JP5568511B2 - 電力用変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は電力変換装置に係り、特にハイブリッド自動車や電気自動車の駆動用モータを制御する電力変換装置に関する。
ハイブリッド自動車、特に電気自動車に用いられる電力変換装置の場合、電力用の半導体素子から交流電流を伝達する交流バスバーの端部までの間に、最大で450Arms程度の大電流を通電させる場合があるため、交流バスバーには大電流が流れ、ジュール熱により高温になる。交流電流の電流値を検出するための電流センサはこの交流バスバーを貫通させるため、交流バスバーの発熱により高温にさらされるという問題が生じた。
電流センサは、通常、ギャップを有するコアと、コアのギャップ部に搭載したホール素子とにより構成され、コアを貫通する電流により発生する磁束をコアで収束させ、コアのギャップ部に生じる、磁束をホール素子で検知することで、交流バスバーに流れる電流量を検知することができる。ここで、交流バスバーの発熱で電流センサの周囲温度や電流センサそのものの温度が上昇すると、コアを搭載する樹脂が溶融したり、ホール素子の許容温度を超え、温度ドリフトによる誤差が増加したり、さらにはホール素子は通常GaAs等の化合物半導体であるため、半導体の許容温度を超え動作しなくなるという問題があった。
そこで、特許文献1(特開2006−81308号公報)では、電流センサをパワー半導体モジュールを冷却するヒートシンク上にパワーモジュールと並列に搭載することで、バスバーの発熱で生じる電流センサの熱をヒートシンクへ放熱して、AC出力に大電流を通電させることが開示されている。
特開2006−81308号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、電流センサの冷却のためのスペースを確保するためにヒートシンクを大型化する必要があるため、電力変換装置が大型化する課題があった。
また別の課題として、電流センサのコアの磁束を計測するためのホール素子と接続される信号端子が、パワー半導体モジュールの制御端子と同じ方向に出ることになるため、パワー半導体モジュールの制御端子をドライバ回路基板に半田付け等に接続するのと同じ工程で、ホール素子の信号端子をドライバ回路基板に半田付けする必要が生じるという課題があった。つまり、パワー半導体モジュールの制御端子は、通常のパワー半導体素子駆動用に2端子、パワー半導体素子の電流センサ用に1端子及びパワー半導体素子の温度を検知するために2端子の合計5端子必要である。温度検知をインバータ回路の上下アームのうち片方のアームに係るパワー半導体素子の温度のみを検出するとしても、上下アーム一相分で少なくとも8本必要である。三相分では合計8×3=24の制御端子が必要である。これに、電流センサのための端子3本×3出力=9本を加えると、合計33本となる。このように多数の信号端子をドライバ回路基板に挿入するのはきわめて困難であることに加え、半田付けの工程では工数が多くかかってしまい、インバータ最終組立工程における生産性も低下してしまうという課題があった。
本発明の課題は、電力変換装置を大型化させずに、電流センサの熱対策を行うことである。また本発明の別の課題は、電力変換装置の組み立て工程において生産性を損なわないことを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る電力変換装置は、直流電流を交流電流に変換するパワー半導体素子を有するパワー半導体モジュールと、冷却冷媒を流す流路を形成する流路形成体と、前記交流電流を検出する電流センサと、を備え、前記パワー半導体モジュールは、前記パワー半導体素子の一方の面と対向する金属製の第1放熱ベースと、前記パワー半導体素子の他方の面と対向する金属製の第2放熱ベースと、当該第1放熱ベースと当該第2放熱ベースに挟まれた空間から突出して前記交流電流を伝達する交流端子と、を有し、前記流路形成体は、前記第1放熱ベースの側部に配置された第1流路と、前記パワー半導体モジュールを介して当該第1流路と対向して配置された第2流路と、を有し、前記電流センサは、前記交流端子に貫通される位置に配置され、さらに前記電流センサは、前記第1放熱ベースに固定する第1固定部と、前記第2放熱ベースに固定する第2固定部と、を有する。これにより、電力変換装置を大型化させずに、電流センサの熱対策を行うことができる。
本発明により、電力変換装置を大型化を抑制しながら、電流センサを熱から保護することができる。また本発明の別の効果として、電力変換装置の組み立て工程において生産性を向上させることができる。
ハイブリッド自動車のシステムを示すシステム図である。 図1に示す電気回路の構成を示す回路図である。 電力変換装置200の外観斜視図である。 電力変換装置200を分解した斜視図である。 図4に示すケース10を下から見た図である。 図6(a)は、本実施形態のパワー半導体モジュール300aの斜視図である。図6(b)は、本実施形態のパワー半導体モジュール300aを断面Dで切断して方向Eから見たときの断面図である。 図6に示す状態からネジ309および第2封止樹脂351を取り除いたパワー半導体モジュール300aを示す図であり、図7(a)は斜視図であり、図7(b)は図6(b)と同様に断面Dで切断して方向Eから見たときの断面図である。 図7に示す状態からさらにモジュールケース304を取り除いたパワー半導体モジュール300aを示す図であり、図8(a)は斜視図であり、図8(b)は図6(b),図7(b)と同様に断面Dで切断して方向Eから見たときの断面図である。 図8に示す状態からさらに第1封止樹脂348および配線絶縁部608を取り除いたパワー半導体モジュール300aの斜視図である。 モジュール1次封止体302の組立工程を説明するための図である。 コンデンサモジュール500の構造を説明するための斜視図である。 図12(a)は、ケース10にパワー半導体モジュール300a〜300cとコンデンサモジュール500とバスバーアッセンブリ800を組み付けた外観斜視図であり、図12(b)は、図12(a)の部分Aの拡大図である。 図13(a)は、本実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの上面図である。図13(b)は、本実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの側面図である。 図14(a)は、他の実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの上面図である。図14(b)は、他の実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの側面図である。 金属ベース板11を分離した状態の電力変換装置200の斜視図である。 図15の断面Bの矢印方向からみた電力変換装置200の断面図である。 交流端子822a〜822cの周辺部品の拡大図である。 負極側の直流端子900aと正極側の直流端子900bの周辺部品の拡大図である。 交流端子822a〜822c及び直流端子900aと900bが組み付けられたケース10、さらに車両側のコネクタ193の分解斜視図である。 交流端子822a〜822c及び直流端子900aが配置された側からみたケース10の側面図である。 樹脂封止材550を取り除いたコンデンサモジュール500の上面図である。 図4に示されたコンデンサモジュール500よりも上方に配置された電気部品を取り除いた電力変換装置200の上面図である。 図22の一点鎖線AAの矢印方向から見た断面図である。 図22の一点鎖線BBの矢印方向から見た断面図である。 コネクタ51とドライバ回路基板22に設けられたコネクタ55との接続状態を示す側面図である。 図26(a)は、他の実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの上面図である。図26(b)は、他の実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの側面図である。 コネクタ51とドライバ回路基板22との接続状態を示す側面図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、ハイブリッド自動車(以下「HEV」と記述する)の制御ブロックを示す図である。エンジンEGNおよびモータジェネレータMG1は車両の走行用トルクを発生する。また、モータジェネレータMG1は回転トルクを発生するだけでなく、モータジェネレータMG1に外部から加えられる機械エネルギーを電力に変換する機能を有する。
モータジェネレータMG1は、例えば同期機あるいは誘導機であり、上述のごとく、運転方法によりモータとしても発電機としても動作する。モータジェネレータMG1を自動車に搭載する場合には、小型で高出力を得ることが望ましく、ネオジウムなどの磁石を使用した永久磁石型の同期電動機が適している。また、永久磁石型の同期電動機は誘導電動機に比べて回転子の発熱が少なく、この観点でも自動車用として優れている。
エンジンEGNの出力側の出力トルクは動力分配機構TSMを介してモータジェネレータMG1に伝達され、動力分配機構TSMからの回転トルクあるいはモータジェネレータMG1が発生する回転トルクは、トランスミッションTMおよびデファレンシャルギアDEFを介して車輪に伝達される。一方、回生制動の運転時には、車輪から回転トルクがモータジェネレータMG1に伝達され、供給されてきた回転トルクに基づいて交流電力を発生する。発生した交流電力は後述するように電力変換装置200により直流電力に変換され、高電圧用のバッテリ136を充電し、充電された電力は再び走行エネルギーとして使用される。
次に電力変換装置200について説明する。インバータ回路140は、バッテリ136と直流側コネクタ138を介して電気的に接続されており、バッテリ136とインバータ回路140との相互において電力の授受が行われる。モータジェネレータMG1をモータとして動作させる場合には、インバータ回路140は直流側コネクタ138を介してバッテリ136から供給された直流電力に基づき交流電力を発生し、交流側コネクタ188を介してモータジェネレータMG1に供給する。モータジェネレータMG1とインバータ回路140からなる構成は第1電動発電ユニットとして動作する。
なお、本実施形態では、バッテリ136の電力によって第1電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させることにより、モータジェネレータMG1の動力のみによって車両の駆動ができる。さらに、本実施形態では、第1電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジンEGNの動力或いは車輪からの動力によって作動させて発電させることにより、バッテリ136の充電ができる。
なお、電力変換装置200は、インバータ回路140に供給される直流電力を平滑化するためのコンデンサモジュール500を備えている。
