JP5549413B2 - 着磁方法、着磁装置、及び、回転電機の製造方法 - Google Patents

着磁方法、着磁装置、及び、回転電機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、着磁方法、着磁装置、及び、回転電機の製造方法に関する。
特許文献1の着磁用のヨークは、回転子(ロータ)のリング型極異方性磁石の磁極数に合わせて、着磁用コイルと巻線溝部を有する。この着磁用のヨークは、階段状のスキュー(ステップスキュー)が施されたリング型極異方性磁石の上下それぞれの磁極にまたがるように巻線溝部を備える。コイル巻線は、回転子の回転軸から斜めに傾斜する。巻線溝部に貫挿される斜めのコイル巻線が通電されることにより、リング型極異方性磁石が着磁される。
特開2002−153024号公報
磁石をロータに組み込んだ状態で着磁する組み込み着磁の場合、着磁電流のロータ周方向での位置(着磁磁界の中心の位置)が、着磁の結果に大きく影響することが知られている。前述の斜めのコイル巻線では、階段状のスキューを施した磁石の界面において、着磁電流の周方向位置と、磁石対の周方向中心位置が大きくずれる。このため、斜めのコイル巻線では、磁石への着磁性能(磁化)が、コイル巻線から離れた磁石の部分で規定値に届かないという問題点がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、着磁性能を改善した着磁方法を提供することを目的とする。
本発明のある態様に係る着磁方法は、回転軸方向に直列に並べられている第一ロータと第二ロータを備えた回転子の着磁方法である。着磁方法は、前記第一ロータと前記第二ロータのそれぞれに、周方向位置がロータ間でずれるように、未着磁の複数の磁石を周方向に所定角度間隔で配置する工程を含む。また、着磁方法は、前記第一ロータ内で隣接する磁石の第一の周方向中心と、前記第二ロータ内で隣接する磁石の第二の周方向中心との間において、第一の周方向着磁位置で着磁電流を流して着磁を行う第1着磁工程を含む。さらに、着磁方法は、前記第一と第二の周方向中心の間において、前記第一の周方向着磁位置と異なる第二の周方向着磁位置で着磁電流を流して着磁を行う第2着磁工程を含む。前記第一と第二の周方向着磁位置は、前記第一と第二の周方向中心の中央を周方向の基準角度として、前記第一の周方向着磁位置が、前記基準角度に対して前記第一の周方向中心側にあり、前記第二の周方向着磁位置が、前記基準角度に対して前記第二の周方向中心側にある。
本発明によれば、着磁性能を改善した着磁方法が提供でき、ロータに設けられた磁石の部分で磁化が小さくなることを防止できる。
(a)第一実施形態において着磁を施す回転子の概略斜視図である。(b)第一実施形態に係る回転電機の端面図である。 (a)着磁に用いる着磁装置である。(b)着磁装置の着磁ヨーク(コイル巻線)が回転子に対して相対的に回転した状態を示す図である。 第一実施形態における着磁工程を示す回転子の断面図である。 (a)逆極が生じる状況を示す図である。(b)逆極が生じた磁石を示す拡大図である。 第二実施形態において着磁を施す回転子の一例を示す概略側面図である。 第二実施形態における着磁工程を示す回転子の断面図である。 第二実施形態において着磁を施す回転子の他の一例を示す概略側面図である。 第二実施形態において着磁を施す回転子のさらに他の一例を示す概略側面図である。 第三実施形態における着磁工程を示す回転子の断面図である。 (a)第三実施形態において、下段磁石の1回目の着磁を示す磁化曲線である。(b)第三実施形態において、下段磁石の2回目の着磁を示す磁化曲線である。(c)第三実施形態において、下段磁石の3回目の着磁を示す磁化曲線である。(d)第三実施形態において、上段磁石の1回目の着磁を示す磁化曲線である。(e)第三実施形態において、上段磁石の2回目の着磁を示す磁化曲線である。(f)第三実施形態において、上段磁石の3回目の着磁を示す磁化曲線である。 着磁を施す回転子の他の例を示す断面図である。 従来技術の着磁ヨークである。
以下では図面を参照して本発明を実施するための形態について、さらに詳しく説明する。
<第一実施形態>
