JP5550103B2 - 発芽玄米米飯およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、洗米もしくは水に浸漬して吸水した玄米を、低温処理した後、温湯中に浸漬して発芽を促してから炊飯することを特徴とする、発芽玄米米飯の製造方法に関する。
わが国において、健康を維持増進するために、運動とともに食生活が重視されている。食事から、生命の維持に必要なカロリーを得るのみでなく、ビタミン、食物繊維、ミネラルその他の健康維持に有益な成分を得ることが重要である。発芽玄米は、古来、農家の食用の一部とされてきたが、工業的に製造されるようになったのは、ごく最近のことであり、発明者らも1999年に特許を出願している(特許文献1参照)。
発芽玄米はその簡便性と食味の改善、さらには健康機能性が評価されて普及が進んでいるが、工業的生産においても、まだ硬くて粘りが少なく、白米との混合炊飯が推奨されていること、少なくとも一晩の温湯浸漬と加熱殺菌工程を必要とするために市販品は高価であり、家庭で製造するには同様の長時間を要するとともに、発芽玄米製品の食味、安定性、衛生性、手間などの点で問題が残されていた。
発芽玄米は、従来は30〜40℃の温湯に一晩〜数日間浸漬し、発芽させていた(特許文献1参照)。白米より硬くて粘りが弱い上に、長時間の浸漬過程で微生物が繁殖したり、玄米自身の自己消化が進んだりするために、浸漬液が濁ったり、発芽玄米に異臭が発生したり、生菌数が増加したりする問題があった。また、微生物の繁殖や異臭の発生を抑制するために、浸漬水を数回交換する必要があり、水溶性の機能性成分であるビタミンB群やミネラル類、発芽過程で生産された機能性成分であるγ−アミノ酪酸(GABA)等が溶出して失われるという問題があった。
特開2000‐217520号公報
本発明は、上記課題を解決し、玄米の迅速な発芽と炊飯が可能であって、且つ、風味、米飯物性、衛生面、機能性成分の含有率が優れた発芽玄米米飯の製造方法、を提供すること課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、前処理条件および発芽条件を検討し、1)凍結前処理が発芽の促進および米飯物性の改良に有効であること、2)30℃〜55℃の温度帯が発芽を促進され、この温度帯で数時間処理することで発芽が起こることを見いだした。そして、これによって、浸漬液を替えることなく、そのまま加熱炊飯することで、短時間かつ容易に高品質で衛生面でも優れた発芽玄米米飯を製造できることを発見した。
なお、発芽玄米は硬くて粘りが少なく、食味が白米より劣るため、発芽玄米単独ではなく白米との混合炊飯が推奨されるなど、米飯物性や食味の点で問題が残されていた。本発明では、発芽前に低温処理を施すことにより、吸水を促進する効果があることを見いだし、低温処理の中でも凍結処理、特に緩慢凍結による場合にもっとも効果が顕著であることを見いだした。
また、従来、食品の凍結においては、その物性を良好に保つために、急速凍結が適しているとされてきた(「食品加工学」、朝倉書店、p.162)。本発明者らは、緩慢凍結によって氷晶の生成を促進し、ことさら細胞構造を破壊することによって吸水と発芽を促進するとともに、発芽玄米の物性を改善できることを見いだした。
さらに、玉葱や赤玉葱の成分によって発芽がさらに促進されること、発芽玄米米飯の食味がさらに向上することも見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
本発明の特徴は、洗米もしくは水に浸漬して吸水した玄米を、0℃未満〜−80℃で低温処理した後、30〜55℃の温湯中に浸漬して発芽を促してから炊飯すること、並びに、前記低温処理が、前記玄米の吸水した水分を緩慢凍結させる条件で行うものであること、を特徴とする、発芽玄米米飯の製造方法である。
