JP5572842B2 - 析出強化型Ni基耐熱合金およびその製造方法 - Google Patents

析出強化型Ni基耐熱合金およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高速炉の燃料被覆管の材料として用いられる析出強化型Ni基耐熱合金およびその製造方法に関する。
高速炉の炉心材料には、高温、高放射線下においてクリープ変形や環境誘起割れに対する優れた抵抗性が要求される。原型炉もんじゅにおいては、高速炉の炉心材料のうち、最も厳しい適用条件となる燃料被覆管に、SUS316系のオーステナイト系ステンレス鋼が用いられている。
また、軽水炉の耐摩耗性高強度部材には、ステライトやインコネルが用いられているが、ステライトではCo基合金に伴う放射化が保守管理の重要課題となっており、インコネルでは粒界型の応力腐食割れが重要な課題となっている。また、超臨界圧水炉の燃料被覆管の材料として、SUS310系鋼が候補になっているが、700℃の高温側ではオーステナイト相安定性が低いために、σ相脆化が重要な課題となっている。
SUS316系鋼のオーステナイト(γ相)の時効脆化に関するTTC(時効時間−温度−腐食生成域)線図とγ相安定性の関連性とを図9に示す。左図において、IGCは結晶粒界でのσ相や炭化物のCr欠乏層の生成に関わる粒界腐食、MPC(Martensite Path Corrosion)は加工誘起マルテンサイトや残留フェライトのスピノーダル分解による結晶面レベルでの高Cr面及び低Cr面の生成に伴う粒界および粒内の耐食性の低下域であり、冷間加工等の熱履歴と時効時間に応じて生じる。これは、右図のように、過冷却の状態においてγ相自体の安定性が低く、実用温度領域の時効の間に組織変化を生じることによる。
また、高温運転の高速炉では、熱交換器の伝熱管にも700℃級の高温に耐える耐熱合金が必要であるが、現在のインコネル690等は、析出強化型ではないので、機械的強度が不十分である。
現行材料のJISのSUS304やSUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼は、16質量%以上のCrを含み、不働態膜を形成し易く優れた耐食性を発揮するとともに、オーステナイト(γ)と呼ばれる面心立方晶特有の優れた成形加工性と靭性とを有しており、原子炉の炉心構造材料として汎用化されている。しかし、このような材料は、Ni量が20%以下と低いために、実用温度におけるオーステナイト相自体の熱力学的安定性が不十分である。250〜700℃の広範な温度範囲で速中性子による重照射を受ける高速炉の条件下では、250〜450℃の低中温域で照射脆化が生じ易く、450℃以上でボイドスエリングによる体積変化および照射クリープによる形状変化が生じ易い。そのため、耐熱性、耐放射線性が不十分であり、これらの高速炉への適用が困難となっている。
耐照射性(耐ボイドスエリング性)に及ぼすγ相安定性の影響を図10に示す。耐照射性は、γ相が固溶体として安定するFe/Ni比の条件で最も優れている。
また、耐照射性の改良合金として、PNC316やPNC1520等のオーステナイト系ステンレス鋼が開発されており、これらを用いれば、ボイドスエリングの発生までの潜伏時間が抑制される。しかし、ボイドスエリングの発生後には、照射量(時間)に比例してボイドの成長/粗大化が生じるので、照射量が100dpa程度までの原型炉が適用範囲とされており、実用炉の照射量250dpaには別の耐照射性が一層優れた材料の適用が必要とされている。
そこで、現用のオーステナイト系ステンレス鋼の課題を解決する将来の高速炉用の燃料被覆管材料として、欧米において析出強化型Ni基耐熱合金の研究開発が活発に行われており、英国の原型炉に用いられたNimonic Alloy PE16や、米国のインコネル系の商用合金を改良した新合金が開発されている。特許文献1には、燃料被覆管のような高速増殖炉炉心部材に使用される、耐中性子照射特性および耐ナトリウム腐食特性に優れたFe−Ni基オーステナイト合金が開示されている。
また、現用のオーステナイト系ステンレス鋼の課題を解決するための別系統の材料技術として、例えばフェライト系鋼が開発されている。フェライト系鋼は、ボイドスエリングが生じ難い体心立方晶を有することから、低温運転される増殖専用の高速炉の金属燃料用被覆管として、HT9等の適用が米国を中心に実施されている。しかし、フェライト系鋼は、オーステナイト系鋼と比較して、高温での機械的強度が低く、耐熱性が課題となる。そのため、特許文献2には、熱間押出し時の残留α粒の生成割合を高めることで、高温強度に優れたマルテンサイト系酸化物分散型鋼(マルテンサイト系ODS鋼)が開示されている。
特許第2574497号公報 特許第3753248号公報
英国で開発されたPE16等のNi基耐熱合金は、45質量%近くのNiを含有しており、γ'相と呼ばれるNi3(Al,Ti)型の規則相の金属間化合物、および、Moと炭素の添加によるM6C等の炭化物の析出強化を図っている。しかしながら、PE16等のNi基耐熱合金では、燃料被覆管の実用高温域である700℃において、金属間化合物及び炭化物が結晶粒界で粗大化して成長したり、不純物の粒界偏析が生じたりするとともに、析出物が規則相化合物であるために核変換反応により生成されるHeのトラップ効果が小さく、結晶粒界に移行してバブルを生じ易い等の要因が重なり、結晶粒界が非常に脆くなる。そのため、実用化する上で延性の低下が重要な課題になっている。また、このような性質に伴い、ボイドスエリングも生じる傾向にある。
また、PE16等のNi基耐熱合金には、800℃以上になると析出強化の主体となるNi(Al,Ti)のγ’相自体の熱力学的安定性が急速に低下して溶解し易くなるという性質がある。そのため、PE16等のNi基耐熱合金では最終熱履歴の析出強化温度が750℃程度と低い。現在の高速炉開発では、原型炉もんじゅの設計における過渡事象時の温度を830℃としており、実用炉の安全規制上の使用温度範囲の条件となる最終熱処理温度は、それ以上が必要とされる。
