JP5555705B2 - 小セル基地局及び割り当て制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線端末から送信される無線信号の送信電力を制御する無線通信システム、小セル基地局、無線端末及び送信電力制御方法に関する。
また、本発明は、無線端末への無線リソースの割り当てを制御する小セル基地局及び割り当て制御方法に関する。
現在運用されている第3世代及び第3.5世代無線通信システムよりも高速・大容量の通信を実現する次世代無線通信システムとして、無線通信システムの標準化団体である3GPPで標準化されているLTEがある。LTEは3GPP Release 8として技術仕様が定まり、現在はRelease 8の機能改良版であるRelease 9、及び、LTEを高度化したLTE Advancedの検討が行われている。
LTEにおける上りリンクの送信電力制御方法としては、例えば次の技術が提案されている(非特許文献1参照)。非特許文献1に記載の技術では、上りリンクにおいて基地局が受ける干渉レベルを示す干渉情報であるオーバーロード・インジケータ(OI)を基地局間で通知し合う状況を前提として、自基地局に接続する無線端末の送信電力をOIに応じて制御する。
また、LTERelease 9では、半径数m程度の通信エリアである小セル(“フェムトセル”と称される)を形成し、室内に設置可能な小型の基地局である小セル基地局(“Home eNodeB”と称される)の詳細機能・要件について標準化が進められている。小セル基地局は、半径数百m程度の通信エリアである大セル(“マクロセル”と称される)を形成する大セル基地局(“Macro eNodeB”と称される)のトラフィックを分散させることや、大セル内の不感地帯をカバーすることが可能になる。
3GPP, R1-092048, "LTE UL performance for ITU scenarios", 2009年5月
しかしながら、大セル基地局については、通信事業者がセル間干渉を考慮して設置場所を決めているが、小セル基地局はユーザが任意の場所に設置可能であるため、大セル基地局が形成する大セル内に小セル基地局が設置されることがある。
このような状況で小セル基地局に接続する無線端末が大セル基地局に接続する無線端末と同一周波数帯域を通信に使用する場合、小セル基地局に接続する無線端末から当該小セル基地局に送信される無線信号により、大セル基地局が干渉の影響を受けてしまう。特に、小セル基地局に接続する無線端末と大セル基地局との間の伝搬損失が小さい場合には、小セル基地局に接続する無線端末から大セル基地局が大きな干渉を受け、大セル基地局に接続する無線端末のスループットが低下する問題がある。
そこで、本発明は、小セル基地局に接続する無線端末が大セル基地局に与える干渉の低減を図ることができる小セル基地局及び割り当て制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第の特徴は、大セル基地局(例えばマクロセル基地局300a)が形成する大セルよりも小さい小セルを形成し、前記大セル内に設置可能な小セル基地局(例えばフェムトセル基地局100a)であって、前記小セル基地局に接続する無線端末(例えば無線端末200a)の近隣の大セル基地局(例えばマクロセル基地局300a及び300b)と前記無線端末との間の伝搬損失を示す大セル側伝搬損失に基づいて、前記無線端末に割り当てる周波数帯域を制限する帯域制限部(帯域制限部127)を備えることを要旨とする。
本発明の第の特徴によれば、小セル基地局に接続する無線端末の近隣の大セル基地局と当該無線端末との間の伝搬損失を示す大セル側伝搬損失に基づいて当該無線端末に割り当てる周波数帯域を制限することによって、当該無線端末が当該大セル基地局又は当該大セル基地局に接続する無線端末に与える干渉を低減できる。
本発明の第の特徴において、前記帯域制限部は、前記大セル側伝搬損失が小さいほど、前記無線端末に割り当てる上りリンクの周波数帯域を制限する度合いを大きくしてもよい。
本発明の第の特徴において、前記帯域制限部は、前記大セル側伝搬損失が所定値を下回った場合には、前記無線端末に割り当てる上りリンクの周波数帯域を制限し、前記大セル側伝搬損失が所定値を上回った場合には、前記上りリンクの周波数帯域の制限を解除してもよい。
本発明の第の特徴において、前記帯域制限部は、前記大セル側伝搬損失が大きいほど、前記無線端末に割り当てる下りリンクの周波数帯域を制限する度合いを大きくしてもよい。
本発明の第の特徴において、前記帯域制限部は、前記大セル側伝搬損失が所定値を上回った場合には、前記無線端末に割り当てる下りリンクの周波数帯域を制限し、前記大セル側伝搬損失が所定値を下回った場合には、前記無線端末に割り当てる下りリンクの周波数帯域の制限を解除してもよい。
本発明の第の特徴において、前記大セル側伝搬損失は、前記近隣の大セル基地局の中で前記無線端末との間の伝搬損失が最も小さい大セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失であってもよい。
本発明の第の特徴において、前記大セル側伝搬損失は、前記近隣の大セル基地局のそれぞれと前記無線端末との間の伝搬損失の平均であってもよい。
本発明の第の特徴において、前記大セル側伝搬損失は、前記近隣の大セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失と、前記無線端末の近隣の小セル基地局の中で前記無線端末が接続する前記小セル基地局以外の小セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失との平均であってもよい。
本発明の第の特徴は、大セル基地局が形成する大セルよりも小さい小セルを形成し、前記大セル内に設置可能な小セル基地局に接続する無線端末への周波数帯域の割り当てを制御する割り当て制御方法であって、前記小セル基地局に接続する無線端末の近隣の大セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失を示す大セル側伝搬損失に基づいて、前記無線端末に割り当てる周波数帯域を制限するステップを含むことを要旨とする。
本発明の特徴によれば、小セル基地局に接続する無線端末が大セル基地局に与える干渉の低減を図ることができる小セル基地局及び割り当て制御方法を提供できる。
図1は、本発明の第1〜第3実施形態に係る無線通信システムの概略構成図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るフェムトセル基地局の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る調整用関数を説明するための図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの動作例を示すシーケンス図である。 図5は、本発明の第1〜第3実施形態に係る送信電力制御処理の詳細を示すフロー図である。 図6は、本発明の第2実施形態に係る無線通信システムの動作例を示すシーケンス図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る調整用関数の候補の一例を示す図である。 図8は、本発明の第3実施形態に係る無線端末の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第3実施形態に係る無線通信システムの動作例を示すシーケンス図である。 図10は、本発明の第4実施形態に係る無線通信システムの概略構成図である。 図11は、本発明の第4実施形態に係るフェムトセル基地局の構成を示すブロック図である。 図12は、上りリンクにおいて、フェムトセル基地局に接続する無線端末にフェムトセル基地局が割り当て可能な全周波数帯域の一例を示す図である。 図13は、下りリンクにおいて、フェムトセル基地局に接続する無線端末にフェムトセル基地局が割り当て可能な全周波数帯域の一例を示す図である。 図14は、本発明の第4実施形態に係る無線通信システムの動作例を示すシーケンス図である。 図15は、本発明の第4実施形態に係る上りリンクの帯域制限/解除フローを示すフローチャートである。 図16は、本発明の第4実施形態に係る下りリンクの帯域制限/解除フローを示すフローチャートである。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第4実施形態、及びその他の実施形態を説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(1)第1実施形態
