JP5565299B2 - マイクロ流路デバイスの製造方法 - Google Patents

マイクロ流路デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5565299B2
JP5565299B2 JP2010288356A JP2010288356A JP5565299B2 JP 5565299 B2 JP5565299 B2 JP 5565299B2 JP 2010288356 A JP2010288356 A JP 2010288356A JP 2010288356 A JP2010288356 A JP 2010288356A JP 5565299 B2 JP5565299 B2 JP 5565299B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manufacturing
microchannel device
halves
end surface
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010288356A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012137325A (ja
Inventor
徹 矢ヶ部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2010288356A priority Critical patent/JP5565299B2/ja
Publication of JP2012137325A publication Critical patent/JP2012137325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5565299B2 publication Critical patent/JP5565299B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

本発明は、マイクロ流路デバイスの製造方法に関する。
従来から、生体試料を含む液体(以下「試料液」と言う)を複数の試験管にそれぞれ分注し、各試験管内の生体試料に対し処理(試験)を行なう方法が知られている。この方法には、マイクロ流路を有するマイクロ流路デバイスを用いることができる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のマイクロ流路デバイスは、長尺な板部材(基板)の一方の面に溝が形成され、当該溝が試料液が通過するマイクロ流路となるものである。このマイクロ流路は、板部材の一端面に開放しており、この開放した部分が、試料液が試験管に向かって吐出される吐出口となる。また、図12に示すように、このマイクロ流路デバイスを立てて、吐出口を鉛直下方に向けて使用する際には、当該マイクロ流デバイスの一方の面に板状の蓋体を接合した状態で使用することができる。
しかしながら、マイクロ流デバイスと蓋体とを接合すると、マイクロ流デバイスの一端面と蓋体の一端面とが互いに長手方向にズレて接合される場合がある(図12参照)。そして、このズレた分だけ、吐出口付近には、突部(段差部)が生じる。このような吐出口から液滴を吐出すると、当該液滴は、真っすぐに(鉛直下方に向かって)落下せずに、前記突部によって鉛直方向に対し曲って落下してしまう、すなわち、当該液滴に飛行曲りが生じる。このため、液滴が目的部位(例えばウェル)に着弾することができないという問題があった。
特開2005−27659号公報
本発明の目的は、吐出口から液滴を吐出した際、当該液滴に飛行曲りが生じるのが確実に防止されるマイクロ流路デバイスの製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) 長尺な板状をなし、その片面に形成され、一端面に半円形状に開口する溝を有する一対の半割体で構成され、該半割体同士を接合してなるマイクロ流路デバイスを製造する方法であって、
前記一対の半割体の前記片面同士を重ねて接合して、前記溝同士間で、一端側から見た開口形状が円形の吐出口を有する流路を構成する第1の工程と、
前記流路に流体を供給して、該流体を前記吐出口から吐出させつつ、前記一対の半割体のうちの少なくとも一方の半割体の一端面を研削して、双方の半割体の一端面同士を前記半割体の長手方向の同じ位置に揃える第2の工程とを有することを特徴とするマイクロ流路デバイスの製造方法。
(2) 前記第1の工程では、前記一対の半割体の前記片面同士を重ねて接合した際、前記一対の半割体のうちの少なくとも一方の半割体の一端面が、他方の半割体の一端面よりも突出しており、
