JP5561287B2 - アウターロータの歯形創成方法と内接歯車ポンプ - Google Patents

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Description

この発明は、内接歯車ポンプを構成するアウターロータの歯形創成方法とその方法を採用した内接歯車ポンプに関する。
歯数がnのインナーロータと、歯数が(n+1)のアウターロータを偏心配置にして組み合わせ、その2者からなるポンプロータをハウジングのロータ室に収納して構成される内接歯車ポンプは、車のエンジンの潤滑用や自動変速機(AT)用のオイルポンプなどとして利用されている。
その内接歯車ポンプは、ハウジングのロータ室の端面に吸入ポートと吐出ポートを有する。吸入ポート終端と吐出ポート始端間は、インナーロータとアウターロータの歯間に作り出されるチャンバ(ポンプ室)を吸入ポートと吐出ポートから切り離す閉じ込み部として構成されており、前記チャンバが吸入ポートに面して面積(容積)を拡大しながら移動する間にそのチャンバに液体が吸入され、チャンバが吐出ポートに面して面積を縮小しながら移動する間にチャンバ内の液体が吐出ポートに送り出される。
この内接歯車ポンプの中に、下記a)、b)に記載したものが存在する。
a)第1基礎円上を滑り無く転がる外転円の一点の軌跡によって描かれる歯先と、第1基礎円よりも小径の第2基礎円上を滑り無く転がる内転円の一点の軌跡によって描かれる歯底の間をインボリュート曲線でつないだ歯形を有するポンプ(特許文献1参照)。このポンプのロータはメガフロイド(住友電工の登録商標)ロータと称されている。
b)特許文献2が開示している方法(後述する方法I)で創成される歯形を採用したポンプ。なお、特許文献2の歯形創成法に関する詳細説明は、後に行なう。
上記特許文献1,2の内接歯車ポンプは、インナーロータとアウターロータの歯丈の設定規制を緩和したものであって、トロコイド曲線やサイクロイド曲線を基本にした歯形を有するポンプよりも歯丈を大きくすることができる。そのために、チャンバの容積を大きくしてポンプの吐出量を増大させることができ、ポンプ性能の向上が図れる。
また、特許文献1、2の歯形を有するインナーロータは、それと組み合わせるアウターロータの歯形を下記特許文献3に記載された方法で創成すると比較的回転の滑らかなポンプロータを実現できることから、組み合わせ相手のアウターロータの歯形を特許文献3の方法(後述する方法II)で創成することがなされている。
特許第4557514号公報 特許第4600844号公報 実公平6−39109号公報
歯数がnのインナーロータと歯数が(n+1)のアウターロータを組み合わせた内接歯車ポンプでは、ポンプが円滑に回転するように、インナーロータとアウターロータの間に所定のチップクリアランス(歯先間隙間)を設けている。
つまり、インナーロータの中心とアウターロータの中心を所定の偏心位置に配置し、インナーロータの歯先頂点のひとつとアウターロータの歯底頂点のひとつが両ロータの中心が置かれる直線の偏心軸上に位置するように組み合わせ、この位置を基準にしてその基準位置からインナーロータとアウターロータを(n+1):nの比で回転させた任意の理論配置の状態で、インナーロータとアウターロータ間に所望のチップクリアランスが確保されるようにインナーロータとアウターロータの各歯形が設計される。
しかしながら、実際のポンプ回転時には、インナーロータとアウターロータが少なくとも1箇所で噛み合って上記理論配置の状態とは異なった状態(回転方向の位置からずれた状態)となるため、実際のチップクリアランスが設計上の数値と異なったものになる。
その相違と、製造工程で生じる不可避の加工誤差により、インナーロータの回転角によっては、噛み合い部以外の箇所でチップクリアランスが極小になったり、インナーロータとアウターロータの歯面が接触(干渉)したりすることがある。
