JP5555925B2 - 結晶性金属酸化物構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶性の金属酸化物でなる粒子(以下、これを結晶性金属酸化物粒子と呼ぶ)からなる構造体(以下、これを結晶性金属酸化物構造体と呼ぶ)の製造方法に関し、例えばチタニア(二酸化チタン)からなる結晶性金属酸化物構造体の製造に適用して好適なものである。
一般的にチタニアは、紫外線吸収性や吸着性等について優れた特性を有することから、顔料や塗料、化粧料、紫外線遮断材、触媒、触媒担体、各種のエレクトロニクス材料等、様々な分野に利用されている。そして、近年では、このようなチタニアからなる微小な粒子(以下、これをチタニアナノ粒子と呼ぶ)を溶液中に分散させたチタニアゾル等の製造方法について考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭64−3020号公報
しかしながら、このようなチタニアナノ粒子等の結晶性金属酸化物粒子を配列制御させるための手法は未だ確立されていないのが現状である。
そこで、本発明は以上の点を考慮してなされたもので、結晶性金属酸化物粒子を配列制御させ、結晶性金属酸化物粒子の利用分野を従来よりも一段と拡大し得る結晶性金属酸化物構造体の製造方法を提案することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明の請求項1は、チタニアナノ粒子を含有した溶液pH1〜4に調整したチタニアゾルに、一次元構造体形成能を有するブロックコポリマーを溶解させた反応溶液、または、酸化スズナノ粒子を含有した溶液に前記ブロックコポリマーを溶解させた酸化スズゾルを、pH7〜9に調整した反応溶液を生成する溶解ステップと前記反応溶液加熱し結晶性金属酸化物粒子である前記チタニアナノ粒子または前記酸化スズナノ粒子が一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体を生成する生成ステップとを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2は、前記溶解ステップにおける前記pHと、前記生成ステップにおける前記加熱温度及び前記加熱時間とを調整することにより、前記結晶性金属酸化物粒子を一次元配列させた状態で、隣接する前記結晶性金属酸化物粒子を所定の強度で連結させることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3は、前記溶解ステップは、前記チタニアナノ粒子を含有した溶液を透析によりpH調整することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4は、前記生成ステップでは、前記チタニアナノ粒子の反応溶液を25〜190℃の加熱温度で1〜30日間に渡って加熱することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5は、前記生成ステップでは、前記酸化スズナノ粒子の反応溶液を40〜80℃の加熱温度で1〜30日間に渡って加熱することを特徴とするものである。
本発明の請求項1の結晶性金属酸化物構造体の製造方法によれば、結晶性金属酸化物粒子を配列制御させることができ、かくして結晶性金属酸化物粒子の利用分野を従来よりも一段と拡大し得る。
本発明による結晶性金属酸化物構造体の全体構成を示すSEM像である。 チタニアナノ粒子生成処理手順を示すフローチャートである。 結晶性金属酸化物構造体生成処理手順を示すフローチャートである。 透析の説明に供する概略図である。 F127の化学式を示す概略図である。 結晶性金属酸化物構造体の検証手順を示すフローチャートである。 焼成前後の結晶性金属酸化物構造体のXRDパターンを示すグラフである。 pHを1.6、3.38、3.58又は4.0に調整したチタニアゾルをそれぞれ用いたときのSEM像である。 F127の添加量を0.1、0.3、0.5、0.7又は1.0に調整したときのSEM像である。 加熱時間を1日、2日、7日又は14日としたときのSEM像である。 加熱温度を80℃、100℃、120℃、150℃、175℃又は190℃としたときのSEM像である。 加熱時間とpHとの関係を示すグラフである。 pHを7.0、8.0又は9.0に調整した酸化スズゾル内における結晶性金属酸化物構造体の構成を示すSEM像である。 pHを8.0に調整した酸化スズゾル内における結晶性金属酸化物構造体の構成を示すTEM像と、電子線回折像である。
1 結晶性金属酸化物構造体
2 チタニアナノ粒子(結晶性金属酸化物粒子)
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。
(1)結晶性金属酸化物構造体の全体構成
