に伴う膨張、収縮による直接的なマッサージ機能以外に、膨張状態の押圧力を利用して脚を挟持し、脚支持部15の傾動時等に脚の想定外の動きを抑える挟持手段としての機能を備えるようにすることもできる。
脚用エアセルとしての前側エアセル75a、76a、77a、78a、及び後側エアセル75b、76b、77b、78bをはじめとする、施療機構としての各エアセルは、エアセルごとに電磁弁80a、〜、80pを介してエアポンプ70と接続される。
電磁弁80a、〜、80pは、エアポンプ70に連通する第1のポートと、エアセルに連通する第2のポートと、外部に連通する第3のポートを有し、制御部40による制御に応じて、第1のポートと第2のポートを連通させ、且つ第3のポートを閉じて、エアポンプ70からエアセルへの給気を行える状態と、第2のポートと第3のポートを連通させ、且つ第1のポートを閉じて、エアセルの空気を外部に排気させる状態と、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートをいずれも相互に連通させないようにして、エアセルの内部圧力を維持できる状態、の三つの状態を切替可能とする公知の三方弁であり、詳細な説明を省略する。
なお、各ポートを相互連通させないようにして電磁弁のみでエアセルの内部圧力を維持可能とする構成の他に、エアポンプ70と電磁弁との間にエアポンプから電磁弁側への空気流通のみ許容する逆止弁を設けて、第1のポートと第2のポートを連通させ、且つ第3のポートを閉じて、エアポンプ70からエアセルへの給気を行える状態で、エアポンプ70による給気を停止した場合に、逆止弁によりエアセルの内部圧力を維持する状態を得る構成とすることもできる
これらエアポンプ70と電磁弁80a、〜、80pが、各エアセルの空気給排調整機構をなし、制御部40が、エアポンプ70を作動させると共に、電磁弁80a、〜、80pの連通状態を調整制御することで、所望のエアセルについて給気、排気、又は圧力維持を図り、エアセルを膨張、収縮させ、又は所定の膨張状態で維持できる仕組みである。エアセルの膨張時には身体のエアセル当接部分に対する押圧力を発生させる一方、収縮時には押圧が解除されることで、各エアセル位置で変化に富んだマッサージ効果を与えることができる。
前記リモコン30は、マッサージ機に対する各種操作入力を受付ける多数のスイッチや表示部を備え、マッサージ機1の側部におけるスタンド31に着脱自在に設置され、マッサージに係る操作入力を制御部40に送信するものである。なお、リモコン30のスイッチや表示部の位置を被施療者にとって最適位置とするために、スタンド31の位置は調整可能となっている。
前記制御部40は、あらかじめ被施療者の身体各部位置検出を実行して得られた検出結果に基づいて、施療機構やマッサージ機の他の各可動部分を被施療者に対応した状態に調整すると共に、施療機構や他の各可動部分に対し、リモコン操作やあらかじめ記録設定された施療内容、また前記検出結果の情報に基づいて、適切な施療の実行のための制御を行うものである。
この制御部40は、そのハードウェア構成として、CPUやメモリ、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、メモリ等に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部40として動作させる仕組みである。この制御部40をなすコンピュータは、CPUやメモリ、ROM等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとしてもかまわない。
この制御部40をなすコンピュータのユニットは、座部12直下等のマッサージ機1内部の所定のスペースに配設され、リモコン30と通信可能な状態とされると共に、メカユニット50の各種モータや、座部12や背もたれ部13、脚支持部15を傾動させる各アクチュエータ、エアポンプ70、電磁弁80a、〜、80pとそれぞれ電気的に接続され、被施療者の身体各部位置検出の際にはあらかじめ設定された位置検出用プログラムに基づく制御信号出力により、また、マッサージ実行の際には設定されたマッサージのデータに基づく制御信号出力により、これらの駆動機構の作動を制御する。
加えて、制御部40は、メカユニット50や各アクチュエータの変位量を出力するエンコーダ等の信号出力手段とも電気的に接続されており、メカユニット50の状態や、座部12、背もたれ部13、及び脚支持部15の傾斜等の状態を把握しつつ、モータやアクチュエータ等の駆動手段の作動制御を行うこととなる。
次に、本実施形態に係るマッサージ機による被施療者の脚への施療における各部動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせ、且つ脚を脚支持部15の溝部15aに入れた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13や脚支持部15等の傾斜角度調整等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が脚に対する施療を実行しようとしているものとする。
(第1の施療例)
はじめに、第1の施療例として、脚用エアセル全てを膨張させることによる脚への周囲からの広く一様な押圧、を中心としてなされる施療における各部動作について、図7に示される各エアセルに対する給気タイミングに基づいて説明する。
