JP5563205B2 - 反応性ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
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Description
すなわち本発明は、
1.以下の(a)〜(c)を満たすプロピレン系重合体、ポリオールおよびポリイソシアナート化合物を配合してなる反応性ホットメルト接着剤組成物、
(a)[mmmm]=20〜80モル%
(b)分子量分布(Mw/Mn)≦4.0
(c)アセトン可溶部が0.5質量%以下
2.ポリウレタン製造用触媒成分を含有する、上記1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物、
3.前記プロピレン系重合体の含有量が1〜99質量部、前記ポリオールの含有量が1〜99質量部、前記ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜99質量部、前記ポリウレタン製造用触媒成分の含有量が1質量部以下である、上記1または2に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物、
4.粘着性付与樹脂を含有する、上記1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物、
5.前記プロピレン系重合体の含有量が1〜99質量部、前記ポリオールの含有量が1〜99質量部、前記ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜99質量部、前記粘着性付与樹脂の含有量が30質量部以下である、上記1または4に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物、
6.前記プロピレン系重合体が、酸化変性プロピレン系重合体であって、以下の(d)を満たすプロピレン系重合体である、上記1〜5のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物、
(d)酸価=0.1〜50mgKOH/g
を提供するものである。
本発明で用いるプロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体、またはプロピレン単位と、エチレン単位及び/又は1−ブテン単位を含むプロピレン系共重合体であって、立体規則性、分子量分布およびアセトンへの溶解性に関して特定の性質を有する。すなわち、本発明においては、
(a)[mmmm]=20〜80モル%
(b)分子量分布(Mw/Mn)≦4.0
(c)アセトン可溶部0.5質量%以下
を満たすプロピレン系重合体が用いられる。以下において各性質に関して説明する。
上記のメソペンタッド分率[mmmm]、後述するラセミペンタッド分率[rrrr]及びラセミメソ分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠し、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率及びラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、後述するメソトリアッド分率[mm]、ラセミトリアッド分率[rr]及びメソラセミ分率[mr]も上記方法により算出した。
本発明のプロピレン系重合体のメソペンタッド分率[mmmm]が20モル%を下回ると、接着強度が低下することがあり、80モル%を越えると、常温での流動性が低下し作業性が悪化する。このメソペンタッド分率[mmmm]は、好ましくは30〜60モル%、より好ましくは40〜60モル%である。
なお、13C−NMRスペクトルの測定は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案されたピークの帰属に従い、下記の装置及び条件にて行うことができる。
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
M=(m/S)×100
R=(γ/S)×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖 :21.7〜22.5ppm
本発明のプロピレン系重合体において、分子量分布(Mw/Mn)が4.0を越えると、べたつき成分が増加し接着性能が低下することがある。この分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下である。
この分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により、下記の装置及び条件で、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)測定することにより求めることができる。
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
アセトン可溶部は以下の方法で求める。すなわち、試料0.5gをトルエン10mlに溶解した後アセトン50mlに再沈し、沈殿物をろ別した後、ろ液を25℃、減圧下で乾燥させ、残渣量を測定する。試料に対する当該残渣量の割合をアセトン可溶部とする。本発明で用いるプロピレン系重合体のアセトン可溶部は、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下である。アセトン可溶部が0.5質量%を越えると接着性能が低下することがある。
[rrrr]/(1−[mmmm])の値は、上記のペンタッド単位の分率から求められ、プロピレン系重合体の規則性分布の均一さを表す指標である。この値が大きくなると規則性分布が広がり、既存触媒系を用いて製造される従来のポリプロピレンのように高規則性ポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合物となり、べたつきが増し、透明性が低下する。