図1は本発明による結晶性金属酸化物構造体1を走査型顕微鏡により撮影したSEM(Scanning Electron Microscope)像である。図1に示すように、各結晶性金属酸化物構造体1は、それぞれ複数のチタニアナノ粒子2が直線状又は曲線状に一列に並んでボールチェーン状に配列(以下、これを一次元配列と呼ぶ)され、かつ隣接するチタニアナノ粒子2が所定の強度で連結されている。
このような結晶性金属酸化物構造体1は、後述する生成過程における溶液中のpH変化や、生成過程中の加熱温度、加熱時間、一次元構造体形成物質の含有量によりチタニアナノ粒子2の連結個数や一次元配列の状態が変化し得る。
この実施の形態の場合、チタニアナノ粒子2は、チタニアからなり、球状でその粒子径が約5〜8nm程度のナノサイズにまで粒径制御された構成を有する。そして、チタニアナノ粒子2は、数個から数十個を1つの単位として結晶性金属酸化物構造体1を形成し、例えば超音波等の外力が加えられても分散し得ない程度の堅さで互いに連結されている。
(2)結晶性金属酸化物構造体の製造方法
このような本発明による結晶性金属酸化物構造体1は、先ず始めに粒子状のチタニアナノ粒子2を生成しておき、後述する結晶性金属酸化物構造体生成処理手順に従って、複数個のチタニア3を一次元配列の状態で連結させることにより生成され得る。ここでは、先ず始めにチタニアナノ粒子2を生成するチタニアナノ粒子生成処理について説明した後、当該チタニア3を用いて結晶性金属酸化物構造体1を生成する結晶性金属酸化物構造体生成処理について順に説明する。
(2−1)チタニアナノ粒子生成処理手順
ここで、チタニアナノ粒子2の典型的な生成手順について、図2に示すフローチャートを用いて以下説明する。図2に示すように、開始ルーチンRT1から次のステップSP1に移り、例えば11.7〜15.2mlの水に130〜220gの2−プロパノールを含有させた水溶液5を用意し、当該水溶液5に9.6〜12gのチタンイソプロポキシド(Ti(iOPr)4)を加えて室温で激しく攪拌して溶解させ、加水分解した加水分解溶液6を生成し、次のステップSP2に移る。
ステップSP2において、ステップSP1の加水分解溶液6を濾過して沈殿物7を得、次のステップSP3において、沈殿物7を数回洗浄することにより、余分な2−プロパノールを取り除いた洗浄沈殿物を生成し、次のステップSP4へ移る。ステップSP4において、所定量の水10に洗浄沈殿物11を再分散させて洗浄沈殿物含有溶液12を生成し、次のステップSP5に移る。
ステップSP5において、洗浄沈殿物含有溶液12に所定量の硝酸(HNO)を加えて、H+/Ti4+比を0.5〜1.0に調整した混合溶液を生成した後、この混合溶液を室温で所定時間攪拌してペプチゼーション(解膠)することによりコロイド状のチタニアゾル14を生成し、上述したチタニアナノ粒子生成処理手順を終了する(ステップSP6)。このようにして生成されたチタニアゾル14には、ナノサイズからなる球状のチタニアナノ粒子2が溶液中に分散しており、チタニア結晶が安定して存在している。
(2−2)結晶性金属酸化物構造体生成処理手順
次に、上述したチタニアナノ粒子生成処理手順に従って生成したチタニアナノ粒子2を用いて、当該チタニアナノ粒子2が一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体1を生成する結晶性金属酸化物構造体生成処理手順について、図3に示すフローチャートを用いて以下説明する。先ず初めに、開始ルーチンRT2から次のステップSP11に移り、上述したチタニアナノ粒子生成処理手順により得たコロイド状のチタニアゾル(チタニアナノ粒子2を含有した溶液)14を、透析によりpH1〜4にpH調整する。
この場合、図4に示すように、例えば蒸留水20を入れたビーカ21内に、チタニアゾル14を封入したセロハンチューブ22を投入する。次いで、マグネチックスターラー(図示せず)により磁力を利用してビーカ21内の攪拌子23を回転させ、蒸留水20を攪拌することにより透析し、セロハンチューブ22内のチタニアゾル14をpH1〜4に調整する。
ここで、チタニアゾル14は、pHが1未満のとき、チタニアナノ粒子2表面の正電荷の密度(水素イオン)が非常に高くなり、チタニアナノ粒子2間の斥力的な相互作用のため、後述する熱処理後において当該チタニアナノ粒子2が一次元配列の状態とはならない。一方、チタニアゾル14は、pHが4を超えるとき、チタニアナノ粒子2表面の正電荷の密度が下がり、当該チタニアゾルのpHがチタニアナノ粒子2の等電点に近くなると、後述する熱処理後において、チタニアナノ粒子2が一次元配列せずに複数のチタニアナノ粒子2が密集して固まった凝集体となる。従って、チタニアゾルのpHは1〜4、好ましくは3.5〜4であることが好ましい。
