JP5547966B2 - 持続放出用の賦形剤及びその使用 - Google Patents

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Description

本発明は、活性成分を有する徐放又は持続放出用の錠剤の製剤に適した賦形剤組成物に関する。さらに、本発明は、そのような賦形剤組成物中で使用するための、実質的に架橋していないSSGに関する。
多糖類及びその誘導体は医薬製剤において広く使用されており、それらの物質は、剤形からの放出速度の決定において基礎となる役割を果たす場合もある。このことは、活性成分が胃腸管中で小さな吸収窓口を呈するのみである場合、又は、医薬組成物が体内において所望の時間尺度で一定の速度で放出されるべき場合において望ましい。
Rahmouniら、「制御放出用の錠剤の調製において使用される、架橋した高アミロースデンプンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとから成る二元混合物の特徴付け(Characterization of binary mixtures consisting of cross−linked high amylose starch and hydroxypropylmethylcellulose used in the preparation of controlled release tablets)」、Pharm.Dev.Technol.、4、(2003)、335〜348ページには、固形剤形を調製するための制御放出用の賦形剤として、架橋した天然の高アミロースデンプンが多くの注目を集めていると述べられている。この注目の原因は、薬物の拡散速度を制御する架橋したデンプンマトリックスの膨潤特性及びゲル形成特性にある。
同じ論文で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は制御放出用の錠剤を調製するために広く使用される親水性ポリマーであるとも報告されている。その目的のために、Rahmouniらは、HPMCと、架橋したデンプンとの二元混合物が、溶解性の異なる薬物の錠剤化特性及び放出動態に及ぼす効果を評価している。この研究の成果は多数あるが、放出速度に関して言えば、HPMCを10%組み込むと、水溶性の高い薬物の放出速度は、HPMCが存在する場合又は存在しない場合のいずれにおいても急速であったが、水溶性が乏しい薬物及び中程度の薬物の放出速度は低下することが見出された。
EP−A−1.382.331では、活性成分の放出制御用に設計された医薬製剤が開示されており、その錠剤は、複数層から、すなわち、侵食性及び/又はゲル化性及び/又は膨潤性の親水性ポリマーから成る層と、投与対象の活性成分を含有する層とから成る。第1の層は、薬物放出制御用のバリアとして作用し、多様な他のポリマー物質の中でも特にHPMC又はカルボキシメチルセルロースを含んでよい。膨潤性の層を手に入れるために、EP−A−1.382.331では、AcDiSol(FMC Corp.、Philadelphia、USA)及びExplotab(登録商標)(Mendel、Carmel、NY、USA)の使用が例証されており、これらの物質はそれぞれ、中程度の膨潤能力を有する架橋したカルボキシメチルセルロースナトリウム(又はクロスカルメロースナトリウム)及び架橋したカルボキシメチルデンプンナトリウム(又はデンプングリコール酸ナトリウム)として市販されている。
WO−A−02/00204及びWO−A−02/070021では、胃に貯留するビヒクル組成物をゲル化させることにより患者の胃中で抗悪性腫瘍薬を保持させる、抗悪性腫瘍剤を投与するための経口剤形が提供されている。架橋したカルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム又は架橋したポリビニルピロリドンなどの超崩壊剤を使用してもよい。又、Primojel(登録商標)又はExplotab(登録商標)を使用することが提案されている事実から見て、このSSGは架橋したものである。
米国特許第6,500,459号には、活性成分の発現制御用及び持続放出用の医薬組成物が記載されており、前記組成物は親水性の担体及び流体力学的な拡散促進剤を含む。その実施例によれば、HPMCと、SSGであるExplotab(登録商標)との混合物を使用してもよい。
WO−A−2004/066981は、メタキサロンを含む制御放出用の経口医薬組成物に関する。この組成物は、Explotab(登録商標)及びPrimojel(登録商標)として市販されているようなデンプングリコール酸ナトリウムを含んでいてもよい。
WO−A−2004/006904では、アセトアミノフェンを含有する制御放出用の経口剤形が開示されている。崩壊剤の一覧が掲載されており、その中にSSGであるPrimojel(登録商標)が載っている。
