JP5552218B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電源装置に係る技術に関し、代表的には、高機能な漏電検出技術に関する。
電源装置、例えばハイブリッド自動車や電気自動車、ハイブリッド電車等用の電力源として実用に供されている電池の多くは、セルを複数個直列に組み合わせた組電池である。このため、これらの端子間電圧は高電圧となっており、組電池およびその関連回路を取り扱う際には、感電しないように対処する必要がある。
一般的に行われている対処法の一つは、組電池およびその関連回路を他の回路から絶縁するというものである。この対処法が有効に働いているかを確認するには、組電池およびその関連回路と他の回路間の絶縁抵抗が規定値以上であることを確認すればよい。この確認方法としては、組電池の正極および負極と、車体とを、規定値より大きくかつ等しい大きさの絶縁抵抗によりそれぞれ接続し、正極と車体、および負極と車体との間の抵抗値を計測すればよい。
漏電が発生した場合は、この漏電箇所の抵抗が前記絶縁抵抗に並列な何らかの抵抗として計測され、絶縁抵抗の値が正極側と負極側とで不一致となる。この不一致は、正極と車体との間の電圧と、負極と車体との間の電圧の不一致という形で計測可能である。
特許文献1は、高圧直流電源の両端側からそれぞれ保護抵抗と検出抵抗を順番に接続して2つの検出抵抗の接続部をグランドに接地するとともに、それぞれの検出抵抗の両側の2つの保護抵抗にそれぞれ並列にスイッチを接続し、これら2つのスイッチの開閉を制御して検出抵抗の両端部の電圧を測定することにより漏電を判定する漏電検出部を備えた漏電検出装置において、漏電検出部が、スイッチを切り替えた後に一定時間だけデータを取り込むのを待機するタイマー手段を備えた漏電検出装置を開示している。
特許文献2は、直流電源の両極性間に、一方の極性から他方の極性に向かって、第1スイッチ、第1保護抵抗、第1検出抵抗、第2検出抵抗、第2保護抵抗、第2スイッチを直列接続し、前記両検出抵抗の間を第3スイッチを介して車体シャーシに接地すると共に、前記両検出抵抗での降下電圧を検出する電圧検出回路を設ける一方、前記第1スイッチ及び第2スイッチのみをオンし、前記電圧検出回路での検出結果に基づいて直流電源の電圧を算出し、第1スイッチ及び第3スイッチ、又は、第2スイッチ及び第3スイッチのみをオンし、前記電圧検出回路で検出される第1検出抵抗又は第2検出抵抗での降下電圧値と前記電圧検出回路で検出した直流電源の電圧値とに基づいて前記車体シャーシへの漏電抵抗を算出し、該漏電抵抗に基づいて漏電の有無を判定する演算処理回路を備えたことを特徴とする漏電検出装置を開示している。
特許文献3は、車両に搭載されてその車両のボデーグラウンドから電気的に分離されて高圧直流電源と、前記高圧直流電源のプラス側とマイナス側との間に直列に接続された外側の2個の保護抵抗および内側の互いの結合部を前記ボデーグラウンドに設置した2個の漏電検出抵抗と、前記各漏電検出抵抗の両端電圧を増幅する第1および第2の増幅器と、前記第1および第2の増幅器の出力を減算する減算器と、前記減算器の出力をしきい値と比較してその結果を出力する比較器とを備えた漏電検出装置を開示している。
特開平9―274062号公報 特開2003-66090号公報 特開平7−20185号公報
上記の漏電検出装置は、漏電において絶縁抵抗の値が正極側と負極側で不一致となることが多いことを利用している。しかし、絶縁抵抗の値が正極側と負極側で一致するような漏電も存在する。その例としては、直列接続された2個の電池モジュールの間に設けられた回路切断手段での漏電が挙げられるが、このような漏電は従来の漏電装置では検出できない。回路の更なる安全化のために、このような漏電も検知することが必要であり、これが課題となっていた。
本願の代表的な発明は、より高機能な漏電検出装置を備えた電源装置を提供する。
また、本願の代表的な発明は、従来検出できなかった漏電パターンが検出できるなど、より多くの漏電パターンに対応できる漏電検出装置を備えた電源装置を提供する。
ここに、本願の代表的な発明は、以下に列挙する代表的な構成のうち、いずれか一つ或いは二つ以上の組み合わせを特徴とする。
代表的な構成の一つは、複数の単電池が電気的に接続されることにより構成され、電気的に浮動状態である組電池と、この組電池とグラウンドとの間に電気的に接続された複数の抵抗素子により構成されたセンサ部を備え、センサ部からの出力信号により、組電池が電気的にグラウンドに接続されたことを検出する漏電検出装置とを有し、センサ部が、複数の抵抗素子のうちの一部によって抵抗値が可変できるように構成されていることにある。
代表的な構成の他の一つは、複数の抵抗素子のうちの一部が、組電池とグラウンドとの間に対する電気的な接続及び切り離しが可能なようにスイッチを備えていることにある。
代表的な構成の他の一つは、電荷を蓄積・放出可能な蓄電手段の単位要素であるセルを複数個接続した組電池と、前記組電池から絶縁された回路を有するシステムにおいて、組電池の組み込まれた回路と前記絶縁された回路との間の絶縁抵抗を検出する漏電検出手段と、前記絶縁抵抗の一部の抵抗値を変化させる絶縁抵抗操作手段を有することにある。
代表的な構成の他の一つは、直列接続された複数個の抵抗と、前記複数個の抵抗のうちの一つ又は複数個にかかる電圧を計測する電圧計測手段とを備えて、前記組電池の電圧を計測する組電池電圧検出手段と、組電池の正極又は負極側と前記絶縁された回路との間に直列接続された一つ又は複数個の抵抗と、該一つ又は複数個の抵抗にかかる電圧を、前記電圧計測手段を用いて計測する相対電位計測手段を備えることにある。
代表的な構成の他の一つは、前記絶縁抵抗操作手段は、スイッチ、又はスイッチと該スイッチに直列に接続された抵抗を、前記直列接続された複数個の抵抗の一部又は全部に対し、並列に接続したことにある。
代表的な構成の他の一つは、前記漏電検出装置の要素部品は、半導体上に集積されていることにある。
また、本願の代表的な発明は、より高機能な漏電検出装置による漏電検出方法を提供する。
ここに、本願の代表的な発明は、以下に列挙する代表的な構成のうち、いずれか一つ或いは二つ以上の組み合わせを特徴とする。
代表的な構成の一つは、前記組電池の正極側又は負極側と前記絶縁された回路との間の絶縁抵抗を計測することにより漏電の有無を判定するステップSと、前記組電池の正極側又は負極側と前記絶縁された回路との間の前記絶縁抵抗を変化させるステップSと、前記変化した絶縁抵抗を計測することにより漏電の有無を判定するステップSとを有することにある。
代表的な構成の他の一つは、前記絶縁抵抗を変化させるステップSが、漏電検出回路に含まれる抵抗の一部に対して並列に接続されたスイッチを閉じる操作であることにある。
代表的な構成の他の一つは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車又は電気自動車のキーオン前、キーオフ後又はキーオン後からキーオフ前の期間中のいずれか一つ又は複数のタイミングにおいて、漏電検出を行なうことにある。
代表的な構成の他の一つは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車又は電気自動車の充電前、充電中又は充電後のいずれか一つ又は複数のタイミングにおいて、漏電検出を行なうことにある。
以上説明した本願の代表的な発明によれば、正極側と負極側の絶縁抵抗の比を可変できるので、従来検出できなかった漏電パターンが検出できるなど、より多くの漏電パターンに対応できるようになり、より高機能な漏電検出を提供できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
以下に説明する実施例では、本発明を、車両、特に小型自動車の車載電源を構成する蓄電装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
小型自動車としては、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源として備えたハイブリッド電気自動車を例に挙げて説明するが、電動機を車両の唯一の駆動源とする電気自動車もある。
以下に説明する実施例の構成は、鉄道車両用電源、バスやトラックなどの大型自動車用電源、バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両用電源、コンピュータシステムのバックアップ電源、自家用発電設備用電源、電力系統安定化用電源など、他の電源を構成する蓄電装置にも適用できる。特に充放電が頻繁に繰り返される蓄電装置への適用は電池性能の向上を図る上で好ましい。
本発明の第1実施例を図1〜4に基づいて説明する。
まず、図4を用いて、車載電機システム(電動機駆動システム)の構成について説明する。
本実施例の車載電機システムは、車両の力行時及び内燃機関であるエンジンを始動する時など、回転動力が必要な運転モードにある時には、三相交流同期機であるモータジェネレータ200をモータとして駆動し、この駆動によって発生した回転動力を車輪及びエンジンなどの被駆動体に供給する。このため、本実施例の車載電機システムは、車載電源である蓄電装置100から直流電力を出力し、この出力された直流電力を、電力変換装置であるインバータ装置300によって三相交流電力に変換し、この変換された三相交流電力をモータジェネレータ200に供給する。
また、本実施例の車載電機システムは、車両の減速時や制動時などの回生時及び蓄電装置100の蓄電量が不足している状態にある時など、発電が必要な運転モードにある時には、モータジェネレータ200をジェネレータとして車輪或いはエンジンからの駆動力によって駆動し、この駆動によって発生した三相交流電力を蓄電装置100に蓄積する。このため、本実施例の車載電機システムは、モータジェネレータ200から出力された三相交流電力をインバータ装置300によって直流電力に変換し、この変換された直流電力を蓄電装置100に供給する。