次いで、ステップSP12において、pH調整したチタニアゾルに所定量のブロックコポリマーを添加した後、ステップSP13において、熱処理によってチタニアゾルにブロックコポリマーを溶解させることにより反応溶液を生成する。この際、例えば25〜190℃の加熱温度に維持した状態で、1〜30日間の加熱時間撹拌しながらチタニアゾルにブロックコポリマーを溶解させてゆき、反応溶液を生成する。また、加熱時間は、pH3.5〜4としたとき、長くすると、チタニアナノ粒子2が連結する個数が次第に多くなるものの、長くし過ぎると、一次元配列した複数のチタニアナノ粒子2同士が連結して凝集し、凝集体となり得る。従って、加熱時間は、凝集体とならない、30日未満であることが好ましい。
ブロックコポリマーの添加量は、チタニアゾル14中のチタニアの量を基準とし、チタニア(TiO):ブロックコポリマー=1:x(w:w(質量比))とした場合、xは0.1〜1.0であることが好ましい。すなわち、xが0.1未満のときには、チタニアナノ粒子2表面へのF127の吸着量が少なく、チタニアナノ粒子2が一次元配列せずに単分散した状態となり、一方、xが1.0を超えるときには、チタニアナノ粒子2表面へのF127の吸着量が多くなり、一次元配列したチタニアナノ粒子2が凝集して凝集体となることから、xは0.1〜1.0であることが好ましい。
ここで、ブロックコポリマーとは、相異なる性質を持つポリマーを化学結合させた分子である。具体的にブロックコポリマーとしては、RO−(RO)−(RO)−(RO)−Rで表されるトリブロックコポリマーや、RO−(RO)−(RO)−Rで表されるジブロックコポリマーを適用できる。この場合、R及びRは、H、又は炭素数1〜6の低級アルキレン基を表し、R、R及びRは、炭素数2〜6の低級アルキレン基を表し、s、t及びuは2〜200の数を表す。なお、このようなブロックコポリマーは、例えば、BASF社からPluronicシリーズとして販売されている。
また、他のブロックコポリマーとしては、親水ブロックをポリエチレンオキシド(以下、PEOと呼ぶ)とし、疎水ブロックをポリスチレン(以下、PSと呼ぶ)又はポリイソプレン(以下、PIと呼ぶ)としたブロックコポリマーを適用でき、この場合、PEO−PS(又はPI)−PEOからなるトリブロックコポリマーと、PEO−PS(又はPI)からなるジブロックブロックコポリマーとがあり、PEOブロックの重合度は2〜200で表され、PS(又はPI)ブロックの重合度は2〜50で表される。
そして、このようにして生成した反応溶液中には、数個から数十個のチタニアナノ粒子2が一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体1が生成され得る(ステップSP14)。
(3)作用及び効果
以上の構成において、球状のチタニアナノ粒子2が分散しているチタニアゾル14のpHを所定のpHに調整すると供に、このチタニアゾル中にブロックコポリマーを所定量添加し、所定の加熱時間に亘って所定の加熱温度で加熱する。これにより、分散していたチタニアナノ粒子2が一次元配列し、かつ隣接するチタニアナノ粒子2が外力を加えても分散し得ない程度の堅さで連結した結晶性金属酸化物構造体1を反応溶液中に生成できる。かくして、分散しているチタニアナノ粒子2を配列制御することで、従来よりも各種用途に利用できるようになり、チタニアナノ粒子2の利用分野を従来よりも一段と拡大し得る結晶性金属酸化物構造体1を提供できる。
また、この結晶性金属酸化物構造体1では、生成過程において、チタニアゾル14のpHを1〜4に調整することにより、チタニアナノ粒子2を1本の鎖状に一次元配列させ、この状態のままチタニアナノ粒子2を連結させることができる。さらに、結晶性金属酸化物構造体1では、生成過程において、熱処理の際の加熱温度を上げることにより、複数の一次元配列状態のチタニアナノ粒子2を凝集させることができ、かくしてチタニアナノ粒子2の密度が高い凝集体たる結晶性金属酸化物構造体(後述の実施例「(5−4)加熱温度」で示す)を形成することができる。
また、結晶性金属酸化物構造体1では、チタニアナノ粒子2の一次元配列状態を制御することにより、当該チタニアナノ粒子2の密度を制御し、これにより誘電率や屈折率を容易に制御することができ、さらに光触媒作用や紫外線遮蔽作用等の特性についても制御することができる。
(4)結晶性金属酸化物構造体の製造
次に、上述した結晶性金属酸化物構造体1が生成できることについて検証を行った。先ず初めに、図2に示したフローチャートに従ってチタニアナノ粒子2を生成した。ここでは、14mlの水に130gの2−プロパノールを溶解させた水溶液を生成した後、この水溶液に12gのチタンイソプロポキシド(Ti(iOPr)4)を加えて室温で激しく攪拌して溶解させ、加水分解した加水分解溶液を生成した。
