JP5560592B2 - 含窒素複素環化合物、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 - Google Patents
含窒素複素環化合物、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 Download PDFInfo
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Description
・高分子材料は重合度や分子量分布を制御することが困難である。
・連続駆動時に末端残基による劣化が起こる。
・材料自体の高純度化が困難で、不純物を含む。
上記改善すべき点のために、湿式成膜法による素子は、真空蒸着法による素子に比べて駆動安定性に劣り、一部を除いて実用レベルに至っていないのが現状である。
溶剤に用いる必要があるが、ハロゲン系溶剤は環境負荷が大きく実用上問題がある。又、
ハロゲン系溶剤中に含まれる不純物により材料が劣化される可能性が大きいため、ハロゲン系溶剤を用いた湿式成膜法による素子は駆動安定性が十分でないことが考えられる。
R1〜R3は、各々独立に、炭素数50以下の、置換基を有していてもよい有機基を表す。L1は、単結合又は炭素数25以下の、置換基を有していてもよい芳香環基を表す。
nは2以上6以下の整数を表す。
p,r及びsは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。
尚、一分子内に、複数のR1〜R3、L1、及びAr1が含まれる場合、各々独立に、同じでもよく、また異なっていてもよい。
また、Ar1は、下記芳香族炭化水素基群Aから選ばれる基を表す。)
<芳香族炭化水素基群A>
この為、本発明の含窒素複素環化合物を含む有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法により形成される有機電界発光素子は、大面積化が可能である。
[語句の説明]
本発明において、単に「複素環」又は「炭化水素環」と称した場合には、芳香族性を有する環及び芳香族性を有しない環のいずれをも含むものとする。また、単に「芳香環」と称した場合には、炭化水素芳香環及び複素芳香環のいずれをも含むものとする。
また、本発明において、「置換基を有していてもよい」とは、置換基を1又は2以上有していてもよいことを意味するものとする。
[式(1)で表される含窒素複素環化合物]
本発明の含窒素複素環化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
R1〜R3は、各々独立に、炭素数50以下の、置換基を有していてもよい有機基を表す。L1は、単結合又は炭素数25以下の、置換基を有していてもよい芳香環基を表す。
nは2以上6以下の整数を表す。
p,r及びsは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。
尚、一分子内に、複数のR1〜R3、L1、及びAr1が含まれる場合、各々独立に、同じでもよく、また異なっていてもよい。
また、Ar1は、下記芳香族炭化水素基群Aから選ばれる基を表す。)
<芳香族炭化水素基群A>
[1]構造上の特徴
本発明の下記式(1)で示される化合物は、窒素複素環部に電子豊富な窒素原子を二つ有
する事から高い電子輸送能を示し、さらに上記の芳香族炭化水素群を有することで分子が非対称性を持つため、種々の溶剤に対して優れた溶解性と、高い非晶性を示す。
[2−1] X1〜X3について。
X1〜X3は、CH又は窒素原子表す。但し、X1〜X3のいずれか一つは窒素原子を表す。
中でも、高い電子輸送能を有する事、化合物の安定性、また合成的な容易さの点で、X1〜X3のいずれかが窒素原子である。
nは、前記式(1)に含まれる、下記式(i)で表される部分構造の数を表す。nは、
通常2以上、また、通常6以下、好ましくは3以下、の整数を表す。
昇華精製での高純度化が容易である点で、nは2であることが特に好ましい。
[2−3]Ar1について。
前記式(1)中、Ar1は下記芳香族炭化水素基群Aから選ばれる基を表す。
<芳香族炭化水素基群A>
式(1)中の芳香族炭化水素基Ar1は、分子に非対称性を与え、種々の溶剤に対する溶解性を向上させる目的で導入されており、o-フェニレン基、m-フェニレン基、1,2-ナフチル基、1,4-ナフチル基、1,6-ナフチル基、1,7-ナフチル基、1,8-ナフチル基が挙げられる。該芳香族炭化水素基Ar1は、化合物の安定性、合成の容易さ、精製のし易さなどの面からm-フェニレン基を用いることが特に好ましい。
式(1)中、R1〜R3は、炭素数50以下の、置換基を有していてもよい有機基を表す。
R1は、含窒素複素環に結合する置換基であり、mは含窒素複素環に結合するR1の数を表す。mは、昇華精製での高純度化が容易である点で、通常0以上、また4以下、好ましくは2以下の整数であり、mが0とはR1が含窒素複素環に置換しない事を意味する。また、mが2以上のとき、含窒素複素環に置換する複数のR1は、同一であっても異なっていてもよい。
の数を表す。rは、昇華精製での高純度化が容易である点で、通常0以上、また通常4以下、好ましくは1以下の整数であり、rが0とはR2がカルバゾール環に置換しない事を
意味する。また、rが2以上のとき、カルバゾール環に置換する複数のR2は、同一であ
っても異なっていてもよい。
の数を表す。sは、昇華精製での高純度化が容易である点で、通常0以上、また通常4以下、好ましくは1以下の整数であり、sが0とはR3がカルバゾール環に置換しない事を
意味する。また、sが2以上のとき、カルバゾール環に置換する複数のR3は、同一であ
っても異なっていてもよい。
有機基の具体例としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜25の芳香族炭化水素基、炭素数3〜20の芳香族複素環基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールチオ基、シアノ基が挙げられる。アルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は化合物の安定性の面から好ましく、芳香族炭化水素基は特に好ましい。
炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アントラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基等が挙げられる。中でも、フェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基、2−ナフチルオキシ基が溶解性向上の面から好ましく、3−フェノキシフェノキシ基は特に好ましい。
炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールチオ基の例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、9−アントラニルチオ基、2−チエニルチオ基等が挙げられる。中でも、フェニルチオ基は、溶剤に対する溶解性が向上する点で好ましい。
[2−5]L1について。
式(1)中のL1は単結合又は炭素数25以下の、置換基を有していてもよい芳香環基を表す。
炭素数25以下の芳香環基の具体例としては、炭素数6〜25の芳香族炭化水素基、炭素数3〜25の芳香族複素環基が挙げられる。芳香族炭化水素基が化合物の酸化還元安定性の面から好ましい。
特に好ましい。
L1が置換基を有していてもよい芳香環の場合、その置換基として、前記<R1〜R3、m、r、sについて>の項のR1〜R3の具体例に記載のものから選択して用いてもよい。
前記式(1)で表される化合物の中でも、m−フェニレン基の導入により溶剤に対して高い溶解性を示す点で、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
L1は、単結合又は炭素数25以下の、置換基を有していてもよい芳香環基を表す。
nは1以上6以下の整数を表す。
p、r及びsは、各々独立に0以上、4以下の整数を表す。
尚、一分子内に、複数のR2〜R4、及びL1が含まれる場合、各々独立に、同じでもよく、また異なっていてもよい。)
[3−1] X1〜X3について。
[3−2] R1〜R4、並びに、m、p、r及びsについて。
m、r及びsは、各々、前記式(1)におけるものと同義である。また、具体例、好ましい例も同様である。
R4は、カルバゾール環の窒素原子に結合したベンゼン環に結合する置換基であり、pはベンゼン環に結合するR4の数を表す。pは、昇華精製での高純度化が容易である点で
、通常0以上、また通常4以下、好ましくは1以下の整数であり、pが0とはR4がベン
ゼン環に置換しない事を意味する。また、pが2以上のとき、ベンゼン環に置換する複数
のR4は、同一であっても異なっていてもよい。
式(2)中、L1は、前記式(1)におけるものと同義である。また、具体例、好ましい例及びさらに有していてもよい置換基も同様である。
[4]式(3)について。
式(2)で表される化合物の中でも、ガラス転移温度が高く、耐熱性に優れる点から下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
R12〜R14及びR22〜R24は、各々独立に、炭素数50以下の、置換基を有していてもよい有機基を表す。L11及びL12は、各々独立に、単結合又は炭素数25以下の、置換基を有していてもよい芳香環基を表す。
尚、一分子内に、複数のR12〜R14及びR22〜R24が含まれる場合、各々独立に、同じでもよく、また異なっていてもよい。)
[4−1]X1〜X3について。
式(3)中のX1〜X3は、前記式(2)のX1〜X3と同義である。好ましい例も同様である。
式(3)中のp1、r1、s1、p2、r2及びs2は、各々前記式(2)のp、r及びsと同義である。また、好ましい範囲も同様である。
式(3)中のR12〜R14及びR22〜R24は、前記式(2)のR2〜R4と同義である。また、具体例及び好ましい例も同様である。
式(3)中のL11、及びL12は、各々独立に、炭素数25以下の、置換基を有していてもよい芳香環基を表す。L11及びL12は、前記式(1)及び(2)のL1の具体例、好ましい例及びその置換基と同様である。
L11、及びL12は、同一であっても異なっていてもよいが、分子の非対称性を高めて、溶剤に対する溶解度を向上させる点で、異なっていることが好ましい。
式(3)で表される化合物の中でも、好ましい態様であるL11及びL12が、異なる含窒素環化合物として、下記式(4)で表される化合物が好ましい。
R12〜R14及びR22〜R24は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数50以下の有機基を表す。L11は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数25以下の芳香環基を表す。また、環Bはベンゼン環を表し、L’は単結合又は炭素数19以下
の、置換基を有していてもよい芳香環基を表す。
[5−1]X1〜X3について。
式(4)中のX1〜X3は、前記式(3)のX1〜X3と同義である。好ましい例も同様である。
2及びs2について。
式(4)中のp1、r1、s1、p2、r2及びs2は、各々前記式(3)のp1、r1、s1、p2、r2及びs2と同義である。また、好ましい範囲も同様である。
式(4)中のR12〜R14及びR22〜R24は、前記式(3)のR12〜R14及びR22〜R24と同義である。また、具体例及び好ましい例も同様である。
式(4)中のL11は、各々独立に置換基を有していてもよい炭素数25以下の芳香環基を表す。L11は、前記式(1)及び(2)のL1の具体例、好ましい例及びその置換基と同様である。
式(4)中のL’は、単結合又は炭素数19以下の、置換基を有していてもよい芳香環基を表す。尚、L’−環Bは、式(3)におけるL12に相当する。
炭素数6〜19の芳香族炭化水素基の例としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基などのフェニレン基、1、6−ナフチレン基などのナフチレン基、3,9−フェナンチレン基などのフェナンチレン基、2,6−アントラニレン基、9、10−アント
ラニレン基などのアントラニレン基、1、6−ピレニレン基などのピレニレン基、2,7−トリフェニレニル基などのトリフェニレニル基、4,4’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、4,3’−ビフェニレン基などのビフェニレン基等があげられ、化合物の安定性の面から1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、4,3’−ビフェニレン基、1、6−ナフチレン基が好ましく、1,3−フェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、1、6−ナフチレン基が化合物の溶解性の面から特に好ましい。
[6]分子量
本発明の含窒素複素環化合物の分子量は、通常7000以下であり、化合物の精製の容易さを考えた場合、好ましくは分子量5000以下であり、溶剤に対する溶解性を考慮した場合特に好ましくは3000以下、昇華精製による高純度化を考えた場合最も好ましくは1500以下である。
[7]物性