また、酸化物分散強化型を含むフェライト系鋼においては、炉が700℃の実用高温域になると、燃料の三体核***により生じるトリチウム、および、材料構成核種の核変換反応で生成される水素の影響や、液体金属ナトリウムの反応性の増大により、析出物である炭化物や酸化物の熱力学的安定性が低下して、これらを構成する炭素や酸素がCrと共に一次冷却材側へ拡散散逸することで、大きな金属組織変化が生じ易いことが、米国のフェライト系鋼の使用経験や燃料ピンの照射試験等により見出されている。そのため、650℃がフェライト系鋼の限界温度とされている。
また、フェライト系鋼は、体心立方晶特有の水素誘起割れに対する高い感受性を有しており、低温側では微量の水素でも水素脆性が生じ易く、高温側ではCr含有量による炭素活量に依存した水素侵食と呼ばれるメタン生成反応の脆化が生じ易いという本質的なリスクを抱えている。また、高温側では、一次冷却系回路の液体金属ナトリウム中の質量移行としてNaが表面に析出して拡散し、フェライト系鋼のオーステナイト化が生じて耐照射性が大きく低下するというリスクも懸念されている。一方、燃料側のFCCI(Fuel-Cladding Chemical Interaction)については、フェライト系鋼の場合、酸化反応やFP(Fission Product)との化学的反応性の点で、Cr含有量が少なく保護性酸化膜が生じ難いというリスクもある。
また、酸化物分散強化型を含むフェライト系鋼は、フェライトやマルテンサイトの相安定性上、高温側では脆いσ相の生成が生じ易く、低温側ではスピノーダル分解が生じ易い性質を有するために、Cr含有量が12質量%以下に制約されており、実環境での不働態化に必要な16%以上のCrを含有させることが出来ない。そのため、高温の大気や水/水蒸気の腐食環境には不向きであり、核燃料サイクル工程における水保管や湿式再処理に支障が生じる虞がある。そのため、米国では、フェライト系鋼の使用を、650℃以下の低温運転の増殖や核変換の専用炉の金属燃料用被覆管に限定している。つまり、フェライト系鋼は、不活性ガスのドライ保管、乾式再処理からなる、現行とは別の核燃料サイクルシステム用として開発されてきたという経緯がある。従って、我が国の現行の軽水炉システムの延長線上の基幹技術として優れた発電効率が要求される高温運転の高速炉や、水保管、湿式再処理等で構成される核燃料サイクルシステムに要求される耐食性を保証する上で、これらに酸化物分散強化型等のフェライト系鋼を適用することは技術的に大きく制約される。
また、ODS鋼は、粉末冶金に伴い小容量のバッチ方式により制作するので、商用規模の多量生産に不向きであり、経済性の課題がある。また、ODS鋼は、複合材料であるために非破壊検査上の技術的困難性がある。
現行の材料の技術的課題の比較を表4に示す。
将来的には、現行の発電炉に代わって、高温運転の高速炉を中核とした核燃料サイクルシステムを構築することが必要になる。上記の観点から、その炉に用いるMOX燃料用被覆管においては、耐照射性や耐熱性のほかに、一次系冷却材の液体金属ナトリウムや燃料との両立性や、核燃料サイクル工程における放射線作用下の大気、水保管、使用済み燃料の硝酸溶解等の工程において優れた耐食性を有すること、および、発電炉用としてのコストが現行の2倍以内に収まることが必要であり、耐照射性、耐熱性、耐食性、及び、コスト性を総合的に満足できる高性能材料技術の確立が望まれている。
本発明の目的は、耐照射性、耐熱性、耐食性、及び、コスト性に優れた析出強化型Ni基耐熱合金およびその製造方法を提供することである。
本発明における析出強化型Ni基耐熱合金は、組成が質量%で、C:0.03%以下、Mn:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Si:2.0〜3.0%、Cr:23〜30%、W:7.0〜14.0%、Fe:10〜20%、Ni:40〜60%であり、且つ、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計が0.01%以下であって、加工熱処理によりシリサイドが分散析出されているとともに、母相オーステナイトの結晶粒径がASTM粒度番号No.2〜No.6の範囲に制御されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、ボイドスエリングはオーステナイト相の安定性に依存する。そこで、電子空孔濃度を低くしてボイドの生成のし易さを支配する積層欠陥エネルギーを高める策として、高Ni化が不可欠である。また、重照射条件下でRIS(Radiation Induced Segregation)と呼ばれる照射誘起偏析が生じて、結晶粒界のCr濃度が母材中よりも10%近く低下することを考慮して、十分に高Cr化することが必要である。そこで、組成を高Ni化および高Cr化する。この基本的な合金組成の制御により、耐照射性及び耐食性を保証することができる。
また、Ni基耐熱合金は、結晶粒内に変形抵抗が大きいため、結晶粒界の力学的特性を低めるP、S、B、アルカリ系金属、ハロゲン等の金属結合を害する効果が大きい不純物の残留量が多いと、凝固割れや高温割れの感受性が高くなるとともに、環境誘起割れでの粒界型応力腐食割れや水素脆性に対する感受性が大きく増大する。そこで、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計を0.01質量%以下にする。これにより、結晶粒界の機械的特性や耐食性を保証することができる。