本発明の第2の特徴は、前記炊飯が、10℃から加熱開始した場合に60℃までの昇温に20分以上かける昇温速度で行うものである、請求項1に記載の発芽玄米米飯製造方法である。
本発明の第3の特徴は、前記炊飯が、前記温湯中に浸漬して発芽を促した後、液交換することなく直接炊飯を行うものである、請求項1又は2に記載の発芽玄米米飯の製造方法である。
本発明の第4の特徴は、前記温湯に浸漬して発芽を促す処理時間を6時間以内とし且つ炊飯時間を4時間以内とすることによって、迅速に玄米の発芽と炊飯を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の発芽玄米米飯の製造方法である。
本発明の第5の特徴は、前記温湯が、赤玉葱および/または玉葱、もしくは、その抽出成分、を含むものである、請求項1〜4のいずれかに記載の発芽玄米米飯の製造方法である。
本発明の第6の特徴は、前記玄米が、アミロペクチン短鎖の少ない超硬質米である、請求項1〜5のいずれかに記載の発芽玄米米飯の製造方法である。
本発明の第7の特徴は、前記0℃未満〜−80℃での低温処理の前に、0〜10℃で低温処理を行う、請求項1〜6のいずれかに記載の発芽玄米米飯の製造方法である。

本発明により、従来は一晩以上かけて発芽玄米を調製し、次いで、別の炊飯器で炊飯して得られてきた発芽玄米米飯が、1種類の発芽玄米製造炊飯装置を用いることにより、浸漬開始後4時間から10時間の間に発芽玄米米飯として食することが可能(玄米の迅速な発芽と炊飯が可能)となる。
これにより、従来の発芽玄米で問題となっていた、微生物の繁殖と自己消化の問題が著しく軽減され、衛生性が良好で異臭のない風味良好な発芽玄米米飯を得ることができる。また、吸水後、発芽処理前の緩慢凍結処理を加えることで氷晶を意図的に形成させることにより、さらに発芽を促進するとともに、玄米米飯の物性、機能性および食味をさらに向上させることが可能となる。
さらに、赤玉葱等を用いることで発芽をさらに促進し、衛生性を向上させ、GABAやケルセチン等の機能性成分の多い発芽玄米製品を得ることができる。
本実施例の炊飯における温度条件を示す図である。 実施例1における発芽玄米米飯の写真像図を示す図である。 実施例1において通常炊飯した玄米米飯の写真像図を示す図である。 比較例1において緩慢加熱炊飯した玄米米飯の写真像図を示す図である。 比較例2において急速加熱炊飯した玄米米飯の写真像図を示す図である。 実施例2における発芽玄米米飯の物性値を示す図である。 実施例3における発芽玄米米飯の物性値を示す図である。 実施例5における発芽玄米米飯の発芽率を示す図である。 実施例6における発芽玄米米飯の物性値を示す図である。 実施例8における発芽玄米米飯含有蒸しパンの写真像図を示す図である。
本発明は、洗米もしくは水に浸漬して吸水した玄米を、低温処理した後、温湯中に浸漬して発芽を促してから炊飯することを特徴とする、発芽玄米米飯の製造方法に関する。
<原料玄米>
本発明における玄米とは、イネ種子から籾すりによって籾殻を除いたものである。また、玄米の種類としては、如何なる品種や系統のもの、例えば、コシヒカリ等の一般飯用米、ジャスミンライスなどの外国産インディカ米、はいいぶきやミルキークイーンなどの新形質米、こがねもちなどのもち米、EM10など超硬質米を用いることができる。
これらの中でも特に、アミロペクチン短鎖の少ない超硬質米を使用した場合は、通常の米に比べて発芽が早いこと、難消化性デンプン含量が多いことにより、発芽玄米の価値がさらに高まるので最も好適である。
<低温処理>
本発明では、吸水させた玄米に対して低温処理を行うことによって、玄米の吸水をさらに促進し、発芽を促進することができる。