次いで、この水溶液を濾過して沈殿物を得、得られた沈殿物を水で何度も洗浄して、当該沈殿物から余分な2−プロパノールを取り除いた洗浄沈殿物を生成した。そして、183mlの水に洗浄沈殿物を再分散させた洗浄沈殿物含有溶液を生成し、この洗浄沈殿物含有溶液のH+/Ti4+比が0.5となるように、当該洗浄沈殿物含有溶液に硝酸(HNO)を加え、混合溶液を生成した。
次いで、この混合溶液を室温で3日間攪拌してペプチゼーション(解膠)することによりコロイド状のチタニアゾルを生成した。このようにして得られたチタニアゾルは、半透明なライブルー色からなり、ナノサイズからなる球状のチタニアナノ粒子2が溶液中に分散していた。
次に、図3に示したフローチャートに従って、このチタニアゾルを用いて結晶性金属酸化物構造体1を生成した。具体的には、蒸留水を入れたビーカに、チタニアゾルを封入したセロハンチューブを投入し、マグネチックスターラーによりビーカ内の攪拌子を回転させて、蒸留水を攪拌して透析することにより、当該チタニアゾルをpH4に調整した。
次いで、ブロックコポリマーとして、図5に示すようなF127(プルロニック(Pluronic)F127)をチタニアゾルに添加した。因みに、図5において、MWは分子量を示し、HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance:親水疎水比)は界面活性剤の特性を示し、CMC(critical micelle concentration)は臨界ミセル濃度を示す。また、F127の添加量は、チタニアゾル中のチタニア(TiO)の量を基準とし、F127:TiO=0.1:1(W:W)とした。次いで、熱処理として、加熱温度を60℃に維持した状態で、加熱時間として7日間、チタニアゾルを撹拌し続け、F127をチタニアゾルに完全に溶解させて反応溶液を生成した。
次に、このようにして生成した反応溶液中の構造体について確認した。図6は、結晶性金属酸化物構造体1の検証手順を示すフローチャートであり、開始ステップRT3からステップSP15に移り、蒸留水により反応溶液を約1/10に希釈し、反応溶液中の構造体の密度を減少させ、後述するディップコーティングの際に、チタニアナノ粒子2の配列形態を判断し易くした。
次いで、ステップSP16において、この反応溶液中の構造体を検証するために、ディップコーティングによって反応溶液中の構造体をSi基板に付着させた。次いで、ステップSP17において、反応溶液中の構造体を表面に付着させたSi基板に対してUVオゾン処理(紫外線波長172nm、圧力50Pa、照射時間30min)を行って有機成分を除去した後、ステップSP18において、このSi基板の表面を走査型顕微鏡により撮影してSEM像を得、結晶性金属酸化物構造体1の検証手順を終了した(ステップSP19)。
このとき得られたSEM像を図1に示す。図1に示すように、数個から数十個のチタニアナノ粒子2が一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体1が生成されていることが確認できた。
また、X線回折(XRD(X-ray diffraction))装置を用いて結晶性金属酸化物構造体1についてXRDパターンを測定した。さらに、この結晶性金属酸化物構造体1を約300℃で焼成し、焼成後の結晶性金属酸化物構造体1について同様にXRDパターンを測定した。その結果、図7に示すようなXRDパターンがそれぞれ得られた。このXRDパターンから、焼成前及び焼成後の各結晶性金属酸化物構造体1については、ともにアナターゼ結晶型のチタニアでなることが確認できた。
(5)各種パラメータの依存性について
(5−1)チタニアゾルのpH
次に、図3に示した結晶性金属酸化物構造体生成処理において、ステップSP11におけるpHの値を変更した。ここでは、pHを1.6と、3.38と、3.58とにそれぞれ調整した3種類のチタニアゾルを生成した。なお、ステップSP12におけるF127の添加量と、ステップSP13における熱処理の条件は変更せずにそのままとし、それぞれF127:TiO=0.1:1(W:W)、加熱温度を60℃、加熱時間を7日間とし、F127をチタニアゾルに完全に溶解させて反応溶液を生成した。
そして、蒸留水により各反応溶液を約1/10に希釈した後(ステップSP15)、ディップコーティングによって各反応溶液中の構造体をSi基板にそれぞれ付着させて(ステップSP16)、UVオゾン処理を行った(ステップSP17)。このようにして反応溶液中の構造体を付着させた各Si基板を、走査型顕微鏡により撮影したところ(ステップSP18)、図8A〜Cに示すようなSEM像が得られた。なお、図8Dは、図1と同じSEM像であり、ステップSP11においてpHを4に調整したチタニアゾルを用いたもので、上述したように、複数個のチタニアナノ粒子2が1本の鎖状に一次元配列された状態のまま連結した結晶性金属酸化物構造体1が生成されている。