第1実施形態においては、(1.1)無線通信システムの構成、(1.2)送信電力方法の詳細、(1.3)無線通信システムの動作、(1.4)第1実施形態の効果について説明する。
(1.1)無線通信システムの構成
(1.1.1)全体概略構成
図1は、第1実施形態に係る無線通信システム1の概略構成図である。無線通信システム1は、例えば、第4世代(4G)携帯電話システムとして位置づけられているLTE-Advancedに基づく構成を有する。
図1に示すように、無線通信システム1は、マクロセル(大セル)MC1及びMC2をそれぞれ形成するマクロセル基地局(大セル基地局)300a及び300bと、フェムトセル(小セル)FC1〜FC5をそれぞれ形成するフェムトセル基地局(小セル基地局)100a〜100eとを有する。マクロセルMC1及びMC2のそれぞれの半径は例えば数百m程度であり、フェムトセルFC1〜FC5のそれぞれの半径は例えば数m程度である。
フェムトセル基地局100aには無線端末200aが接続し、フェムトセル基地局100bには無線端末200bが接続している。マクロセル基地局300aには、無線端末200cが接続している。
なお、以下においては、フェムトセルFC1〜FC5を区別しないときは単に「フェムトセルFC」と称し、フェムトセル基地局100a〜100eを区別しないときは単に「フェムトセル基地局100」と称し、無線端末200a〜200cを区別しないときは単に「無線端末200」と称し、マクロセルMC1及びMC2を区別しないときは単に「マクロセルMC」と称し、マクロセル基地局300a及び300bを区別しないときは単に「マクロセル基地局300」と称する。
マクロセル基地局300は、通信事業者がセル間干渉を考慮した置局設計に基づく場所に設置される。一方、フェムトセル基地局100は、ユーザにより任意の場所(具体的には、室内)に設置される程度に小型に構成されている。フェムトセル基地局100は、マクロセル基地局300のトラフィックを分散させることや、マクロセルMC内の不感地帯をカバーすることを目的として、マクロセルMC内に設置されている。
マクロセル基地局300は、専用線を介して近隣のマクロセル基地局と接続しており、高速な専用線を利用して基地局通信を行うことができる。このような基地局間インタフェースはX2インターフェースと称される。X2インターフェースを介して、上りリンクにおいて基地局が受ける干渉レベルを示す情報であるOIを基地局間で送受信できる。マクロセル基地局300は、受信したOIに基づいて、上りリンクにおける送信電力制御を行う。
一方、フェムトセル基地局100は、ADSLやFTTH等の一般公衆回線を介して通信事業者のコアネットワークに接続される。また、フェムトセル基地局100は任意の場所に設置されるため、マクロセル基地局300間のように専用線によって接続することは困難である。従って、フェムトセル基地局100が他のフェムトセル基地局100、又はマクロセル基地局300からOIを受信できたとしても、OIは一般公衆回線を経由することになるのでOIの伝送遅延時間がマクロセル基地局300間よりも大きくなる可能性が高く、このOIを上りリンクにおける送信電力制御に適用してもあまり有効ではないと予想される。
フェムトセル基地局100a及び無線端末200aがマクロセル基地局300a及び無線端末200cと同一の周波数帯域を通信に使用する場合には、フェムトセル基地局100aに接続する無線端末200aからフェムトセル基地局100aに送信される無線信号がマクロセル基地局300aに干渉を与えることになる。また、フェムトセル基地局100a及び無線端末200aと、これらの近隣のフェムトセル基地局100b及び無線端末200bとが同一の周波数帯域を通信に使用する場合には、無線端末200aとフェムトセル基地局100bとの間、及び、無線端末200bとフェムトセル基地局100aとの間で干渉が生じる。
図1の例では、無線端末200aが送信する無線信号が、マクロセル基地局300aと、マクロセル基地局300bと、フェムトセル基地局100bとに干渉を与えている。さらに、フェムトセル基地局100bに接続する無線端末200bが送信する無線信号が、マクロセル基地局300aに干渉を与えている。その結果、例えばマクロセル基地局300aに接続する無線端末200cとマクロセル基地局300aとの上りリンク通信のスループットが低下する。
第1実施形態では、フェムトセル基地局100が、OIを用いずに、以下のような方法で上りリンクにおける送信電力制御を行うことにより、マクロセル基地局300への干渉を低減する。
まず、フェムトセル基地局100aは、無線端末200aとフェムトセル基地局100aとの間の伝搬損失を測定する。また、無線端末200aは、マクロセル基地局300aから受信した参照信号の受信電力(RSRP;Reference Signal Received Power)を測定し、測定結果を示す情報を、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の伝搬損失を求めるための情報としてフェムトセル基地局100aに送信する。伝搬損失には、距離減衰、シャドウイング損失及び地物通過損失が含まれるものとする。伝搬損失を求めるための情報とは、無線端末200aがマクロセル基地局300aから受信した参照信号の受信電力(以下、RSRP)とするが、RSRPのインデックス等でもよい。フェムトセル基地局100aは、無線端末200aによるRSRPの測定結果を示す情報から、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の伝搬損失を算出する。
フェムトセル基地局100aは、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の上りリンクにおける伝搬損失を算出することが好ましい。無線通信システム1の複信方式がTDD方式である場合には上下リンクでキャリア周波数が同じであるために上下リンクで伝搬損失も同じであるが、複信方式がFDD方式である場合には上下リンクでキャリア周波数が異なるために上下リンクで伝搬損失が異なる。したがって、フェムトセル基地局100aは、無線端末200aで測定されたRSRPに対応する下りリンク伝搬損失を算出し、当該下りリンク伝搬損失から上りリンク伝搬損失をさらに算出する。下りリンク伝搬損失から上りリンク伝搬損失を算出する方法としては、既存の算出手法が使用できる。
フェムトセル基地局100aは、無線端末200aとフェムトセル基地局100aとの間の上りリンクの伝搬損失と、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の上りリンクの伝搬損失とに基づいて、無線端末200aの送信電力を決定する。フェムトセル基地局100aは、決定した送信電力の情報を無線端末200aへ送信することで、無線端末200aが送信する無線信号の送信電力を制御する。
なお、無線端末200aは、マクロセル基地局300aから受信した参照信号の受信電力だけでなく、マクロセル基地局300bから受信した参照信号の受信電力や、フェムトセル基地局100bから受信した参照信号の受信電力を測定して、それらの測定結果の情報をフェムトセル基地局100aに通知してもよい。この場合、フェムトセル基地局100aは、無線端末200aとマクロセル基地局300bとの間の上りリンクの伝搬損失や、無線端末200aとフェムトセル基地局100bとの間の上りリンクの伝搬損失を算出し、算出した伝搬損失を考慮した送信電力制御を行う。以下の第1実施形態においては、主にフェムトセル基地局100aについて説明する。
(1.1.2)フェムトセル基地局の構成
次に、フェムトセル基地局100aの構成について説明する。他のフェムトセル基地局100b〜100eはフェムトセル基地局100aと同様の構成を有している。図2は、フェムトセル基地局100aの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、フェムトセル基地局100aは、アンテナ部101、送受信部110、制御部120、記憶部130、及び有線通信部140を有する。
送受信部110は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路等を用いて構成され、無線信号の送受信を行う。また、送受信部110は、送信信号の符号化及び変調と、受信信号の復調及び復号とを行う。