前記第2の工程では、前記一方の半割体の一端面を前記他方の半割体の一端面と同じ位置に来るまで研削する上記(1)に記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(3) 前記第2の工程では、前記一方の半割体の一端面に対する研削を開始するのに先立って、前記流路への前記流体の供給を開始する上記(1)または(2)に記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(4) 前記第2の工程では、前記流路への前記流体の供給を停止するのに先立って、前記一方の半割体の一端面に対する研削を停止する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(5) 前記流体は、液体である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(6) 前記吐出口から吐出される前記流体の流量は、10〜500μL/秒である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(7) 前記第2の工程での前記一方の半割体の一端面に対する研削は、研削砥石を用いて行なう上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(8) 前記研削砥石を回転させて前記研削を行なう上記(7)に記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(9) 前記第1の工程での前記一対の半割体同士の接合は、融着で行なう上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(10) 前記各半割体は、それぞれ、前記溝の少なくとも最先端部にその内径が前記半割体の長手方向に沿って一定の内径一定部を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(11) 前記各半割体は、それぞれ、前記溝の一端側の部分にその内径が一端方向に向かって漸減するテーパ部を有する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(12) 前記テーパ部のテーパ角度は、前記半割体の長手方向に沿って変化している上記(11)に記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(13) 前記各半割体は、それぞれ、樹脂材料で構成されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
(14) 前記吐出口の直径は、20〜500μmである上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
本発明によれば、一対の半割体の一端面同士が半割体の長手方向の同じ位置に揃ったマイクロ流路デバイスを得る。
ところで、一対の半割体の一端面同士が半割体の長手方向にズレたマイクロ流路デバイスの吐出口から液滴を吐出した場合、そのズレによって液滴が真っすぐに(鉛直下方に向かって)落下するのが阻害される。その結果、液滴が鉛直方向に対し曲って落下してしまう、すなわち、液滴に飛行曲りが生じる。
しかしながら、一対の半割体の一端面同士が揃ったマイクロ流路デバイスの吐出口から液滴を吐出した場合、前記阻害が生じず、液滴に飛行曲りが生じるのが確実に防止される。
本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法で製造されたマイクロ流路デバイスの第1実施形態を示す斜視図である。 図1中のA−A線断面図(図1に示すマイクロ流路デバイスの使用状態を示す縦断面図)である。 図1中の矢印B方向から見た図である。 本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の各工程を順に示す縦断面図である。 本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の各工程を順に示す縦断面図である。 本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の各工程を順に示す縦断面図である。 本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の各工程を順に示す縦断面図である。 本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の各工程を順に示す縦断面図である。 本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の各工程を順に示す縦断面図である。 本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の各工程を順に示す縦断面図である。 本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法で製造されたマイクロ流路デバイスの第2実施形態を示す縦断面図である。 従来のマイクロ流路デバイスの使用状態を示す縦断面図である。
以下、本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法で製造されたマイクロ流路デバイスの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図(図1に示すマイクロ流路デバイスの使用状態を示す縦断面図)、図3は、図1中の矢印B方向から見た図、図4〜図10は、それぞれ、本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の各工程を順に示す縦断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1および図2中の上側を「基端」、「上」または「上方」、下側を「先端」、「下」または「下方」と言う。また、図4〜図10中(図11についても同様)の左側を「基端」、右側を「先端」と言う。また、図1中では、見易くするためにマイクロ流路デバイスの厚さ方向を誇張して模式的に図示しており、マイクロ流路デバイスの厚さ、長さ、幅の比率は実際とは大きく異なる。
