JP5552887B2 - 配線構造体、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
微細ピッチで構造体が多数形成された第1の領域と、平面状に形成された第2の領域とを有する基体と、
第1の領域、および第2の領域共に同一材料の導電材料が成膜されており、第1の領域、および第2の領域のうち該第2の領域に導電材料が連続的に形成されて、配線パターンをなす導電層と
を備える配線構造体である。
微細ピッチで第1の構造体が多数形成された第1の領域と、微細ピッチで第2の構造体が多数形成された第2の領域とを有する基体と、
第1の領域、および第2の領域共に同一材料の導電材料が成膜されており、第1の領域、および第2の領域のうち該第2の領域に導電材料が連続的に形成されて、配線パターンをなす導電層と
を備え、
第1の構造体のアスペクト比は、第2の構造体のアスペクト比に比して大きい配線構造体である。
微細ピッチで第1の構造体が多数形成された第1の領域と、平面状に形成された第2の領域とを基体表面に形成する工程と、
基体表面に導電層を形成する工程と
を備え、
導電層の形成工程では、
第1の領域および第2の領域の構造体の有無を利用して、第1の領域に導電材料を不連続的に形成するのに対して、第2の領域に導電材料を連続的に形成することにより、導電層からなる配線パターンを第2の領域に形成する配線構造体の製造方法である。
微細ピッチで第1の構造体が多数形成された第1の領域と、微細ピッチで第2の構造体が多数形成された第2の領域とを基体表面に形成する工程と、
基体表面に導電層を成膜する工程と
を備え、
第1の領域および第2の領域の構造体のアスペクト比の違いを利用して、第1の領域に導電材料を不連続的に形成するのに対して、第2の領域に導電材料を連続的に形成することにより、導電層からなる配線パターンを第2の領域に形成する配線構造体の製造方法である。
高アスペクトな構造体上に導電層を形成した場合と、平面上または低アスペクト構造体上に導電層を形成した場合とでは、導電層の表面積が異なる。このため、高アスペクトな構造体上に導電層を形成した場合には、導電層の厚さよっては構造体上の導電層は導通をとることが困難となる。これは導電層の成長が表面積に依存して島状に成長する、または実質的に導電性を示さない程の厚さに導電層が成長するためである。これに対して、平面上または低アスペクト構造体上に導電層を形成した場合、比較的容易に連続した導電層が成長する、または導電性を示す程の厚さでかつ連続的に導電層が成長するため、電気的な導通をとりやすい。
1.第1の実施形態(構造体の有無を利用して基体表面に配線を形成した例:図1A参照)
2.第2の実施形態(四方格子状に構造体を配置した例:図17A参照)
3.第3の実施形態(アスペクト比の違いを利用して基体表面に配線を形成した例:図20A参照)
4.第4の実施形態(配線を基体の両面に形成した例:図22A、図22B参照)
5.第5の実施形態(ディスク状原盤の作製例:図23A、図23B参照)
6.第6の実施形態(構造体を凹状とした例:図25A、図25B参照)
7.第7の実施形態(表示装置に対する適用例:図26参照)
8.第8の実施形態(タッチパネルに対する適用例:図28A、図29A参照)
[導電性光学素子の構成]
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る配線構造体の一構成例を示す平面図である。図1Bは、本発明の第1の実施形態に係る配線構造体の一構成例を示す断面図である。図1Cは、本発明の第1の実施形態に係る配線構造体の第2の領域の層構成を示す断面図である。以下では、配線構造体1の回路形成面の面内で互いに直交する2方向をX軸方向、およびY軸方向とし、その回路形成面に垂直な方向をZ軸方向と称する。
基体2は、例えば、透明性または不透明性を有する基体である。基体2の材料としては、例えば、プラスチック材料などの有機材料、ガラスなどの無機材料を用いることができる。
図2Aは、図1Aに示した第1の領域の一部を拡大して表す平面図である。図2Bは、図2AのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図2Cは、図1AのトラックT2、T4、・・・における断面図である。図2Dは、図2AのトラックT1、T3、・・・に対応する潜像形成に用いられるレーザー光の変調波形を示す略線図である。図2Eは、図2AのトラックT2、T4、・・・に対応する潜像形成に用いられるレーザー光の変調波形を示す略線図である。図3、図5〜図7は、図1Aに示した第1の領域の一部を拡大して表す斜視図である。図4Aは、図2Aに示した第1の領域のトラック延在方向の断面図である。図4Bは、図2Aに示した第1の領域のθ方向の断面図である。
