JP5564754B2 - 曲げ性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

曲げ性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主としてプレス成形される自動車部品などに用いて、引張り強さが780MPa以上で、かつ曲げ性などの加工性に優れる高強度冷延鋼板に関する。
シートレールなどの自動車シート部品用に用いられる引張強度780MPa級の高張力冷延鋼板では、強度と、伸びと、曲げ性とをバランスさせた特性が求められている。
今日、種々の強化法によって材料強度、つまり鋼板強度を確保することは可能であるが、高強度化に伴い加工性が低下するのが実情であった。加工性に優れた高強度薄鋼板として、フェライトとマルテンサイトやベイナイト等の低温変態相を第二相とする複合組織鋼板が提案されている。特に、伸びを重視した場合、二相鋼(DP鋼)とし、フェライト体積率を増大させれば良いことがわかっているが、曲げ性が劣化することが知られている。
これに対して、曲げ性を重視し、マルテンサイトあるいはベイナイト単相組織鋼とすると、逆に伸びが劣化することが明らかにされている。
このように、両者を両立させた高強度鋼板が強く求められているにも関わらず、従来の高強度鋼板では、伸び、つまり延性と曲げの両立は困難であった。
ここで、高強度鋼板の技術として、例えば特許文献1には比較的高い温度で過時効処理をすることで、低温変態相の硬さを減じ、フェライトとの硬度差を小さくすることで局部延性を改善する方法が開示されている。また、この鋼板は低温変態相の体積率を高めることで、強度を確保している。しかしながら、低温変態相の分布に関する言及は無く、例えば偏析等による低温変態相の不均一分布によって局所変形が著しく不均一となり、曲げ性が劣化する恐れに関しては、何らの記載も無いのが現状であった。
また、特許文献2では低温変態相をベイナイトとし、フェライトを含まない低温変態相だけの単相組織とすることで優れた加工性を確保している。しかしながら強度を確保するために、また微細組織を得るために、炭化物形成元素としてMo、V、Ti、Mb等を添加する必要があり、コスト高になるという問題があった。
さらに、特許文献3では特許文献1と同様に、フェライト、ベイナイトさらに残留オーステナイト、マルテンサイトの体積分率とともに、各組織単体のナノ硬さを規定し、引張強さが980MPa以上で、加工性にすぐれた鋼板が開示されている。しかしながらこの鋼板は焼入れ性を高めるために、Mnを2〜4%と過剰に添加している。Mnは凝固時にミクロ偏析となりやすく、鋼板にした場合、これが圧延方向に筋状に偏析することが良く知られている。この結果、低温変態相や残留γ相(オーステナイト相)が鋼板に筋状に分布することになり、曲げ性に悪影響を及ぼすが、この鋼板ではその危険性には一切の言及が無い。仮に偏析の影響を何らかの方法で回避できたとして、特許文献3では曲げや伸びフランジ性と言った局所変形を4相もの組織の体積分率や各相単体のナノ硬さを複雑に制御する必要が生じるため、製造条件が限定されるという問題があった。
特開昭63−293121号公報 特開平3−277742号公報 特開2005−2404号公報
本発明は、鋼材を量産する場合に不可避である偏析による高張力鋼の局所変形特性の劣化を解決し、引張り強さが780MPa以上を達成するとともに、曲げ性等の加工性に優れる高強度冷延鋼板とその製造方法について提供することを目的とする。
本発明者らは、低温変態相を容易に得るためにMnを添加するが、添加されるMn等の偏析が回避できない場合であっても、780MPa以上の高い引張強度を有する高張力鋼であって、伸びと曲げ性を両立することが可能な薄鋼板を開発すべく、研究を行った。
ここに、本発明者らは、低温変態相を分散させた2相化による強度の確保と伸びの増大に加え、下記知見に基づき、これまで得られなかった局所変形特性、特に曲げ性を鋼板に付与することができることを見出した。
