JP5549289B2 - フルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩類およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は半導体素子などの製造工程における微細加工技術、特にフォトリソグラフィーに適した化学増幅レジスト材料として有用な光酸発生剤を製造するための中間体として有用な含フッ素スルホン酸塩類とその製造方法に関する。さらに本発明は光酸発生剤として機能する含フッ素スルホン酸オニウム塩類の製造方法に関する。
近年LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。その背景には露光光源の短波長化があり、例えば水銀灯のi線(365nm)からKrFエキシマレーザー(248nm)への短波長化により64Mビット(加工寸法が0.25μm以下)のDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)の量産が可能になった。更に集積度1G以上のDRAM製造を実施するため、ArFエキシマレーザー(193nm)を用いたリソグラフィーが使用されている。
このような露光波長に適したレジストとして、「化学増幅型レジスト材料」が注目されている。これは、放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を形成する感放射線性酸発生剤(以下、「光酸発生剤」という)を含有し、露光により発生した酸を触媒とする反応により、露光部と非露光部との現像液に対する溶解度を変化させてパターンを形成させるパターン形成材料である。
このような化学増幅型レジスト材料に用いられる光酸発生剤に関しても種々の検討がなされてきた。従来のKrFエキシマレーザー光を光源とした化学増幅型レジスト材料に用いられてきたようなアルカンあるいはアレーンスルホン酸を発生する光酸発生剤を上記のArF化学増幅型レジスト材料の成分として用いた場合には、樹脂の酸不安定基を切断するための酸強度が十分でなく、解像が全くできない、あるいは低感度でデバイス製造に適さないことがわかっている。
このため、ArF化学増幅型レジスト材料の光酸発生剤としては、酸強度の高いパーフルオロアルカンスルホン酸を発生するものが一般的に使われているがパーフルオロオクタンスルホン酸、あるいはその誘導体は、その頭文字をとりPFOSとして知られており、C−F結合に由来する安定性(非分解性)や疎水性、親油性に由来する生態濃縮性、蓄積性が問題となっている。更に炭素数5以上のパーフルオロアルカンスルホン酸、あるいはその誘導体も上記問題が提起されている。
このようなPFOSに関する問題に対処するため、各所でフッ素の置換率を下げた部分フッ素置換アルカンスルホン酸の開発が行われている。例えば、トリフェニルスルホニウム メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(特許文献1)、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニル t−ブトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(特許文献2)あるいはトリフェニルスルホニウム(アダマンタン−1−イルメチル)オキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(特許文献3)などのアルコキシカルボニルフルオロメタンスルホン酸オニウム塩が酸発生剤として開発されてきた。
一方で、上述したアルコキシカルボニルジフルオロメタンスルホン酸オニウム塩とはエステル結合が逆になった、アルキルカルボニルオキシアルカンスルホン酸オニウム塩の一種である、トリフェニルスルホニウム1, 1 , 3 , 3 , 3 − ペンタフルオロ−
2− ベンゾイルオキシプロパン−1 − スルホナートなども開発されてきた(特許文献
4)。
本出願人は、特許文献4の酸発生剤よりもフッ素の数が3つ少なく、即ち環境への悪影響がより少ないと考えられる、2−アルキルカルボニルオキシ−1,1−ジフルオロエタンスルホン酸オニウム塩を見出し、この物質が、最小限のフッ素原子数によって強い酸性度を有する酸発生剤として機能し、溶剤や樹脂への相溶性に優れ、レジスト用酸発生剤として、有用であるとの知見も得ている(特許文献5)。
ここで、特許文献5の2−アルキルカルボニルオキシ−1,1−ジフルオロエタンスルホン酸オニウム塩を合成する方法としては、下記の反応式[1]
Figure 0005549289
に示されるような反応経路が開示されている。すなわち、ブロモジフルオロエタノールを、カルボン酸塩化物と反応させて対応するエステルを得る第1工程、得られたエステルをスルフィン化剤を用いてスルフィン化して、スルフィン酸金属塩を得る第2工程、次いで得られた前記スルフィン酸金属塩を、酸化剤を用いて酸化し、スルホン酸金属塩を得る第3工程、さらに、得られた前記スルホン酸金属塩を、1価のオニウム塩と反応させ、スルホン酸オニウム塩を得る第4工程を備える経路である。
さらに本出願人らは、同様のアルキルカルボニルオキシアルカンスルホン酸オニウム塩ではあるが、特許文献4の酸発生剤よりもフッ素の数が1つ少なく、即ち環境への悪影響が少ないと考えられる、重合性のテトラフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩を見出した(特許文献6)。
ここで、特許文献6の重合性テトラフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩を合成する方法としては、下記の反応式[2]
Figure 0005549289
に示されるような反応経路が開示されている。すなわち、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブタン−1−オールを、スルフィン化剤を用いてスルフィン化して、スルフィン酸金属塩を得る第1工程、得られた前記スルフィン酸金属塩を、酸化剤を用いて酸化し、スルホン酸金属塩を得る第2工程、さらに、得られた前記スルホン酸金属塩を、1価のオニウム塩と反応させ、スルホン酸オニウム塩を得る第3工程、及び得られた前記スルホン酸オニウム塩を、アルキルアクリル酸ハライド、又はアルキルアクリル酸無水物と反応させ、目的である重合性スルホン酸オニウム塩を得る第4工程を備える経路である。
また、同様のテトラフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩は他の文献でも開示されている(特許文献7)。該文献においては、1 , 4 − ジブロモ− 1 , 1 , 2 ,
2 − テトラフルオロブタンを出発原料として用い、カルボン酸ナトリウムやカルボン酸アンモニウム等のカルボン酸塩を用いた選択的な置換反応より、脂肪族あるいは芳香族カルボン酸4 − ブロモ− 3 , 3 , 4 , 4 − テトラフルオロブチルエステルへと
誘導し、その後は特許文献6と同様に、該エステルを炭酸水素ナトリウム等の塩基存在下、溶剤として水、アセトニトリル又はその混合物中で亜ジチオン酸ナトリウム等のスルフィン酸化剤と反応させ4 − アシルオキシ− 1 , 1 , 2 , 2 − テトラフルオロ
ブタンスルフィン酸塩とした後、定法によりタングステン酸ナトリウム等の存在下、溶剤として水中で過酸化水素水等の酸化剤で酸化することにより合成する方法が開示されている。
特開2004−117959号公報 特開2002−214774号公報 特開2004−4561号公報 特開2007−145797号公報 特開2009−7327号公報 国際公開2008/056795号パンフレット 特開2008−7410号公報
フッ素の数が2つ以上のフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩を製造するための、特許文献5記載の上記反応式[1]の方法において、第2工程のスルフィン化の反応は非常に困難であり、反応の完了までに数十時間もの長時間を要するばかりでなく、途中で反応が進行しなくなるために、塩基やスルフィン化剤を加えなければならない。アセトニトリルと水との組み合わせのように、反応液を2層(有機層と水層)に分離させることができる場合には、反応の途中で反応液から水層を分離し、再度水とスルフィン化剤を加えなければ、反応を完結させることができない。また、反応の収率が非常に低いうえ、純度も低い。
また、スルフィン化工程に続く酸化工程において、得られるスルホン酸ナトリウム塩の純度は低い。
さらに特許文献5には、重合性二重結合を有するアシル基の例が記載されていない。
特許文献6記載の上記反応式[1]の方法においても、第1工程のスルフィン化工程と第2工程の酸化工程で、得られる目的物の純度が低い(80%および78%)。また、収率は純度を考慮せずに得られた目的物の重量からそれぞれ77%および88%と算出しているが、純度を考慮すればそれぞれ62%および69%であり、必ずしも高くない。さらに、不純物の大半は、最終製品の光酸発生剤中に残存することが不適切な、ナトリウム塩である。
また、特許文献6記載の上記反応式[1]の方法においては第3工程でオニウム塩交換を行い、感光性の化合物を生成させているため、第3および第4工程の二工程を遮光条件下で実施しなければならず、設備的な負荷が大きい。しかしながら、第3工程で先にエステル化を行うことはできないことが、特許文献6の中に記載されている。
このような問題が生じる主たる原因として、目的物であるスルフィン酸金属塩ならびにスルホン酸金属塩が水に溶けやすく、有機溶剤に溶けにくいという点が挙げられる。特許文献5の場合も特許文献6の場合も、スルフィン化工程においてアセトニトリルを抽出溶
媒に用いている。これは、他の非水溶性の有機溶媒では十分に目的のスルフィン酸金属塩を溶解もしくは抽出することが困難であるためである。しかしながら、目的のスルフィン酸金属塩に水溶性があるため、抽出物の回収率がそれほど高くない。結果として目的物の収率を下げる。また、アセトニトリル層へも水が溶解し、水溶性の無機不純物の混入を招く。さらに酸化工程においては反応溶剤に水を用いた上、その水を留去している。この場合、生じた不純物のうち、不揮発性物質が特に問題となり、ナトリウム塩等の金属塩を除去することができない。
特許文献7の方法においても、収率が必ずしも高くないことから、類似の問題が存する。
このように、フルオロアルカンスルホン酸オニウム塩の製造にはいくつかの支障が存在する。従って、フルオロアルカンスルホン酸オニウム塩骨格を、安価で容易に製造できる工業的な製造方法の確立が望まれていた。
上記の通り、本発明の課題は、化学増幅型レジスト材料に用いられる光酸発生剤などとして有用な、フルオロアルカンスルホン酸塩類を安価で容易に製造する方法を与えることである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、発明者らは上記フルオロアルカンスルホン酸オニウム塩の製造に有用で、従来の方法に比べて大量規模での合成に格段に有利な新規反応ルートを見出した。
本願発明は、次に示すような[態様1]〜[態様3]を含む。
[態様1]
まず、本願発明全体に共通する原料化合物となるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩の合成方法につき、検討を行った。
これまで、末端ブロモジフルオロアルキル基をスルフィン化し、末端ジフルオロアルキルスルフィン酸塩を得るには、一般に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)やアセトニトリル、メタノール等の極性溶媒と水との混合溶媒中、亜ジチオン酸ナトリウムをスルフィン化剤として使用する方法が採用されてきた。この場合、スルフィン化体は、スルフィン酸ナトリウム塩として得られる。(例えば、Journal of Fluorine Chemistry,67巻,233頁〜234頁,1994年)。
本願発明で使用される原料化合物である、下記一般式[1]
Figure 0005549289
(前記一般式[1]において、Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す)
で表されるブロモフルオロアルコールの場合にも、DMFやアセトニトリル、メタノール等の極性溶媒と水との混合溶媒中、亜ジチオン酸ナトリウムを使用することによって、対応する、下記一般式[
Figure 0005549289
(前記一般式[9]において、Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す)
で表されるスルフィン酸ナトリウム塩が得られるはずである。
しかしながら、一般式[1]において、nが2、2つのXがともにフッ素原子である場合(すなわち特許文献6の場合)には、スルフィン酸ナトリウム塩の収率ならびに純度が必ずしも高くない。反応時間も10時間以上と、長時間にわたる。
さらに、一般式[1]において、nが0、2つのXがともに水素原子である場合には、目的とするスルフィン酸ナトリウム塩の収率ならびに純度が極めて低い(比較例1参照)。
また、本反応では原料のカルボン酸ブロモフルオロアルキルエステルから脱離した臭素が、おそらく亜ジチオン酸ナトリウムのナトリウムによって臭化ナトリウムに変換されて系内に存在するが、これを除去することなく濃縮し、目的のスルフィン酸ナトリウム塩と分離しないまま次工程の酸化工程に付すと、副生成物が生成することがあるなど、多くの問題があった。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、スルフィン化反応時、スルフィン化剤と共にブロモジフルオロアルコールの当量以上のアミンを添加しておくと、ナトリウム塩ではなく、ほぼアンモニウム塩のみが得られることを見出した。該アンモニウム塩は下記一般式[2]
Figure 0005549289
(前記一般式[2]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す)
で表される。このスルフィン酸アンモニウム塩は親油性が高く親水性が低い。従って無機塩を含む反応後の未精製品を、適切な有機溶剤に溶解し、不溶分を濾別するなどの方法によって、無機塩を含む水溶性の不純物を除去し、高純度のスルフィン酸アンモニウム塩へと精製することができるという知見を見出した。そして、後の「酸化工程」で生じる副生成物(スルフィン化反応の基質である、一般式[1]で示されるカルボン酸ブロモフルオロアルキルエステル:スルフィン化工程で消失するが、酸化工程で再度生成する)の生成を格段に抑制できるという知見を得た(比較例3参照)。
また、驚くべきことに、該アミンを共存させることによって、スルフィン化反応が大きく加速され、短時間で完結するという事実も見出した。
このように、本発明者らは、レジスト用光酸発生剤製造中間体として、あるいは燃料電池用固体高分子電解質製造中間体として有用な、ヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸塩の大量規模の製造に適した製造法ならびに精製法を見出した。
[態様2]
上記[態様1]の方法(これを「第1工程」とも言う)で得た一般式[2]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩を、第2工程である酸化工程に付することで、一般式[3]
Figure 0005549289