アスペクト比=H/P・・・(1)
但し、H:構造体の高さ、P:平均配置ピッチ(平均周期)
ここで、平均配置ピッチPは以下の式(2)により定義される。
平均配置ピッチP=(P1+P2+P2)/3 ・・・(2)
但し、P1:トラックの延在方向の配置ピッチ(トラック延在方向周期)、P2:トラックの延在方向に対して±θ方向(但し、θ=60°−δ、ここで、δは、好ましくは0°<δ≦11°、より好ましくは3°≦δ≦6°)の配置ピッチ(θ方向周期)
まず、配線構造体1の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてTop Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真から無作為に単位格子Ucを選び出し、その単位格子Ucの配置ピッチP1、およびトラックピッチTpを測定する(図1B参照)。また、その単位格子Ucの中央に位置する構造体3の底面の面積Sを画像処理により測定する。次に、測定した配置ピッチP1、トラックピッチTp、および底面の面積Sを用いて、以下の式(3)より充填率を求める。
充填率=(S(hex.)/S(unit))×100 ・・・(3)
単位格子面積:S(unit)=P1×2Tp
単位格子内に存在する構造体の底面の面積:S(hex.)=2S
導電層4は、例えば、金属層、または透明導電層などである。金属層を構成する材料としては、例えば、Ag、Al、Au、Pt、Pd、Ni、Cr、Nb、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。透明導電層を構成する材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO(Al2O3、ZnO))、SZO、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化錫(SnO2)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、およびインジウム錫酸化物(IZO(In2O3、ZnO))から選ばれる少なくとも1種を用いることができるが、信頼性の高さ、および抵抗率の低さなどの観点から、ITOが好ましい。導電層4を構成する材料は、導電性の向上の観点からすると、アモルファスと多結晶との混合状態であることが好ましい。
導電層4として透明導電層を用いる場合、基体表面に金属層5をさらに備えることが好ましい。抵抗率を低減でき、透明導電層を薄くすることができる、または透明導電層だけでは導電率が十分な値に達しない場合に、導電率を補うことができるからである。金属層5は、例えば、基体表面と導電層4との間の界面、導電層4の表面、およびそれらの両方に形成される。また、金属層5を介して導電層4を積層する積層構造を採用するようにしてもよい。金属層5の膜厚は、特に限定されるものではないが、例えば数nm程度に選ばれる。金属層5は導電率が高いため、数nmの膜厚で十分な表面抵抗を得ることができる。また、数nm程度であれば、金属層5による吸収や反射などの光学的な影響がほとんどない。金属層5を構成する材料としては、導電性が高い金属系の材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば、Ag、Al、Cu、Ti、Au、Pt、およびNbからなる群より選ばれた少なくとも1種を用いることができる。
図11Aは、基体を作製するためのロール原盤の一構成例を示す斜視図である。図11Bは、図11Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す斜視図である。ロール原盤11は、上述した基体表面に構造体3を成形するための原盤である。ロール原盤11は、例えば、円柱状または円筒状の形状を有し、その円柱面または円筒面には多数の第1の領域R1および第2の領域R2が交互に設定されている。図11Aおよび図11Bでは、第1の領域R1および第2の領域R2が周方向に向かって、リング状に形成されている場合が示されているが、第1の領域R1および第2の領域R2の形状はこの例に限定されるものではなく、所望とする配線の形状、すなわち第2の領域に形成する導電層4の形状に応じて適宜選択される。ロール原盤11の材料は、例えばガラスを用いることができるが、この材料に特に限定されるものではない。
