JP5573230B2 - レジスト下層膜形成用組成物及びパターン形成方法 - Google Patents
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Description
本発明のレジスト下層膜形成用組成物は、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する重合体(以下、「重合体(A)」ともいう)および溶剤(B)を含有するものである。
重合体(A)は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(イ)」ともいう)を有する重合体である。
上記一般式(1)中、R1はヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数6〜14のアリール基を示し、特に水酸基が好ましい。なお、nは0〜5の整数である。ただし、nが2〜5のときには複数のR1は同一でも異なっていてもよい。
重合体(A)は、ナフタレン誘導体とアルデヒド類、および以下の式(2)であらわされるアルコール類とを酸触媒の存在下、無溶剤あるいは溶剤中で加熱する方法や、重合後のポリマーに下記一般式(2)で示されるアルコールを酸触媒存在下に導入する方法が挙げられる。また、重合前のモノマー、例えばナフトールに下記一般式(2)で示されるアルコールを反応させて得た−R2−R3で示される基がペンダントされたナフトール化合物を用いて重合を行うこともできる。下記式(2)で表されるアルコールとしては、特に好ましくは、アダマンタノール、1,3−アダマンタンジメタノール、1,3,5−アダマンタントリメタノール、1,3−アダマンタンジオール、1,3,5−アダマンタントリオールである。
HO−R2−R3 (2)
本発明のレジスト下層膜形成用組成物に使用される溶剤としては、重合体(A)を溶解しうるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、WO2007/105776号公報[0069]〜[0072]段落に記載のものを挙げることができる。
酸発生剤(C)は、露光あるいは加熱により酸を発生する成分である。
露光により酸を発生する酸発生剤(以下、「光酸発生剤」という。)としては、WO2007/105776号公報[0076]〜[0081]段落に記載のものを挙げることができる。
架橋剤(D)は、下層膜形成用組成物を硬化させて得られるレジスト下層膜と、このレジスト下層膜の上に形成されるレジスト被膜との間のインターミキシングを防止し、さらにはレジスト下層膜のクラックを防止する作用を有する成分である。このような架橋剤としては、多核フェノール類や、種々の市販の硬化剤を使用することができる。
本発明の下層膜形成用組成物は、上記酸発生剤(C)及び架橋剤(D)以外の添加剤を含むことができる。この添加剤は、レジスト下層膜とレジスト被膜との間のインターミキシングを防止したり、下層膜形成用組成物の塗布性を向上させたりといった作用を有する成分である。このような成分としては、例えば、バインダー樹脂、放射線吸収剤、及び界面活性剤等を挙げることができる。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテン、ポリ−1−ヘキセン、ポリ−1−ヘプテン、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセン、ポリ−1−ドデセン、ポリ−1−テトラデセン、ポリ−1−ヘキサデセン、ポリ−1−オクダデセン、ポリビニルシクロアルカン等のα−オレフイン系重合体類;ポリ−1,4−ペンタジエン、ポリ−1,4−ヘキサジエン、ポリ−1,5−ヘキサジエン等の非共役ジエン系重合体類;
α,β−不飽和アルデヒド系重合体類;ポリ(メチルビニルケトン)、ポリ(芳香族ビニルケトン)、ポリ(環状ビニルケトン)等のα,β−不飽和ケトン系重合体類;(メタ)アクリル酸、α−クロルアクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物等のα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の重合体類;ポリ(メタ)アクリル酸無水物、無水マレイン酸の共重合体等のα,β−不飽和カルボン酸無水物の重合体類;メチレンマロン酸ジエステル、イタコン酸ジエステル等の不飽和多塩基性カルボン酸エステルの重合体類;
ポリイミン類;ポリフェニレンオキシド、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリオキシラン、ポリテトラヒドロフラン、ポリテトラヒドロピラン等のポリエーテル類;ポリスルフィド類;ポリスルホンアミド類;ポリペプチド類;ナイロン66、ナイロン1〜ナイロン12等のポリアミド類;脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、脂環族ポリエステル、ポリ炭酸エステル等のポリエステル類;ポリ尿素類;ポリスルホン類;ポリアジン類;ポリアミン類;ポリ芳香族ケトン類;ポリイミド類;ポリベンゾイミダゾール類;ポリベンゾオキサゾール類;ポリベンゾチアゾール類;ポリアミノトリアゾール類;ポリオキサジアゾール類;ポリピラゾール類;ポリテトラゾール類;ポリキノキサリン類;ポリトリアジン類;ポリベンゾオキサジノン類;ポリキノリン類;ポリアントラゾリン類