送受信部110は、無線端末200aと、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300との間の伝搬損失を求めるための情報を無線端末200aから受信する。ここでは、送受信部110が、無線端末200aがマクロセル基地局300aから受信した参照信号の受信電力の情報と、無線端末200aがマクロセル基地局300bから受信した参照信号の受信電力の情報とを受信するものとする。
制御部120は、例えばCPUを用いて構成され、フェムトセル基地局100aが具備する各種の機能を制御する。記憶部130は、例えばメモリを用いて構成され、フェムトセル基地局100aの制御等に用いられる各種の情報を記憶する。有線通信部140は、一般公衆回線及びコアネットワークを介してマクロセル基地局300又は他のフェムトセル基地局100との通信を行う。
制御部120は、伝搬損失算出部121、基準値設定部122、調整値設定部123、及び送信電力決定部124を有する。
伝搬損失算出部121は、送受信部110が無線端末200aから受信する参照信号に基づいて、フェムトセル基地局100aと無線端末200aとの間の上りリンクの伝搬損失を算出する。例えば、伝搬損失算出部121は、RSRPを測定し、参照信号の既知の送信電力からRSRPを引くことで伝搬損失を測定する。
また、伝搬損失算出部121は、送受信部110が無線端末200aから受信したRSRPの情報に基づいて、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300と無線端末200aとの間の上りリンクの伝搬損失を算出する。
以下においては、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300と無線端末200aとの間の伝搬損失を「マクロセル側伝搬損失(大セル側伝搬損失)」と称し、フェムトセル基地局100aと無線端末200aとの間の伝搬損失を「フェムトセル側伝搬損失(小セル側伝搬損失)」と称する。
基準値設定部122は、MCS(Modulation and Coding Scheme)レベル、及びフェムトセル側伝搬損失などを用いて、無線端末200aの送信電力Pの基準となる送信電力基準値P0を設定する。MCSレベルとは、適応変調・符号化における変調多値数及び符号化率の組み合わせを意味する。フェムトセル側伝搬損失を補償するために、フェムトセル側伝搬損失が大きいほど送信電力基準値P0が大きく設定され、フェムトセル側伝搬損失が小さいほど送信電力基準値P0が小さく設定される。このため、無線端末200aがフェムトセルFC1の端部に位置するような場合、送信電力基準値P0が大きく設定されることになる。
調整値設定部123は、マクロセル側伝搬損失を用いて、無線端末200aの送信電力Pを調整するための送信電力調整値(オフセット値)Poffsetを設定する。本実施形態では、調整値設定部123は、マクロセル側伝搬損失に加え、フェムトセル側伝搬損失を用いて送信電力調整値Poffsetを設定する。具体的には、調整値設定部123は、記憶部130に予め記憶されている調整用関数Poffset(x)を取得し、調整用関数Poffset(x)に代入する引数xをマクロセル側伝搬損失及びフェムトセル側伝搬損失から算出し、算出した引数xを調整用関数Poffset(x)に適用して得られた算出結果を送信電力調整値Poffsetとする。
図3に示すように、調整用関数Poffset(x)は、広義の単調増加関数であり、本実施形態において変換情報を構成する。xの値が小さくなるほど送信電力調整値Poffsetが小さくなり、xの値が大きくなるほど送信電力調整値Poffsetが大きくなる。パターン1は非線形的に送信電力調整値Poffsetを設定するためのパターンであり、パターン2は直線的に送信電力調整値Poffsetを設定するためのパターンであり、パターン3は曲線的に送信電力調整値Poffsetを設定するためのパターンである。Poffset(x)は、伝送シミュレーションによって最適な関数が予め設定されているものとする。
送信電力決定部124は、送信電力基準値P0及び送信電力調整値Poffsetを用いて、無線端末200aの送信電力Pを決定する。本実施形態では、送信電力基準値P0と送信電力調整値Poffsetとの加算結果を送信電力Pとする。
以上のように、本実施形態において基準値設定部122、調整値設定部123、及び送信電力決定部124は、無線端末200aの送信電力Pを制御する送信電力制御部125を構成する。
なお、送信電力Pとは、ユーザデータを伝送する共有チャネルである物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)の送信電力である。また、送信電力基準値P0は、例えば、MCSレベル、フェムトセル側伝搬損失、無線端末200aに割り当てられるリソースブロック数等に応じて動的に(具体的には、サブフレーム毎に)設定される。送信電力調整値Poffsetは、例えば、通信開始時において、1リソースブロック当たりの送信電力Pの初期値の決定に使用される。
送受信部110は、送信電力決定部124によって決定された送信電力Pの情報を無線端末200aに送信する。送受信部110は、例えばサブフレーム毎に送信電力Pの情報を無線端末200aに送信する。
(1.2)送信電力方法の詳細
次に、送信電力制御部125による送信電力制御方法の詳細について説明する。
送信電力制御部125の調整値設定部123は、送信電力調整値Poffsetの設定時において、基本的には、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300の中で、無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失が最も小さいマクロセル基地局300(ここでは、マクロセル基地局300aとする)との間の伝搬損失を用いる。ただし、マクロセル基地局300aと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失と、マクロセル基地局300bと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失とを併用してもよい。
第1の送信電力制御方法として、調整値設定部123は、マクロセル基地局300aと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失が大きい場合は無線端末200aの送信電力Pを上げる送信電力調整値Poffsetを設定し、マクロセル基地局300aと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失が小さい場合は送信電力Pを下げる送信電力調整値Poffsetを設定する。
すなわち、第1の送信電力制御方法では、調整値設定部123は、調整用関数Poffset(x)に適用する引数xをマクロセル基地局300aと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失PL1(デシベル値)とする。
無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失が最も小さいマクロセル基地局300aは、無線端末200aから大きな干渉を受ける可能性が高い。第1の送信電力制御方法によれば、マクロセル基地局300aが無線端末200aから大きな干渉を受ける可能性を低減できる。
第2の送信電力制御方法として、調整値設定部123は、マクロセル基地局300aと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失PL1(デシベル値)から、フェムトセル基地局100aと無線端末200aとの間のフェムトセル側伝搬損失PL0(デシベル値)を引いた伝搬損失差を算出し、その伝搬損失差が正で大きい値となる場合は無線端末200aの送信電力Pを上げる送信電力調整値Poffsetを設定し、当該伝搬損失差が負の値または正で小さい値となる場合は無線端末200aの送信電力Pを下げる送信電力調整値Poffsetを設定する。
すなわち、第2の送信電力制御方法では、調整値設定部123は、調整用関数Poffset(x)に適用する引数xを、マクロセル側伝搬損失PL1(デシベル値)及びフェムトセル側伝搬損失PL0(デシベル値)から算出される伝搬損失差PL1-PL0とする。