電力変換装置200は、上位の制御装置から指令を受けたりあるいは上位の制御装置に状態を表すデータを送信したりするための通信用のコネクタ21を備えている。電力変換装置200は、コネクタ21から入力される指令に基づいて制御回路172でモータジェネレータMG1の制御量を演算し、さらにモータとして運転するか発電機として運転するかを演算し、演算結果に基づいて制御パルスを発生し、その制御パルスをドライバ回路174へ供給する。ドライバ回路174は、供給された制御パルスに基づいて、インバータ回路140を制御するための駆動パルスを発生する。
次に、図2を用いてインバータ回路140の電気回路の構成を説明する。なお、以下で半導体素子として絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを使用しており、以下略してIGBTと記す。上アームとして動作するIGBT328及びダイオード156と、下アームとして動作するIGBT330及びダイオード166とで、上下アームの直列回路150が構成される。インバータ回路140は、この直列回路150を、出力しようとする交流電力のU相,V相,W相の三相に対応して備えている。
これらの三相は、この実施の形態ではモータジェネレータMG1の電機子巻線の三相の各相巻線に対応している。三相のそれぞれの上下アームの直列回路150は、直列回路の中点部分である中間電極169から交流電流を出力する。この中間電極169は、交流端子159及び交流側コネクタ188を通して、モータジェネレータMG1への交流電力線である以下に説明の交流バスバー802や804と接続される。
上アームのIGBT328のコレクタ電極153は、正極端子157を介してコンデンサモジュール500の正極側のコンデンサ端子506に電気的に接続されている。また、下アームのIGBT330のエミッタ電極は、負極端子158を介してコンデンサモジュール500の負極側のコンデンサ端子504に電気的に接続されている。
上述のように、制御回路172は上位の制御装置からコネクタ21を介して制御指令を受け、これに基づいてインバータ回路140を構成する各相の直列回路150の上アームあるいは下アームを構成するIGBT328やIGBT330を制御するための制御信号である制御パルスを発生し、ドライバ回路174に供給する。
ドライバ回路174は、上記制御パルスに基づき、各相の直列回路150の上アームあるいは下アームを構成するIGBT328やIGBT330を制御するための駆動パルスを各相のIGBT328やIGBT330に供給する。IGBT328やIGBT330は、ドライバ回路174からの駆動パルスに基づき、導通あるいは遮断動作を行い、バッテリ136から供給された直流電力を三相交流電力に変換し、この変換された電力はモータジェネレータMG1に供給される。
IGBT328は、コレクタ電極153と、信号用エミッタ電極155と、ゲート電極154を備えている。また、IGBT330は、コレクタ電極163と、信号用のエミッタ電極165と、ゲート電極164を備えている。ダイオード156が、コレクタ電極153とエミッタ電極155との間に電気的に接続されている。また、ダイオード166が、コレクタ電極163とエミッタ電極165との間に電気的に接続されている。
スイッチング用パワー半導体素子としては金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ(以下略してMOSFETと記す)を用いてもよい、この場合はダイオード156やダイオード166は不要となる。スイッチング用パワー半導体素子としては、IGBTは直流電圧が比較的高い場合に適していて、MOSFETは直流電圧が比較的低い場合に適している。
コンデンサモジュール500は、正極側のコンデンサ端子506と負極側のコンデンサ端子504と正極側の電源端子509と負極側の電源端子508とを備えている。バッテリ136からの高電圧の直流電力は、直流側コネクタ138を介して、正極側の電源端子509や負極側の電源端子508に供給され、コンデンサモジュール500の正極側のコンデンサ端子506および負極側のコンデンサ端子504から、インバータ回路140へ供給される。
一方、交流電力からインバータ回路140によって変換された直流電力は、正極側のコンデンサ端子506や負極側のコンデンサ端子504からコンデンサモジュール500に供給され、正極側の電源端子509や負極側の電源端子508から直流側コネクタ138を介してバッテリ136に供給され、バッテリ136に蓄積される。
制御回路172は、IGBT328及びIGBT330のスイッチングタイミングを演算処理するためのマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記述する)を備えている。マイコンへの入力情報としては、モータジェネレータMG1に対して要求される目標トルク値、直列回路150からモータジェネレータMG1に供給される電流値、及びモータジェネレータMG1の回転子の磁極位置がある。
目標トルク値は、不図示の上位の制御装置から出力された指令信号に基づくものである。電流値は、電流センサ180による検出信号に基づいて検出されたものである。磁極位置は、モータジェネレータMG1に設けられたレゾルバなどの回転磁極センサ(不図示)から出力された検出信号に基づいて検出されたものである。本実施形態では、電流センサ180は三相の電流値を検出する場合を例に挙げているが、二相分の電流値を検出するようにし、演算により三相分の電流を求めても良い。
制御回路172内のマイコンは、目標トルク値に基づいてモータジェネレータMG1のd軸,q軸の電流指令値を演算し、この演算されたd軸,q軸の電流指令値と、検出されたd軸,q軸の電流値との差分に基づいてd軸,q軸の電圧指令値を演算し、この演算されたd軸,q軸の電圧指令値を、検出された磁極位置に基づいてU相,V相,W相の電圧指令値に変換する。そして、マイコンは、U相,V相,W相の電圧指令値に基づく基本波(正弦波)と搬送波(三角波)との比較に基づいてパルス状の変調波を生成し、この生成された変調波をPWM(パルス幅変調)信号としてドライバ回路174に出力する。
ドライバ回路174は、下アームを駆動する場合、PWM信号を増幅したドライブ信号を、対応する下アームのIGBT330のゲート電極に出力する。また、ドライバ回路174は、上アームを駆動する場合、PWM信号の基準電位のレベルを上アームの基準電位のレベルにシフトしてからPWM信号を増幅し、これをドライブ信号として、対応する上アームのIGBT328のゲート電極にそれぞれ出力する。
また、制御回路172内のマイコンは、異常検知(過電流,過電圧,過温度など)を行い、直列回路150を保護している。このため、制御回路172にはセンシング情報が入力されている。例えば、各アームの信号用のエミッタ電極155及び信号用のエミッタ電極165からは各IGBT328とIGBT330のエミッタ電極に流れる電流の情報が、対応する駆動部(IC)に入力されている。これにより、各駆動部(IC)は過電流検知を行い、過電流が検知された場合には対応するIGBT328,IGBT330のスイッチング動作を停止させ、対応するIGBT328,IGBT330を過電流から保護する。
直列回路150に設けられた温度センサ(不図示)からは直列回路150の温度の情報がマイコンに入力されている。また、マイコンには直列回路150の直流正極側の電圧の情報が入力されている。マイコンは、それらの情報に基づいて過温度検知及び過電圧検知を行い、過温度或いは過電圧が検知された場合には全てのIGBT328,IGBT330のスイッチング動作を停止させる。
図3は、電力変換装置200の外観斜視図である。図4は、電力変換装置200のケース10の内部構成を説明するために、理解を助けるために電力変換装置200を分解した斜視図である。
冷媒を流入するための入口配管13と冷媒を流出するための出口配管14が、ケース10の同一側面上に配置される。ケース10は、図5に示す冷媒流路19が当該ケース10の両サイドに沿うように流路形成体12を収納する。流路形成体12の一方のサイドの上面には、開口部400a及び開口部400bがケース10の側面に沿って形成され、また流路形成体12の他方のサイドの上面には、開口部400cが形成されている。開口部400a〜400cは、挿入されたパワー半導体モジュール300a〜300cによって塞がれる。
流路形成体12が形成する一方の第1流路部19aと他方の第2流路部19cの間には、コンデンサモジュール500を収納するための収納空間405が形成される。これにより、冷媒流路19内に流れる冷媒によってコンデンサモジュール500が冷やされる。コンデンサモジュール500は、冷媒流路19a〜19cに囲まれるように配置されるため、効率良く冷却されることができる。
またコンデンサモジュール500の外側面に沿って流路が形成されているので、流路やコンデンサモジュール500やパワー半導体モジュール300との配置が整然と整い、全体がより小型となる。また第1流路部19a及び第3流路部19cがコンデンサモジュール500の長辺に沿って配置されており、冷媒流路19に挿入固定されるパワー半導体モジュール300a〜300cとの距離が略一定となるので、平滑コンデンサとパワー半導体モジュール回路との回路定数が三相の各相においてバランスし易くなり、スパイク電圧を低減し易い回路構成となる。本実施の形態では、冷媒としては水が最も適している。しかし、水以外であっても利用できるので、以下冷媒と記す。
図4に示されるように、コンデンサモジュール500の上方には、後述するバスバーアッセンブリ800が配置される。バスバーアッセンブリ800は、交流バスバーや当該交流バスバーを保持する保持部材803を備えている。
流路形成体12とケース10とは一体にアルミ材の鋳造で作ることにより、冷媒流路19は冷却効果に加え機械的強度を強くする効果がある。またアルミ鋳造で作ることで流路形成体12とケース10とが一体構造となり、電力変換装置200全体の熱伝導が良くなり冷却効率が向上する。
ドライバ回路基板22は、バスバーアッセンブリ800の上方に配置される。またドライバ回路基板22と制御回路基板20の間には金属ベース板11が配置される。
金属ベース板11は、ケース10に固定される。当該金属ベース板11は、ドライバ回路基板22及び制御回路基板20に搭載される回路群の電磁シールドの機能を奏すると共にドライバ回路基板22と制御回路基板20とが発生する熱を逃がし、冷却する作用を有している。当該金属ベース板11が、高いノイズ抑制機能を有する点は後述する。
さらに金属ベース板11は、制御回路基板20の機械的な共振周波数を高める作用を奏する。すなわち金属ベース板11に制御回路基板20を固定するためのねじ止め部を短い間隔で配置することが可能となり、機械的な振動が発生した場合の支持点間の距離を短くでき、共振周波数を高くできる。エンジン等から伝わる振動周波数に対して制御回路基板20の共振周波数を高くできるので、振動の影響を受け難く、信頼性が向上する。
蓋8は、金属ベース板11に固定されて、制御回路基板20を外部からの電磁ノイズから保護する。
本実施形態に係るケース10は、流路形成体12が収納された部分は略直方体の形状を為しているが、ケース10の一側面側から突出収納部10aが形成されている。当該突出収納部10aには、DCDCコンバータ700から延ばされる端子702や、後述する直流側のバスバーアッセンブリ800や、抵抗器450が収納される。ここで抵抗器450は、コンデンサモジュール500のコンデンサ素子に蓄えられた電荷を放電するための抵抗素子である。このようにバッテリ136とコンデンサモジュール500との間の電気回路部品を突出収納部10aに集約しているため、配線の複雑化を抑制することができ、装置全体の小型化に寄与することができる。