前述の公報の中には、SSGが高度に架橋していると明確に述べられていないものもあるが、Primojel(登録商標)又はExplotab(登録商標)の使用が提案されることにより、当技術分野で追求されているのは高度に架橋したSSGであることが必然的に示唆される。Primojel(登録商標)及びExplotab(登録商標)は両方とも別項の実施例中の対照として使用され、本発明を支持する。WO−A−97/46592では、薬物の放出を遅らせるための補助剤として、実質的に架橋していないカルボキシメチルデンプンの使用が教示されている。天然デンプンのエーテル化及びそれに次ぐ乾燥の間に架橋しないようにするための対策が講じられているものの、WO−A−97/46592のカルボキシメチルデンプンは、カルボキシメチル置換基のカルボキシル部分と、カルボキシメチルデンプンの残存ヒドロキシル部分との間での分子間エステル化により、未だにそれなりの程度に架橋を伴っている。WO−A−97/46592には、実際の架橋量については述べられていない。そのうえ、この国際公報では、他の賦形剤と組み合わせたカルボキシメチルデンプンの徐放特性については触れられていない。
徐放性の錠剤型薬物の分野以外では、架橋したカルボキシメチルデンプンは、錠剤の崩壊及び錠剤の溶解促進におけるその著しい有効性で広く知られており、錠剤をできるだけ速く崩壊させるために水の吸収の加速化が必要な錠剤製剤中に組み込まれることが多い。したがって、この種の架橋したカルボキシメチルデンプンの機能は、薬物の放出を遅らせるものではない。
しかしながら、報告されている、HPMC及びある程度架橋したカルボキシメチルデンプンの制御放出賦形剤も、HPMCと、架橋したカルボキシメチルデンプンとの組合せも、満足のいく薬物徐放をもたらさない。したがって、当技術分野には、賦形剤(複数も)の選択により錠剤型薬物の徐放特性をさらに改良する必要性が引き続き存在する。
本発明の目的は、従来の速度制御用の賦形剤個々と比較した場合に錠剤からの活性成分放出に関し改良された制御を可能にし、他の点では錠剤の特性を損なわない、速度制御用の賦形剤を提供することである。特に、徐放又は持続放出用の賦形剤を提供することが目的である。
ここに見出されるのは、カルボキシメチルデンプンと親水性の非イオン性セルロースエーテルとを組み合わせると活性成分の放出速度に相乗効果がある(但しカルボキシメチルデンプンは実質的に架橋していない)ということである。
沈降測定を用いた別項の実施例では驚くべき効果が明白に示されており、沈降測定値は水性系中での活性成分の放出速度に直接関係することが実証されている。いかなる理論に拘束されることも望まないが、本発明者らの考えは、セルロースエーテルと、実質的に架橋していないカルボキシメチルデンプンとの相互作用により、個々の成分を用いて得ることができるものより強い溶解速度制御用マトリックス構造の形成がもたらされる、ということである。
溶解速度制御用マトリックスは、以下のように振舞う。水又は消化液により錠剤表面のポリマーがまず水和し、水和したポリマーにより、粘性のあるゲル状の外層が錠剤に形成される。この層は、ポリマーだけでなく活性成分など、他の製剤成分を全て含有する。この外層は、2つの機能を果たす。すなわち、1つ目の機能として、この層は錠剤のコア中への水の浸入速度を低下させ、2つ目の機能として、この層は、活性成分が層から出て周囲の液体中へ拡散する速度を制御する。このゲル状の外層は、ゆっくり溶解するか、又は他の形で侵食されるが、錠剤内のさらに奥では水和及びゲル化した新しい層が常に形成される。全体として見た場合の作用は、水和及びゲル化した層が錠剤のコアに向かって内向きに移動して外層が溶解するにつれ、錠剤がゆっくり溶けてなくなるというものである。したがって、錠剤の溶解速度の改良とは、適切なゲル形成賦形剤を選択することによるゲル強度の調節を意味する。
本発明においては、カルボキシメチルデンプンは実質的に架橋していないことが必須である。カルボキシメチルデンプン中の高度の架橋は徐放の制御ではなく現状の速やかなゲル溶解を促進することから、徐放特性は架橋度が高まるにつれ失われていくことがわかる。
したがって、本発明は、実質的に架橋していないカルボキシメチルデンプンと親水性の非イオン性セルロースエーテルとを含有する速度制御用の賦形剤組成物に関する。この組成物は、錠剤製剤中に含有された活性成分の徐放又は持続放出を可能にする。
「活性成分」という用語は、薬学上の意味での薬物を含むと主に理解されるが、この用語は、ビタミン、ミネラル、タンパク質、ペプチド、酵素、微生物、香料などの栄養成分も包含する。
親水性の非イオン性セルロースエーテル
原則として、この賦形剤組成物中のセルロースエーテルは、親水性で、且つ、以下に記載の規準を満足させるものであれば、任意の形態のものであってよい。
一般に、セルロースエーテルは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースから選択される。セルロースエーテルは、エステル由来のアシル基(例えば、酢酸置換基及びプロピオン酸置換基)など、他の非イオン性基でいくらかさらに置換されていてもよい。適当なセルロースエーテルの例は、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)などである。