図1−4を参照して、第一実施形態に係る着磁方法について説明する。
図1(a)は、着磁を施す回転子10の概略図である。図1(b)のように、回転子10は、着磁された後、ステータ(固定子)11に回転可能に組み合わされてモータ(回転電機)13を構成する。回転子10は、回転子10の回転軸方向に直列に並ぶ略同一形状の複数のロータ(下段ロータ10a、上段ロータ10b)を備える。各ロータは、回転軸16に取り付けられる。下段ロータ10aと上段ロータ10bは、それぞれ、未着磁の磁石(永久磁石)14a、14bを有する。なお、下段ロータ10aと上段ロータ10bは、それぞれ、第一ロータ、第二ロータと呼ばれることがある。
異なるロータの磁石に対して、階段状のスキューが施されている。下段ロータ10aの磁石14aと上段ロータ10bの磁石14bは、互いに周方向にスキュー角θだけずれている。なお、本明細書において、スキュー角θは、隣接するロータの磁石間の周方向のずれ角(又は変位角)として定義されている。
なお、図1において、便宜上、各ロータについて一つの磁石しか示されていないが、実際には各ロータは複数の磁石を有する。詳細には、各ロータの外周領域において、磁石挿入孔38が、円周方向に所定の角度間隔を置いて形成されている。磁石挿入孔38内に、接着剤を塗布した未着磁の複数の磁石(永久磁石)が、回転軸方向に挿入されている。従って、各ロータにおいて、未着磁の複数の磁石は、周方向に所定角度間隔で配置されている。
図2(a)と図2(b)は、着磁に用いる着磁装置を例示する図である。着磁装置は、着磁ヨーク20、着磁電流を供給する電源21と、着磁ヨーク20に設けられ着磁電流を流すコイル巻線22を備える。回転子10が、着磁ヨーク20内に設置されて着磁される。コイル巻線22は、着磁ヨーク20の軸に平行な方向に電流を流す。
また、着磁装置は、コイル巻線22を回転子10に対して相対的に回転移動させて配置できる配置機構24を備える。配置機構24は、着磁ヨーク20(即ちコイル巻線22)と回転子10のいずれかを回転移動できる電気モータを備えるものでよい。なお、図2(b)は、着磁ヨーク20とコイル巻線22が図2(a)の状態から周方向に回転した状態を示す。
着磁を施す回転子10が着磁ヨーク20の内部に配置された場合、コイル巻線22は、回転子10の回転軸16方向に平行になる。着磁電流がコイル巻線22に流れると、磁石を着磁する磁場26が、コイル巻線22の周り(即ち着磁電流の周り)で、回転軸16に垂直な方向に発生する。コイル巻線22は、渦状に発生する磁場(磁界)の中心となる。なお、図12のように、従来技術の着磁ヨークは、回転子10の回転軸16方向に対して傾けた斜めのコイル巻線を有する。本実施形態の着磁ヨークは、コイル巻線22が回転軸16方向から傾かないため、従来技術の着磁ヨークに比較して、製作費が安価である。
図3を参照すると、着磁行程において、下段ロータ10aにおける磁石対16aの周方向の中心30と、上段ロータ10bにおける磁石対16bの周方向の中心32との周方向中央位置36を基準として、着磁ヨーク20の各コイル巻線22が配置され、着磁電流を流す。なお、磁石対16aは、下段ロータ10aにおいて隣接する二つの磁石14a、14a’(未着磁)からなる。磁石対16bは、上段ロータ10bにおいて隣接する二つの磁石14b、14b’(未着磁)からなる。磁石対16aの周方向の中心30と磁石対16bの周方向の中心32は、それぞれ、第一の周方向中心と第二の周方向中心と呼ばれる。
コイル巻線22に着磁電流を流すことにより発生する磁場は、逆極が生じないように、下段ロータ10aの磁石14a、14a’と上段ロータ10bの磁石14b、14b’を着磁(磁化)する。
ここで、下段の磁石対16aの周方向中心30の周方向角度を0°とすると、上段の磁石対16bの周方向中心32の周方向角度は、スキュー角θ°になる。中心30と中心32の周方向中央位置(中央角度)36は、基準角度(基準位相)αになる。ここでは、基準角度αはθ/2となる。