そのチップクリアランスの極小化や歯面の干渉の問題が、チップクリアランスの設定値が小さいポンプや、上記特許文献1,2のように歯丈を大きくしたロータを有するポンプでは特に発生しやすくなることが懸念される。
そこで、この発明は、歯数差が1枚のインナーロータとアウターロータを組み合わせた内接歯車ポンプについて、実使用時に噛み合い部以外の箇所でインナーロータとアウターロータ間に適切な歯間隙間が確保されるものにする。そのためのアウターロータの歯形創成方法と、その方法でアウターロータの歯形を創成した内接歯車ポンプを提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、歯数がnのインナーロータと補正前歯形を有する歯数が(n+1)のアウターロータを所定の偏心配置位置にして噛み合わせ、この状態でインナーロータの歯面を、アウターロータとの噛み合い部以外の箇所、かつ、歯間隙間の極小化や歯の干渉が懸念される箇所でアウターロータとの間に確保したい歯間隙間相当分インナーロータ中心に対して外側に大きくオフセットし、所定のインナーロータ回転角位置でそのオフセットを繰り返して得られるインナーロータオフセット歯面を1箇所に集合させ、集合したオフセット歯面群の包絡線をアウターロータの補正後歯形の歯先曲線となす。
上記チップクリアランスの極小化や歯面の干渉は、インナーロータとアウターロータがトロコイド曲線やサイクロイド曲線を基本にした曲線の歯形を有するポンプでも起こりうるが、この発明は、その問題が発生する懸念の高いポンプに適用すると特に大きな効果を期待できる。
この発明の適用対象として適したポンプは、例えば、チップクリアランスの設定値が小さい内接歯車ポンプや、インナーロータが、上記特許文献1に開示されているインボリュート曲線の含まれた歯形や上記特許文献2の方法で創成された歯形を有し、アウターロータが上記特許文献3の方法で創成された歯形を有する内接歯車ポンプが挙げられる。
なお、ポンプロータは、一面側と他面側の区別がし難いので、組み付けミスの防止のために、組み付けに方向性が生じないように、アウターロータの歯先は左右対称形状となす。
かかる方法でアウターロータの歯形を創成した内接歯車ポンプは、インナーロータとアウターロータの噛み合い部を除いた箇所で両ロータ間に所望の歯間隙間が確保される。その歯間隙間は、ロータに許容範囲内で最大の加工誤差が生じてもゼロになることはない。ロータの加工誤差を無視する(ゼロと考える)と、インナーロータのオフセット量に相当した大きさになり、ロータに加工誤差があれば、インナーロータのオフセット量からその加工誤差分を減じた値になる。この発明は、その内接歯車ポンプも併せて提供する。
この発明の方法でアウターロータの歯形を創成した内接歯車ポンプは、実使用時にもインナーロータとアウターロータ間に確実に歯間隙間が確保される。
このために、ポンプ使用時のチップクリアランスが設計上の数値と異なったものになることや、製造工程で不可避の加工誤差が生じることに起因した歯間隙間の極小化や歯先の干渉が起こらない。
この発明の内接歯車ポンプの一例を、ハウジングのカバーを外した状態にして示す端面図 (a):一定径の創成円を用いて図1のインナーロータの歯形を創成する方法の解説図、(b):一定径の創成円の中心の移動状態を示すイメージ図 アウターロータ歯形曲線の創成方法の説明図 (a)〜(i):インナーロータとアウターロータを噛み合わせて回転させたときの歯面の突合せ状態の変化を示す図 アウターロータの歯形創成方法の説明図
以下、この発明の歯形創成方法と内接歯車ポンプの実施の形態を添付図面の図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示す内接歯車ポンプ1は、歯数がnのインナーロータ2と、歯数が(n+1)のアウターロータ3を偏心配置にして組み合わせてポンプロータ4を構成し、そのポンプロータ4をハウジング5のロータ室6に収納して構成されている。図中Oはインナーロータ中心、Oはアウターロータ中心、eは、インナーロータ2とアウターロータ3の偏心量を表す。ロータ室6の端面には、吸入ポート7と吐出ポート8が形成されている。