図1、図2に示すように、マイクロ流路デバイス(マイクロ流路チップ)1は、液体を複数の収納容器20に分注するのに用いられるものである。なお、収納容器20としては、図2に示す構成では試験管であるが、これに限定されず、例えば、多数(例えば384個)のウェル(凹部)が行列状に配置されたプレートであってもよい。
なお、マイクロ流路デバイス1で分注される液体としては、特に限定されないが、本実施形態では、一例として、生体試料(例えば、DNAを含む水溶液)を含む試料液としての第1の液体L1と、第1の液体L1を希釈する希釈液(例えば、DNAをスライド上にスポッティングするために調整されたスポッティング溶液)としての第2の液体L2とを混合した混合液L3を挙げる。また、第1の液体L1および第2の液体L2は、それぞれ、タンク(図示せず)に予め貯留されている。そして、ポンプ(図示せず)の作動により、第1の液体L1は、チューブ301を介して、マイクロ流路デバイス1に供給され、第2の液体L2は、チューブ302を介して、マイクロ流路デバイス1に供給される(図1参照)。
図2に示すように、マイクロ流路デバイス1は、第1の液体L1が通過する第1の流路(第1のマイクロ流路)21と、第2の液体L2が通過する第2の流路(第2のマイクロ流路)22と、混合液L3が通過する第3の流路(第3のマイクロ流路)23とを有している。
これら3本のマイクロ流路を有するマイクロ流路デバイス1は、長尺な、すなわち、平面視で長方形をなす2枚の板部材(半割体)3a、3bで構成され、板部材3a、3b同士を互いに対向して接合したものである(図1参照)。なお、この接合方法としては、特に限定されず、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)による方法、接着(接着剤や溶媒による接着)による方法等が挙げられる。
図2に示すように、板部材3aの板部材3bとの接合面34となる片面(一方の面)には、平面視で「Y」字状をなす溝が形成されている。すなわち、板部材3aの接合面34には、図2中左上から右下に向かって延びる第1の溝31と、第1の溝31とは反対に(第1の溝31と異なる位置に)、図2中右上から左下に向かって延びる第2の溝32と、第1の溝31と第2の溝32との合流点から下方に向かって延びる第3の溝33とが形成されている。一方、板部材3bにも板部材3aと同様に第1の溝31、第2の溝32、第3の溝33がそれぞれ形成されている。そして、板部材3aと板部材3bとを接合した状態で、各第1の溝31の内面同士で囲まれた空間が第1の流路21となり、各第2の溝32の内面同士で囲まれた空間が第2の流路22となり、各第3の溝33の内面同士で囲まれた空間が第3の流路23となる。このように、マイクロ流路デバイス1では、溝が形成された板部材3aと板部材3bとを接合するという簡単な構成で前記マイクロ流路を形成することができる。
なお、各第1の溝31、各第2の溝32、各第3の溝33は、それぞれ、その横断面形状が半円形となっており、内径が板部材3a(板部材3b)の長手方向(以下「板部材長手方向」と言うことがある)に沿って一定のもの(内径一定部)である。これにより、例えば混合液L3が第3の流路23(第3の溝33)を層流状態で通過しているならば、当該層流状態が吐出口26まで安定して維持される。これにより、混合液L3が吐出口26から勢いよく飛び出るのが防止され、よって、一定量の吐出液Mを確実に安定して吐出することができる。
そして、図3に示すように、板部材3aおよび3bでは、それぞれ、その先端面(一端面)36に第3の溝33が半円形状に開口しており、当該開口した各部分同士で、先端側から見た開口形状が円形の吐出口26を構成している。図1、図2に示すように、マイクロ流路デバイス1は、吐出口26が鉛直下方を向いた状態で使用される。
また、図1に示すように、板部材3bには、チューブ301が接続される接続口351と、チューブ302が接続される接続口352とが設けられている。接続口351および352は、それぞれ、板部材3bをその厚さ方向に貫通する貫通孔で構成されている。そして、チューブ301から送られてくる第1の液体L1を、接続口351を介して、第1の流路21に供給することができ、チューブ302から送られてくる第2の液体L2を、接続口352を介して、第2の流路22に供給することができる。
そして、図2に示すように、第1の液体L1は、第1の流路21を流下し、第2の液体L2は、第2の流路22を流下する。これら流下した第1の液体L1と第2の液体L2とは、第3の流路23で合流して混合され、混合液L3となる。この混合液L3は、さらに第3の流路23を流下して、吐出口26から吐出される。吐出口26から吐出された吐出液Mは、収納容器20に収納されることとなる。
前述したように、吐出口26は、その開口形状が円形もののである。この吐出口26の直径φdは、特に限定されないが、例えば、20〜500μmであるのが好ましく、50〜200μmであるのがより好ましい。また、吐出口26の真円度は、0.8〜1であるのが好ましい。吐出口26がこのような形状をなすことにより、当該吐出口26から吐出された吐出液Mは、いずれも、形状が球状となり、その大きさが一定のものとなる(図2参照)。すなわち、一定量の吐出液Mが安定して吐出される。そして、例えば吐出口26の直下に位置する収納容器20に混合液L3を充填する際、落下する吐出液Mの数をカウントすれば、確実に一定量の混合液L3を収納容器20に充填することができる。