まず、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構としてのエアポンプ70及び電磁弁80a、〜、80hに対し制御指令を送出して、前側エアセル75a、76a、77a、78a、すなわち、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aと、脚の外側に位置する前側エアセル75a、78aの両方に対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚90の前側、すなわちすね(脛)を押圧する(図8参照)。給気は所定時間(例えば4.5秒)継続され、押圧状態は維持される(図7参照)。
こうして前側エアセル75a、76a、77a、78aを膨張させて、先にすね側を押圧することで、溝部15aからの脚の離脱を防止することができる。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出し、前側エアセル75a、76a、77a、78aによる押圧状態を維持したまま、さらに、後側エアセル75b、76b、77b、78b、すなわち、脚の内側に位置する後側エアセル76b、77bと、脚の外側に位置する後側エアセル75b、78bの両方に対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、新たに脚90のふくらはぎ(脹脛)側を押圧する(図9参照)。給気は所定時間(例えば6秒)継続され、押圧状態は維持される(図7参照)。
こうしてすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分が一様に押圧されることで、脚の広い範囲へのマッサージ効果を得ることができる。
所定時間経過後、制御部40は、空気給排調整機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、全ての脚用エアセルへの給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアセルの膨張状態をさらに所定時間(例えば1.5秒)保持する(図7参照)。この後、制御部40は、空気給排調整機構に対し作動停止の制御指令を送出し、排気により各エアセルを収縮させて、一連の施療を終了する。
(第2の施療例)
続いて、第2の施療例として、脚用エアセルのうち脚外側の前側エアセル75a、78aと脚内側の後側エアセル76b、77bとを膨張させることによる脚への斜め方向からの押圧、を中心としてなされる施療における各部動作について、図10に示される各エアセルに対する給気タイミングに基づいて説明する。
まず、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構としてのエアポンプ70及び電磁弁80a、〜、80hに対し制御指令を送出して、脚の外側に位置する前側エアセル75a、78aに対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚90におけるすねの脚外側部分を押圧する(図11参照)。給気は所定時間(例えば3秒)継続され、押圧状態は維持される(図10参照)。
この場合も、前側エアセル75a、78aを膨張させて、先にすね側を押圧することで、溝部15aからの脚の離脱を防止することができる。
所定時間経過後、制御部40は、給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、前側エアセル75a、78aへの給気を停止する一方、エアセルからの排気は行わないようにして、これら各エアセルの膨張状態を所定時間(例えば0.5秒)保持する(図10参照)。
この後、制御部40は、新たな制御指令を送出し、前側エアセル75a、78aに対する給気を再開し、これらによる押圧状態を維持したまま、さらに、脚の内側に位置する後側エアセル76b、77bに対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚90をすねの脚外側部分とふくらはぎの脚内側部分において挟むように押圧する(図12参照)。給気は所定時間(例えば4秒)継続され、押圧状態は維持される(図10参照)。
これに続いて、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、前側エアセル75a、78a及び後側エアセル76b、77bへの給気を停止する一方、これら各エアセルからの排気は行わないようにして、これら各エアセルの膨張状態を所定時間(例えば1秒)保持し、押圧を維持する(図10参照)。
図12に示すように、脚の外側に位置する前側エアセル75a、78aと、脚の内側に位置する後側エアセル76b、77bをそれぞれ膨張させて、すねの脚外側部分とふくらはぎの脚内側部分において脚を挟むように押圧することで、脚を人の手で挟むように揉むのと同様の押圧刺激を与えることができる。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出し、前側エアセル75a、78a及び後側エアセル76b、77bに対する給気を再開し、これらによる押圧状態を維持したまま、さらに、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aと、脚の外側に位置する後側エアセル75b、78bに対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚のすねからふくらはぎにかけての部位を脚90の内外両側から広範囲に押圧する(図9参照)。給気は所定時間(例えば4秒)継続され、押圧状態は維持される(図10参照)。