ここで‘発芽’とは、吸水現象に始まり、‘幼根や子葉が種皮を破って出現するまで’の一連の複雑な生理・生化学変化を含む過程を指す。水分は種子の発芽を規制している第一の要因で、成熟した種子は水分含量が少なく、種子内の代謝活動が著しく抑制されており、発芽に際して多量の水分を必要とする。
ここで、‘吸水’は、通常の如何なる方法で行うことができるが、例えば、玄米を水に浸漬したり、通常の方法で洗米することで行うことができる。なお、低温処理の前に吸水を行わなかった場合、低温処理の効果が十分に得られない。
本発明における低温処理は、10℃以下、好ましくは5℃以下、で行うことができる。例えば、低温処理は、0〜10℃(例えば5℃付近)という通常の冷蔵庫の温度帯で行うことができる。前記吸水した玄米を水に浸漬した状態や乾燥しない状態で、1時間以上(例えば一晩)、当該所定温度に静置することで行うことができる。
本発明における低温処理は、特に玄米が吸水した水分を‘緩慢凍結’させて、玄米の組織中に氷晶を形成させるように行うことが望ましい。
本発明においては、氷晶を形成させた後に、発芽及び炊飯を行うことにより、発芽玄米米飯の物性を改良することができる。なお、一般の冷凍食品では、品質を維持するために急速凍結を行い、氷晶形成を抑えることが行われるが、本発明では、通常は避けるべき緩慢凍結によって意図的に氷晶を形成させ、その後に温湯浸漬することによってジベレリンやアミラーゼなどのホルモンや酵素の種子内分泌を加速し、発芽および組織の軟化を促進することができる点に特徴がある。
緩慢凍結をさせる条件としては、玄米の組織中に氷晶を形成される温度で行うことができるが、具体的には、0℃未満〜−80℃程度(例えば−20℃付近)で、前記吸水した玄米を、静置することで行うことができる。
なお、氷晶を形成させるためには、例えば−20℃の場合15分間以上、好ましくは30分間以上、静置することで氷晶を形成させることができる。
なお、当該低温処理は、最初に冷蔵庫の温度帯で行って玄米の吸水をさらに促した後に、緩慢凍結を行ってもよい。
<発芽促進処理>
なお、従来の発芽玄米の炊飯法では、一晩から3日間の発芽期間を要し、微生物が繁殖したり、玄米自身の自己消化が進んだりするために、浸漬液が濁ったり、発芽玄米に異臭が発生したり、生菌数が増加したりする問題があった(特開2000-217520号公報)。
また、数回浸漬水を交換しても、微生物の繁殖や発芽玄米の発酵臭の生成抑制には充分ではなく、さらに、浸漬水を交換することによって、水溶性のビタミンB群、ミネラル、γ−アミノ酪酸(GABA)等が失われてしまう問題もあった。
本発明では、上記低温処理を施した後、30〜55℃、好ましくは35〜55℃、の温湯中に浸漬することによって、玄米の発芽を促進することができる(発芽促進処理)。
当該温度帯で発芽促進処理を行うことによって、発芽処理時間を大幅に短縮することができる。
具体的には、当該発芽促進処理は、発芽時間を最長でも10時間以内、通常でも6時間以内、最短で4時間以内、で行うものである。
これによって、本発明では、微生物の繁殖が抑えられることによって良好な衛生性を有し、発芽玄米の発酵臭生成を抑制でき、‘浸漬液を交換することなく’そのまま直接加熱炊飯することができる。また、それによって、栄養機能性成分流出を防ぐことができるため、これらの含量を高く保つことが可能となる。
浸漬液としては、水(温湯)を用いることができるが、種子の発芽を阻害しない程度であれば、薄い塩や緩衝剤を含有するものも用いることができる。
また、浸漬液は、赤玉葱および/または玉葱、もしくは、その抽出成分を含むものであると、発芽促進や微生物の繁殖抑制効果が得られるため、さらに好適である。特には、赤玉葱とその抽出成分が好適である。