着磁行程において、配置機構24は、基準角度αを中心として逆極が生じない±Xmaxの範囲35で、コイル巻線22を異なる複数の位置に配置し、着磁電流が着磁(磁化)を複数回行う。即ち、複数回の着磁において、コイル巻線22の周方向位相φ(周方向の角度位置)は、α−Xmaxからα+Xmaxまでの逆極が生じない範囲35になる(即ち、α−Xmax≦φ≦α+Xmax)。なお、コイル巻線22の周方向位置は、着磁電流の周方向位置になる。
二回着磁を行う場合を説明すると、第一の着磁行程において、配置機構24は、コイル巻線22(着磁電流)を、第一の周方向着磁位置31として位相φ=α−Xの位置に設定する。本実施形態において、第一の周方向着磁位置31は、基準角度αと下段の磁石対16aの周方向中心30との間にある。第二の着磁行程において、配置機構24は、コイル巻線22(着磁電流)を、第二の周方向着磁位置33として位相φ=α+Xの位置に設定する。本実施形態において、第二の周方向着磁位置33は、基準角度αと上段の磁石対16bの周方向中心32との間にある。第一の着磁行程において、着磁電流は、下段の磁石対16aに近づき、第二の着磁行程において、着磁電流は、上段の磁石対16bに近づく。このため、どちらの着磁行程でも着磁電流から遠く離れているような磁石の部分が少なくなり、磁石の部分で磁化が小さくなることを防止できる。
ここで、コイル巻線22の周方向位相の振り幅Xは、Xmax以下(X≦Xmax)である。下段ロータ10a及び上段ロータ10bの磁石に逆極の生じない範囲で最大限に有効着磁(有効磁化)を与えるためには、X=Xmaxであることが好ましい。
第一の周方向着磁位置31と第二の周方向着磁位置33の周方向の角度間隔(2X)は、下段ロータ10aと上段ロータ10b間の磁石のスキュー角(ずれ角)θに略比例させてよい。例えば、スキュー角θが10°以内(0°≦θ≦10°)である場合、Xはθ/6程度であり、角度間隔(2X)はθ/3程度になる。例えば、スキュー角θが3.75°であれば、Xは、0.625°である。
2n回着磁を行う場合には、配置機構24は、コイル巻線22を位相φ=α±X1、α±X2、・・・、α±Xnの位置に配置して、着磁装置は着磁を行う。ただし、X1、X2・・・XnはXmax以下である(X1,X2,・・・Xn≦Xmax)。
なお、逆極とは、磁石の一部において、意図した磁化方向と逆向きに着磁(磁化)され、意図した極と反対の極が磁石表面に生じてしまうことをいう。位相幅XがXmaxより大きい場合、コイル巻線22の位相(角度位置)φ=α+Xでは、着磁電流は下段の磁石対16aの中心30から離れるため、下段ロータ10aの磁石14a’に逆極が生じる。XがXmaxより大きい場合、コイル巻線22の位相(角度位置)一方、φ=α−Xでは、着磁電流は上段の磁石対16bの中心32から離れるため、上段ロータ10bの磁石14bに逆極が生じる。図4(a)(b)は、上段ロータ10bの磁石14bに逆極が生じる状況を示す。逆極が生じる位相幅Xmaxは、磁石の配置とスキュー角θに依存し、実験的に求められる。
なお、上記において、基準角度αは、逆極が生じないコイル巻線22の角度範囲(φ1からφ2)を実験的に求めて、角度位置φ1とφ2の周方向中央の角度とすることもできる(α=(φ1+φ2)/2)。この場合、Xmaxは、α−φ1又はφ2−αとして定められる。
−作用・効果−
第一実施形態によると、着磁方法は、第一ロータ(下段ロータ10a)と第二ロータ(上段ロータ10b)のそれぞれに、周方向位置がロータ間でずれるように、未着磁の複数の磁石を周方向に所定角度間隔で配置する工程を含む。また、着磁方法は、第一ロータ内で隣接する磁石の第一の周方向中心30と、第二ロータ内で隣接する磁石の第二の周方向中心32との間において、第一の周方向着磁位置31で着磁電流を流して着磁を行う第1着磁工程を含む。さらに、第一と第二の周方向中心の間において、第一の周方向着磁位置31と異なる第二の周方向着磁位置33で着磁電流を流して着磁を行う第2着磁工程と、を含む。これにより、どちらの着磁行程でも着磁電流から遠く離れているような磁石の部分が少なくなり、ロータに設けられた磁石の部分で磁化が小さくなることを防止できる。また、ロータに組み込む前に磁石を着磁する場合と同程度の有効磁化を有するよう、未着磁の磁石をロータに組み込んだ後に着磁できる。