第2の送信電力制御方法によれば、伝搬損失差が小さい場合には無線端末200aの送信電力Pを下げることで、マクロセル基地局300aが無線端末200aからの干渉を受ける可能性を低減できる。
第3の送信電力制御方法として、調整値設定部123は、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300(例えばマクロセル基地局300a及び300b)のそれぞれと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失の平均値を算出し、当該平均値が大きい場合は無線端末200aの送信電力Pを上げる送信電力調整値Poffsetを設定し、当該平均値が小さい場合は無線端末200aの送信電力Pを下げる送信電力調整値Poffsetを設定する。
すなわち、第3の送信電力制御方法では、調整値設定部123は、調整用関数Poffset(x)に適用する引数xを、無線端末200aに隣接するN個のマクロセル基地局300と無線端末200aとの伝搬損失PL1、PL2…PLN(いずれもデシベル値)から算出される平均伝搬損失PLave=(PL1+ PL2+…+ PLN)/Nとする。
第3の送信電力制御方法によれば、無線端末200aがマクロセル基地局300bに与える干渉の影響も低減できる。
第4の送信電力制御方法として、調整値設定部123は、平均伝搬損失PLaveからフェムトセル側伝搬損失PL0(デシベル値)を引いた伝搬損失差を算出し、当該伝搬損失差が正で大きい値となる場合は無線端末200aの送信電力Pを上げる送信電力調整値Poffsetを設定し、当該伝搬損失差が負の値または正で小さい値となる場合は無線端末200aの送信電力Pを下げる送信電力調整値Poffsetを設定する。
すなわち、第4の送信電力制御方法では、調整値設定部123は、調整用関数Poffset(x)に適用する引数xをPLave- PL0とする。第4の送信電力制御方法によれば、第2の送信電力制御方法の効果と、第3の送信電力制御方法の効果とを得ることができる。
第1の送信電力制御方法および第3の送信電力制御方法では、調整用関数Poffset(x)はx≧0で設定するものとする。
その他の送信電力制御方法として、PLaveの算出に、マクロセル側伝搬損失に加えて、フェムトセル基地局100a以外のフェムトセル基地局100であって無線端末200aの近隣のフェムトセル基地局100と無線端末200aとの間の伝搬損失を使用してもよい。これにより、例えばフェムトセル基地局100bが無線端末200aから受ける干渉も低減できる。
(1.3)無線通信システムの動作
次に、第1実施形態に係る無線通信システム1の動作について説明する。
(1.3.1)動作シーケンスの一例
図4は、第1実施形態に係る無線通信システム1の動作例を示すシーケンス図である。
ステップS110において、マクロセル基地局300aは、参照信号を送信する。なお、マクロセル基地局300aは参照信号を周期的に送信している。無線端末200aは、参照信号を受信する。
ステップS120において、無線端末200aは、マクロセル基地局300aから受信した参照信号に基づいて、RSRPを測定する。
ここで、無線端末200aは、無線端末200aが受信可能な参照信号を送信する全てのマクロセル基地局300についてRSRPを測定してもよい。あるいは、フェムトセル基地局100aが、マクロセル側伝搬損失の測定対象となるマクロセル基地局300を指定し、無線端末200aが、指定されたマクロセル基地局300についてRSRPを測定してもよい。
ステップS130において、無線端末200aは、測定したRSRPの情報をフェムトセル基地局100aに送信する。フェムトセル基地局100aの送受信部110は、RSRPの情報を受信する。
ステップS140において、フェムトセル基地局100aの伝搬損失算出部121は、RSRPの情報に基づいて、マクロセル側伝搬損失(図4中の伝搬損失1)を算出する。具体的には、参照信号の既知の送信電力からRSRPを引くことで下りリンクの伝搬損失を算出し、算出した下りリンクの伝搬損失から、前述したように既存の算出手法を使用して、上りリンクの伝搬損失である伝搬損失1が算出される。
ステップS150において、無線端末200aは、参照信号を送信する。なお、無線端末200aは参照信号を周期的に送信している。フェムトセル基地局100aの送受信部110は、参照信号を受信する。
ステップS160において、フェムトセル基地局100aの伝搬損失算出部121は、無線端末200aから受信した参照信号に基づいて、フェムトセル基地局100aと無線端末200aとの間のフェムトセル側伝搬損失(図4中の伝搬損失2)を算出する。
ステップS170において、送信電力制御部125は、マクロセル側伝搬損失及びフェムトセル側伝搬損失(伝搬損失1及び2)の情報に基づき、無線端末200aの送信電力を決定する。ステップS160の詳細については後述する。
ステップS180において、フェムトセル基地局100aの送受信部110は、送信電力制御部125が決定した送信電力Pの情報を無線端末200aに送信する。無線端末200aは、送信電力Pの情報を受信する。
ステップS190において、無線端末200aは、送信電力Pの情報に従い、PUSCHを介して、ユーザデータを送信電力Pでフェムトセル基地局100aに送信する。
なお、本動作シーケンスでは、伝搬損失2の算出よりも伝搬損失1の算出が先であるが、伝搬損失1の算出は伝搬損失2の算出の後でもよい。
(1.3.2)送信電力決定フロー
図5は、送信電力制御処理(すなわち、図4のステップS160)の詳細を示すフロー図である。
まず、調整値設定部123は、事前に引数xに対する広義の単調増加関数である調整用関数Poffset(x)を設定する(ステップS161)。
ステップS162において、調整値設定部123は、第1〜4の送信電力制御方法に応じた調整用関数Poffset(x)のxに該当する引数xを測定・算出する。第1の送信電力制御方法ではx= PL1、第2の送信電力制御方法ではx= PL1- PL0、第3の送信電力制御方法ではx= PLave、第4の送信電力制御方法ではx= PLave - PL0である。
ステップS163において、調整値設定部123は、測定・算出したxに対応するPoffset(x)の値を探索(算出)する。
ステップS164において、基準値設定部122は、無線端末200aに割り当てられた帯域(リソースブロック)やMCSレベル、およびフェムトセル側伝搬損失などを用いて、送信電力基準値P0を算出する。
ステップS165において、送信電力決定部124は、送信電力基準値P0と送信電力調整値Poffsetとを加算することで、無線端末200aの送信電力Pを決定する。
(1.4)第1実施形態の効果
第1実施形態によれば、OIを用いること無く、フェムトセル側伝搬損失とマクロセル側伝搬とに基づいて無線端末200aの送信電力Pを制御することで、マクロセル基地局300へのセル間干渉を低減できる。
また、この電力制御によって、マクロセル基地局300へ大きなセル間干渉を与えない場所にフェムトセル基地局100と接続する無線端末200がいる場合には、無線端末200については、フェムトセル基地局100へ信号を送信するときに送信電力を上げるため、当該無線端末200は高い伝送品質を得ることが出来る。
(2)第2実施形態
第2実施形態では、マクロセル基地局300からフェムトセル基地局100へOIまたはそれに類する情報(以下、「OI情報」と称する)を送れると仮定し、フェムトセル基地局100が、事前に用意しておいた複数の調整用関数Poffset(x)の候補から、適切な調整用関数Poffset(x)を、受信したOI情報に従って適応的に選択するものとする。
図6は、第2実施形態に係る無線通信システム1の動作例を示すシーケンス図である。ただし、第1実施形態と同様の動作については重複する説明を省略する。
ステップS201において、マクロセル基地局300aは、無線端末200aからマクロセル基地局300aが受ける干渉のレベルに関するOI情報を基地局間通信によりフェムトセル基地局100aに送信する。フェムトセル基地局100aの有線通信部140は、OI情報を受信する。
ステップS201において、フェムトセル基地局100aの調整値設定部123は、有線通信部140が受信したOI情報に基づいて、記憶部130に予め記憶されている複数の調整用関数の中から1つの調整用関数を選択する。
ステップS210〜S280の各処理は第1実施形態と同様にして実行される。