図8Aに示すように、pHを1.6に調整した場合でも、一次元配列状態のチタニアナノ粒子2が凝集している箇所もあるものの、複数個のチタニアナノ粒子2が1本の鎖状に一次元配列された状態のまま連結した結晶性金属酸化物構造体1が生成できることが確認できた。
また、図8B及びCに示すように、pHを3.38及び3.58に調整した場合でも、チタニアナノ粒子2が1本の鎖状に一次元配列された状態のまま連結した結晶性金属酸化物構造体1が生成できることが確認できた。また、チタニアゾルのpHを3.38及び3.58に調整した場合には、チタニアゾルのpHを1.6に調整した場合に比べて、結晶性金属酸化物構造体1が分散することが確認できた。
(5−2)F127の添加量
次に、図3に示した結晶性金属酸化物構造体生成処理において、ステップSP12において、pH4のチタニアゾルへブロックコポリマーを添加する添加量を変えたとき、結晶性金属酸化物構造体が生成できるか否かについて検証した。ここでは、ブロックコポリマーとして、図5に示すようなF127を用いた。また、このF127のチタニアゾルへの添加量は、チタニアゾル中のチタニア(TiO)の量を基準とし、TiO:F127=1:x(W:W)とし、xの値を変更した。
具体的にはF127の添加量を示すTiO:F127=1:xのxを、0.1、0.3、0.5、0.7又は1.0に調整し、ステップSP13における熱処理の条件は変更せずにそのままとし、それぞれ加熱温度を60℃、加熱時間を7日間として、F127をチタニアゾルに完全に溶解させた5種類の反応溶液を生成した。
そして、蒸留水により各反応溶液を約1/10に希釈した後(ステップSP15)、ディップコーティングによって各反応溶液中の構造体をSi基板にそれぞれ付着させて(ステップSP16)、UVオゾン処理を行った(ステップSP17)。このようにして反応溶液中の構造体を付着させた各Si基板を走査型顕微鏡により撮影し(ステップSP18)、これにより得られたSEM像の検証を行った。
図9A〜Eに示すように、xを0.1、0.3、0.5、0.7又は1.0に調整したいずれの反応溶液を用いても、チタニアナノ粒子2が一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体1を生成できることが確認できた。
(5−3)加熱時間
次に、図3に示した結晶性金属酸化物構造体生成処理において、ステップSP13における加熱時間を変えたとき、どのような結晶性金属酸化物構造体1が生成されるかについて検証した。ここでは、ステップSP11におけるpHを4.0とし、ステップSP12におけるF127の添加量をTiO:F127=1:0.7とした。また、この条件においてステップSP13おける加熱温度を60℃として、加熱時間を1日、2日、7日又は14日にした4種類の反応溶液を生成した。
そして、蒸留水により各反応溶液を約1/10に希釈した後(ステップSP15)、ディップコーティングによって各反応溶液中の構造体をSi基板にそれぞれ付着させて(ステップSP16)、UVオゾン処理を行った(ステップSP17)。このようにして反応溶液中の構造体を付着させた各Si基板を走査型顕微鏡により撮影し(ステップSP18)、これにより得られたSEM像の検証を行った。
図10Aは加熱時間を1日(24時間)にした反応溶液を用いたときのSEM像を示し、図10Bは加熱時間を2日にした反応溶液を用いたときのSEM像を示し、図10Cは加熱時間を7日にした反応溶液を用いたときのSEM像を示し、図10Dは加熱時間を14日にした反応溶液を用いたときのSEM像を示す。
図10A〜Dから、いずれもチタニアナノ粒子2が1本の鎖状に一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体1を生成できることが確認できた。特に、加熱時間を1日と短くした場合でも、F127の添加量をx=0.7とし、加熱温度を60℃とし、pHを4とすることで、結晶性金属酸化物構造体1が生成されることが確認できた。
(5−4)加熱温度
次に、図3に示した結晶性金属酸化物構造体生成処理において、ステップSP13における加熱温度を変えたとき、どのような結晶性金属酸化物構造体1が生成されるかについて検証した。ここでは、ステップSP11におけるpHを3.38とし、ステップSP12におけるF127の添加量をTiO:F127=1:0.1とした。また、この条件においてステップSP13おける加熱時間を3日として、加熱温度を80℃、100℃、120℃、150℃、175℃又は190℃にした6種類の反応溶液を生成した。