モータジェネレータ200は、電機子(固定子)と、電機子に対向配置され、回転可能に保持された界磁(回転子)との磁気的な作用によって動作する電気機械であり、界磁の回転軸が車輪及びエンジンなどの被駆動体の回転軸に機械的に接続され、その被駆動体との間において回転動力を授受する。
電機子は、モータジェネレータ200をモータとして駆動する時には、三相交流電力の供給を受けて回転磁界を発生させ、モータジェネレータ200をジェネレータとして駆動する時には、磁束の鎖交により三相交流電力を発生させる部位であり、磁性体である電機子鉄心(固定子鉄心)と、電機子鉄心に装着された三相の電機子巻線(固定子巻線)とを備えている。
界磁は、モータジェネレータ200をモータ或いはジェネレータとして駆動する時、界磁磁束を発生させる部位であり、磁性体である界磁鉄心(回転子鉄心)と、界磁鉄心に装着された永久磁石或いは界磁巻線(回転子巻線)若しくは永久磁石と界磁巻線の両方とを備えている。界磁巻線は外部電源から界磁電流の供給を受けて励磁されることにより磁束を発生する。
インバータ装置300は、前述した電力変換(直流電力を三相交流電力に変換或いは三相交流電力を直流電力に変換)をスイッチング半導体素子の作動(オン・オフ)によって制御する電子機器であり、パワーモジュール310と、ドライバ回路320と、モータコントローラ330とを備えている。
パワーモジュール310は、六つのスイッチング半導体素子によって構成された変換回路を備え、前述した電力変換を六つのスイッチング半導体素子の作動(オン・オフ)により行う変換部である。スイッチング半導体素子には金属酸化膜半導体型電界効果トランジスタ(MOSFET)或いは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)を用いている。変換回路は、二つ(上アーム及び下アーム)のスイッチング半導体素子を電気的に直列に接続した直列回路(一相分のアーム)を三相分、電気的に並列に接続した三相ブリッジ回路により構成されている。
各上アームの下アーム接続側とは反対側は直流正極側モジュール端子に、各下アームの上アーム接続側とは反対側は直流負極側モジュール端子にそれぞれ電気的に接続されている。各アームの中点、すなわち上アームと下アームとの接続側は交流側モジュール端子に電気的に接続されている。直流正極側モジュール端子は直流正極側外部端子に、直流負極側モジュール端子は直流負極側外部端子にそれぞれ電気的に接続されている。直流正極側外部端子及び直流負極側外部端子は、蓄電装置100との間において直流電力を授受するための電源側端子であり、蓄電装置100から延びる電源ケーブル150が電気的に接続されている。交流側モジュール端子は交流側外部端子に電気的に接続されている。交流側外部端子は、モータジェネレータ200との間において三相交流電力を授受するための負荷側端子であり、モータジェネレータ200から延びる負荷ケーブルが電気的に接続されている。
変換回路の直流正極側と直流負極側との間には平滑コンデンサ340が電気的に並列に接続されている。平滑コンデンサ340は、変換回路を構成するスイッチング半導体素子の高速スイッチング(オン・オフ)動作及び変換回路に寄生するインダクタンスにより生じる電圧変動を抑制するために設けられている。平滑コンデンサ340には電解コンデンサ或いはフィルムコンデンサを用いている。
モータコントローラ330は、変換回路を構成する六つのスイッチング半導体素子のスイッチング動作を制御するためのものであり、上位コントローラ、例えば車両全体の制御を司る車両コントローラ500から出力されたトルク指令に基づいて六つのスイッチング半導体素子に対する指令信号(たとえばPWM(パルス幅変調)信号)を生成し、この生成された指令信号をドライバ回路320に出力する。ドライバ回路320は、モータコントローラ330から出力された指令信号に基づいて六つのスイッチング半導体素子に対する駆動信号を生成し、この生成された駆動信号を六つのスイッチング半導体素子のゲート電極に出力する。六つのスイッチング半導体素子は、ドライバ回路320から出力された駆動信号に基づいてオン又はオフする。
蓄電装置(電源装置)100は、電気エネルギーを蓄積及び放出(直流電力を充放電)するための電池モジュール110、及び電池モジュール110の状態を管理及び制御するための蓄電装置用制御装置を備えている。
電池モジュール110は二つの電池ブロック(或いは電池パック)、すなわち高電位側電池ブロック110a及び低電位側電池ブロック110bを電気的に直列に接続したものから構成されている。各電池ブロックには組電池が収納されている。各組電池は、複数のリチウム単電池(電荷の蓄積及び放出が可能な蓄電手段の単位要素であるリチウムセル)を電気的に直列に接続したものから構成されている。高電位側電池ブロック110aの負極側(低電位側)と低電位側電池ブロック110bの正極側(高電位側)との間にはSD(サービスディスコネクト)スイッチ110cが設けられている。SDスイッチ110cは蓄電装置100の保守、点検の時の安全性を確保するために設けられた安全装置であり、スイッチとヒューズとを電気的に直列に接続した電気回路により構成されている。
蓄電装置用制御装置は、その中で最も上位(親)に相当するバッテリコントローラ130、及びバッテリコントローラに対して下位(子)に相当するセルコントローラ120から構成されている。
バッテリコントローラ130は、電池モジュール110の状態を管理及び制御すると共に、上位制御装置に電池モジュール110の状態などを通知するためのものである。電池モジュール110の状態の管理及び制御には、電池モジュール110の電圧、電流、温度などの計測、電池モジュール110の蓄電状態(SOC)、劣化状態(SOH)などの演算、セルコントローラ120に対する指令の出力などがある。上位制御装置としては、車両全体の制御を司る車両コントローラ500、インバータ装置300の制御を司るモータコントローラ330などがある。
セルコントローラ120は、バッテリコントローラ130からの指令によって複数のリチウム単電池の状態を管理及び制御するためのものであり、複数の集積回路(IC)によって構成されている。複数のリチウム単電池の状態の管理及び制御には、各リチウム単電池の電圧の計測、各リチウム単電池の蓄電量の調整などがある。各集積回路は、対応する複数のリチウム単電池が決められており、対応する複数のリチウム単電池に対して状態の管理及び制御を行う。
バッテリコントローラ130の電源には、車載補機、例えばライトやオーディオ機器などの電源として搭載された補機用バッテリ(自動車の場合、公称出力電圧12vのバッテリ)を用いている。このため、バッテリコントローラ130には補機用バッテリからの電圧(例えば12v)が印加されている。バッテリコントローラ130は、印加された電圧をDC/DCコンバータ(直流−直流変換器)から構成された電源回路によって降圧(例えば5vに降圧)し、この降圧された電圧を、バッテリコントローラ130を構成する電子部品に駆動電圧として印加する。これにより、バッテリコントローラ130を構成する電子部品は作動する。
セルコントローラ120を構成する集積回路の電源には、対応する複数のリチウム単電池を用いている。このため、セルコントローラ120と電池モジュール110の両者は接続線110dを介して電気的に接続されている。各集積回路には、対応する複数のリチウム単電池の最高電位の電圧が接続線110dを介して印加されている。各集積回路は、印加された電圧を電源回路によって降圧(例えば5vに降圧)し、これを動作電源として用いる。
バッテリコントローラ130には、イグニションキースイッチから出力された信号が入力されている。イグニションキースイッチから出力された信号は蓄電装置100の起動及び停止の合図になる。
イグニションキースイッチがオンになると、バッテリコントローラ130では、イグニションキースイッチからの出力信号によって電源回路が動作し、複数の電子回路部品に対して電源回路から駆動電圧が印加される。これにより、複数の電子回路部品が動作し、バッテリコントローラ130が起動する。バッテリコントローラ130が起動すると、セルコントローラ120に対してバッテリコントローラ130から起動指令が出力される。セルコントローラ120では、起動指令に基づいて複数の集積回路の電源回路が順次動作する。これにより、複数の集積回路が順次起動し、セルコントローラ120が起動する。セルコントローラ120が起動すると、所定の初期処理が実行され、蓄電装置100の起動が完了する。
所定の初期処理としては、例えば各リチウム単電池の電圧の測定、異常診断、電池モジュール110全体の電圧、電流、温度の測定、電池モジュール110の蓄電状態、劣化状態の演算、漏電検出などがある。
イグニションキースイッチがオフになると、セルコントローラ120に対してバッテリコントローラ130から停止指令が出力される。セルコントローラ120が停止指令を受けると、所定の終了処理が実行され、各集積回路の電源回路がオフする。これにより、セルコントローラ120が停止する。セルコントローラ120が停止し、セルコントローラ120との間において通信ができなくなると、バッテリコントローラ130では、電源回路の動作が停止し、複数の電子回路部品の動作が停止する。これにより、バッテリコントローラ130が停止し、蓄電装置100が停止する。
所定の終了処理としては、例えば各リチウム単電池の電圧の測定、各リチウム単電池の蓄電量の調整などがある。
バッテリコントローラ130と車両コントローラ500及びモータコントローラ330などの上位コントローラとの間の情報伝達には、車載ローカルエリアネットワークによる通信を用いている。バッテリコントローラ130とセルコントローラ120との間の情報伝達にはLIN通信を用いている。