(前記一般式[3]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す)で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得ることができることを見出した。
このスルホン酸アンモニウム塩は、前記スルフィン酸アンモニウム塩と同様に、親油性が高く親水性が低い。従って無機塩を含む反応後の未精製品を、適切な有機溶剤に溶解し、不溶分を濾別するなどの方法によって、無機塩を含む水溶性の不純物を除去し、高純度のスルホン酸アンモニウム塩へと精製することができるという知見を見出した。
このように、本発明者らは、レジスト用光酸発生剤製造中間体として、あるいは燃料電池用固体高分子電解質製造中間体として有用な、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸塩の大量規模の製造に適した製造法ならびに精製法を見出した。
[態様3]
上記[態様2]で得られた一般式[3]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を、一般式[6]
Figure 0005549289
(前記一般式[6]において、X’はヒドロキシル基もしくはハロゲンを表す。Rは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の少なくとも末端部に重合性二重結合を有するアルケニル基、炭素数3〜20の脂環式有機基、炭素数3〜20の脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、炭素数3〜30の単環式もしくは多環式ラクトン、あるいは炭素数6〜20のアリール基を表す。(ここで、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基、脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、単環式もしくは多環式ラクトン及びアリール基上の水素原子の一部または全てはフッ素、ヒドロキシル基、ヒドロキシカルボニル基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシ基で置換されていても良い。また、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基もしくは脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基を構成する同一炭素上の2つの水素原子は1つの酸素原子で置換されケト基となっていても良い。さらに該アルキル基上の水素原子の1つは、2−アクリロイルオキシ基もしくは2−メタクリロイルオキシ基で置換されていても良い。))
もしくは一般式[7]
Figure 0005549289
(前記一般式[7]において、Rは一般式[6]におけるRと同義である。)
で表されるカルボン酸誘導体と反応させて、一般式[4]
Figure 0005549289
(前記一般式[4]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。Rは一般式[6]におけるRと同義である。)
で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得、さらに一般式[8]で表される一価のオニウム塩
Figure 0005549289
(前記一般式[8]において、Xは1価のアニオンを示す。Qは下記一般式(a)もしくは下記一般式(b)で示されるスルホニウムカチオン、または下記一般式(c)で示されるヨードニウムカチオンを示す。
Figure 0005549289
前記一般式(a)において、R、R及びRは相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はオキソアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、アラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示すか、あるいはR、R及びRのうちのいずれか2つ以上が相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成しても良い。
Figure 0005549289
前記一般式(b)において、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。mは1〜5の整数、nは0(零)又は1を示す。
Figure 0005549289
前記一般式(c)において、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。qは0(零)〜5の整数、nは0(零)又は1を示す。)
を用いてオニウム塩交換することで、レジスト用光酸発生剤等として有用な、一般式[5]
Figure 0005549289
で表されるフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩が得られることを見出した。
すなわち、この[態様3]の方法によって、化学増幅型レジスト材料に用いられる光酸発生剤して有用な、フルオロアルカンスルホン酸オニウム塩を合成することができることとなった。
ここで、式[5]で表されるフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩の置換基Rとして、「その構造内に非共役不飽和部位(二重結合または三重結合)を有するもの」も含まれる点が重要である。そのような置換基Rとしては、下記式で表される重合性二重結合含有基
Figure 0005549289
が例示できる。
上述した、特許文献5(特開2009−7327号公報)の方法は有用であるが、フルオロアルカンスルホン酸オニウム塩のアシロキシ部に非共役不飽和部位を有する化合物には適用できない(比較例2)。
すなわち、この[態様3]は、化学増幅型レジスト材料に用いられる光酸発生剤して有用な、フルオロアルカンスルホン酸オニウム塩のうち、置換基Rとして、その構造内に非共役不飽和部位を有するものに対して特に有用である。
特に、置換基の末端に非共役不飽和部位を有するもの、すなわち(ω-アルケニルカルボニルオキシ)フルオロアルカンスルホン酸オニウム塩は、例えば、国際公開2006/121096号パンフレットに開示されているように、他のモノマーと共重合させることによって、レジスト樹脂中に固定させることができ、「レジスト樹脂担持型光酸発生剤」として使用することが可能である。このような「レジスト樹脂担持型光酸発生剤」は、高解像度等の高い性能故に、近年注目されている新しいタイプの光酸発生剤である。そういう意味でも、置換基の末端に非共役不飽和部位を有する(ω-アルケニルカルボニルオキシ)フルオロアルカンスルホン酸オニウム塩は極めて有用である。
また、この様態3のもう一つの特徴は、先にエステル化を行い、後でオニウム塩交換を行うという、その順番である。上述した特許文献6(国際公開2008/056795号パンフレット)の方法では、先にオニウム塩交換を行い、次いでエステル化を行っているため、遮光条件下での工程が長く、設備的に負荷が大きい(遮光条件という特殊な条件下に設置する設備は少なければ少ないほど好ましい。工程が長くなればなるほど多くの設備を遮光条件下に設置しなければならなくなる)。しかしながら、特許文献6の方法では、先にエステル化を行い、後でオニウム塩交換を行うことができない。
以上の通り、[態様1]〜[態様3]を使い分けることによって、レジスト材料に用いられる酸発生剤の中間体、もしくは燃料電池用電解質中間体として有用な、フルオロアルカンスルホン酸塩類、更には光酸発生剤として有用なフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩類を、幅広い置換基の化合物につき製造できることとなり、本発明の完成に至った。
本発明の反応では、必要な原料はいずれも安価であり、各段階とも操作は簡便であり、操作上の負担も少なく実施できるため、目的とするフルオロアルカンスルホン酸塩類を工業的規模で製造する上で、従来の手段よりもはるかに有利である。
すなわち本発明は、[発明1]〜[発明10]を含む。
[発明1]
下記一般式[1]
Figure 0005549289
で表されるブロモフルオロアルコールを、アミンの存在下、スルフィン化剤と反応させることによる、一般式[2]
Figure 0005549289
で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩の製造方法。
(前記一般式[1]および一般式[2]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。)
[発明2]
下記の2工程を含むことによる一般式[3]
Figure 0005549289
で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩の製造方法。
第1工程(スルフィン化工程):下記一般式[1]
Figure 0005549289
で表されるブロモフルオロアルコールを、アミンの存在下、スルフィン化剤と反応させ、一般式[2]
Figure 0005549289
で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩を得る工程。
第2工程(酸化工程):第1工程(スルフィン化工程)で得られた、一般式[2]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩を酸化剤と反応させ、一般式[3]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得る工程。
(前記一般式[1]から一般式[3]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。)
[発明3]
発明2の方法で得られた一般式[3]
Figure 0005549289
で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を、一般式[6]
Figure 0005549289
もしくは一般式[7]
Figure 0005549289
で表されるカルボン酸誘導体と反応させて、一般式[4]
Figure 0005549289
で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得[第3工程(エステル化工程
)]、さらに一般式[8]で表される一価のオニウム塩
Figure 0005549289
を用いてオニウム塩交換する[第4工程(オニウム塩交換工程)]ことを特徴とする、一般式[5]
Figure 0005549289
で表されるフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩の製造方法。
(前記一般式[3]および一般式[4]において、Aはアンモニウムイオンを表す。前記一般式[3]〜一般式[5]において、Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。前記一般式[6]において、X’はヒドロキシル基もしくはハロゲンを表す。前記一般式[4]〜一般式[7]において、Rは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の少なくとも末端部に重合性二重結合を有するアルケニル基、炭素数3〜20の脂環式有機基、炭素数3〜20の脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、炭素数3〜30の単環式もしくは多環式ラクトン、あるいは炭素数6〜20のアリール基を表す(ここで、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基、脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、単環式もしくは多環式ラクトン及びアリール基上の水素原子の一部または全てはフッ素、ヒドロキシル基、ヒドロキシカルボニル基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシ基で置換されていても良い。また、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基もしくは脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基を構成する同一炭素上の2つの水素原子は1つの酸素原子で置換されケト基となっていても良い。さらに該アルキル基上の水素原子の1つは、2−アクリロイルオキシ基、2−メタクリロイルオキシ基もしくは2−トリフルオロメタクリロイルオキシ基で置換されていても良い。)。前記一般式[5]および一般式[8]において、Qは下記一般式(a)もしくは下記一般式(b)で示されるスルホニウムカチオン、または下記一般式(c)で示されるヨードニウムカチオンを示す。
Figure 0005549289
前記一般式(a)において、R、R及びRは相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はオキソアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、アラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示すか、あるいはR、R及びRのうちのいずれか2つ以上が相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成しても良い。
Figure 0005549289
前記一般式(b)において、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。mは1〜5の整数、nは0(零)又は1を示す。
Figure 0005549289
前記一般式(c)において、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。qは0(零)〜5の整数、nは0(零)又は1を示す。)
[発明4]
一般式[1]〜一般式[5]におけるnが2、2つのXがともにフッ素原子であることを特徴とする、発明1乃至発明3の何れかに記載の方法。
[発明5]
一般式[1]〜一般式[5]におけるnが4、2つのXがともにフッ素原子であることを特徴とする、発明1乃至発明3の何れかに記載の方法。
[発明6]
一般式[1]〜一般式[5]におけるnが0、2つのXがともに水素原子であることを特徴とする、発明1乃至発明3の何れかに記載の方法。
[発明7]
スルフィン化工程に使用されるアミンが、下記一般式[I]で示されるアミン
Figure 0005549289
(前記一般式[I]において、G、GおよびGは、互いに独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよい炭素数5〜10のへテロ芳香族基、またはG、GおよびGの少なくとも二つ以上でヘテロ原子を含んでもよい環を表す)
であることを特徴とする、発明1乃至発明6の何れかに記載の方法。
[発明8]
一般式[4]〜一般式[7]におけるRが、下記式で表される重合性二重結合含有基の何れかを表すことを特徴とする、発明3乃至発明7の何れかに記載の方法。
Figure 0005549289
(前記式中、点線は結合位置を表す。)