なお、図4に示される蓋18は、DCDCコンバータ700から延ばされる端子702を接続するための作業用の窓17を塞ぐための部材である。なお、DCDCコンバータ700は、ケース10の底面と対向する面に、端子702を貫通するための開口部701を形成する。
このように、電力変換装置200の底部に流路形成体12を配置し、次にコンデンサモジュール500,バスバーアッセンブリ800,基板等の必要な部品を固定する作業を上から順次行えるように構成されており、生産性と信頼性が向上する。
図5はケース10及び流路形成体12を説明するための図であり、図4に示すケース10を下から見た図である。
ケース10の下面には、1つに繋がった開口部404が形成され、該開口部404は下カバー420によって塞がれる。下カバー420とケース10の間には、シール部材409が設けられ気密性を保っている。
下カバー420には、冷媒流路19が配置された側と反対側の方向に向かって突出する凸部406が形成される。凸部406は、パワー半導体モジュール300a〜300cに対応して設けられている。なお、凸部407は、パワー半導体モジュールとは対応していないが、冷媒流路19の断面積を調整するために設けられる。
冷媒は、点線で示す流れ方向417の方向に、入口配管13を通って、ケース10の長手方向の辺に沿って形成された第1流路部19a内を流れ方向418のように流れる。また冷媒は、流れ方向421のように、ケース10の短手方向の辺に沿って形成された第2流路部19bを流れ方向421のように流れる。第2流路部19bは折り返し流路を形成する。また冷媒は、流れ方向422のように、流路形成体12の長手方向の辺に沿って形成された第3流路部19cを流れる。第3流路部19cは、コンデンサモジュール500を挟んで第1流路部19aと対向する位置に設けられる。さらに、冷媒は、流れ方向423のように、出口配管14を通って流出する。
第1流路部19a,第2流路部19b,第3流路部19cは、いずれも幅方向より深さ方向が大きく形成される。また、流路形成体12は、ケース10裏面に形成された開口部404と、開口部400a〜400cとが対向するように形成されているので、アルミ鋳造により製造し易い構成になっている。
図6乃至図10を用いてインバータ回路140に使用されるパワー半導体モジュール300a〜300cの詳細構成を説明する。上記パワー半導体モジュール300a〜300cはいずれも同じ構造であり、代表してパワー半導体モジュール300aの構造を説明する。尚、図6乃至図10において制御端子325Uは、図2に開示したゲート電極端子154および信号用エミッタ電極155に対応し、制御端子325Lは、図2に開示したゲート電極164およびエミッタ電極165に対応する。また直流正極端子315Bは、図2に開示した正極端子157と同一のものであり、直流負極端子319Bは、図2に開示した負極端子158と同一のものである。また交流端子320Bは、図2に開示した交流端子159と同じものである。
図6(a)は、本実施形態のパワー半導体モジュール300aの斜視図である。図6(b)は、本実施形態のパワー半導体モジュール300aを断面Dで切断して方向Eから見たときの断面図である。
図7は、理解を助けるために、図6に示す状態からネジ309および第2封止樹脂351を取り除いたパワー半導体モジュール300aを示す図である。図7(a)は斜視図であり、図7(b)は図6(b)と同様に断面Dで切断して方向Eから見たときの断面図である。また、図7(c)はフィン305が加圧されて湾曲部304Aが変形される前の断面図を示している。
図8は、図7に示す状態からさらにモジュールケース304を取り除いたパワー半導体モジュール300aを示す図である。図8(a)は斜視図であり、図8(b)は図6(b),図7(b)と同様に断面Dで切断して方向Eから見たときの断面図である。
図9は、図8に示す状態からさらに第1封止樹脂348および配線絶縁部608を取り除いたパワー半導体モジュール300aの斜視図である。
図10は、モジュール1次封止体302の組立工程を説明するための図である。
上下アームの直列回路150を構成するパワー半導体素子(IGBT328,IGBT330,ダイオード156,ダイオード166)が、図8および図9に示す如く、導体板315や導体板318によって、あるいは導体板320や導体板319によって、両面から挟んで固着される。導体板315等は、その放熱面が露出した状態で第1封止樹脂348によって封止され、当該放熱面に絶縁シート333が熱圧着される。第1封止樹脂348は図8に示すように、多面体形状(ここでは略直方体形状)を有している。
第1封止樹脂348により封止されたモジュール1次封止体302は、モジュールケース304の中に挿入して絶縁シート333を挟んで、CAN型冷却器であるモジュールケース304の内面に熱圧着される。ここで、CAN型冷却器とは、一面に挿入口306と他面に底を有する筒形状をした冷却器である。モジュールケース304の内部に残存する空隙には、第2封止樹脂351が充填される。
モジュールケース304は、電気伝導性を有する部材、例えばアルミ合金材料(Al,AlSi,AlSiC,Al−C等)で構成され、かつ、つなぎ目の無い状態で一体に成形される。モジュールケース304は、挿入口306以外に開口を設けない構造であり、挿入口306は、フランジ304Bよって、その外周を囲まれている。また、図6(a)に示されるように、他の面より広い面を有する第1放熱面307A及び第2放熱面307Bがそれぞれ対向した状態で配置され、これらの放熱面に対向するようにして、各パワー半導体素子(IGBT328,IGBT330,ダイオード156,ダイオード166)が配置されている。当該対向する第1放熱面307Aと第2放熱面307Bと繋ぐ3つの面は、当該第1放熱面307A及び第2放熱面307Bより狭い幅で密閉された面を構成し、残りの一辺の面に挿入口306が形成される。モジュールケース304の形状は、正確な直方体である必要が無く、角が図6(a)に示す如く曲面を成していても良い。
このような形状の金属製のケースを用いることで、モジュールケース304を水や油などの冷媒が流れる冷媒流路19内に挿入しても、冷媒に対するシールをフランジ304Bにて確保できるため、冷却媒体がモジュールケース304の内部に侵入するのを簡易な構成で防ぐことができる。また、対向した第1放熱面307Aと第2放熱面307Bに、フィン305がそれぞれ均一に形成される。さらに、第1放熱面307A及び第2放熱面307Bの外周には、厚みが極端に薄くなっている湾曲部304Aが形成されている。湾曲部304Aは、フィン305を加圧することで簡単に変形する程度まで厚みを極端に薄くしてあるため、モジュール1次封止体302が挿入された後の生産性が向上する。
上述のように導体板315等を絶縁シート333を介してモジュールケース304の内壁に熱圧着することにより、導体板315等とモジュールケース304の内壁の間の空隙を少なくすることができ、パワー半導体素子の発生熱を効率良くフィン305へ伝達できる。さらに絶縁シート333にある程度の厚みと柔軟性を持たせることにより、熱応力の発生を絶縁シート333で吸収することができ、温度変化の激しい車両用の電力変換装置に使用するのに良好となる。
モジュールケース304の外には、コンデンサモジュール500と電気的に接続するための金属製の直流正極配線315Aおよび直流負極配線319Aが設けられており、その先端部に直流正極端子315B(157)と直流負極端子319B(158)がそれぞれ形成されている。また、モータジェネレータMG1あるいはMG2に交流電力を供給するための金属製の交流配線320Aが設けられており、その先端に交流端子320B(159)が形成されている。本実施形態では、図9に示す如く、直流正極配線315Aは導体板315と接続され、直流負極配線319Aは導体板319と接続され、交流配線320Aは導体板320と接続される。
モジュールケース304の外にはさらに、ドライバ回路174と電気的に接続するための金属製の信号配線324Uおよび324Lが設けられており、その先端部に制御端子325U(154,155)と制御端子325L(164,165)がそれぞれ形成されている。本実施形態では、図9に示す如く、信号配線324UはIGBT328と接続され、信号配線324LはIGBT328と接続される。
図13(a)は、本実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの上面図である。図13(b)は、本実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの側面図である。
電流センサ180aは、ギャップを有するコアを樹脂でモールドしたものであり、コアのギャップ部にはホール素子を有するICを搭載する。また電流センサ180aは、当該電流センサ180aの一方の側面から突出してフランジ部304Bに固定される第1固定部と、当該電流センサ180aの他方の側面から突出してフランジ部304Bに固定される第2固定部と、を有する。さらに電流センサ180aは、電流センサ180a内のICと電気的接続された信号端子184が、パワー半導体モジュール300aの上方まで延長され、制御端子325U及び325Lと同様、ドライバ回路基板22に半田付けにより接続される。パワー半導体モジュール300b及び300cに接続される電流センサも電流センサ180aと同様の構成である。
ハイブリッド自動車や電気自動車のモータ駆動用の電力変換装置の場合、交流配線320Aには数百アンペアの大電流を通電する。そのため、ジュール熱により発熱するが、電流センサ180aは、冷却用のフィン305に近いフランジ部304Bにネジで固定されため、電流センサ180aが受けた熱は、第1固定部181a及び第2固定部181b,フランジ部304B,フィン305、冷媒の順に流れ、電流センサ180aが冷却されるため、交流配線320Aに大電流を流しても電流センサ180aを許容温度以下で使用することができ、耐熱性を向上させることができる。
本実施形態では電流センサ180aをパワー半導体モジュール300aにネジで固定する際に、直接固定しているが、間に放熱用グリス等を用いて熱伝導率を向上させる方法も有効である。
なお、本実施形態では、電流センサ180aを固定するのに、接着剤を用いてもよい、また、電流センサ180aを両面冷却パワー半導体モジュール300にモールドしてもよい。
モジュールケース304にフランジ部304Bが設けられていない場合であっても、電流センサ180aの第1固定部181a及び第2固定部181bは、モジュールケース304の第1放熱面307A及び第2放熱面307Bの垂直方向の面、つまりモジュールケース304の厚み方向の面に直接接続されることにより、電流センサ180aを熱から保護することができる。