プロピレン系重合体において[mm]×[rr]/[mr]2の値が2.2以下であると、透明性の低下が抑制され、柔軟性と弾性回復率のバランスが良好となる。[mm]×[rr]/[mr]2は、好ましくは0.5〜2.2、より好ましくは1.0〜2.2の範囲である。
プロピレン系重合体において重量平均分子量が10,000以上であると、べたつきの発生が抑制される。また、重量平均分子量が200,000以下であると、溶融時の粘度が低下するため、種々の用途に応用する際の作業性が良好となる。
立体規則性指数([mm])=50〜90モル%
立体規則性指数([mm])は、前記の日本電子(株)製JNM−EX400型装置を用い、13C−NMRスペクトルを前記の条件と同様にして測定し、プロピレン連鎖のメソトリアッド([mm])分率を測定して求めた値である。
立体規則性指数([mm])の値が大きいほど、立体規則性が高いことを意味する。
当該共重合体において、立体規則性指数([mm])は、好ましくは50〜80モル%である。立体規則性指数([mm])が50モル%以上であると、べたつきの発生が抑制され、90モル%以下であると、二次加工性が良好となる。
(d)酸価=0.1〜50mgKOH/g
酸価が0.1mgKOH/g以上であると、プロピレン系重合体が十分な接着力を有するものとなり、また、50mgKOH/g以下であると、プロピレン系重合体の柔軟性が十分なものとなる。この酸価は、好ましくは0.5〜35mgKOH/g、より好ましくは1.0〜25mgKOH/gである。酸価は、JIS K 2501−1980に記載の全酸価測定法に従って測定される。
本発明においては、メタロセン系触媒のなかでも、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物を用いたものが好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン系触媒を用いてプロピレンを単独重合又は共重合させる方法がより好ましい。具体的に例示すれば、(A)下記一般式(I)
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属などが挙げられる。これらの中ではオレフィン重合活性などの点からチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適であり、末端ビニリデン基の収率及び触媒活性の点から、ジルコニウムが最も好適である。
E1及びE2はそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィン基(−P<),炭化水素基〔>CR−,>C<〕及び珪素含有基〔>SiR−,>Si<〕(但し、Rは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A1及びA2を介して架橋構造を形成している。E1及びE2は互いに同一でも異なっていてもよい。このE1及びE2としては、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましい。
Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。このXの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20の珪素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などのアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントニル基などのアリール基などが挙げられる。なかでもメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基やフェニル基などのアリール基が好ましい。
炭素数1〜20の珪素含有基としては、メチルシリル基、フェニルシリル基などのモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基などのジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などのトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基などの珪素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基などの珪素置換アリール基などが挙げられる。なかでもトリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルエチル基などが好ましい。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、テアロイル基、オレオイル基等のアルキルアシル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等のアリールアシル基、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸からそれぞれ誘導されるオキサリル基、マロニル基、スクシニル基等が挙げられる。
このような架橋基のうち、少なくとも一つは炭素数1以上の炭化水素基からなる架橋基であることが好ましい。このような架橋基としては、例えば一般式
で表されるものが挙げられ、その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH2=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基などを挙げることができる。これらの中では、重合活性がより高くなる点から、エチレン基,イソプロピリデン基及びジメチルシリレン基が好適である。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