電池モジュール110の正負極端子とインバータ装置300の直流正負極側外部端子との間は電源ケーブル150を介して電気的に接続されている。具体的には、高電位側電池ブロック110aの正極端子とインバータ装置300の直流正極側外部端子との間は正極側電源ケーブル150Pを介して、また、低電位側電池ブロック110bの負極端子とインバータ装置300の直流負極側外部端子との間は負極側電源ケーブル150Nを介してそれぞれ電気的に接続されている。
電源ケーブル150の途中にはジャンクションボックスが設けられている。ジャンクションボックスの内部にはメインリレー141及びプリチャージ回路142が設けられ、リレー部140が構成されている。リレー部140は、電池モジュール110とインバータ装置300との間を電気的に導通及び遮断するための開閉部であり、車載電機システムの起動時には電池モジュール110とインバータ装置300との間を導通させ、車載電機システムの停止時及び異常時には電池モジュール110とインバータ装置300との間を遮断する。このように、蓄電装置100とインバータ装置300との間の電気的な導通及び遮断をリレー部140によって制御することにより、車載電機システムの高い安全性を確保できる。
リレー部140による電気的な導通及び遮断は、モータコントローラ330から出力された指令信号により制御される。モータコントローラ330は、車載電機システムの起動時には、蓄電装置100の起動完了の通知をバッテリコントローラ130から受けることにより、リレー部140に対して導通の指令信号を出力し、リレー部140が導通するように制御する。また、モータコントローラ330は、車載電機システムの停止時及び車載電機システムの異常時には、イグニションキースイッチからオフの出力信号を受けることにより、リレー部140に対して遮断の指令信号を出力し、リレー部140が遮断するように制御する。
メインリレー141としては、正極側電源ケーブル150P側の電気的な開閉を担う正極側メインリレー141P、及び負極側電源ケーブル150N側の電気的な開閉を担う負極側メインリレー141Nを備えている。
プリチャージ回路142は、プリチャージリレー142a及び抵抗142bを電気的に直列に接続した直列回路であり、正極側メインリレー141Pに対して電気的に並列に接続されている。
車載電機システムの起動時にあたっては、まず、負極側メインリレー141Nが投入され、この後、プリチャージリレー142aが投入される。これにより、蓄電装置100から供給された電流が抵抗142bによって制限された後、平滑コンデンサ340に供給され、平滑コンデンサ340が充電される。平滑コンデンサ340が所定の電圧まで充電された後、正極側メインリレー141Pが投入され、プリチャージリレー142aが開放される。これにより、蓄電装置100から正極側メインリレー141Pを介してインバータ装置300に主電流が供給されるが、この時の主電流は、正極側メインリレー141P及び平滑コンデンサ340の許容電流以下になる。従って、車載電機システムの起動時、平滑コンデンサ340の電荷が略ゼロにあることに起因して、蓄電装置100から瞬間的に大きな初期電流がインバータ装置300に流れ込み、平滑コンデンサ340が高発熱して損傷する、正極側メインリレー141Pの固定接点と可動接点とが融着するなどの異常を招くことがなく、平滑コンデンサ340及び正極側メインリレー141Pを大きな電流から保護できる。
また、ジャンクションボックスの内部には電流センサ143が収納されている。電流センサ143は、蓄電装置100からインバータ装置300に供給される電流を検出するために設けられたものである。電流センサ143の出力線はバッテリコントローラ130に接続されている。バッテリコントローラ130は、電流センサ143から出力された信号に基づいて蓄電装置100からインバータ装置300に供給された電流を検出する。この電流検出情報は、バッテリコントローラ130からモータコントローラ330や車両コントローラ500などの上位コントローラに通知される。
尚、ジャンクションボックスの内部には電池モジュール110全体の電圧を検出するための電圧センサを収納してもよい。この場合も、バッテリコントローラ130が、電圧センサの出力信号に基づいて電池モジュール110全体の電圧を検出し、その検出情報を上位コントローラに通知する。また、電流センサ143及び電圧センサはジャンクションボックスの外部に設置してもよい。
正極側電源ケーブル150Pと蓄電装置100の筐体グランド(車両のシャーシと同電位)との間には正極側キャパシタ151Pが電気的に接続されている。負極側電源ケーブル150Nと蓄電装置100の筐体グランド(車両のシャーシと同電位)との間には負極側キャパシタ151Nが電気的に接続されている。正極側キャパシタ151P及び負極側キャパシタ151Nはインバータ装置300が発生するノイズを除去し、弱電系回路であるバッテリコントローラ130及びセルコントローラ120の誤作動防止、及びセルコントローラ120を構成する集積回路(IC)のサージ電圧による破壊防止などを図るために設けられている。インバータ装置300にもノイズを除去するためのフィルタが設けられているが、正極側キャパシタ151P及び負極側キャパシタ151Nを設けることにより、弱電系回路であるバッテリコントローラ130及びセルコントローラ120の誤作動防止、及びセルコントローラ120を構成する集積回路(IC)のサージ電圧による破壊防止などの効果をさらに高め、蓄電装置100の耐ノイズ性に対する信頼性をさらに高めることができる。
尚、本実施例の車載電機システムは、車室内の空気を冷却媒体として、蓄電装置100及びインバータ装置300を、蓄電装置100、インバータ装置冷300の順に冷却している。このため、蓄電装置100及びインバータ装置300は同一の収納ケース内に収納され、お互いの冷却流路がダクトによって接続されている。また、収納ケースの内部に冷却媒体を送り込むファンの駆動は、電池モジュール110及びパワーモジュール310の温度を監視しながらモータコントローラ330或いはその上位の車両コントローラ500が制御している。蓄電装置100が単独で設置される場合には、冷却媒体を送り込むファンの駆動は、バッテリコントローラ130が電池モジュール110の温度を監視しながら制御する。
次に、図3を用いて、蓄電装置用制御装置の具体的な回路構成について説明する。
蓄電装置用制御装置は、電池モジュール110の上に載置された電子回路装置であり、電子回路装置筐体の内部に収納された一つの回路基板73上に構成されている。
回路基板73には、セルコントローラ120を構成する電子回路部品、及びバッテリコントローラ130を構成する電子回路部品が実装されている。セルコントローラ120を構成する電子回路部品としては、対応するリチウム単電池11に電気的に接続された八つの集積回路(IC)80A〜80Hを備えている。バッテリコントローラ130を構成する電子回路部品としては一つのマイクロコンピュータ90(以下、「マイコン90」と略称する)を備えている。
また、セルコントローラ120は複数の抵抗81及び複数のフォトカプラ82などの複数の回路素子を備えている。抵抗81は、リチウム単電池11の充電量を調整する際に用いられ、リチウム単電池11から放出された電流を熱に変換して消費する消費用回路素子であり、各集積回路80A〜80Hに対して四つ(R1〜R4)ずつ設けられている。フォトカプラ82は、集積回路80A〜80Hのうちの最始端にあたる集積回路80Aとマイコン90との間、及び集積回路80A〜80Hのうちの最終端にあたる集積回路86Hとマイコン90との間の信号伝送路に設けられたインターフェース回路素子であり、集積回路80A,80Hとマイコン90との間において、電位レベルの異なる信号を送受信するための光学的絶縁素子である。
尚、本実施例では、セルコントローラ120及びバッテリコントローラ130を1つの回路基板73上に構成する場合を例に挙げて説明するが、セルコントローラ120とバッテリコントローラ130とを別々の回路基板で構成して、セルコントローラ120を電池モジュール110の内部に収納し、バッテリコントローラ130をそれ用の筐体に収容して電池モジュール110の外部近傍に配置するようにしてもよい。
複数のリチウム単電池11は各集積回路80A〜80Hに対応させて複数のグループに割り振られている。本実施例では、高電位側電池ブロック110aの組電池10を構成する十六本のリチウム単電池11と、低電位側電池ブロック110bの組電池10を構成する十六本のリチウム単電池11とを合わせた三十二本のリチウム単電池11を八つのグループに割り振っている。具体的には、電気的に直列に接続された三十二本のリチウム単電池11をその接続順にしたがって電位的に上位から順番に四つずつに区切り、八つのグループを構成している。すなわち電位的に一番目のリチウム単電池11から電位的に四番目のリチウム単電池11までの電気的に直列に接続されたリチウム単電池群を第一のグループ、電位的に五番目のリチウム単電池11から電位的に八番目のリチウム単電池11までの電気的に直列に接続されたリチウム単電池群を第二のグループ、・・・、電位的に二十五番目のリチウム単電池11から電位的に二十八番目のリチウム単電池11までの電気的に直列に接続されたリチウム単電池群を第7のグループ、電位的に二十九番目のリチウム単電池11から電位的に三十二番目のリチウム単電池11までの電気的に直列に接続されたリチウム単電池群を第八のグループというように、三十二本のリチウム単電池11をグループ分けしている。