第一と第二の周方向中心の周方向中央36を周方向の基準角度αとして、第一の周方向着磁位置31が、基準角度αに対して第一の周方向中心30側にあり、第二の周方向着磁位置33が、基準角度αに対して第二の周方向中心32側にある。このため、より効果的に磁石の部分で磁化が小さくなることを防止できる。
第一の周方向着磁位置31と第二の周方向着磁位置33の周方向の角度間隔が、第一ロータと第二ロータ間の磁石のずれ角θに比例する。このため、ずれ角θが大きい場合に着磁電流の周方向位置を大きく変化させて、より効果的に磁石の部分で磁化が小さくなることを防止できる。
第一の周方向着磁位置31と第二の周方向着磁位置33が、着磁電流によって逆極の生じない周方向角度範囲35内にある。これにより、着磁工程において逆極を打ち消すための大きい磁場が必要になることが防止できる。また、逆極により磁石の有効磁化(平均磁化)の減少することが防止できる。
着磁装置は、着磁電流を流して着磁を行うコイル巻線22を備える。また、着磁装置の配置機構24は、第一ロータ内で隣接する磁石の第一の周方向中心30と、第二ロータ内で隣接する磁石の第二の周方向中心32との間において、第一の周方向着磁位置31と、これと異なる第二の周方向着磁位置33にコイル巻線22を配置する。これにより、ロータに設けられた磁石の部分で磁化が小さくなることを防止できる。
固定子11を有する回転電機13の製造方法は、前記着磁方法により着磁された回転子10と、固定子11とを組み合わせる工程を含む。これにより、磁石の有効磁化を改善した回転子10を有する回転電機13を提供できる。
<第二実施形態>
第二実施形態は、回転子40が、回転軸方向に直列に並ぶ三段(三個)以上のロータを有する場合に関する。
図5は、三段のロータを有する回転子の一例を示す側面図である。回転子40は、回転軸方向に直列に並ぶ略同一形状の三段のロータ(最下段ロータ40a、中段ロータ40b、最上段ロータ40c)を備える。各ロータは、回転軸16に取り付けられる。最下段ロータ(第一ロータ)40a、中段ロータ(第三ロータ)40b、最上段ロータ(第二ロータ)40cは、それぞれ、未着磁の磁石44a、44b、44cを有する。
異なるロータの磁石に対して、階段状のスキューが施されている。最下段ロータ40aの磁石44aと中段ロータ40bの磁石44bは、互いに周方向にスキュー角θだけずれている。中段ロータ40aの磁石44aと最上段ロータ40bの磁石44bは、互いに周方向にスキュー角θだけずれている。なお、図5において、便宜上、各ロータについて一つの磁石しか示されていないが、実際には各ロータは複数の磁石を有する。
図6において、最下段ロータ40aにおける磁石対46aの周方向中心50の周方向角度を0°とすると、中段ロータ40bにおける磁石対46bの周方向中心52の周方向角度はθ°に、上段の磁石対46cの周方向中心54の周方向角度は(2θ)°になる。下段の磁石対46aの周方向中心50と、中段の磁石対46bの周方向中心52(第三の周方向中心)との周方向中央位置(中央角度)は、第一の所定角度β1(=θ/2°)になる。中段の磁石対46bの周方向中心52と、上段の磁石対46cの周方向中心54との周方向中央位置(中央角度)は、第二の所定角度β2(=3θ/2°)になる。そして、第一の所定角度β1と第二の所定角度β2との中心角γ(=(β1+β2)/2)が、基準角度αとなる。ここでは、基準角度αはθである。なお、図7のように、回転軸方向にジグザグ状に、隣接するロータの磁石をずらした磁石配置に対しても、基準角度αは同様に決定できる。
図8は、四段以上のロータを有する回転子の一例を示す側面図である。ここで、回転子40は、回転軸方向に直列に並ぶ略同一形状の四段以上のロータを備える。この場合、例えば、基準角度αは、最下段のロータの磁石対46aの周方向中心と、最上段のロータの磁石対46dの周方向中心との中央位置(中央角度)に定めてよい。また、基準角度αは、逆極が生じないコイル巻線22の角度範囲(φ1からφ2)を実験的に求めて、角度位置φ1とφ2の周方向中央の角度とすることもできる(α=(φ1+φ2)/2)。この場合、Xmaxは、α−φ1又はφ2−αとして定められる。