例示のポンプ1のインナーロータ2は、歯先と歯底の間をインボリュート曲線でつないだ歯形、又は、特許文献2の方法(下記方法I)によって創成された歯形を有する。
歯先と歯底の間がインボリュート曲線で構成される歯形は、歯先と歯底にサイクロイド曲線を用いるものや、歯先を任意のR曲線に置き換えたものなどが考えられる。
方法Iは、インナーロータと同心の基準円Aと、歯先の創成円Bと、歯底の創成円Cを用いる。創成円B,Cは、円周上の点jが、基準円AとY軸の交点(基準点J)を通過する円である。
この方法Iは、図2(a),(b)に示すように、歯先の創成円B、歯底の創成円Cを下記(1)〜(3)の条件に基づいて移動させ、その間にインナーロータ中心Oと同心の基準円A上の基準点Jと重なる前記創成円B、C上の点jが描く軌跡曲線を、基準円中心Oから歯先頂点T又は歯底頂点Tに至る直線L,Lに対して対称形状をなすように描いて歯形の歯先曲線、歯底曲線の少なくとも一方となす。
−創成円B,Cの移動条件(1)〜(3)−
(1)創成円B,Cを、それらの創成円上の点jが基準円A上の基準点Jに重なるように配置し、このときに創成円中心pa,pbがある位置を移動始点にしてその移動始点Spa,Spbから創成円B,Cを一定角速度で自転させながら、創成円中心pa,pbが移動終点Lpa,Lpbに到達するまで創成円中心をその中心の移動曲線AC,ACに沿って移動させる。移動終点Lpa,Lpbは、創成円B,C上の点jが歯先頂点T又は歯底頂点Tに到達する位置である。この条件(1)に基づいて創成円B,C上の点jが描く軌跡曲線が歯形になる。
(2)前記移動曲線AC,ACは、インナーロータ中心Oから創成円中心pa,pbまでの基準円径方向距離を、前記移動始点Spa,Spbから移動終点Lpa,Lpbまで、歯先曲線2aについてはその距離を増加させ、歯底曲線2bについてはその距離を減少させる。
これにより、移動曲線AC,ACは、歯先側においては図2(a)において右上がりの傾斜曲線、歯底側においては左下がりの傾斜曲線となり、それに伴い、上記点jの描く軌跡曲線が滑らかな歯先、歯底を描く。
(3)歯先頂点T又は歯底頂点Tは、基準円Aの径方向において、創成円Bの移動始点Spaと基準円中心O間の距離Rに移動始点にある創成円Bの半径を足した長さを超えて基準円中心Oから離れている。又は、創成円Cの移動始点Spbと基準円中心O間の距離rに移動始点にある創成円Cの半径を差し引いた長さを超えて基準円中心Oに近づいている。
この条件により、点jの軌跡曲線によって描かれる歯の歯丈が、基礎円上を転がる転円によって描かれるサイクロイド曲線の歯形に比べて高くなる。
上記創成円B,Cは、それぞれの直径Bd,Cdを一定に保って移動始点から移動終点に移動する円と、それぞれの直径Bd,Cdを縮めながら移動始点から移動終点に移動する円のどちらかが選択される。移動中に径変化を生じる後者の創成円は、移動始点での直径に対して移動終点での直径が0.2倍以上、1倍以下にするのがよい。
創成円中心pa,pbの移動始点Spa,Spbは、図2(a)では直線L上に置かれているが、直線Lよりも創成円の移動方向前方に配置されることもある。
さらに、創成円中心pa,pbの移動終点Lpa,Lpbも、直線L,Lからずれた位置に設定されることがある。
なお、移動曲線AC,ACとしては、インナーロータ中心Oから創成円中心pa、pbまでの距離の変化率ΔR’が移動終点Lpa,Lpbにおいて0である曲線や正弦関数を利用した下記の曲線などが用いられる。
例えば、創成円中心pa,pbの移動始点Spa,Spbから移動終点Lpa,Lpbに至る間の基準円径方向移動量ΔRが下式を満たす曲線である。
ΔR=R×sin{(π/2)×(m/S)}
ここに、R:創成円の径方向移動量(インナーロータ中心Oから移動終点にある創成円中心paまでの距離)−(インナーロータ中心Oから移動始点にある創成円中心paまでの距離)