より好ましくは、セルロースエーテルは、MC、HEC、CMC又はHPMCなど、主要な国家又は多国家の薬局方に掲載されているものである。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、欧州薬局方、米国薬局方及び日本薬局方に掲載がある。
セルロースエーテルの無水グルコース環に結合される置換基群の性質及び量は、セルロースエーテルを含有する水溶液の有機溶解性及び熱ゲル化温度などの特性に影響する因子である。制御放出用途にとって適当な選択されたセルロースエーテルの実際の置換度及び分子量を定量することは、当業者の知識の範囲内である。
セルロースエーテルの粘性も、ゲルの質感及び強度に影響する。錠剤からの薬物溶解は、分子量が高いセルロース性物質の方が遅いと一般に受け取られている。通常、ゲル強度は、およそ150,000超の分子量で横ばいになると考えられる。セルロースエーテルの分子量は、好ましくは4,000〜100,000の範囲である。しかし、比較的水溶性の低い薬物の場合、粘度が低めのものを含むセルロースエーテルの組合せを使用してよい。
最も好ましい実施形態では、セルロースエーテルはHPMC、典型的に、活性成分を持続放出するための現存する親水性マトリックス系中での速度制御用担体として選択されるポリマーである。このポリマーの人気が高いのは、その安全性、有用性、幅広いコンプライアンス及び物理化学的/機械的特徴によるものと考えられる。加えて、HPMCは、他のセルロース性物質と比較して、はるかに強く密度の高いゲルの形成を助長すると当技術分野では考えられている。例えば99:1から1:1の重量比でのHPMCと他のセルロースエーテルとの混合物を使用することもできる。しかし、混合物中ではHPMCが主要なセルロースエーテルであることが好ましい。
HPMCは、エーテル化された無水グルコース環を含む直鎖状のセルロースポリマーであり、セルロース繊維を苛性溶液で処理し、これを塩化メチル及び酸化プロピレンで順に処理することにより調製される。当技術分野では、HPMCは両親媒性ポリマーとみなされており、その溶液特性は、グルコース単位当りのメトキシル置換基及びヒドロキシプロピル置換基の平均数により定義される。当技術分野では、平均のメトキシル置換度及びヒドロキシプロピル置換度を表すためにDS及びMSが用いられる。DSは疎水性の尺度であり、MSはポリマーの親水性の尺度である。
原則として、本発明は特定源のHPMCに限定されない。適当なHPMC候補は、DSが約0.1〜0.5、MSが約1.0〜3.0という特徴があり、要するに主として親水性の性質を特徴とする。全体としてのモル置換度は、少なくとも1.0、好ましくは少なくとも2.0、最も好ましくは少なくとも2.5であることが好ましい。或いは、重量比(%)で言えば、本発明のHPMCは、15〜35重量%のメトキシ基及び2〜15重量%のヒドロキシプロピル単位を有することが好ましい。市販の制御放出用の置換セルロース性物質として、例えばDow Chemicals製のMethocel E、F又はKとしてのHPMCを使用してよい。良好な結果は、例えばWolff Cellulosics、ドイツ)から市販されているHPMC K15M又はHPMC−HM15000PA2208について得られる。
架橋していないカルボキシメチルデンプン
「カルボキシメチルデンプン」という用語は、「デンプンエーテル」及び「デンプングリコール酸」という用語と同義であるとみなされる。この明細書及び特許請求の範囲を通じ、それに関連するナトリウム対イオンと併せて、この用語を便宜上SSGと略す。
SSGは、アルカリ条件下で、天然デンプンと、アルコール中のモノクロロ酢酸ナトリウム又はモノクロル酢酸とから典型的に調製される。架橋したSSGの好例は、DMV International(Veghel、オランダ)の商品として市販されているPrimojel(登録商標)、及びExplotab(登録商標)(Mendel、Carmel、NY、USA/JRS Pharma、ドイツ)である。
しかし、今日市販されている前述のSSGとは異なり、本発明において使用されるカルボキシメチルデンプンナトリウム又はデンプングリコール酸ナトリウムは実質的に架橋しておらず、置換度(SSG−DS)は好ましくは0.1〜0.5の範囲である。一実施形態では、SSG−DSは好ましくは0.22から0.32の間であるが、それは、この値が薬局方の基準に従ったものだからである。Primojel(登録商標)及びExplotab(登録商標)はこの用途には適さないことを、別項の実施例4及び5(表3及び4)中に示す。