また、高温クリープ強度を維持する上で重要な分散析出強化を図る金属間化合物には、900℃までの広範な温度域で十分な熱力学的安定性が要求される。高温クリープ強度を維持し、且つ、重照射下で溶解し難い金属間化合物として、PE16等のγ’相は不適である。そこで、オーステナイト系ステンレス鋼の重照射後の安定析出物がG相と呼ばれるシリサイドであること、Si自体がボイドスエリングの抑制効果を有すること、シリサイド系ではW−Si系が高温域までの溶解度が最も低いこと等の知見から、熱力学安定性の高いタングステンシリサイド等のシリサイドを金属間化合物とする。そして、シリサイドを分散析出させるとともに、母相オーステナイトの結晶粒径を所定の結晶粒径に制御することにより、高温クリープ強度を確保することができる。
また、現行する商用の燃料被覆管の製造工程における熱間押出を流用して、燃料被覆管の多量製造が可能であるので、商用発電炉の要求コストを満足することができる。
これにより、耐照射性、耐熱性、耐食性、及び、コスト性に優れた析出強化型Ni基耐熱合金とすることができる。
また、本発明における析出強化型Ni基耐熱合金において、前記シリサイドが、タングステンシリサイドであってよい。上記の構成によれば、シリサイド系ではW−Si系が高温域までの溶解度が最も低いことから、熱力学安定性の高いタングステンシリサイドを分散析出させることにより、高温クリープ強度を好適に確保することができる。
また、本発明における析出強化型Ni基耐熱合金において、前記シリサイドは、20〜40vol%の範囲で分散析出されてなるものであってよい。上記の構成によれば、高温クリープ強度特性により優れた析出強化型Ni基耐熱合金を提供することができる。
また、本発明における析出強化型Ni基耐熱合金の製造方法は、組成が質量%で、C:0.03%以下、Mn:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Si:2.0〜3.0%、Cr:23〜30%、W:7.0〜14.0%、Fe:10〜20%、Ni:40〜60%であり、且つ、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計が0.01%以下となるように原料を精錬して鋼塊にする超高純度溶製工程と、前記鋼塊を加工熱処理してシリサイドを分散析出させるとともに、母相オーステナイトの結晶粒径をASTM粒度番号No.2〜No.6の範囲に制御する加工熱処理工程と、を有し、前記加工熱処理工程は、1200〜1300℃の温度域で溶体化処理を行うステップと、前記溶体化処理の後に、加工率60%の範囲内で冷間加工を施すステップと、前記冷間加工後に、500〜650℃の温度範囲で時効析出処理を行うステップと、前記時効析出処理の後に、750〜950℃の温度範囲で中高温再結晶の熱処理を行うステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明における析出強化型Ni基耐熱合金の製造方法は、組成が質量%で、C:0.03%以下、Mn:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Si:2.0〜3.0%、Cr:23〜30%、W:7.0〜14.0%、Fe:10〜20%、Ni:40〜60%であり、且つ、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計が0.01%以下となるように原料を精錬して鋼塊にする超高純度溶製工程と、前記鋼塊を加工熱処理してシリサイドを分散析出させるとともに、母相オーステナイトの結晶粒径をASTM粒度番号No.2〜No.6の範囲に制御する加工熱処理工程と、を有し、前記加工熱処理工程は、加工率60%の範囲内で冷間加工を施すステップと、前記冷間加工後に、1200〜1300℃の温度域で固溶化熱処理を行うステップと、前記固溶化熱処理の後に、750〜900℃の温度範囲で時効析出処理を行うステップと、を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、ボイドスエリングはオーステナイト相の安定性に依存する。そこで、電子空孔濃度を低くしてボイドの生成のし易さを支配する積層欠陥エネルギーを高める策として、高Ni化が不可欠である。また、重照射条件下でRISと呼ばれる照射誘起偏析が生じて、結晶粒界のCr濃度が母材中よりも10%近く低下することを考慮して、十分に高Cr化することが必要である。そこで、組成を高Ni化および高Cr化する。この基本的な合金組成の制御により、耐照射性及び耐食性を保証することができる。
また、Ni基耐熱合金は、結晶粒内に変形抵抗が大きいため、結晶粒界の力学的特性を低めるP、S、B、アルカリ系金属、ハロゲン等の金属結合を害する効果が大きい不純物の残留量が多いと、凝固割れや高温割れの感受性が高くなるとともに、環境誘起割れでの粒界型応力腐食割れや水素脆性に対する感受性が大きく増大する。そこで、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計を0.01質量%以下にする。これにより、結晶粒界の機械的特性や耐食性を保証することができる。
また、高温クリープ強度を維持する上で重要な分散析出強化を図る金属間化合物には、900℃までの広範な温度域で十分な熱力学的安定性が要求される。高温クリープ強度を維持し、且つ、重照射下で溶解し難い金属間化合物として、PE16等のγ’相は不適である。そこで、オーステナイト系ステンレス鋼の重照射後の安定析出物がG相と呼ばれるシリサイドであること、Si自体がボイドスエリングの抑制効果を有すること、シリサイド系ではW−Si系が高温域までの溶解度が最も低いこと等の知見から、熱力学安定性の高いタングステンシリサイド等のシリサイドを金属間化合物とする。そして、シリサイドを分散析出させるとともに、母相オーステナイトの結晶粒径を所定の結晶粒径に制御することにより、高温クリープ強度を確保することができる。