尚、本実施例では、各電池ブロック毎に複数のリチウム単電池11を四つのグループに分けた場合を例に挙げて説明するが、グループの分け方としては、三十二本のリチウム単電池11を六つのグループに分けてもよい。この場合、電気的に直列に接続された三十二本のリチウム単電池11は、電位的に上位から、例えば四つのリチウム単電池11により構成された第一のグループ、六つのリチウム単電池11により構成された第二〜第五のグループ、四つのリチウム単電池11により構成された第六のグループの順にグループ分けされる。
集積回路80Aには、接続線110d及び基板配線74を介して、第一のグループを構成する四つのリチウム単電池11(BC1〜BC4)のそれぞれの正極側及び負極側が電気的に接続されている。これにより、集積回路80Aには、接続線110d及び基板配線74を介して、第一のグループを構成する四つのリチウム単電池11のそれぞれの端子電圧に基づくアナログ信号が取り込まれる。集積回路80Aは、アナログデジタル変換器を備えており、取り込まれたアナログ信号を順次、デジタル信号に変換し、第一のグループを構成する四つのリチウム単電池11の端子電圧を検出する。集積回路80B〜80Hも集積回路80Aの場合と同様に、接続線110d及び基板配線74を介して、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11のそれぞれの正極側及び負極側に電気的に接続され、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11のそれぞれの端子電圧を取り込んで検出する。
第一のグループを構成する四つのリチウム単電池11のそれぞれの正極側と負極側との間(端子間)には、抵抗81(R1〜R4)と、集積回路80Aに内蔵されたスイッチング半導体素子とを電気的に直列に接続したバイパス直列回路が、接続線110d及び基板配線74を介して、電気的に並列に接続されている。他のグループも、第一のグループの場合と同様に、リチウム単電池11の正極側と負極側との間にバイパス直列回路が電気的に並列に接続されている。
集積回路80Aは、バッテリコントローラ130から出力された充電状態調整指令に基づいて、スイッチング半導体素子を所定時間、個別に導通させ、第一のグループを構成する四つのリチウム単電池11の正極側と負極側との間にバイパス直列回路を個別に電気的に並列に接続させる。これにより、バイパス直列回路が電気的に並列に接続されたリチウム単電池11は放電し、充電状態SOC(State Of Charge)が調整される。集積回路80B〜80Hも集積回路80Aの場合と同様に、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11に電気的に並列に接続されたバイパス直列回路のスイッチング半導体素子の導通を個別に制御して、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11の充電状態SOCを個別に調整する。
以上のように、集積回路80A〜80Hによって、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11に電気的に並列に接続されたバイパス直列回路のスイッチング半導体素子の導通を個別に制御し、各グループを構成する四つのリチウム単電池11の充電状態SOCを個別に調整すれば、全グループのリチウム単電池11の充電状態SOCを均一にでき、リチウム単電池11の過充電などを抑制できる。
集積回路80A〜80Hは、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11の異常状態を検出する。異常状態には過充電及び過放電がある。過充電及び過放電は、各集積回路80A〜80Hにおいて、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11の端子電圧の検出値と、過充電閾値及び過放電閾値のそれぞれとを比較することにより検出する。過充電は端子電圧の検出値が過充電閾値を越えた場合に、過放電は端子電圧の検出値が過放電閾値を下回った場合にそれぞれ判断される。また、集積回路80A〜80Hは、自己の内部回路の異常、例えば充電状態の調整に用いられるスイッチング半導体素子の異常、温度異常などを自己診断する。
このように、集積回路80A〜80Hはいずれも同じ機能、すなわち対応するグループの四つのリチウム単電池11(BC1〜BC4)の端子電圧検出、充電状態の調整、異常状態の検出、及び自己の内部回路の異常診断を実行するように、同じ内部回路により構成されている。
集積回路80A〜80Hのそれぞれの一辺側には、電池モジュール110側と電気的に接続される複数の端子が設けられている。複数の端子としては、電源端子(Vcc)、電圧端子(V1〜V4,GND)、及びバイパス端子(B1〜B4)を備えている。電圧端子(V1〜V4,GND)には、接続線110dに電気的に接続される基板配線74が電気的に接続されている。バイパス端子(B1〜B4)には抵抗81のスイッチング半導体素子側が基板配線74を介して電気的に接続されている。抵抗81のスイッチング半導体素子側とは反対側は、基板配線74を介して電圧端子に電気的に接続された基板配線74に電気的に接続されている。電源端子(Vcc)には、電圧端子V1(最も高電位側のリチウム単電池11の正極側に電気的に接続される電圧端子)に電気的に接続された基板配線74に電気的に接続されている。
電圧端子(V1〜V4,GND)及びバイパス端子(B1〜B4)の両者は、電気的に接続されるリチウム単電池11の電位的の順にしたがって交互に配置されている。これにより、集積回路80A〜80Hのそれぞれと接続線110dとの電気的な接続回路を簡単に構成できる。
電圧端子GNDには、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11のうちの最低電位のリチウム単電池BC4の負極側に電気的に接続されている。これにより、各集積回路80A〜80Hは、対応するグループの最低電位を基準電位として動作する。このように、各集積回路80A〜80Hの基準電位が異なっていれば、電池モジュール110から各集積回路80A〜80Hに印加される電圧の差を小さくすることができるので、集積回路80A〜80Hの耐圧をより小さくできると共に、安全性や信頼性をより向上させることができる。
電源端子Vccには、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11のうちの最高電位のリチウム単電池BC1の正極側に電気的に接続されている。これにより、各集積回路80A〜80Hは、対応するグループの最高電位の電圧から、内部回路を動作させるための電圧(例えば5v)を発生させている。このように、各集積回路80A〜80Hの内部回路の動作電圧を、対応するグループの最高電位の電圧から発生させるようになっていれば、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11から消費される電力を均等にでき、対応するグループを構成する四つのリチウム単電池11の充電状態SOCが不均衡になることを抑制できる。
集積回路80A〜80Hのそれぞれの他辺側(電圧系端子が設けられた一辺側に対向する辺側)には通信系の複数の端子が設けられている。複数の端子としては、通信コマンド信号を送受信するための通信コマンド信号用送受信端子(TX,RX)、及び異常信号や異常テスト信号を送受信するための異常信号用送受信端子(FFO,FFI)を備えている。
集積回路80A〜80Hの通信コマンド信号用送受信端子(TX,RX)は、対応するグループの電位の順にしたがって非絶縁状態で電気的に直列に接続されている。すなわち集積回路80A(上位電位の集積回路)の通信コマンド信号用送信端子(TX)と、集積回路80B(下位電位の集積回路であって、上位電位の集積回路に対して電位的に次の電位の集積回路)の通信コマンド信号用受信端子(RX)とを非絶縁状態で電気的に直列に接続し、集積回路80Bの通信コマンド信号用送信端子(TX)と、集積回路80Cの通信コマンド信号用受信端子(RX)とを非絶縁状態で電気的に直列に接続し、・・・、集積回路80Gの通信コマンド信号用送信端子(TX)と、集積回路80Hの通信コマンド信号用受信端子(RX)とを非絶縁状態で電気的に直列に接続する、というように、通信コマンド信号用送信端子(TX)と通信コマンド信号用受信端子(RX)とを非絶縁状態で電気的に直列に接続している。このような接続方式を本実施例ではディジーチェーン接続方式と呼ぶ。
集積回路80A〜80Hの異常信号用送受信端子(FFO,FFI)も通信コマンド信号用送受信端子(TX,RX)と同様の接続関係にあり、対応するグループの電位の順にしたがって非絶縁状態で電気的に直列に接続されている。すなわち上位電位の集積回路の異常信号用送信端子(FFO)と、上位電位の集積回路に対して電位的に次の電位となる下位電位の集積回路の異常信号用受信端子(FFI)とを非絶縁状態で電気的に直列に接続している。
複数のリチウム単電池11の最高電位のグループに対応する集積回路80Aの通信コマンド信号用受信端子(RX)にはフォトカプラ82a(PH1)の受光側が電気的に接続されている。フォトカプラ82aの発光側にはマイコン90の通信コマンド信号用送信端子(TX)が電気的に接続されている。また、複数のリチウム単電池11の最低電位のグループに対応する集積回路80Hの通信コマンド信号用送信端子(TX)にはフォトカプラ82c(PH3)の発光側が電気的に接続されている。フォトカプラ82cの受光側にはマイコン90の通信コマンド信号用受信端子(RX)が電気的に接続されている。それらの接続により、セルコントローラ120とバッテリコントローラ130との間には、それらの間において電気的に絶縁されると共に、マイコン90からフォトカプラ82a→集積回路80A→・・・→集積回路80H→フォトカプラ82cを順番に経由してマイコン90に至る通信コマンド信号用ループ伝送路83が形成される。そのループ伝送路83はシリアル伝送路である。