この後、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し給気停止の制御指令を送出して、全ての脚用エアセルへの給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアセルの膨張状態をさらに所定時間(例えば1秒)保持する(図10参照)。
こうして、脚を部分的に挟むように押圧した後、脚がすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を一様に押圧されることで、脚へのマッサージ効果をさらに高められる。
所定時間経過後、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し作動停止の制御指令を送出し、排気により各エアセルを収縮させて、一連の施療を終了する。
なお、各エアセルにそれぞれ給気を行って膨張させる中で、膨張させるエアセルの組合せのバリエーションとして、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aと、脚の外側に位置する後側エアセル75b、78bのみを膨張させ、他のエアセルを膨張させないようにして、すねの脚内側部分とふくらはぎの脚外側部分において脚90を挟むように押圧する状態も考えられるが、この場合、脚を挟む押圧力が、特にすね側で皮膚と脛骨91表面とが近い脚内側部分に向うこととなり、押圧が痛みに繋がるので、制御部40はこうした押圧状態が生じないように制御を行う。
具体的には、脚内側に位置する前側エアセル76a、77aと脚外側に位置する後側エアセル75b、78bを共に膨張させる場合には、同時に他の少なくとも一つの脚用エアセルを膨張させるか、あらかじめ膨張した状態に維持することとし、押圧力の分散を図っている。
(第3の施療例)
続いて、第3の施療例として、脚用エアセルのうち脚外側の前側エアセル75a、78aと脚内側の後側エアセル76b、77bとを膨張させることによる脚への斜め方向からの押圧を、連続的に行う状態と断続的に行う状態とを含んだ施療における各部動作について、図13に示される各エアセルに対する給気タイミングに基づいて説明する。
なお、制御部40により、脚の外側に位置する前側エアセル75a、78aを膨張させて、すねの脚外側部分を所定時間押圧し、続いて、脚の内側に位置する後側エアセル76b、77bを合わせて膨張させ、脚をすねの脚外側部分とふくらはぎの脚内側部分において挟むように所定時間押圧し、さらに、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aと、脚の外側に位置する後側エアセル75b、78bも追加でそれぞれ膨張させて、脚のすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を周囲から一様に押圧する状態を所定時間維持する、一連の過程については、前記第2の施療例と同じであり、詳細な説明を省略する。
制御部40が、前記第2の施療例の場合と同様、全ての前側エアセル75a、76a、77a、78a及び全ての後側エアセル75b、76b、77b、78bに対する給気を所定時間(例えば4秒)継続し、膨張した各エアセルにより、脚のすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を周囲から一様に押圧する状態を維持した後、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、全ての脚用エアセルへの給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアセルの膨張状態をさらに所定時間(例えば0.5秒)保持する(図13参照)。
この後、制御部40は、新たな制御指令を送出して、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aと、脚の外側に位置する後側エアセル75b、78bを排気により収縮さる一方、残る前側エアセル75a、78a及び後側エアセル76b、77bへの給気を停止しつつこれらのエアセルからの排気は行わない状態を維持し、これらエアセルのみが膨張を保って、脚90をすねの脚外側部分とふくらはぎの脚内側部分において挟むように押圧した状態(第1の状態)を得る(図14上部参照)。この第1の状態を所定時間(例えば0.5秒)継続する(図13参照)。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出し、前側エアセル75a、78a及び後側エアセル76b、77bに対する給気を再開し、これらによる押圧状態を維持したまま、同時に、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aと、脚の外側に位置する後側エアセル75b、78bに対し、新規に給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、すねからふくらはぎにかけての脚90のほぼ全周にわたる広い部分を一様に押圧する状態(第2の状態)を得る(図14下部参照)。この第2の状態も所定時間(例えば0.5秒)継続される(図13参照)。