また、現行する商用の燃料被覆管の製造工程における熱間押出を流用して、燃料被覆管の多量製造が可能であるので、商用発電炉の要求コストを満足することができる。さらに、耐摩耗性が要求される250〜450℃の低中温域においては、冷間加工と時効析出処理と中高温再結晶とを組み合わせた加工熱処理により、シリサイドの分散析出と母相オーステナイトの結晶粒径の制御を図る。これにより、耐摩耗性が要求される250〜450℃の実用環境への適用性を保証することができる。一方、高温クリープ強度が要求される450〜700℃の中高温域においては、冷間加工と固溶化熱処理と時効析出処理とを組み合わせた加工熱処理により、シリサイドの分散析出と母相オーステナイトの結晶粒径の制御を図る。これにより、高温クリープ強度が要求される450〜700℃の実用環境への適用性を保証することができる。
これにより、耐照射性、耐熱性、耐食性、及び、コスト性に優れた析出強化型Ni基耐熱合金とすることができる。
また、本発明における析出強化型Ni基耐熱合金の製造方法において、前記シリサイドが、タングステンシリサイドであってよい。上記の構成によれば、シリサイド系ではW−Si系が高温域までの溶解度が最も低いことから、熱力学安定性の高いタングステンシリサイドを分散析出させることにより、高温クリープ強度を好適に確保することができる。
また、本発明における析出強化型Ni基耐熱合金の製造方法において、前記シリサイドは、20〜40vol%の範囲で分散析出されてなるものであってよい。さらに、母相オーステナイトの結晶粒径をASTM粒度番号No.2〜No.6の範囲で制御することが好適である。上記の構成によれば、高温クリープ強度特性により優れた析出強化型Ni基耐熱合金を提供することができる。
本発明の析出強化型Ni基耐熱合金およびその製造方法によると、基本的な合金組成の制御により、耐照射性及び耐食性を保証することができるとともに、シリサイドを分散析出させることにより、高温クリープ強度を確保することができる。また、現行する商用の燃料被覆管の製造工程における熱間押出を流用して、燃料被覆管の多量製造が可能である。よって、耐照射性、耐熱性、耐食性、及び、コスト性に優れた析出強化型Ni基耐熱合金とすることができる。
G相系のタングステンシリサイドを金属間化合物とする合金の有効性を示す図である。 超高純度溶製法と実管製造の例を示す図である。 本実施形態のG系Ni基EHP(Extra High Purity)合金の組成及び加工熱処理による耐摩耗性の保証条件の評価例を示す図である。 本実施形態のG系Ni基EHP合金の改良対策をまとめた図である。 本実施形態のG系Ni基EHP合金の時効析出挙動及び高温変形能の評価例を示す図である。 本実施形態のG系Ni基EHP合金と現行の比較合金とで耐照射性を比較した評価例を示す図である。 本実施形態のG系Ni基EHP合金と現行の比較合金とで高温クリープ特性を比較した評価例を示す図である。 本実施形態のG系Ni基EHP合金の耐食性の例を示す図である。 SUS316系鋼のオーステナイト(γ相)の時効脆化に関するTTC(時効時間−温度−腐食生成域)線図とγ相安定性の関連性とを示す図である。 耐照射性に及ぼすγ相安定性の影響を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
(析出強化型Ni基耐熱合金の組成)
本発明の実施形態による析出強化型Ni基耐熱合金(G系Ni基EHP合金)は、Cを0.03質量%以下、Mnを0.5質量%以下、Pを0.01質量%以下、Sを0.01質量%以下、Siを2.0〜3.0質量%、Crを23〜30質量%、Wを7.0〜14.0質量%、Feを10〜20質量%、Niを40〜60質量%含有し、且つ、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計が0.01質量%(100wppm)以下である。このG系Ni基EHP合金は、後述する超高純度溶製法によって、原料を精錬することにより製造され、さらに、後述する加工熱処理によって、20〜40vol%の範囲のタングステンシリサイドが分散析出されている。本実施形態のG系Ni基EHP合金と現行の比較合金との組成の違いを表1に示す。なお、Nを除いては、GD−MS(グロー放電質量)分析法により、不純物元素分析を行っている。
ボイドスエリングはオーステナイト相の安定性に依存する。そこで、電子空孔濃度を低くしてボイドの生成のし易さを支配する積層欠陥エネルギーを高める策として、高Ni化が不可欠である。また、重照射条件下でRISと呼ばれる照射誘起偏析が生じて、結晶粒界のCr濃度が母材中よりも10%近く低下することを考慮して、十分に高Cr化することが必要である。
本実施形態のG系Ni基EHP合金における主要成分であるNi、Cr、Fe及びSiやWと不純物の許容範囲等を上記のように限定した理由は、以下のとおりである。
Crに関しては、高速炉使用済み燃料被覆管の長期水保管や湿式再処理における耐食性を十分に保証することと、σやα−Cr等の耐照射性を損なう二次相生成を生じさせずにオーステナイト相を安定化させる観点から、23〜30質量%としている。
また、Feに関しては、適用する原子炉の中性子スペクトルや温度条件によりNiの2段反応によるHeの生成を生じ易いことや、Fe−Cr−Ni系で最もオーステナイト相が固溶体として安定する条件を勘案して、10〜20質量%の範囲で適切に調整している。
また、Niに関しては、上記の合金元素の添加量の範囲を勘案して、40〜60質量%の範囲で調整している。この基本的な合金組成の制御により、耐照射性及び耐食性の基本的特性が十分に保証される。
また、Siは、本実施形態のG系Ni基EHP合金の特長として、延性を損なわずに高温クリープ強度を保証するための合金元素として、Wと共に複合添加している。ここで、熱力学的安定性が高い金属間化合物として、γ'型のPE16と、シリサイド型のG相とがある。シリサイドとは、金属とシリコンとの化合物のことである。G相にはタングステンシリサイドやNi3Siが含まれる。G相系のタングステンシリサイドを金属間化合物とする合金の有効性を図1に示す。G相系のタングステンシリサイドは、熱力学的安定性が高く、900℃の高温域まで溶解し難く、分散強化用の金属間化合物として、現行の商用Ni基合金であるPE16等のγ'型よりも優れている。よって、WとSiとの組み合わせによるG相が金属間化合物として最も有効である。ただし、これらの元素は、共晶温度を低下させて凝固割れ性を高める負の効果も同時に有する。これを勘案して、Siを2.0〜3.0質量%の範囲としている。
