JP5558609B1 - コモンモードチョークコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】伝送ライン間の浮遊容量を小さくするとともに、ディファレンシャル電流で発生するディファレンシャルインダクタンスを抑制するコモンモードチョークコイルを提供する。
【解決手段】コモンモードチョークコイル1に、伝送ラインを構成する第1信号電線2および第2信号電線3と、第1信号電線2と第2信号電線3とが互いに縒り合わされた状態で巻き回される磁性体コア4と、磁性体コア4を磁気的に短絡するバーコア5とを設ける。磁性体コア41の顎部41,42には、それぞれ電極6,8および電極7,9を取り付ける。第1信号電線2および第2信号電線3の端部は、磁性体コア4に取り付けられた電極6,7,8,9に、それぞれ電気的に接続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁ノイズの対策などに使われる電子部品であるコモンモードチョークコイルの技術に関するものである。
従来より、差動信号伝送におけるノイズ対策として、コモンモードチョークコイルを用いる技術が提案されている。信号伝送ラインでノイズ対策に使われるコモンモードチョークコイルでは、両ライン間に浮遊容量が発生するという問題がある。また、ディファレンシャル電流でインダクタンスが発生すると伝送インピーダンスが高くなり、伝送する信号の波形が歪むという問題もある。すなわち、信号品質(SI:Signal Integrity)を向上させるためには、伝送線路間の浮遊容量が小さく、かつ、ディファレンシャル電流で発生するインダクタンスが小さいコモンモードチョークコイルが求められている。
一般的なバイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルでは、2本のラインが交互に隣接する状態で巻かれており、それぞれのラインがコイルを形成している。そして、このようなコモンモードチョークコイルにおいて、インピーダンスを大きくするためには、巻数を増やす必要がある。しかし、バイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルは、2本のラインが近接して巻かれているため、巻数を増やすと、両ライン間の浮遊容量が増大する。
そこで、インピーダンスを大きくしても(巻数を増やしても)浮遊容量を増大させることのないコモンモードチョークコイルが、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されているコモンモードチョークコイルは、各ラインにより形成されるコイルが直線上に分割して配置される構造である。すなわち、各コイルがコアの両端に離れて存在しているため、両ラインが近接する部分は少なく、巻数を増やしても当該部分は増加しない。
特開2013−062477号公報
ところが、特許文献1に記載されている技術をもってしても、さらなる伝送速度の高速化に対応するためには、両ライン間の浮遊容量を小さくするだけでは信号品質が充分でないという問題があった。
例えば、両ラインによってそれぞれ形成されるコイルの回路における結合係数(理想的には1.0)が低下することによっても、伝送される信号品質は低下する。特に、特許文献1に記載されているコモンモードチョークコイルでは、両コイルが離れて配置されているため浮遊容量は下げられるが、結合係数が小さくなり、これによって差動信号の波形が歪むという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高速電送における信号でも波形を歪ませずに差動信号ラインのノイズ対策をすることが可能なコモンモードチョークコイルに関する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、コモンモードチョークコイルであって、1本の電線から成る第1信号電線と、1本の電線から成る第2信号電線と、前記第1信号電線と前記第2信号電線とが互いに縒り合わされた状態で巻き回される磁性体コアとを備える。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るコモンモードチョークコイルであって、前記第1信号電線の前記磁性体コアに対する巻き方向と、前記第2信号電線の前記磁性体コアに対する巻き方向とが同じ方向である。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係るコモンモードチョークコイルであって、前記第1信号電線と前記第2信号電線とが縒り合わされる回数が2以上である。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係るコモンモードチョークコイルであって、縒り合わされた状態の前記第1信号電線および第2信号電線が前記磁性体コアに巻き回される回数が2以上である。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係るコモンモードチョークコイルであって、互いに縒り合わされた状態の前記第1信号電線および前記第2信号電線は、前記磁性体コアに対して直接巻き回される。