しかし、相乗作用という点で最良の結果は、SSG−DSが高い場合において見られることがわかる。したがって、好ましい一実施形態では、カルボキシメチルデンプンのSSG−DSは0.28〜0.4である。理論上は、実際にはSSG−DSはさらに高くてもよいが、調製過程においては困難が生じる。調製過程においてSSG−DSが高いと、結果として非常に粘性の高い反応混合物となることから、工業レベルでの調製が難しい。とはいえ、反応手法を最適化することにより、例えば、反応温度又はエタノール/水比率及び反応混合物中の体積を変化させることによりこの制約を回避し得ることは、当業者であれば承知しているはずである。
本発明において適用されるセルロースエーテルとは対照的に、SSGは荷電ポリマーである。さらに、SSGは本来、完全に親水性である。とはいえ、SSGは、エタノール、メタノール及びイソプロパノールなどの水混和性の有機溶媒中で合成し得るため、SSG表面は、分子の三次元折り畳み構造に起因する疎水性の構造部分をいくらか有することがある。したがって、セルロースエーテルとSSGとの間の相互作用は、水素結合に限定されなくてよく、疎水性相互作用を含んでもよい。特に、セルロースエーテル/SSGの乾燥混合物が水性媒体に曝露されるときは、疎水性相互作用が支配的であると考え得る。セルロースエーテルとSSGとの溶解が進むにつれ親水性相互作用が徐々により支配的になると考え得るが、SSG中の表面に露出された疎水性基により、最初は、セルロースエーテル分子と疎水性の性質が高めのSSGとの相互作用がもたらされる可能性がある。結果的に、異なるSSGから形成される混合物では異なる溶解速度が観測されることがあるが、その結果は混合物の実際の生成過程と関連していることはほぼ確実と思われる。とはいえ、テストした全てのSSGにおいて同様の相乗的な傾向が結果として示されており、全て本発明の望ましい範囲内である。最良の結果は、重量比が4:1から6:1の間のエタノール/水混合物を用いて合成が行われた際に得られることが見出される。
前述のように、本発明のSSGは、実質的に架橋していない。残念ながら、現実的には、SSG中の実際の架橋量は直接定量することが難しい。したがって、「実質的に架橋していない」とは、その調製経路が架橋過程をほとんど又は全く伴わないSSGを含むことを意図するものである。しかし、最適な結果は架橋が低度である場合に得られ、本発明に関する場合、このような低度の架橋も「実質的に架橋していない」という用語に含まれるとみなされる。本発明に関する場合のSSGの適合性を評価するための優れたテスト方法は、その沈降体積を定量することであり、沈降体積は錠剤からの活性成分の溶解速度と明らかに関係がある。別項の実施例は、その証拠として役立つ。
本発明による実質的に架橋していないSSGは、沈降体積又はゲル体積が高いことが特徴である。沈降体積は、架橋度が低下するのに従って増える。0.25gのSSGを25℃の脱イオン水100ml中で溶解又は分散させた場合、24時間後のその沈降体積は、85mlより高く、好ましくは90mlより高くなくてはならない。対照用の全く架橋していないSSGは、最大限の沈降体積である100mlを呈すると考えられるが、崩壊剤として従来使用されているような高度に架橋したSSGは、約9〜15mlの沈降体積を呈する。しかしながら、セルロースエーテルはテスト結果に干渉する可能性があるため、上述のテストは、SSGがいかなるセルロースエーテル材料の存在によっても汚染されていないという意味で「純粋な」SSGにのみ適用する。このテストを、これ以降「一次沈降体積テスト」と呼ぶものとする。
混合物中のカルボキシメチルデンプンの、セルロースエーテル(HPMCなど)との適合性を定量するために、遠心分離の追加ステップを加えて一次沈降体積テストを拡張した。すなわち、混合物0.25gを試料として採取し、脱イオン水100ml中で溶解又は分散させる。25℃で24時間沈降させた後、試料を25℃にて15分間、6080Gで遠心分離する。上層(ゲル化されていない)をデカントした残りが沈降体積又はゲル体積となる。セルロースエーテルとの混合物中の実質的に架橋していないカルボキシメチルデンプンは、60ml超、好ましくはさらに言えば80ml超の沈降体積を呈する。実質的に架橋していないカルボキシメチルデンプンのみについて前述のテストを繰り返すと、100mlの値が示される。実施例では、架橋しているがゆえに不適切なカルボキシメチルデンプンでは、カルボキシメチルデンプン:セルロースエーテル比が1:1の場合、多くても約50mlの沈降体積にしかならないであろうということが示される。カルボキシメチルデンプンがより多ければ沈降体積は減ると考えられるが、カルボキシメチルデンプンを含まない(セルロースエーテルのみ)場合には沈降体積はゼロになると考えられる。前述のテスト条件に従うと、100%HPMC(SSGが一切含まれない)の場合も結果は沈降体積100mlとなると考えられるが、純粋な100%HPMCは、例えば、Lugolテストなどの着色法を実施することにより、本発明による相乗作用をもつHPMC/SSG混合物と容易に区別できる。