この後、前記第1の状態と第2の状態とが同じ時間分交互に所定回数繰返されることで、脚が脚外側と脚内側とから斜めに挟まれるように押圧される刺激と、脚が周囲から広く一様に押圧される刺激とが、短時間で交互に入れ替りながら繰返し与えられることとなり、施療に係る刺激がより変化に富んだものとなる。
前記第1の状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返された後、制御部40は、前記第2の状態と同様に、全ての前側エアセル75a、76a、77a、78a及び全ての後側エアセル75b、76b、77b、78bに対し給気を行って、各エアセルを膨張させ、脚のすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を周囲から一様に押圧する状態を、前記第2の状態の継続時間より長い所定時間(例えば3秒)継続させる(図13参照)。そして、この所定時間経過後、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し作動停止の制御指令を送出して、全ての脚用エアセルへの給気を停止すると共に、排気を行わせ、各エアセルを収縮させて、一連の施療を終了する。
(第4の施療例)
続いて、第4の施療例として、脚用エアセルのうち後側エアセル75b、76b、77b、78bを断続的に膨張させることによる脚のふくらはぎ部分に対する変化のある押圧、を中心としてなされる施療における各部動作について、図15に示される各エアセルに対する給気タイミングに基づいて説明する。
まず、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し制御指令を送出して、全ての前側エアセル75a、76a、77a、78a、並びに、全ての後側エアセル75b、76b、77b、78bに対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、すねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を周囲から一様に押圧する(図9参照)。給気は所定時間(例えば4秒)継続され、押圧状態は維持される(図15参照)。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出して、排気により全ての後側エアセル75b、76b、77b、78bを収縮させる一方、前側エアセル75a、76a、77a、78aへの給気を停止しつつこれらのエアセルからの排気は行わない状態を維持し、これら前側エアセルのみ膨張させた状態(第1の状態)を得る(図16上部参照)。この第1の状態を所定時間(例えば0.5秒)継続する(図15参照)。
この後、制御部40は、新たな制御指令を送出し、前側エアセル75a、76a、77a、78aに対する給気を再開し、これらによる押圧状態を維持したまま、同時に、後側エアセル75b、76b、77b、78bに対し給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚90のすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を周囲から一様に押圧する状態(第2の状態)を得る(図16下部参照)。この第2の状態も所定時間(例えば0.5秒)継続される(図15参照)。
この後、前記第1の状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返されることで、脚がすね側からのみ押圧されてふくらはぎ側を解放される状態と、脚が周囲から広く押圧される状態とが短時間で交互に入れ替り、特に、脚がふくらはぎ側の後側エアセルから押圧される状態の断続変化に伴って、脚のふくらはぎ部分を手でつまむように挟んだのと同様の刺激を繰返し与えられることとなる。これにより、ふくらはぎにおいて、人の手によるつまみの施術に近いマッサージ効果が得られる。
前記第1の状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返された後、前記第2の状態が、前記交互の繰返しの際の継続時間より1回分長い、すなわち2回分の時間継続される。この第1の状態と第2の状態の繰返しと最後の第2の状態の2回分継続を1つのセットとして、制御部40はその後も同様の給排制御を一又は複数セット分繰返す(図15参照)。
その後、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し作動停止の制御指令を送出して、全ての脚用エアセルへの給気を停止すると共に、排気を行わせ、各エアセルを収縮させて、一連の施療を終了する。
(第5の施療例)
続いて、第5の施療例として、脚用エアセルのうち脚外側の各エアセルと脚内側の各エアセルを交互に膨張させることによる脚の横移動、を中心としてなされる施療における各部動作について、図17に示される各エアセルに対する給気タイミングに基づいて説明する。
まず、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し制御指令を送出して、全ての前側エアセル75a、76a、77a、78a、並びに、全ての後側エアセル75b、76b、77b、78bに対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚のすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を周囲から一様に押圧する(図9参照)。給気は所定時間(例えば4秒)継続され、押圧状態は維持される。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出して、前側エアセル75a、76a、77a、78a、及び、後側エアセル75b、76b、77b、78bへの給気を停止する一方、エアセルからの排気は行わないようにして、これら各エアセルの膨張状態を所定時間(例えば0.5秒)保持する(図17参照)。