図7は、調整用関数の候補の一例を示す図である。図7では調整用関数の候補を3つとしているが、いくつでもかまわない。
フェムトセル基地局100aの調整値設定部123は、マクロセル基地局300aからのOI情報によって、無線端末200aがマクロセル基地局300aに干渉を与えているという通知を受けたならば、送信電力Pをより下げる調整用関数を選択する。図7の例では、P1 offset(x)→ P2 offset(x)→ P3 offset(x)と選択する。
また、干渉を与えているという通知を受け無くなったならば、調整値設定部123は、送信電力Pを下げる度合いが小さい調整用関数を選択する。図7の例では、P3 offset(x)→ P2 offset(x)、あるいはP3 offset(x)→ P1 offset(x)等)。
上記の例では、マクロセル基地局300からのOI情報のみ考えたが、調整用関数Poffset(x)の選択には、隣接するフェムトセル基地局100からのOI情報を考慮しても良い。
第2実施形態によれば、調整用関数を適切に選択することができ、マクロセル基地局300への干渉を減らしつつフェムトセル基地局100のスループットの向上が期待できる。
(3)第3実施形態
上述した第1実施形態及び第2実施形態は、上りリンクにおける送信電力制御をフェムトセル基地局100が主導して行う形態であったが、第3実施形態においては、上りリンクにおける送信電力制御を無線端末200が主導して行う形態について説明する。
例えばフェムトセル基地局100aに接続する無線端末200aの送信電力制御については、無線端末200aがフェムトセル基地局100aおよびマクロセル基地局300aから送信される参照信号より伝搬損失を算出し、算出した伝搬損失を用いて無線端末200a自身が上記の送信電力増減の判定をして送信電力制御を行う。
(3.1)無線端末の構成
次に、第3実施形態に係る無線端末200aの構成について説明する。他の無線端末200は無線端末200aと同様の構成を有している。図8は、第3実施形態に係る無線端末200aの構成を示すブロック図である。
図8に示すように、無線端末200aは、アンテナ部201、送受信部210、制御部220、記憶部230、及びバッテリ240を有する。
送受信部210は、例えばRF回路やBB回路等を用いて構成され、無線信号の送受信を行う。また、送受信部210は、送信信号の符号化及び変調と、受信信号の復調及び復号とを行う。
制御部220は、例えばCPUを用いて構成され、無線端末200aが具備する各種の機能を制御する。記憶部230は、例えばメモリを用いて構成され、無線端末200aの制御等に用いられる各種の情報を記憶する。バッテリ240は、無線端末200aの各ブロックに供給する電力を蓄える。
制御部220は、伝搬損失算出部221、基準値設定部222、調整値設定部223、及び送信電力決定部224を有する。
伝搬損失算出部221は、送受信部210がフェムトセル基地局100aから受信する参照信号に基づいて、フェムトセル基地局100aと無線端末200aとの間のフェムトセル側伝搬損失を算出する。また、伝搬損失算出部221は、送受信部210がマクロセル基地局300aから受信する参照信号に基づいて、マクロセル基地局300aと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失を算出する。
基準値設定部222は、第1実施形態における基準値設定部122と同様の機能を有しており、無線端末200aの送信電力Pの基準となる送信電力基準値P0を設定する。
調整値設定部223は、第1実施形態における調整値設定部123と同様の機能を有しており、無線端末200aの送信電力Pを調整するための送信電力調整値Poffsetを設定する。調整値設定部223は、上述した第1〜第4の送信電力制御方法を実行する。
送信電力決定部224は、第1実施形態における送信電力決定部124と同様の機能を有しており、送信電力基準値P0及び送信電力調整値Poffsetを用いて、無線端末200aの送信電力Pを決定する。
以上のように、本実施形態において基準値設定部222、調整値設定部223、及び送信電力決定部224は、無線端末200aの送信電力Pを制御する送信電力制御部225を構成する。
(3.2)無線通信システムの動作
図9は、第3実施形態に係る無線通信システム1の動作例を示すシーケンス図である。
ステップS310において、マクロセル基地局300aは、参照信号を送信する。なお、マクロセル基地局300aは参照信号を周期的に送信している。無線端末200aの送受信部210は、参照信号を受信する。
ステップS320において、無線端末200aの伝搬損失算出部221は、送受信部210がマクロセル基地局300aから受信した参照信号に基づいて、マクロセル基地局300aと無線端末200aとの間のマクロセル側伝搬損失(図9中の伝搬損失1)を算出する。具体的には、参照信号の既知の送信電力から、受信した参照信号の受信電力を引くことで下りリンクの伝搬損失を算出し、算出した下りリンクの伝搬損失から、前述したように既存の算出手法を使用して、上りリンクの伝搬損失である伝搬損失1が算出される。
ここで、無線端末200aは、無線端末200aが受信可能な参照信号を送信する全てのマクロセル基地局300についてマクロセル側伝搬損失を算出してもよい。あるいは、フェムトセル基地局100aが、マクロセル側伝搬損失の算出対象となるマクロセル基地局300を指定してもよい。
ステップS330において、フェムトセル基地局100aは、参照信号を送信する。なお、フェムトセル基地局100aは参照信号を周期的に送信している。無線端末200aの送受信部210は、参照信号を受信する。
ステップS340において、無線端末200aの伝搬損失算出部221は、送受信部210がフェムトセル基地局100aから受信した参照信号に基づいて、フェムトセル基地局100aと無線端末200aとの間のフェムトセル側伝搬損失(図9中の伝搬損失2)を算出する。具体的には、参照信号の既知の送信電力から、受信した参照信号の受信電力を引くことで下りリンクの伝搬損失を算出し、算出した下りリンクの伝搬損失から、前述したように既存の算出手法を使用して、上りリンクの伝搬損失である伝搬損失2が算出される。
ステップS350において、無線端末200aの送信電力制御部225は、伝搬損失1及び2の情報に基づき、無線端末200aの送信電力Pを決定する。ステップS350では、調整値設定部223は、図5で説明した処理を実行する。
ステップS360において、無線端末200aの送受信部210は、送信電力Pの情報に従い、PUSCHを介して、ユーザデータを送信電力Pでフェムトセル基地局100aに送信する。
なお、本動作シーケンスでは、伝搬損失2の測定よりも伝搬損失1の測定が先であるが、伝搬損失1の測定は伝搬損失2の測定の後でもよい。
(3.3)第3実施形態の効果
第3実施形態によれば、フェムトセル側伝搬損失とマクロセル側伝搬損失とに基づいて無線端末200aの送信電力Pを制御することで、マクロセル基地局300へのセル間干渉を低減できる。また、この電力制御によって、マクロセル基地局300へ大きなセル間干渉を与えない場所にフェムトセル基地局100と接続する無線端末200がいる場合には、無線端末200については、フェムトセル基地局100へ信号を送信するときに送信電力を上げるため、当該無線端末200は高い伝送品質を得ることが出来る。
(4)第4実施形態
第1〜第3実施形態においては、上りリンクにおける送信電力制御方法について説明したが、第4実施形態においては、上下リンクにおける無線リソースの割り当て制御(リソーススケジューリング)について説明する。
第4実施形態においては、(4.1)無線通信システムの構成、(4.2)割り当て制御方法の概要、(4.3)無線通信システムの動作、(4.4)第4実施形態の効果について説明する。ただし、第1実施形態と異なる点を主として説明し、重複する説明を省略する。
(4.1)無線通信システムの構成
(4.1.1)全体概略構成
図10は、第4実施形態に係る無線通信システム1の概略構成図である。無線通信システム1は、例えば、第4世代(4G)携帯電話システムとして位置づけられているLTE-Advancedに基づく構成を有する。
図10に示すように、無線通信システム1は、マクロセル(大セル)MC1及びMC2をそれぞれ形成するマクロセル基地局(大セル基地局)300a及び300bと、フェムトセル(小セル)FC1〜FC5をそれぞれ形成するフェムトセル基地局(小セル基地局)100a〜100eとを有する。