Wは、耐熱合金用の合金元素として、金属イオン半径が大きく拡散速度も低く、固溶強化元素として有効であるほか、上記のように、WとSiとの組み合わせによるG相が金属間化合物としての析出強化元素として有効である。但し、Siと同様に凝固割れ感受性を高める負の効果を有することから、これを勘案して、Wを7.0〜14.0質量%の範囲としている。
さらに、Si自体は、ボイドの生成を抑制する効果を有している。また、WやSiは、Crだけでは十分な防食皮膜が形成できない放射線作用下の大気や水環境の高酸化力の腐食環境において、優れた酸化皮膜の形成能を有するので、WやSiを添加することは、耐食性の改善にも有効である。また、G相系のタングステンシリサイドは、塊状の不規則化合物を形成し易い。そのため、γ’型のような規則化合物が、表面エネルギーに依存して粗大化して粒界脆化を促進する傾向を持つのに対して、G相系のタングステンシリサイドは、重照射条件下においても、表面エネルギーに依存して粗大化して粒界脆化を促進する傾向を持たない。また、G相系のタングステンシリサイドは、核変換反応により生成されるHeをトラップする効果が大きいので、ヘリウム脆性を抑制する効果があり、耐照射性の総合的な改善に有効である。
上記以外の他の元素は、全て不純物元素としている。これらの限界濃度は、供用期間中の時効において、オーステナイトの結晶粒界の結合力を弱めて、延性の低下や耐食性の低下を生じないことと、結晶粒界への成分偏析のし易さ、及び、後述する商用溶製法による清浄化の限界等を総合的に勘案した妥当性の高い条件としている。置換型固溶元素の金属では、耐食性の阻害効果の大きいMnを0.5質量%以下としている。また、格子間侵入型元素は、時効析出や偏析能が高いことから、Cを0.03質量%以下、Pを0.01質量%以下、Sを0.01質量%以下に制限し、且つ、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計が0.01質量%(100wppm)以下として、供用条件下でのオーステナイトの結晶粒界の健全性を保証する。併せて、供用温度の違いより、高温条件では、不純物の溶解度が大きく、変形挙動が拡散クリープの粒界すべり支配となることを勘案して、加工熱処理により、オーステナイトの結晶粒径を好ましくはASTM粒度番号7以下の大きな粒径に制御する。また、低中温条件では、機械的強化上、有効な変形抵抗性を発揮する結晶粒径を好ましくはASTM粒度番号7以下の大きな粒径に制御する。この複合手段により、不純物の偏析の抑制と機械的強度の双方の確保を図る。
(超高純度溶製法)
次に、本実施形態のG系Ni基EHP合金の鋼塊を製造する超高純度溶製法について説明する。本実施形態のG系Ni基EHP合金の鋼塊は、二段精錬法を用いたEHPと称する超高純度溶製法によって原料を精錬することで製造される(超高純度溶製工程)。その過程において、B、アルカリ系金属、ハロゲン等の有害不純物の極小化と凝固偏析の抑制とがなされている。超高純度溶製法(EHP)と実管製造の例を図2に示す。
Ni基耐熱合金は、結晶粒内に変形抵抗が大きい。そのため、Ni基耐熱合金において、結晶粒界の力学的特性を低めるP、S、B、アルカリ系金属、ハロゲン等の金属結合を害する効果が大きい不純物の残留量が多いと、凝固割れや高温割れの感受性が高くなるとともに、環境誘起割れでの粒界型応力腐食割れや水素脆性に対する感受性が大きく増大する。そこで、本実施形態では、EHPにより、C,N,O,P,S等の粒界に偏析し易い格子間侵入型元素の含有率の合計を0.01質量%(100wppm)以下にし、且つ、組成を均質化することで、結晶粒界の機械的特性や耐食性を保証している。
また、EHPでは、水冷銅のるつぼの引き下げ法により、連続的に鋼塊を凝固させる。そのため、現行のVIMやVAR等の真空溶解法で課題となっている凝固偏析やセラミックるつぼからの汚染が生じない。よって、清浄度の高い鋼塊を得ることができる。また、EHPは、得られる鋼塊が均熱処理相当の大結晶粒であるとともに、用途に応じた矩形や板状等の形状の中間製品を直接溶製造できるという特長も有している。これにより、製品製造工程の合理化や製品の信頼性の向上を図ることができる。
具体的には、EHPの前段においては、磁気浮上型の高周波誘導溶解炉(CCIM)を用いる。そして、Ca/CaFをフラックスとして用いる還元精錬と、鉄の酸化物をフラックスとして用いる酸化精錬とを実施する。これにより、P,S,N,Ca,C等の非揮発性不純物を効率的に除去し、且つ、電磁誘導による撹拌効果で組成の均質化を図る。なお、水冷銅のるつぼを用いるので二次汚染が生じ難い。
さらに、EHPの後段においては、最も効率的な揮発精錬法であるコールドハースを用いた電子ビーム溶解法(EB−CHR)を適用して、残留するO等の揮発性不純物を除去する。EHPについては、独立行政法人日本原子力研究開発機構のホームページ(http://jolisfukyu.tokai-sc.jaea.go.jp/fukyu/mirai/2008/10_1.html)に開示されている。不純物の制御状況と合金元素の添加効果のパラメータ評価用の組成を表2に示す。
(加工熱処理)
次に、EHPで製造された鋼塊に施される加工熱処理について説明する。本実施形態のG系Ni基EHP合金は、加工熱処理によって、タングステンシリサイドが分散析出されている(加工熱処理工程)。ここで、加工熱処理とは、最終の塑性加工がある温度範囲で行われ、熱処理だけでは繰り返して得られない特定の性質をもつ材料状態を生じさせる加工工程である。