図13は、ロール原盤露光装置の一構成例を示す概略図である。以下、図13を参照して、ロール原盤露光装置の構成について説明する。なお、このロール原盤露光装置は、例えば、光学ディスク記録装置をベースとして構成することが可能である。
以下、図13〜図16を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る配線構造体1の製造方法の一例について説明する。なお、この製造方法において転写工程以降の一部または全部のプロセスは、生産性を考慮して、ロール・ツー・ロールにより行うことが好ましい。
まず、図14Aに示すように、円柱状または円筒状のロール原盤11を準備する。このロール原盤11は、例えばガラス原盤である。次に、図14Bに示すように、ロール原盤11の表面にレジスト層13を形成する。レジスト層13の材料としては、例えば有機系レジスト、および無機系レジストのいずれを用いてもよい。有機系レジストとしては、例えばノボラック系レジストや化学増幅型レジストを用いることができる。また、無機系レジストとしては、遷移金属を1種または2種以上含む金属化合物を用いることができる。
次に、図14Cに示すように、上述したロール原盤露光装置を用いて、ロール原盤11を回転させると共に、レーザー光(露光ビーム)15をレジスト層13に照射する。このとき、レーザー光14をロール原盤11の高さ方向(円柱状または円筒状のロール原盤11の中心軸に平行な方向)に移動させながら、レーザー光14を照射する。この際、配線パターン間の絶縁領域に対応する第1の領域R1のみに潜像を形成し露光部とするのに対して、配線パターンに対応する第2の領域R2は露光せず、非露光部とする。レーザー光14の軌跡に応じた潜像15は、例えば、可視光の波長以下のピッチで形成される。
次に、例えば、ロール原盤11を回転させながら、レジスト層13上に現像液を滴下して、図15Aに示すように、レジスト層13を現像処理する。図示するように、レジスト層13をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザー光14で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、潜像(露光部)16に応じたパターンがレジスト層13に形成される。これにより、第1の領域R1のレジスト層13には、六方格子パターン、または準六方格子パターンなどの開口部が形成されるのに対して、第2の領域R2のレジスト層13には、開口部が形成されず、第2の領域R2全体はレジスト層13に覆われた状態が維持される。すなわち、第1の領域R1のみに開口パターンを有するマスクがロール原盤表面に形成される。
次に、ロール原盤11の上に形成されたレジスト層13のパターン(レジストパターン)をマスクとして、ロール原盤11の表面をエッチング処理する。これにより、ロール原盤表面のうち第1の領域R1では、開口部を介してエッチングが進行し、図15Bに示すように、第1の領域の領域R1には、トラックの延在方向に長軸方向をもつ楕円錐形状または楕円錐台形状などの構造体(凹部)12が形成される。一方、ロール原盤表面のうち第2の領域R2では、この領域全体がレジスト層13に覆われているため、エッチングは施されず、平面状のロール原盤表面が維持される。エッチング方法としては、例えばドライエッチングを用いることができる。このとき、エッチング処理とアッシング処理を交互に行うことにより、例えば、錐体状の構造体12のパターンを形成することができる。また、レジスト層13の3倍以上の深さ(選択比3以上)のガラスマスターを作製でき、構造体3の高アスペクト比化を図ることができる。
以上により、目的とするロール原盤11が得られる。
次に、例えば、図15Cに示すように、ロール原盤11と転写材料15を塗布したフィルムなどの基体2を密着させ、紫外線などを照射して転写材料15を硬化させた後、硬化した転写材料15と一体となった基体2を剥離する。これにより、図16Aに示すように、基体表面の第1の領域R1には、凸部である構造体3が多数形成されるのに対して、基体表面の第2の領域R2には、構造体3は転写されず、平面状とされる。