S:ステップ数(創成円の移動始点から移動終点までの移動角度θ又はθを等間隔に等分した数)
m:0→S
創成円B,Cの移動角度θ、θは、歯数や歯先、歯底の設置領域の比率などを考慮して設定される。
上記方法Iで創成した歯形を有するインナーロータと組み合わせるアウターロータは、組み合わせ相手のインナーロータ2を用いて特許文献3の方法(方法II)で歯形を創成している。
方法IIは、図3に示すように、組み合わせ相手のインナーロータ2の中心Oを直径:(2e+t)のアウターロータ中心と同心の円S上に置き、その円S上でインナーロータ中心Oを公転させながら公転1回当りに(1/n)回インナーロータを自転させ、こうして得られるインナーロータ歯形曲線群の包絡線をアウターロータの歯形となす。
ここに、n:インナーロータの歯数
e:アウターロータとインナーロータの偏心量
t:チップクリアランス。このチップクリアランスは、アウターロータ中心とインナーロータ中心を偏心軸上に置き、アウターロータ歯先とインナーロータ歯先を対向させた状態から偏心軸に沿ってインナーロータの中心を移動させてインナーロータをアウターロータに押しつけたときの対向する前記アウターロータ歯先と前記インナーロータ歯先の距離をいう。
上記インナーロータ2とアウターロータ3を、所定の偏心配置にして組み合わせ、この理論配置の状態でどちらか一方を固定し、他方を回転させて図4(a)に示すように噛み合わせる。
図4では、インナーロータ2を図4(b)〜(i)の回転角度位置で固定し、アウターロータ3をロータ回転方向とは逆の方向に回転させて両ロータを噛み合わせている。
図4(a)においては、図中Y部が噛み合い部であり、また、図中Z部が噛み合い部以外の箇所で歯間隙間の極小化や歯先干渉の懸念が出始める位置となる。そこで、インナーロータ2の歯面を、図4(a)の実線位置からアウターロータ3との間に確保したい歯間隙間相当分、インナーロータ中心に対してその中心から外に向って歯間隙間を小さくする方向にロータに許容される加工誤差よりも大きくオフセットする。
図面上ではインナーロータ2とアウターロータ3の歯先を重ねることができるので、インナーロータ2の歯面の上記オフセットを問題なく行える。
図5のIは、図4(a)でオフセットしたインナーロータ2の歯面(歯先曲線)を、アウターロータ3の歯面と対応させて表している。
次に、図4(a)の状態からインナーロータ2を、アウターロータ3を追従させながら任意角度回転させる。
インナーロータ2を図4(a)の位置から5°時計周りに回転させた状態を、図4(b)に示す。この位置でも、上記と同様に、インナーロータ2を、アウターロータ3との間に確保したい歯間隙間相当分、インナーロータ中心に対して歯間隙間を小さくする方向にロータに許容される加工誤差よりも大きくオフセットする。
インナーロータ2を、図4(a)の位置から10°回転させた状態を図4(c)に示す。また、15°回転させた状態を図4(d)に、20°回転させた状態を図4(e)に、25°回転させた状態を図4(f)に、30°回転させた状態を図4(g)に、35°回転させた状態を図4(h)に、40°回転させた状態を図4(i)にそれぞれ示す。
これ等の各位置でも、インナーロータ2を、アウターロータ3との間に確保したい歯間隙間相当分、インナーロータ中心に対して歯間隙間を小さくする方向にロータに許容される加工誤差よりも大きくオフセットする。
図5のIIは、インナーロータ2の歯面の図4(b)におけるオフセット歯面を、図5のIIIは、図4(c)にけるオフセット歯面をそれぞれアウターロータ3の歯面と対応させて表している。
同様に、図5のIV〜IXも、図4(d)〜図4(i)の各位置におけるインナーロータのオフセット歯面をアウターロータ3の歯面と対応させて表している。なお、I〜IXのオフセット歯面は、インナーロータ回転角の増加に合わせて順番に並べている。