このような一般式(I)で表される遷移金属化合物の中では、一般式(II)
上記一般式(II)において、M,A1,A2,q及びrは、一般式(I)と同じである。X1はσ結合性の配位子を示し、X1が複数ある場合、複数のX1は同じでも異なっていてもよく、他のX1又はY1と架橋していてもよい。このX1の具体例としては、一般式(I)のXの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。Y1はルイス塩基を示し、Y1が複数ある場合、複数のY1は同じでも異なっていてもよく、他のY1又はX1と架橋していてもよい。このY1の具体例としては、一般式(I)のYの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
R4〜R9はそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基,珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示すが、その少なくとも一つは水素原子でないことが必要である。また、R4〜R9は互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,7−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
次に、(B)成分のうちの(B−1)成分としては、上記(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、次の一般式(III)又は(IV)で表されるのを好適に使用することができる。
([L2]k+)a([Z]-)b ・・・(IV)
(但し、L2はM2、R11R12M3、R13 3C又はR14M3である。)
[(III),(IV)式中、L1はルイス塩基、[Z]-は、非配位性アニオン[Z1]-及び[Z2]-、ここで[Z1]-は複数の基が元素に結合したアニオン、すなわち、〔M1G1G2・・・Gf〕-(ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。)、[Z2]-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組み合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。また、R10は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R14はテトラフェニルポルフィリン、フタロシアニン等の大環状配位子を示す。kは[L1−R10]、[L2]のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。]
R10の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、ベンジル基、トリチル基等を挙げることができ、R11、R12の具体例としては、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基等を挙げることができる。
R13の具体例としては、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基等を挙げることができ、R14の具体例としてはテトラフェニルポルフィン、フタロシアニン、アリル、メタリル等を挙げることができる。
また、M2の具体例としては、Li、Na、K、Ag、Cu、Br、I、I3等を挙げることができ、M3の具体例としては、Mn、Fe、Co、Ni、Zn等を挙げることができる。
一方、(B−2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(V)
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(VI)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
上記アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水等の縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば、(1) 有機アルミニウム化合物を有機溶媒に溶解しておき、これを水と接触させる方法、(2) 重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、(3) 金属塩等に含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、(4) テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法等がある。
なお、アルミノキサンとしては、トルエン等の炭化水素系溶媒に不溶性のものであってもよい。これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(B−2)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:10〜1:10000の範囲が望ましい。この範囲にあれば、単位質量ポリマー当りの触媒コストがあまり高くならず、実用的である。触媒成分(B)としては(B−1)及び(B−2)は、それぞれ単独で又は二種以上組み合わせて用いることもできる。
R16 vAlJ3-v ・・・(VII)
[式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である。]
で表される化合物が用いられる。
上記一般式(VII)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド及びエチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