高温クリープ強度を維持する上で重要な分散・析出強化を図る金属間化合物には、900℃までの広範な温度域で十分な熱力学的安定性が要求される。ここで、分散強化とは、析出して分散する粒子が母相の結晶構造を乱すことによって生じる硬さの上昇をいい、析出強化とは、析出を起こす元素を添加した合金を高温熱処理して、母相へそれらの元素を固溶させた後、その固溶させた際の温度より低温で熱処理して、固溶させた元素を析出させる手法をいう。高温クリープ強度を維持し、且つ、重照射下で溶解し難い金属間化合物として、PE16等のγ’相は不適である。そこで、オーステナイト系ステンレス鋼の重照射後の安定析出物がG相と呼ばれるシリサイドであること、Si自体がボイドスエリングの抑制効果を有すること、シリサイド系ではW−Si系が高温域までの溶解度が最も低いこと等の知見から、予め熱力学安定性の高いタングステンシリサイドを金属間化合物としている。本実施形態のG系Ni基EHP合金と現行の比較合金との耐照射性の違いを表3に示す。
ここで、250〜450℃の低中温域で使用されるG系Ni基EHP合金と、450〜700℃の中高温域で使用されるG系Ni基EHP合金とでは、力学的特性の要求条件が異なる。具体的には、250〜450℃の低中温域では耐摩耗性が要求され、450〜700℃の中高温域では高温クリープ強度が要求される。
初めに、耐摩耗性が要求される250〜450℃の低中温域で使用されるG系Ni基EHP合金に対する加工熱処理を説明する。まず、1200〜1300℃の温度域でG系Ni基EHP合金に溶体化処理を好ましくは10分以上行う。これにより、オーステナイト相が均一固溶体となる。次に、加工率60%の範囲内でG系Ni基EHP合金に冷間加工を施す。その後、500〜650℃の温度範囲でG系Ni基EHP合金に時効析出処理を好ましくは20時間以上行う。これにより、タングステンシリサイドの結晶粒径の制御が適切に図られる。そして、750〜950℃の温度範囲でG系Ni基EHP合金に中高温再結晶の熱処理を好ましくは5時間以上行う。これにより、タングステンシリサイドが分散強化されて、耐摩耗性が要求される250〜450℃の実用環境への適用性が保証されることになる。
本実施形態のG系Ni基EHP合金の組成及び加工熱処理による耐摩耗性の保証条件の評価例を図3に示す。低中温の耐摩耗性が要求される条件では、WとSiの濃度及び冷間加工と時効析出処理の組合せによる加工熱処理により、タングステンシリサイドの析出状態を制御することができる。よって、現行の発電炉に適用されている鋳造合金ステライト以上の硬さの合金を自在に製造することができる。
次に、高温クリープ強度が要求される450〜700℃の中高温域で使用されるG系Ni基EHP合金に対する加工熱処理を説明する。まず、加工率60%の範囲内でG系Ni基EHP合金に冷間加工を施す。次に、1200〜1300℃の温度域でG系Ni基EHP合金に固溶化熱処理を好ましくは10分以上行う。これにより、タングステンシリサイドの結晶粒径の制御が適切に図られる。その後、750〜900℃の温度範囲でG系Ni基EHP合金に時効析出処理を好ましくは20時間以上行う。これにより、タングステンシリサイドが分散強化されて、高温クリープ強度が要求される450〜700℃の実用環境への適用性が保証されることになる。
以上のように、本実施形態のG系Ni基EHP合金は、図4に示すように、耐照射性が改善され、高温クリープ強度が確保され、耐食性が保持されている。具体的には、組成を高Ni化および高Cr化することで、耐照射性及び耐食性を保証している。また、超高純度溶製法(EHP)によって、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計を0.01質量%(100wppm)以下にすることで、結晶粒界の機械的特性や耐食性を保証している。また、加工熱処理によって、タングステンシリサイドを分散析出させることにより、高温クリープ強度を確保している。また、タングステンシリサイドがHeをトラップする効果により、耐照射性を改善している。
(高温変形能の評価試験)
次に、本実施形態のG系Ni基EHP合金についての高温変形能の評価試験の結果について説明する。
高速炉の燃料被覆管に適用される材料には、信頼性の高い燃料被覆管を商用規模で多量に製造できることが要求される。高温変形能の評価試験から、本実施形態のG系Ni基EHP合金は、熱間押出や熱間引抜を行う際に必要な高温変形が非常に広い温度域で良好であり、現行のSUS316鋼と同等の製造性で商用の燃料被覆管を製造できることが確認されており、実験室規模では、実管規模の4mの被覆管が製造されている(図2参照)。
本実施形態のG系Ni基EHP合金の時効析出挙動及び高温変形能の評価例を図5に示す。左図のように、G相とγ’及びMC等の析出挙動では、G相が最も熱力学的安定性の高い温度範囲が広く、PE16等の延性低下はMCの析出域と重なる。右図の高温変形能の評価試験では、本実施形態のG系Ni基EHP合金の熱間加工性能の高い温度域が広く、商用被覆管技術の要求条件に適合している。
高温変形能の評価試験の結果から、本実施形態のG系Ni基EHP合金は、現行基準の製品性能を十分に満足しており、現行する商用の燃料被覆管の製造工程における熱間押出を流用して、燃料被覆管の多量製造が可能であり、商用発電炉の要求コストも満足していることがわかった。
(析出強化型Ni基耐熱合金の製品性能)
次に、本実施形態のG系Ni基EHP合金の製品性能について説明する。
(耐照射性)
耐照射性に関しては、本実施形態のG系Ni基EHP合金では、500℃以下で照射硬化が生じるが、現行のSUS316系鋼のような照射脆化に繋がる二次照射欠陥の成長が生じ難いという特長を有する。また、500℃以上では、高速炉の中性子エネルギースペクトルでの弾き出し損傷と核変換反応によるHeやHの生成とを保守的に模擬したトリプルイオンビームの加速器照射試験や、超高圧電子を用いた照射試験において、ボイドスエリングが全く生じず、優れた耐照射性を有していることが確認されている。