本発明の含窒素複素環化合物におけるガラス転移温度は、通常90℃以上、好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上、また通常500℃以下、好ましくは250℃以下、更に好ましくは200℃以下である。上記範囲内であると、耐熱性に優れ、得られる素子の駆動寿命が長くなるため好ましい。
[8]例示化合物
本発明の含窒素複素環化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明の含窒素複素環化合物は以下の例示化合物に限定されるものではない。
<合成法>
本発明の含窒素複素環化合物の製造方法は特には制限されず、本発明の含窒素複素環化合物が得られる限り任意である。例えば本発明の式(1)で表される化合物は、アミノベンゾニトリル誘導体と金属触媒を用いたカップリング反応、続くベンゾイルハライド誘導体とのカップリング反応を用いることにより合成できる。
である。
以下に、上記スキーム中に示した素反応について説明する。
<含窒素複素環形成反応>
不活性ガス雰囲気下、有機金属試薬1モルと、アミノベンゾニトリル誘導体1モルを反応させ、アセチル基を有する化合物0.5〜10モルを極性又は無極性の溶剤に溶解又は懸濁させ、攪拌しながら0〜150度の温度を加える事により含窒素複素環を含んだ基質の混合物を得る。混合物からの精製は、蒸留、濾過、抽出、再結晶、再沈殿、懸濁洗浄、クロマトグラフィーの操作を組み合わせることにより精製することができる。
フェニルカルバゾールの硼素試薬1モルと含窒素複素環基質を有するハロゲン化物又はトリフルオロメタンスルホン酸エステル試薬0.75〜5モルを遷移金属元素触媒を用いて、塩基存在下で無極性又は極性溶剤中で反応させることにより基質のカップリングした混合物を得ることができる混合物からの精製は、蒸留、濾過、抽出、再結晶、再沈殿、懸濁洗浄、クロマトグラフィーの操作を組み合わせることにより精製することができる。
塩基は、特に限定はしないが、金属水酸化物、金属塩、有機アルカリ金属試薬などが好ましい。
を単一又は混合して使用することができる。
又必要であれば界面活性剤を1-100mol%加えることもできる。
本発明の含窒素複素環化合物は、高い電荷輸送能を有するため、電荷輸送材料として電子写真感光体、有機電界発光素子、光電変換素子、有機太陽電池、有機整流素子等に好適に使用できる。例えば、本発明の含窒素複素環化合物は、有機電界発光素子の発光層において、ドーパント材料、とりわけ赤色燐光発光材料のホスト材料として有用である。
本発明の有機電界発光素子用組成物は、前述の本発明の含窒素複素環化合物を含むものであり、通常、本発明の含窒素複素環化合物と溶剤とを含み、更に好ましくは燐光発光材料を含むものであり、有機電界発光素子に使用される。
[1]溶剤
有機電界発光素子用組成物は、さらに溶剤を含有する。
溶剤は、溶質が良好に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、以下の例が好ましい。
例えば、n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル類;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル類、シクロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環族ケトン類;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン類;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル類;等が挙げられる。
用いられる溶剤の沸点は、通常100℃以上、好ましくは140℃以上、さらに好ましくは200℃以上、また通常400℃以下、好ましくは300℃以下、さらに好ましくは260℃以下である。この範囲内であると、乾燥速度が適度であるため良好な膜質を得られ、さらに乾燥工程での加熱温度が高くなりにくく、他の有機層やガラス基板などに影響を与えにくくなるため好ましい。
本発明の有機電界発光素子用組成物は、発光材料を含むことが好ましい。本発明における発光材料とは、主として発光する成分を示し、ドーパント成分に当たる。即ち、有機電界発光素子用組成物から発せられる光量(単位:cd/m2)の内、通常10〜100%、好ましくは20〜100%、より好ましくは50〜100%、最も好ましくは80〜100%が、ある成分材料からの発光と同定される場合、それを発光材料と定義する。
発光材料としては、公知材料を適用可能であり、蛍光発光材料或いは燐光発光材料を単独若しくは複数を混合して使用できるが、内部量子効率の観点から、好ましくは、燐光発光材料である。
なお、溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料における分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基などの親油性置換基を導入したりすることも、重要である。
光色素としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色蛍光色素としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色蛍光色素としては、DCM系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体における金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記一般式(V)又は式(VI)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(V)中、Mは金属を表し、qは上記金属の価数を表す。また、Q及びQ’は二座配位子を表す。jは0、1又は2を表す。)
以下、まず、一般式(V)で表される化合物について説明する。
一般式(V)中、Mは任意の金属を表し、好ましいものの具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。
環A1,A2が置換基を有する場合、好ましい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基;フェニル基、ナフチル基、フェナンチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
)
上記一般式(Va)、(Vb)、(Vc)において、環A1及び環A1’の基としては、好ましくは、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