等を挙げることができる。
本発明のレジスト下層膜形成用組成物(以下、「下層膜組成物」ともいう。)を用いたレジストパターンの形成方法は、例えば、1)基板上に下層膜組成物を塗布し、得られた塗膜を硬化させてレジスト下層膜を形成する工程(以下、「レジスト下層膜形成工程」ともいう。)、2)該レジスト下層膜上にレジスト組成物溶液を用いてレジストパターンを形成する工程(以下、「レジストパターン形成工程」ともいう。)、及び3)レジスト下層膜をエッチングする工程(以下、「エッチング工程」ともいう。)を有することができる。
以下、各工程について説明する。
基板としては、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆したウエハー等を使用することができる。下層膜組成物の塗布は、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の方法で実施することができる。その後、露光及び/又は加熱することにより塗膜を硬化させる。露光される放射線は、使用される光酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適切に選択される。下層膜組成物が光酸発生剤を含有し、かつ露光する場合には、常温でも塗膜を有効に硬化させることが可能である。また加熱温度は、90〜350℃程度であることが好ましく、更に好ましくは200〜300℃程度である。下層膜組成物が熱酸発生剤を含有する場合は、例えば、90〜150℃程度でも塗膜を有効に硬化させることが可能である。本工程で形成されるレジスト下層膜の膜厚は、0.1〜5μmであることが好ましい。
レジストパターン形成工程では、上記レジスト下層膜形成工程にて形成されたレジスト下層膜上にレジスト組成物溶液を用いてパターン形成を行う。このようなパターン形成工程としては、例えば、2−1)レジスト組成物を塗布し、得られた塗膜をプレベークしてレジスト被膜を形成するレジスト被膜形成工程、2−2)該レジスト被膜を、フォトマスクを介して選択的に露光する露光工程、2−3)露光したレジスト被膜を現像する現像レジスト被膜形成工程を有するものを挙げることができる。
2−1)レジスト被膜形成工程:
レジスト下層膜上に、レジスト被膜が所定の膜厚となるようにレジスト組成物溶液を塗布する。その後、プレベークして、塗膜中の溶剤を揮発させて、レジスト被膜を形成する。この際のプレベークの温度は、レジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、30〜200℃程度であることが好ましく、更に好ましくは50〜150℃である。
露光に用いられる放射線としては、レジスト組成物に使用される光酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適切に選択されるが、好ましくは遠紫外線であり、特に、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、Kr2エキシマレーザー(波長147nm)、ArKrエキシマレーザー(波長134nm)、極紫外線(波長13nm等)等が好ましい。
露光後のレジスト被膜を現像し、洗浄し、乾燥することにより、所定のレジストパターンを形成させる。本工程では、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるため、露光したのち現像前に、ポストベークを行うこともできる。
得られたレジストパターンをマスクとし、例えば酸素プラズマ等のガスプラズマを用いて、レジスト下層膜のエッチングを行う。すると、所定の基板加工用のレジストパターンが得られる。
下記各合成例にて重量平均分子量(Mw)は、東ソー社製のGPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)を用い、流量:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ(検出器:示差屈折計)により測定した。
温度計を備えたセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下で、2,7−ジヒドロキシナフタレン100部、ホルマリン30部、p−トルエンスルホン酸1部、及び、プロピレングリコールモノメチルエーテル150部を仕込み、攪拌しつつ80℃で6時間重合させて反応溶液を得た。反応溶液に1,3−アダマンタンジメタノール43部を加え、80℃で24時間撹拌させた。その後、反応溶液を酢酸n−ブチル100部で希釈し、多量の水/メタノール(質量比:1/2)混合溶媒で有機層を洗浄した。その後、溶媒を留去して重合体(A)を得た。得られた重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1800であった。