直流正極配線315A,直流負極配線319A,交流配線320A,信号配線324Uおよび信号配線324Lは、樹脂材料で成形された配線絶縁部608によって相互に絶縁された状態で、補助モールド体600として一体に成型される。配線絶縁部608は、各配線を支持するための支持部材としても作用し、これに用いる樹脂材料は、絶縁性を有する熱硬化性樹脂かあるいは熱可塑性樹脂が適している。これにより、直流正極配線315A,直流負極配線319A,交流配線320A,信号配線324Uおよび信号配線324Lの間の絶縁性を確保でき、高密度配線が可能となる。
補助モールド体600は、モジュール1次封止体302と接続部370において金属接合された後に、配線絶縁部608に設けられたネジ穴を貫通するネジ309によってモジュールケース304に固定される。接続部370におけるモジュール1次封止体302と補助モールド体600との金属接合には、たとえばTIG溶接などを用いることができる。
直流正極配線315Aと直流負極配線319Aは、配線絶縁部608を間に挟んで対向した状態で互いに積層され、略平行に延びる形状を成している。こうした配置および形状とすることで、パワー半導体素子のスイッチング動作時に瞬間的に流れる電流が、対向してかつ逆方向に流れる。これにより、電流が作る磁界が互いに相殺する作用をなし、この作用により低インダクタンス化が可能となる。なお、交流配線320Aや制御端子325U,325Lも、直流正極配線315A及び直流負極配線319Aと同様の方向に向かって延びている。
モジュール1次封止体302と補助モールド体600が金属接合により接続されている接続部370は、第2封止樹脂351によりモジュールケース304内で封止される。これにより、接続部370とモジュールケース304との間で必要な絶縁距離を安定的に確保することができるため、封止しない場合と比較してパワー半導体モジュール300aの小型化が実現できる。
図9に示されるように、接続部370の補助モジュール体600側には、補助モジュール側直流正極接続端子315C,補助モジュール側直流負極接続端子319C,補助モジュール側交流接続端子320C,補助モジュール側信号接続端子326Uおよび補助モジュール側信号接続端子326Lが一列に並べて配置される。一方、接続部370のモジュール1次封止体302側には、多面体形状を有する第1封止樹脂348の一つの面に沿って、素子側直流正極接続端子315D,素子側直流負極接続端子319D,素子側交流接続端子320D,素子側信号接続端子327Uおよび素子側信号接続端子327Lが一列に並べて配置される。こうして接続部370において各端子が一列に並ぶような構造とすることで、トランスファーモールドによるモジュール1次封止体302の製造が容易となる。
ここで、モジュール1次封止体302の第1封止樹脂348から外側に延出している部分をその種類ごとに一つの端子として見た時の各端子の位置関係について述べる。以下の説明では、直流正極配線315A(直流正極端子315Bと補助モジュール側直流正極接続端子315Cを含む)および素子側直流正極接続端子315Dにより構成される端子を正極側端子と称し、直流負極配線319A(直流負極端子319Bと補助モジュール側直流負極接続端子319Cを含む)および素子側直流負極接続端子319Dにより構成される端子を負極側端子と称し、交流配線320A(交流端子320Bと補助モジュール側交流接続端子320Cを含む)および素子側交流接続端子320Dにより構成される端子を出力端子と称し、信号配線324U(制御端子325Uと補助モジュール側信号接続端子326Uを含む)および素子側信号接続端子327Uにより構成される端子を上アーム用信号端子と称し、信号配線324L(制御端子325Lと補助モジュール側信号接続端子326Lを含む)および素子側信号接続端子327Lにより構成される端子を下アーム用信号端子と称する。
上記の各端子は、いずれも第1封止樹脂348および第2封止樹脂351から接続部370を通して突出しており、その第1封止樹脂348からの各突出部分(素子側直流正極接続端子315D,素子側直流負極接続端子319D,素子側交流接続端子320D,素子側信号接続端子327Uおよび素子側信号接続端子327L)は、上記のように多面体形状を有する第1封止樹脂348の一つの面に沿って一列に並べられている。また、正極側端子と負極側端子は、第2封止樹脂351から積層状態で突出しており、モジュールケース304の外に延出している。このような構成としたことで、第1封止樹脂348でパワー半導体素子を封止してモジュール1次封止体302を製造する時の型締めの際に、パワー半導体素子と当該端子との接続部分への過大な応力や金型の隙間が生じるのを防ぐことができる。また、積層された正極側端子と負極側端子の各々を流れる反対方向の電流により、互いに打ち消し合う方向の磁束が発生されるため、低インダクタンス化を図ることができる。
補助モジュール体600側において、補助モジュール側直流正極接続端子315C,補助モジュール側直流負極接続端子319Cは、直流正極端子315B,直流負極端子319Bとは反対側の直流正極配線315A,直流負極配線319Aの先端部にそれぞれ形成されている。また、補助モジュール側交流接続端子320Cは、交流配線320Aにおいて交流端子320Bとは反対側の先端部に形成されている。補助モジュール側信号接続端子326U,326Lは、信号配線324U,324Lにおいて制御端子325U,325Lとは反対側の先端部にそれぞれ形成されている。
一方、モジュール1次封止体302側において、素子側直流正極接続端子315D,素子側直流負極接続端子319D,素子側交流接続端子320Dは、導体板315,319,320にそれぞれ形成されている。また、素子側信号接続端子327U,327Lは、ボンディングワイヤ371によりIGBT328,330とそれぞれ接続されている。
図10に示すように、直流正極側の導体板315および交流出力側の導体板320と、素子側信号接続端子327Uおよび327Lとは、共通のタイバー372に繋がれた状態で、これらが略同一平面状の配置となるように一体的に加工される。導体板315には、上アーム側のIGBT328のコレクタ電極と上アーム側のダイオード156のカソード電極が固着される。導体板320には、下アーム側のIGBT330のコレクタ電極と下アーム側のダイオード166のカソード電極が固着される。IGBT328,330およびダイオード156,166の上には、導体板318と導体板319が略同一平面状に配置される。導体板318には、上アーム側のIGBT328のエミッタ電極と上アーム側のダイオード156のアノード電極が固着される。導体板319には、下アーム側のIGBT330のエミッタ電極と下アーム側のダイオード166のアノード電極が固着される。各パワー半導体素子は、各導体板に設けられた素子固着部322に、金属接合材160を介してそれぞれ固着される。金属接合材160は、例えばはんだ材や銀シート及び微細金属粒子を含んだ低温焼結接合材、等である。
各パワー半導体素子は板状の扁平構造であり、当該パワー半導体素子の各電極は表裏面に形成されている。図10に示されるように、パワー半導体素子の各電極は、導体板315と導体板318、または導体板320と導体板319によって挟まれる。つまり、導体板315と導体板318は、IGBT328及びダイオード156を介して略平行に対向した積層配置となる。同様に、導体板320と導体板319は、IGBT330及びダイオード166を介して略平行に対向した積層配置となる。また、導体板320と導体板318は中間電極329を介して接続されている。この接続により上アーム回路と下アーム回路が電気的に接続され、上下アーム直列回路が形成される。上述したように、導体板315と導体板318の間にIGBT328及びダイオード156を挟み込むと共に、導体板320と導体板319の間にIGBT330及びダイオード166を挟み込み、導体板320と導体板318を中間電極329を介して接続する。その後、IGBT328の制御電極328Aと素子側信号接続端子327Uとをボンディングワイヤ371により接続すると共に、IGBT330の制御電極330Aと素子側信号接続端子327Lとをボンディングワイヤ371により接続する。
図11は、コンデンサモジュール500の構造を説明するための斜視図である。図11には示されていないが、コンデンサケース502の内部には、フィルムコンデンサが複数設けられ、当該フィルムコンデンサは負極導体板及び正極導体板に電気的に接続される。負極導体板と正極導体板との間には低インダクタンス化のために絶縁性部材が配置され、負極導体板と正極導体板は積層状態で構成される。つまり負極導体板と正極導体板は積層導体板を構成する。
樹脂封止材550は、コンデンサケース502にフィルムコンデンサ及び積層導体板を固定するために当該コンデンサケース502内に充填される。負極側の電源端子508及び正極側の電源端子509は、積層導体板にそれぞれ電気的に接続され、樹脂封止材550の露出面から突出し、さらにコンデンサケース502の側面の方に折り曲げられる。正極側の電源端子509及び負極側の電源端子508には、図2で説明した如く、直流側コネクタ138を介して直流電力が供給される。
コンデンサ端子503a〜503cは、積層導体板にそれぞれ電気的に接続され、半導体モジュール300の正極端子157(315B)及び負極端子158(319B)に対応して設けられる。コンデンサ端子503a〜503cは、パワー半導体モジュール300a〜300cとそれぞれ接続される。コンデンサ端子503aを構成する負極側コンデンサ端子504aと正極側コンデンサ端子506aとの間には、絶縁シート517aが設けられ、絶縁が確保されている。他のコンデンサ端子503b〜503cも同様である。
コンデンサケース502には、コンデンサモジュール500を流路形成体12に固定するための固定手段例えば螺子を貫通させるための孔520a〜520dが設けられる。
また、コンデンサケース502の長辺側の一側面には、突出収納部502aが形成される。この突出収納部502a内には、フィルムコンデンサ及び電源端子508,509に対して電気的に直列または並列に接続される電気回路素子が収納される。本実施形態においては、バッテリ136からのノイズを除去しかつグラウンドに電気的に接続されたノイズ除去用のコンデンサが収納される。このコンデンサはフィルムコンデンサに比べて小型のため、突出収納部502aの高さはコンデンサケース502の高さよりも小さく形成されている。つまり、突出収納部502aの下方には空間が形成される。図3に示された流路形成体12は、この空間に冷媒流路19の一部を形成している。これにより、ノイズ除去用のコンデンサを冷却することができるとともに、冷媒流路19の断面積を局所的に大きくすることを抑制して圧力損失の増大を防止している。
図12(a)は、ケース10にパワー半導体モジュール300a〜300cとコンデンサモジュール500とバスバーアッセンブリ800を組み付けた外観斜視図である。図12(b)は、図12(a)の部分Aの拡大図である。
直流正極端子315B(157),直流負極端子319B(158),交流端子321(159)及び第2封止部601Bは、ケース10の縦方向に蓋8側に向けて延びている。直流正極端子315B(157)及び直流負極端子319B(158)の電流経路の面積は、コンデンサモジュール500内の積層導体板の電流経路の面積より非常に小さい。そのため、電流が積層導体板から直流正極端子315B(157)及び直流負極端子319B(158)に流れる際には、電流経路の面積が大きく変化することになる。つまり、電流が直流正極端子315B(157)及び直流負極端子319B(158)に集中することになる。