なお、吐出口26は、撥水性を有していて(付与して)もよい。これにより、吐出口26に混合液L3が残留するのが防止され、よって、一定量の吐出液Mをより確実に安定して吐出することができる。吐出口26に撥水性を担持させる方法としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂等の撥水性材料(疎水性材料)で構成された被膜を形成する方法等が挙げられる。
板部材3aおよび3bの構成材料としては、それぞれ、樹脂材料を用いることができる。この樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ビニル−アセテート共重合体、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体、アクリルニトリル−スチレン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロン、ポリメチルペンテン、シリコン樹脂、アミノ樹脂、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、ポリイミド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。このような樹脂材料を用いることにより、板部材3aと板部材3bとの接合方法として、超音波融着、熱融着、高周波融着等の融着による方法を用いることができる。なお、熱融着が好ましい。このような融着により、板部材3aと板部材3bとを容易かつ迅速に接合することができる。また、樹脂材料を用いることにより、板部材3aおよび3bをそれぞれ製造する際、金型を用いることができ、よって、その製造を容易に行なうことができる。
なお、構成材料である樹脂材料に、顔料、染料、酸化防止剤、難燃剤等の添加物を適宜混合してもよい。
次に、マイクロ流路デバイス1を製造する方法について、図4〜図10を参照しつつ説明する。
このマイクロ流路デバイス1の製造方法は、材料用意工程と、接合工程(第1の工程)と、液体供給工程(第2の工程)と、研削工程(第2の工程)とを有している。
[1] 材料用意工程
図4に示すように、マイクロ流路デバイス1の母材となる材料、すなわち、板部材3aおよび3bをそれぞれ用意する。そして、板部材3aの接合面34と板部材3bの接合面34とが対向するように配置する。このとき、板部材3aの先端面36と板部材3bの先端面36とが板部材長手方向でほぼ同じ位置となるように、板部材3aと板部材3bと配置する。
[2] 接合工程
次に、図5に示すように、板部材3aと板部材3bとを接近させて、接合面34同士を重ねる。このとき、板部材3aの先端面36と板部材3bの先端面36とが板部材長手方向に互いにズレてしまうことがある。図5に示す状態では、板部材3aの先端面36が板部材3bの先端面36よりも若干突出している。この突出した部分(突出部37)は、次工程以降で解消される。
そして、板部材3aと板部材3bとを重ねた状態で、これらを、前述した接合方法(例えば超音波融着)により接合する。
[3] 液体供給工程
次に、板部材3bの接続口351および352と、液体(流体)Wが予め充填されたタンク(図示せず)とをチューブ(図示せず)で接続する。このチューブの長手方向の途中には、ポンプ(図示せず)が設置されている。そして、ポンプを作動させる。これにより、図6に示すように、液体Wを第1の流路21、第2の流路22、第3の流路23に供給して、吐出口26から吐出させることができる。
なお、液体Wとしては、特に限定されず、例えば、水(蒸留水)、水溶性切削油等が挙げられる。液体Wに水を用いた場合、液体Wは、第1の流路21、第2の流路22、第3の流路23を円滑に流下することができ、その際、これらの流路内を洗浄することもできる。
また、前記タンクから供給されるものとしては、本実施形態では液体Wであったが、これに限定されず、空気、窒素、二酸化炭素等のような気体であってもよい。なお、空気が好ましい。
[4] 研削工程
次に、図7に示すように、液体Wを吐出口26から吐出させたままで、回転軸50に回転可能に支持された砥石車(研削砥石)40を板部材3aの先端面36(突出部37)に当接させる。この状態から砥石車40を板部材3aの先端面36に押し付けつつ、回転軸50に回りに回転させる。これにより、板部材3aの先端面36が徐々に研削される(研磨される)。
そして、図8に示すように、板部材3aの先端面36が板部材3bの先端面36と同じ位置に来るまで、すなわち、突出部37が除去されるまで、砥石車40による研削を行なう。これにより、板部材3aの先端面36と板部材3bの先端面36とを、板部材長手方向の同じ位置に揃えることができる。
次に、図9に示すように、回転している砥石車40を板部材3aの先端面36から離間させて、当該先端面36に対する研削を停止する。
次に、図10に示すように、液体Wの供給を停止する。その後、第1の流路21、第2の流路22、第3の流路23内に残留した液体Wを吐出口26から吸引、除去してもよい。
なお、研削加工に代えて、NC切削加工を用いてもよい。
以上のような工程を経ることにより、突出部37が除去された、すなわち、板部材3aおよび3bの先端面36同士が揃ったマイクロ流路デバイス1を得る。
ところで、突出部37が除去されずに残留したままのマイクロ流路デバイス1を混合液L3の分注に使用した場合、吐出液Mは、真っすぐに(鉛直下方に向かって)落下するのが突出部37によって阻害される。その結果、吐出液Mが鉛直方向に対し曲って落下してしまう、すなわち、吐出液Mに飛行曲りが生じる(図12参照)。このため、吐出液Mが目的の収納容器20に充填されない。