SSGの調製には乾燥ステップも含まれる。しかしながら、乾燥は、物理的な架橋の形成をしばしば誘発するある種の脱水を伴うと考えられる。SSG中のヒドロキシル基とカルボキシル基との間の化学的架橋も、pHが低い場合には特に、起こることがある。自由な架橋の形成を防止するためには、注意して乾燥ステップを制御しなければならない。当業者であれば、製造中に実施可能と考えられる最良の乾燥方法は実験的に決定できることを承知しているはずである。
デンプン源が限定因子であるとは考えられない。とはいえ、ジャガイモデンプンから調製したカルボキシメチルデンプンナトリウムを使用することが好ましく、それは、錠剤崩壊においてはこの物質が、トウモロコシ、モチトウモロコシ、小麦、米又はタピオカのデンプンから調製されたSSGより有効であることが過去に示されているからである。デンプンは、予めゼラチン化されていてもよく、それは、いくつかの薬局方のモノグラフによれば、デンプンの粒状構造の維持は、賦形剤製剤中でデンプンを使用する際の要件ではないからである。カルボキシメチル化デンプンの分子量は、その由来源によって決まるが、100,000〜50,000,000の間と推定し得る。
SSGは、好ましくはもはや結晶構造をしていないものであるが、それは、SSGの調製には強アルカリ条件の使用が伴い、又、その精製には水の添加及び瞬間乾燥が伴い、その全てによりデンプン粒の結晶構造はかなりの程度まで破壊されるからである。
相乗作用をもつ混合物
本発明の賦形剤の相乗効果に至るために、セルロースエーテルとカルボキシメチルデンプンとを、直接圧縮、乾式及び湿式の造粒技術(低せん断、高せん断及び流動床の工程を非限定的に含む)など当技術分野で公知の錠剤化法を用いて、徐放又は持続放出用の錠剤中の活性成分(複数も)と組み合わせてよい。活性成分の放出は、本発明の親水性マトリックス混合物を用いた錠剤製造方法に影響されず、活性成分自体の親水性/疎水性の性質の影響も受けない。
セルロースエーテル(好ましくはHPMC)とSSGとは、相乗作用をもつ賦形剤中に9:1から1:3の間、好ましくは7:1から1:2の範囲の重量比で存在する。最良の結果は、重量比が4:1未満、最も好ましくは3:1未満、とりわけ2:1未満、中でも1:1以下の場合に得られる。
セルロースエーテルとSSGとの混合物は均質であることが好ましく、これは例えばブレンドにより達成される。これにより、この混合物が一旦水と接触すれば、組み合わされた賦形剤間の完全な相互作用が可能になる。
さらに、本発明は、上述の賦形剤比率を有し、1種又は複数種の活性成分を含有する徐放又は持続放出用の錠剤にも関する。この錠剤型組成物は、好ましくは、錠剤の総重量を基準にして10〜60重量%、より好ましくは少なくとも20重量%の量の賦形剤の組合せを含有する。この錠剤型組成物は、好ましくは、30〜50重量%の賦形剤の組合せを含有する。高い比率(%)のポリマー混合物、特にHPMC:SSGの重量比が2:1〜1:2の範囲の組合せのものは、長時間の徐放又は持続放出のプロファイルにとって有利となることが見出される。その場合、前述の範囲内のSSG/HPMC混合物における薬物放出プロファイルは、HPMC単独の場合よりHPMC濃縮の場合の方が変化に対する応答性が高いことが観察される。とはいえ、個々の製剤それぞれの中に含まれるべき実際の比率は実験的に決定することを推奨する。
さらに本発明は、セルロースエーテル(とりわけHPMC)とSSGとの前述の組合せを制御放出用の製剤中で使用することに関する。焦点は医薬剤の放出に当てているが、親水性又は疎水性いずれかの本発明の組合せは、栄養原料又は栄養補助食品の制御放出に適用してもよい。
さらに本発明は、上述のように、制御放出用の製剤中の実質的に架橋していないSSGの使用に関する。実質的に架橋していないSSGとは、前述の一次沈降体積テストにおいて85ml超、好ましくは90ml超の沈降体積をもたらすSSGであることは理解される。
(実施例1)
架橋したSSG及び架橋していないSSGの調製
(a)反応条件
文献[Yoneyaら、「POClで処理した架橋したジャガイモデンプンが、DSC、流体力学的特性及び顆粒サイズに及ぼす影響(Influence of cross−linked potato starch treated with POCl on DSC,rheological properties and granule size)」、Carbohydrate Polymer、2003、55、447〜457]に報告されている方法により調製した天然の架橋していないジャガイモデンプン(Solani Amylum、Avebe製、オランダ)120グラム又は等量の架橋したジャガイモデンプンを、90%エタノール380g中に分散させ、次いで、撹拌しながら、脱ミネラル水17.5グラム、SMCA(モノクロロ酢酸ナトリウム)17.5グラム及び水酸化ナトリウムペレット7.5gを加えた。この反応混合物を、撹拌しながら30分以内に70℃に温めた。反応混合物を70℃で6時間、さらに撹拌した。続いて反応混合物を50℃に冷却してから、90%エタノール中の3.3%HCl 47グラムをゆっくり加えて、反応混合物中の残存NaOHを中和させた。最終生成物のpHは、pH5.5〜7.0の範囲で制御した。