そこで、本実施形態では、負極側コンデンサ端子504aは、積層導体板から立ち上がっている立ち上がり部540を有し、その先端部に接続部542を有している。また、正極側コンデンサ端子506aは、積層導体板から立ち上がっている立ち上がり部543を有し、その先端部に接続部545を有している。前記接続部542と前記接続部545との間にパワー半導体モジュール300aの直流負極端子319B(158)や直流正極端子315B(157)が挟まれるようにして接続されている。
これにより、負極側コンデンサ端子504aや正極側コンデンサ端子506aが接続部542や545の直前まで絶縁シートを介した積層構造を成すため、電流が集中する当該コンデンサ端子の配線部分のインダクタンスを低減することができる。さらに、直流負極端子319B(158)の先端と接続部542の側辺とは溶接により接続され、同様に直流正極端子315B(157)の先端と接続部545の側辺とは溶接により接続される。このため、低インダクタンス化による特性改善に加え生産性を向上させることができる。
パワー半導体モジュール300aの交流端子321(159)の先端は交流バスバー802aの先端とは溶接により接続される。溶接をするための生産設備において、溶接機械を溶接対象に対して複数方向に可動できるように作ることは、生産設備を複雑化させることにつながり生産性及びコスト的な観点から好ましくない。そこで、本実施形態では、交流端子321(159)の溶接箇所と直流負極端子319B(158)の溶接箇所は、ケース10の長手方向の辺に沿って一直線状に配置される。これにより、溶接機械を一方向に可動する間に、複数の溶接を行うことができ、生産性が向上する。
さらに、図4及び図12に示されるように、複数のパワー半導体モジュール300a及び300bは、ケース10の長手方向の辺に沿って一直線状に配置される。これにより、複数のパワー半導体モジュール300a〜300bを溶接する際に、更に生産性を向上させることができる。
図15は、金属ベース板11を分離した状態の電力変換装置200の斜視図である。また、図16は、図15の断面Bの矢印方向からみた電力変換装置200の断面図である。
金属ベース板11は、ドライバ回路基板22の上方に配置される。本実施の形態では、ケース10の開口部の周縁が金属ベース板11によって塞がれる。制御回路基板20は、金属ベース板11と蓋8によって形成される空間に収納される。
電流センサ180とドライバ回路基板22と制御回路基板20が高さ方向に階層的に配置され、また制御回路基板20が強電系のパワー半導体モジュール300a〜300cから最も遠い場所に配置されるので、スイッチングノイズ等の混入を抑制することができる。さらに、金属ベース板11は、グランドに電気的に接続された流路形成体12に電気的に接続されている。この金属ベース板11によって、ドライバ回路基板22から制御回路基板20に混入するノイズを低減している。
図15では、ドライバ回路基板22には、当該ドライバ回路基板22を貫通する孔24が形成される。また孔24にはパワー半導体モジュール300a〜300cの制御端子325U及び制御端子325Lが挿入され、制御端子325U及び制御端子325Lはドライバ回路基板22の配線パターンと半田により接合される。なお、流路形成体12との対向面とは反対側のドライバ回路基板22の面側から半田接合が行われる。
これにより、配線コネクタを用いることなく信号線が接続できるので生産性を向上させることができる。また、本実施形態のドライバ回路基板22は、流路形成体12と対向する面側に、ドライバICチップ等の駆動回路(不図示)を実装している。これにより、半田接合の熱がドライバICチップ等に伝わることを抑制して、半田接合によるドライバICチップ等の損傷を防止している。また、ドライバ回路基板22に搭載されているトランスのような高背部品が、コンデンサモジュール500とドライバ回路基板22との間の空間に配置されるので、電力変換装置200全体を低背化することが可能となる。
図17は、交流端子822a〜822cの周辺部品の拡大図である。交流バスバー805a〜805cは、第1支持部材820によって支持されるとともに、その先端は交流端子822a〜822cと接続される。交流端子822a〜822cは、円筒形状の雌型コネクタである。
第1支持部材820は、固定部826によってケース10に固定される。また第1支持部材820は、ケース10の外側に向かって突出しておりかつ交流端子822a〜822cの先端部を覆って構成される端子カバー部828a〜828cを有する。交流端子822a〜822cは、図19に示された車両側のコネクタ193と接続される。電力変換装置200の輸送時や車両への組付け時や試験時や部品交換時にはコネクタ193が取外された状態であるので、交流端子が露出する可能性がある。その際、作業者が露出した交流端子822a〜822cに触れることによる感電を防止する必要があるが、上記の構成により交流端子822a〜822cの先端部を絶縁物で覆うことで感電を防止することができる。
また第1支持部材820は、図19に示される交流側コネクタ188が第1支持部材820から離脱したこと、つまり交流側コネクタ188と交流端子822a〜822cとが電気的に非接続状態となったことを検知する接続検知回路830を保持している。この接続検知回路830は、交流側コネクタ188側に設けられた同様の接続検知回路と嵌め合うことによって接続状態であることを検知している。そして、接続検知回路830が交流側コネクタ188と交流端子822a〜822cとが電気的に非接続状態となったことを検知した場合、制御回路基板20に当該検知情報を伝達し、当該制御回路基板20は当該検知情報に基づいてパワー半導体モジュール300a〜300cの駆動を抑制または停止するように制御する。
なお、接続検知回路830は、制御回路基板20と交流端子822a等との閉回路を構成しており、いずれかの箇所が切断され、電気的に非接続状態となった時に、制御回路基板20がパワー半導体モジュールの駆動を抑制または停止する信号を発する。
上記の構成により、電力変換装置200の車両への組付け時や試験時や部品交換時のような、作業者が車両側のコネクタ193を取外して、交流端子822a〜822cが露出される時に、電力変換装置200の駆動が停止することで作業者の安全を確保することができる。また、振動により接続検知回路830が誤って脱落し、予期しないタイミングで電力変換装置200の駆動が停止することを防止するために、接続検知回路830はケース10に強固に固定された第1支持部材820に支持されている。
さらに、第1支持部材820は、ケース10の外側に向かって突出する突出部832を有する。突出部832は、交流端子822a〜822cを囲むように形成され、かつ当該の突出部832の外縁が図5に示される開口部10bの内縁と嵌め合うように形成される。これにより、交流端子822a〜822cと開口部10bの内縁部との位置精度を向上させることができる。また、防水効果も向上させることができる。さらに、交流端子822a〜822cを保持する第1支持部材820とケース10との接触面積を大幅に増大させることができるため、交流端子822a〜822cの共振周波数をエンジン等から伝達されてくる振動の周波数より高くすることができる。したがって、交流端子822a〜822c周辺の耐振動性を向上させることができる。
さらに、第1支持部材820は、ケース10の開口部10bを塞ぐ為の遮蔽部834を有する。遮蔽部834は、端子カバー部828a〜828cと突出部832との間を埋めるように形成される。電力変換装置200のみを輸送する時や車両への組付け時や試験時や部品交換時には、ネジや工具等の異物が外部からケース10内部へ混入する可能性がある。ケース10内部へ混入した異物は電気的接続箇所の短絡や構成部品の破損に繋がり、電力変換装置200を破壊に至らせる可能性がある。そこで上記の構成のように遮蔽部834によってケース10内部と外部を遮断することにより外部からの異物の混入を防止することができる。
図18は、負極側の直流端子900aと正極側の直流端子900bの周辺部品の拡大図である。
負極側の直流バスバー902aは、一方の先端がコンデンサモジュール500の負極側の電源端子508と接続され、一方の先端が直流端子900aと接続される。同様に、正極側の直流バスバー902bは、一方の先端がコンデンサモジュール500の正極側の電源端子509と接続され、一方の先端が直流端子900bと接続される。直流端子900a及び900bは、円筒形状の雌型コネクタである。
第2支持部材904は、固定部906によってケース10に固定される。また第2支持部材904は、ケース10の外側に向かって突出しておりかつ直流端子900a及び900bの先端部を覆って構成される端子カバー部908a及び908bを有する。直流端子900a及び900bは、図19に示された車両側のコネクタ193と接続される。電力変換装置200の輸送時や車両への組付け時や試験時や部品交換時にはコネクタ193が取外された状態であるので、直流端子が露出する可能性がある。その際、作業者が露出した直流端子900a及び900bに触れることによる感電を防止する必要があるが、上記の構成により直流端子900a及び900bの先端部を絶縁物で覆うことで感電を防止することができる。
また第2支持部材904は、図19に示される直流側コネクタ138が第2支持部材904から離脱したこと、つまり直流側コネクタ138と直流端子900a及び900bとが電気的に非接続状態となったことを検知する接続検知回路910を保持している。この接続検知回路910は、直流側コネクタ138側に設けられた同様の接続検知回路と嵌め合うことによって接続状態であることを検知している。そして、接続検知回路910が直流側コネクタ138と直流端子900a及び900bとが電気的に非接続状態となったことを検知した場合、制御回路基板20に当該検知情報を伝達し、当該制御回路基板20は当該検知情報に基づいて電力変換装置200の駆動を抑制または停止するように制御する。
なお、接続検知回路830は、制御回路基板20と直流端子と閉回路を構成しており、いずれかの箇所が切断され、電気的に非接続状態となった時に、制御回路基板20がパワー半導体モジュールの駆動を抑制または停止する信号を発する。
また、本実施形態においては、交流端子822a〜822c側にも接続検知回路830を設けており、制御回路基板20と直流端子と交流端子と閉回路を構成しており、いずれかの箇所が切断され、電気的に非接続状態となった時に、制御回路基板20がパワー半導体モジュールの駆動を抑制または停止する信号を発するように構成されている。なお、図19に示すようにコネクタ193が直流側コネクタ138と交流側コネクタ188と一体となって構成されている場合には、接続検知回路830と接続検知回路910のいずれか一方のみを設ければ、電力変換装置200の駆動を抑制または停止するような制御を実行することができる。
上記の構成により、電力変換装置200の車両への組付け時や試験時や部品交換時のような、作業者が車両側のコネクタ193を取外して、直流端子900a及び900bが露出される時に、電力変換装置200の駆動が停止することで作業者の安全を確保することができる。また、振動により接続検知回路910が誤って脱落して予期しないタイミングで電力変換装置200の駆動が停止することを防止するために、接続検知回路910はケース10に強固に固定された第2支持部材904に支持されている。