予備接触温度は、通常−20℃〜200℃程度、好ましくは−10℃〜150℃、より好ましくは、0℃〜80℃である。予備接触においては、溶媒の不活性炭化水素として、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等を用いることができる。これらの中で特に好ましいものは、脂肪族炭化水素である。
上記(A)触媒成分と(C)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、さらに好ましくは1:10〜1:1000の範囲が望ましい。上記(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、重合体中に多量に残存する恐れがある。
上記予備接触においては、オレフィン系化合物を共存させてもよい。共存させるオレフィン系化合物としては、エチレン又は炭素数3〜20のα−オレフィン化合物が挙げられる。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン及び1−オクタデセンなどが挙げられる。オレフィン系化合物の添加量は、予備接触において使用する溶媒の0.5〜20質量%程度、好ましくは1〜15質量%である。
無機酸化物担体としては、具体的には、SiO2,Al2O3,MgO,ZrO2,TiO2,Fe2O3,B2O3,CaO,ZnO,BaO,ThO2やこれらの混合物、例えば、シリカアルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバー等が挙げられる。これらの中では、特に、SiO2,Al2O3が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩等を含有してもよい。
一方、上記以外の担体として、MgCl2,Mg(OC2H5)2等のマグネシウム化合物等で代表される一般式MgR17 xX1 yで表されるマグネシウム化合物やその錯塩等を挙げることができる。ここで、R17は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、X1はハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、yは0〜2であり、かつx+y=2である。各R17及び各X1はそれぞれ同一でもよく、又異なってもいてもよい。
また、有機担体としては、ポリスチレン,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体,ポリエチレン,ポリプロピレン,置換ポリスチレン,ポリアリレート等の重合体やスターチ,カーボン等を挙げることができる。
また、担体の比表面積は、通常1〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/g、細孔容積は通常0.1〜5cm3/g、好ましくは0.3〜3cm3/gである。比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。
担体の比表面積及び細孔容積は、例えば、BET法に従って吸着された窒素ガスの体積から求めることができる(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ,第60巻,第309ページ(1983年)参照)。
さらに、上記担体が無機酸化物担体である場合には、通常150〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼成して用いることが望ましい。
触媒成分の少なくとも一種を上記担体に担持させる場合、(A)触媒成分及び(B)触媒成分の少なくとも一方を、好ましくは(A)触媒成分及び(B)触媒成分の両方を担持させるのが望ましい。
このようにして得られた触媒は、一旦溶媒留去を行って固体として取り出してから重合に用いてもよいし、そのまま重合に用いてもよい。また、本発明においては、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の担体への担持操作を重合系内で行うことにより触媒を生成させることができる。
例えば、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とさらに必要により上記(C)成分の有機アルミニウム化合物を加え、エチレン等のオレフィンを常圧〜2MPa加えて、−20〜200℃で1分〜2時間程度予備重合を行って触媒粒子を生成させる方法を用いることができる。
また、(A)成分と担体との使用割合は、質量比で、好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましい。(B)成分〔(B−1)成分又は(B−2)成分〕と担体との使用割合、又は(A)成分と担体との使用割合が上記範囲を逸脱すると、活性が低下することがある。
このようにして調製された重合用触媒の平均粒径は、通常2〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは20〜100μmであり、比表面積は、通常20〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/gである。平均粒径が2μm以上であると重合体中の微粉の増大が抑制され、200μm以上であると重合体中の粗大粒子の増大が抑制される。また、比表面積が20m2/g以下であると活性の低下が抑制され、1000m2/g以下であると重合体の嵩密度の低下が抑制される。
また、本発明で用いる触媒において、担体100g中の遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.1〜2gであることが好ましい。遷移金属量が上記範囲内であると、活性の低下が抑制される。
このように担体に担持することによって工業的に有利な高い嵩密度と優れた粒径分布を有する重合体を得ることができる。