(b)SSGの精製
Buchner漏斗を用いて、中和した懸濁液を濾過した後、得られたSSGの塊を、90%エタノール380グラム中に分散させ、45℃で15分間撹拌してから、Buchner漏斗を用いてこの懸濁液を濾過した。上述の洗浄及び濾過の工程を繰り返した。使用前に、流動床乾燥装置を用いて60℃で10分間、塊状の最終生成物を乾燥させた。
上述の要領で調製したSSGの置換度(DS)は約0.2である。0.3及び0.4の他のSSGを、同じ条件下で、比率に応じてSMCA及びNaOHの量を単に変化させることにより調製した。
(実施例2)
HPMC/SSG混合物中のSSGの、DSと溶解速度との間の関係
(a)HPMC/SSG混合物を含有する錠剤の製剤
SSGのDS(実施例1に記載の要領で調製)が活性成分の溶解速度に及ぼす効果をテストするために、以下の処方を用いてHPMC/SSGを含有する錠剤を作製し、デンプングリコール酸ナトリウムの置換度を変化させた錠剤3セット(DS=0.2/0.3/0.4)を形成した:
・20% 酒石酸メトプロロール(活性成分)(Fagron、ドイツ)、
・39% 乳糖(DCL14、DMV−Fonterra Excipients製、ドイツ)、
・20% HPMC−W、すなわちヒドロキシプロピルメチルセルロース(Walocel HM15.000PA2208、Wolff Cellulosics製、ドイツ)、
・20% 実施例1により調製した、置換度の異なる(DS=0.2、0.3及び0.4)実質的に架橋していないデンプングリコール酸ナトリウム、
・0.5% コロイド状シリカ(Aerosil200、Degussa製)、及び
・0.5% ステアリン酸マグネシウム(BUFA、オランダ)。
これらの成分を乾燥ブレンドして均質な混合物を得た。処方量は混合物全体の重量比(%)で表す。
(b)対照錠剤の製剤
前述の成分及びその量を用いて上述の製剤を対照としても調製したが、但し、HPMC−W 20%とSSG20%とを混合する代わりに、ここではHPMC−W(Walocel HM15000PA2208、Wolff Cellulosics製、ドイツ)40%を用いた。
(c)錠剤の調製
斜角のついた直径9mmの丸平型パンチを備えたKorsch EK0偏心プレス機を用い、圧縮力10kNで乾燥混合物を圧縮して、250mg錠剤を作製した。錠剤は、粉末混合物250mgを計量してからこの材料を金型中に入れることにより、1個ずつ作製した。
(d)溶解実験
錠剤の放出プロファイルを定量するために、USP装置2を用いて、50rpmで撹拌した脱イオン水900mL中で溶解テストを実施した。酒石酸メトプロロールの放出プロファイルを追跡するために、波長222nmでの紫外線分光法を用いて、溶解媒体から定期的に取り出した試料を分析した。酒石酸メトプロロールを含有する錠剤の薬物放出(溶解)プロファイルを、経時的に放出された対象薬物量の比率(%)として得る。
錠剤6個の平均結果を、SSG40%(DS0.3、結果は表5から転記)について得られた平均結果と共に表1に示す。このデータにより、DSの異なる(0.2、0.3及び0.4)HPMC20%/SSG20%の製剤は全て、HPMC40%のみ及びSSG40%のみを有する対照製剤と比較して改良された制御放出プロファイルを呈することが示される。本発明により製剤した錠剤は、対照錠剤より実質的に遅い又は持続時間の長い薬物放出を呈する。
表1:錠剤の経時的な溶解
Figure 0005547966

上で使用した親油性薬物の酒石酸メトプロロールの代わりに、水中での溶解性がpHに依存するテオフィリンを用いた場合の溶解プロファイルについても同様の結果が得られた。
(実施例3)
SSGの架橋度が薬物放出プロファイルに及ぼす効果
(a)架橋度の異なる架橋したSSGの調製
実施例1に記載の方法により、架橋度の異なるSSGを調製した。特定のSSGにおける架橋度(XL、%)を、以下のように定義した:
XL(%)=(CL/CL最大100%
このとき、CLは対応するSSGの調製に使用した架橋剤の量を表し、CL最大=0.3%(デンプンの量(重量)に基づく)は、崩壊剤として適した高度に架橋したSSGを調製するために伝統的に使用されているクロスリンカーPOClの量である[Yoneyaら、「POClで処理した架橋したジャガイモデンプンが、DSC、流体力学的特性及び顆粒サイズに及ぼす影響(Influence of cross−linked potato starch treated with POCl on DSC,rheological properties and granule size)」、Carbohydrate Polymer、2003、55、447〜457を参照]。このような架橋したSSG崩壊剤は、実施例4(a)に記載の方法を用いて測定したとおり、約9〜15mlの沈降体積を呈する。ばらつきは、架橋剤(この特定の事例ではPOCl)の種類によるものと考えられる。
(b)架橋度の異なるSSGを含有する錠剤の製剤