さらに、第2支持部材904は、ケース10の外側に向かって突出する突出部912を有する。突出部912は、直流端子900a及び900bを囲むように形成され、かつ当該の突出部832の外縁が図5に示される開口部10cの内縁と嵌め合うように形成される。これにより、直流端子900a及び900bと開口部10cの内縁部との位置精度を向上させることができる。また、防水効果も向上させることができる。さらに、直流端子900a及び900bを保持する第2支持部材904とケース10との接触面積を大幅に増大させることができるため、直流端子900a及び900bの共振周波数をエンジン等から伝達されてくる振動の周波数より高くすることができる。したがって、直流端子900a及び900b周辺の耐振動性を向上させることができる。
さらに、第2支持部材904は、ケース10の開口部10cを塞ぐ為の遮蔽部914を有する。遮蔽部914は、端子カバー部908a及び908bと突出部912との間を埋めるように形成される。電力変換装置200のみを輸送する時や車両への組付け時や試験時や部品交換時には、ネジや工具等の異物が外部からケース10内部へ混入する可能性がある。ケース10内部へ混入した異物は電気的接続箇所の短絡や構成部品の破損に繋がり、電力変換装置200を破壊に至らせる可能性がある。そこで上記の構成のように遮蔽部914によってケース10内部と外部を遮断することにより外部からの異物の混入を防止することができる。
図19は、交流端子822a〜822c及び直流端子900aと900bが組み付けられたケース10、さらに車両側のコネクタ193の分解斜視図である。
ケース10は、開口部10bの縁から当該ケース10の外側に向かって突出する第1壁10dを有する。第1壁10dはケース10と一体に形成されていてもよい。そして交流側コネクタ188が第1壁10dによって囲まれた空間を通って、第1支持部材820に支持された交流端子822a〜822cと接続される。これにより、交流端子822a〜822cが第1壁10dで覆われることになり、交流端子822a〜822cを外部からの衝撃から保護することができる。また、第1支持部材820の突出部832と第1壁10dとが広い面積で接触することにより、交流端子822a〜822cの位置精度を高めることができるとともに、交流端子822a〜822cの共振周波数をエンジン等から伝達されてくる振動の周波数より高くすることができる。さらに交流側コネクタ188も第1壁10dの内周で接触するように構成されるため、交流側コネクタ188の位置精度を高めることができるとともに、交流側コネクタ188の交流配線の共振周波数をエンジン等から伝達されてくる振動の周波数より高くすることができる。
同様に、ケース10は、開口部10cの縁から当該ケース10の外側に向かって突出する第2壁10eを有する。第2壁10eはケース10と一体に形成されていてもよい。そして直流側コネクタ138が第2壁10eによって囲まれた空間を通って、第2支持部材904に支持された直流端子900a及び900bと接続される。これにより、直流端子900a及び900bが第2壁10eで覆われることになり、直流端子900a及び900bを外部からの衝撃から保護することができる。また、第2支持部材904の突出部912と第2壁10eとが広い面積で接触することにより、直流端子900a及び900bの位置精度を高めることができるとともに、直流端子900a及び900bの共振周波数をエンジン等から伝達されてくる振動の周波数より高くすることができる。さらに直流側コネクタ138も第2壁10eの内周で接触するように構成されるため、直流側コネクタ138の位置精度を高めることができるとともに、直流側コネクタ138の直流配線の共振周波数をエンジン等から伝達されてくる振動の周波数より高くすることができる。
金属製プレート836は、図17に示された第1支持部材820をケース10との間に挟んで、当該第1支持部材820を当該ケース10に固定するための部材である。この金属製プレート836は、図4に示された制御回路基板20が配置された側の交流バスバー822a〜822cの面の少なくとも一部を覆って形成される。制御回路基板20及び制御系信号を伝達するための配線は、微弱電流であるため交流端子822a〜822cや交流バスバー805a〜805cからのノイズの影響を受けやすい。そこで、交流端子822a〜822cや交流バスバー805a〜805cが導電性の部材である金属製プレート836により囲まれることにより、ノイズを遮断することができる。
本実施形態においては、コネクタ193が直流側コネクタ138と交流側コネクタ188とが一体に構成されている。これにより、部品点数を低減させることができるとともに、接続作業を簡略化させることができ、生産性が向上する。しかしながら、一方で直流側コネクタ138と交流側コネクタ188を一括して取り付けるため、コネクタ193が大きくなって歪み易くなり、コネクタ193の挿入応力に偏りが生じる恐れがある。その結果コネクタ193や電力変換装置200の部品が破損してしまったり、コネクタ193とケース10とのシール部材に偏りが生じて防水性の低下を引き起こしてしまったりする恐れがある。またコネクタ193の挿入応力に偏りが生じたまま、コネクタ193と電力変換装置200が車両に搭載されると、要求される耐振動性能を発揮できない恐れがある。
そこで、本実施形態の交流端子822a〜822c及び直流端子900aと900bは、直流側コネクタ138と交流側コネクタ188とが一体に構成されたコネクタ193の歪みが低減されるように配置されている。具体的には図20に示すように、交流端子822a〜822c及び直流端子900aと900bは、ケース10の一側面に配置され、当該ケース10の一側面は短手方向の辺と長手方向の辺により構成される長方形状をなしている。そして、直流端子900aと900bは、ケース10の一側面の短手方向の一方の辺に沿って並べて配置され、かつ交流端子822a〜822cは、ケース10の一側面の長手方向の一方の辺に沿って並べて配置される。
これにより、直流端子900a及び900bを通る線分と交流端子822a及び822cを通る線分によって、90度傾いた略T字又は略L字が形成される。よって、コネクタ193の高さ方向(ケース10の一側面の短手方向)と幅方向(ケース10の一側面の長手方向)の位置決めが同時になされ、コネクタ193の挿入応力の偏りが生じないようにコネクタ193を各端子及びケース10に固定することができる。また、コネクタ193の高さ方向や幅方向は極端に長くなることを抑えているので、コネクタ193の歪みを低減することができ、コネクタ193の挿入応力の偏りを低減している。またコネクタ193の高さ方向又は幅方向は極端に長くなることを抑えているので、コネクタ固定部10f〜10mのそれぞれの間の距離を短くすることができる。これにより、コネクタ193とケース10との共振周波数をエンジン等から伝達されてくる振動の周波数より高くすることができ、車両の耐振動性を向上させることができる。
また本実施形態においては、交流端子822bは交流端子822a及び822cよりもケース10の一側面の長手方向の他方の辺に近づけて配置される。このような配置に合わせて、第1支持部材820及び第1壁10dはなだらかな角を有する逆三角形状をなしている。これにより交流側コネクタ188及びコネクタ193の高さ方向又は幅方向が極端に長くなることを抑えているので、上記のような接続信頼性及び耐振動性を向上させるような作用効果を奏する。
図21は、樹脂封止材550を取り除いたコンデンサモジュール500の上面図である。
コンデンサケース502は、コンデンサ素子560a〜560dと、負極側バスバー548と、不図示の正極側バスバーと、ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562b、を収納する。
コンデンサ素子560a〜560dは、円筒形のフィルムコンデンサであり、直流電流を平滑化して、平滑化された直流電流をパワー半導体モジュール300a〜300cに出力する。コンデンサ素子560a〜560dの一方の電極がコンデンサケース502の底面と向かい合うとともに、他方の電極がコンデンサケース502の開口側を向くように配置される。また、コンデンサ素子560a〜560dは、コンデンサケース502の長辺側に沿って並べて配置される。
負極側バスバー548は、コンデンサ素子560a〜560dの他方の電極と接続される。不図示の正極側バスバーは、コンデンサケース502の底面とコンデンサ素子560a〜560dとの間に配置され、かつコンデンサ素子560a〜560dの一方の電極と接続される。
ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、円筒形のフィルムコンデンサであり、コンデンサ素子560a〜560dよりも静電容量は小さくかつサイズも小さいコンデンサ素子である。ノイズ除去用コンデンサ素子562aの一方の電極は、不図示の正極側バスバーと接続される。ノイズ除去用コンデンサ素子562aの他方の電極は、金属製のケース10を介して車体のグランドに電気的接続される。ノイズ除去用コンデンサ素子562bの一方の電極は、負極側バスバー548と接続される。ノイズ除去用コンデンサ素子562bの他方の電極は、金属製のケース10を介して車体のグランドに電気的接続される。ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、図2のモータMG1の駆動等によって発生して直流端子900a〜900bを介して伝播する電磁ノイズを除去するためのコンデンサ素子である。
ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、コンデンサケース502の一方の側壁から突出した突出収納部502a内に配置される。一方、電源端子508a〜508b及び509a〜509bは突出収納部502aから突出している。コンデンサ素子560a〜560dは、ノイズ除去用コンデンサ素子562aと562bを介して、電源端子508a〜508bと電源端子509a〜509bと電気的に接続される。
図22は、図4に示されたコンデンサモジュール500よりも上方に配置された電気部品を取り除いた電力変換装置200の上面図である。図23は、図22の一点鎖線AAの矢印方向から見た断面図である。
パワー半導体モジュール300a及びパワー半導体モジュール300bは、点線で示された第1流路部19aを流れる冷却冷媒の流れ方向に沿って並べて配置され、かつ流路形成体12に固定される。パワー半導体モジュール300cは、点線で示された第3流路部19cであって出口配管に近い側に配置され、かつ流路形成体12に固定される。またパワー半導体モジュール300cは、コンデンサモジュール500を介してパワー半導体モジュール300aと向かい合う位置に配置されている。