[発明9]
下記一般式[2]
Figure 0005549289
で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩。
(前記一般式[2]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。)
[発明10]
下記一般式[3]
Figure 0005549289
で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩。
(前記一般式[3]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。)
本発明によれば、ブロモフルオロアルコールを原料に用いて、半導体素子などの製造工程における微細加工技術、特にフォトリソグラフィーに適した化学増幅レジスト材料として有用な、光酸発生剤を製造するための中間体として、あるいは燃料電池等に用いられる固体電解質を製造するための中間体として有用なフルオロアルカンスルホン酸塩類を簡便に、収率良く、工業的規模で製造できるという効果を奏する。さらに、本発明によれば、光酸発生剤として機能するフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩類を簡便に、収率良く、工業的規模で製造できるという効果を奏する。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
[ヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩]
本発明のヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩は、下記一般式[2]で表される。
Figure 0005549289
前記一般式[2]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Aで示されるアンモニウムイオンは具体的に、アンモニウムイオン(NH )、メチルアンモニウムイオン(MeNH )、ジメチルアンモニウムイオン(MeNH )、トリメチルアンモニウムイオン(MeNH)、エチルアンモニウムイオン(EtNH )、ジエチルアンモニウムイオン(EtNH )、トリエチルアンモニウムイオン(EtNH)、n−プロピルアンモニウムイオン(n−PrNH )、ジ−n−プロピルアンモニウムイオン(n−PrNH )、トリ−n−プロピルアンモニウムイオン(n−PrNH)、i−プロピルアンモニウムイオン(i−PrNH )、ジ−i−プロピルアンモニウムイオン(i−PrNH )、トリ−i−プロピルアンモニウムイオン(i−Pr NH)、n−ブチルアンモニウムイオン(n−BuNH )、ジ−n−ブチルアンモニウムイオン(n−BuNH )、トリ−n−ブチルアンモニウムイオン(n−BuNH)、sec−ブチルアンモニウムイオン(sec−BuNH )、ジ−sec−ブチルアンモニウムイオン(sec−BuNH )、トリ−sec−ブチルアンモニウムイオン(sec−BuNH)、tert−ブチルアンモニウムイオン(t−BuNH )、ジ−tert−ブチルアンモニウムイオン(t−BuNH )、トリ−tert−ブチルアンモニウムイオン(t−BuNH)、ジイソプロピルエチルアンモニウム(−PrEtNH)、フェニルアンモニウムイオン(PhNH )、ジフェニルアンモニウムイオン(PhNH )、トリフェニルアンモニウムイオン(PhNH)、テトラメチルアンモニウムイオン(Me)、テトラエチルアンモニウムイオン(Et)、トリメチルエチルアンモニウムイオン(MeEtN)、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン(n−Pr)、テトラ−i−プロピルアンモニウムイオン(i−Pr)、テトラ−n−ブチルアンモニウムイオン(n−Bu)、もしくは下記の構造を有するイオンが例示できる。
Figure 0005549289
Figure 0005549289
Figure 0005549289
Figure 0005549289
Figure 0005549289
これらのうち、Aは、下記一般式[β]で示されるアンモニウムイオンであることが好ましい。
Figure 0005549289
前記一般式[β]において、G、GおよびGは、互いに独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよい炭素数5〜10のへテロ芳香族基、またはG、GおよびGの少なくとも二つ以上でヘテロ原子を含んでもよい環を表す。
具体的には、トリメチルアンモニウムイオン(MeNH)、トリエチルアンモニウムイオン(EtNH)、トリ−n−プロピルアンモニウムイオン(n−PrNH)、トリ−i−プロピルアンモニウムイオン(i−Pr NH)、トリ−n−ブチルアンモニウムイオン(n−BuNH)、トリ−sec−ブチルアンモニウムイオン(sec−BuNH)、トリ−tert−ブチルアンモニウムイオン(t−BuNH)、ジイソプロピルエチルアンモニウム(−PrEtNH)、トリフェニルアンモニウムイオン(PhNH)、もしくは下記の構造を有するイオンが例示できる。
Figure 0005549289
Figure 0005549289
これらの中でも特に、トリメチルアンモニウムイオン(MeNH)、トリエチルアンモニウムイオン(EtNH)、ジイソプロピルエチルアンモニウム(−PrEtNH)が好ましい。
前記一般式[2]において、Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。一般式[2]におけるアニオン部分の構造としては下記の構造が例示できる。
Figure 0005549289
これらカチオンとアニオンの組み合わせのうち、特に好ましいものとして、以下の構造が例示できる。
Figure 0005549289
[ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩]
本発明のヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩は、下記一般式[3]で表される。
Figure 0005549289
前記一般式[3]において、Aはアンモニウムイオンを表す。ここで、Aの具体例は、上述した一般式[2]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩の項で例示したものを再び例示することができる。
前記一般式[]において、Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。一般式[]におけるアニオン部分の構造としては下記の構造が例示できる。
Figure 0005549289
これらカチオンとアニオンの組み合わせのうち、特に好ましいものとして、以下の構造が例示できる。
Figure 0005549289
[製造方法の概要]
次いで、製造方法に関する発明について説明する。本発明は下記反応式[3]
Figure 0005549289
に表す通り、一般式[1]で表されるブロモフルオロアルコールをスルフィン化剤とアミンの存在下で反応させ、一般式[2]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩(本発明の態様1の目的物)を得る工程(第1工程:スルフィン化工程)、得られた一般式[2]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩を酸化剤と反応させ、一般式[3]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩(本発明の態様2の目的物)を得る工程(第2工程:酸化工程)、得られた一般式[3]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を、一般式[6]もしくは一般式[7]で表されるカルボン酸誘導体と反応させてエステル化して、一般式[4]で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得る工程([第3工程]:エステル化工程)、そして得られた一般式[4]で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を、一般式[8]で表される一価のオニウム塩を用いてオニウム塩交換し、一般式[5]で表されるフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩(本発明の態様3の目的物)を得る工程(第4工程:オニウム塩交換工程)の4つの工程を含む。この工程を経ることによって、一般式[5]におけるRとして、非共役不飽和部位(二重結合または三重結合)を持つフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩も、一般式[1]で表されるブロモフルオロアルコールから4つの工程を経由して得ることができる。
以下、各工程に関して詳細に説明する。
[第1工程:スルフィン化工程]
まず、本発明の第1工程について説明する。第1工程は、一般式[1]で表されるブロモフルオロアルコールをスルフィン化剤と有機塩基の存在下で反応させ、ヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩を得る工程(スルフィン化工程)である。
まず、本工程で使用されるスルフィン化剤は、一般式[10]
Figure 0005549289
(前記一般式[10]において、SはS、HOCHSO、SOまたはHSOを表し、mおよびnは整数を表し、pは0(零)もしくは整数を表す。MはLi、Na、KもしくはNHを表す。)で表されるものが使用できるが、具体的には亜ジチオン酸リチウム、亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウム、亜ジチオン酸アンモニウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸リチウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸カリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸アンモニウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素リチウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等が例示される。この中で亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウムが好ましく、亜ジチオン酸ナトリウムが特に好ましい。
スルフィン化剤のブロモフルオロアルコール[1]に対するモル比は、通常、0.5〜10、好ましくは0.9〜5.0であり、特に好ましくは1.0〜2.0である。
本反応は空気中でも実施することができるが、空気中の水分によってスルフィン化剤が分解する場合がある。したがって窒素やアルゴン雰囲気で実施するのが好ましい。
一般に、スルフィン化剤を使用したスルフィン化反応は、塩基を添加しなくても進行する場合があるが、添加することによって反応を促進させることができるため、通常添加する。添加される塩基としては、一般に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基が使用されるが、これに対し本発明では塩基としてアミンを使用するのが大きな特徴である。
本工程で使用する(共存させる)有機塩基は、前述の式[2]においてAとして例示した各種アンモニウムイオンからプロトン(H)を除いたフリーのアミンである。例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミンもしくは下記の構造を有する有機塩基が例示できる。
Figure 0005549289
Figure 0005549289
Figure 0005549289
Figure 0005549289
Figure 0005549289
これらのうち、一般式[I]で示されるアミン
Figure 0005549289
(前記一般式[I]において、G、GおよびGは、互いに独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよい炭素数5〜10のへテロ芳香族基、またはG、GおよびGの少なくとも二つ以上でヘテロ原子を含んでもよい環を表す)
具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリフェニルアミン、もしくは下記の構造を有する有機塩基
Figure 0005549289
Figure 0005549289
が好ましい有機塩基として例示できる。
これらの中でも特に、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンが、容易に入手できるばかりでなく、スルフィン化反応の反応性向上が顕著であり、なおかつ得られるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩の脂溶性も十分に向上するため、好ましい。
有機塩基のブロモフルオロアルコール[1]に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.1〜2.0である。モル比が1.0よりも少ないと、スルフィン化剤由来のカチオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等の金属カチオン)により、ヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸金属塩が副生してしまう。この場合、後工程においてアンモニウム塩と金属塩の分離が困難になるばかりか、目的物の収率も低下させるので好ましくない。また、モル比が10.0を超えても問題は無いが、経済的に不利なので好ましくない。
この反応は、好ましくは有機溶媒と水との混合溶媒中で行われる。前記有機溶媒としては、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の、水との相溶性のよい溶媒が好ましく、さらに好ましくは、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくはアセトニトリルである。
有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応温度は、通常、0〜200℃、好ましくは30〜100℃である。反応時間は、通常、0.1〜12時間、好ましくは0.5〜6時間であるが、薄層クロマトグラフィー(TLC)や核磁気共鳴装置(NMR)などの分析機器を使用し,原料であるブロモフルオロアルコール[1]が消費された時点を反応の終点とすることが好ましい。なお、反応温度が有機溶媒あるいは水の沸点より高い場合は、オートクレーブなどの耐圧容器を使用する。
ここで、反応時間に関して、同一の構造のブロモフルオロアルコール[1]を基質に用いて比較した場合、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基を使用すると、有機塩基を使用する場合に比べて反応時間が数倍から数十倍になる。具体的には12時間以上かかる。場合によっては反応が完結しない。