フェムトセル基地局100aには無線端末200aが接続し、フェムトセル基地局100bには無線端末200bが接続している。マクロセル基地局300aには、無線端末200cが接続している。
マクロセル基地局300は、通信事業者がセル間干渉を考慮した置局設計に基づく場所に設置される。一方、フェムトセル基地局100は、ユーザにより任意の場所(具体的には、室内)に設置される程度に小型に構成されている。フェムトセル基地局100は、マクロセル基地局300のトラフィックを分散させることや、マクロセルMC内の不感地帯をカバーすることを目的として、マクロセルMC内に設置されている。
上りリンクにおいて、フェムトセル基地局100a及び無線端末200aがマクロセル基地局300a及び無線端末200cと同一の周波数帯域を通信に使用する場合には、フェムトセル基地局100aに接続する無線端末200aからフェムトセル基地局100aに送信される無線信号がマクロセル基地局300aに干渉を与えることになる。また、フェムトセル基地局100a及び無線端末200aと、これらの近隣のフェムトセル基地局100b及び無線端末200bとが同一の周波数帯域を通信に使用する場合には、無線端末200aとフェムトセル基地局100bとの間、及び、無線端末200bとフェムトセル基地局100aとの間で干渉が生じる。
図10の例では、無線端末200aが送信する無線信号が、マクロセル基地局300aと、マクロセル基地局300bと、フェムトセル基地局100bとに干渉を与えている。さらに、フェムトセル基地局100bに接続する無線端末200bが送信する無線信号が、マクロセル基地局300aに干渉を与えている。その結果、例えばマクロセル基地局300aに接続する無線端末200cとマクロセル基地局300aとの上りリンク通信のスループットが低下する。
また、下りリンクにおいて、フェムトセル基地局100a及び無線端末200aがマクロセル基地局300a及び無線端末200cと同一の周波数帯域を通信に使用する場合には、フェムトセル基地局100aから無線端末200aに送信される無線信号が無線端末200cに干渉を与えることになる。図10の例では、フェムトセル基地局100aが送信する無線信号が、無線端末200cに干渉を与えている。その結果、無線端末200cとマクロセル基地局300aとの下りリンク通信のスループットが低下する。
第4実施形態では、フェムトセル基地局100が以下のような方法で上下リンクにおけるリソース割り当て制御を行うことにより、無線端末200c等への干渉を低減する。
まず、無線端末200aは、マクロセル基地局300aから受信した参照信号の受信電力(RSRP;Reference Signal Received Power)を測定し、測定結果を示す情報を、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の伝搬損失を求めるための情報としてフェムトセル基地局100aに送信する。伝搬損失には、距離減衰、シャドウイング損失及び地物通過損失が含まれるものとする。伝搬損失を求めるための情報とは、無線端末200aがマクロセル基地局300aから受信した参照信号の受信電力(以下、RSRP)とするが、RSRPのインデックス等でもよい。フェムトセル基地局100aは、無線端末200aによるRSRPの測定結果を示す情報から、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の伝搬損失を算出する。
フェムトセル基地局100aは、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の上下リンクにおける伝搬損失を算出することが好ましい。無線通信システム1の複信方式がTDD方式である場合には上下リンクでキャリア周波数が同じであるために上下リンクで伝搬損失も同じであるが、複信方式がFDD方式である場合には上下リンクでキャリア周波数が異なるために上下リンクで伝搬損失が異なる。したがって、フェムトセル基地局100aは、無線端末200aで測定されたRSRPに対応する下りリンク伝搬損失を算出し、当該下りリンク伝搬損失から上りリンク伝搬損失をさらに算出する。下りリンク伝搬損失から上りリンク伝搬損失を算出する方法としては、既存の算出手法が使用できる。
フェムトセル基地局100aは、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の上下リンクの伝搬損失に基づいて、無線端末200aに割り当てる上下リンクの周波数帯域を制限する。
無線端末200aは、マクロセル基地局300aから受信した参照信号の受信電力だけでなく、マクロセル基地局300bから受信した参照信号の受信電力や、フェムトセル基地局100bから受信した参照信号の受信電力を測定して、それらの測定結果の情報をフェムトセル基地局100aに通知してもよい。この場合、フェムトセル基地局100aは、無線端末200aとマクロセル基地局300bとの間の上下リンクの伝搬損失や、無線端末200aとフェムトセル基地局100bとの間の上下リンクの伝搬損失を算出し、算出した伝搬損失を考慮した上下リンクのリソース割り当て制御を行う。以下の第4実施形態においては、主にフェムトセル基地局100aについて説明する。
(4.1.2)フェムトセル基地局の構成
次に、第4実施形態に係るフェムトセル基地局100aの構成について説明する。他のフェムトセル基地局100b〜100eはフェムトセル基地局100aと同様の構成を有している。図11は、第4実施形態に係るフェムトセル基地局100aの構成を示すブロック図である。
図11に示すように、フェムトセル基地局100aは、アンテナ部101、送受信部110、制御部120、記憶部130、及び有線通信部140を有する。
送受信部110は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路等を用いて構成され、無線信号の送受信を行う。また、送受信部110は、送信信号の符号化及び変調と、受信信号の復調及び復号とを行う。
送受信部110は、無線端末200aと、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300との間の伝搬損失を求めるための情報を無線端末200aから受信する。ここでは、送受信部110が、無線端末200aがマクロセル基地局300aから受信した参照信号の受信電力の情報と、無線端末200aがマクロセル基地局300bから受信した参照信号の受信電力の情報とを受信するものとする。
制御部120は、例えばCPUを用いて構成され、フェムトセル基地局100aが具備する各種の機能を制御する。記憶部130は、例えばメモリを用いて構成され、フェムトセル基地局100aの制御等に用いられる各種の情報を記憶する。有線通信部140は、一般公衆回線及びコアネットワークを介してマクロセル基地局300又は他のフェムトセル基地局100との通信を行う。
制御部120は、伝搬損失算出部126、帯域制限部127、及びリソース割り当て部128を有する。
伝搬損失算出部126は、送受信部110が無線端末200aから受信したRSRPの情報に基づいて、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300と無線端末200aとの間の上下リンクの伝搬損失を算出する。
伝搬損失算出部126は、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300の中で、無線端末200aとの間の伝搬損失が最も小さいマクロセル基地局300(ここでは、マクロセル基地局300aとする)との間の伝搬損失をマクロセル側伝搬損失として算出してもよい。あるいは、伝搬損失算出部126は、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300(例えばマクロセル基地局300a及び300b)のそれぞれと無線端末200aとの間の伝搬損失の平均をマクロセル側伝搬損失として算出してもよい。伝搬損失算出部126は、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300(例えばマクロセル基地局300a及び300b)のそれぞれと無線端末200aとの間の伝搬損失と、フェムトセル基地局100bと無線端末200aとの間の伝搬損失との平均を、マクロセル側伝搬損失として算出してもよい。