これら赤玉葱や玉葱は、生のまま又は半乾燥状態で、丸ごと、大きくカットした状態、細片化、磨砕、もしくは擂潰して、溶液に含有させることができるが、特には、乾燥(具体的には凍結乾燥)させてから細片化(好ましくは粉末化)して、含有させることが望ましい。また、攪拌や混合処理を行い、固形分を懸濁させた状態にすることが望ましい。
赤玉葱および/または玉葱、もしくは、その抽出成分としては、乾燥物換算で0.2〜10.0重量%含有するもの(好ましくは1.0重量%以上、さらには2.0重量%以上含有するもの)であることが望ましい。なお、抽出成分としては、水抽出成分、極性有機溶媒抽出成分(アルコール抽出成分)、混合溶媒抽出成分(クロロホルム・メタノール混合溶媒抽出成分)、非極性有機溶媒抽出成分(ヘキサン抽出成分)などを挙げることができる。
<炊飯>
本発明では、上記所定の条件での低温処理と温湯浸漬による発芽促進処理を行って、それを炊飯することで発芽玄米米飯を得ることができる。
炊飯方法としては、前記前処理を行った玄米であれば、通常の炊飯方法(10℃から加熱開始した場合に60℃までの昇温に5〜10分かける昇温速度)で行うことができるが、好ましくは10℃から加熱開始した場合に60℃までの昇温に20分以上かける昇温速度が好適である。
例えば、前記発芽促進処理を37℃で行い、直接炊飯する場合であっても、前記昇温速度に相当するように加熱すればよい。
このような緩やかな昇温条件で加熱を行うことによって、さらに発芽を促進し、酵素の反応時間を長くし、風味と物性の良好な発芽玄米米飯を製造することが可能となる。
なお、本発明における炊飯は、加熱開始から4時間以内、好ましくは3時間以内、で行うことが望ましい。あまりに長く加熱した場合、粒の崩れ、異臭の発生、成分の溶出、がおこるため好ましくない。
なお、本発明における発芽玄米米飯の製造は、上記発芽促進処理と炊飯を行うのに必要な温度制御が可能な炊飯装置や調理装置を用いて行うことができる。これによって、1種類の炊飯装置を用いて、浸漬液を交換することなく、そのまま直接炊飯して迅速に発芽玄米の米飯を得ることができる。
なお、特には、玄米浸漬槽、温度計測部、加熱冷却部および温度制御部から構成される発芽玄米製造炊飯装置を用いることによって、その効果がもっとも十分に発揮された発芽玄米米飯を製造することができる。
<発芽玄米米飯>
上記工程を経られた発芽玄米米飯は、発芽促進処理の浸漬時間が大幅に短いため、菌数103cfs以下の良好な衛生性を有し、発芽玄米米飯特有の発酵臭がなくて良好な風味を有したものとなる。
また、上記工程を経られた発芽玄米米飯は、テンシプレッサー高圧縮低圧縮連続測定(H. Okadome, H. Toyoshima, K. Ohtsubo, Multiple measurements of physical properties of individual cooked rice grains with a single apparatus, Cereal Chemistry, 76(6), 855-860, 1999)による米飯表層の硬さが、1.2kgw/cm2以下、好ましくは1.0kgw/cm2以下、の軟らかい米飯物性を有したものとなる。
上記所定範囲の軟らかい米飯物性を示すことで、従来の発芽玄米米飯と異なり、日本人の食味嗜好にもよく適合した発芽玄米米飯となる。
また、上記工程を経られた発芽玄米米飯は、発芽促進処理に用いた浸漬液の交換をしない上に、低温前処理や炊飯における緩やかな昇温等によってGADの反応が促進されるため、機能性成分であるγ−アミノ酪酸(GABA)の含量が高いものとなる。具体的には、乾重あたり15mg/100g以上となる。