更に、一般式(Va)、(Vb)、(Vc)で表される化合物が有していてもよい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられる。
有する置換基と環A2が有する置換基とが結合するか、又は、環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基とが結合するかして、一つの縮合環を形成してもよい。このような縮合環基としては、7,8−ベンゾキノリン基等が挙げられる。
中でも、環A1、環A1’、環A2及び環A2’の置換基として、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基、カルバゾリル基が挙げられる。
上記一般式(V)、(Va)、(Vb)又は(Vc)で示される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるものではない(以下において、Phはフェニル基を表す。)。
また、国際公開第2005/019373号パンフレットに記載の化合物も使用することができる。
一般式(VI)中、Mdは金属を表し、具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。中でも好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金又は金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
また、R92〜R95はさらに置換基を有していてもよい。この場合のさらに有していてもよい置換基には特に制限はなく、任意の基を置換基とすることができる。
一般式(VI)で表される有機金属錯体の具体例(T−1,T−10〜T−15)を以下に示すが、下記の例示化合物に限定されるものではない。なお、以下において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
本発明の有機電界発光素子用組成物中には、前述した溶剤及び発光材料以外にも、必要に応じて、各種の他の溶剤を含んでいてもよい。このような他の溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
また、2層以上の層を湿式成膜法により積層する際に、これらの層が相溶することを防ぐため、成膜後に硬化させて不溶化させる目的で光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂を含有させておくこともできる。
[4]組成物中の各々の割合
有機電界発光素子用組成物中の本発明のキナゾリン系化合物、発光材料及び必要に応じて添加可能な成分(レベリング剤など)などの固形分濃度は、通常0.01重量%以上、
好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、最も好ましくは1重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、最も好ましくは20重量%以下である。この濃度が下限を下回ると、薄膜を形成する場合、厚膜を形成するのが困難となり、上限を超えると、薄膜を形成するのが困難となる恐れがある。
上記範囲内であると、湿式成膜法で膜を形成する場合に、膜均一性に優れ、また成膜後の膜の厚みが十分に得られるため好ましい。
・水分濃度
具体的には、本発明の有機電界発光素子用組成物中に含まれる水分量は、通常1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。また、組成物中に含まれる水分は少ない方がよいので、下限値は理想的には0である。
(物性)
本発明の有機電界発光素子用組成物の粘度については、極端に低粘度の場合は、例えば成膜工程における過度の液膜流動による塗面不均一、インクジェット成膜におけるノズル吐出不良等が起こりやすくなり、極端に高粘度の場合は、インクジェット成膜におけるノズル目詰まり等が起こりやすくなる。このため、本発明の組成物の25℃における粘度は、通常2mPa・s以上、好ましくは3mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上であり、通常1000mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下である。
更に、本発明の有機電界発光素子用組成物の蒸気圧が高い場合は、溶剤の蒸発による溶質濃度の変化等の問題が起こりやすくなる場合がある。このため、本発明の組成物の25℃における蒸気圧は、通常50mmHg以下、好ましくは10mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下である。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極、陰極、及びこれら両極間に設けられた有機層を有するものであって、この有機層に本発明の含窒素複素環化合物を含有することを特徴とする。該含窒素複素環化合物を含有する層は、本発明の有機電界発光素子用材料又は有機電界発光素子用組成物を用いて形成されることが好ましい。また、本発明の含窒素複素環化合物を含有する有機層は、発光層であることが好ましい。また、該含窒素複素環化合物を含有する層に、有機金属錯体がドープされていることが好ましい。この有機金属錯体としては、前記発光材料として例示したものを使用できる。
尚、本発明において湿式成膜法とは、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等湿式で成膜される方法をいう。これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法が好ましい。これは、有機電界発光素子に用いられる塗布用組成物特有の液性に合うためである。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
陽極2は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
{正孔注入層}
正孔注入層3は、陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極2上に形成される。
正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
湿式成膜により正孔注入層3を形成する場合、通常は、正孔注入層3を構成する材料を適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物及び溶剤を含有する。
正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、高分子化合物であることが好ましい。
正孔注入層3の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミンポリマー1種又は2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種又は2種以上とを併用することが好ましい。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発
光の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミンポリマーの好ましい例として、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Ar1〜Ar16の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
てもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが好ましい。
R1及びR2が任意の置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。
また、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4-ethylenedioxythiophene(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(PEDOT/PSS)もまた好ましい。また、このポリマーの末端を
メタクリレート等でキャップしたものであってもよい。
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層の構成材料として、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
モニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素;ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、ショウノウスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン等が挙げられる。
正孔注入層或いは正孔注入層形成用組成物中の電子受容性化合物の正孔輸送性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述の正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良
剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶剤のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶剤の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶剤の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶剤の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があり、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
その他、ジメチルスルホキシド、等も用いることができる。
これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布して、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
塗布工程における温度は、組成物中に結晶が生じることによる膜の欠損を防ぐため、10℃以上が好ましく、50℃以下が好ましくい。
塗布後、通常加熱等により正孔注入層形成用組成物の膜を乾燥させる。加熱工程において使用する加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブン及びホットプレートが好ましい。
点以上の温度で加熱されるのが好ましい。溶剤の沸点上昇を考慮すると、加熱工程においては、好ましくは120℃以上、好ましくは410℃以下で加熱することが好ましい。
真空蒸着により正孔注入層3を形成する場合には、正孔注入層3の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種又は2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合は各々独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極2上に正孔注入層3を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層3を形成することもできる。
限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、通常5.0Å/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上で、好ましくは50℃以下で行われる。
本発明に係る正孔輸送層4の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層4を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層4は、正孔注入層がある場合には正孔注入層3の上に、正孔注入層3が無い場合には陽極2の上に形成することができる。 また、本発明の有機電界発光素子は、正
孔輸送層を省いた構成であってもよい。
ルトリフェニルアミン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリアリーレン誘導体、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン誘導体、ポリアリーレンビニレン誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体等が挙げられる。これらは、交互共重合体、ランダム重合体、ブロック重合体又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある高分子や、所謂デンドリマーであってもよい。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、Ara又はArbが異なっているものであってもよい。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基及びこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