そして、図21にて示されたノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、コンデンサモジュール500を介してパワー半導体モジュール300bと向かい合う位置に配置されている。また図23に示されるように、ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、第3流路部19cの上方に配置され、第3流路部19cと熱的に接続されている。
コンデンサモジュール500に設けられた電源端子508a〜508b及び509a〜509bは、直流バスバー902a及び902bと接続される。直流バスバー902a及び902bは、図18にて説示したように、直流端子900a及び900bと接続される。
このような配置関係により、ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bがパワー半導体モジュール300a〜300cからの熱を受けにくくなるので、電力変換装置200内の電気部品がより集積化され、電力変換装置を小型化することができる。つまりノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、パワー半導体モジュール300a及び300bに対しては、コンデンサモジュール500と第1流路部19aと第3流路部19cを介して熱的に接続されている。さらにノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、パワー半導体モジュール300cとは第3流路部19cを介して熱的に接続されている。よってノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、3つのパワー半導体モジュール300a〜300cのうち2つとは熱的に大きく離すことができるとともに、熱的に近い位置にあるパワー半導体モジュール300cも冷媒が流れる第3流路部19cを介しているので、パワー半導体モジュール300a〜300cからの熱のあおりを受けにくくなっている。
また、冷媒流路19に流れる冷媒は、パワー半導体モジュール300cの近傍、ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bの下方、パワー半導体モジュール300bの近傍、パワー半導体モジュール300aの近傍の順に流れる。そのためノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bは、パワー半導体モジュール300cから受けた熱のみを蓄えた冷媒によって冷やされるので、パワー半導体モジュール300a及び300bからの熱のあおりを受けにくくなっている。
さらに、ノイズ除去用コンデンサ素子は熱に弱いので自己発熱の冷却に加えて外部からの熱の影響を防ぐ必要がある。つまり、電力変換装置200外部から直流バスバー902a及び902bを介して伝達される熱の影響を防ぐ必要がある。そこで本実施形態では、第3流路部19cはノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bの直下に形成されるので、ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bと第3流路部19cは熱的に密接に接続される。そのため、ノイズ除去用コンデンサ素子562a〜562bの自己発熱と外部からの熱を十分に冷媒に伝達することができる。
なお本実施形態では、第3流路部19cの近傍に配置される電気回路部品がノイズ除去用コンデンサ素子であったが、抵抗器450が配置されてもよい。つまり、電力変換装置200外部から直流バスバー902a及び902bを介して伝達される熱の影響を防ぐ必要がある電気回路部品が、第3流路部19cの近傍に配置されるので、コンデンサ素子560dと直流端子902a及び902bに対して電気的に直列または並列に接続される電気回路素子であればよい。
直流バスバー902a及び902bは、コンデンサモジュール500に設けられた電源端子508a〜508b及び509a〜509b側の近傍においては、その主面どうしがズレるように形成される。一方、直流バスバー902aが直流バスバー902bの上方に配置されるように形成され、直流端子900a及び900bの近傍においては、直流バスバー902a及び902bの主面どうしが重ね合うように形成される。これにより、直流バスバー902a及び902bの配線インダクタンスが低減される。
また、図18に示され直流端子900a及び900bは、第1パワー半導体モジュール300a〜300cよりもノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bに近い位置に配置される。これにより、ケース10内に配置された直流バスバー902a及び902bの配線距離を短くすることができる。そのため、直流バスバー902a及び902bから放射される電磁ノイズを低減することができる。また、直流バスバー902a及び902bを伝達する電磁ノイズが、コンデンサモジュール500内の負極側バスバー548や正極側バスバーやコンデンサ素子560a等に伝達される前に、ノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bによって除去することができる。
また、図21に示されるように、第1パワー半導体モジュール300a〜300c内のIGBTがスイッチングした場合に流れ上下アーム間に流れる還流電流580a〜580cは、負極側バスバー548及び正極側バスバーに流れる。本実施形態においては、ノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bと第1パワー半導体モジュール300a〜300c内のIGBTやダイオードの配線距離は、ノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bと直流端子900a及び900bとの配線距離より小さくなっている。これにより、還流電流580a〜580cがノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bに流れることによって、ノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bがノイズ除去機能を十分に果たせなくなることを抑制している。
なお、ノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bはコンデンサケース502の外部に配置して、流路形成体12に固定するようにしてもよい。本実施形態においては、コンデンサ素子560a〜560d及びノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bはフィルムコンデンサであり、熱伝導性が似ている部材を用いるので、コンデンサ素子560a〜560d及びノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bが一つのコンデンサケース502内において樹脂封止材550で封止している。これにより、ノイズ除去用コンデンサ素子562a及び562bの電気的接続を行うための接続点の増大を抑制するとともに電力変換装置200内での温度管理は容易になる。
抵抗器450はコンデンサ素子560a〜560dに残存した電荷を熱エネルギーに変換するための放電抵抗として機能して、修理作業時の感電防止を防いでいる。そのため、抵抗器450は特に他の電機部品から熱的に遮断されていることが必要である。そこで、抵抗器450は、第3流路部19cを介してコンデンサモジュール500とは反対側に配置されている。なお抵抗器450は、その一側面に正極側端子451と負極側端子452を設ける。正極側端子451は、不図示のハーネスを介してドライバ回路基板22に接続される。ドライバ回路基板22には、抵抗器450と電気的に直列に接続されたスイッチング素子が搭載されている。一方負極側端子452は、負極側である電源端子509aと接続される。ドライバ回路基板22に搭載されたスイッチング素子のスイッチング動作が、ドライバ回路基板22又は制御回路基板20に搭載されたマイコン等により制御される。
またケース10の底面には、図4に示されたDCDCコンバータ700から延びる端子702を貫通するための開口部703を形成する。図22では、この開口部703は、カバー704によって塞がれている。このカバー704を使用するのは、電力変換装置200はDCDCコンバータ700と組み合せて使用されない場合である。図4のように電力変換装置200とDCDCコンバータ700が組み合わせて使用される場合には、当該カバー704は取り外される。これにより、本実施形態の電力変換装置200は、車両の実施態様に応じて、DCDCコンバータ700を組み合せたり、取り外したりできるように構成されている。
また交流バスバー805a〜805cにはパワー半導体モジュール内のIGBTのスイッチング動作にともなって高周波のノイズ電流が流れる。このノイズ電流は高周波の磁界を電流の流れる向きを軸とした同心円状に発生する。そして、前記高周波の磁界が制御回路基板20に鎖交することによりノイズを生じる。そこで本実施形態では、直流端子900a及び900bからケース10内部に向かう直流バスバー902a及び900bの形成方向は、図17に示された交流端子822a〜822cからケース10内部に向かう交流バスバー805a〜805cの形成方向に沿うように形成される。これにより、交流バスバー805a〜805cに流れる電流と、直流バスバー902a及び900bに流れる電流の向きは逆向きであるため、交流バスバー805a〜805cに流れる電流により発生する磁界と、直流バスバー902a及び900bに流れる電流により発生する磁界がケース10内で打ち消し合い交流バスバー805a〜805cと直流バスバー902a及び900bに流れる電流により生じる磁界を抑制することができる。
図24は、図22の一点鎖線BBの矢印方向から見た断面図である。
DCDCコンバータ700の端子702は、開口部703を貫通して、コンデンサモジュール500に設けられた電源端子509bと接続される。本実施形態においては、DCDCコンバータ700は車両内の12V系の電装品を駆動する為の電源に充電するための降圧回路として機能させている。しかしながら、電力変換装置200等に異常が発生して、駆動モータへの電力供給が困難になったときに、DCDCコンバータ700から緊急的に電力を供給するようにしてもよい。
コンデンサモジュール500に設けられた電源端子508a,509aは、ケース10に設けられた窓17と対向するように配置される。これにより、電源端子508a,509aの接続作業性が向上する。さらに、DCDCコンバータ700との接続部である電源端子508b,509bも窓17と対向するように配置される。これにより、電源端子508b,509bの接続作業性も向上する。
本発明に係る他の実施形態について、図14及び図25を用いて説明する。実施例1と同じ符号を付した構成は同様の機能を有する。図14(a)は、他の実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの上面図である。図14(b)は、他の実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの側面図である。