重合条件については、重合温度は通常−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃である。また、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノマー/上記(A)成分(モル比)が好ましくは1〜108、特に100〜105となることが好ましい。さらに、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は好ましくは常圧〜20MPa(G)、特に好ましくは常圧〜10MPa(G)である。
重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種類、使用量、重合温度の選択、さらには水素存在下での重合等がある。重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等を用いることができる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。また、α−オレフィン等のモノマーを溶媒として用いてもよい。なお、重合方法によっては無溶媒下で行うことができる。
上記ラジカル開始剤の使用量としては特に制限はなく、目的とする酸化変性プロピレン系重合体の所望物性に応じて適宜選定される。ラジカル開始剤の使用量は、プロピレン系重合体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部程度、好ましくは0.01〜5質量部の範囲である。
本発明において酸化変性プロピレン系重合体を使用すると、ポリオレフィン等に対して高接着性を有し、被着体に高強度や軟質性等を付与することができる。
本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物においては、ポリオールが用いられる。ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ロジン変性ポリオール、ポリエチレンブチレンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。具体的には、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンダジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリブタジエンポリオール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、メチルペンタジオールが挙げられる。これらの中ではポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリブタジエンポリオールが好適である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物においては、ポリイソシアナート化合物が用いられる。本発明で用いるポリイソシアナート化合物とは、1分子中に2個またはそれ以上のイソシアナート基を有する有機化合物であって、ポリオール等の水酸基に対して反応性を有するイソシアナート基を有するものである。このポリイソシアナート化合物の例としては、芳香族、脂肪族または脂環族のポリイソシアナートを挙げることができる。
当該反応性ホットメルト接着剤組成物においては、プロピレン系重合体の含有量が1〜99質量部、ポリオールの含有量が1〜99質量部、ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜99質量部、ポリウレタン製造用触媒の含有量が1質量部以下が好ましく、より好ましくは、プロピレン系重合体の含有量が1〜50質量部、ポリオールの含有量が30〜99質量部、ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜50質量部、ポリウレタン製造用触媒の含有量が0.1〜1質量部であり、さらに好ましくはプロピレン系重合体の含有量が1〜40質量部、ポリオールの含有量が40〜90質量部、ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜30質量部、ポリウレタン製造用の触媒の含有量が0.1〜1質量部である。
当該反応性ホットメルト接着剤組成物においては、プロピレン系重合体の含有量が1〜99質量部、ポリオールの含有量が1〜99質量部、ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜99質量部、粘着性付与樹脂の含有量が30質量部以下が好ましく、より好ましくはプロピレン系重合体の含有量が1〜50質量部、ポリオールの含有量が30〜99質量部、ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜50質量部、粘着性付与樹脂の含有量が1〜20質量部であり、さらに好ましくはプロピレン系重合体の含有量が1〜40質量部、ポリオールの含有量が40〜90質量部、ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜30質量部、粘着性付与樹脂の含有量が1〜15質量部である。
これらの無機充填材、有機充填材の配合量についても特に制限は無いが、通常はポリオール化合物100質量部に対し、500質量部以下、好ましくは200質量以下である。
シュレンク瓶に(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)−ビス(インデン)のリチウム塩3.0g(6.97mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mlに溶解し−78℃に冷却した。ヨードメチルトリメチルシラン2.1ml(14.2mmol)をゆっくりと滴下し室温で12時間撹拌した。