1)曲げ変形に伴うスジ状の表面凹凸(以後、スジ欠陥と呼ぶ)や表面キズ(以後、ワレ欠陥と呼ぶ)は軟質なフェライトと硬質相との変形能の差異に起因して起こるのであって、曲げ変形時に両者の界面にボイドが発生し、このボイドを起点とした亀裂の進展・伝播により生じることが知られている。
2)フェライト体積率(以下、フェライト率)を60体積%程度以上にすると同時に、フェライトと低温変態相の各ナノ硬さの比(以下、単に「硬度比」または「硬度差」という)を3倍程度以上にして、曲げ変形に伴う局所歪みをフェライト主体で吸収するようにすると、硬質で歪み吸収能の小さな低温変態相への歪み伝搬が小さくなり、低温変態相の局所分布による歪み不均一化が顕在化するのを避けることが可能となり、曲げ変形に伴うスジ欠陥およびワレ欠陥の発生が防止可能となる。
3)溶接性を考慮し炭素量を低減する場合、フェライト率を50体積%程度以下に低減し、強度を確保すると同時に、フェライトと低温変態相の硬度差を2倍程度以下にすると、曲げ変形に伴う歪みをフェライトのみならず、低温変態相でも吸収することができる。この場合、低温変態相の分率が大きいため、低温変態相の局所分布が顕在化せず、スジ欠陥の発生を抑制することができる。
ここに、本発明は次の通りである。
(1) 質量%で、C:0.05〜0.2%、Si:0.2〜2.0%、Mn:0.5〜2.8%、P:0.005〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005〜1.5%、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有する冷延鋼板に、Ar点以上Ar点以下の温度域から200℃までを100℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する連続焼鈍を施すことを特徴とする、フェライト相および低温変態相を有し、フェライト相の体積分率が60体積%以上、80体積%以下であって、さらにフェライト相のナノ硬さHnfと低温変態相のナノ硬さHnmとの比:Hnm/Hnfが3.0以上である組織を備えた引張強度780MPa以上の冷延鋼板の製造方法。
(2) 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:0.01〜1.0%およびMo:0.01〜1.0%の少なくとも1種をさらに含む上記(1)に記載の冷延鋼板の製造方法
DP組織におけるフェライト率とフェライト相と低温変態相とのナノ硬さを調整することで、Mn等の偏析に起因したフェライトと低温変態相の分布不均一が生じた場合でも、伸び(延性)と曲げ特性を両立可能な高強度薄鋼板を提供することが可能となる。この結果、自動車用シートレール、サイドシル(ロッカー)などの製造に際して、従来よりも薄い鋼板で対応可能となり、自動車の車体部品の軽量化や衝突安全性に大きく寄与することができる。
本発明において鋼組成、製造方法を上述のように規定した理由についてさらに具体的に説明する。
(1)超高張力鋼の二相組織とMn偏析
超高張力鋼は、延性に富んだフェライト中に硬質な低温変態相を分散させた二相組織(以後、DP組織)とすることで、強度と延性を同時に確保する。また、焼入れ性を確保するためにMn等を多量に添加するが、通常の量産鋼材では、Mnの偏析は避けられない。そのためDP組織を構成するマルテンサイトなど低温変態相がそのようなMn偏析に対応して分散する。通常、Mnは圧延方向に平行にスジ状に偏析するので、低温変態相も同様に100μm 間隔程度のスジ状に分布することになる。
(2)低温変態相のスジ状分布
DP鋼では、上記の偏析に起因して低温変態相が密集した領域と粗な領域が100μm 程度の間隔で圧延方向に延びているのが認められることが多い。例えば、自動車用に一般的に用いられる超高張力鋼ではDP鋼におけるフェライト相と低温変態相との割合は50体積%−50体積%程度であることが多いが、Mn偏析による低温変態相の占める割合は、Mn偏析の程度や冷却条件にもよるが、密集領域で60体積%、粗な領域では40体積%程度となる。
(3)鋼板の曲げ特性