本実施形態のG系Ni基EHP合金と現行の比較合金とで耐照射性を比較した評価例を図6に示す。高速炉を模擬したトリプルイオンビームを用いて550℃で核変換反応により生成されるHeとHとの同時照射を90dpaまで実施した結果、現行の高速炉用の燃料被覆管の材料であるPNC316鋼では多量のボイドが生成し、γ’系Ni基EHP合金ではHeの同時照射下でボイドが生成する傾向を示した。しかし、本実施形態のG系Ni基EHP合金では、高Cr系であるにも拘らず、ボイド生成が完全に抑制され、良好な耐ボイドスエリング性を示した。この結果から、オーステナイト系合金の高速炉用の燃料被覆管の材料として、本実施形態のG系Ni基EHP合金が最も優れた耐照射性を有することがわかる。
(耐熱性)
耐熱性に関しては、高温クリープ強度の低下と延性の低下の双方を生じないことが重要である。現行のSUS316系鋼では、オーステナイト相の安定性が低いために、700℃級の高温では一万時間以上になると脆いσ相が生成して、クリープ強度が大きく低下する。一方、FaCT(国の液体金属ナトリウム冷却高速炉の実用化技術開発事業)の候補材であるODSフェライト鋼は、基本的には酸化物や炭化物を混合した複合材料であるために、延性自体が数%以下と低く、3次クリープ域自体が存在しない。一方、商用耐熱合金のPE16やインコネルは、クリープ強度が高いが、結晶粒界でγ’やMCが粗大化したり不純物が偏析したりするので、延性の低下が非常に大きい。
本実施形態のG系Ni基EHP合金は、熱履歴や照射条件に応じて、WリッチとCrリッチの二つの相、および、重照射下でのNiシリサイドの3種のG相を生成し、析出物の熱力学的安定性が高いので、析出物の粗大化も生じない。また、高温クリープ強度は、清浄化対策に伴い、商用のNi基耐熱合金より低くなるが、それでも、液体金属ナトリウム冷却高速炉や超臨界圧水炉の高温クリープ強度の要求条件を満足する。また、クリープ絞りが非常に大きく、3次クリープ伸びが大きいので、材料設計上の安全裕度が非常に大きい。
本実施形態のG系Ni基EHP合金と現行の比較合金とで高温クリープ特性を比較した評価例を図7に示す。左図のように、本実施形態のG系Ni基EHP合金の高温クリープの応力−破断寿命の依存傾向は、市販の設計強度以上にあり、高速炉の仕様条件を満足している。また、右図のように、本実施形態のG系Ni基EHP合金はクリープの絞りが十分に大きく、γ’系やODS鋼等のような延性低下の課題が無い。そのため、オーステナイト系合金の高速炉用の燃料被覆管の材料として、本実施形態のG系Ni基EHP合金は、実用性が高い。
(耐食性)
耐食性に関しては、本実施形態のG系Ni基EHP合金は、酸化力の低い条件では、保護性酸化膜の形成に十分な25質量%のCrを含有しており、酸化力の高い条件では、複合添加しているWやSiの造膜効果が有効に働くので、放射線作用下の大気、超臨界圧水を含む水蒸気及び商業再処理施設での使用済み燃料の硝酸溶解工程の全ての環境において優れた耐食性を有する。
本実施形態のG系Ni基EHP合金の耐食性の例を図8に示す。本実施形態のG系Ni基EHP合金は、25質量%級の高Cr系で、且つWやSiの保護皮膜形成元素を多量に含み、湿式再処理での使用済み燃料の溶解槽の硝酸溶解のような酸化力の高い腐食条件の耐食性も良好であり、核燃料サイクル工程の腐食環境に対する十分な適用性がある。
(耐摩耗性)
また、耐摩耗性に関しては、本実施形態のG系Ni基EHP合金は、現行の最強合金であるステライトを上回る優れた特性を有しており、Coによる放射化が重要な課題である軽水炉の耐摩耗性部材への適用性にも優れている。
(効果)
以上のように、本実施形態の析出強化型Ni基耐熱合金及びその製造方法によれば、ボイドスエリングはオーステナイト相の安定性に依存する。そこで、電子空孔濃度を低くしてボイドの生成のし易さを支配する積層欠陥エネルギーを高める策として、高Ni化が不可欠である。また、重照射条件下でRISと呼ばれる照射誘起偏析が生じて、結晶粒界のCr濃度が母材中よりも10%近く低下することを考慮して、十分に高Cr化することが必要である。そこで、組成を高Ni化および高Cr化する。この基本的な合金組成の制御により、耐照射性及び耐食性を保証することができる。
また、Ni基耐熱合金は、結晶粒内に変形抵抗が大きいため、結晶粒界の力学的特性を低めるP、S、B、アルカリ系金属、ハロゲン等の金属結合を害する効果が大きい不純物の残留量が多いと、凝固割れや高温割れの感受性が高くなるとともに、環境誘起割れでの粒界型応力腐食割れや水素脆性に対する感受性が大きく増大する。そこで、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計を0.01質量%以下にする。これにより、結晶粒界の機械的特性や耐食性を保証することができる。
また、高温クリープ強度を維持する上で重要な分散析出強化を図る金属間化合物には、900℃までの広範な温度域で十分な熱力学的安定性が要求される。高温クリープ強度を維持し、且つ、重照射下で溶解し難い金属間化合物として、PE16等のγ’相は不適である。そこで、オーステナイト系ステンレス鋼の重照射後の安定析出物がG相と呼ばれるシリサイドであること、Si自体がボイドスエリングの抑制効果を有すること、シリサイド系ではW−Si系が高温域までの溶解度が最も低いこと等の知見から、熱力学安定性の高いタングステンシリサイドを金属間化合物とする。そして、タングステンシリサイドを20〜40vol%の範囲で分散析出させるとともに、ASTM粒度番号No.2〜No.6の範囲で母相オーステナイトの結晶粒径を制御することにより、高温クリープ強度を確保することができる。