溶媒を留去し、エーテル50mlを加えて飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。分液後、有機相を乾燥し溶媒を除去して(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.88mmol)を得た(収率84%)。
次に、窒素気流下においてシュレンク瓶に上記で得られた(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.88mmol)とエーテル50mlを入れた。−78℃に冷却し、n−ブチルチリウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.54mol/L、7.6ml(11.7mmol))を滴下した。室温に上げ12時間撹拌した後、エーテルを留去した。得られた固体をヘキサン40mlで洗浄することによりリチウム塩をエーテル付加体として3.06g(5.07mmol)を得た(収率73%)。
1H−NMR(90MHz、THF−d8)による測定の結果は、以下のとおりである。
δ:0.04(s,18H,トリメチルシリル),0.48(s,12H,ジメチルシリレン),1.10(t,6H,メチル),2.59(s,4H,メチレン),3.38(q,4H,メチレン),6.2-7.7(m,8H,Ar-H)
1H−NMR(90MHz、CDCl3)による測定の結果は、以下のとおりである。
δ:0.0(s,18H,トリメチルシリル),1.02,1.12(s,12H,ジメチルシリレン),2.51(dd,4H,メチレン),7.1-7.6(m,8H,Ar-H)
加熱乾燥した内容積1Lのステンレス鋼製オートクレーブに、ヘプタン400ml、トリイソブチルアルミニウム1.0mmol、メチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート1.5μmol、及び製造例1で製造した(1,2’―ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド0.5μmolを投入した。
攪拌しながら温度を70℃に昇温し、全圧で0.8MPaまでプロピレンガスを導入した。重合反応中、圧力が一定になるように調圧器によりプロピレンガスを供給して60分間重合した。重合反応終了後、メタノール5mlを投入し、脱圧後、溶液を取り出し、減圧下で乾燥させることによってプロピレン単独重合体40gを得た。
得られたプロピレン単独重合体について、上述した方法により物性を測定した。結果を第1表に示す。
加熱乾燥した内容積1Lのステンレス鋼製オートクレーブに、ヘプタン400ml、トリイソブチルアルミニウム0.4mmol、メチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート0.8μmol、及び製造例1で製造した(1,2’―ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド0.2μmolを投入した。
攪拌しながら温度を80℃に昇温し、水素0.04MPa、全圧で0.89MPaまでプロピレンガスを導入した。重合反応中、圧力が一定になるように調圧器によりプロピレンガスを供給して15分間重合した。重合反応終了後、メタノール5mlを投入し、脱圧後、溶液を取り出し、減圧下で乾燥させることによってプロピレン単独重合体75gを得た。
得られたプロピレン単独重合体について、上述した方法により物性を測定した。結果を第1表に示す。
空気吹込み管、排気口及び攪拌翼を装着したセパラ式ガラス製反応機(内容積500ml)に製造例2で得られたプロピレン系重合体I、30gを仕込み、50rpmの回転速度で攪拌しながら180℃まで昇温した。次に、空気吹込み管を通して乾燥空気を5時間導入した。その後、空気の吹き込みを停止し、窒素でパージした後、室温まで冷却し、薄黄色の酸化変性プロピレン単独重合体を得た。
得られた酸化変性プロピレン単独重合体について、上述した方法により物性を測定した。なお、ぬれ性は以下の方法により測定した。
プラスチックフィルム表面の、インク、コーティング、又は接着剤などを保持する能力の尺度となるぬれ張力を評価した。プラスチックフィルム表面のぬれ張力が増加すると、インク、コーティング、あるいは接着剤などの保持能力が向上することが経験的に知られている。
評価は、JIS K6768に規定されている「プラスチック−フィルム及びシート−ぬれ張力試験方法」に準拠した。改質プロピレン系重合体をテフロン(登録商標)シートで挟み、0.3mmのスペーサーを用いて180℃でプレスして、評価用フィルムを作製し、このフィルムをデシケーター内に、室温で8時間以上放置した。
試験用混合液として、和光純薬工業(株)製のぬれ張力試験用混合液を用い、綿棒に混合液を含ませてフィルムに塗布し、2秒経過した時点で液膜が破れを生じないで、元の状態を維持しているときを「ぬれている」と判定した。表面張力が小さい試験用混合液から順次試験を行ない、「ぬれている」と判定された最大の混合液の表面張力をフィルムのぬれ張力(mN/m)とした。
300mLのポリエチレン製カップに製造例4で得られた酸化変性プロピレン系重合体I−a、10g、出光興産株式会社製ポリブタジエン(エポール、水酸基含量=0.84meq/g、数平均分子量=2590、粘度=5.1Pa・s/30℃)90gを90℃で攪拌しながら混合した。その後20℃程度に冷却し、イソホロジイソシアナート8.8g、ジブチル錫ジラウレート0.05g加えた後、よく混合し接着剤組成物を得た(イソシアナート/水酸基=約1)。
第2表に記載の配合量に変えた他は実施例1と同様にして接着剤組成物を得た。
300mLのポリエチレン製カップに製造例3で得られたプロピレン系重合体II、10g、出光興産株式会社製ポリブタジエン(エポール、水酸基含量=0.84meq/g、数平均分子量=2590、粘度=5.1Pa・s/30℃)90gを90℃で攪拌しながら混合した。その後20℃程度に冷却し、イソホロジイソシアナート8.8g、ジブチル錫ジラウレート0.05g加えた後、よく混合し接着剤組成物を得た(イソシアナート/水酸基=約1)。