さらに、制御部40は、新たな制御指令を送出し、脚の外側に位置する前側エアセル75a、78a、及び後側エアセル75b、78bに対する給気を再開し、これらによる押圧状態を維持する一方、排気により脚の内側に位置する前側エアセル76a、77a、及び後側エアセル76b、77bを収縮させて、脚90の外側を押圧する状態(第1の状態)を得る(図18上部参照)。この第1の状態を所定時間(例えば1秒)継続する(図17参照)。
脚の外側に位置する各エアセルの膨張による押圧と、脚の内側に位置する各エアセルの収縮に伴い、脚は内側に移動する(図19参照)。この第1の状態への移行は、全ての前側エアセルと後側エアセルを膨張させて脚を周囲から一様に押圧する状態から、一部のエアセルの排気、収縮により実現させ、脚の移動を図ることから、膨張状態のエアセルから脚に移動当初より押圧力を十分に加えて脚を迅速且つスムーズに移動させることができる。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出して、排気により脚の外側に位置する前側エアセル75a、78a、及び後側エアセル75b、78bを収縮させる一方、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77a、及び後側エアセル76b、77bに対し給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚90の内側を押圧する状態(第2の状態)を得る(図18下部参照)。この第2の状態も所定時間(例えば1秒)継続する(図17参照)。
脚の内側に位置する各エアセルの膨張による押圧と、脚の外側に位置する各エアセルの収縮に伴い、脚は外側に移動する(図20参照)。
この後、図17に示されるように、前記第1の状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返されることで、脚の膝より下の部分が脚支持部上で全体的に左右に揺れる状態となり、こうした左右の揺れに応じた刺激を膝に対し与えられる。また、足支持部17に、突出して足裏に接する押圧片等を設けている場合は、脚と共に足も左右に動くことから、足裏と押圧片との接触が維持された状態で押圧片と足裏の相対位置関係が変り、これにより押圧と共にさすりに近い刺激を足裏に与えることができる。
前記第1の状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返された後、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し作動停止の制御指令を送出して、全ての脚用エアセルへの給気を停止すると共に、排気を行わせ、各エアセルを収縮させて、一連の施療を終了する。
(第6の施療例)
続いて、第6の施療例として、脚用エアセルのうち脚外側の各エアセルと脚内側の各エアセルを交互に膨張させることによる脚の横移動、及び足支持部の足側部エアセルのうち足外側の各エアセルと足内側の各エアセルを交互に膨張させることによる足の脚とは逆向きの横移動、を組合わせた動きを中心としてなされる施療における各部動作について、図21に示される各エアセルに対する給気タイミングに基づいて説明する。
まず、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し制御指令を送出して、全ての前側エアセル75a、76a、77a、78a、並びに、全ての後側エアセル75b、76b、77b、78bに対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚のすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を周囲から一様に押圧する(図9参照)。給気は所定時間(例えば4秒)継続され、押圧状態は維持される(図21参照)。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出して、前側エアセル75a、76a、77a、78a、及び、後側エアセル75b、76b、77b、78bへの給気を停止する一方、エアセルからの排気は行わないようにして、これら各エアセルの膨張状態を所定時間(例えば0.5秒)保持する(図21参照)。
続いて、制御部40は、新たな制御指令を送出し、脚の外側に位置する前側エアセル75a、78a、及び後側エアセル75b、78bに対する給気を再開し、これらによる脚の外側への押圧状態を維持する一方で、排気により脚の内側に位置する前側エアセル76a、77a、及び後側エアセル76b、77bを収縮させる。
また同時に、足支持部17において、足の内側に位置する足側部エアセル79b、79cに対し給気を行って、これらの足側部エアセル79b、79cをそれぞれ膨張させて、足の内側を押圧する。なお、この時、足の外側に位置する足側部エアセル79a、79dに対して給気は行われず排気状態とされるため、足側部エアセル79a、79dは収縮した状態となっている。