自動車のシートレール等に用いられる高張力鋼では、所定の引張り強度を有すると同時に、曲げ半径R1程度でもスジ欠陥やワレ欠陥が生じない曲げ特性が要求される。前述した低温変態相がスジ状に分布した超高張力鋼は、低温相が密な領域では伸びが小さく、フェライト主体の粗な領域では大きな伸びを示すことになる。このため、スジ方向に直行して曲げ変形を付加すると、伸びの小さな密な領域は表面に突き出るのに対して、大きく伸びる粗な領域は表面に対して陥没し、結果として、図1に示すように、鋼板表面において低温変態相の分布に対応した凹凸状のスジ欠陥が発生することになる。
ここに、図1においては、図1(a)に示すように、Mn偏析がみられる領域には低温変態相が集積するため、この領域に曲げ変形が加わると、図1(b)に示すように、低温変態相は歪み量が少ないから、歪み量の大きい周辺領域において厚さの減少がみられ、これが凹凸状のスジ欠陥となって現れるのである。
(4)フェライト率の増大による歪み吸収能の向上
フェライト単体の伸びは30%以上であり、焼入れままのマルテンサイト単体の3倍以上の伸びを示す。したがって、低温変態相が密であってもある程度のフェライトが存在すれば、フェライトのみで歪みを吸収することが可能となり、低温変態相への歪みの伝搬が避けられ。さらに、フェライトと低温変態相の硬度差が3倍以上であれば、さらにこの効果は顕著となる。この結果、曲げに伴う歪みの不均一が緩和され、スジ欠陥の発生を抑制することが可能となる。
(5)フェライト率の低減による組織均一化
これに対して、フェライト率を低減し、低温変態相の分率を増大させることによっても、低温変態相の不均一分布を避けることが可能となる。この結果、曲げに伴う歪みの不均一は生じにくくなり、スジ欠陥の発生を回避することが可能となる。この場合、一定の伸びを確保するために、ある程度のフェライトが必要であるが、フェライトと低温変態相の硬度差は2倍以下程度とし、低温変態相への歪み伝播を容易にしておく必要がある。
(6)フェライト率とフェライトと低温変態相の硬度比の最適化による伸びと曲げ性の向上
以上より、フェライト率を適宜調整するとともに、フェライトと低温変態相との硬度比を最適化することで、超高張力鋼としての780MPa以上の引張強度を確保した上で、伸びと曲げ特性に優れた鋼板を得ることが可能となる。
なお、本発明において特に制限されるものではないが、本発明にかかる鋼板は通常は板厚が0.8〜2.3mm程度のいわゆる薄鋼板と呼ばれているものが曲げ成形用に適する。
また、「伸び」とは、いわゆる引張試験における伸びをいい、本発明の場合、通常、13 〜18 %程度であり、また、「曲げ特性」は
JIS Z 2248の規定に準拠したVブロック法による曲げ性を言う。
本発明にかかる鋼板は、自動車用シートレール、サイドシル(ロッカー)などの成形に際しての曲げ加工に優れた効果を発揮する。
ここに、図2に模式的に示すように、本発明においては、フェライト率が十分に高い場合は、DP組織を構成する二相の硬度比を3倍以上とし、曲げ変形に伴う歪みを主にフェライトで吸収することで、スジ欠陥の発生は避けることができる(図2の(a)領域参照)。
一方、別の態様によれば、本発明において、逆にフェライト率を低減し、低温変態相の分布不均一を避けるとともに、二相の硬度比を2以下と小さくすることによって、低温変態相へ歪みを伝搬させ、スジ欠陥の発生を抑制するようにしてもよい(図2の(b)領域参照)。
これらの結果からも分かるように、本発明によれば、いずれの場合も良好な曲げ性を確保できることになる。
(7)熱処理による組織、硬さの最適化
上記のフェライト率は、A3変態点以下、A1変態点以上の温度域での保持時間を変化させて、初析フェライト量を制御することで調節が可能である。また、後述するように焼入れ時の冷却速度を一定値以上にすることによって、任意のフェライト量を室温でも得ることが可能となる。
さらに、フェライトと低温変態相の硬度差は、冷却速度を一定値以上とするとともに、鋼材炭素量、さらに、後述するように、過時効処理により調整可能である。
<鋼成分>