図5に示すように、インナーロータ回転角の各位置におけるインナーロータオフセット歯面を1箇所に集合させると、集合したオフセット歯面群によって包絡線9を描くことができる。そこで、その包絡線9をアウターロータの歯先曲線とする。
この方法での創成によって、図5(a)のZ部から図5(i)のZ部に至るまでの間では、ロータの加工誤差を無視すると、インナーロータ2とアウターロータ3間に希望した歯間隙間が確保される。インナーロータ2とアウターロータ3に加工誤差があるときには、その誤差相当分、確保される歯間隙間が増減する。
また、インナーロータ2のインナーロータ回転角の各位置におけるオフセット量をロータに許容される加工誤差よりも大きく設定したことで、許容される範囲で最大の加工誤差が生じた場合にも、インナーロータとアウターロータの噛み合い部以外の位置での干渉が防止される。
ポンプロータの噛み合い部以外の位置における歯間隙間は、ポンプの用途によっては、多少大きくした方が、ロータ回転に伴うチャンバ内圧力の急変の抑制などが図れて好ましいとされることがある。
また、インナーロータとアウターロータの歯先の干渉は、ポンプの円滑な駆動の妨げになるし、歯面の摩耗も助長される。
なお、アウターロータの歯先は、創成した半歯の歯先形状を反転させて残り半分の歯に転写することで左右対称形状となす。
上記方法Iにより、基準円Aの直径:32.900mm、歯底〜歯先までの半歯角度(創成円の移動始点から移動終点までの移動角度θ,θ):22.5°、創成円Bの直径Bd:2.0563mm、創成円Cの直径Cd:2.0563mm、創成円Bの径方向移動量:0.0288mm、創成円Cの径方向移動量:1.7266mm、創成円B、Cの移動のステップ数S:各60、創成円B、Cの移動時径変化無しの条件で歯形を創成した大径:37.07mm、小径:25.43mmの歯数:8のインナーロータを設計した。
また、そのインナーロータを用いて上記方法IIで、偏心量e:2.76mm、チップクリアランスt:0.02mmの条件に基づき、大径:42.61mm、小径:31.57mmの歯数:9のアウターロータを設計した。
次に、そのインナーロータとアウターロータを組み合わせ、インナーロータを固定した状態で両ロータが噛み合う位置までアウターロータを回転させた。そして、図4(a)のZ部から図4(j)のZ部までの間でインナーロータとアウターロータ間に40μmの歯間隙間が生じるように、図4の各インナーロータ回転角位置でインナーロータの歯面をインナーロータの中心に対してオフセットした。
その後、各インナーロータ回転角位置でのオフセット歯面を図5のように1箇所に集合させ、集合したオフセット歯面群の包絡線をアウターロータの歯先曲線にしてアウターロータの補正後歯形(実際の製品の歯形)を作り上げた。
このようにして得たアウターロータを方法Iで歯形を創成したインナーロータと組み合わせて実使用時と同じ条件で運転したところ、歯先の干渉が全く起こらなかった。
以上の説明は、ロータが特定の歯形を有するポンプを例に挙げて行ったが、この発明は、トロコイド曲線やサイクロイド曲線などを基本にした曲線の歯形を有する内接歯車ポンプにも適用できる。
1 内接歯車ポンプ
2 インナーロータ
2a 歯先曲線
2b 歯底曲線
3 アウターロータ
4 ポンプロータ
5 ハウジング
6 ロータ室
7 吸入ポート
8 吐出ポート
9 インナーロータオフセット歯面の包絡線
I〜IX インナーロータ回転角の各位置におけるインナーロータオフセット歯面
インナーロータ中心(基準円中心)
アウターロータ中心
A 基準円
Ad 基準円の直径
B 歯先創成円
C 歯底創成円
Bd,Cd 創成円の直径
AC,AC 創成円中心が通る移動曲線
R 創成円の径方向移動量
Ro 創成円Bの移動始点Spaと基準円中心O間の距離
創成円Cの移動始点Spbと基準円中心O間の距離
θ,θ 創成円の移動角度
J 基準円上の基準点
j 軌跡曲線を描く点
歯先頂点
歯底頂点
インナーロータ中心と基準点Jを結ぶ直線
インナーロータ中心と歯先を結ぶ直線
インナーロータ中心と歯底を結ぶ直線