こうして、脚の外側を押圧すると共に、足の内側を押圧する状態(第1の状態)を得る。この第1の状態を所定時間(例えば1秒)継続する(図21参照)。
この第1の状態では、脚の外側に位置する各エアセルの膨張による押圧と、脚の内側に位置する各エアセルの収縮に伴い、脚は内側に移動する一方で、その下側の足は足側部エアセル79b、79cによる押圧で外側に移動することとなり(図22参照)、足が脚に対し相対的に大きく外側に移動する分、脚の内側部をストレッチ状態とすることができる。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出して、排気により脚の外側に位置する前側エアセル75a、78a、及び後側エアセル75b、78bを収縮させる一方、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77a、及び後側エアセル76b、77bに対し給気を行い、これら各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚の内側を押圧する。
また同時に、足支持部17において、排気により足の内側に位置する足側部エアセル79b、79cを収縮させる一方、足の外側に位置する足側部エアセル79a、79dに対し給気を行って、これらの足側部エアセル79a、79dをそれぞれ膨張させて、足の外側を押圧する。
こうして、脚の内側を押圧すると共に、足の外側を押圧する状態(第2の状態)を得る。この第2の状態も所定時間(例えば1秒)継続する(図21参照)。
この第2の状態では、脚の内側に位置する各エアセルの膨張による押圧と、脚の外側に位置する各エアセルの収縮に伴い、脚は外側に移動する一方で、その下側の足は足側部エアセル79a、79dによる押圧で内側に移動することとなり(図23参照)、足が脚に対し相対的に大きく内側に移動する分、脚の外側部をストレッチ状態とすることができる。
この後、図21に示されるように、前記第1の状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返されることで、脚が脚支持部上で左右に揺れると共に、足がその上の脚部分とは逆方向に揺れる状態となり、こうした脚と足の逆向きの横移動に伴う脚側部のストレッチの刺激を内外交互に与えられる。
また、前記実施形態同様、足支持部17に、突出して足裏に接する押圧片等を設けている場合は、足が左右に繰返し移動することから、押圧片と足裏の相対位置関係が変り、これにより押圧と共にさすりに近い刺激を足裏に与えることができる。
前記第1の状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返された後、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し作動停止の制御指令を送出して、全ての脚用エアセル及び全ての足側部エアセルへの給気を停止すると共に、排気を行わせ、各エアセルを収縮させて、一連の施療を終了する。
(第7の施療例)
さらに、第7の施療例として、脚用エアセルのうち後側エアセルを断続的に膨張させることによる脚のふくらはぎ部分に対する変化のある押圧と、前側エアセルと後側エアセルとを膨張させることによる脚を挟むような押圧の、交互の実行を中心とする施療における各部動作について、図24に示される各エアセルに対する給気タイミングに基づいて説明する。
まず、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し制御指令を送出して、全ての前側エアセル75a、76a、77a、78a、並びに、全ての後側エアセル75b、76b、77b、78bに対し、給気を行い、各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚のすねからふくらはぎにかけての脚のほぼ全周にわたる広い部分を周囲から一様に押圧する(図9参照)。給気は所定時間(例えば4秒)継続され、押圧状態は維持される。
所定時間経過後、制御部40は、新たな制御指令を送出して、全ての脚用エアセル、すなわち、前側エアセル75a、76a、77a、78a、及び、後側エアセル75b、76b、77b、78bへの給気を停止し、脚の外側に位置する前側エアセル75a、78a、及び、全ての後側エアセル75b、76b、77b、78bについては、排気により収縮させる一方、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aからの排気は行わないようにして、これら各エアセルの膨張状態、すなわち前側エアセル76a、77aによる脚におけるすねの脚内側部分のみ押圧する状態(最小押圧状態)を所定時間(例えば0.5秒)保持する(図24参照)。
この最小押圧状態(図25上部参照)では、前側エアセル76a、77aを膨張させて、脚90のすね側を押圧することで、溝部15aからの脚の離脱を防止することができる。
続いて、制御部40は、新たな制御指令を送出し、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aから排気を行わず、これらの膨張によるすねの脚内側部分の押圧状態をそのまま維持する一方、後側エアセル75b、76b、77b、78bに対する給気を再開し、これら各エアセルをそれぞれ膨張させて、脚90のふくらはぎを脚内外からつまむように押圧する状態(第1の状態)を得る(図25下部参照)。この第1の状態を所定時間(例えば0.5秒)継続する(図24参照)。