本発明で示した薄鋼板に添加する元素に関して、その範囲と限定理由を説明する。本明細書において鋼組成を示す「%」は特にことわりがないかぎり、「質量%」である。
C:0.05〜0.20%
Cは、低温変態相を生じさせるのに必要であり、強度を確保するため少なくとも0.05%を添加する必要がある。しかしながら、添加量が0.20%を超えるとスポット溶接性が劣化するため、添加量の上限を0.20%とする。好ましくは、0.06 〜0.18 %である。
Mn:0.5〜2.8%
Mnは強度及び靭性を高める作用がある。さらに焼入れ性を向上させる作用も有するため、マルテンサイトなど低温変態相の生成に不可欠である。これらの効果はMnの含有量が0.5%以上で得られる。一方、Mnの過剰な添加はフェライトが生成し難くなるだけでなく、前述の通り、Mn偏析も生じやすくなる。このため、Mn量を0.5〜2.8%の範囲に限定した。好ましくは、1.2 〜2.7 %である。
P:0.005〜0.15%
Pは強化元素として、好ましくは、少なくとも0.005%の添加を必要とするが、多量に添加した場合、溶接性の劣化を招く恐れがあるため、0.15%以下の範囲とする。好ましくは0.02 %以下である。
Si:0.2〜2.0%
Siは、フェライトの生成を促進し、DP組織を形成させるために有効な元素である。この効果を発揮させるためには、0.2%以上の含有が必要である。2.0%を超えて含有させると、溶接性が著しく低下するため、上限を2.0%とする。また、多量のSiの含有は、めっきの密着性や化成処理性を劣化させる傾向があり、そのために含有量を0.8%以下と低く抑える必要がある場合は、フェライトの生成が不十分でになるためAlの添加量を増大させ、SiとAlの添加量が合わせて1.5%以下になるよう調整すれば良い。Siの好ましい範囲は、0.3〜1.5%である。
Al:0.005〜1.5%
AlもSiと同様、フェライト生成元素であり、Si添加量が少ない場合は、DP組織形成に不可欠であり、1.5%以下添加する。好ましくは、0.7 〜1.2 %である。
上述の通り、Al添加量はSi添加量に左右されるが、めっき施工を念頭にSi添加量が制限される場合、Al添加量は0.5%以上、好ましくは、0.7%以上添加する。
一方、Si添加量に制限がない場合は、Alは主に脱酸のため添加する。Alを脱酸のために添加するときは、Alが0.005%未満では脱酸が十分でなく、0.5%を超えて添加してもコストが嵩むばかりで効果が飽和するため、0.005〜0.5%とする。好ましくは、0.01 〜0.1 %である。
S:0.02%以下
Sは鋼中不純物として存在するが、0.02%を超えると熱間圧延時に疵が発生しやすくなり表面性状が悪化するため、0.02%以下とする。
Crおよび/またはMo:それぞれ0.01〜1.0%
本発明では、必要に応じて上記元素を少なくとも一種含有できる。Cr、Moはフェライトの強化に有効に作用する。その効果を確実にするためには、Cr、Moは0.01%以上含有させる。ただし、Cr、Moは1%超含有すると延性の低下をもたらすとともに、これらの元素は高コストであるため、その上限を1.0%とする。
<鋼組織>
本発明にかかる冷延鋼板は、フェライト相および例えば、マルテンサイト、ベイナイトなどの低温変態相を含有するものであり、その他、残留オーステナイトなどの相の存在を許容するが、好適態様では、フェライト相と残部、低温変態相とからなる鋼組織を備えた冷延鋼板である。低温変態相としては、マルテンサイトが代表例として挙げられるが、ベイナイト相、それらの混合相であってもよい。
(i)フェライト率60体積%以上、80体積%以下で硬度比3倍以
本発明によれば、鋼板が含有するフェライト率を60体積%以上とするとともに、フェライトと低温変態相とのナノ硬さの硬度比を3倍以上とする。
フェライト率が60体積%未満で硬度比が3倍未満の場合、曲げ変形時の歪みが低温変態相にも導入されることになる。前述の通り、低温変態相はMn等の偏析によってスジ状に不均一に分布しているため、曲げに伴いスジ欠陥が生じる恐れが大きい。