通信コマンド信号用ループ伝送路83には、マイコン90から出力された通信コマンド信号が伝送される。通信コマンド信号は、通信(制御)内容を示すデータ領域など、複数の領域が設けられた複数バイトの信号であり、上述の伝送順にしたがってループ状に伝送される。
マイコン90から集積回路80A〜80Hに通信コマンド信号用ループ伝送路83を介して出力される通信コマンド信号には、リチウム単電池11の検出された端子電圧を要求するための要求信号、リチウム単電池11の充電状態を調整させるための指令信号、各集積回路80A〜80Hをスリープ状態からウエイクアップ状態、すなわち起動させるための起動信号、各集積回路80A〜80Hをウエイクアップ状態からスリープ状態、すなわち動作を停止させるための停止信号、各集積回路80A〜80Hの通信用のアドレスを設定するためのアドレス設定信号、集積回路80A〜80Hの異常状態を確認するための異常確認信号などが含まれている。
尚、本実施例では、通信コマンド信号を集積回路80Aから集積回路80Hに向かって伝送する場合を例に挙げて説明するが、集積回路80Hから集積回路80Aに向って伝送するようにしても構わない。
さらに、複数のリチウム単電池11の最高電位のグループに対応する集積回路80Aの異常信号用受信端子(FFI)にはフォトカプラ82b(PH2)の受光側が電気的に接続されている。フォトカプラ82bの発行側にはマイコン90の異常テスト信号用送信端子(FFTEST)が電気的に接続されている。また、複数のリチウム単電池11の最低電位のグループに対応する集積回路80Hの異常信号用送信端子(FFO)にはフォトカプラ82d(PH4)の発行側が電気的に接続されている。フォトカプラ82dの受光側にはマイコン90の異常信号用受信端子(FF)が電気的に接続されている。それらの接続により、セルコントローラ120とバッテリコントローラ130との間には、それらの間において電気的に絶縁されると共に、マイコン90からフォトカプラ82a→集積回路80A→・・・→集積回路80H→フォトカプラ82cを順番に経由してマイコン90に至る異常信号用ループ伝送路84が形成される。そのループ伝送路84はシリアル伝送路である。
異常信号用ループ伝送路84には、マイコン90から出力された異常テスト信号が伝送される。異常テスト信号は、集積回路80A〜80Hの異常や通信回路の断線などの異常を検出するために伝送される1ビットのHiレベル信号であり、上述の伝送順にしたがって伝送される。もし、異常がある場合には、異常テスト信号はLowレベルの信号としてマイコン90に戻ってくる。これにより、マイコン90は集積回路80A〜80Hの異常や通信回路の断線などの異常を検出できる。また、集積回路80A〜80Hのうちのいずれかにおいて異常を検出した場合、異常信号用ループ伝送路84には、異常を検出した集積回路、例えば集積回路80Cから異常を示す信号が出力される。異常を示す信号は1ビットの信号であり、集積回路80D→・・・→集積回路80H→フォトカプラ82dを順番に経由してマイコン90に伝送される。これにより、異常を検出した集積回路からマイコン90に対して異常を速やかに通知できる。
尚、本実施例では、異常テスト信号を集積回路80Aから集積回路80Hに向かって伝送する場合を例に挙げて説明するが、集積回路80Hから集積回路80Aに向って伝送するようにしても構わない。また、本実施例では、異常を示す信号を、異常を検出した集積回路から、電位的に下位の集積回路に向かって伝送する場合を例に挙げて説明するが、異常を検出した集積回路から、電位的に上位の集積回路に向って伝送するようにしても構わない。
フォトカプラ82a〜82d(PH1〜PH4)は、セルコントローラ120とバッテリコントローラ130との間において通信コマンド信号用ループ伝送路83及び異常信号用ループ伝送路84を電気的に絶縁すると共に、セルコントローラ120とバッテリコントローラ130との間において送受信される信号を光に変換して伝送する。前述したように、セルコントローラ120及びバッテリコントローラ130はその電源電位及び電源電圧が大きく異なる。このため、セルコントローラ120とバッテリコントローラ130との間を電気的に接続して信号伝送を実施しようとすると、伝送される信号の電位変換及び電圧変換が必要となり、セルコントローラ120とバッテリコントローラ130との間のインターフェース回路が大きくかつ高価になり、小型かつ安価な制御装置の提供ができなくなる。そこで、本実施例では、セルコントローラ120とバッテリコントローラ130との間の通信をフォトカプラ82a〜82d(PH1〜PH4)を用いて実施し、制御装置の小型化及び低コスト化を図っている。
このように、本実施例の電源装置1は、二つの異なる電源系、すなわち電気的に接地されず、浮動状態にある高電圧側電源系(電池モジュール110及びセルコントローラ120)、及び電気的に接地された低電圧側電源系(バッテリコントローラ130)から構成され、それらの間において信号をループ伝送している。
また、前述したように、各集積回路80A〜80H間においてもその電源電位が異なっている。しかし、本実施例では、組電池10の対応するグループの電位順にしたがって集積回路80A〜80Hを電気的に直列に接続、すなわちディジーチェーン方式により接続しているので、各集積回路80A〜80H間の信号伝送を電位変換(レベルシフト)によって簡単に実施できる。各集積回路80A〜80Hは信号受信側に電位変換(レベルシフト)回路を備えている。従って、本実施例では、他回路素子よりも高価なフォトカプラを設けることなく、各集積回路80A〜80H間の信号伝送を実施できるので、小型かつ安価な制御装置を提供できる。
マイコン90は、各種信号を入力し、その入力信号から得られた入力情報に基づいて或いはその入力情報から演算された演算情報に基づいて、前述した通信コマンド信号をセルコントローラ120に送信すると共に、上位制御装置(モータコントローラ330や車両コントローラ500)に対して信号を出力する。
マイコン90に入力される各種信号としては、各集積回路80A〜80Hから出力された各リチウム単電池11の端子電圧信号、集積回路80A〜80Hのうち、異常を検出した集積回路から出力された異常信号、電池モジュール110の充放電流を検出するための電流センサ143から出力された電流センサ信号、電池モジュール110の総電圧を検出するための電圧センサ170から出力された電圧センサ信号、電池モジュール110の内部に設けられ、組電池111の温度を検出するための温度センサ(例えばサーミスタ素子)171から出力された温度センサ信号、イグニションキースイッチの動作に基づくオン・オフ信号、及び上位制御装置(モータコントローラ330や車両コントローラ500)から出力された信号などがある。
マイコン90から出力される各種信号としては、前述した通信コマンド信号、電池モジュール110の状態情報(例えば電圧、電流、温度など)に基づいて演算された充放電可能電力、充電状態SOC、及び劣化状態SOH(State Of Health)などの情報に対応する信号、及び電池モジュール110の状態を情報(例えば電圧、電流、温度など)に基づいて演算された結果や異常情報から判定された異常状態情報(例えば過充電、過放電、過温度など)に対応する信号などがある。
それらの出力信号のうち、充放電可能電力、充電状態SOC、及び劣化状態SOHなどの情報に対応する信号、及び異常状態情報(例えば過充電、過放電、過温度など)に対応する信号は、上位制御装置(モータコントローラ330や車両コントローラ500)に対して出力される。
回路基板73には漏電検出器400が実装されている。回路基板がコントローラ毎に分離されている場合にはバッテリコンロトーラ130の回路基板に実装される。漏電検出器400はリレー部140とパワーモジュール310との間に設けられ、電池モジュール110と車体アースとの間における漏電の有無を検出するための電気回路であり、直流正負極と車体アースとの間に半導体スイッチを介して電気的に接続された抵抗分圧回路を備えている。バッテリコントローラ130は、半導体スイッチを制御して抵抗分圧回路を直流正負極と車体アースとの間に電気的に接続すると共に、その接続によって抵抗分圧回路から得られる電圧情報を読み込み、電池モジュール110と車体アースとの間における漏電の有無を判断する。漏電が有る場合、バッテリコントローラ130は、その旨を上位制御装置に通知すると共に、運転席の警告灯の点灯や音声通知によって運転者に警告を発する。これにより、必要な安全措置を講じた状態で車両を安全に駆動させることができるとともに、サービスセンターにおける早期点検・修理を運転者に促すことができる。
このように、本実施例では、漏電検出器400とバッテリコントローラ130によって漏電検出装置を構成している。
尚、漏電検出器400は、リレー部140とパワーモジュール310との間において直流正負極間に電気的に接続されているが、リレー部140と電池モジュール110との間において直流正負極間に電気的に接続してもよい。また、漏電検出器400は、リレー部140を挟んでその両側(電池モジュール110側とパワーモジュール310側)に設けてもよい。このように、漏電検出器400をリレー部140の両側に配置することにより、より多くの漏電パターンに対応でき、より高機能な漏電検出を実現できる。例えば漏電が蓄電装置100側で生じているのか、インバータ装置300及びモータジェネレータ300側で生じているのかの判別も可能になり、車載電機システムとして信頼性を向上させることもできる。
次に、図1を用いて、漏電検出装置の構成について説明する。
本実施例では、前述したように、リチウム単電池11の直列接続体である組電池111の電源系がグラウンド131(バッテリコントローラ130のグラウンドであり、シャーシアース)から絶縁されている。漏電検出装置は、電気的に浮動状態(非接地)にある組電池111とグラウンド131との間に設けられた絶縁抵抗装置410(漏電検出用センサ)によって電圧を計測して漏電の有無を判定するように構成されている。