第2表に記載の配合量に変えた他は実施例4と同様にして接着剤組成物を得た。
300mLのポリエチレン製カップに出光興産株式会社製ポリブタジエン(エポール、水酸基含量=0.84meq/g、数平均分子量=2590、粘度=5.1Pa・s/30℃)100gを入れ、さらに20℃程度で、イソホロジイソシアナート9.8g、ジブチル錫ジラウレート0.05gを加えた後、よく混合して接着剤組成物を得た(イソシアナート/水酸基=約1)。
JIS−K6850に準拠し、被着体としてポリカーボネートおよびポリプロピレンの異種の素材を用い、引張せん断強さの測定を行った。試験片の製造方法および測定条件を以下に示し、測定により得られた最大応力(試験片5点の平均値)を第3表に示す。
幅25.0mm、長さ100mm、厚さ1.5mmのポリカーボネート製の剛性被着材の端から12.5mmの全面に厚さ1mm〜2mmで実施例または比較例で得られた接着剤組成物を塗布した。当該塗布面とポリプロピレン製剛性被着材の端から12.5mmの全面を重ね合わせ、約20Nの力で圧着したまま室温で3日間放置した。さらに70℃で1時間放置した後、室温で4日間放置した。
試験速度:50mm/min
試験機:島津製作所社製引張試験機 AUTOGRAPH AG−X
JIS−K6854−2に準拠し、剛性被着体としてポリカーボネートまたはポリプロピレンを用い、180°はく離強度測定を行った。試験片の製造方法および測定条件を以下に示し、測定により得られた最大応力(試験片5点の平均値)を第3表に示す。
幅25.0mm、長さ100mm、厚さ1.5mmのポリプロピレン製またはポリカーボネート製の剛性被着材の端から150mmの全面に厚さ1〜2mmで実施例または比較例で得られた接着剤組成物を塗布し、直ちに幅25mm、長さ200mmの綿帆布を重ねた後、ゴムローラーを用いて圧着し、室温で3日間放置した。さらに70℃で1時間放置した後、室温で4日間放置した。尚、測定前に幅25mmに綿帆布および硬化した接着剤組成物部位を長さ方向にカッターナイフによりカットした。
試験速度:200mm/分
試験機:島津製作所社製引張試験機 AUTOGRAPH AG−X
温度計、攪拌機、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備え付けたセパラブルフラスコに、出光興産株式会社製ポリブタジエン(エポール、水酸基含量=0.84meq/g、数平均分子量=2590、粘度=5.1Pa・s/30℃)80g、および酸化変性ポリプロピレン単独重合体I−a、30gを仕込み、攪拌しながら昇温した。90℃において減圧下で水分を除去した後、ジフェニルメタンジイソシアナート20gを仕込み昇温し、窒素雰囲気下に温度120℃で1時間反応後、更に減圧下にて脱泡しながら1時間攪拌し反応性ホットメルト接着剤を得た(イソシアナート/水酸基=約2.4)。この反応性ホットメルト接着剤を、塗布温度120℃にて帆布に100g/普塗布し、直ちにポリプロピレン板と重ね合わせ0.049MPaの圧力で10秒間圧締接着した。接着5分後の初期はく離接着強度を20℃にて、また20℃、65%RHにて48時間養生後のはく離接着強度を20℃と80℃にて測定した。測定結果を第5表に示した。
第4表に記載の配合量に変えた他は実施例7と同様にして接着剤組成物を製造し、接着強度を測定した。測定結果を第5表に示した。
なお、粘着付与剤として石油樹脂(アイマーブ、P−90、出光興産株社製)を使用し、ポリプロピレングリコールとして和光純薬工業社製ポリプロピレングリコール(ジオール型、平均分子量2000)を使用した。
Claims (8)
- 以下の(a)〜(d)を満たす酸化変性プロピレン系重合体、ポリオールおよびポリイソシアナート化合物を配合してなる反応性ホットメルト接着剤組成物。
(a)[mmmm]=20〜80モル%
(b)分子量分布(Mw/Mn)≦4.0
(c)アセトン可溶部が0.5質量%以下
(d)酸価=0.1〜50mgKOH/g - 以下の(a)〜(c)を満たすプロピレン系重合体を1〜40質量部、ポリオールを40〜90質量部およびポリイソシアナート化合物を1〜30質量部配合してなる反応性ホットメルト接着剤組成物。
(a)[mmmm]=20〜80モル%
(b)分子量分布(Mw/Mn)≦4.0
(c)アセトン可溶部が0.5質量%以下 - ポリウレタン製造用触媒成分を含有する、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- ポリウレタン製造用触媒成分を含有する、請求項2に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記酸化変性プロピレン系重合体の含有量が1〜99質量部、前記ポリオールの含有量が1〜99質量部、前記ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜99質量部、前記ポリウレタン製造用触媒成分の含有量が1質量部以下である、請求項3に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 粘着性付与樹脂を含有する、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記酸化変性プロピレン系重合体の含有量が1〜99質量部、前記ポリオールの含有量が1〜99質量部、前記ポリイソシアナート化合物の含有量が1〜99質量部、前記粘着性付与樹脂の含有量が30質量部以下である、請求項6に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 粘着性付与樹脂を含有する、請求項2に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
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