さらに、フェライト率が80体積%超の場合は、硬質相である低温変態相の体積分率が20体積%未満と小さくなり、鋼材強度を780MPa以上にすることが困難なため、フェライト率は80体積%以下とする。
(ii)フェライト率20体積%以上、50体積%以下で硬度比2倍以下
板が含有するフェライト率が50体積%以下であると同時に、フェライトと低温変態相のナノ硬さの硬度比を2倍以下とする。本態様では、フェライト率が50体積%超で硬度比が2倍超、または、フェライト率20体積%未満で硬度比2超の範囲内では、曲げ変形時に薄鋼板内に歪みの不均一が生じ、結果として、スジ欠陥が生じることになる。さらに、フェライト率が20体積%未満の場合、局所変形である曲げ性は低下しないものの、鋼材の基本特性である全伸びが低下する。そこで、フェライト率の下限を20体積%とした。
すなわち、図2の領域(a)、(b)として示すように、フェライト体積率50%超、60%未満では、硬度比をいかに調整しても所期の目的を達成できない。
ここに、「ナノ硬さ」は、鋭利なダイヤモンド探針を試料表面に押込み、このときの押込み深さから、探針と試料との接触面積を算出し、押込み荷重を接触面積で減じたときの変形抵抗によって定められる硬さを言う。本明細書では、実施例にも示すように、Hysitron社製のTriboscopeにberkovich探針を取付け計測されたデータを持って示す。
すでに述べたように、フェライト率を制御する方法としては、Ar3点からAr1点の範囲の温度域まで加熱した後、一定時間保持することでフェライト相と低温変態相とよりなる複合組織とする。この際の、保持温度と保持時間を選択することで、フェライト率を任意に制御可能となる。さらに、この焼鈍温度域に達した後、直ちに50℃以下に冷却することによって、硬質相である低温変態相の硬さを確保できるとともに、冷却速度を変えることで、制御したフェライト率を室温でも得ることが可能となる。
また、鋼板をAc点以上の温度で焼鈍し、次いでAr点からAr点の範囲の温度域まで冷却した後、一定時間保持することでフェライト相と低温変態相とよりなる複合組織としてもよい。
なお、本発明において、低温変態相は、冷延鋼板をAr〜Arの温度域に加熱・焼鈍した後の冷却段階で生じるが、そのときの低温変態相として、マルテンサイト、ベイナイトなどであり、焼鈍時間そしてそれに先立てAc〜900℃での加熱処理を行う場合にはその処理時間などによって、フェライト率が調整できるから、それに伴って上述の低温変態相の体積率も変化する。
本発明では、フェライト率を60体積%以上とした場合、フェライトと低温変態相のナノ硬さの硬度比を3倍以上と規定する。フェライトのナノ硬さは、意図的に析出強化等を施さない場合、3〜4GPa程度である。一方、低温変態相の硬さは炭素量にほぼ比例することが知られており、0.4%以上の炭素を含有すれば低温変態相の硬さは9GPaとフェライトのおよそ3倍となる。
溶接性を考慮し、自動車向けの鋼板の炭素含有量は最大でも0.2%程度である。一方、フェライトとオーステナイトの二相域で熱処理を施すことで、フェライト相の炭素が残留オーステナイト中に濃縮することが知られている。
したがって、60体積%以上のフェライト率であれば、残留オーステナイト中に0.4%程度の炭素を固溶することは容易であり、次いで冷却することで0.4%以上の炭素を含有する低温変態相を得ることができる。この結果、60体積%以上のフェライト率を有し、低温変態相の硬さがフェライトの3倍以上のDP組織を得ることが可能となる。
これに対して、フェライト率を50体積%以下とする場合は、残留オーステナイト中への炭素の濃縮は限定的であり、低温変態相中の炭素含有量はそれほど増大せず、薄鋼板の炭素含有量を0.15%とすると、残留オーステナイト中の炭素含有量は0.20%程度となる。この場合、続く冷却により得られる低温変態相のナノ硬さは5GPa程度となり、フェライト相との硬度差は1.7倍弱であり、本発明の範囲内のフェライト率と硬さを得ることができる。
また、冷却後の硬度比が2倍を超える場合は、300〜600℃の温度範囲で過時効処理を施し、低温変態相を軟化させることで、フェライト硬さとの硬度差を調整すれば良い。