漏電検出器400を構成する絶縁抵抗装置410は組電池111の直流正極側と直流負極側との間に電気的に直列に接続された第1ないし第4抵抗装置401〜404(抵抗分圧回路)を備えている。第1ないし第4抵抗装置401〜404は組電池111の直流正極側から直流負極側に向かって、第1抵抗装置401、第2抵抗装置402、第3抵抗装置403、第4抵抗装置404の順に電気的に直列に接続されている。第2抵抗装置402と第3抵抗装置403との間の中点はグラウンド131に電気的に接続されている。また、組電池111の直流正極側とグラウンド131との間にはスイッチ406を介して第5抵抗装置405が電気的に直列に接続されている。スイッチ406は半導体スイッチであり、バッテリコンローラ130を構成するマイコン90からの駆動信号によりそのスイッチング(オン・オフ)動作が制御される。第1及び第4抵抗装置401,404は、組電池111とグラウンド131と間の絶縁抵抗を維持するためのものであり、複数の抵抗素子の電気的な直列接続により数十MΩといった高抵抗値になっている。また、必要な絶縁抵抗を実現するために、第1及び第4抵抗装置401,404は、同じ大きさの抵抗値になるように構成されている。本実施例では、抵抗値の小さい複数の抵抗素子の直列接続体により高抵抗値の抵抗装置を構成しているので、抵抗値の精度を上げることができ、両者の抵抗値を限りなく同じにできる。
第2及び第3抵抗装置402,403は、漏電を検出するための抵抗であり、検出したい漏電の大きさに応じて決定され、例えば第1及び第4抵抗装置401,404よりも抵抗値が小さい数百kΩの抵抗値のものであり、それぞれ、1つの抵抗素子によって構成されている。また、第2及び第3抵抗装置402,403は、同じ大きさの抵抗値になるように構成されている。
尚、第1ないし第4抵抗装置401〜404の直列接続体は、漏電検出を行っていないとき、組電池111の総電圧検出用の電圧センサとして用いることができる。これにより、本実施例では、漏電検出器400を電圧センサとして兼用し、電圧センサ170を省略することができる。
第5抵抗装置405は、漏電を検出するための抵抗であり、検出したい漏電の大きさに応じて決定され、例えば第1及び第4抵抗装置401,404よりも抵抗値が小さく、第2及び第3抵抗装置402,403と同じ或いはそれに近似する数百kΩの抵抗値のものであり、1つの抵抗素子によって構成されている。本実施例では、スイッチ406の動作によって第5抵抗装置405を電気的に接続したり切り離したりすることにより、従来検出できなかった漏電パターンの検出を可能にできる。
ADC(A/D変換器)132、ADC(A/D変換器)133及び漏電判断回路134は、バッテリコントローラ130のマイコン90の内部に構成されている。ADC132は、第1及び第2抵抗装置401,402によって分圧された電圧(第1及び第2抵抗装置401,402の中点の電圧)をアナログ値で取り込み、そのアナログ値をデジタルデータに変換して漏電判断回路134に出力する。ADC133は、第3及び第4抵抗装置403,404によって分圧された電圧(第3及び第4抵抗装置403,404の中点の電圧)をアナログ値で取り込み、そのアナログ値をデジタルデータに変換して漏電判断回路134に出力する。漏電判断回路134は、ADC132,133から出力されたデジタルデータを入力してそれぞれのデジタルデータによる絶縁抵抗を計算し、それらの比が所定の閾値の範囲にあるか否かの比較によって漏電が発生しているか否かを判断する。本実施例では、スイッチ406をオンの時と、オフの時とで、それぞれ、電圧検出を行い、漏電検出を行う。
また、漏電検出は、電池モジュール110とインバータ装置300との接続前(リレー部140の投入前(両者が電気的に切り離されている状態)、電気的に接続されているがインバータ装置300が動作していない時(車両の停止時、ハイブリッド自動車であれば、エンジン駆動モードにある時など)などを示す)に行うことが好ましい。すなわちインバータ装置300の動作による電圧変動やノイズの影響により検出精度の低下、誤検出を防止することができる。
また、漏電検出は、イグニションキースイッチがオンになり、蓄電装置100が起動する度に、その起動処理時に行うことが好ましい。
さらに、漏電検出は、プラグインハイブリッド自動車のように、商用電源から蓄電装置100を充電している時に行ってもよい。もし、充電中に漏電が検出された場合には、即座に充電器に指令を送信し、受電を中止させることができる。
次に、図2を用いて、漏電検出装置による漏電検出処理手順について説明する。
まず、ステップS200にて、スイッチ406をオフにする。尚、この手順より前でスイッチ406をオフとしてもよい。
次に、ステップS201及びステップS202にて、第1及び第2抵抗装置401、402による分圧による電圧値のデジタルデータ135をADC132から、第3及び第4抵抗装置403、404による分圧による電圧値のデジタルデータ136をADC133から、それぞれ、漏電判断回路134に出力する。これにより、漏電判断回路134は、各電圧のデジタルデータを取得できる。
そして、ステップS203にて、漏電判断回路134は、各電圧のデジタルデータから、それぞの絶縁抵抗値を演算するとともに、両者の絶縁抵抗値の比(135/136)を演算し、その比が、予め設定した閾値の範囲内にあるか否かを判断する。この結果、両者の絶縁抵抗値の比が閾値の範囲外にある(肯定)の場合は、ステップS209に進み、漏電と判定し、上位制御装置への通知や警告などの所定の処理を実行した後、漏電判定処理を修了する。両者の絶縁抵抗値の比が閾値の範囲内にある(否定)の場合は、ステップS204に進み、スイッチ406がオンとしたときの漏電検出処理を実行する。
ここで、図1の端子A−B間や端子E−F間に漏電が発生している場合、両者の絶縁抵抗値の比は1から外れた値となる。そこで、例えば両者の絶縁抵抗値の比(135/136)が100以上又は0.01以下のときは、ステップS203において、閾値の範囲外と判定し、ステップS209に進む。
しかし、例えば図1の端子C−D間で漏電が発生している場合には、両者の絶縁抵抗値の比(135/136)は、1から外れた値とはならない。そこで、本実施例では、両者の絶縁抵抗値の比(135/136)が1から外れた値とならない場合には、スイッチ406をオンにし、第5抵抗装置405を第1及び第2抵抗装置401,402の直列接続体に対して電気的に並列に接続し、直流正極側の抵抗値を可変させて、前と同様の処理を行うのである。
まず、ステップS204にて、スイッチ406をオンにする。
次に、ステップS205及びステップS206にて、第1及び第2抵抗装置401、402による分圧による電圧値のデジタルデータ137をADC132から、第3及び第4抵抗装置403、404による分圧による電圧値のデジタルデータ138をADC133から、それぞれ、漏電判断回路134に出力する。これにより、漏電判断回路134は、各電圧のデジタルデータを取得できる。
そして、ステップS207にて、漏電判断回路134は、各電圧のデジタルデータから、それぞれの絶縁抵抗値を演算するとともに、両者の絶縁抵抗値の比(137/138)を演算し、その比が、予め設定した閾値の範囲内にあるか否かにを判断する。この結果、両者の絶縁抵抗値の比が閾値の範囲外にある(肯定)の場合は、ステップS209に進み、漏電と判定し、上位制御装置への通知や警告などの所定の処理を実行いた後、漏電判定処理を修了する。両者の絶縁抵抗値の比が閾値の範囲内にある(否定)の場合は、ステップS208に進み、漏電判定処理を終了する。
尚、スイッチ406がオン状態であると絶縁抵抗が減少してしまうので、ステップS206の終了後、スイッチ406はオフにすることが望ましい。
以上説明した本実施例によれば、スイッチ406をオフにした時と、スイッチ406をオンにして、第5抵抗装置405を第1及び第2抵抗装置401,402の直列接続体に対して電気的に並列に接続し、直流正極側の抵抗値を可変させた時とで漏電判定を行うので、例えば図1の端子C−D間で漏電が発生している場合のように、スイッチ406をオフにした時では検出できない漏電まで検出することができ、従来検出できなかった漏電パターンの検出が可能になり、より多くの漏電パターンに対応できる、より高機能な漏電検出装置を提供できる。
本発明の第2実施例を図5、図6に基づいて説明する。
本実施例は、第1実施例の改良例であり、ADC(A/D変換器)を1個で構成している。このため、ADC132のアナログ入力側と、第1及び第2抵抗装置401,402間の中点と、第3及び第4抵抗装置403,404間の中点との間に切り替えスイッチ407を設けている。切り替えスイッチ407は半導体スイッチにより構成されており、バッテリコントローラ130を構成するマイコン90からの駆動指令により切り替えられる。切り替えはオフと、第1及び第2抵抗装置401,402間の中点とADC132との接続と、第3及び第4抵抗装置403,404間の中点とADC132との接続と、の3点である。
この他の構成は第1実施例と同じであり、第1実施例と同じ符号を付してその説明を省略する。
次に、図6を用いて、本実施例における漏電検出手順について説明する。
まず、ステップS200にて、スイッチ406をオフにする。尚、この手順より前でスイッチ406をオフとしてもよい。
次に、ステップS210にて、切り替えスイッチ407を切り替えて、端子408(第1及び第2抵抗装置401,402間の中点)とADC132とを電気的に接続する。そして、ステップS201にて、第1及び第2抵抗装置401、402による分圧の電圧値のデジタルデータ135をADC132から漏電判断回路134に出力する。これにより、漏電判断回路134は、第1及び第2抵抗装置401、402の分圧による電圧のデジタルデータを取得できる。