また、現行する商用の燃料被覆管の製造工程における熱間押出を流用して、燃料被覆管の多量製造が可能であるので、商用発電炉の要求コストを満足することができる。
これにより、耐照射性、耐熱性、耐食性、及び、コスト性に優れた析出強化型Ni基耐熱合金とすることができる。
また、耐摩耗性が要求される250〜450℃の低中温域においては、機械的強度や変形抵抗の障壁として析出物と結晶粒界が有効に機能するので、冷間加工と時効析出処理と中高温再結晶とを組み合わせた加工熱処理により、タングステンシリサイドの析出強化と結晶粒の細粒化を図る。これにより、耐摩耗性が要求される250〜450℃の実用環境への適用性を保証することができる。
また、高温クリープ強度が要求される450〜700℃の中高温域においては、クリープ変形が拡散クリープ支配の粒界すべりに支配されるので、冷間加工と固溶化熱処理と時効析出処理とを組み合わせた加工熱処理により、タングステンシリサイドの析出強化と結晶粒の大粒化を図る。これにより、高温クリープ強度が要求される450〜700℃の実用環境への適用性を保証することができる。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、超高純度溶製法(EHP)により、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計を0.01質量%(100wppm)以下にしているが、超高純度溶製法以外の方法で、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計を0.01質量%以下にしてもよい。

また、加工熱処理によって、タングステンシリサイドを分散析出させているが、加工熱処理以外の方法で、タングステンシリサイドを分散析出させてもよい。
また、分散析出させるシリサイドはタングステンシリサイドに限定されず、NiSi等であってもよい。

Claims (7)

  1. 組成が質量%で、
    C:0.03%以下、
    Mn:0.5%以下、
    P:0.01%以下、
    S:0.01%以下、
    Si:2.0〜3.0%、
    Cr:23〜30%、
    W:7.0〜14.0%、
    Fe:10〜20%、
    Ni:40〜60%であり、
    且つ、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計が0.01%以下であって、
    加工熱処理によりシリサイドが分散析出されているとともに、母相オーステナイトの結晶粒径がASTM粒度番号No.2〜No.6の範囲に制御されていることを特徴とする析出強化型Ni基耐熱合金。
  2. 前記シリサイドが、タングステンシリサイドであることを特徴とする請求項1に記載の析出強化型Ni基耐熱合金。
  3. 前記シリサイドは、20〜40vol%の範囲で分散析出されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の析出強化型Ni基耐熱合金。
  4. 組成が質量%で、
    C:0.03%以下、
    Mn:0.5%以下、
    P:0.01%以下、
    S:0.01%以下、
    Si:2.0〜3.0%、
    Cr:23〜30%、
    W:7.0〜14.0%、
    Fe:10〜20%、
    Ni:40〜60%であり、
    且つ、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計が0.01%以下となるように原料を精錬して鋼塊にする超高純度溶製工程と、
    前記鋼塊を加工熱処理してシリサイドを分散析出させるとともに、母相オーステナイトの結晶粒径をASTM粒度番号No.2〜No.6の範囲に制御する加工熱処理工程と、
    を有し、
    前記加工熱処理工程は、
    1200〜1300℃の温度域で溶体化処理を行うステップと、
    前記溶体化処理の後に、加工率60%の範囲内で冷間加工を施すステップと、
    前記冷間加工後に、500〜650℃の温度範囲で時効析出処理を行うステップと、
    前記時効析出処理の後に、750〜950℃の温度範囲で中高温再結晶の熱処理を行うステップと、
    を有することを特徴とする析出強化型Ni基耐熱合金の製造方法。
  5. 組成が質量%で、
    C:0.03%以下、
    Mn:0.5%以下、
    P:0.01%以下、
    S:0.01%以下、
    Si:2.0〜3.0%、
    Cr:23〜30%、
    W:7.0〜14.0%、
    Fe:10〜20%、
    Ni:40〜60%であり、
    且つ、C、N、O、P、および、Sの含有率の合計が0.01%以下となるように原料を精錬して鋼塊にする超高純度溶製工程と、
    前記鋼塊を加工熱処理してシリサイドを分散析出させるとともに、母相オーステナイトの結晶粒径をASTM粒度番号No.2〜No.6の範囲に制御する加工熱処理工程と、
    を有し、
    前記加工熱処理工程は、
    加工率60%の範囲内で冷間加工を施すステップと、
    前記冷間加工後に、1200〜1300℃の温度域で固溶化熱処理を行うステップと、
    前記固溶化熱処理の後に、750〜900℃の温度範囲で時効析出処理を行うステップと、
    を有することを特徴とする析出強化型Ni基耐熱合金の製造方法。
  6. 前記シリサイドが、タングステンシリサイドであることを特徴とする請求項4又は5に記載の析出強化型Ni基耐熱合金の製造方法。
  7. 前記シリサイドは、20〜40vol%の範囲で分散析出されてなることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の析出強化型Ni基耐熱合金の製造方法。
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