そして、蒸留水により各反応溶液を約1/10に希釈した後(ステップSP15)、ディップコーティングによって各反応溶液中の構造体をSi基板にそれぞれ付着させて(ステップSP16)、UVオゾン処理を行った(ステップSP17)。このようにして反応溶液中の構造体を付着させた各Si基板を走査型顕微鏡により撮影し(ステップSP18)、これにより得られたSEM像の検証を行った。
図11Aは加熱温度を80℃にした反応溶液を用いたときのSEM像を示し、図11Bは加熱温度を100℃にした反応溶液を用いたときのSEM像を示し、図11Cは加熱温度を120℃にした反応溶液を用いたときのSEM像を示し、図11Dは加熱温度を150℃にした反応溶液を用いたときのSEM像を示し、図11Eは加熱温度を175℃にした反応溶液を用いたときのSEM像を示し、図11Fは加熱温度を190℃にした反応溶液を用いたときのSEM像を示す。
図11A〜Cから、加熱温度を80〜120℃に変えても、チタニアナノ粒子2が1本の鎖状に一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体1を生成できることが確認できた。また、図11Dから、加熱温度を150℃に変えても、一次元配列状態のチタニアナノ粒子2同士が凝集して結合した凝集体ができるものの、結晶性金属酸化物構造体1も一部生成できていることが確認できた。
但し、図11E及びFから、加熱温度を175〜190℃に変えると、一次元配列状態のチタニアナノ粒子2同士が凝集して結合した凝集体が生成された。このように、加熱温度を高くしてゆくに従って、一次元配列状態のチタニアナノ粒子2同士が凝集した凝集体が生成され易くなることが確認できた。従って、チタニアナノ粒子2が1本の鎖状に一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体1を製造する場合には、加熱温度を80〜150℃とすることが好ましい。
(5−5)加熱時間とpHとの関係
次に、ステップSP11におけるpHを4として、ステップSP12において、TiO:F127=1:xのxを、0.1、0.3、0.5、0.7又は1.0に調整したF127の添加量が異なる5種類の反応溶液を用意した。そして、ステップSP13において、これら5種類の反応溶液に対し熱処理を行う際に、加熱時間を長くしていったときに、各反応溶液のpHがどのように変化するか否かについて検証した。
その結果、図12に示すような結果が得られた。図12に示す結果から、加熱時間が長くなるに従って、反応溶液のpHが低くなってゆくことが確認できた。従って、透析の段階でpHの調整を行っても、熱処理を行うことでpHが変化することを確認し、上述したpHの範囲の数値については、あくまで透析時におけるpHの範囲であることを確認した。
(6)結晶性金属酸化物構造体におけるチタニアナノ粒子の連結度合いについて
次に得られた結晶性金属酸化物構造体1の連結強度について検証した。結晶性金属酸化物構造体1のTEM画像から、チタニアナノ粒子2とチタニアナノ粒子2との間にきれいな結晶格子が見られた。また、結晶性金属酸化物構造体1に対して超音波照射等による外力を与えても、チタニアナノ粒子2の一次元配列状態が壊れないことが確認できた。
(7)他の実施の形態
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態においては、結晶性金属酸化物粒子として、チタニアからなるチタニアナノ粒子2を用い、複数のチタニアナノ粒子2が1本の鎖状に一次元配列された状態のまま連結した結晶性金属酸化物構造体1を生成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばアルミナ、アルミノシリケート、ゼオライト、ジルコニア、安定ジルコニア、セリア、マグネシア、カルシア、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化スカンジウム、イットリア、ハフニア、酸化バナジウム、ニオビア、酸化タンタル、クロミア、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化ネオジウム、酸化ランタン、酸化サマリウム、酸化ジスプロシウム、酸化イッテルビウム、酸化ユウロピウム等からなるこの他種々の結晶性金属酸化物粒子を用い、複数の結晶性金属酸化物粒子が1本の鎖状に一次元配列された状態のまま連結した結晶性金属酸化物構造体を生成してもよい。