なお、発芽玄米中のGABAは、発芽過程でグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)の作用によってグルタミン酸から生成する。GABAは高血圧抑制や脳の血流の調節、肝臓における脂肪蓄積の抑制等、様々な機能性が報告されている(茅原 紘・杉浦友美、食品と開発、36(6)、4-6、2000)。通常の発芽玄米は10-15mg/100gと報告されている(喜瀬光男・水口 彩、FOOD Style 21、8(7)、54-57、2004)。
また、浸漬液の交換をしないため、ビタミンB群やミネラルなどの水溶性成分含量の高いものとなる。
なお、上記発芽促進処理の浸漬液として、前記赤玉葱および/または玉葱、もしくは、その抽出成分を含有するものを用いた場合、得られた発芽玄米米飯の発芽率、GABA含有量はさらに向上したものとなる。さらに、これらに由来するケルセチン等の機能性成分が付与されたものとなる。
<飲食品>
上記のようにして得られた発芽玄米米飯は、単独使用あるいは米粉や小麦粉に添加使用することによって、パン、麺、菓子、シート状食品、スープ状食品等に加工することができる。また、得られた発芽玄米米飯は、乾燥後に粉砕した粉末として用いることもできる。なお、発芽玄米米飯と当該乾燥粉末を混合して用いることもできる。
発芽玄米加工食品の場合、GABAなどの機能性成分の有効性及びアミノ酸や少糖類による呈味性向上効果の有効性、米含有加工品の物性の特徴を示すという観点から、米を25重量%以上含有し、当該米の40重量%以上が、前記発芽玄米米飯であることが好適である。
以下に本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1> (6時間20分の発芽玄米米飯の一貫迅速製造)
コシヒカリおよびホシユタカの玄米それぞれ20gを洗米し、2時間吸水させた後、−20℃のフリーザー中で緩慢凍結した後、炊飯装置に入れ、水900mlを加え、37℃の温湯中で4時間浸漬した。次いで、図1のモード2に示す加熱条件で140分かけて炊飯した。これらの写真を図2に示す。
その結果、コシヒカリ、ホシユタカともに発芽玄米の米飯が得られた。なお、比較対象として、通常の電気炊飯器(東芝RC300)で1.5倍量の水を加えて直接炊飯したコシヒカリは発芽玄米とならなかった(図3)。
この結果から、従来は、一晩温湯浸漬して発芽玄米を調製し、次いで、洗浄や加熱を施した後に市販され、購入後に改めて電気炊飯器等で炊飯されて得られてきた発芽玄米米飯が、本発明の方法によれば、浸漬開始後液交換することなくさらに短時間で、発芽玄米米飯として食すことが可能になることが示された。
<比較例1> (超硬質米EM10の緩慢加熱)
超硬質米であるEM10の玄米20gを洗米し、2時間吸水させた後、−20℃のフリーザー中で緩慢凍結した後、実施例1と同じ炊飯装置に入れ、水900mlを加え、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃のそれぞれの温度で2時間ずつ合計14時間かけて、緩慢に加熱し、最後に100℃で15分間加熱した。
その結果、EM10玄米は、図4に示すように、発芽はしたが、異臭が発生し、成分が浸漬液に溶出して濁るとともに、玄米粒が崩れてしまい食用に適さないものとなってしまった。
<比較例2> (超硬質米EM10の急速加熱)
超硬質米であるEM10の玄米20gを洗米し、2時間吸水させた後、−20℃のフリーザー中で緩慢凍結した後、実施例1と同じ炊飯装置に入れ、水900mlを加え、炊飯装置で40℃で1時間浸漬した。次いで、40℃から100℃まで10分間で昇温させた後、100℃で15分間加熱した。
その結果、図5に示すように、浸漬液の濁りは少なかったものの、玄米粒はほとんど発芽せず、硬くて食用に不適当であった。
<実施例2> (加熱温度条件を変化させたコシヒカリ発芽玄米米飯の物性)