フレキシブルプリント基板50は制御端子325U及び325L、電流センサ180aの信号端子184と接続される配線基板として機能する。コネクタ51は、フレキシブルプリント基板50における制御端子325U等が接続された側とは反対側に接続される。60はドライバ回路を構成する電子部品である。
フレキシブルプリント基板50と、各信号端子とは半田付けにて接続されており、直流正極配線315A,直流負極配線319A,交流配線320Aからすこし距離をとった位置に、これらの配線と平行に配置されている。
図25は、コネクタ51とドライバ回路基板22に設けられたコネクタ55との接続状態を示す側面図である。
実施例1において、電流センサ180aの熱対策を行うことが可能となったが、パワー半導体モジュール300aに電流センサの信号端子184が増え、制御端子325U及び325Lと合わせると、一相あたり11本、三相分で33本とドライバ回路基板へ挿入する信号端子の数が増加することとなった。
そのため、信号端子をドライバ回路基板22のスルーホールに接続する際に挿入性が悪化、この問題を解決するためにドライバ回路基板22にガイドピン等を別途用意する必要があった。さらに、信号端子をプリント基板に挿入後半田付けする際の時間が増加する問題が生じた。
そこで、本実施形態では、制御端子325U及び325Lと電流センサの信号端子184をフレキシブルプリント基板50で構成し、さらにドライバ回路基板22との接続部をコネクタ55を用いることで、両面冷却パワー半導体モジュール300の信号端子とドライバ回路基板22の接続を簡素化し、インバータ最終組み立て工程での工数を低減することができる。
ここで、本実施形態で用いられる配線部材はフレキシブルで容易に湾曲可能であるため、ドライバ回路基板22との接続に、位置精度を考慮する必要がないことと、接続作業を容易にすることができるためである。
また、フレキシブル基板とすることで、パワー半導体モジュール300aの信号端子から湾曲させて、直流正極配線315Aや直流負極配線319Aや交流配線320Aと距離ととりながら並行に配置して、ドライバ回路基板22と接続させることができるので、主端子で発生するノイズの影響を抑えることができる。さらに、交流配線320Aで発生する熱の影響を極力回避することができる。
本実施形態では、フレキシブルプリント基板50の配線材料としてポリイミドと銅箔を用いているが、通常のガラエポ等リジッドタイプのプリント基板を使用してもよい、また、通常の配線材を用いて接続してもよい。
また、制御端子325U及び325L、信号端子184とフレキシブルプリント基板50とは、半田付けにより接続されているが、こちらもコネクタ等で接続されていてもよい。
本発明に係る他の実施形態について、図26及び図27を用いて説明する。実施例1と同じ符号を付した構成は同様の機能を有する。図26(a)は、他の実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの上面図である。図26(b)は、他の実施形態に係るパワー半導体モジュール300aの側面図である。図27は、コネクタ51とドライバ回路基板22との接続状態を示す側面図である。
186はホールセンサICである。電子部品60の一部にはICも内蔵され、制御回路基板20からの入力信号に応じて、両面冷却パワー半導体300を駆動するとともに、過電流保護,過温度保護,電源低電圧保護等、各種保護機能を有し、パワー半導体素子を保護する機能を有している。
電流センサ180aのコアのギャップ部に、フレキシブルプリント基板50を延長し、そのうえにホールセンサIC186を搭載することで、実施例1,2で用いていた電流センサの信号端子182を用いることなく、直接、電流センサ180aの信号を、コネクタ51経由で、制御回路基板20に送ることができる。
実施例1において、電流センサ180aをパワー半導体モジュール300aのフランジ部304Bに固定することで、交流配線320Aが若干長くなった。このことにより、フランジ部304Bから、ドライバ回路基板22の間のスペースが長くなり、デットスペースが広くなったため、ドライバ回路基板22上にあった部品の全部、もしくは一部を、フレキシブルプリント基板50上に配置することにより、デットスペースの有効利用ができ、かつ、ドライバ回路基板22をなくすことができるので、電力変換装置の小型化を行うことができている。
さらに、フレキシブルプリント基板50上にはドライバ回路を構成する部品を搭載しているため、コネクタ51を、制御回路基板20にコネクタ接続するだけでよいので、インバータの最終組み立て工数を大幅に低減し、低コスト化を図ることができる。
以上のように、電流センサ180aをパワー半導体モジュール300aのフランジ部304B又はモジュールケース304に直接固定して、電流センサ180aについても、両方向から冷却を行うことで、インバータ装置を大型化せず、電流センサの熱対策を行うことができる。
また、パワー半導体モジュール300aの制御端子325U及び325Lと電流センサの信号端子184をフレキシブルプリント基板50で、上位の制御回路基板20、又はドライバ回路基板22等とコネクタ接続化することにより、電流センサ180aの熱対策で生じた、インバータ組み立て工数の複雑化,工数の増加を防止することができる。
さらには、フレキシブルプリント基板50上に、ドライバ回路の電子部品60やホールセンサIC186を搭載することで、ドライバ回路基板22をなくすことができ、ひいてはインバータ装置を小型化することができる。
8,18 蓋
10 ケース
10a 突出収納部
10b,10c,400a〜400c,404,701,703 開口部
10d 第1壁
10e 第2壁
10f〜10m コネクタ固定部
11 金属ベース板
12 流路形成体
13 入口配管
14 出口配管
17 窓
19 冷媒流路
19a 第1流路部
19b 第2流路部
19c 第3流路部
20 制御回路基板
21,51,193 コネクタ
22 ドライバ回路基板
50 フレキシブルプリント基板
60 電子部品
136 バッテリ
138 直流側コネクタ
140 インバータ回路
150 上下アームの直列回路
153,163 コレクタ電極
154 ゲート電極端子
155 信号用エミッタ電極
156,166 ダイオード
157 正極端子
158 負極端子
159 交流端子
160 金属接合材
164 ゲート電極
165 エミッタ電極
169,329 中間電極
172 制御回路
174 ドライバ回路
180a 電流センサ
181a 第1固定部
181b 第2固定部
184 信号端子
186 ホールセンサIC
188 交流側コネクタ
200 電力変換装置
302 モジュール1次封止体
304 モジュールケース
304A 湾曲部
304B フランジ部
305 フィン
306 挿入口
307A 第1放熱面
307B 第2放熱面
309 ネジ
315,318,319,320 導体板
315A 直流正極配線
315B 直流正極端子
315C 補助モジュール側直流正極接続端子
315D 素子側直流正極接続端子
319A 直流負極配線
319B 直流負極端子
319C 補助モジュール側直流負極接続端子
319D 素子側直流負極接続端子
320A 交流配線
320B 交流端子
320C 補助モジュール側交流接続端子
320D 素子側交流接続端子
322 素子固着部
324U,324L 信号配線
325U,325L 制御端子
326U,326L 補助モジュール側信号接続端子
327U,327L 素子側信号接続端子
328,330 IGBT
333 絶縁シート
348 第1封止樹脂
351 第2封止樹脂
370,542 接続部
371 ボンディングワイヤ
372 タイバー
406,407 凸部
409 シール部材
417,418,421,422,423 流れ方向
420 下カバー
450 抵抗器
451 正極側端子
452 負極側端子
500 コンデンサモジュール
502 コンデンサケース
504,506 コンデンサ端子
508a,508b,509a,509b 電源端子
540 立ち上がり部
548 負極側バスバー
550 樹脂封止材
560a〜560d コンデンサ素子
562a及び562b ノイズ除去用コンデンサ素子
580a,580b,580c 還流電流
600 補助モールド体
608 配線絶縁部
700 DCDCコンバータ
702 端子
704 カバー
800 バスバーアッセンブリ

Claims (5)

  1. 直流電流を交流電流に変換するパワー半導体素子を有するパワー半導体モジュールと、
    冷却冷媒を流す流路を形成する流路形成体と、
    前記交流電流を検出する電流センサと、を備え、
    前記パワー半導体モジュールは、前記パワー半導体素子の一方の面と対向する金属製の第1放熱ベースと、前記パワー半導体素子の他方の面と対向する金属製の第2放熱ベースと、当該第1放熱ベースと当該第2放熱ベースに挟まれた空間から突出して前記交流電流を伝達する交流端子と、を有し、
    前記流路形成体は、前記第1放熱ベースの側部に配置された第1流路と、前記パワー半導体モジュールを介して当該第1流路と対向して配置された第2流路と、を有し、
    前記電流センサは、前記交流端子に貫通される位置に配置され、
    さらに前記電流センサは、前記第1放熱ベースに固定する第1固定部と、前記第2放熱ベースに固定する第2固定部と、を有する電力変換装置。
  2. 請求項1に記載された電力変換装置であって、
    前記第1放熱ベース及び前記第2放熱ベースには、前記交流端子を囲むフランジ部を形成され、
    前記電流センサの前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記フランジ部に固定される電力変換装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたいずれかの電力変換装置であって、
    前記パワー半導体素子を駆動するドライバ回路を搭載したドライバ回路基板と、
    前記ドライバ回路基板と接続される配線基板と、を備え、
    前記パワー半導体モジュールは、前記パワー半導体素子と接続される制御端子を有し、
    前記制御端子は、前記第1放熱ベース及び前記第2放熱ベースにおける前記交流端子が突出する側に配置され、
    前記配線基板は、前記電流センサから突出する電流センサ端子及び前記制御端子と接続される電力変換装置。
  4. 請求項3に記載された電力変換装置であって、
    前記配線基板は、フレキシブルプリント基板である電力変換装置。
  5. 請求項1又は2に記載されたいずれかの電力変換装置であって、
    前記パワー半導体素子のスイッチング動作を制御する制御回路を搭載した制御回路基板と、
    前記制御回路基板と接続されるとともに前記交流端子の突出方向と平行に配置された配線基板と、
    前記パワー半導体モジュールは、前記パワー半導体素子と接続される制御端子を有し、
    前記制御端子は、前記第1放熱ベース及び前記第2放熱ベースにおける前記交流端子が突出する側に配置され、
    前記配線基板は、前記電流センサから突出する電流センサ端子と前記制御端子と接続されるとともに前記パワー半導体素子を駆動するドライバ回路を実装する電力変換装置。
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