さらに、目的とするスルフィン化体を高い収率で得ることはできない。これに対し、塩基としてアミンを使用した場合には、反応は著しく加速され、場合によっては反応を数十分で完結させることができる。このように、反応時間を著しく短縮させることができるのが、本発明において塩基としてアミンを使用することの効果の1つである。
次に反応後の処理について述べる。本発明の第1工程においては、アミンを塩基として使用しているために、得られるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩の脂溶性は向上している。この結果、反応後に得られる、無機の不純物を多く含んだ未精製の粗体を、有機溶媒で処理することによって、脂溶性のヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩を有機溶媒に溶解させることができる。その際、逆に脂溶性の無い無機の不純物を析出させ、次いで濾別することが可能になる。このような溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、もしくは酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒が例示できる。
このような処理を行うことによって、目的とするヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩の純度を向上させることができる(実施例1、実施例2、比較例3参照)。
一方、無機塩基を使用して得られるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸金属塩は、アンモニウム塩に比べて脂溶性が低く、むしろ水溶性が高い。従って、除去したい無機の不純物との脂溶性の差が小さく、前述したように有機溶媒を用いてヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸金属塩のみを選択的に溶解させることはきわめて困難である。そのため、ヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸金属塩を高純度で得ることはできない。また、前述したとおり、無機物中に含まれる臭素痕を除去しないと、後の工程に支障が生じる。このように、目的とするスルフィン化体の脂溶性を高めることによって、収率を向上させ、単離操作の効率を向上させることのみならず、無機不純物、特に臭素痕を除去しやすくすることが、本発明において有機塩基を使用することの別の効果である。
こうして、例えば有機溶媒で抽出し、有機層を水およびチオ硫酸ナトリウム水溶液(もしくは亜硫酸ナトリウム水溶液)等で洗浄し、さらに有機層から溶媒を留去することによって、目的のスルフィン酸アンモニウム塩を得ることができる。場合によっては再結晶等で精製することも可能である。
[第2工程:酸化工程]
次に、本発明の第2工程について説明する。第2工程は、第1工程で得られたヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩[2]を酸化剤と反応させ、一般式[3]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得る工程(酸化工程)である。
本工程で使用される酸化剤としては、過酸化水素のほか、メタクロロ過安息香酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、ペルオキシ硫酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、メタヨウ素酸ナトリウム、クロム酸、二クロム酸ナトリウム、ハロゲン、ヨードベンゼンジクロリド、ヨードベンゼンジアセテート、酸化オスミウム(VIII)、酸化ルテニウム(VIII)、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、酸素ガス、オゾンガス等を挙げることができ、好ましくは、過酸化水素、メタクロロ過安息香酸、t−ブチルヒドロペルオキシド等である。
酸化剤のヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩[2]に対するモル比は、通常、0.9〜10.0、好ましくは1.0〜2.0である。原料のスルフィン酸アンモニウム塩類が粗体であり、正確なモル量がわからない場合には、スルフィン化前の一般式[1]で表されるブロモフルオロアルコールのモル量に対して酸化剤を加えれば良い。
また、前記酸化剤と共に遷移金属触媒を併用することもできる。前記遷移金属触媒としては、例えば、タングステン酸二ナトリウム、塩化鉄(III)、塩化ルテニウム(III)、酸化セレン(IV)等を挙げることができ、好ましくはタングステン酸二ナトリウムである。
遷移金属触媒のヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩[2]に対するモル比は、通常、0.0001〜1.0、好ましくは0.001〜0.5、さらに好ましくは0.001〜0.1である。
さらに、前記酸化剤および遷移金属触媒に加え、反応液のpH調整の目的で、緩衝剤を使用することもできる。前記緩衝剤としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等を挙げることができる。緩衝剤のヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩[2]に対するモル比は、通常、0.01〜2.0、好ましくは0.03〜1.0、さらに好ましくは0.05〜0.5である。
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。前記反応溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくは水、メタノールである。
また必要に応じて、有機溶媒と水とを併用することもでき、その場合の有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。反応溶媒のヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩[2]1重量部に対する使用量は、通常、1〜100重量部、好ましくは2〜100重量部、さらに好ましくは5〜50重量部である。
反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜60℃、さらに好ましくは5〜40℃であり、反応時間は、通常、0.1〜72時間、好ましくは0.5〜24時間であり、さらに好ましくは0.5〜12時間であるが、薄層クロマトグラフィー(TLC)や核磁気共鳴装置(NMR)などの分析機器を使用し,原料であるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩[2]が消費された時点を反応の終点とすることが好ましい。
次に反応後の処理について述べる。前述の第1工程においては、アミンを塩基として使用しているために、得られるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩の脂溶性は向上している。この結果、反応および後処理後に得られる、無機の不純物を多く含んだ未精製の粗体を、有機溶媒で処理することによって、脂溶性のヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を有機溶媒に溶解させることができる。その際、逆に脂溶性の無い無機の不純物を析出させ、次いで濾別することが可能になる。このような溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、もしくは酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒が例示できる。
このような処理を行うことによって、目的とするヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩の純度を向上させることができる(実施例1、実施例2、比較例3参照)。
得られたヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]は、場合によっては再結晶等で精製することも可能である。
[第3工程:エステル化工程]
次に、本発明の第3工程について説明する。第3工程は、第2工程で得られた一般式[3]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を、一般式[6]
Figure 0005549289
もしくは一般式[7]
Figure 0005549289
で表されるカルボン酸誘導体と反応させて、エステル化し、一般式[4]で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を製造する工程である。
一般式[6]において、X’はヒドロキシル基もしくはハロゲンを表す。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できるが、この中でも塩素が特に好ましい。
一般式[6]もしくは一般式[7]において、Rは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の少なくとも末端部に重合性二重結合を有するアルケニル基、炭素数3〜20の脂環式有機基、炭素数3〜20の脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、炭素数3〜30の単環式もしくは多環式ラクトン、あるいは炭素数6〜20のアリール基を表す(ここで、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基、脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、単環式もしくは多環式ラクトン及びアリール基上の水素原子の一部または全てはフッ素、ヒドロキシル基、ヒドロキシカルボニル基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシ基で置換されていても良い。また、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基もしくは脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基を構成する同一炭素上の2つの水素原子は1つの酸素原子で置換されケト基となっていても良い。さらに該アルキル基上の水素原子の1つは、2−アクリロイルオキシ基、2−メタクリロイルオキシ基−トリフルオロメチルメタクリロイルオキシ基で置換されていても良い。
Rについて具体的に例示すると、以下のようになる。
炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の少なくとも末端部に重合性二重結合を有するアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−メチルエテニル基、アリル基、3−ブテニル基、1-メチルアリル基、2-メチルアリル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基
等を挙げることができる。
炭素数3〜20の脂環式有機基、としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、カンホロイル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、ノルボルニルメチル基、ノルボルニルエチル基、カンホロイルメチル基、カンホロイルエチル基等を挙げることができる。
炭素数3〜20の脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基とは、「脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基の1つの価が結合している有機基」をあらわし、具体的には、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、ボルニルメチル基、ノルボルニルメチル基、アダマンチルメチル基等を挙げることができる。この直鎖状のアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、例えば、1〜6である。
炭素数3〜30の単環式もしくは多環式ラクトンとしてはγ−ブチロラクロン、γ−バレロラクトン、アンゲリカラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、3−メチル−4−オクタノライド(ウイスキーラクトン)、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−ジャスモラクトン(7−デセノラクトン)、δ−ヘキサラクトン、4,6,6(4,4,6)−トリメチルテトラヒドロピラン−2−オン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−2−デセノラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−トリデカラクトン、δ−テトラデカラクトン、ラクトスカトン、ε−デカラクトン、ε−ドデカラクトン、シクロヘキシルラクトン、ジャスミンラクトン、シスジャスモンラクトン、メチルγ−デカラクトンあるいは下記のものが挙げられる。
Figure 0005549289
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、1−ナフチル基、1−アントラセニル基、ベンジル基等を挙げることができる。
なお、上述した通り、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基、脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、単環式もしくは多環式ラクトン及びアリール基上の水素原子の一部または全てはフッ素、ヒドロキシル基、ヒドロキシカルボニル基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシ基で置換されていても良い。また、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基もしくは脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基を構成する同一炭素上の2つの水素原子は1つの酸素原子で置換されケト基となっていても良い。さらに該アルキル基上の水素原子の1つは、2−アクリロイルオキシ基もしくは2−メタクリロイルオキシ基で置換されていても良い。
前述した通り、非共役不飽和部位(二重結合または三重結合)、すなわち重合性を有するアシル基を使用できるのが大きな特徴である。
エステル化方法としては、一般式[6]で表されるカルボン酸(X’=OH)と、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]とを酸触媒の存在下脱水縮合させる方法(フィッシャー・エステル合成反応)や、一般式[6]で表されるカルボン酸ハライド類(X’=Cl、Br、I、F)もしくは一般式[7]で表されるカルボン酸無水物類と、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]とを反応させる方法などが例示できる。