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明に係るコモンモードチョークコイルであって、互いに縒り合わされた状態の前記第1信号電線および前記第2信号電線のみが前記磁性体コアに対して巻き回される。
請求項1ないしに記載の発明は、1本の電線から成る第1信号電線と1本の電線から成る第2信号電線とが互いに縒り合わされた状態で巻き回される磁性体コアを備えることにより、浮遊容量を抑制しつつ、第1信号電線により形成されるコイルと第2信号電線により形成されるコイルとの結合係数の低下を抑制することができる。
コモンモードチョークコイルを示す図である。 図1に示すコモンモードチョークコイルを(−Z)側から(+Z)方向に向かって見た状態を示す図である。 図1に示すコモンモードチョークコイルを(+X)側から(−X)方向に向かって見た図である。 コモンモードチョークコイルの製造方法を示す流れ図である。 従来のバイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルにおいて、コモンモードインピーダンスと浮遊容量との関係を例示する図である。 浮遊容量が0[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。 浮遊容量が1[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。 浮遊容量が2[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。 浮遊容量が5[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。 浮遊容量が10[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。 コモンモードチョークコイルのインピーダンスの周波数特性を示す図である。 コモンモードチョークコイルに差動信号を入力したときのシミュレーション結果を示す図である。 図12に示すシミュレーション結果を得たときの回路を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。ただし、以下の説明において特に断らない限り、方向や向きに関する記述は、当該説明の便宜上、図面に対応するものであり、例えば実施品、製品または権利範囲等を限定するものではない。
<1. 実施の形態>
図1は、コモンモードチョークコイル1を示す図である。また、図2は、図1に示すコモンモードチョークコイル1を(−Z)方向から(+Z)方向に向かって見た状態を示す図である。さらに、図3は、図1に示すコモンモードチョークコイル1を(+X)方向から(−X)方向に向かって見た図である。
図1ないし図3に示すように、コモンモードチョークコイル1は、第1信号電線2と、第2信号電線3と、磁性体コア4と、バーコア5と、4つの電極6,7,8,9とを備えている。本実施の形態におけるコモンモードチョークコイル1は、チップ状の電子部品であり、信号を伝送するときのコモンモードにおけるノイズを除去するための電子部品として構成されている。
磁性体コア4は、例えば、フェライトなどの磁性体材料で構成された部材である。本実施の形態における磁性体コア4は、当該磁性体材料によって一体成形された部材(一体構造物)であるが、例えば、複数の部品を組み合わせる構造であってもよい。磁性体コア4には、略円筒形状の部分を構成する中芯部40と、略直方体形状の部分を構成する顎部41,42とが形成されている。
磁性体コア4の中芯部40は、円筒の中心軸がX軸方向と略平行となるように配置されている。言い換えれば、中芯部40は、磁性体コア4において、X軸方向に沿って延びる向きに配置されている。図1および図2に示すように、中芯部40の円筒側面には、第1信号電線2と第2信号電線3とが互いに縒り合わされた状態で巻き回されている。
