JP5570880B2 - 給電用ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電システムなどに用いられる給電用ケーブルに関する。
太陽光発電システムとして、建物の屋根などにマトリックス状に敷設した複数枚の太陽電池モジュールを用いて発電を行うものが知られている。このような太陽光発電システムにおいては、各太陽電池モジュールで発電された電力を取出すため、隣接する太陽電池モジュール間をケーブルによって電気的に接続している(例えば、特許文献1参照。)。この太陽電池モジュール間を接続するケーブルは、一般に、太陽光発電システム給電用ケーブル、あるいは太陽光発電用ケーブルなどと称され、従来、銅撚線導体上に、架橋ポリエチレンからなる絶縁体、および難燃ポリエチレンまたは難燃架橋ポリエチレンからなるシースを順に設けたケーブルが使用されている。
しかしながら、従来のケーブルは、太陽光発電システム給電用ケーブルに要求される特性を必ずしも十分に備えておらず、特に、耐熱性、耐熱寿命特性が不十分であった。すなわち、太陽光発電システム給電用ケーブルは、太陽に長時間暴露されるため、温度の上昇が大きい上に、この高温状態が長時間続き、さらに、このような太陽による温度の上昇と下降が長期間に亘って繰り返される。このため、極めて厳しい耐熱性、耐熱寿命特性が要求されるが、従来のケーブルはこのような厳しい要求に十分に応えることはできなかった。
特開2007−115915号公報
本発明は上記従来技術の課題に対処してなされたもので、太陽光発電システムの用途にも十分使用可能な優れた耐熱性、耐熱寿命特性を有する給電用ケーブルを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様である発明の給電用ケーブルは、導体外周に、絶縁体、およびシースを順に備える給電用ケーブルであって、前記絶縁体は、直鎖状低密度ポリエチレンおよび/またはエチレン・アクリル酸エチル共重合体をベースポリマーとし、かつヒンダードフェノール系酸化防止剤0.30〜0.70質量%、硫黄系酸化防止剤0.10〜0.50質量%、およびヒンダードアミン系光安定剤0.05〜0.35質量%を含有する絶縁性樹脂組成物を前記導体外周に被覆し、電子線照射により架橋して成るものである。
本発明の第2の態様は、第1の態様である給電用ケーブルにおいて、前記絶縁性樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.55〜0.65質量%、硫黄系酸化防止剤0.25〜0.45質量%、およびヒンダードアミン系光安定剤0.05〜0.25質量%を含有するものである。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様である給電用ケーブルにおいて、前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を含み、かつ前記硫黄系酸化防止剤はペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリル−チオプロピオネート)を含むものである。
本発明の第の態様は、第1の態様乃至第の態様のいずれかの態様である給電用ケーブルにおいて、前記絶縁体は、240℃における酸化誘導期が5分以上であるものである。
本発明の第の態様は、第1の態様乃至第の態様のいずれかの態様である給電用ケーブルにおいて、太陽光発電システム給電用ケーブルであるものである。
本発明の給電用ケーブルによれば、太陽光発電システムの用途にも十分使用可能な優れた耐熱性、耐熱寿命特性を具備することができる。
本発明の一実施形態に係る給電用ケーブルを示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の給電用ケーブルに使用される絶縁性樹脂組成物について説明する。
本発明で使用される絶縁性樹脂組成物は、ポリオレフィンをベースポリマーとし、かつヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、およびヒンダードアミン系光安定剤を含有するものである。
ベースポリマーのポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン;ポリプロピレン(PP);ポリイソブチレン;エチレンに、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンを共重合させたエチレン・α−オレフィン共重合体;エチレンに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどのビニルエステルを共重合させたエチレン・ビニルエステル共重合体;エチレンに、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸‐2‐エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルを共重合させたエチレン・アクリル酸エステル共重合体;イソブチレン・イソプレン共重合体などが挙げられる。ポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマーのみならず、エチレンとのランダムコポリマーやブロックコポリマー、少量のα−オレフィンとの共重合体なども使用することができる。α−オレフィンとしては、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。プロピレン・αオレフィン共重合体には、非共役ポリエンがさらに共重合されていてもよい。非共役ポリエンとしては、例えばジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリオレフィンとしては、ケーブル被覆材料として一般に使用されており、またリサイクルが容易な点で、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・アクリル酸エチル共重合体が好ましく、なかでも、耐熱性に優れる点から、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・アクリル酸エチル共重合体がより好ましい。
本発明で使用される絶縁性樹脂組成物においては、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤が併用され、さらに、光安定剤として、ヒンダードアミン系光安定剤が使用される。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル基を有するものであれば特に制限されることなく使用される。具体的には、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが使用される。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、なかでも、耐熱寿命特性に優れる点から、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。この化合物の市販品としては、例えば、BASF製のIRGANOX 1010(商品名)が挙げられる。