一般式[6]で表されるカルボン酸(X’=OH)を用いる場合、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]に対して作用させる、一般式[6]で表されるカルボン酸の使用量は、特に制限するものではないが、通常、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]1モルに対して、0.1〜5モルであり、好ましくは、0.2〜3モルであり、より好ましくは、0.5〜2モルある。カルボン酸の使用量として、0.8〜1.5モルであることは、特に好ましい。
反応は、通常、ジクロロエタン、トルエン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性溶媒が用いられる。これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは、2種類以上を併用しても差し支えない。
反応温度は特に制限はなく、通常、0〜200℃の範囲であり、好ましくは、20〜180℃であり、より好ましくは、50〜150℃である。反応は攪拌しながら行うのが好ましい。
反応時間は反応温度にも依存するが、通常、数分〜100時間であり、好ましくは、30分〜50時間であり、より好ましくは、1〜20時間であるが、核磁気共鳴装置(NMR)などの分析機器を使用し,原料であるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]が消費された時点を反応の終点とすることが好ましい。
本反応においては、通常は酸触媒としてp−トルエンスルホン酸などの有機酸、および/または、硫酸等の無機酸を添加する。あるいは脱水剤として1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等を添加してもよい。かかる酸触媒の使用量としては、特に制限はないが、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]1モルに対して、0.0001〜10モルであり、好ましくは、0.001〜5モルであり、より好ましくは、0.01〜1.5モルである。
酸触媒を用いたエステル化反応は、ディーンスターク装置を用いるなどして、脱水しながら実施すると、反応時間が短縮化される傾向があることから好ましい。
反応終了後、抽出、蒸留、再結晶等の通常の手段により、一般式[4]で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得ることができる。また、必要によりカラムクロマトグラフィー、再結晶等により精製することもできる。
一方、一般式[6]で表されるカルボン酸ハライド類(X’=Cl、Br、I、F)もしくは一般式[7]で表されるカルボン酸無水物類を用いる場合、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]に対して作用させる、一般式[6]で表されるカルボン酸ハライド類もしくは一般式[7]で表されるカルボン酸無水物類の使用量は、特に制限するものではないが、通常、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]1モルに対して、0.1〜5モルであり、好ましくは、0.2〜3モルであり、より好ましくは、0.5〜2モルある。カルボン酸ハライド類もしくはカルボン酸無水物類の使用量として、0.8〜1.5モルであることは、特に好ましい。
反応は、無溶媒で行ってもよく、あるいは反応に対して不活性な溶媒中で行ってもよい。かかる溶媒としては、反応不活性な溶媒であれば特に限定するものではないが、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]は、n−ヘキサン、ベンゼンまたはトルエン等の炭化水素系の非極性溶媒には殆ど溶解しない為、本工程で使用される溶媒としては好ましくない。水や、アセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソクロルベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の極性溶媒を使用することが好ましい。これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは、2種類以上を併用しても差し支えない。
反応温度は特に制限はなく、通常、−78〜150℃の範囲であり、好ましくは、−20〜120℃であり、より好ましくは、0〜100℃である。
反応時間は反応温度にも依存するが、通常、数分〜100時間であり、好ましくは、30分〜50時間であり、より好ましくは、1〜20時間であるが、核磁気共鳴装置(NMR)などの分析機器を使用し,原料であるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]が消費された時点を反応の終点とすることが好ましい。
一般式[6]で表されるカルボン酸ハライド類を使用する場合には、無触媒下、副生するハロゲン化水素(例えば、塩化水素など)を、反応系外に除去しながら行ってもよく、あるいは、脱ハロゲン化水素剤(受酸剤)を用いて行ってもよく、一般式[7]で表されるカルボン酸無水物類を用いる場合には、副生する酸を捕捉するための受酸剤を用いて行っても良い。
該受酸剤としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)等の有機塩基、あるいは、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機塩基などが例示される。かかる受酸剤の使用量としては、特に制限はないが、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[3]1モルに対して、0.05〜10モルであり、好ましくは、0.1〜5モルであり、より好ましくは、0.5〜3モルである。
反応終了後、抽出、再結晶等の通常の手段により、一般式[4]で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得ることができる。また、必要によりカラムクロマトグラフィー、再結晶等により精製することもできる。
[第4工程:オニウム塩交換工程]
次いで、本発明の第4工程について説明する。第4工程は、第3工程で得られた一般式[4]で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を、一般式[8]
Figure 0005549289
で表される一価のオニウム塩を用いてオニウム塩交換し、一般式[5]で表されるフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩を得る工程(オニウム塩交換工程)である。
一般式[8]に含まれるオニウムカチオンQについては、下記一般式(a)もしくは下記一般式(b)で示されるスルホニウムカチオン、または下記一般式(c)で示されるヨードニウムカチオンを示す。
Figure 0005549289
前記一般式(a)において、R、R及びRは相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はオキソアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、アラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示すか、あるいはR、R及びRのうちのいずれか2つ以上が相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成しても良い。
Figure 0005549289
前記一般式(b)において、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。mは1〜5の整数、nは0(零)又は1を示す。
Figure 0005549289
前記一般式(c)において、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。qは0(零)〜5の整数、nは0(零)又は1を示す。
以下に一般式(a)および一般式(b)で示されるスルホニウムカチオン、一般式(c)で示されるヨードニウムカチオンについて詳述する。
一般式(a)で示されるスルホニウムカチオン
一般式(a)におけるR、R及びRとしては具体的に以下のものが挙げられる。アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル基、1−アダマンタンメチル基、2−アダマンタンメチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソプロピル基、2−オキソエチル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基等やp−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。また、R、R及びRのうちのいずれか2つ以上が相互に結合して硫黄原子を介して環状構造を形成する場合には、1,4−ブチレン、3−オキサ−1,5−ペンチレン等が挙げられる。更には置換基としてアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の重合可能な置換基を有するアリール基が挙げられ、具体的には4−(アクリロイルオキシ)フェニル基、4−(メタクリロイルオキシ)フェニル基、4−ビニルオキシフェニル基、4−ビニルフェニル基等が挙げられる。
より具体的に一般式(a)で示されるスルホニウムカチオンを示すと、トリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブチルフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブチルフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブチルフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブチルフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル(2−ナフチル)スルホニウム、(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルスルホニウム、(4−メトキシフェニル)ジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、(2−オキソシクロヘキシル)シクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム、ジフェニル 2−チエニルスルホニウム、4−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、4−メトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−メトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム等が挙げられる。より好ましくはトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム等が挙げられる。
更には、4−(メタクリロイルオキシ)フェニルジフェニルスルホニウム、4−(アクリロイルオキシ)フェニルジフェニルスルホニウム、4−(メタクリロイルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム、4−(アクリロイルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム等が挙げられる。これら重合可能なスルホニウムカチオンに関しては、特開平4−230645号公報、特開2005−84365号公報等を参考にすることができる。
一般式(b)で示されるスルホニウムカチオン
一般式(b)におけるR−(O)−基の置換基位置は特に限定されるものではないが、フェニル基の4位あるいは3位が好ましい。より好ましくは4位である。ここでnは0(零)又は1である。Rとしては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル基、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、10−アントラニル基、2−フラニル基、更にn=1の場合に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基が挙げられる。
具体的なスルホニウムカチオンとしては、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−エチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−シクロヘキシルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−n−ヘキシルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−n−オクチル)フェニルジフェニルスルホニウム、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−エトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−シクロヘキシルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−トリフルオロメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−トリフルオロメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム等が挙げられる。
一般式(c)で示されるヨードニウムカチオン
一般式(c)におけるR−(O)−基の置換基位置は特に限定されるものではないが、フェニル基の4位あるいは3位が好ましい。より好ましくは4位である。ここでnは0(零)又は1である。Rの具体例は上述した一般式(b)におけるRと同じものを再び挙げることができる。
具体的なヨードニウムカチオンとしては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−エチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル)ヨードニウム、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、4−(アクリロイルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4−(メタクリロイルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム等が挙げられるが、中でもビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムが好ましく用いられる。