本実施の形態における顎部41および顎部42は、磁性体コア4に形成れる略同一形状の部分であり、図3に示すように、YZ平面に平行な断面が正方形の一部を切り欠いた形状となっている。すなわち、顎部41および顎部42の(−Z)側には、それぞれ2本の橋脚状の突起部((−Z)方向に突出した部分。以下、単に「突起部」と称する。)が形成されている。そして、各突起部の(−Z)側の先端部分は、XY平面に略平行な平面を形成している。
磁性体コア4の顎部41は、X軸方向に沿って延びる中芯部40の(−X)側端部に形成される部分である。顎部41の2本の突起部の先端部には、XY平面に略平行となるように、それぞれ薄板状の電極6および電極8が取り付けられている。本実施の形態では、電極6が(−Y)側に配置されており、電極8が(+Y)側に配置されている。また、顎部41において、電極6と電極8とは、互いに接することなく絶縁されている。
磁性体コア4の顎部42は、X軸方向に沿って延びる中芯部40の(+X)側端部に形成される部分である。顎部42の2本の突起部の先端部には、XY平面に略平行となるように、それぞれ薄板状の電極7および電極9が取り付けられている。本実施の形態では、電極7が(−Y)側に配置されており、電極9が(+Y)側に配置されている。また、顎部42において、電極7と電極9とは、互いに接することなく絶縁されている。
図1および図2に示すように、第1信号電線2と第2信号電線3とは、磁性体コア4に巻き回される部分(巻線を形成する部分)において、互いに縒り合わされた状態となっている。より詳細には、当該部分において、第1信号電線2と第2信号電線3とが縒り合わされる回数は2以上である。また、第1信号電線2および第2信号電線3は、磁性体コア4に直巻きされている。
また、詳細は図示していないが、第1信号電線2および第2信号電線3は、いずれも絶縁性の皮膜(例えば、エナメルなどの誘電率の低い素材が好ましい。)により被覆されている。したがって、第1信号電線2と第2信号電線3とは、少なくとも磁性体コア4に対する巻線を形成する部分において、互いに絶縁されている。すなわち、第1信号電線2と第2信号電線3とは、巻線を形成する部分において、いわゆるツイストペア線を構成している。
なお、巻線としての第1信号電線2および第2信号電線3は、互いに略同一の長さであることが好ましい。例えば、第1信号電線2を直線状に配置し、これに第2信号電線2を螺旋状に巻き付けると、第1信号電線2の巻線としての長さと第2信号電線3の巻線としての長さとが異なる状態となるため好ましくない。また、浮遊容量の位置による乱れ(不均一)を抑制するためには、単位長さ当たりの縒り数が均等になるように縒ることが好ましい。逆に、浮遊容量において位置による乱れが生じる場合には、単位長さ当たりの縒り数を調整して、浮遊容量が均等になるように構成してもよい。
第1信号電線2と第2信号電線3とが磁性体コア4に対する巻線を形成している部分においては、互いに縒り合わされた第1信号電線2および第2信号電線3は、磁性体コア4の中芯部40の円筒外周面に沿って、螺旋を描くように当該中芯部40に複数回(2以上)巻き付けられている。これによって、第1信号電線2の磁性体コア4に対する巻き方向と、第2信号電線3の磁性体コア4に対する巻き方向とが常に同じ方向となっている。また、第1信号電線2の磁性体コア4に対する巻き方向、および、第2信号電線3の磁性体コア4に対する巻き方向は、いずれも途中で変化することなく、一定の方向に巻かれている。
図2に示すように、第1信号電線2の(−X)側の端部は、電極8の(+X)側の面に電気的に接続されている。また、第1信号電線2の(+X)側の端部は、電極9の(−X)側の面に電気的に接続されている。同様に、第2信号電線3の(−X)側の端部は、電極6の(+X)側の面に電気的に接続されている。また、第2信号電線3の(+X)側の端部は、電極7の(−X)側の面に電気的に接続されている。これにより、電極6,7,8,9は、コモンモードチョークコイル1に対する入出力端子を構成している。
バーコア5は、磁性体コア4と同様に磁性体の材料で形成される部材であって、図1に示すように、磁性体コア4の顎部41と顎部42との間に掛け渡される部材である。バーコア5は、顎部41および顎部42に、例えば、適当な接着剤などで接合される。バーコア5は、磁性体コア4の両端(顎部41,42)を、磁気的に短絡して閉回路を形成する機能を有している。
以上が、コモンモードチョークコイル1の構造の説明である。次に、コモンモードチョークコイル1の製造方法について説明する。