<製造方法>
所望の成分を有する鋼を転炉、電炉等の公知の通常の方法で溶製し、連続鋳造法でスラブ等の鋼素材とするのが望ましい。なお、連続鋳造法に代えて、造塊法、薄スラブ鋳造法などとしてもよい。この鋼素材に熱間圧延を施し熱延鋼板とする。熱間圧延は、鋳造された鋼素材を室温まで冷却せず温片のまま加熱炉に装入して加熱した後に圧延する直送圧延を行うか、あるいは保熱を行った後、直ちに圧延する直接圧延を行うか、あるいは一旦鋼素材を冷却した後に再加熱してから圧延を行ってもよい。
熱延鋼板は通常の方法で酸洗を施した後に、冷間圧延されて冷延鋼板とされる。焼鈍中のオーステナイト粒径を微細にし、材質安定性をさらに向上させるためには、冷間圧延の圧下率は30%以上とするのが好ましい。
得られた冷延鋼板には、Ac〜900℃の温度範囲で10〜300秒焼鈍を行ってもよい。冷延鋼板の焼鈍は、好ましくは、連続焼鈍とし、冷延鋼板がオーステナイト単相組織となる温度以上(Ac以上)になるまで加熱し、Ac〜900℃の温度範囲で10〜300秒焼鈍する。一旦、冷延鋼板をオーステナイト単相組織にすることで、均一微細組織を有する冷延焼鈍板となる。
焼鈍温度がAc3未満では、バンド状の加工組織が残存し、加工性が劣化するとともに、機械特性の変動が大きくなり、材質安定性に欠ける鋼板となる。また、焼鈍時間が300秒を超えると、炭化物が粗大化するとともに、焼鈍後のフェライトが粗大となり加工性が劣化する。
以上より、冷延鋼板の焼鈍条件をAc3 〜900℃の温度範囲で10〜300秒焼鈍とした。
このように冷延鋼板の複合組織化を図ることができるが、このとき、フェライト率を制御する方法としては、前述の通り、薄鋼板をAr1 〜Ar3の温度域まで加熱し、一定時間保持することで、フェライト相とオーステナイト相からなる複合組織とする。この際の焼鈍温度と保持時間を選択することで、フェライト率が任意に制御可能となる。具体的には、加熱温度が高くなればオーステナイト相が多くなり、時間が経過すればフェライト相が多くなることから、それらを調整することでフェライト率を調整可能である。フェライト相は後続の冷却処理によっても保存される。
さらに、Ac点以上900℃以下の温度で焼鈍後、Ar〜Arの温度域まで冷却し、フェライト相とオーステナイト相からなる複合組織としてもいい。冷却停止温度が高ければオーステナイト相が多くなり、冷却速度が小さければフェライト相が多くなることから、この際の冷却停止温度と冷却速度を選択することで、フェライト率が任意に制御可能となる。
冷延鋼板は、ArないしAr点の温度域から200℃までの平均冷却速度を100℃/秒以上、望ましくは800℃/秒以上で冷却され、これにより低温変態相が生成する。ArないしAr点の温度域から200℃までの平均冷却速度を100℃/秒以上、望ましくは800℃/秒以上で冷却する。平均冷却速度が、100℃/秒以下の場合、局所的に焼入れが不完全な領域が生じ、結果的にフェライト変態やパーライト変態が生じ、曲げ性劣化の要因となる。平均冷却速度を100℃/秒以上、望ましくは800℃/秒以上とすることで、所定のフェライト率が得られる。なお、平均冷却速度は高いほど良好な曲げ性を示すが、コストを考慮し、水焼入れを行うとすると1000℃/秒程度が限界である。また最終冷却温度は実用面を考え、200℃近傍で良い。
らに本発明では、任意のフェライト相と低温変態相の硬度差を得るために、冷却後200〜500℃の温度範囲で30〜600秒保持による過時効処理を行ってもよい。
鋼素材成分の調整、熱間圧延と冷延後焼鈍条件の適正化により、フェライトの平均結晶粒径が1〜10μm であり、任意のフェライト率とフェライトと低温変態相の硬度差を有する冷延鋼板を得ることが可能となり、引張り強度が780MPa以上であって、伸びと曲げ性を両立した高強度冷延鋼板となる。
本発明にかかる冷延鋼板には、耐食性をさらに改善するために、金属めっき、例えば、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、などの亜鉛めっき行ってもよく、その場合には、めっき皮膜の付着力を高めるために、母材鋼板の鋼組成のSi含有量を0.8%以下、Al含有量を0.7〜1.5%に制限することが好ましい。