次いで、一般式[8]におけるXの1価のアニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、I、ClO 、HSO 、HPO 、BF 、PF 、SbF 、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、フルオロカルボン酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン等を挙げることができ、好ましくは、Cl、Br、HSO 、BF 、脂肪族スルホン酸イオン等であり、さらに好ましくは、Cl、Br、HSO である。
一般式[8]で示される一価のオニウム塩の、フルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[4]に対するモル比は、通常、0.5〜10.0、好ましくは0.8〜2.0であり、さらに好ましくは0.9〜1.2である。
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。前記反応溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくは水である。
また必要に応じて、水と有機溶媒とを併用することができ、この場合の有機溶媒の使用割合は、水と有機溶媒との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。反応溶媒の使用量は、対イオン交換前駆体1重量部に対して、通常、1〜100、好ましくは2〜100重量部、さらに好ましくは5〜50重量部である。
反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは5〜30℃であり、反応時間は、通常、10分〜16時間、好ましくは30分〜6時間であるが、薄層クロマトグラフィー(TLC)や核磁気共鳴装置(NMR)などの分析機器を使用し,原料であるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩[4]が消費された時点を反応の終点とすることが好ましい。
このようにして得られた一般式[5]で表されるフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩は、必要に応じて、有機溶剤で洗浄したり、抽出して精製したりすることもできる。前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化アルキル類等の、水と混合しない有機溶剤が好ましい。
以上述べてきた方法で、アシル基の置換基として、その構造内に非共役不飽和部位(二重結合または三重結合)を有さないフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩も、非共役不飽和部位有するフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩も、共に製造することができる。本化合物は、化学増幅型レジスト材料に用いられる光酸発生剤として供することができる。
ところで、本発明の第3工程と第4工程の順番は逆にすることも可能である(反応式[4])。
Figure 0005549289
すなわち、一般式[3]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩をオニウム塩交換して、一般式[11]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩を得(第3’工程:オニウム塩交換工程)、さらにこれを一般式[6]もしくは一般式[7]で表されるカルボン酸誘導体と反応させて、エステル化し(第4’工程:エステル化工程)、一般式[5]で表されるフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩を製造する工程である。
しかしながら、この方法では、ヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩がエステル化工程より前にできてしまう。上述した通り、スルホン酸オニウム塩は感光性であるため遮光条件下で取り扱わねばならず、したがってこの方法では遮光条件下での工程を2つ実施しなければならない。それゆえに製造設備の面での負荷が大きい。
従って、上述した通り、本発明の第3工程と第4工程をこの順に実施するのが好適な方法である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。
[実施例1−1]
[トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルフィナートの製造](第1工程:スルフィン化工程)
Figure 0005549289
100mLの反応器に、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエタン−1−オール 5.0g
(0.029モル/1.0当量)、アセトニトリル 14.0g、水 12.5g、亜ジチオン酸ナトリウム 8.1g(0.047モル/1.6当量)、トリエチルアミン 5.3g(0.052モル/1.8当量)を加え、70℃で4時間攪拌した。
反応が終了したのを確認した後、反応液を冷却し1Nの塩酸水溶液を30mL加えて攪
拌した。続いて、反応液を溶媒留去することによって、目的とするトリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルフィナートを23.0g得た。このときの純度は26%、収率は83%であった。
得られた粗体のうち10.0g(純度26%、含量2.6g、0.011モル/1.0当量)を50mlのアセトンに添加し、室温で1時間攪拌した。その後濾紙を用いて濾過し、得られた濾液を濃縮して乾燥させたところ、目的とするトリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルフィナートを2.69g得た。このときの純度は91%、含量2.45g、0.0099モル、回収率は94%であった。
[実施例1−1]の結果より、トリエチルアンモニウムなどのアミンを添加することによって、高い収率でアンモニウム塩を得ることができることが分かった。したがって、特に、本発明の一般式[1]のnが0である場合において、アミンを添加せずにナトリウム塩を得る方法(比較例1参照)と比較して、アミンを加えることによって、高い収率でアンモニウム塩を得ることができる点について有利な効果を有していることが分かる。
[トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルフィナートの物性]
H NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:テトラメチルシラン);
δ=3.80(t,2H),3.01(q,6H),1.17(t,9H)
19F NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:トリクロロフルオロメ
タン);δ=−121.0(s,2F)
[実施例1−2]
[トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルホナートの製造](第2工程:酸化工程)
Figure 0005549289
100mLの反応器に、トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルフィナート 11.5g(純度26%、0.012モル/1.0当
量)、水 20g、30%過酸化水素水 4.2g(0.036モル/3.0当量)を室温で加え、40℃で1日攪拌した。反応の終了を確認した後、反応液を冷却した。その後、溶媒留去して乾固させ、目的とするトリエチルアンモニウム トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルホナートを10.5g得た。このときの純度は26%、収率は85%であった。
得られた粗体のうち10.0g(純度26%、含量2.6g、9.87ミリモル/1.0当量)を50mlのアセトンに添加し、室温で1時間攪拌した。その後濾紙を用いて濾過し、得られた濾液を濃縮して乾燥させたところ、目的とするトリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルホートを2.49g得た。このときの純度は94%、含量2.34g、8.88ミリモル、回収率は90%であった。
[トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルホナートの物性]
H NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:テトラメチルシラン);
δ=3.84(t,2H),3.04(q,6H),1.18(t,9H)
19F NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:トリクロロフルオロメ
タン);δ=−115.6(s,2F)
[実施例1−3]
[トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エタン−1−スルホナートの製造](第3工程:エステル化工程)
Figure 0005549289
100mLの反応器に、トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エタン−1−スルホナート 2.49g(純度94%、8.88ミリモル/1.0当
量)、アセトニトリル20.0g、メタクリル酸無水物 5.46g(35.5ミリモル
/4.0当量)、トリエチルアミン 5.22g(51.5ミリモル/5.8当量)、ノ
ンフレックスMBP(2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)0.03gを加え、50℃で3時間攪拌した。反応液を冷却後、水 25gを
加えて30分攪拌し、反応液から揮発成分を減圧下にて留去した。得られた液体をジイソプロピルエーテル 20gで3回洗浄した後、有機層を分離し、水溶液として目的とする
トリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エタン−1−スルホナートを得た。得られた目的物は精製することなく次工程で使用した。
[実施例1−4]
[トリフェニルスルホニウム 1,1−ジフルオロ−2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エタン−1−スルホナートの製造](第4工程:オニウム塩交換工程)
Figure 0005549289
50mLの反応器で、第3工程で得られたトリエチルアンモニウム 1,1−ジフルオロ−2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エタン−1−スルホナート 水溶液にトリフェニルスルホニウムブロミド 3.18g(8.9ミリモル)とクロロホルム 20gの溶液を加えて室温で3時間攪拌した。その後、有機層を分離し、得られた有機層を水20gで4回洗浄した。続いて、ジイソプロピルエーテル 20gで3回洗浄した後、揮発成分を留去し、目的とするトリフェニルスルホニウム 1,1−ジフルオロ−2−(2−メタクリロイルオキシ)−エタン−1−スルホナートを3.92g得た。このときの純度は97%、第3工程からの収率として87%であった。
[トリフェニルスルホニウム 1,1−ジフルオロ−2−(2−メタクリロイルオキシ)−エタン−1−スルホナートの物性]
1H NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:テトラメチルシラン);δ=7.92−7.65(m,15H,Ph3S+),6.19(s,1H),5.57(s,1H),4.81(t,J=16.0Hz,2H;CH2),1.92(s,3H).
19F NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:トリクロロフルオロメタン);δ=−114.49(t,J=16.0Hz,2F;CF2).
[実施例2−1]
[トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルフィナートの製造](第1工程:スルフィン化工程)
Figure 0005549289
1Lの反応器に、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブタン−1−オール
100.0g(0.44モル/1.0当量)、アセトニトリル 300g、水 250g、
亜ジチオン酸ナトリウム108.2g(0.62モル/1.4当量)、トリエチルアミン 53.4g(0.52モル/1.2当量)を加え、60℃で4時間攪拌した。反応が終了
したのを確認した後、反応液を冷却し1NのHClを100mL加えて攪拌した。続いて
有機層を分離し、有機層を溶媒留去することによって、目的とするトリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルフィナートを264g得た。このときの純度は46%、収率は88%であった。
得られた粗体のうち150.0g(純度46%、含量69.0g、0.222モル/1.0当量)を750mlのアセトンに添加し、室温で1時間攪拌した。その後濾紙を用いて濾過し、得られた濾液を濃縮して乾燥させたところ、目的とするトリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルフィナートを66.0g得た。このときの純度は93%、含量61.4g、0.197モル、回収率は89%であった。
[トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルフィナートの物性]
H NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:テトラメチルシラン);
δ=3.58(t,2H),3.04(q,6H),2.30(m,2H),1.16(t
,9H)
19F NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:トリクロロフルオロメ
タン);δ=−110.4(t,2F)、−131.0(s,2F)
[実施例2−2]
[トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルホナートの製造](第2工程:酸化工程)
Figure 0005549289
500mLの反応器に、実施例2−で精製した、トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルフィナート 65g(純度93%、0.194モル/1.0当量)、水 200g、30%過酸化水素水 46g(0.40モル/2.1当量)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応の終了を確認した後、反応液を冷却し亜硫酸ナトリウム 7.5gを反応液に加えて攪拌した。続いて、反応液を溶媒留去して得られた液体にアセトン350gを加え、室温で1時間攪拌した。その後濾紙を用いて濾過し、得られた濾液を濃縮して乾燥させたところ、目的とするトリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルホナートを65.6g得た。このときの純度は92%、収率は95%であった。


[トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルホナートの物性]
H NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:テトラメチルシラン);
δ=3.61(t,3H),3.07(q,6H),2.40(m,2H),1.17(t
,9H)
19F NMR(測定溶媒:重ジメチルスルホキシド,基準物質:トリクロロフルオロメ
タン);δ=−110.9(s,2F)、−117.9(s,2F)
[実施例2−3]
[トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−(2−メチル−アク
リロイルオキシ)−ブタン−1−スルホナートの製造](第3工程:エステル化工程)
Figure 0005549289
500mLの反応器に、トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルホナート 20.0g(純度92%、0.056モル
/1.0当量)、アセトニトリル130.0g、メタクリル酸無水物 28.4g(0.
185モル/3.3当量)、トリエチルアミン 28.0g(0.28モル/5.0当量
)、ノンフレックスMBP(2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)0.1gを加え、50℃で7時間攪拌した。反応液を冷却後、水 20
0gを加えて30分攪拌し、反応液から揮発成分を減圧下加熱して留去した。得られた液体をジイソプロピルエーテル 200gで3回洗浄した後、水溶液として目的とするトリ
エチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−(2−メチル−アクリロイ
ルオキシ)−ブタン−1−スルホナートを得た。得られた目的物は精製することなく次工程で使用した。
[実施例2−4]
[トリフェニルスルホニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−ブタン−1−スルホナートの製造](第4工程:オニウム塩交換工程)
Figure 0005549289
100mLの反応器で、第3工程で得られたトリエチルアンモニウム 1,1,2,2
−テトラフルオロ−4−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−ブタン−1−スルホナート 水溶液にトリフェニルスルホニウムブロミド 20.2g(0.056モル)とクロロホルム100gの溶液を加えて室温で3時間攪拌した。その後、有機層を分離し、得られた有機層を水 100gで4回洗浄した。続いて、ジイソプロピルエーテル 100gで3回洗浄すると、固体が析出した。ろ過後、固体を乾燥することで、目的とするトリフェニルスルホニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−(2−メチル−アクリロイルオ
キシ)−ブタン−1−スルホナートを32.5g得た。このときの純度は93%(残り7%のほとんどは溶媒であるジイソプロピルエーテル)、第3工程からの収率として97%であった。
[比較例1]
Figure 0005549289
2−ブロモ−2,2−ジフルオロエタノール8.92g(55.4ミリモル)、アセトニトリル12g、水22gからなる溶液に、炭酸水素ナトリウム5.43g(64.6ミリモル)と亜二チオン酸ナトリウム9.69g(55.6ミリモル)を添加した。この二層分離した溶液を60℃で12時間攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒(有機層および水層)を減圧下で留去し、乾燥して、7.0gの白色固体を得た。この固体を核磁気共鳴装置(NMR)で分析したところ、目的とする1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシエタ
ンスルフィン酸ナトリウムの含量は約8%であり、これを基にした換算収率は6%であった。
[比較例2]
Figure 0005549289
温度計、コンデンサーを備えたガラスのフラスコに2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル(2−メチルアクリレート)5g(21.8ミリモル)、アセトニトリル40gおよび水40gを投入した後攪拌を開始し、次いで炭酸水素ナトリウム2.2g(26.2ミ
リモル)、亜二チオン酸ナトリウム5.7g(32.7ミリモル)を添加した。その後6
0℃で2時間撹拌した。反応液の有機層を核磁気共鳴装置(NMR)を使用して分析したところ、目的とする1,1−ジフルオロ−2−(2−メタクリロイルオキシ)−エタンスルフィン酸ナトリウムは検出されず、専らメタクリル部位が分解した副生成物のみ検出された。
[比較例3]
[トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルホナートの製造](第2工程:酸化工程)
500mLの反応器に、実施例2−2で精製する前(未精製)の、トリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルフィナート
112g(純度46%、0.17モル)、水 200g、30%過酸化水素水 41g(
0.36モル)を室温で加え、40℃で6時間攪拌した。反応の終了を確認した後、反応液を冷却し亜硫酸ナトリウム 7.5gを反応液に加えて攪拌した。続いて、反応液を溶媒留去して得られた液体をヘキサン50gで洗浄し、続いてクロロホルム100gで抽出した。減圧下加温して揮発成分を留去して乾固させ、目的とするトリエチルアンモニウム 1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−ブタン−1−スルホナートを43g得た。このときの純度は50%、収率は40%であった。分析の結果、第1工程(スルフィン化工程)で消失を確認した4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブタン−1−オールが、本第2工程(酸化工程)で9%副生していた。