pa,pb 創成円中心
Spa,Spb 創成円の移動始点
Lpa,Lpb 創成円の移動終点
S ステップ数
e インナーロータ中心とアウターロータ中心の偏心量
t チップクリアランス

Claims (3)

  1. 内接歯車ポンプの歯数がnのインナーロータ(2)と補正前歯形を有する歯数が(n+1)のアウターロータ(3)を所定の偏心配置位置にして噛み合わせ、この状態でインナーロータ(2)の歯面を、アウターロータ(3)との噛み合い部以外の箇所、かつ、歯間隙間の極小化や歯の干渉が懸念される箇所でアウターロータ(3)との間に確保したい歯間隙間相当分インナーロータ中心に対して外側に大きくオフセットし、所定のインナーロータ回転角位置でそのオフセットを繰り返して得られるインナーロータのオフセット歯面を1箇所に集合させ、集合したオフセット歯面群の包絡線をアウターロータの補正後歯形の歯先曲線とするアウターロータの歯形創成方法。
  2. 前記インナーロータ(2)が歯先と歯底の間をインボリュート曲線で構成した歯形、もしくは、下記方法Iによって創成される歯形を有し、アウターロータ(3)は補正前歯形として下記方法IIによって創成される歯形を有し、その内接歯車ポンプのアウターロータ(3)の歯形を創成する請求項1に記載のアウターロータの歯形創成方法。
    方法I:歯先の創成円(B)、歯底の創成円(C)を下記(1)〜(3)の条件に基づいて移動させ、その間にインナーロータ中心(O)と同心の基準円(A)上の基準点(J)と重なる前記創成円(B,C)上の点(j)が描く軌跡曲線を、基準円中心(O)から歯先頂点(T)又は歯底頂点(T)に至る直線(L,L)に対して対称形状をなすように描いて歯形の歯先曲線又は歯底曲線となす。
    −創成円B,Cの移動条件−
    (1)創成円(B,C)を、それらの創成円上の点(j)が基準円(A)上の基準点(J)に重なるように配置し、このときに創成円中心(pa,pb)がある位置を移動始点にしてその移動始点(Spa,Spb)から創成円(B,C)を一定角速度で自転させながら、創成円中心(pa,pb)が移動終点(Lpa,Lpb)に到達するまで創成円中心をその中心の移動曲線(AC,AC)に沿って移動させる。
    (2)前記移動曲線(AC,AC)は、インナーロータ中心(O)から創成円中心(pa,pb)までの基準円径方向距離を、前記移動始点(Spa,Spb)から移動終点(Lpa,Lpb)まで、歯先曲線(2a)についてはその距離を増加させ、歯底曲線(2b)についてはその距離を減少させる。
    (3)歯先頂点(T)又は歯底頂点(T)は、基準円(A)の径方向において、創成円(B)の移動始点(Spa)と基準円中心(O)間の距離(R)に移動始点にある創成円(B)の半径を足した長さを超えて基準円中心(O)から離れている。又は、創成円(C)の移動始点(Spb)と基準円中心(O)間の距離(r)に移動始点にある創成円(C)の半径を差し引いた長さを超えて基準円中心(O)に近づいている。
    方法II:アウターロータ中心を中心とする直径(2e+t)の円上をインナーロータ中心(O)が1周公転し、その間にインナーロータ(2)が(1/n)回自転し、このときのインナーロータの歯形曲線群の包絡線をアウターロータの歯形となす。
    ここに、n:インナーロータの歯数
    e:アウターロータとインナーロータの偏心量
    t:チップクリアランス
  3. 歯数がnのインナーロータ(2)と、請求項2に記載の方法によって創成された歯形を有する歯数が(n+1)のアウターロータ(3)を偏心配置にして組み合わせたポンプロータ(4)を有し、
    実際のポンプ運転時に噛み合い部以外の箇所において、インナーロータ(2)とアウターロータ(3)との間にインナーロータのオフセット量に相当した大きさの歯間隙間が生じるように構成された内接歯車ポンプ。
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