帯域制限部127は、伝搬損失算出部126によって算出された大セル側伝搬損失に基づいて、無線端末200aに割り当てる周波数帯域を制限する。リソース割り当て部128は、上下リンクの無線リソース(リソースブロック)を無線端末200aに割り当てる。帯域制限部127及びリソース割り当て部128のそれぞれの詳細については後述する。送受信部110は、リソース割り当て部128によって無線端末200aに割り当てられた無線リソースを示す情報を無線端末200aに送信する。
(4.2)割り当て制御方法の概要
次に、帯域制限部127及びリソース割り当て部128による割り当て制御方法の概要について説明する。
(4.2.1)上りリンクの割り当て制御方法
図12は、上りリンクにおいて、フェムトセル基地局100aに接続する無線端末にフェムトセル基地局100aが割り当て可能な全周波数帯域の一例を示す図である。上りリンク周波数帯域は、複数のリソースブロック(RB)毎に分割される。上りリンク周波数帯域の両端は、制御データを伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される。図12の例では、RB1,RB2,RB49,RB50がPUCCHとして使用される。残りのリソースブロックは、ユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用される。通常、リソース割り当て部128は、無線端末200aからフェムトセル基地局100aが受信する参照信号の受信品質(例えばSNR)等に基づき、複数のリソースブロックの中から少なくとも1つのリソースブロックを当該無線端末に割り当て可能である。
しかし、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300と無線端末200aとの間の上リンクの伝搬損失が小さい場合であって、上りリンクにおいて無線端末200aが使用する周波数帯域と、上りリンクにおいてマクロセル基地局300が使用する周波数帯域とが重複する場合には、無線端末200aがマクロセル基地局300に大きな干渉を与える可能性がある。
そこで、帯域制限部127は、無線端末200aの近隣のマクロセル基地局300と無線端末200aとの間の上リンクの伝搬損失(マクロセル側伝搬損失)が小さい場合には、無線端末200aに割り当てる上りリンクの周波数帯域を制限する。具体的には、PUSCHとして割り当てるリソースブロック数に上限を設けるといった方法や、PUSCHとして割り当てるリソースブロック1〜50の一部を割り当て禁止にするといった方法が採用できる。
これにより、上りリンクにおいて、無線端末200aが使用する周波数帯域と、マクロセル基地局300が使用する周波数帯域とが重複する確率を低減できるため、無線端末200aがマクロセル基地局300に与える干渉を抑制することができる。
なお、各リソースブロックのPUCCH区間については、ユーザデータの伝送を制御するための各種の制御データを含むため、割り当てを制限しないことが好ましい。
(4.2.1)下りリンクの割り当て制御方法
図13は、下りリンクにおいて、フェムトセル基地局100aに接続する無線端末200aにフェムトセル基地局100aが割り当て可能な全周波数帯域の一例を示す図である。下りリンク周波数帯域は、複数のリソースブロック(RB)毎に分割される。図13の例では、下りリンク周波数帯域は50個のリソースブロックに分割されている。各リソースブロックの先頭数シンボルの区間は、制御データを伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される。各リソースブロックの残りのシンボル区間は、ユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用される。通常、リソース割り当て部128は、無線端末200aから通知されるCQI(Channel Quality indicator)等に基づき、リソースブロック1〜50の中から少なくとも1つのリソースブロックを当該無線端末に割り当て可能である。
マクロセル基地局300aと無線端末200aとの間の伝搬損失が大きい場合、すなわち、無線端末200aがマクロセル基地局300aから遠くに位置していると推定される場合には、フェムトセル基地局100aが形成するセル(フェムトセル)が小さいことから、フェムトセル基地局100aもマクロセル基地局300aから遠くに位置していると推定することができる。
フェムトセル基地局100aがマクロセル基地局300aから遠くに位置している場合、フェムトセル基地局100aの周辺でマクロセル基地局300aに接続する無線端末(例えばマクロセル基地局300aのセルエッジ周辺の無線端末)は、元々の無線通信環境が良くない上に、フェムトセル基地局100aから干渉を受けると、マクロセル基地局300aとの無線通信が不能になる可能性がある。
そこで、帯域制限部127は、無線端末200aとマクロセル基地局300aとの間の伝搬損失(マクロセル側伝搬損失)が大きい場合には、無線端末200aに割り当てる下りリンクの周波数帯域を制限する。具体的には、PDSCHとして割り当てるリソースブロック数に上限を設けるといった方法や、PDSCHとして割り当てるリソースブロック1〜50の一部を割り当て禁止にするといった方法が採用できる。
これにより、下りリンクにおいて、フェムトセル基地局100aが使用する周波数帯域と、マクロセル基地局300aに接続する無線端末が使用する周波数帯域とが重複する確率を低減できるため、マクロセル基地局300aに接続する無線端末にフェムトセル基地局100aが与える干渉を抑制することができる。
なお、各リソースブロックのPDCCH区間については、ユーザデータの伝送を制御するための各種の制御データを含むため、割り当てを制限しないことが好ましい。
(4.3)無線通信システムの動作
次に、第4実施形態に係る無線通信システム1の動作について説明する。
(4.3.1)動作シーケンスの一例
図14は、第4実施形態に係る無線通信システム1の動作例を示すシーケンス図である。
ステップS410において、マクロセル基地局300aは、参照信号を送信する。なお、マクロセル基地局300aは参照信号を周期的に送信している。無線端末200aは、参照信号を受信する。
ステップS420において、無線端末200aは、マクロセル基地局300aから受信した参照信号に基づいて、RSRPを測定する。
ここで、無線端末200aは、無線端末200aが受信可能な参照信号を送信する全てのマクロセル基地局300についてRSRPを測定してもよい。あるいは、マクロセル側伝搬損失の測定対象となるマクロセル基地局300をフェムトセル基地局100aが指定し、指定されたマクロセル基地局300についてRSRPを測定してもよい。
ステップS430において、無線端末200aは、測定したRSRPの情報をフェムトセル基地局100aに送信する。フェムトセル基地局100aの送受信部110は、RSRPの情報を受信する。
ステップS440において、フェムトセル基地局100aの伝搬損失算出部126は、RSRPの情報に基づいて、マクロセル側伝搬損失を算出する。具体的には、参照信号の既知の送信電力からRSRPを引くことで下りリンクのマクロセル側伝搬損失を算出し、算出した下りリンクのマクロセル側伝搬損失から、前述したように既存の算出手法を使用して、上りリンクのマクロセル側伝搬損失を算出する。
ステップS450において、フェムトセル基地局100aの帯域制限部127は、マクロセル側伝搬損失に基づき、上下リンクにおける周波数帯域の制限、又は制限の解除を行う。
ステップS460において、フェムトセル基地局100aのリソース割り当て部128は、上下リンクの無線リソースを無線端末200aに割り当てる。具体的には、PUSCHとして使用するリソースブロック及びPDSCHとして使用するリソースブロックを無線端末200aに割り当てる。
ステップS470において、フェムトセル基地局100aの送受信部110は、リソース割り当て部128によって割り当てられた無線リソースを示す情報(制御データ)をPDCCHに含めて無線端末200aに送信する。無線端末200aは、制御データを受信する。
ステップS480において、無線端末200aは、割り当てられたPUSCHにユーザデータを含めてフェムトセル基地局100aに送信する。
(4.3.2)帯域制限/解除フロー
次に、図14のステップS450の詳細について説明する。
(4.3.2.1)上りリンクの帯域制限/解除フロー
図15は、上りリンクの帯域制限/解除フローを示すフローチャートである。