第一実施形態と同様に、着磁行程において、配置機構24は、基準角度αを中心として逆極が生じない±Xmaxの範囲で、コイル巻線22を異なる複数の位置に設定して、着磁電流が着磁(磁化)を複数回行う。即ち、複数回の着磁において、コイル巻線22の周方向位相φ(周方向の角度位置)は、α−Xmaxからα+Xmaxまでの範囲になる(即ち、α−Xmax≦φ≦α+Xmax)。
二回着磁を行う場合を説明すると、第一の着磁行程において、配置機構24は、最下段ロータ(第一ロータ)の磁石対の周方向中心50と基準角度αとの間で、コイル巻線22(着磁電流)を位相φ=α−Xの位置31に設定する。第二の着磁行程において、配置機構24は、最上段ロータ(第二ロータ)の磁石対の周方向中心54と基準角度αとの間で、コイル巻線22(着磁電流)を位相φ=α+Xの位置33に設定する。
第二実施形態によると、ロータが三段以上でも、磁石の部分で磁化が小さくなることを適切に防止できる。
<第三実施形態>
第三実施形態において、第一実施形態の複数回の着磁の前に、コイル巻線22(着磁電流)は、基準角度αの位置に設定されて着磁を行う。コイル巻線22(着磁電流)の位置を振ることは、製造バラツキにより逆極が生じる可能性が増加する。従って、コイル巻線22(着磁電流)の位置を振る前に、コイル巻線22(着磁電流)は、基準角度αの位置に設定されて着磁を行う。他の構成は、第一実施形態と同じである。
図1の下段ロータ10a、上段ロータ10bを有する回転子10に対して、三回着磁を行う場合を説明する。図9のように、まず、配置機構24は、コイル巻線22(着磁電流)を基準角度αの位置37に設定して、着磁電流は第一回目の着磁を行う。その後、配置機構24は、コイル巻線22(着磁電流)を位相φ=α−Xの位置31に設定し、着磁電流は第二回目の着磁を行う。さらに、その後、配置機構24は、コイル巻線22(着磁電流)を位相φ=α+Xの位置33に設定して、着磁電流は第三回目の着磁を行う。ここで、基準角度αは、下段の磁石対16aの周方向中心30と上段の磁石対16bの周方向中心32との間の周方向中央位置(中央角度)である。
図10(a)−(c)は、三回着磁の場合の下段の磁石14aの磁化曲線(実線)を、ヒステリシス曲線(点線)と対応させて示す。図10(d)−(e)は、三回着磁の場合の上段の磁石14b’の磁化曲線(実線)を、ヒステリシス曲線(点線)と対応させて示す。
まず、第一回目の着磁において、コイル巻線22(着磁電流)は基準角度αに配置されているため、下段の磁石14aと上段の磁石14b’は同様に磁化される(図10(a)と(d))。次に、第二回目の着磁において、コイル巻線22(着磁電流)は、基準角度αと下段の磁石対16aの周方向中心30との間で、位相φ=α−Xの位置に配置されるため、下段の磁石14aが磁化され、飽和磁化付近に達する(図10(b))。一方、第二回目の着磁において、上段の磁石14b’はあまり磁化されない(図10(e))。次に、第三回目の着磁において、コイル巻線22(着磁電流)は、基準角度αと上段の磁石対16bの周方向中心32との間で、位相φ=α+Xの位置に設定されるため、上段の磁石14b’が磁化され、飽和磁化付近に達する(図10(c))。一方、第三回目の着磁において、下段の磁石14aはほとんど磁化されない(図10(f))。
第三実施形態によると、コイル巻線22(着磁電流)の位相φを基準角度αを中心としてプラス側とマイナス側に振る前に、コイル巻線22(着磁電流)は、基準角度αの位置に設定され着磁を行う。従って、製造バラツキにより逆極が生じる可能性が減少する。
本発明は前述の第一から第三実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、前述の第一から第三実施形態の着磁方法は、図11のような磁石配置を持つ複数ロータを有する回転子にも適用できる。図11において、各ロータは、半径方向外側で所定角度おきに配置された磁石60と、半径方向内側で所定角度おきにV字型で配置された磁石62を備える。この場合、V字型で配置された磁石62の半径方向に対する設置角度σが小さいと、図11の点線で示す位置で逆極が生じ易い。このため、V字型で配置された磁石62の設置角度σに応じて、コイル巻線22の周方向位相の振り幅Xを定めてよい。例えば、設置角度σが小さくなるにつれて振り幅Xが小さくなる。これにより、図11のような磁石配置においても、逆極の生じない範囲で振り幅Xを適切に決められる。