このヒンダードフェノール系酸化防止剤は、絶縁性樹脂組成物中に0.30〜0.70質量%、好ましくは0.55〜0.65質量%配合される。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の配合量が0.30質量%未満であると耐熱性、耐熱寿命特性が不十分となり、0.70質量%を超えると絶縁体表面にブルームするおそれがある。
また、硫黄系酸化防止剤としては、分子骨格中に硫黄原子を有する酸化防止剤であれば特に制限されることなく使用される。具体的には、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)5−t−ブチルフェニル]スルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジオクタデシルスルフィドなどが使用される。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。硫黄系酸化防止剤としては、なかでも、耐熱性、耐熱寿命特性に優れる点から、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリル−チオプロピオネート)が好ましい。この化合物の市販品としては、例えば、(株)ADEKA製のアデカスタブAO−412S(商品名)が挙げられる。
この硫黄系酸化防止剤は、絶縁性樹脂組成物中に0.10〜0.50質量%、好ましくは0.25〜0.45質量%配合される。硫黄系酸化防止剤の配合量が0.10質量%未満であると耐熱性、耐熱寿命特性が不十分となり、0.50質量%を超えると絶縁体表面にブルームするおそれがある。
絶縁性樹脂組成物には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤以外の酸化防止剤も本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。そのような酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールなどのヒンダードフェノール系以外のフェノール系酸化防止剤;2′,3−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]プロピオノヒドラジドなどの重金属不活性化剤;トリフェニルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤、アルキル化ジフェニルアミン、4、4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤などが例示される。
一方、ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル]イミノ]]、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネートなどが使用される。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。ヒンダードアミン系光安定剤としては、なかでも、耐熱寿命特性に優れる点から、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。この化合物を含む光安定剤の市販品としては、例えば、BASF製のChimassorb2020、同TINUVIN XT 855F(以上、商品名)などが挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤を、上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤と組み合わせて使用することにより、絶縁性樹脂組成物に電子線を照射して架橋する際の、電子線による酸化防止剤の劣化が抑制乃至防止される。この結果、酸化防止剤による酸化防止効果が十分に発揮され、絶縁性樹脂組成物の耐熱性、耐熱寿命特性を向上させることができる。
このような効果を有効に発揮させるためには、ヒンダードアミン系光安定剤は、絶縁性樹脂組成物中に0.05〜0.35質量%配合させる必要があり、好ましくは0.05〜0.25質量%である。ヒンダードアミン系光安定剤の配合量が0.05質量%未満であると、上記効果が得られず耐熱性、耐熱寿命特性が不十分となり、0.35質量%を超えると絶縁体表面にブルームするおそれがある。
絶縁性樹脂組成物には、上記ヒンダードアミン系光安定剤以外の光安定剤を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。そのような光安定剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)べゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどの紫外線吸収剤が例示される。
本実施形態の絶縁性樹脂組成物には、上記成分の他、さらに必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、可塑剤、軟化剤、銅害防止剤、充填剤、加工助剤、滑剤、着色剤、安定剤、難燃剤、難燃助剤などの添加剤を配合することができる。
例えば、充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミなどが例示される。
加工助剤としては、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸や、これらの塩またはエステル類などが挙げられる。
滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系などが挙げられる。
難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、グアニジン系、メラミン系などの窒素系難燃剤、リン酸アンモニウム、赤燐などのリン系難燃剤、リン−窒素系難燃剤、ホウ酸亜鉛などのホウ酸化合物、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
上記各添加剤は、いずれも1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明で使用される絶縁性樹脂組成物は、上記したようなポリオレフィン、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、およびヒンダードアミン系光安定剤、並びに、必要に応じて配合される前述した各種成分を、バンバリーミキサ、タンブラー、加圧ニーダ、混練押出機、ミキシングローラなどの通常の混練機を用いて均一に混合することにより容易に調製することができる。
本発明の給電用ケーブルは、上記絶縁性組成物を、導体外周に直接もしくは他の被覆を介して押出被覆するか、あるいはテープ状に成形したものを巻き付けて絶縁体を形成し、さらに、その外周に常法によりシースを形成することにより製造される。絶縁性樹脂組成物は、被覆後もしくは成形後、電子線を照射して架橋させる。架橋の度合いは、ゲル分率で70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。ゲル分率が70%未満であると、耐熱性、耐熱寿命特性を十分に向上させることができない。このゲル分率は、JIS C 3005に規定の架橋度試験方法に基づき測定される。