上りリンクの帯域制限が行われていない場合(ステップS451U;NO)、ステップS452Uにおいて、帯域制限部127は、上りリンクのマクロセル側伝搬損失を所定値と比較する。
上りリンクのマクロセル側伝搬損失が所定値よりも小さい場合(ステップS452U;YES)、帯域制限部127は、上りリンクのマクロセル側伝搬損失に応じて、無線端末200aに割り当てる上りリンクの周波数帯域を制限する。
ここで、帯域制限部127は、上りリンクのマクロセル側伝搬損失が小さいほど、上りリンクの周波数帯域を制限する度合いを大きくする。例えば、上りリンクのマクロセル側伝搬損失が小さいほど、PUSCHとして割り当てるリソースブロック数の上限を低下させてもよい。あるいは、上りリンクのマクロセル側伝搬損失が小さいほど、割り当て禁止にするリソースブロック数を増加させてもよい。
一方、上りリンクの帯域制限が既に行われている場合(ステップS451U;YES)、ステップS454Uにおいて、帯域制限部127は、上りリンクのマクロセル側伝搬損失を所定値と比較する。
上りリンクのマクロセル側伝搬損失が所定値よりも大きい場合(ステップS454U;YES)、帯域制限部127は、上りリンクの帯域制限を解除する。
(4.3.2.2)下りリンクの帯域制限/解除フロー
図16は、下りリンクの帯域制限/解除フローを示すフローチャートである。
下りリンクの帯域制限が行われていない場合(ステップS451D;NO)、ステップS452Dにおいて、帯域制限部127は、下りリンクのマクロセル側伝搬損失を所定値と比較する。
下りリンクのマクロセル側伝搬損失が所定値よりも大きい場合(ステップS452D;YES)、帯域制限部127は、下りリンクのマクロセル側伝搬損失に応じて、無線端末200aに割り当てる下りリンクの周波数帯域を制限する。
ここで、帯域制限部127は、下りリンクのマクロセル側伝搬損失が大きいほど、下りリンクの周波数帯域を制限する度合いを大きくする。例えば、下りリンクのマクロセル側伝搬損失が大きいほど、PDSCHとして割り当てるリソースブロック数の上限を低下させてもよい。あるいは、下りリンクのマクロセル側伝搬損失が大きいほど、割り当て禁止にするリソースブロック数を増加させてもよい。
一方、下りリンクの帯域制限が既に行われている場合(ステップS451D;YES)、ステップS454Dにおいて、帯域制限部127は、下りリンクのマクロセル側伝搬損失を所定値と比較する。
下りリンクのマクロセル側伝搬損失が所定値よりも小さい場合(ステップS454D;YES)、帯域制限部127は、下りリンクの帯域制限を解除する。
なお、図16に示す動作フローでは、下りリンクのマクロセル側伝搬損失を使用しているが、上記のように距離が推定できればよいので、下りリンクのマクロセル側伝搬損失に代えて上りリンクのマクロセル側伝搬損失を使用してもよい。
(4.4)第4実施形態の効果
以上説明したように、第4実施形態によれば、マクロセル側伝搬損失に基づいて無線端末200aに割り当てる上下リンクの周波数帯域を制限することによって、無線端末200aがマクロセル基地局300aに与える干渉と、フェムトセル基地局100aが無線端末200cに与える干渉とを抑制できる。
なお、フェムトセル基地局100aは、1つの無線端末200aに対して周波数帯域の制限を行っていたが、複数の無線端末200aがフェムトセル基地局100aに接続する場合には、当該複数の無線端末200aのそれぞれに対して帯域制限を個別に適用してもよい。あるいは、当該複数の無線端末200aのそれぞれのマクロセル側伝搬損失の平均に基づいて、当該複数の無線端末200aの全てに対して帯域制限を一律に適用してもよい。
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した第1〜第3実施形態においては、調整用関数Poffset(x)により送信電力調整値を算出していたが、このような数式を利用する方法に限らず、xの所定範囲毎に送信電力調整値を対応付けたテーブルを記憶しておき、当該テーブルを変換情報として利用してもよい。
上述した第2の送信電力制御方法において、x= PL1- PL0を重み付けし、例えばx= a*PL1- (1-a)*PL0によりxを算出してもよい(0<a<1)。同様に、第4の送信電力制御方法において、x= PLave- PL0を重み付けし、例えばx= b*PLave-(1-b)*PL0によりxを算出してもよい(0<b<1)。
上述した第1〜第4実施形態においては、小セル基地局としてフェムトセル基地局を例に説明したが、フェムトセル基地局と同様の形態の基地局(例えば、ピコセル基地局)であれよい。この場合、マクロセル基地局とピコセル基地局との間にX2インタフェースが設けられていてもよい。
なお、上述した各実施形態においては、参照信号の送信電力が既知の値であると説明したが、各基地局が参照信号の送信電力の情報をブロードキャストで送信している場合には、ブロードキャスト送信される情報から参照信号の送信電力を知ることができる。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
なお、日本国特許出願第2009−186914号(2009年8月11日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本発明に係る無線通信システム、小セル基地局、無線端末、送信電力制御方法、及び割り当て制御方法は、小セル基地局に接続する無線端末が大セル基地局に与える干渉の低減を図ることができるため、移動体通信などの無線通信において有用である。

Claims (9)

  1. 大セル基地局が形成する大セルよりも小さい小セルを形成し、前記大セル内に設置可能な小セル基地局であって、
    前記小セル基地局に接続する無線端末の近隣の大セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失を示す大セル側伝搬損失に基づいて、前記無線端末に割り当てる周波数帯域を制限する帯域制限部を備える小セル基地局。
  2. 前記帯域制限部は、前記大セル側伝搬損失が小さいほど、前記無線端末に割り当てる上りリンクの周波数帯域を制限する度合いを大きくする請求項に記載の小セル基地局。
  3. 前記帯域制限部は、
    前記大セル側伝搬損失が所定値を下回った場合には、前記無線端末に割り当てる上りリンクの周波数帯域を制限し、
    前記大セル側伝搬損失が所定値を上回った場合には、前記上りリンクの周波数帯域の制限を解除する請求項に記載の小セル基地局。
  4. 前記帯域制限部は、前記大セル側伝搬損失が大きいほど、前記無線端末に割り当てる下りリンクの周波数帯域を制限する度合いを大きくする請求項に記載の小セル基地局。
  5. 前記帯域制限部は、
    前記大セル側伝搬損失が所定値を上回った場合には、前記無線端末に割り当てる下りリンクの周波数帯域を制限し、
    前記大セル側伝搬損失が所定値を下回った場合には、前記無線端末に割り当てる下りリンクの周波数帯域の制限を解除する請求項に記載の小セル基地局。
  6. 前記大セル側伝搬損失は、前記近隣の大セル基地局の中で前記無線端末との間の伝搬損失が最も小さい大セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失である請求項に記載の小セル基地局。
  7. 前記大セル側伝搬損失は、前記近隣の大セル基地局のそれぞれと前記無線端末との間の伝搬損失の平均である請求項に記載の小セル基地局。
  8. 前記大セル側伝搬損失は、前記近隣の大セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失と、前記無線端末の近隣の小セル基地局の中で前記無線端末が接続する前記小セル基地局以外の小セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失との平均である請求項に記載の小セル基地局。
  9. 大セル基地局が形成する大セルよりも小さい小セルを形成し、前記大セル内に設置可能な小セル基地局に接続する無線端末への周波数帯域の割り当てを制御する割り当て制御方法であって、
    前記小セル基地局に接続する無線端末の近隣の大セル基地局と前記無線端末との間の伝搬損失を示す大セル側伝搬損失に基づいて、前記無線端末に割り当てる周波数帯域を制限するステップを含む割り当て制御方法。
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