10 回転子
10a 第一ロータ(下段ロータ)
10b 第二ロータ(上段ロータ)
14a、14a’ 第一ロータの磁石
14b、14b’ 第二ロータの磁石
16a、16b 磁石対
20 着磁ヨーク
22 コイル巻線
24 配置機構
30 第一の周方向中心
31 第一の周方向着磁位置
32 第二の周方向中心
33 第二の周方向着磁位置

Claims (7)

  1. 回転軸方向に直列に並べられている第一ロータと第二ロータを備えた回転子の着磁方法であって、
    前記第一ロータと前記第二ロータのそれぞれに、周方向位置がロータ間でずれるように、未着磁の複数の磁石を周方向に所定角度間隔で配置する工程と、
    前記第一ロータ内で隣接する磁石の第一の周方向中心と、前記第二ロータ内で隣接する磁石の第二の周方向中心との間において、第一の周方向着磁位置で着磁電流を流して着磁を行う第1着磁工程と、
    前記第一と第二の周方向中心の間において、前記第一の周方向着磁位置と異なる第二の周方向着磁位置で着磁電流を流して着磁を行う第2着磁工程と、を含み、
    前記第一と第二の周方向中心の中央を周方向の基準角度として、前記第一の周方向着磁位置が、前記基準角度に対して前記第一の周方向中心側にあり、前記第二の周方向着磁位置が、前記基準角度に対して前記第二の周方向中心側にある、
    ことを特徴とする着磁方法。
  2. 前記第1着磁工程と前記第2着磁工程の前に、前記基準角度の位置において着磁電流を流して着磁を行う工程を含むことを特徴とする請求項に記載の着磁方法。
  3. 前記回転子は、前記第一と第二ロータの間で回転軸方向に直列に並べられている第三のロータを備え、
    前記着磁方法は、前記第三ロータの未着磁の複数の磁石を、周方向位置が前記第一と第二ロータの複数の磁石に対してずれるように、周方向に所定角度間隔で配置する工程を備え、
    前記第三ロータ内で隣接する磁石の周方向中心を第三の周方向中心とした場合に、前記基準角度が、前記第一と第三の周方向中心の間の中央と、前記第二と第三の周方向中心の間の中央に対する中心角となることを特徴とする請求項に記載の着磁方法。
  4. 前記第一の周方向着磁位置と前記第二の周方向着磁位置の周方向の角度間隔が、前記第一ロータと前記第二ロータ間の磁石のずれ角に比例することを特徴とする請求項1に記載の着磁方法。
  5. 前記第一の周方向着磁位置と前記第二の周方向着磁位置が、着磁電流によって逆極の生じない周方向角度範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の着磁方法。
  6. 固定子を有する回転電機の製造方法であって、
    請求項1に記載の着磁方法により着磁された回転子と、前記固定子とを組み合わせる工程を含む回転電機の製造方法。
  7. 回転軸方向に直列に並べられた第一ロータと第二ロータであって、未着磁の複数の磁石が、周方向位置がロータ間でずれるように周方向に所定角度間隔でそれぞれに配置された第一ロータと第二ロータを備える回転子を着磁する着磁装置であって、
    着磁電流を流して着磁を行うコイル巻線と、
    前記第一ロータ内で隣接する磁石の第一の周方向中心と、前記第二ロータ内で隣接する磁石の第二の周方向中心との間において、第一の周方向着磁位置と、前記第一の周方向着磁位置と異なる第二の周方向着磁位置に前記コイル巻線を配置する配置機構を備え
    前記第一と第二の周方向中心の中央を周方向の基準角度として、前記第一の周方向着磁位置が、前記基準角度に対して前記第一の周方向中心側にあり、前記第二の周方向着磁位置が、前記基準角度に対して前記第二の周方向中心側にあり、
    前記配置機構は、前記第一の周方向着磁位置への前記コイル巻線の配置とは別の工程によって前記第二の周方向着磁位置へ前記コイル巻線を配置する、
    ことを特徴とする着磁装置。
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