Ara及びArbにおける芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シロキシ基、シアノ基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基などが挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)及び/又は下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
Xの具体例としては、―O―、―BR―、―NR―、―SiR2―、―PR―、―SR―、―CR2―又はこれらが結合してなる基である。尚、Rは、水素原子又は任意の有機基を表す。本発明における有機基とは、少なくとも一つの炭素原子を含む基である。
Arc〜Arjの具体例としては、前記式(II)における、Ara及びArbと同様である。
上記式(III−1)〜(III−3)の具体例及びポリアリーレン誘導体の具体例等は、特開2008−98619号公報に記載のものなどが挙げられる。
正孔輸送層形成用組成物には、上述の正孔輸送性化合物の他、溶剤を含有する。用いる溶剤は上記正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、塗布条件、加熱乾燥条件等も正孔注入層3の形成の場合と同様である。
正孔輸送層4は、上記正孔輸送性化合物の他、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
正孔輸送層4はまた、架橋性化合物を架橋して形成される層であってもよい。架橋性化合物は、架橋性基を有する化合物であって、架橋することにより網目状高分子化合物を形成する。
架橋性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。 架橋性
化合物は1種のみを有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で有していてもよい。
、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等の含窒素芳香族化合物誘導体;トリフェニルアミン誘導体;シロール誘導体;オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。その中でも、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体等の含窒素芳香族誘導体;トリフェニルアミン誘導体、シロール誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが好ましく、特に、トリフェニルアミン誘導体がより好ましい。
正孔輸送層形成用組成物には、架橋性化合物の他、架橋反応を促進する添加物を含んでいてもよい。架橋反応を促進する添加物の例を挙げると、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシムエステル化合物、アゾ化合物、オニウム塩等の重合開始剤及び重合促進剤;縮合多環炭化水素、ポルフィリン化合物、ジアリールケトン化合物等の光増感剤;などが挙げられる。
正孔輸送層形成用組成物は、架橋性化合物を通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下含有する。
塗布時の温度、湿度などの条件は、前記正孔注入層3の湿式塗布時と同様である。
塗布後の加熱の手法は特に限定されない。加熱温度条件としては、通常120℃以上、好ましくは400℃以下である。
光などの活性エネルギー照射による場合には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、赤外ランプ等の紫外・可視・赤外光源を直接用いて照射する方法、あるいは前述の光源を内蔵するマスクアライナ、コンベア型光照射装置を用いて照射する方法などが挙げられる。光以外の活性エネルギー照射では、例えばマグネトロンにより発生させたマイクロ波を照射する装置、いわゆる電子レンジを用いて照射する方法が挙げられる。照射時間としては、膜の溶解性を低下させるために必要な条件を設定することが好ましいが、通常、0.1秒以上、好ましくは10時間以下照射される。
このようにして形成される正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
{発光層}
正孔注入層3の上には通常発光層4が設けられる。発光層4は発光材料を含む層であり、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極6から電子注入層5を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる
発光源となる層である。発光層4は発光材料(ドーパント)と1種又は2種以上のホスト材料を含むことが好ましく、発光層4は本発明の含窒素複素環化合物をホスト材料として含むことが更に好ましく、真空蒸着法で形成していてもよいが、本発明の有機電界発光素子用組成物を用い、湿式成膜法によって作製された層であることが特に好ましい。
なお、発光層4は、本発明の性能を損なわない範囲で、他の材料、成分を含んでいてもよい。
上で、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下であり、更に好ましくは300nm以下である。また、発光層4以外の正孔注入層3や後述の電子注入層5の導電性が高い場合、発光層4に注入される電荷量が増加する為、例えば正孔注入層3の膜厚を厚くして発光層4の膜厚を薄くし、総膜厚をある程度の膜厚を維持したまま駆動電圧を下げることも可能である。
{正孔阻止層}
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号パンフレットに記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層6の材料として好ましい。
正孔阻止層6の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層6の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
発光層5と後述の電子注入層8の間に、電子輸送層7を設けてもよい。