コシヒカリの玄米200gを洗米し、−20℃のフリーザー中で緩慢凍結した後、炊飯装置に入れ、400mlの水を加え、38℃で4時間浸漬した。次いで、図1に示す3つの条件(モード1〜3)で加熱した。
得られた玄米の物性をタケトモ電機製のテンシプレッサーで測定した。測定方法は岡留らの条件によった(H. Okadome, H. Toyoshima, K. Ohtsubo, Multiple measurements of physical properties of individual cooked rice grains with a single apparatus, Cereal Chemistry, 76(6), 855-860, 1999)。結果を図6に示す。なお、図6において、H1は米飯粒表層の硬さを、H2は米飯粒全体の硬さを、S1は米飯粒表層の粘りを、S2は米飯粒全体の粘りを、Balance H1は米飯粒表層の(粘り/硬さ)を、Balance H2は米飯粒全体の(粘り/硬さ)を、それぞれ表す。
その結果、モード2の条件で加熱した発芽玄米米飯(図6のB)がもっとも軟らかく、粘りが強く、食味が優れていた。
なお、モード1(図6のA)及びモード3(図6のC)の場合は、モード2(図6のB)に比べると玄米米飯の発芽が不充分であり、硬くて粘りが弱かった。
<実施例3> (吸水処理および冷凍処理を施したコシヒカリ発芽玄米米飯)
コシヒカリ玄米を実施例2のモード2の条件で炊飯するに際し、前処理条件の検討を行った。
前処理条件Aでは、38℃で4.5時間浸漬した。前処理条件Bでは、玄米を洗米も水浸漬もせずに、−20℃で1時間緩慢凍結した後に38℃で4.5時間浸漬した。前処理条件Cでは、洗米して充分吸水させた後に−20℃で1時間緩慢凍結し、38℃で4.5時間浸漬した。
次いで、これらの3種類の前処理を施したコシヒカリ玄米を実施例2のモード2で炊飯した後、テンシプレッサーで米飯物性を測定した。
その結果、図7に示すとおり、吸水処理の後に緩慢凍結した場合(前処理条件C)、凍結を行わなかった場合(前処理条件A)に比べて、さらに粘りが強く、食味が良好であった。一方、吸水させずに凍結させた場合(前処理条件B)は、米飯粒が硬くなり、凍結の効果が認められなかった。
GABAの含有量は、前処理条件Aの米飯は8mg/100g(乾重)、前処理条件Bの米飯は11mg/100g(乾重)、前処理条件Cの米飯は15mg/100g(乾重)であった。
これらの結果から、洗米で吸水させたのちに緩慢凍結することによって、発芽が促進され、氷晶による組織破壊が起こることで、米飯物性が改良されるとともに、GABA生成酵素が活発にGABAを生産するということが示された。
<実施例4> (赤玉葱による発芽促進効果)
コシヒカリ、春陽、ホシユタカ、夢十色、ミルキークイーンの各玄米200gを洗米し、−20℃のフリーザー中で緩慢凍結した後、赤玉葱水溶液(pH5.9:赤玉葱凍結乾燥粉末を2重量%含む水溶液)に浸漬し、37℃で2時間保持した。次いで、実施例2のモード2の条件で120分間加熱した。
その結果、このようにして製造した発芽玄米米飯は、発芽率が約70%(コシヒカリ)から90%(ホシユタカ)と高く、15mg/100g(乾重)以上のγ―アミノ酪酸および12mg/100g(乾重)以上のケルセチンを含んでおり、米飯は良好な食味となった。
この結果から、赤玉葱を含む水溶液を用いることによって、玄米の発芽率、米飯の機能性成分を向上できることが示された。
また、浸漬開始後4時間で発芽玄米米飯として食すことが可能になることが示された。
<実施例5> (緩慢凍結処理による発芽促進効果)