しかしながら、図2に示すように、突出部37が除去されたマイクロ流路デバイス1を混合液L3の分注に使用した場合、前記阻害が生じず、吐出液Mに飛行曲りが生じるのが確実に防止される。これにより、吐出液Mは、真っすぐに落下して、目的の収納容器20に確実に充填される。
また、研削工程では、砥石車40で板部材3aの先端面36を研削した際、当該先端面36、特に吐出口26周辺にバリが生じる。しかしながら、吐出口26からは液体Wが吐出しているため、当該吐出した液体Wでバリを確実に押し流して、除去することができる。
これに対し、吐出口26から液体Wさせずに、単に砥石車40で板部材3aの先端面36を研削しただけでは、吐出口26周辺にバリが残留してしまう。このバリが残留した吐出口26から吐出液Mが吐出された場合、その都度、吐出液Mの大きさ、すなわち、液量にばらつきが生じるという問題があった。本製造方法により製造されたマイクロ流路デバイス1では、前述したようにバリが除去されているため、吐出液Mの形状が球状となり、その大きさが一定のものとなる、すなわち、一定量の吐出液Mが確実に安定して吐出される。
なお、吐出口26から吐出される液体Wの流量は、10〜500μL/秒であるのが好ましく、100〜200μL/秒であるのがより好ましい。これにより、前記バリをより確実に押し流して、除去することができる。
また、研削工程では、吐出口26から吐出する液体Wにより、砥石車40による切り屑(削りカス)を洗い流すことができ、よって、砥石車40に切り屑が詰まって目詰まりが生じるのを防止することができる。
また、前記製造方法では、液体供給工程および研削工程がこの順となっているように、板部材3aの先端面36に対する研削を開始するのに先立って、液体Wの供給を開始している。また、研削工程では、液体Wの供給を停止するのに先立って、板部材3aの先端面36に対する研削を停止している。
研削の開始・停止と液体供給の開始・停止とがこのような順番になっていることにより、研削で摩擦熱が生じて吐出口26(板部材3aの先端面36)が変形しそうになるが、その研削の前後間で液体Wが吐出口26を冷却し続けることができ、よって、前記変形を防止することができる。
また、研削工程での砥石車40の回転数は、板部材3a(板部材3b)の構成材料にもよるが、例えば前述した樹脂材料の場合、500〜20000rpmであるのが好ましく、2000〜10000rpmであるのがより好ましい。
また、板部材3aの先端面36には、研削工程で用いた砥石車40によるカッターマークが生じている。これにより、当該先端面36を砥石車40で研削したことを確認することができる。
また、前記製造方法では、液体供給工程を省略することもできる。
<第2実施形態>
図11は、本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法で製造されたマイクロ流路デバイスの第2実施形態を示す縦断面図である。
以下、この図を参照して本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第3の流路の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図11に示すマイクロ流路デバイス1Aでは、第3の流路23(第3の溝33)は、基端側の大径部231と、大径部231よりも先端側の小径部232と、大径部231と小径部232との間のテーパ部233とに分けることができる。
大径部231は、第3の流路23の大部分を占め、その内径が板部材長手方向に沿って一定の部分である。
小径部232は、第3の流路23の最先端部に形成され、その内径が板部材長手方向に沿って一定で、大径部231の内径よりも小さい部分(内径一定部)である。
テーパ部233は、その内径が先端方向に向かって漸減した部分である。また、テーパ角度θは、板部材長手方向に沿って変化している、すなわち、先端方向に向かって徐々に減少している。
以上のような構成のマイクロ流路デバイス1Aでは、テーパ部233で混合液L3の流量が調整され、よって、吐出口26から一定量の吐出液Mを安定して吐出することができる。
以上、本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、マイクロ流路デバイスを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のマイクロ流路デバイスの製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、第1の液体と第2の液体とは、前記各実施形態では組成が異なるものであるが、これに限定されず、例えば、組成が同じものであってもよい。
また、マイクロ流路デバイスは、第1の液体と第2の液体とが混合した混合液を吐出するものであるが、この「混合」には、第1の液体と第2の液体とを単に混合する場合だけでなく、第1の液体と第2の液体とを層流状態で混合する場合も含まれる。
1、1A マイクロ流路デバイス(マイクロ流路チップ)
21 第1の流路(第1のマイクロ流路)
22 第2の流路(第2のマイクロ流路)
23 第3の流路(第3のマイクロ流路)
231 大径部
232 小径部
233 テーパ部
26 吐出口
3a、3b 板部材(半割体)
31 第1の溝
32 第2の溝
33 第3の溝
34 接合面
351、352 接続口
36 先端面(一端面)
37 突出部
20 収納容器
40 砥石車(研削砥石)
50 回転軸
301、302 チューブ
L1 第1の液体
L2 第2の液体
L3 混合液
M 吐出液
W 液体(流体)