電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層7の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層7の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
{電子注入層}
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率良く発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
電子注入層8の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
{陰極}
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8又は発光層5など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極9の膜厚は、通常、陽極2と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極9を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極9との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
<電子阻止層>
有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
効率を向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters, 1997年, Vol.70, pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE Transactions on Electron Devices, 1
997年,Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明に係る有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
本発明の有機電界発光素子は、有機ELディスプレイ又は有機EL照明に使用される。本発明により得られる有機電界発光素子は、例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社,平成16年8月20日発行,時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で有機ELディスプレイ及び有機EL照明を形成することができる。
(合成例1:化合物1の合成)
THF(3 mL)に削状マグネシウム(145 mg, 6.0 mmol)を加え、室温下でブロモベンゼン(973 mg, 6.2 mmol)のTHF溶液(1 mL)を穏やかに滴下した。滴下終了後、反応混合液を還流させながら1時間攪拌した。次いで、還流条件下で2-アミノ-5-ブロモベンゾニトリル(1.18
g, 6.0 mmol)のTHF溶液(1 mL)を穏やかに滴下し、さらに30分間攪拌を行った。その後反応混合液を0度まで冷却し、3-ブロモベンゾイルクロライド(658 mg, 3.0 mmol)のTHF溶
液(1 mL)を穏やか加えた後に、反応混合液を還流させながら1時間攪拌を行った。反応終了後、精製水にあけ、塩化メチレンで抽出した。有機層を精製水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下に溶剤を留去し、残渣をクロロホルム・ヘキサンにより再結晶を行い中間体1(444 mg)を得た。
窒素雰囲気下、中間体1(400 mg, 0.901 mmol)、3-(9-カルバゾリル)フェニルボロン酸(625 mg, 2.17mmol)のトルエン(2.7 mL)溶液に、2M-炭酸ナトリウム水溶液(1.4 mL)、エタノール(1.4 mL)を加え、10分間窒素を通して脱気を行った。混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(63 mg, 0.055 mmol)を添加し
、還流させながら3時間攪拌した。反応終了後、混合物を水にあけ、トルエンで抽出した。有機層を精製水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶剤を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物1(649 mg)を得た。
(合成例2:化合物2の合成)
ニル(4.89 g, 21.0 mmol)のTHF溶液(5 mL)を穏やかに滴下した。滴下終了後、反応混合液を還流させながら1時間攪拌した。次いで、還流条件下で2-アミノ-5-ブロモベンゾニト
リル(3.17g, 16.1 mmol)のTHF溶液(12.5 mL)を穏やかに滴下し、さらに30分間攪拌を行った。その後反応混合液を0度まで冷却し、3-ブロモベンゾイルクロライド(4.25 g, 19.4 mmol)のTHF溶液(12.5 mL)を穏やか加えた後に、反応混合液を還流させながら1時間攪拌
を行った。反応終了後、精製水にあけ、塩化メチレンで抽出した。有機層を精製水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下に溶剤を留去し、残渣にヘキサンを加えて固体を析出させ中間体2(4.8 g)を得た。
窒素雰囲気下、中間体2(1.0 g, 1.94 mmol)、3-(9-カルバゾリル)フェニルボロン酸(1.22 g, 4.26 mmol)にトルエン(5 mL)、2M-炭酸ナトリウム水溶液(2.5 mL)
、エタノール(2.5 mL)を加え、10分間窒素を通して脱気を行った。混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(115 mg, 0.10 mmol)を添加し、還流さ
せながら3時間攪拌した。反応終了後、混合物を水にあけ、トルエンで抽出した。有機層を精製水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶剤を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物2(1.01 g)を得た。
[有機電界発光素子の作製]
{測定方法}
<輝度半減期>
輝度半減期の測定方法は、作製した有機電界発光素子に、試験開始時の輝度が3000nitとなる直流一定電流を通電したときの輝度変化をフォトダイオードにより観察した。輝度値が試験開始時の半分、すなわち1500nitとなるまでの時間(輝度半減期)を求めた。通電試験は、室温を空調により23±1.5℃に制御した室内で行なった。