図4は、コモンモードチョークコイル1の製造方法を示す流れ図である。図4に示す工程が開始されるまでに、第1信号電線2、第2信号電線3、磁性体コア4およびバーコア5が、それぞれ部品として別途製造されており、かつ、磁性体コア4の各突起部には所定の電極6,7,8,9がすでに取り付けられているものとする。これらの製造方法は、従来の技術を適宜採用できるため、ここでは説明を省略する。
まず、第1信号電線2と第2信号電線3とを互いに縒り合わせる(ステップS1)。ステップS1に示す工程は、例えば、従来より縒り線(ツイストペア線)を製造する工程と同様の工程により実現することができる。
次に、縒り合わされた状態の第1信号電線2および第2信号電線3の同一方向端部(対を形成する端部)をそれぞれ適当な長さとなるように引き出して、溶着などにより所定の電極に接続する(ステップS2)。本実施の形態では、ステップS2において、第1信号電線2の端部を電極8に接続し、第2信号電線3の端部を電極6に接続する。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、第1信号電線2の端部を電極9に接続し、第2信号電線3の端部を電極7に接続してもよい。
ステップS2が終了すると、中芯部40の円筒中心軸を回転の中心軸として磁性体コア4を回転させ、当該中芯部40に、縒り合わされた状態の第1信号電線2および第2信号電線3を巻き取らせる(ステップS3)。これにより、縒り合わされた状態の第1信号電線2および第2信号電線3が磁性体コア4に巻き回される。
従来の技術では、磁性体コアに対して、一対の信号線を別々に巻き回したり、互いに逆向きに巻いたりする必要があったため、その製造工程が複雑化し、コスト増を招来するという問題があった。しかし、本実施の形態におけるコモンモードチョークコイル1は、第1信号電線2および第2信号電線3の磁性体コア4に対する巻き方向が同一である。これにより、コモンモードチョークコイル1を製造するときには、第1信号電線2および第2信号電線3をあたかも1本の信号線のように扱い、いわば2つの信号電線を束ねた状態で一気に巻き回すことができる。したがって、コモンモードチョークコイル1の製造方法は、従来の技術に比べて簡素であり、コモンモードチョークコイル1の製造コストを抑制することができる。
次に、第1信号電線2および第2信号電線3の残りの端部をそれぞれ適当な長さに引き出して、電極に接続する(ステップS4)。例えば、ステップS4において、第1信号電線2の端部を電極9に接続し、第2信号電線3の端部を電極7に接続する。ステップS4を実行することにより、第1信号電線2および第2信号電線3の、磁性体コア4への取り付けが完了する。
第1信号電線2および第2信号電線3の取り付け(巻き回し)が完了すると、適当な接着剤などを用いて、バーコア5を磁性体コア4の顎部41,42に接合する(ステップS5)。バーコア5を取り付けることにより、磁性体コア4の両端(顎部41,42)を、磁気的に短絡させることができる。
以上のように、図4に示す製造方法を実施することによって、コモンモードチョークコイル1を製造することができる。また、当該製造方法は、複雑な工程を要することなく、コモンモードチョークコイル1を製造することができるので、製造されるコモンモードチョークコイル1のコストを抑制することができる。
一般的に、コモンモードチョークコイルにおいて信号品質(SI)の低下は、信号線間の浮遊容量の発生や、ディファレンシャルインダクタンスの発生による特性インピーダンスの乱れ、あるいは、2つのコイル間の結合係数など、様々な要因が複雑に影響して生じるものである。従来のバイファイラー巻き(2本の信号線が交互に配置されるように巻く方式)のコモンモードチョークコイルにおいて、浮遊容量は巻線の長さに比例し、コモンモードインダクタンスは線の長さの2乗に比例する。
図5は、従来のバイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルにおいて、コモンモードインピーダンスと浮遊容量との関係を例示する図である。
従来のバイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルでは、100[MHz]におけるコモンモードインピーダンスを260[Ω]としたとき、発生する浮遊容量は、3.8[pF]程度であった。また、このときの両ライン間の結合係数は0.987であった。従来のバイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルは、両ラインが近接して配置されおり、両ライン間の結合は高い。