単官能モノマーとしては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル、脂環類(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレンクリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチルー2−ヒドロキシプロピル アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル アクリレート、2−(パーフルオロー3−メチルブチル)エチル アクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。
次に、必要に応じて、構造体3が形成された基体2の凹凸面上に、金属層5を形成する。この際、第1の領域R1では、例えば、金属層5が島状などに不連続的に形成される。これに対して、第2の領域R2では、例えば、金属層5が連続的にまたは島状などに不連続的に形成される。金属層5の成膜方法としては、例えば、熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどのCVD法(Chemical Vapor Deposition(化学蒸着法):化学反応を利用して気相から薄膜を析出させる技術)のほか、真空蒸着、プラズマ援用蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD法(Physical Vapor Deposition(物理蒸着法):真空中で物理的に気化させた材料を基板上に凝集させ、薄膜を形成する技術)を用いることができる。
次に、図16Bに示すように、構造体3が形成された基体2の凹凸面上に、導電層4を成膜する。この際、第1の領域R1では、導電層4は島状などに不連続的に形成されるのに対して、第2の領域R2では、導電層4は連続的に形成される。したがって、第2の領域R2に形成された導電層4は配線として機能するのに対して、第1の領域R1は上記配線間の絶縁領域として機能する。導電層4の成膜方法としては、例えば、上述の金属層の成膜方法と同様の方法を用いることができる。次に、必要に応じて、導電層4に対してアニール処理を施す。これにより、導電層4が、例えばアモルファスと多結晶との混合状態となる。
以上により、目的とする配線構造体1が得られる。
[導電性光学素子の構成]
図17Aは、本発明の第2の実施形態に係る配線構造体の第1の領域の一部を拡大して表す平面図である。図17Bは、本発明の第2の実施形態に係る配線構造体の第1の領域のトラックT1、T3、・・・における断面図である。図17Cは、図17AのトラックT2、T4、・・・における断面図である。図17Dは、図17AのトラックT1、T3、・・・に対応する潜像形成に用いられるレーザー光の変調波形を示す略線図である。図17Eは、図17AのトラックT2、T4、・・・に対応する潜像形成に用いられるレーザー光の変調波形を示す略線図である。
アスペクト比=H/P・・・(4)
但し、H:構造体の高さ、P:平均配置ピッチ(平均周期)
ここで、平均配置ピッチPは以下の式(5)により定義される。
平均配置ピッチP=(P1+P2+P2)/3 ・・・(5)
但し、P1:トラックの延在方向の配置ピッチ(トラック延在方向周期)、P2:トラックの延在方向に対して±θ方向(但し、θ=45°−δ、ここで、δは、好ましくは0°<δ≦11°、より好ましくは3°≦δ≦6°)の配置ピッチ(θ方向周期)
まず、配線構造体1の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてTop Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真から無作為に単位格子Ucを選び出し、その単位格子Ucの配置ピッチP1、およびトラックピッチTpを測定する(図17A参照)。また、その単位格子Ucに含まれる4つの構造体3のいずれかの底面の面積Sを画像処理により測定する。次に、測定した配置ピッチP1、トラックピッチTp、および底面の面積Sを用いて、以下の式(6)より充填率を求める。
充填率=(S(tetra)/S(unit))×100 ・・・(6)
単位格子面積:S(unit)=2×((P1×Tp)×(1/2))=P1×Tp
単位格子内に存在する構造体の底面の面積:S(tetra)=S
図19Aは、基体を作製するためのロール原盤の一部を拡大して表す斜視図である。図19Bは、図19Aに示した第1の領域を拡大して表す平面図である。このロール原盤は、第1の領域R1の多数の構造体3が、隣接する3列のトラック(例えばT1〜T3)間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンを形成するように配置されている点において、第1の実施形態のものとは異なっている。