次に、ステップS211にて、切り替えスイッチ407を切り替えて、端子409(第3及び第4抵抗装置403,404間の中点)とADC132とを電気的に接続する。そして、ステップS212にて、第3及び第4抵抗装置403、404の分圧による電圧値のデジタルデータ136をADC132から、漏電判断回路134に出力する。これにより、漏電判断回路134は、第3及び第4抵抗装置403、404の分圧による電圧のデジタルデータを取得できる。
その後、ステップS203にて、実施例1と同様に、両者の絶縁抵抗値の比(135/136)を演算し、その比が予め設定した閾値の範囲内にあるか否かを判断する。この結果、両者の絶縁抵抗値の比が閾値の範囲外にある(肯定)の場合は、ステップS209に進み、漏電と判定し、上位制御装置への通知や警告などの所定の処理を実行した後、漏電判定処理を修了する。両者の絶縁抵抗値の比が閾値の範囲内にある(否定)の場合は、ステップS204に進み、スイッチ406を用いた漏電演算処理を実行する。
まず、ステップS204において、スイッチ406をオンにし、第5抵抗装置405を第1及び第2抵抗装置401,402の直列接続体に対して電気的に並列に接続し、直流正極側の抵抗値を変化させる。
次に、ステップS213にて、切り替えスイッチ407を切り替えて、端子408(第1及び第2抵抗装置401,402間の中点)とADC132とを電気的に接続する。そして、ステップS205にて、第1及び第2抵抗装置401、402の分圧による電圧値のデジタルデータ137をADC132から漏電判断回路134に出力する。これにより、漏電判断回路134は、第1及び第2抵抗装置401、402の分圧による電圧のデジタルデータを取得できる。
次に、ステップS214にて、切り替えスイッチ407を切り替えて、端子409(第3及び第4抵抗装置403,404間の中点)とADC132とを電気的に接続する。そして、ステップS215にて、第3及び第4抵抗装置403、404の分圧による電圧値のデジタルデータ138をADC132から、漏電判断回路134に出力する。これにより、漏電判断回路134は、第3及び第4抵抗装置403、404の分圧による電圧のデジタルデータを取得できる。
そして、ステップS207にて、実施例1と同様に、両者の絶縁抵抗値の比(137/138)を演算し、その比が予め設定した閾値の範囲内にあるか否かを判断する。この結果、両者の絶縁抵抗値の比が閾値の範囲外にある(肯定)の場合は、ステップS209に進み、漏電と判定し、上位制御装置への通知や警告などの所定の処理を実行いた後、漏電判定処理を修了する。両者の絶縁抵抗値の比が閾値の範囲内にある(否定)の場合は、ステップS208に進み、漏電判定処理を終了する。
以上説明した本実施例によれば、第1実施例と同様の作用効果を達成できると共に、ADCの回路数を減らして漏電検出装置の構成を簡単にできる。
本発明の第3実施例を図7ないし図9に基づいて説明する。
本実施例は、第2実施例の改良例であり、ADC132のアナログ側に差動増幅器139を設けると共に、差動増幅器139の2つの入力と、第1及び第2抵抗装置401,402間の中点(端子408)、第3及び第4抵抗装置403,404間の中点(端子409)、及び第2及び第3抵抗装置402,403間の中点(端子411)の3点との間に切り替えスイッチ412を設け、組電池111の総電圧の計測ができるように構成している。すなわち前述したように、漏電検出器400と電圧センサとを兼用する形に構成している。
この他の構成は第2実施例と同じであり、第2実施例と同じ符号を付してその説明を省略する。
次に、図8を用いて、本実施例における漏電検出手順について説明する。
本実施例における手順は切り替えスイッチ412による接続切替が第2実施例と異なるだけであり、その他の処理手順は第2実施例と同じである。まず、本実施例では、第2実施例のステップS210、S213がステップS216,S218に変更になり、切り替えスイッチ412によって差動増幅器139の2つの入力の一方に端子408が接続され、他方に端子411が接続される。また、第2実施例のステップS211,S214がステップS217,S219に変更になり、切り替えスイッチ412によって差動増幅器139の2つの入力の一方に端子411が接続され、他方に端子409が接続される。
差動増幅器139は、端子408と端子411との差を第1及び第2抵抗装置401,402の分圧による電圧としてADC132に出力すると共に、端子411と端子409との差を第3及び第4抵抗装置403,404の分圧による電圧としてADC132に出力する。
次に、図9を用いて、本実施例の漏電検出装置を用いた組電池111の総電圧検出の手順について説明する。
まず、ステップS200にて、スイッチ406をオフにする。尚、この手順より前でスイッチ406をオフとしてもよい。次に、ステップS220にて、切り替えスイッチ412によって差動増幅器139の2つの入力の一方に端子408を接続し、他方に端子409を接続する。これにより、組電池111とグラウンド131の相対電位に関係なく、組電池111の総電圧に第1ないし第4抵抗装置401〜404によって決まるある乗数をかけた電圧が差動増幅器139からADC132に入力される。
次に、ステップS221にて、差動増幅器139から出力されたアナログ値がADC132によってデジタルデータに変換され、漏電判断回路134に出力される。
そして、ステップS222にて、ADC132から出力されたデジタルデータ及び第1ないし第4抵抗装置401〜404の抵抗値に基づいて組電池111の総電圧が演算される。
以上説明した本実施例によれば、第2実施例と同様の作用効果を達成できると共に、漏電検出装置と電圧センサとを兼用できるので、組電池111の総電圧を検出するための電圧センサを省略することができる。
本発明の第4実施例を図10、図11に基づいて説明する。
本実施例は、第3実施例の改良例であり、組電池111の負極側とグラウンド131との間にスイッチ414を介して第6抵抗装置413が電気的に直列に接続されている。
第6抵抗装置413は、漏電を検出するための抵抗であり、検出したい漏電の大きさに応じて決定され、例えば第1及び第4抵抗装置401,404よりも抵抗値が小さく、第2,第3及び第5抵抗装置402,403,405と同じ或いはそれに近似する数百kΩの抵抗値のものであり、1つの抵抗素子によって構成されている。本実施例では、スイッチ414の動作によって第6抵抗装置413を電気的に接続したり切り離したりすることにより、さらに多くの漏電パターンの検出を可能にできる。
また、本実施例では、スイッチ412、差動増幅器139、ADC132、及び漏電判断回路134をマイコン90とは異なる半導体集積回路(IC)700により構成している。このように構成することにより、漏電検出装置の搭載性を向上できると共に、漏電検出装置をマイコン90とは別個に構成できるので、漏電検出装置の汎用性を高めることができる。
この他の構成は第3実施例と同じであり、第3実施例と同じ符号を付してその説明を省略する。
次に、図11を用いて、本実施例における漏電検出手順について説明する。まず、ステップS223にて、スイッチ406をオン、スイッチ414をオフにする。尚、この手順より前でスイッチ406をオン、スイッチ414をオフとしてもよい。
次に、第3実施例と同様に、ステップS216ないしS212を実行する。その後、ステップS224にて、スイッチ406をオフ、スイッチ414をオンにする。
次に、第3実施例と同様に、ステップS218ないし215を実行する。その後、ステップS226にて、直ちにスイッチ414をオフにする。
次に、ステップS226にて、ステップS201、S212、S205、S215の各々の処理によって得られた電圧のデジタルデータ135〜138から絶縁抵抗値を算出する。そしてステップS227にて、電圧のデジタルデータ135に対応する絶縁抵抗値と電圧のデジタルデータ136に対応する絶縁抵抗値との比が、その比に対応する閾値の範囲外にあるか否か、電圧のデジタルデータ137に対応する絶縁抵抗値と電圧のデジタルデータ138に対応する絶縁抵抗値との比が、その比に対応する閾値の範囲外にあるか否かを判定し、いずれか一方が範囲外にあると判断される場合、漏電ありと判断され、ステップS209の処理が行われる。また、いずれも範囲以内にあると判断される場合には、漏電なしと判定され、ステップS208の処理が行われる。
以上説明した本実施例によれば、さらに多くの漏電パターンに対応でき、さらに高機能な漏電検出装置を提供できる。
本発明の第5実施例を図12、図13に基づいて説明する。
本実施例は、第3実施例の漏電検出装置を、インバータ装置300のみを用いて組電池111を充電するハイブリッド自動車の電源装置に組み込んだときのハイブリッド自動車用電機システムの起動方法の例である。本実施例では、グラウンド131がボディシャーシ800に電気的に接続されている。漏電判断回路134の判定結果は車両コントローラ500に出力されている。漏電判断回路134の判定結果はインバータ装置300を制御するモータコントローラに出力される場合もある。
次に、図13を用いて、本実施例におけるハイブリッド自動車用電機システムの起動時の動作手順について説明する。
インバータ装置300の起動に先立ち、まず、ステップS300,S301において、第3実施例の漏電検出装置による漏電検出が行われる。ここで、漏電がある場合(肯定)にはステップ302において、車両運転席等に設置された警告灯の点灯、音声案内による使用者への注意、又はサービスセンターへの無線による自動連絡等のハイブリッド異常時処理を実施し、ステップS303に進む。また、漏電がない場合(否定)にはステップS302をスキップしてステップS303に進む。