還流管を装着したセパラブルフラスコに、窒素気流下で、8−メチル−8−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単量体(a)という)29部、8−メチル−8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単量体(b)という)10部、無水マレイン酸(単量体(c)という)18部、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジアクリレート4部、t−ドデシルメルカプタン1部、アゾビスイソブチロニトリル4部、及び1,2−ジエトキシエタン60部を仕込み、攪拌しつつ70℃で6時間重合した。その後、反応溶液を大量のn−ヘキサン/i−プロピルアルコール(質量比=1/1)混合溶媒中に注いで樹脂を凝固させた。凝固した樹脂を該混合溶媒で数回洗浄したのち、真空乾燥して、上記単量体(a)、(b)及び(c)のそれぞれに由来する、下記(a)〜(c)で示される各繰り返し単位のモル比が64:18:18であり、Mwが27,000の樹脂(収率60%)を得た。なお、この樹脂の分子量は、上記の重合体(A)と同様にして測定した。
合成例1で得られた重合体(A)10部をプロピレングリコールモノメチルエーテル100部に溶解して混合溶液を得た。その後、この混合溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過することによりレジスト下層膜形成用組成物を得た。このレジスト下層膜形成用組成物を塗工液として用いて以下の各種評価を行った。
まず、直径8インチのシリコンウエハ上に、レジスト下層膜形成用組成物をスピンコート法により塗布した。次に、ホットプレート上に置き、180℃で60秒間加熱した。引き続き、350℃で60秒間加熱して、膜厚0.3μmの下層膜を形成した。次に、この下層膜上に3層レジストプロセス用中間層組成物溶液(商品名「NFC SOG080」、JSR社製)をスピンコートした後、ホットプレート上に置き、200℃で60秒間加熱した。引き続き、300℃で60秒間加熱して、膜厚0.05μmの中間層被膜を形成した。次に、この中間層被膜上に、上記調製例1で得たレジスト組成物をスピンコートし、130℃のホットプレート上で90秒間プレベークして、膜厚0.2μmのレジスト被膜を形成した。
ポジ型レジストパターンが形成されたレジスト被膜への定在波の影響の有無を、走査型電子顕微鏡により観察して以下の基準で評価した。パターン側面に、下層膜からの反射による定在波が見られなかった場合を良好(表2中、「○」と記す)とし、定在波が見られた場合を不良(表2中、「×」と記す)とした。
直径8インチのシリコンウエハ上に、レジスト下層膜形成用組成物をスピンコートした。その後、ホットプレート上にて、300℃で120秒間加熱して、膜厚0.3μmの下層膜を形成した。この下層膜について、J.A.WOOLLAM社製の「分光エリプソメータVUV−VASE」を用いて、波長193nmにおける屈折率(表2中、「屈折率(n)」と示す)と吸光度(表2中、「消衰係数(k)」と示す)を測定した。
まず、スピンコート法により、直径8インチのシリコンウエハ上に、レジスト下層膜形成用組成物をスピンコートして、膜厚300nmの下層膜を形成した。その後、この下層膜を、エッチング処理(圧力:0.03Torr、高周波電力:3000W、Ar/CF4=40/100sccm、基板温度:20℃)し、エッチング処理後の下層膜の膜厚を測定した。そして、膜厚の減少量と処理時間との関係からエッチングレート(nm/分)を算出し、その値をエッチング耐性の評価とした。
表1に示す化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法にて、実施例2−6及び比較例のレジスト下層膜形成用組成物を得た。得られたレジスト下層膜形成用組成物を塗工液として用い上述した各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
Claims (6)
- 下記一般式(1’)で表される繰り返し単位以外の下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)および溶剤(B)を含むレジスト下層膜形成用組成物。
- 前記重合体(A)の重量平均分子量が500〜8,000である請求項1または2に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
- さらに酸発生剤(C)を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
- さらに架橋剤(D)を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
- 被加工基板上に請求項1〜5いずれか一項に記載のレジスト下層膜形成用組成物を塗布し、得られた塗膜を硬化させてレジスト下層膜を形成する工程、レジスト下層膜が形成された被加工基板にレジスト組成物溶液を用いてレジストパターンを形成する工程、及びレジスト下層膜と被加工基板をエッチングする工程、を有するパターン形成方法。
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