平成20年新潟県産夢十色の玄米を洗米した。その後、前処理条件Aでは、15℃で一晩浸漬した後に、37℃の温湯に4時間浸漬した。前処理条件B〜Eでは、5℃で一晩浸漬した後に、−20℃のフリーザーに入れて、30分(条件B)、60分(条件C)、90分(条件D)、120分(条件E)それぞれ緩慢凍結する低温処理を行った後に、37℃の温湯に4時間浸漬した。
次いで、これらの発芽玄米試料を温度コントローラー付き加熱炊飯装置を用いて、前記モード2の条件で炊飯した。炊飯後の発芽率を図8に示す。
その結果、図8から明らかなように、30分間凍結処理した試料が最も発芽が促進され、以下、60分間、90分間、120分間の順であった。
なお、低温処理や緩慢凍結を行わない場合(前処理条件A)は、温湯浸漬から4時間後でも発芽は見られなかった。
<実施例6> (緩慢凍結による発芽玄米物性の改善)
平成20年九州大学産EM10の玄米を洗米した。その後、前処理条件Aでは、5℃で一晩浸漬する低温処理を行った後に、37℃の温湯に4時間浸漬した。前処理条件B〜Dでは、5℃で一晩浸漬した後に、−20℃のフリーザーに入れて、30分(条件B)、60分(条件C)、90分(条件D)それぞれ緩慢凍結する低温処理を行った後に、37℃の温湯に4時間浸漬した。
次いで、これらの発芽玄米試料を温度コントローラー付き加熱炊飯装置を用いて前記モード2の条件で炊飯した。そして、それぞれの米飯の物性を、テンシプレッサー多重積算バイト法(H. Okadome, H. Toyoshima, K. Ohtsubo, Multiple measurements of physical properties of individual cooked rice grains with a single apparatus, Cereal Chemistry, 76(6), 855-860, 1999)を用いて測定した。測定結果を図9に示す。
その結果、図9から明らかなように、緩慢凍結を施すことで、発芽玄米米飯の硬さが、1kgw/cm2以下となり、米飯物性が著しく改良されることが示された。
<実施例7> (液体窒素による急速凍結との比較)
実施例3と同様に、コシヒカリ玄米を実施例2のモード2の条件で炊飯するに際し、前処理条件の検討を行った。前処理条件Aでは、38℃で4.5時間浸漬した。前処理条件Bでは、液体窒素によって瞬間的に凍結した後に38℃で4.5時間浸漬した。前処理条件Cでは、洗米して充分吸水させた後に−20℃で1時間緩慢凍結し、38℃で4.5時間浸漬した。
次いで、これらの3種類の前処理を施したコシヒカリ玄米を実施例2のモード2で炊飯した後、テンシプレッサーで米飯物性を測定した。
その結果、吸水処理の後に緩慢凍結した場合(前処理条件C)、凍結を行わなかった場合(前処理条件A)に比べて、粘りが強く、食味が良好であった。一方、液体窒素によって瞬間凍結した場合(前処理条件B)は、緩慢凍結した場合(前処理条件C)に比べて、凍結による米飯物性改良効果が認められなかった。
GABAの含有量は、前処理条件Aの米飯は8mg/100g(乾重)、前処理条件Bの米飯は12mg/100g(乾重)、前処理条件Cの米飯は15mg/100g(乾重)であった。
これらの結果から、洗米で吸水させたのちに緩慢凍結することによって、発芽が促進され、氷晶による組織破壊が起こることで、米飯物性が改良されるとともに、GABA生成酵素が活発にGABAを生産するということが示された。
<実施例8> (発芽玄米米飯の粉末を用いた蒸しパン)
まず、実施例6のDの条件と同様にして、九州大学産EM10の発芽玄米米飯を調製した。この発芽玄米米飯を凍結乾燥したのち、UDY社製サイクロンミルで粉砕して発芽玄米米飯の乾燥粉末を得た。
次いで、卵1個(水分込みで約60g)に、当該‘発芽玄米米飯の乾燥粉末’30g、砂糖10g、ベーキングパウダー2g、スキムミルク3gを加えて生地を調製し、ティファール製電気蒸し器(ウルトラコンパクト)を用いて25分間蒸し、蒸しパンを製造した。