駆動電圧の測定方法は、作製した有機電界発光素子に、最初に直流一定電流を通電した
ときの輝度が、1000nitとなる電圧を測定した。
<発光効率>
発光効率の測定方法は、作製した有機電界発光素子に、1000nitとなる電流値を測定し発光効率を算出した。 以下、製造例、及び実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
図1に示す有機電界発光素子を作製した。
ガラス基板1上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を120nmの厚さに堆積したもの(三容真空社製、スパッタ成膜品)を、通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。
パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気で乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
まず、下の構造式(P1)に示す繰り返し構造を有する正孔輸送性高分子2重量%と、構造式(A1)に示す4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート0.4重量%を、溶剤としての安息香酸エチルに溶解した後、孔径0.2μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブレンフィルターを用いて濾過し、塗布組成物を作製した。この塗布組成物を上記ガラス基板上にスピンコートした。スピンコート条件として、スピナ回転数500rpm、2秒、そして2250rpm、30秒の2段階で行った。乾燥条件は下記の2つの加熱工程を経る。第1の加熱工程として、80℃で1分間加熱を行った後、第2の加熱工程として、230℃で1時間乾燥を行い、室温まで冷却することで、均質な膜厚30nmの薄膜を形成した。このようにして、膜厚30nmの正孔注入層3を形成した。尚、加熱の際用いた装置はオーブンである。
次いで、正孔輸送層4を以下のように湿式成膜法によって形成した。正孔輸送層の材料は、下記式(HT−1)の繰り返し構造を有する高分子化合物1.4重量%を、シクロヘキシルベンゼンに溶解させた組成物を調製し、孔径0.2μmPTFE製メンブレンフィルターを用いて濾過し、以下に示す条件で上記正孔注入層3上にスピンコートした。スピンコートは窒素雰囲気グローブボックス中にて行い、スピンコート条件として、スピナ回転数500rpm、2秒、そして1500rpm、120秒の2段階で行った。その後、窒素雰囲気グローブボックス中にて230℃で1時間乾燥を行うことで、均質な膜厚18.2nmの薄膜を形成した。尚、加熱の際用いた装置はホットプレートである。
次いで、発光層(有機層)を以下のように湿式成膜法によって形成した。発光層の材料は以下に示す材料H−1、H−2及びD−1、D−2を50対50対5対7の割合で混合し、この混合物4.8重量%をシクロヘキシルベンゼンに溶解させた組成物を調整し、孔径0.2μmPTFE製メンブレンフィルターを用いて濾過し、以下に示す条件で上記正孔輸送層4上にスピンコートした。
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を電子輸送層までを蒸着した有機層蒸着チャンバーから金属蒸着チャンバーへと移動し、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプと直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して、有機層蒸着時と同様にして装置内の真空度が3.7×10−4Pa以下になるまで排気した。
真空蒸着装置に連結された窒素グローブボックス中で、23mm×23mmサイズのガラス板の外周部に、約1mmの幅で光硬化性樹脂30Y−437(スリーボンド社製)を塗布し、中央部に水分ゲッターシート(ダイニック社製)を設置した。この上に、陰極形成を終了した基板を、蒸着された面が乾燥剤シートと対向するように貼り合わせた。その後、光硬化性樹脂が塗布された領域のみに紫外光を照射し、樹脂を硬化させた。
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
Claims (11)
- 上記式(1)中、R 1 が、フェニル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、9−アントリル基、9−フェナントリル基、または、ビフェニリル基から選ばれるものである、請求項1に記載の含窒素複素環化合物。
- 上記式(1)中、Lが、単結合、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、4,3’−ビフェニレン基、または、1、6−ナフチレン基から選ばれるものである、請求項1または2に記載の含窒素複素環化合物。
- 上記式(1)中、R 1 が、フェニル基、または、ビフェニリル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の含窒素複素環化合物。
- 上記式(1)中、Lが、1,3−フェニレン基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の含窒素複素環化合物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の含窒素複素環化合物からなることを特徴とする、有機電界発光素子用材料。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の含窒素複素環化合物、及び有機溶剤を含有することを特徴とする、有機電界発光素子用組成物。
- 陽極、陰極及び該陽極と該陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子であって、 該
有機層が、請求項7に記載の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法にて形成された層を含むことを特徴とする、有機電界発光素子 - 上記有機層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の含窒素複素環化合物を含有することを特徴とする、有機電界発光素子。
- 請求項8又は9に記載の有機電界発光素子を備えたことを特徴とする、有機ELディスプレイ。
- 請求項8又は9に記載の有機電界発光素子を備えたことを特徴とする、有機EL照明。
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