[配線構造体の構成]
図20Aは、本発明の第3の実施形態に係る配線構造体の一構成例を示す平面図である。図20Bは、本発明の第3の実施形態に係る配線構造体の一構成例を示す断面図である。図20Cは、本発明の第3の実施形態に係る配線構造体の第2の領域の層構成を示す断面図である。第3の実施形態に係る配線構造体1は、第1の領域R1に形成された第1の構造体31と、第2の構造体32に形成された第2の構造体32とのアスペクト比の違いを利用して、基体表面に配線を形成している点において、第1の実施形態とは異なっている。
図21Aは、基体を作製するためのロール原盤の一部を拡大して表す斜視図である。図21Bは、基体を作製するためのロール原盤の一部を拡大して表す断面図である。第3の実施形態に係るロール原盤11は、第1の領域R1および第2の領域R2の両領域にそれぞれ、凹状の構造体121および構造体122を備える点において、第1の実施形態のものとは異なっている。
図22Aは、本発明の第4の実施形態に係る配線構造体の一構成例を示す断面図である。第4の実施形態に係る配線構造体1は、基体2の両主面に第1の領域R1および第2の領域R2を設定し、両領域のうち第2の領域R2にのみ連続的に導電層4を形成することで、基体両面に配線を形成している点において、第1の実施形態とは異なっている。また、図22Bに示すように、基体2に第2の領域R2にスルーホール(貫通孔)を形成し、このスルーホールに導体インクなどの導電材料を埋め込み、基体2の両面に形成された回路などの配線を電気的に接続するようにしてもよい。
[ディスク状原盤の構成]
図23Aは、本発明の第5の実施形態に係るディスク状原盤の一構成例を示す平面図である。図23Bは、図23Aに示したディスク状原盤の一部を拡大して表す平面図である。
第5の実施形態は、ディスク状原盤41の表面に第1の領域R1および第2の領域R2を設定し、第1の領域R1に凹状の構造体12を多数形成している点において第1の実施形態とは異なっている。なお、図23Aおよび図23Bでは、円環状を有する第1の領域R1および第2の領域R2を交互に形成する例が示されているが、第1の領域R1および第2の領域R2の形状はこれに限定されるものではなく、所望とする配線の形状に応じて種々の形状に設定可能である。
まず、図24を参照して、上述した構成を有するディスク状原盤41を作製するための露光装置について説明する。
上述した構成を有する露光装置を用いて、ディスク状原盤41上に形成されたレジスト層を露光する以外は、第1の実施形態と同様にして配線構造体1を作製することができる。
図25Aは、本発明の第6の実施形態に係る配線構造体の一構成例を示す平面図である。図25Bは、本発明の第6の実施形態に係る配線構造体の第1の領域の一部を拡大して表す斜視図である。第6の実施形態に係る回路構造体1は、凹部である構造体3が基体表面の第1の領域R1に多数配列されている点において、第1の実施形態のものとは異なっている。この構造体3の形状は、第1の実施形態における構造体3の凸形状を反転して凹形状としたものである。なお、上述のように構造体3を凹部とした場合、凹部である構造体3の開口部(凹部の入り口部分)を下部、基体2の深さ方向の最下部(凹部の最も深い部分)を頂部と定義する。すなわち、非実体的な空間である構造体3により頂部、および下部を定義する。また、第6の実施形態では、構造体3が凹部であるため、式(1)などにおける構造体3の高さHは、構造体3の深さHとなる。
この第6の実施形態において、上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
図26は、本発明の第7の実施形態に係る液晶表示素子の一構成例を示す斜視図である。図26に示すように、液晶表示素子は、パッシブマトリックス駆動方式(単純マトリックス駆動方式ともいう。)の表示素子であり、所定間隔を離して対向配置された第1の基材101および第2の基材111と、第1の基材101および第2の基材111の間に配置された液晶層121とを備える。
図27は、本発明の第8の実施形態に係るタッチパネルを備える表示装置の一構成例を示す斜視図である。図27に示すように、表示装置202上にタッチパネル(情報入力装置)201が設けられている。表示装置202とタッチパネル201とは、例えば粘着剤を介して貼り合わされている。また、タッチパネル201の表面にフロントパネル(表面部材)203をさらに備えるようにしてもよい。タッチパネル201とフロントパネル(表面部材)203とは、例えば粘着剤により貼り合わされる。