以下、上記絶縁性樹脂組成物を用いた本発明の給電用ケーブルについて説明する。
図1は、本発明の給電用ケーブルの一実施形態を示す斜視図である。
図1において、符号1は、1本乃至複数本のすずめっき軟銅線などからなる導体を示している。この導体1は、例えば2.5〜4.0mmの断面積を有する。この導体1上には、前述した絶縁性樹脂組成物を押出被覆し、電子線を照射して架橋させることによって、例えば厚さが1.0〜1.5mmの絶縁体2が形成され、さらにこの絶縁体2上にシース3が被覆されている。シース3は、例えば、難燃化ポリエチレンにより、例えば厚さ0.6〜1.0mmに形成されている。
本実施形態の給電用ケーブルにおいては、耐熱性、耐熱寿命特性の点から、絶縁体2は、240℃における酸化誘導期が5分以上であることが好ましく、10分以上であることがより好ましい。なお、酸化誘導期とは、所定の温度(ここでは、240℃)に設定した示差走査熱量計の試料室内に空気を導入した際、試料が酸化して発熱ピークが生じるまでの時間をいう。
本実施形態の給電用ケーブルにおいては、絶縁体2が、前述したようなポリオレフィンをベースポリマーとし、かつヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、およびヒンダードアミン系光安定剤を特定の割合で含有する絶縁性樹脂組成物を電子線照射により架橋することによって形成されているので、電子線による架橋効果と、酸化防止剤の酸化防止効果が十分に発揮され、太陽光発電システムの給電用ケーブルに要求される特性を十分に満足する耐熱性、耐熱寿命特性を備えることができる。
なお、本発明は以上説明した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができることは言うまでもない。
次に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度0.920g/cm)をベースとするポリエチレンコンパウンド(日本ユニカー(株)製 商品名 DFDJ−7540)100質量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF製 商品名 IRGANOX 1010)0.50質量部、硫黄系酸化防止剤((株)ADEKA製 商品名 アデカスタブAO−412S)0.40質量部およびヒンダードアミン系光安定剤(BASF製 商品名 TINUVIN XT 855 FF;ヒンダードアミン系光安定剤(A))0.10質量部をミキシングロールにより均一に混練して絶縁性樹脂組成物を得た。
次いで、断面積4mmのすずめっき軟銅撚線(56本/0.30mm)からなる導体上に、上記絶縁性樹脂組成物を1.2mm厚に押出被覆し、電子線を照射(線量250kGy)して絶縁体を形成した後、さらに、その上に、汎用の難燃化ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製 商品名 CA1155B)を0.8mm厚に押出被覆して、外径約6.7mmの給電用ケーブルを製造した。
(実施例2〜16、比較例1〜20)
組成および/または配合量を表1、表2に示すように変えた以外は実施例1と同様にして絶縁性樹脂組成物を得、さらに、得られた絶縁性樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして給電用ケーブルを製造した。
実施例1で用いた成分以外の成分は次の通りである。
エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA):
日本ポリエチレン(株)製 商品名 レクスパールEEA A1150
リン系酸化防止剤:
BASF製 商品名 Irgafos168
ヒンダードアミン系光安定剤(B):
BASF製 商品名 Chimassorb2020
上記各実施例および各比較例で得られた給電用ケーブルについて、下記に示す方法でその特性を評価した。
[ゲル分率]
給電用ケーブルから剥ぎ取った絶縁体試料について、JIS C 3005に準拠して測定した。
[酸化誘導期]
給電用ケーブルから剥ぎ取った絶縁体試料について、示差走査熱量計を用い、温度240℃で測定した。
[耐熱性]
3温度条件にて加熱老化試験を行い、伸び残率50%となる時間を求め、アレニウスプロットから120℃における残率50%到達時間を算出した。
[ブルーム]
給電用ケーブルを温度30℃、湿度80%RHの状態に放置した。24時間後、顕微鏡を用いて絶縁体表面を観察し、ブルームの有無を調べた。
○:ブルーム無し
×:ブルーム有り
これらの結果を表1および表2の下欄に示す。
Figure 0005570880
Figure 0005570880
表1および表2から明らかなように、実施例1、2、4、6、8、9、10、12、14および16では、耐熱性、酸化誘導期、ブルームにおいていずれも良好な結果が得られた。また、実施例3、5、7、11、13および15では、酸化誘導期、ブルームが良好で、かつ耐熱性が極めて良好な結果が得られた。
1…導体、2…絶縁体、3…シース。

Claims (5)

  1. 導体外周に、絶縁体、およびシースを順に備える給電用ケーブルであって、
    前記絶縁体は、直鎖状低密度ポリエチレンおよび/またはエチレン・アクリル酸エチル共重合体をベースポリマーとし、かつヒンダードフェノール系酸化防止剤0.30〜0.70質量%、硫黄系酸化防止剤0.10〜0.50質量%、およびヒンダードアミン系光安定剤0.05〜0.35質量%を含有する絶縁性樹脂組成物を前記導体外周に被覆し、電子線照射により架橋して成ることを特徴とする給電用ケーブル。
  2. 前記絶縁性樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.55〜0.65質量%、硫黄系酸化防止剤0.25〜0.45質量%、およびヒンダードアミン系光安定剤0.05〜0.25質量%を含有することを特徴とする請求項1記載の給電用ケーブル。
  3. 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を含み、かつ前記硫黄系酸化防止剤はペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリル−チオプロピオネート)を含むことを特徴とする請求項1または2記載の給電用ケーブル。
  4. 前記絶縁体は、240℃における酸化誘導期が5分以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の給電用ケーブル。
  5. 太陽光発電システム給電用ケーブルであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の給電用ケーブル。
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