さらに、本発明の結晶性金属酸化物粒子は導電性を有したナノ粒子を用いてもよい。導電性を有した結晶性金属酸化物は、例えば酸化スズや、酸化インジウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、マグネシア、カルシア、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化スカンジウム、イットリア、ハフニア、酸化バナジウム、ニオビア、酸化タンタル、クロミア、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化ネオジウム、酸化ランタン、酸化サマリウム、酸化ジスプロシウム、酸化イッテルビウム、酸化ユウロピウム、酸化レニウム等からなり、それらが複合酸化物になったもの、あるいは無機元素をドープしたもの(例えば、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、IZO(インジウムドープ酸化亜鉛)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)が挙げられる。)、あるいは不定比金属酸化物になったもの等により導電性を発現させてもよく、特に酸化スズや、ITOやFTO(フッ素ドープ酸化スズ)やATO(アンチモンドープ酸化スズ)等の酸化スズを含んだものが好ましい。
さらに、上述した実施の形態においては、図2のフローチャートに示すチタニアナノ粒子生成処理に従ってチタニアナノ粒子2を生成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、分散したチタニアナノ粒子2が得られれば、この他種々の生成処理によりチタニアナノ粒子2を生成してもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、図4に示すステップSP11において、透析によりチタニアゾルのpHを調整するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、塩酸や、硝酸、硫酸、酢酸等この他種々のpH調整剤を用いてチタニアゾルのpHを調整するようにしてもよい。
(7−1)結晶性金属酸化物粒子として酸化スズナノ粒子を適用した場合について
次に、結晶性金属酸化物粒子として、酸化スズからなる酸化スズナノ粒子を用いた場合でも、当該酸化スズナノ粒子が直線状又は曲線状に一列に並んでボールチェーン状に配列され、かつ隣接する酸化スズナノ粒子が所定の強度で連結されている結晶性金属酸化物構造体を生成できるかについて検証を行った。
ここでは、粒径が〜5nm程度のナノサイズからなる球状の酸化スズナノ粒子が溶液中に分散したコロイド状の酸化スズゾルを用意した。この酸化スズゾルは、多木化学製の酸化スズゾルであり、pHが9.9、酸化スズ(SnO)が溶液中に1Wt%の割合で含まれている。
次にこの酸化スズゾルから結晶性金属酸化物構造体を生成した。具体的には、先ず初めに、ブロックコポリマーとして、図5に示したF127(プルロニック(Pluronic)F127)を酸化スズゾルに添加した。F127の添加量は、酸化スズゾル中の酸化スズ(SnO)の量を基準とし、F127:SnO=1:1(W:W)とした。
次いで、F127を添加した酸化スズゾルに対し、pH調整剤として塩酸(HCl)を添加して所定のpHに調整した。ここでは、pHを7.0、8.0、9.0にそれぞれ調整したpHが異なる3種類の酸化スズゾルを生成した。
次いで、熱処理として、加熱温度を60℃に維持した状態で、加熱時間として5日間、酸化スズゾルを加熱静置させて反応溶液を生成した。すなわち、F127の添加量と、熱処理の条件については変更せずにそのままとし、それぞれF127:SnO=1:1(W:W)、加熱温度を60℃、加熱時間を5日間とし、pHのみを変えた3種類の反応溶液を生成した。
そして、蒸留水により各反応溶液を約1/10に希釈した後(図6のステップSP15)、ディップコーティング(ディップコート時の引上げ速度10mm/min)によって各反応溶液中の構造体をSi基板にそれぞれ付着させて(図6のステップSP16)、UVオゾン処理を行って有機成分を除去した(図6のステップSP17)。このようにして反応溶液中の構造体を付着させた各Si基板を、走査型顕微鏡により撮影したところ(図6のステップSP18)、図13A〜Cに示すようなSEM像が得られた。
図13Aに示すように、pHを7.0に調整した場合には、一次元配列状態の酸化スズナノ粒子12が凝集している箇所もあるが、複数個の酸化スズナノ粒子12が1本の鎖状に一次元配列された状態のまま連結した結晶性金属酸化物構造体11を生成できることが確認できた。
また、図13B及びCに示すように、pHを8.0及び9.0に調整した場合でも、酸化スズナノ粒子12が1本の鎖状に一次元配列された状態のまま連結した結晶性金属酸化物構造体11を生成できることが確認できた。さらに、酸化スズゾルのpHを8.0及び9.0に調整した場合には、酸化スズゾルのpHを7.0に調整した場合に比べて、結晶性金属酸化物構造体11が分散することが確認できた。