以下の試験例および実施例において、構造体の高さH、配置ピッチP、およびアスペクト比(H/P)は以下のようにして求めた。
まず、フィルムの表面形状を、導電層(Ag層)を成膜していない状態において、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)により撮影した。そして、撮影したAFM像、およびその断面プロファイルから、構造体の配置ピッチP1、配置ピッチP2、高さHを求めた。次に、これらの配置ピッチP1、配置ピッチP2、および高さHを用いて、アスペクト比(=高さH/平均配置ピッチP)を求めた。ここで、平均配置ピッチP=(P1+P2+P2)/3である。
以下の試験例および実施例において、平滑面上の導電層の膜厚、および凹凸面上の導電層の膜厚は以下のようにして求めた。
まず、導電層を成膜したフィルムを切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)にて撮影し、撮影したTEM写真から、導電層の膜厚を測定した。
まず、導電層を成膜したフィルムを構造体の頂部を含むように切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)にて撮影し、撮影したTEM写真から、構造体における頂部における導電層の膜厚を測定した。
平滑な表面を有するPMMA(ポリメチルメタアクリレート)フィルムをDC(直流)マグネトロンスパッタリング装置に搬送し、Arガスをスパッタリング装置に投入しながら、0.1Pa程度の雰囲気でAg層を成膜した。Ag層の膜厚は10nmとした。
Ag層の膜厚を20nmとする以外は試験例1−1と同様にして、サンプルを得た。
Ag層の膜厚を30nmとする以外は試験例1−1と同様にして、サンプルを得た。
まず、ディスク状原盤を準備し、この原盤の表面に無機レジスト層を形成した。次に、記録媒体としての原盤を、図24に示した原盤露光装置に搬送し、レジスト層を露光し、隣接する3列のトラック間において六方格子パターンをなす潜像をレジスト層全体に形成した。レーザ光の波長は266nm、レーザパワーは0.50mW/mとした。
以上により、目的とするサンプルを得た。
Ag層の膜厚を20nmとする以外は試験例2−1と同様にして、サンプルを得た。
Ag層の膜厚を30nmとする以外は試験例2−1と同様にして、サンプルを得た。
露光工程、およびエッチング工程の条件を調整し、構造体の配置ピッチPを240nm、高さHを180nm、アスペクト比を0.75とする以外は、試験例1−1と同様にして
サンプルを得た。
Ag層の膜厚を20nmとする以外は試験例3−1と同様にして、サンプルを得た。
Ag層の膜厚を30nmとする以外は試験例3−1と同様にして、サンプルを得た。
露光工程、およびエッチング工程の条件を調整し、構造体の配置ピッチPを230nm、高さHを280nm、アスペクト比を1.22とする以外は、試験例1−1と同様にして
サンプルを得た。
Ag層の膜厚を20nmとする以外は試験例4−1と同様にして、サンプルを得た。
Ag層の膜厚を30nmとする以外は試験例4−1と同様にして、サンプルを得た。
上述のようにして得られた試験例1−1〜4−3のサンプルの表面抵抗を以下のようにして評価した。サンプルを5cm角に切り出し4端子法にて表面抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
アスペクト比を大きくするに従って、表面抵抗が増加する傾向がある。Ag層の膜厚を厚くするに従って、表面抵抗が低下する傾向がある。
平滑面にAg層を成膜した場合には、膜厚10nmからAg層がフィルム面内方向で導通する。これに対して、構造体からなる凹凸面にAg層を成膜した場合には、Ag層の膜厚が10nm以上20nm以下であり、かつ、アスペクト比が0.75以上1.22以下であると、Ag層はフィルム面内方向で導通しない。すなわち、フィルム表面の構造体の有無を利用して、フィルム表面に配線を形成することができる。
Ag層の膜厚が20nmである場合には、アスペクト比が0.59であると、Ag層はフィルム面内方向で導通するのに対して、アスペクト比が0.75、1.22であると、Ag層はフィルム面内方向で導通しない。すなわち、フィルム表面の構造体のアスペクト比の違いを利用して、フィルム表面に配線を形成することができる。