この後、前記最小押圧状態と第1の状態とが交互に所定回数(例えば2回)繰返され、脚90が前方から抑えられて脚支持部15の溝部15aに保持される中、特に脚がふくらはぎ側の後側エアセルから押圧される状態が短い周期で断続変化することに伴って、脚のふくらはぎ部分を手でつまむように挟んだのと同様の刺激を繰返し与えられることとなる。これにより、ふくらはぎにおいて、人の手によるつまみの施術に近いマッサージ効果が得られる。
前記最小押圧状態と第1の状態とが交互に所定回数繰返された後、制御部40は、新たな制御指令を送出して、後側エアセル75b、76b、77b、78bへの給気を停止し、且つこれら各エアセルを排気により収縮させる一方、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aからの排気は行わず、これら各エアセルの膨張状態、すなわち前側エアセル76a、77aによる脚のすねの脚内側部分のみ押圧する状態(最小押圧状態)を所定時間(例えば0.5秒)保持する(図24参照)。
続いて、制御部40は、新たな制御指令を送出し、脚の内側に位置する前側エアセル76a、77aから排気を行わず、これらの膨張によるすねの脚内側部分の押圧状態をそのまま維持する一方、脚の外側に位置する前側エアセル75a、78a、及び脚の内側に位置する後側エアセル76b、77bに対する給気を行い、これらエアセルをそれぞれ膨張させて、脚90をすねの脚外側とふくらはぎの脚内側とから挟むように押圧する状態(第2の状態)を得る(図26下部参照)。この第2の状態を所定時間(例えば0.5秒)継続する(図24参照)。
この後、前記最小押圧状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返され、脚90が前方から抑えられて脚支持部15の溝部15aに保持される中、特に脚外側の前側エアセルと脚内側の後側エアセルからの押圧が断続変化することに伴って、脚がすねの脚外側とふくらはぎの脚内側とから挟まれるように押圧される状態が断続的に繰返し生じることとなり、脚を人の手で挟むように揉むのと同様の刺激を与えることができる。
こうして前記最小押圧状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返された後、制御部40は、前記同様に、最小押圧状態と第1の状態とが交互に所定回数繰返される一連の施療過程(第1のセット)、と、最小押圧状態と第2の状態とが交互に所定回数繰返される他の一連の施療過程(第2のセット)とを、交互に所定回数実行する(図24参照)。
前記2つのセットが繰返される中で、脚90の内側に位置する前側エアセル76a、77aの膨張させた状態を維持するようにしていることで、すね表面近くに脛骨91が位置して筋肉が少なく、膨縮による刺激のマッサージ効果が薄く、むしろ断続的刺激が痛みに繋がりやすい、すねの脚内側部分に対し、エアセルの膨張状態を維持して脚の保持に利用することで、過度の圧迫を抑えて痛みを生じさせないと共に、確実に脚を位置決めして他の位置からの押圧を効率よく行える。
前記第1のセットと第2のセットが交互に所定回数実行された後、制御部40は、脚用エアセルの空気給排調整機構に対し作動停止の制御指令を送出して、全ての脚用エアセルへの給気を停止すると共に、排気を行わせ、各エアセルを収縮させて、一連の施療を終了する。
このように、本実施形態に係るマッサージ機は、脚支持部15の脚が入る溝部15aを取囲むように前側エアセル75a、76a、77a、78aと後側エアセル75b、76b、77b、78bを並べて配設し、前側エアセルはその被固定部75c、76c、77c、78cを本体部16における側壁部16aの底部寄り部位に固定され、後側エアセルはその被固定部75d、76d、77d、78dを本体部16における底部16bにそれぞれ固定されて、各エアセルの膨縮する部分が、いずれも被固定部の位置に対して、より溝部開口寄りとなる位置で膨縮することとなる。これにより、溝部に入れた脚に対し各エアセルを膨張させると、前側エアセルと後側エアセルのそれぞれにおける各被固定部に対する膨張部分の向きが近い分、各エアセルの膨張に伴う動きを、手で物を掴む動きに近いものとして、脚内外方向について対向するエアセル間のいずれでも同様に手で脚を挟むような押圧力を与えることができ、特に、後側エアセルでは、後側エアセル同士でふくらはぎをつまむように刺激する動作と、対向位置の前側エアセルと共に脚を挟む動作を使い分けることができるなど、各エアセルの膨張に伴う脚への押圧の向きと押圧位置を適切なものとして、脚に対し人の手でつまんだり挟んだりして行う施療の場合に近い刺激を与えられ、脚への施療を適切且つ効率よく実行できる。
なお、前記実施形態に係るマッサージ機は、座部12と背もたれ部13を備えると共に、座部12の前側に脚支持部15が配設された椅子型とされる構成としているが、これに限られるものではなく、例えば、椅子を構成する座部や背もたれ部等を有さない、脚支持部を主要部とした非椅子型構造の、被施療者の脚部分の施療に特化させた構成でもかまわない
また、前記実施形態に係るマッサージ機においては、脚支持部15の足側に足支持部17を設ける構成としているが、これに限られるものではなく、脚の施療に際し、足側部エアセルを用いて足を横に移動させる動作を含む施療や、足裏に対する施療を省略する場合は、足支持部を設けず、脚支持部を脚を支える部分のみとする構成としてもかまわない。