図6ないし図10は、ライン間の浮遊容量の値によって差動信号の波形がどのように変化するかを例示する図である。図6は、浮遊容量が0[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。図7は、浮遊容量が1[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。図8は、浮遊容量が2[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。図9は、浮遊容量が5[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。図10は、浮遊容量が10[pF]のときの差動信号の波形を示す図である。なお、図6ないし図10に示す例は、伝送速度が500[Mbps]、特性インピーダンスが100[Ω]のときの波形を示している。
図6ないし図10によれば、浮遊容量が大きくなるにしたがって差動信号の波形が大きく歪むことがわかる。一般に、浮遊容量を2[pF]以内に抑制しなければ、コモンモードチョークコイルとして実用に耐える製品とはならない。そして、浮遊容量を2[pF]以内とするには、従来のバイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルでは、100[MHz]におけるコモンモードインピーダンスを100[Ω]程度にしか大きくすることができない(図5参照)。
一方、特開2013−062477号公報に記載されている分割巻きのコモンモードチョークコイルでは、100[MHz]におけるコモンモードインピーダンスを283[Ω]としたとき、発生する浮遊容量が、1.5[pF]である例が示されている。すなわち、分割巻きのコモンモードチョークコイルは、従来のバイファイラー巻きに比べて、浮遊容量が1/2ないし1/3程度にまで低下する。また、このときの両ライン間の結合係数は0.857である。分割巻きのコモンモードチョークコイルは、両ラインがコアの両端に離れて配置されているため、両ライン間の結合係数は低くなると考えられる。
本実施の形態におけるコモンモードチョークコイル1は、第1信号電線2と第2信号電線3とを互いに縒り合わせた状態で巻き付ける構造であり、100[MHz]におけるコモンモードインピーダンスを240[Ω]としたとき、発生する浮遊容量は、1.59[pF]であった。このように、コモンモードチョークコイル1は、従来のバイファイラー巻きに比べて、浮遊容量が1/2ないし1/3程度にまで低下することが実験により確かめられた。また、このときの両ライン間の結合係数は0.97であった。
すなわち、浮遊容量を抑制する性能に関して、コモンモードチョークコイル1は、分割巻きのコモンモードチョークコイルと同等であることが分かった。また、コモンモードチョークコイル1における結合係数については、従来のバイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルと同等であることが分かった。本実施の形態におけるコモンモードチョークコイル1は、第1信号電線2と第2信号電線3とが互いに近接して配置されるため、結合係数が高いと考えられる。
本実施の形態におけるコモンモードチョークコイル1は、従来のバイファイラー巻きのコモンモードチョークコイルに比べて浮遊容量が1/2ないし1/3程度にまで低下することから、巻き数を増やして線の長さを延ばし、同程度の浮遊容量で、2の2乗倍(4倍)から3の2乗倍(9倍)程度のコモンモードインピーダンスとすることができる。また、この場合の結合係数も高く、結合係数の低下による信号品質の低下も抑制されている。したがって、本実施の形態におけるコモンモードチョークコイル1を用いれば、高速伝送においても、有効なノイズ対策が可能となる。
図11は、コモンモードチョークコイル1のインピーダンスZ[Ω]の周波数特性を示す図である。図11では、ノーマルモードにおける周波数特性と、コモンモードにおける周波数特性とを示す。
図11を見れば、コモンモードチョークコイル1は、同一の周波数において、ノーマルモードにおけるインピーダンスとコモンモードにおけるインピーダンスとの差は大きいことがわかる。したがって、コモンモードチョークコイル1は、周波数が500[MHz]程度においても、充分な特性を備えている。
図12は、コモンモードチョークコイル1に差動信号を入力したときのシミュレーション結果を示す図である。また、図13は、図12に示すシミュレーション結果を得たときの回路を示す図である。