なお、上記試験例では、Agを導電層の材料とする場合を示したが、Al、Au、Pt、Pd、Ni、Cr、Nb、Cuなどを導電層の材料とした場合にも、上記と同様の傾向が得られると推測される。
まず、ディスク状原盤を準備し、この原盤の表面に無機レジスト層を形成した。次に、記録媒体としての原盤を、図24に示した原盤露光装置に搬送し、レジスト層を露光し、円環状の第1の領域R1および第2の領域R2を交互に形成した(図23A、図23B参照)。この際、第1の領域R1には、隣接する3列のトラック間において六方格子状をなる露光パターンを形成した。これに対して、第2の領域R2には、露光パターンを形成せず、第2の領域R2を非露光部とした。レーザ光13の波長は266nm、レーザパワーは0.50mW/mとした。
以上により、目的とするフレキシブル基板が得られた。
上述のようにして得られたフレキシブル基板の配線を以下のようにして評価した。
まず、円環状の配線の2点にテスターのプローブをあてて、周方向の抵抗を測定した。次に、径方向(円環状の配線と直交する方向)の2点にテスターのプローブをあてて、径方向の抵抗を測定した。その結果、円環状の配線上では100Ω程度の導通が確認されたのに対して、径方向では絶縁されていることが確認された。この結果より、構造体の有無、または構造体のアスペクト比の違いを利用して、配線を形成できることがわかった。
また、金属層単体ではなくITO層と金属層との複合層なども同様の結果が得られると推測され、電子ペーパーなどの配線にも本発明は適用可能と考えられる。
2 基体
3 構造体
4 透明導電層
5 金属層
11 ロール原盤
12 構造体
13 レジスト層
41 ディスク状原盤
Claims (10)
- 微細ピッチで構造体が多数形成された第1の領域と、平面状に形成された第2の領域とを有する基体と、
上記第1の領域、および上記第2の領域共に同一材料の導電材料が成膜されており、上記第1の領域、および上記第2の領域のうち該第2の領域に上記導電材料が連続的に形成されて、配線パターンをなす導電層と
を備える配線構造体。 - 上記構造体のアスペクト比が、0.3以上である請求項1記載の配線構造体。
- 上記第1の領域には、導電層が不連続的に形成されている請求項1記載の配線構造体。
- 上記構造体は、上記基体の表面において複数列のトラックをなすように配置されているとともに、六方格子パターン、準六方格子パターン、四方格子パターンまたは準四方格子パターンを形成している請求項1記載の配線構造体。
- 上記構造体は、上記トラックの延在方向に長軸方向を有する楕円錐または楕円錐台形状である請求項4記載の配線構造体。
- 上記基体は、可撓性を有する請求項1記載の配線構造体。
- 微細ピッチで第1の構造体が多数形成された第1の領域と、微細ピッチで第2の構造体が多数形成された第2の領域とを有する基体と、
上記第1の領域、および上記第2の領域共に同一材料の導電材料が成膜されており、上記第1の領域、および上記第2の領域のうち該第2の領域に上記導電材料が連続的に形成されて、配線パターンをなす導電層と
を備え、
上記第1の構造体のアスペクト比は、上記第2の構造体のアスペクト比に比して大きい配線構造体。 - 上記第1の構造体のアスペクト比が、0.3以上であり、
上記第2の構造体のアスペクト比が、0.3未満である請求項7記載の配線構造体。 - 微細ピッチで第1の構造体が多数形成された第1の領域と、平面状に形成された第2の領域とを基体表面に形成する工程と、
上記基体表面に導電層を形成する工程と
を備え、
上記導電層の形成工程では、
上記第1の領域および上記第2の領域の構造体の有無を利用して、上記第1の領域に導電材料を不連続的に形成するのに対して、上記第2の領域に導電材料を連続的に形成することにより、上記導電層からなる配線パターンを上記第2の領域に形成する配線構造体の製造方法。 - 微細ピッチで第1の構造体が多数形成された第1の領域と、微細ピッチで第2の構造体が多数形成された第2の領域とを基体表面に形成する工程と、
上記基体表面に導電層を成膜する工程と
を備え、
上記第1の領域および上記第2の領域の構造体のアスペクト比の違いを利用して、上記第1の領域に導電材料を不連続的に形成するのに対して、上記第2の領域に導電材料を連続的に形成することにより、上記導電層からなる配線パターンを上記第2の領域に形成する配線構造体の製造方法。
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