ステップS303,S304では、第5実施例の漏電検出装置による組電池111の総電圧検出を行い、異常電圧閾値と比較して異常あるか否かを判断する。ここで、電圧異常がある場合(肯定)にはステップS305において、車両運転席等に設置された警告灯の点灯等のハイブリッド異常時処理を実施し、ステップS306に進む。また、電圧異常がない場合(否定)にはステップS305をスキップしてステップS306に進む。
そして、前述の異常時処理が完了した場合又は異常がない場合には、ステップS306においてリレー部140を投入し、ステップS307において、インバータ300を起動する。これにより、ハイブリッド自動車の電機システムの起動が完了する。
本実施例では、インバータ装置300の起動時に漏電検出を行なった例を示したが、そのタイミングとしては、「キーオン前」の外に、「キーオフ後」、さらに「キーオフ後」から「キーオン前」の期間中のいずれか一つまたは複数のタイミングで行なうようにしてもよい。
以上説明した本実施例によれば、より多くの漏電パターンに対応できる高機能な漏電検出装置を用いて、インバータ装置300の動作前に漏電検出、電圧異常検出を行うことができるので、安全性をより高めることができる。
尚、本実施例では、第3実施例の漏電検出装置を用いた場合を例に挙げて説明したが、第4実施例の漏電検出装置を用いてもよい。
本発明の第6実施例を図14、図15に基づいて説明する。
本実施例は、第3実施例の漏電検出装置を、インバータ装置300を用いて組電池111を充電すると共にプラグ920を商用電源(家庭用電源)に接続することによって充電器910から組電池111を充電できるプラグインハイブリッド自動車の電源装置に組み込んだときのプラグインハイブリッド自動車の電源装置の充電方法の例である。
次に、図15を用いて、本実施例における組電池111のプラグイン充電時の手順について説明する。
充電器910がリレー部900の投入(オン)によって組電池111に接続されると共に、プラグ920が商用電源(家庭用電源)に接続されると、ステップS400にて第3実施例に示した漏電判断処理を行う。ステップS401にて漏電ありと判断された場合、ステップS402にて、電池異常ランプの点灯、音声案内による使用者への注意、サービスセンターへの無線による自動連絡等を行い、充電処理を終了(中断)する。
ステップS401にて漏電なしと判断された場合は、ステップS403で第3実施例による総電圧取得処理により、組電池111の総電圧値を取得する。ステップS404にて、この値が正常と判断された場合は、ステップS405にてリレー部900を投入(オンに)し、充電を開始する。
ステップS404にて、組電池111の総電圧値が異常と判断された場合は、ステップS406にて、異常の種類を判断する。電池の充放電等により復旧可能の異常である場合は、ステップS408にて復旧処理を行うと共に、復旧後、リレー部900を投入(オンに)して充電を開始する。
ステップS406にて、復旧不能の異常であると判断された場合は、ステップS407にて電池異常ランプの点灯、音声案内による使用者への注意、サービスセンターへの無線による自動連絡等を行い、充電処理を終了(中断)する。
尚、本実施例では、車体側に漏電検出装置を搭載しているが、これを地上設備側に搭載するようにしてもよい。
また、本実施例では、漏電判断処理を、充電器910がプラグ920により電源に接続されたときに行なっているが、このタイミングは、「充電前」の外に、「充電中」、「充電後」のいずれか一つまたは複数のタイミングで行なうようにしてもよい。
以上説明した本実施例によれば、より多くの漏電パターンに対応できる高機能な漏電検出装置を用いて、充電器910による充電動作前に漏電検出、電圧異常検出を行うことができるので、安全性をより高めることができる。
尚、本実施例では、第3実施例の漏電検出装置を用いた場合を例に挙げて説明したが、第4実施例の漏電検出装置を用いてもよい。
本発明の第1実施例の漏電検出装置の基本構成を示すブロック図。 図1の漏電検出装置による漏電検出手順を示すフローチャート。 図1の漏電検出装置を実装した蓄電装置用制御装置の構成を示すブロック図。 本発明の第1実施例の車両用電機システムの構成を示すブロック図。 本発明の第2実施例の漏電検出装置の基本構成を示すブロック図。 図5の漏電検出装置による漏電検出手順を示すフローチャート。 本発明の第3実施例の漏電検出装置の基本構成を示すブロック図。 図7の漏電検出装置による漏電検出手順を示すフローチャート。 図7の漏電検出装置による組電池の総電圧検出手順を示すフローチャート。 本発明の第4実施例の漏電検出装置の基本構成を示すブロック図。 図10の漏電検出装置による漏電検出手順を示すフローチャート。 本発明の第5実施例のハイブリッド自動車用漏電検出装置の基本構成を示すブロック図。 図12の漏電検出装置による漏電検出及び組電池の総電圧検出を含むハイブリッド自動車の電機システムの起動手順を示すフローチャート。 本発明の第6実施例のプラグインハイブリッド自動車用漏電検出装置の基本構成を示すブロック図。 図14の漏電検出装置による漏電検出及び組電池の総電圧検出を含むプラグインハイブリッド自動車の組電池の充電器による充電手順を示すフローチャート。
符号の説明
11 リチウム単電池、
73 回路基板、
80A〜80H 集積回路、
82a〜82d フォトカプラ、
83 通信コマンド信号用ループ伝送路、
84 異常信号用ループ伝送路、
90 マイコン、
100 蓄電装置、
110 電池モジュール、
111 組電池、
120 セルコントローラ、
130 バッテリコントローラ、
131 グラウンド、
132 ADC(A/D変換器)、
133 ADC(A/D変換器)、
134 漏電判断回路、
140 リレー部、
141 メインリレー、
142 プリチャージ回路、
142a プリチャージリレー、
142b 抵抗、
143 電流センサ、
150 電源ケーブル、
170 電圧センサ、
171 温度センサ、
200 モータジェネレータ、
300 インバータ、
310 パワーモジュール、
320 ドライバ回路、
330 モータコントローラ、
340 平滑コンデンサ、
400 漏電検出器、
401 第1抵抗装置、
402 第2抵抗装置、
403 第3抵抗装置、
404 第4抵抗装置、
405 第5抵抗装置、
406 スイッチ、
410 絶縁抵抗装置、
500 車両コントローラ

Claims (3)

  1. 複数の単電池が電気的に接続されることにより構成され、電気的に浮動状態である組電池と、前記組電池とグラウンドとの間に設けられた漏電検出器と、前記漏電検出器の出力に基づいて漏電の有無を判断する漏電判断回路とを備えた電源装置であって、
    前記漏電検出器は、
    前記組電池の正極側と前記グラウンドとの間に電気的に接続され、前記正極側に電気的に接続された第1抵抗装置及び前記グラウンドに電気的に接続された第2抵抗装置の電気的な直列接続により構成された正極側電圧検出用分圧回路と、
    前記組電池の負極側と前記グラウンドとの間に電気的に接続され、前記グラウンドに電気的に接続された第3抵抗装置及び前記負極側に電気的に接続された第4抵抗装置の電気的な直列接続により構成された負極側電圧検出用分圧回路と、
    前記第1及び第2抵抗装置の電気的な直列接続に対して電気的に並列接続になるように、前記組電池の正極側と前記グラウンドとの間に第1のスイッチを介して電気的に直列に接続され、前記漏電検出器の抵抗値を可変にする第1可変抵抗回路と、
    前記第3及び第4抵抗装置の電気的な直列接続に対して電気的に並列接続になるように、前記組電池の負極側と前記グラウンドとの間に第2のスイッチを介して電気的に直列に接続され、前記漏電検出器の抵抗値を可変にする第2可変抵抗回路と、から構成され、
    前記漏電判断回路は、
    前記第1のスイッチをオン、前記第2のスイッチをオフとしたときの前記正極側電圧検出用分圧回路から得られた前記グラウンドに対する電圧及び前記負極側電圧検出用分圧回路から得られた前記グラウンドに対する電圧、並びに前記第1のスイッチをオフ、前記第2のスイッチをオンとしたときの前記正極側電圧検出用分圧回路から得られた前記グラウンドに対する電圧及び前記負極側電圧検出用分圧回路から得られた前記グラウンドに対する電圧のそれぞれに対応する絶縁抵抗値を求め、この求められた絶縁抵抗値に基いて漏電の有無を判断することを特徴とする電源装置。
  2. 前記漏電判断回路は、前記第1のスイッチをオン、前記第2のスイッチをオフとしたときの電圧から求められた絶縁抵抗値の比が、対応する閾値の範囲外にあるか否かを判定すると共に、前記第1のスイッチをオフ、前記第2のスイッチをオンとしたときの電圧から求められた絶縁抵抗値の比が、対応する閾値の範囲外にあるか否かを判定し、いずれか一方が範囲外にあると判断された場合には漏電が有りと判断するものであることを特徴とする請求項1に記載された電源装置。
  3. 前記第1可変抵抗回路は、前記第1及び第2抵抗装置の電気的な直列接続に対して電気的に並列接続となるように、前記第1のスイッチに対して電気的に直列に接続された第5抵抗装置を、前記第2可変抵抗回路は、前記第3及び第4抵抗装置の電気的な直列接続に対して電気的に並列接続となるように、前記第2のスイッチに電気的に直列に接続された第6抵抗装置をそれぞれ備え、
    前記第2抵抗装置及び第3抵抗装置の各抵抗値は、前記第1抵抗装置及び第4抵抗装置の各抵抗値よりも小さく、
    前記第5抵抗装置及び前記第6抵抗装置の各抵抗値は、前記第1抵抗装置及び第4抵抗装置の各抵抗値よりも小さく、かつ、前記第2抵抗装置、第3抵抗装置の各抵抗値と同じ若しくは近似する値であることを特徴とする請求項1又は2に記載された電源装置。
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