Claims (10)

  1. 下記一般式[1]
    Figure 0005549289

    で表されるブロモフルオロアルコールを、アミンの存在下、スルフィン化剤と反応させることによる、一般式[2]
    Figure 0005549289

    で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩の製造方法。
    (前記一般式[1]および一般式[2]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。)
  2. 下記の2工程を含むことによる一般式[3]
    Figure 0005549289

    で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩の製造方法。
    第1工程(スルフィン化工程):下記一般式[1]
    Figure 0005549289

    で表されるブロモフルオロアルコールを、アミンの存在下、スルフィン化剤と反応させ、一般式[2]
    Figure 0005549289

    で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩を得る工程。
    第2工程(酸化工程):第1工程(スルフィン化工程)で得られた、一般式[2]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩を酸化剤と反応させ、一般式[3]で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得る工程。(前記一般式[1]から一般式[3]において、Aはアンモニウムイオンを表す。Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。)
  3. 請求項2の方法によって、一般式[3]
    Figure 0005549289

    で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を製造し、該アンモニウム塩を、一般式[6]
    Figure 0005549289

    もしくは一般式[7]
    Figure 0005549289

    で表されるカルボン酸誘導体と反応させて、一般式[4]
    Figure 0005549289

    で表されるフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩を得[第3工程(エステル化工程)]、さらに一般式[8]で表される一価のオニウム塩
    Figure 0005549289

    を用いてオニウム塩交換する[第4工程(オニウム塩交換工程)]ことを特徴とする、一般式[5]
    Figure 0005549289

    で表されるフルオロアルカンスルホン酸オニウム塩の製造方法。
    (前記一般式[3]および一般式[4]において、Aはアンモニウムイオンを表す。前記一般式[3]〜一般式[5]において、Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。前記一般式[6]において、X’はヒドロキシル基もしくはハロゲンを表す。前記一般式[4]〜一般式[7]において、Rは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の少なくとも末端部に重合性二重結合を有するアルケニル基、炭素数3〜20の脂環式有機基、炭素数3〜20の脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、炭素数3〜30の単環式もしくは多環式ラクトン、あるいは炭素数6〜20のアリール基を表す(ここで、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基、脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基、単環式もしくは多環式ラクトン及びアリール基上の水素原子の一部または全てはフッ素、ヒドロキシル基、ヒドロキシカルボニル基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシ基で置換されていても良い。また、該アルキル基、アルケニル基、脂環式有機基もしくは脂環式有機基と直鎖状のアルキレン基からなる有機基を構成する同一炭素上の2つの水素原子は1つの酸素原子で置換されケト基となっていても良い。さらに該アルキル基上の水素原子の1つは、2−アクリロイルオキシ基、2−メタクリロイルオキシ基もしくは2−トリフルオロメタクリロイルオキシ基で置換されていても良い。)。前記一般式[5]および一般式[8]において、Qは下記一般式(a)もしくは下記一般式(b)で示されるスルホニウムカチオン、または下記一般式(c)で示されるヨードニウムカチオンを示す。
    Figure 0005549289

    前記一般式(a)において、R、R及びRは相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はオキソアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、アラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示すか、あるいはR、R及びRのうちのいずれか2つ以上が相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成しても良い。
    Figure 0005549289

    前記一般式(b)において、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。mは1〜5の整数、nは0(零)又は1を示す。
    Figure 0005549289

    前記一般式(c)において、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。qは0(零)〜5の整数、nは0(零)又は1を示す。)
  4. 一般式[1]〜一般式[5]におけるnが2、2つのXがともにフッ素原子であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の方法。
  5. 一般式[1]〜一般式[5]におけるnが4、2つのXがともにフッ素原子であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の方法。
  6. 一般式[1]〜一般式[5]におけるnが0、2つのXがともに水素原子であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の方法。
  7. スルフィン化工程に使用されるアミンが、下記一般式[I]で示されるアミン
    Figure 0005549289

    (前記一般式[I]において、G、GおよびGは、互いに独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよい炭素数5〜10のへテロ芳香族基、またはG、GおよびGの少なくとも二つ以上でヘテロ原子を含んでもよい環を表す)
    であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の方法。
  8. 一般式[4]〜一般式[7]におけるRが、下記式で表される重合性二重結合含有基の何れかを表すことを特徴とする、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の方法。
    Figure 0005549289

    (前記式中、点線は結合位置を表す。)
  9. 下記一般式[2]
    Figure 0005549289

    で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルフィン酸アンモニウム塩。
    (前記一般式[2]において、A、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、n−プロピルアンモニウムイオン、ジ−n−プロピルアンモニウムイオン、トリ−n−プロピルアンモニウムイオン、i−プロピルアンモニウムイオン、ジ−i−プロピルアンモニウムイオン、トリ−i−プロピルアンモニウムイオン、n−ブチルアンモニウムイオン、ジ−n−ブチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニウムイオン、sec−ブチルアンモニウムイオン、ジ−sec−ブチルアンモニウムイオン、トリ−sec−ブチルアンモニウムイオン、tert−ブチルアンモニウムイオン、ジ−tert−ブチルアンモニウムイオン、トリ−tert−ブチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウム、フェニルアンモニウムイオン、ジフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオン、もしくは下記の構造を有するイオンおよびこれらの混合物からなる群より選ばれるイオンを表す。
    Figure 0005549289


    Figure 0005549289


    Figure 0005549289


    Figure 0005549289


    Figure 0005549289


    Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。)
  10. 下記一般式[3]
    Figure 0005549289

    で表されるヒドロキシフルオロアルカンスルホン酸アンモニウム塩。
    (前記一般式[3]において、Aは、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、n−プロピルアンモニウムイオン、ジ−n−プロピルアンモニウムイオン、トリ−n−プロピルアンモニウムイオン、i−プロピルアンモニウムイオン、ジ−i−プロピルアンモニウムイオン、トリ−i−プロピルアンモニウムイオン、n−ブチルアンモニウムイオン、ジ−n−ブチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニウムイオン、sec−ブチルアンモニウムイオン、ジ−sec−ブチルアンモニウムイオン、トリ−sec−ブチルアンモニウムイオン、tert−ブチルアンモニウムイオン、ジ−tert−ブチルアンモニウムイオン、トリ−tert−ブチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウム、フェニルアンモニウムイオン、ジフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオン、もしくは下記の構造を有するイオンおよびこれらの混合物からなる群より選ばれるイオンを表す。
    Figure 0005549289


    Figure 0005549289


    Figure 0005549289


    Figure 0005549289


    Figure 0005549289

    Xは、互いに独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。nは、0〜8の整数を表す。)
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