図12を見れば、コモンモードチョークコイル1において、500[Mbps]における差動信号の立ち上がりは急峻であり、差動信号の歪みが抑制されている。したがって、高速伝送におけるノイズ対策においてコモンモードチョークコイル1が有効であることがわかる。
以上のように、本実施の形態におけるコモンモードチョークコイル1は、第1信号電線2と、第2信号電線3と、第1信号電線2と第2信号電線3とが互いに縒り合わされた状態で巻き回される磁性体コア4とを備えることにより、浮遊容量を抑制しつつ、第1信号電線2により形成されるコイルと第2信号電線3により形成されるコイルとの結合係数の低下を抑制することができる。したがって、従来の技術に比べて、高速伝送においても有効なノイズ対策が可能となる。
また、コモンモードチョークコイル1は、第1信号電線2の磁性体コア4に対する巻き方向と、第2信号電線3の磁性体コア4に対する巻き方向とが同じ方向であることにより、製造工程を簡素化することができる。
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、上記実施の形態に示した各工程は、あくまでも例示であって、同様の効果が得られるならば、適宜、順序や内容が変更されてもよい。例えば、縒り線を磁性体コア4に巻くときに、磁性体コア4を固定して縒り線を移動させてもよい。あるいは、第1信号電線2と第2信号電線3とを縒り合わせながら、磁性体コア4を回転させることにより巻き回してもよい。すなわち、縒り合わせる工程と巻き回す工程とが同時並行的に実行されてもよい。
また、上記実施の形態では、第1信号電線2と第2信号電線3とが互いに縒り合わされたままで磁性体コア4の中芯部40に巻き回されている例について説明した。しかし、例えば、第1信号電線2と第2信号電線3とを縒り合わせた状態で、さらに、誘電率の小さい絶縁材料で被覆絶縁し、外見上、第1信号電線2および第2信号電線3とが1本のケーブルを構成しているかのように構成してから、磁性体コア4に巻き回してもよい。このような構造を採用することにより、巻線(第1信号電線2および第2信号電線3)の乱れや緩みを緩和することができる。
また、第1信号電線2および第2信号電線3の端部を、それぞれ電極6,7,8,9に電気的に接続するときに、必ずしも電極6,7,8,9の側面(YZ平面に略平行な面)に接続しなければならないわけではない。例えば、(−Z)側に露出した面(底面)に接続してもよい。すなわち、製造工程(組み立て工程)が簡素化でき、かつ、接続箇所(溶接箇所)が容易に外れたりしないように取り付けられるのであれば、どのように接続してもよい。
1 コモンモードチョークコイル
2 第1信号電線
3 第2信号電線
4 磁性体コア
40 中芯部
41,42 顎部
5 バーコア
6,7,8,9 電極

Claims (6)

  1. 1本の電線から成る第1信号電線と、
    1本の電線から成る第2信号電線と、
    前記第1信号電線と前記第2信号電線とが互いに縒り合わされた状態で巻き回される磁性体コアと、
    を備えるコモンモードチョークコイル。
  2. 請求項1に記載のコモンモードチョークコイルであって、
    前記第1信号電線の前記磁性体コアに対する巻き方向と、前記第2信号電線の前記磁性体コアに対する巻き方向とが同じ方向であるコモンモードチョークコイル。
  3. 請求項1または2に記載のコモンモードチョークコイルであって、
    前記第1信号電線と前記第2信号電線とが縒り合わされる回数が2以上であるコモンモードチョークコイル。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルであって、
    縒り合わされた状態の前記第1信号電線および第2信号電線が前記磁性体コアに巻き回される回数が2以上であるコモンモードチョークコイル。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルであって、
    互いに縒り合わされた状態の前記第1信号電線および前記第2信号電線は、前記磁性体コアに対して直接巻き回されるコモンモードチョークコイル。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルであって、
    互いに縒り合わされた状態の前記第1信号電線および前記第2信号電線のみが前記磁性体コアに対して巻き回されるコモンモードチョークコイル。
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