なお、比較例として、市販の米粉(波里製強力米粉)、もしくは、小麦粉(日清製粉製カメリヤ)により、同じ処方で蒸しパンを製造した。
これらの写真を図10に示す。
また、上記得られた蒸しパンを凍結乾燥し、サイクロンミルで粉砕した粉末中のGABA含有量を高速液体クロマトグラフ法によって測定した。
その結果、小麦粉の場合は0.5mg/100gであり、市販米粉混合の場合は0.7mg/100gであり、本発明例の発芽玄米の場合は12.2mg/100gであり、比較例に比べて著しく多いGABAを含んでいた。
また、6名の専門試食者による官能検査の結果、比較例の蒸しパンに比べて、本発明例の蒸しパンは、甘味とうま味が強い結果となった。
<実施例9> (発芽玄米米飯を用いた米粉含有麺)
まず、実施例6のDの条件と同様にして、発芽玄米米飯を調製した。この‘発芽玄米米飯’100gと、市販小麦粉(日清製粉製カメリヤ)100gとを混合し、食塩6g、ぬるま湯108gを加え、テスコム製スティックブレンダーを用いて生地を調製した。この生地を冷蔵庫に一晩静置して硬化させた後、インペリア製パスタマシンを用いて2mmの米粉含有麺を製造した。
製造したこの麺は、茹で上がりが早く、うま味の強い麺であった。
<実施例10> (発芽玄米米飯を用いたパン)
まず、実施例6のDの条件と同様にして、発芽玄米米飯を調製した。この‘発芽玄米米飯’360gに、市販の小麦粉(日清製粉製カメリヤ)300g、食塩1.5g、脱脂ミルク8.5g、無塩バター15g、砂糖17g、パン酵母3gを加え、パナソニック製家庭用製パン器(SD-BH101)を用いて食パンを製造した。
製造した食パンについて、植物種子置換法によって比容積を測定した。その結果、パンの比容積は4.1であった。
また、6名で試食した結果、硬さや弾力性などの物理性においては市販の食パンと同等であり、外観と味については、市販の食パンを上まわる評価であった。
本発明は、発芽玄米米飯の迅速な製造を可能とし、また、発芽玄米米飯の風味、米飯物性、衛生面、機能性成分の含有率を向上させることができる。これにより、発芽玄米米飯やそれを用いた米加工食品の消費の拡大に貢献することが期待される。

Claims (7)

  1. 洗米もしくは水に浸漬して吸水した玄米を、0℃未満〜−80℃で低温処理した後、30〜55℃の温湯中に浸漬して発芽を促してから炊飯すること、並びに、前記低温処理が、前記玄米の吸水した水分を緩慢凍結させる条件で行うものであること、を特徴とする、発芽玄米米飯の製造方法。
  2. 前記炊飯が、10℃から加熱開始した場合に60℃までの昇温に20分以上かける昇温速度で行うものである、請求項1に記載の発芽玄米米飯製造方法。
  3. 前記炊飯が、前記温湯中に浸漬して発芽を促した後、液交換することなく直接炊飯を行うものである、請求項1又は2に記載の発芽玄米米飯の製造方法。
  4. 前記温湯に浸漬して発芽を促す処理時間を6時間以内とし且つ炊飯時間を4時間以内とすることによって、迅速に玄米の発芽と炊飯を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の発芽玄米米飯の製造方法。
  5. 前記温湯が、赤玉葱および/または玉葱、もしくは、その抽出成分、を含むものである、請求項1〜4のいずれかに記載の発芽玄米米飯の製造方法。
  6. 前記玄米が、アミロペクチン短鎖の少ない超硬質米である、請求項1〜5のいずれかに記載の発芽玄米米飯の製造方法。
  7. 前記0℃未満〜−80℃での低温処理の前に、0〜10℃で低温処理を行う、請求項1〜6のいずれかに記載の発芽玄米米飯の製造方法。
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