次に、実施例によって本発明の作用効果をさらに具体的に説明する。
表1に示す化学成分を含有する供試材No.1〜4の鋼板を試作した。
所望の成分を有する鋼を転炉、電炉等の公知の通常の方法で溶製し、連続鋳造法で連続鋳造により鋳片厚270mmのスラブとし、スラブ加熱後、熱間圧延により粗圧延後板厚40mm、仕上圧延後板厚2.6mmとし、その後冷却して巻き取った。さらに厚さ1.5mmまで冷間圧延し、Ac点以上で焼鈍した後に、連続焼鈍を施した。
このようにして得た厚さ1.5mmの冷延鋼板について、ミクロ組織観察、引張り試験、曲げ試験、ナノ硬さ測定を実施した。フェライト率はミクロ組織写真より面積率として算出した。試験結果を表2にまとめて示す。なお、試験方法は下記の通りである。
(組織観察)
冷延焼鈍鋼板から試験片を採取し、圧延方向断面、圧延方向と直交する断面の組織を電子顕微鏡で観察し、フェライト率を画像解析により求めた。
(引張り試験)
冷延焼鈍鋼板の圧延方向に直交する方向にJIS5号引張試験片を採取し、引張り特性(引張り強度TS、伸びEl)を得た。
(曲げ試験)
冷延焼鈍鋼板から圧延方向に直交する方向を長手方向とするJIS3号曲げ試験片を採取し、JIS Z2248の規定に準拠したVブロック法により曲げ性を調査した。頂角90度の押し金具をバリが内側となるよう押込んだ。曲げ性の良否は目視で判定し、試験後に割れやスジが生じない押し金具の最小半径を板厚で減じ、規格化することで最小曲げ半径を算出した。なお、押し金具はそれぞれ半径が2、1、0.5、0 mmのものを用いた。
(ナノ硬さ)
フェライト、低温変態相それぞれのナノ硬さは以下のようにして求めた。測定位置は、鋼板の圧延方向に直交する方向の断面であり、鋼板表面から板中心方向へ25〜30μm 位置の各相の硬さを、Hysitron社のTriboscopeを用い測定した。ここで、測定時の荷重は500μNであり、探針押込み深さは、いずれの相であっても数10nmであった。各相について抽出した10カ所のナノ硬さを測定し、その平均値を用いた。
表2から明らかなように、最小曲げ半径、引張り試験時の伸びは鋼組織により変化するが、プレス成形される自動車部品に用いられる事を想定し、伸び10%以上と曲げ半径R1t以下を満足するものを合格とした。
Figure 0005564754
Figure 0005564754
曲げ性と偏析の関連を模式的に示した説明図である。 良好な曲げ性と伸びを両立可能な範囲を模式的に示した説明図である。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.2%、Si:0.2〜2.0%、Mn:0.5〜2.8%、P:0.005〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005〜1.5%、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有する冷延鋼板に、Ar点以上Ar点以下の温度域から200℃までを100℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する連続焼鈍を施すことを特徴とする、フェライト相および低温変態相を有し、フェライト相の体積分率が60体積%以上、80体積%以下であって、さらにフェライト相のナノ硬さHnfと低温変態相のナノ硬さHnmとの比:Hnm/Hnfが3.0以上である組織を備えた引張強度780MPa以上の冷延鋼板の製造方法。
  2. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:0.01〜1.0%およびMo:0.01〜1.0%の少なくとも1種をさらに含む請求項1に記載の冷延鋼板の製造方法。
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