SSGの架橋が溶解プロファイルに及ぼす効果を調べるために、以下の処方を用いて錠剤を作製し、さまざまな架橋度のデンプングリコール酸ナトリウムを有する錠剤6セットを形成した(XL=0%、4.8%、9.6%、14.6%、36.5%及び100%)。XLが100%のデンプングリコール酸ナトリウムは、Yoneyaらによる前述の発表論文中で試験されているものと同等のものである。
均一な乾燥ブレンド物を、以下から調製した:
・20% 酒石酸メトプロロール(Fagron、ドイツ)、
・49% 乳糖(DCL14、DMV−Fonterra Excipients製、ドイツ)、
・15% HPMC−W(Walocel HM4.000PA2208(Wolff Cellulosics、(DE)))、
・15% 実施例1により調製した、置換度が0.3の実質的に架橋していないデンプングリコール酸ナトリウム、
・0.5% コロイド状シリカ(Aerosil200、Degussa製、ドイツ)、及び
・0.5% ステアリン酸マグネシウム(BUFA、オランダ)。
対照としては、原料及びその量は同じものを用いたが、HPMC15%とSSG15%とを混合する代わりにHPMC−W(Walocel HM4.000PA2208)30%を用いた。
(c)調製、溶解及び分析
実施例2c及び2dで述べた手順により、錠剤の調製及び分析を実施した。6種類の異なる処方の錠剤の平均溶解率の結果を表2にまとめた。
表2は、組み合わせたポリマー混合物の優れた溶解プロファイルは、実質的に架橋していないSSGの場合に得られることを示す。架橋度が増すと、相乗作用は、その組合せではもはや溶解プロファイルが改良されない点まで低下する。
表2:錠剤の経時的な溶解
Figure 0005547966
(実施例4)
SSG単独の沈降、溶解及び架橋の関係
(a)SSG単独の沈降体積の定量
架橋度の異なるSSGを含有する錠剤の沈降体積を、以下の方法により定量した:対応するSSGそれぞれ0.25gを、脱イオン水100mLを入れた100mlのメスシリンダー中で混合し、24時間放置した後に測定した。沈降体積は、目で見えるゲル形成に一致する。
(b)t50%の定量
50%は、対応するSSGを用いて製剤した錠剤から活性成分の50%が放出される時点として定義される。そのため、t50%は、実施例3(c)で得られたデータから内挿した。
SSGの沈降体積と、対応するSSGを含有する製剤のt50%との関係を表3にまとめる。同表において、沈降体積100mlとは、測定可能な相分離が観察されないことを意味する(SSGは、体積を測定する連続体全体(100ml)にわたって完全に溶解又は分散する。)
表3:SSGの架橋が沈降体積及びt50%に及ぼす影響
Figure 0005547966

測定可能な相分離は見られない(SSGは、体積を測定する連続体全体(100ml)にわたって完全に溶解又は分散する。)
表3に示すように、架橋したSSGの沈降体積は、架橋度が増すに従って減る。徐放又は持続放出の能力は、SSGのXLが14.6%以下、沈降体積が81ml超であるとき、劇的に向上した。
(実施例5)
SSG/HPMCの沈降、溶解及び架橋の関係
実施例4(a)の沈降テストを繰り返したが、ここでは、XL=18.5%のSSG、XL=12.9%のSSG及びXL=0%のSSGについて、異なる量のHPMCが存在する場合(HPMCを含有しない対照を含む)の沈降体積を定量した。対照については、SSG源として市販のPrimojel(登録商標)及びExplotab(登録商標)を用い、HPMCを含有しない場合及びHPMCと組み合わせた場合のXL=100%のSSGの効果も実証した。
これを達成するために、SSGとHPMCとを含有する粉末混合物の沈降体積を、以下の方法により定量した:脱イオン水100mLを入れた100mlのメスシリンダー中で、SSG0.25gとさまざまな量のHPMCとを混合した。24時間後、この水性混合物を、25℃にて15分間、6000rpm、6080Gで遠心分離した。上層が視認できれば、これをデカントした。遠心管中に残留しているゲルの体積が、沈降体積であった。
完全性を期するため、表4には、試料の総重量が0.25gである場合について再計算した沈降体積の値も包含されている。この計算値は、実験的に裏付けられた。表4に記載の架橋値は、高度に架橋したExplotab/Primojelに割り当てられた100%の値に対する相対的な値である。
表4:HPMCが存在する場合又は存在しない場合の沈降体積
Figure 0005547966
(実施例6)
SSG:HPMC比率の効果
(a)SSG:HPMC比率が3:1から1:3にわたり異なる製剤
以下のように、5種類の錠剤製剤を調製した:
・20% 酒石酸メトプロロール(Fagron、ドイツ)、
・39% 乳糖(DCL14、DMV−Fonterra Excipients製、ドイツ)、
・0.5% コロイド状シリカ(Aerosil200、Degussa製、ドイツ)、
・0.5% ステアリン酸マグネシウム(BUFA、オランダ)、及び
・40% 異なる比率で