φd 直径
θ テーパ角度

Claims (14)

  1. 長尺な板状をなし、その片面に形成され、一端面に半円形状に開口する溝を有する一対の半割体で構成され、該半割体同士を接合してなるマイクロ流路デバイスを製造する方法であって、
    前記一対の半割体の前記片面同士を重ねて接合して、前記溝同士間で、一端側から見た開口形状が円形の吐出口を有する流路を構成する第1の工程と、
    前記流路に流体を供給して、該流体を前記吐出口から吐出させつつ、前記一対の半割体のうちの少なくとも一方の半割体の一端面を研削して、双方の半割体の一端面同士を前記半割体の長手方向の同じ位置に揃える第2の工程とを有することを特徴とするマイクロ流路デバイスの製造方法。
  2. 前記第1の工程では、前記一対の半割体の前記片面同士を重ねて接合した際、前記一対の半割体のうちの少なくとも一方の半割体の一端面が、他方の半割体の一端面よりも突出しており、
    前記第2の工程では、前記一方の半割体の一端面を前記他方の半割体の一端面と同じ位置に来るまで研削する請求項1に記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  3. 前記第2の工程では、前記一方の半割体の一端面に対する研削を開始するのに先立って、前記流路への前記流体の供給を開始する請求項1または2に記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  4. 前記第2の工程では、前記流路への前記流体の供給を停止するのに先立って、前記一方の半割体の一端面に対する研削を停止する請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  5. 前記流体は、液体である請求項1ないし4のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  6. 前記吐出口から吐出される前記流体の流量は、10〜500μL/秒である請求項1ないし5のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  7. 前記第2の工程での前記一方の半割体の一端面に対する研削は、研削砥石を用いて行なう請求項1ないし6のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  8. 前記研削砥石を回転させて前記研削を行なう請求項7に記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  9. 前記第1の工程での前記一対の半割体同士の接合は、融着で行なう請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  10. 前記各半割体は、それぞれ、前記溝の少なくとも最先端部にその内径が前記半割体の長手方向に沿って一定の内径一定部を有する請求項1ないし9のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  11. 前記各半割体は、それぞれ、前記溝の一端側の部分にその内径が一端方向に向かって漸減するテーパ部を有する請求項1ないし10のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  12. 前記テーパ部のテーパ角度は、前記半割体の長手方向に沿って変化している請求項11に記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  13. 前記各半割体は、それぞれ、樹脂材料で構成されている請求項1ないし12のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
  14. 前記吐出口の直径は、20〜500μmである請求項1ないし13のいずれかに記載のマイクロ流路デバイスの製造方法。
JP2010288356A 2010-12-24 2010-12-24 マイクロ流路デバイスの製造方法 Expired - Fee Related JP5565299B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010288356A JP5565299B2 (ja) 2010-12-24 2010-12-24 マイクロ流路デバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010288356A JP5565299B2 (ja) 2010-12-24 2010-12-24 マイクロ流路デバイスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012137325A JP2012137325A (ja) 2012-07-19
JP5565299B2 true JP5565299B2 (ja) 2014-08-06

Family

ID=46674868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010288356A Expired - Fee Related JP5565299B2 (ja) 2010-12-24 2010-12-24 マイクロ流路デバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5565299B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014103842A1 (ja) 2012-12-28 2014-07-03 シチズンホールディングス株式会社 マイクロ流路の製造方法およびマイクロ流路