次に、pHを8.0に調整して作製した結晶性金属酸化物構造体11について、TEM画像を撮像したところ、図14A及びBに示すような結果が得られた。図14A及びBに示すTEM画像からも、この結晶性金属酸化物構造体11は、酸化スズナノ粒子12と酸化スズナノ粒子12とが接合していることが確認できた。また、図14Cは、pHを8.0に調整して作製した結晶性金属酸化物構造体11における酸化スズナノ粒子12の電子線回折像であり、この図14Cから酸化スズナノ粒子12が結晶性を有していることが確認できた。
このように、結晶性金属酸化物粒子として、酸化スズからなる結晶性の酸化スズナノ粒子12を用いた場合でも、複数の酸化スズナノ粒子12が直線状又は曲線状に一列に並んでボールチェーン状に連結した結晶性金属酸化物構造体11を生成できることが確認できた。
ここで、結晶性金属酸化物粒子として、酸化スズからなる酸化スズナノ粒子を用いた場合には、直線状又は曲線状に一列に並んでボールチェーン状に配列された酸化スズナノ粒子が、粒径5〜10nm程度のナノサイズであってもよい。
また、上述した製造過程において用いる酸化スズゾルは、酸化スズが溶液中に0.5〜3wt%の割合で含まれてもよく、酸化スズの濃度を高くすることでより短時間でボールチェーン構造を作製することができる。
また、結晶性金属酸化物構造体の製造過程で酸化スズゾルに添加するブロックコポリマーの添加量は、酸化スズゾル中の酸化スズの量を基準とし、酸化スズ:ブロックコポリマー=1:x(w:w(質量比))とした場合、xは0.1〜4.0であることが好ましい。すなわち、xが0.1未満のときには、酸化スズナノ粒子12表面へのF127の吸着量が少なく、酸化スズナノ粒子12が一次元配列せずに単分散した状態となり、一方、xが4.0を超えるときには、酸化スズナノ粒子12表面へのF127の吸着量が多くなり、一次元配列した酸化スズナノ粒子12が凝集して凝集体となることから、xは0.1〜4.0であることが好ましい。
また、F127を添加した酸化スズゾルに対し、pH調整剤(塩酸)を添加して調整するpHとしては、7.0〜9.0が好ましい。すなわち、pHが7.0未満のとき、一次元配列した酸化スズナノ粒子12が凝集し易くなり、pHが9.0より高いとき短いボールチェーン構造となることから、pHは7.0〜9.0であることが好ましい。
また、製造過程において酸化スズゾルを加熱静置する際の熱処理時の加熱温度としては、40℃未満のときには、単分散粒子となり、80℃より高いときには、酸化スズナノ粒子12が凝集し易くなることから、40〜80℃であることが好ましい。
さらに、製造過程において酸化スズゾルを加熱静置する際の熱処理時の加熱時間としては、1日未満のときには、短いボールチェーンとなり、30日より長いときには、酸化スズナノ粒子12が凝集し易くなることから、1〜30日であることが好ましい。

Claims (5)

  1. チタニアナノ粒子を含有した溶液pH1〜4に調整したチタニアゾルに、一次元構造体形成能を有するブロックコポリマーを溶解させた反応溶液、または、酸化スズナノ粒子を含有した溶液に前記ブロックコポリマーを溶解させた酸化スズゾルを、pH7〜9に調整した反応溶液を生成する溶解ステップと
    前記反応溶液加熱し結晶性金属酸化物粒子である前記チタニアナノ粒子または前記酸化スズナノ粒子が一次元配列した状態で連結した結晶性金属酸化物構造体を生成する生成ステップと
    を備えることを特徴とする結晶性金属酸化物構造体の製造方法。
  2. 前記溶解ステップにおける前記pHと、前記生成ステップにおける加熱温度及び加熱時間とを調整することにより、前記結晶性金属酸化物粒子を一次元配列させた状態で、隣接する前記結晶性金属酸化物粒子を所定の強度で連結させる
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶性金属酸化物構造体の製造方法。
  3. 前記溶解ステップは、
    前記チタニアナノ粒子を含有した溶液を透析によりpH調整する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の結晶性金属酸化物構造体の製造方法。
  4. 前記生成ステップでは、
    前記チタニアナノ粒子の反応溶液を25〜190℃の加熱温度で1〜30日間に渡って加熱する
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の結晶性金属酸化物構造体の製造方法。
  5. 前記生成ステップでは、
    前記酸化スズナノ粒子の反応溶液を40〜80℃の加熱温度で1〜30日間に渡って加熱する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の結晶性金属酸化物構造体の製造方法。
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