・HPMC(Metolose90H4.000 2208、信越化学工業株式会社製、日本)と
・実施例1により調製した架橋していないSSG(DS=0.3)と
を含有するポリマーの合計。
試験したHPMCとSSGとの比率は、1:0、3:1、1:1、1:3及び0:1であった。
(b)溶解テスト
実施例2(c)及び2(d)に記載の手順により、上述の処方から錠剤を調製し、分析した。錠剤6個の溶解率の平均結果を表5に示す。
このデータにより、3:1から1:3にわたる比率でHPMC−SE/SSGを40%含有する複合体賦形剤は全て、SSG単独又はHPMC単独と比較して改良された薬物放出プロファイルを示すことが示される。
表5:錠剤の経時的な溶解
Figure 0005547966
(実施例7)
ポリマーの含有量が異なる場合の溶解プロファイル
(a)製剤中に30〜40%のポリマー性賦形剤を含有する錠剤の製剤
以下の錠剤製剤を調製した:
・20% 酒石酸メトプロロール(Fagron、ドイツ)、
・59〜39% 乳糖(DCL14、DMV−Fonterra Excipients製、ドイツ)、
・0.5% コロイド状シリカ(Aerosil200、Degussa製、ドイツ)、
・0.5% ステアリン酸マグネシウム(BUFA、オランダ)、並びに
・30〜40% ポリマー
・HPMC(Metolose90H4.000 2208、信越化学工業株式会社製、日本)及び
・実施例1により調製した架橋していないSSG(DS=0.3)。
HPMC:SSGの重量比は1:1であった。
結果を、HPMC単独の場合の結果と比較した(重量比HPMC:SSG=1:0)。
(b)調製、溶解及び分析
実施例2(c)及び2(d)に記載の手順により、錠剤を調製し、分析した。錠剤6個の溶解率の平均結果を表6に示す。
組み合わせたものは、いずれの場合も(製剤全体中のポリマー混合物(HPMC:SSG=1:1)の合計が30%の場合及び40%の場合)、製剤中の合計比率(%)が同じHPMCそのもののプロファイルと比較して、改良された薬物放出プロファイルを示す。
表6:錠剤の経時的な溶解
Figure 0005547966
(実施例8)
粘性の異なるHPMCの効果
(a)粘性の異なるHPMCを含有する錠剤の製剤
粘性が高めのHPMCを用いた場合にもこの混合物は相乗効果を呈することを示すために、以下の処方を用いた:
・20% 酒石酸メトプロロール(Fagron、ドイツ)、
・39% 乳糖(DCL14、DMV−Fonterra Excipients製、ドイツ)、
・20% 以下から選択されたHPMC−W
・Walocel HM4,000PA2208、
・Walocel HM15,000PA2208(両方ともWolff Cellulosics製、ドイツ)、
・20% 実施例1により調製した架橋していないSSG(DS=0.3)、
・0.5% コロイド状シリカ(Aerosil200、Degussa製、ドイツ)、及び
・0.5% ステアリン酸マグネシウム(BUFA、オランダ)。
これらの成分をブレンドして均質な混合物を得た。
対照として、SSGを含まずにHPMC40%を含む同様の製剤を調製した。
(b)調製、溶解及び分析
実施例2(c)及び2(d)に記載の手順により、錠剤を調製し、分析した。錠剤6個の溶解率の平均結果を表7に示す。
表7:錠剤の経時的な溶解
Figure 0005547966

Claims (7)

  1. 実質的に架橋していないカルボキシメチルデンプンと、親水性の非イオン性セルロースエーテルとを含有する徐放又は持続放出用の賦形剤組成物であって、脱イオン水100ml中の該組成物0.25gが、25℃にて15分間、6080Gでの遠心分離に供された場合、24時間後25℃で60ml超の沈降体積を呈する、上記組成物。
  2. 前記セルロースエーテルがヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である、請求項1に記載の賦形剤組成物。
  3. 前記セルロースエーテルとカルボキシメチルデンプンとが、9:1から1:3の間の重量比で存在する、請求項1又は2に記載の賦形剤組成物。
  4. 前記カルボキシメチルデンプンの置換度が0.1〜0.5の範囲である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の賦形剤組成物。
  5. 1種又は複数種の活性成分をさらに含有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の賦形剤組成物を含有する徐放又は持続放出用の錠剤製剤。
  6. 前記カルボキシメチルデンプンとセルロースエーテルとが、錠剤の総重量を基準にして10〜60重量%の量で共に存在する、請求項5に記載の錠剤。
  7. 徐放又は持続放出用の製剤中における、請求項1から4までのいずれか一項に記載の賦形剤組成物の使用。
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