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0947964A (ja) * 1995-08-10 1997-02-18 Nagano Denshi Kogyo Kk 研削方法および研削加工装置
US6322683B1 (en) * 1999-04-14 2001-11-27 Caliper Technologies Corp. Alignment of multicomponent microfabricated structures
US6533914B1 (en) * 1999-07-08 2003-03-18 Shaorong Liu Microfabricated injector and capillary array assembly for high-resolution and high throughput separation
JP4728573B2 (ja) * 2003-11-28 2011-07-20 古河電気工業株式会社 マイクロ化学反応装置
JP2008056496A (ja) * 2005-01-12 2008-03-13 Nippon Sheet Glass Co Ltd マイクロ化学チップ用ガラス基板およびその製造方法ならびにマイクロ化学チップの製造方法
JP5242330B2 (ja) * 2008-10-15 2013-07-24 古河電気工業株式会社 マイクロリアクタ用導入管、マイクロリアクタ用導入管の製造方法及マイクロリアクタ
JP2011194379A (ja) * 2010-03-24 2011-10-06 Sumitomo Bakelite Co Ltd マイクロ流路デバイス
JP5549361B2 (ja) * 2010-05-07 2014-07-16 住友ベークライト株式会社 マイクロ流路デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012137325A (ja) 2012-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040011413A1 (en) Mixing method, mixing structure, micromixer and microchip having the mixing structure
US20120118392A1 (en) Plasma separation reservoir
CN112236218A (zh) 用于连续流乳液处理的***和方法
JP2007225438A (ja) マイクロ流体チップ
US20210001359A1 (en) 3-d printed gas dynamic virtual nozzle
US8105551B2 (en) Microfluidic device and method of fabricating the same
US20140193857A1 (en) Centrifuge tube droplet generator
CN111957361A (zh) 微滴制备***、微流控芯片及其设计方法
JP6636686B2 (ja) 流体取扱装置の取扱方法
JP5565299B2 (ja) マイクロ流路デバイスの製造方法
US20100075109A1 (en) Microchip, Molding Die and Electroforming Master
CN111389475A (zh) 一种多组分液体存储控释装置以及生物检测芯片
JP5062370B2 (ja) マイクロミキサー、およびマイクロ流体チップ
JP5549361B2 (ja) マイクロ流路デバイス
JP2009119386A (ja) マイクロ流体チップおよびそれを用いた液体混合方法
US11311881B2 (en) Fluid handling method, fluid handling device used in same, and fluid handling system
WO2016157893A1 (ja) 混合流路及びこの混合流路を備えたマイクロ流体デバイス
EP3544790B1 (en) Ultrasonic welding of a microfluidic device
CN212396772U (zh) 微滴制备***及微流控芯片
CN110732355A (zh) 一种微混合微流控芯片
JP2006102649A (ja) マイクロ流体装置
US20230381723A1 (en) Microfluidic mixers
JP7303623B2 (ja) 検査用具
JP4844124B2 (ja) 微量のサンプル又は試液の微小液滴を供給する装置
CN211936966U (zh) 一种多组分液体存储控释装置以及生物检测芯片

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140320

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140520

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5565299

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees