JP5547570B2 - 導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ペーストに関し、特に、基板上に回路などを形成するための導電性ペーストに関する。
従来、電子機器の基板上に配線を描画して金属導電膜の配線からなる回路などを形成するために、銀粒子などの金属粒子をバインダー樹脂および溶剤と混合してペースト状にした熱硬化型導電性ペーストを使用して、基板上に配線を描画し、150〜200℃の温度で加熱してバインダー樹脂を硬化させることによって、金属粒子間の接触部分により導通させる方法が知られている。この方法では、150〜200℃の低温で加熱して金属導電膜の配線を形成しているため、耐熱性がそれ程高くない基板を使用することができるので、ポリイミド(PI)基板のようにフレキシブルな基板を使用することもできる。
近年、電子機器の小型化に伴って、基板上に描画する配線としてさらに微細な配線を形成することが望まれている。しかし、熱硬化型導電性ペーストを使用する方法では、金属粒子の融点より低い150〜200℃の温度で加熱しているので、金属粒子間の接触が不十分になって電気抵抗値が高くなることにより、導電性に劣る場合があった。
このような問題を解消するため、熱硬化型導電性ペーストの金属成分として、平均粒径が0.1μm以上の(銀粒子などの)金属粒子とともに、平均粒径が100nm未満の(銀微粒子などの)金属微粒子(金属ナノ粒子)を使用する方法が提案されている。このように金属成分として金属粒子とともに金属ナノ粒子を使用することにより、金属粒子間の接触を十分に確保して電気抵抗値を低減し、微細な配線を形成する場合でも、導電性に優れた配線を形成することができる。
例えば、回路を微細化してもその導電性および密着性が良好な導電性ペーストとして、平均粒径0.5〜20μmの銀粒子(A)と一次粒子の平均粒径が50nm以下の球状銀粒子(B)とを主成分とする銀粉末と、バインダー樹脂と、溶剤とを含み、銀粒子(A)と球状銀粒子(B)の混合比が(A):(B)=99.1〜80:20の範囲にあり、銀粉末とバインダー樹脂の配合比率が銀粉末:バインダー樹脂=85:15〜95:5であり、150℃で30分間加熱して得られた硬化膜の体積抵抗率が20μΩ・cm程度である導電性ペーストが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、粒子径が0.1μm〜50μm未満の範囲にある銀粒子と、粒子径が1nm〜100nm未満の範囲にある微小銀粒子と、熱硬化型樹脂とを含み、銀粒子と微小銀粒子の総量が80〜95質量%であり、200℃で60分間加熱して得られた硬化膜の体積抵抗率が63μΩ・cm以上である熱硬化型導電性ペーストが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これらの特許文献1および2で提案された導電性ペーストでは、導電性ペーストの流動性が低下し、樹脂と銀粉末(銀粒子と微小銀粒子)の密着力(凝集力)が弱くなって、基板に対する密着性や印刷性が低下するのを防止するために、銀粉末(銀粒子と微小銀粒子)の総量を95質量%以下にしている。
特開2005−294254号公報(段落番号0006−0018) 特開2009−252507号公報(段落番号0022−0026)
特許文献1の導電性ペーストを使用して導電膜の配線を形成するためには、150℃で30分間加熱する必要があり、特許文献2の導電性ペーストを使用して導電膜の配線を形成するためには、200℃で60分間加熱する必要があるが、さらに低い温度で加熱して導電膜の配線を形成することができれば、導電性ペーストの用途がさらに広がることが期待される。
また、上述したように、特許文献1の導電性ペーストを使用して150℃で30分間加熱して得られた硬化膜の体積抵抗率は20μΩ・cm程度であり、特許文献2の導電性ペーストを使用して200℃で60分間加熱して得られた硬化膜の体積抵抗率は63μΩ・cm以上であるが、さらに体積抵抗率を低くすることができる導電性ペーストが望まれている。
一方、導電性ペーストを使用した導電膜の配線の体積抵抗率をさらに低くするために、導電性ペースト中の銀粉末(銀粒子と微小銀粒子)の総量を多くすることも考えられるが、上述したように、特許文献1および2で提案された導電性ペーストでは、導電性ペースト中の銀粉末の総量を95質量%より多くすると、導電性ペーストの流動性が低下し、樹脂と銀粉末の密着力(凝集力)が弱くなって、基板に対する密着性や印刷性が低下するという問題がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、従来の導電性ペーストより低い温度で加熱しても導電膜の配線を形成することができるとともに、従来の導電性ペーストより体積抵抗率が低い導電膜の配線を形成することができ、且つ基板に対する密着性や印刷性に優れた導電性ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、金属成分と、バインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤と、溶剤とを含み、金属成分が平均粒径0.5μm以上の銀粒子と平均一次粒子径10〜200nmの銀微粒子とからなる導電性ペーストにおいて、分散剤を添加するなどによって銀微粒子の分散性を向上させれば、導電性ペースト中の金属成分とバインダー樹脂(またはバインダー樹脂および硬化剤)の総量に対する金属成分の割合を95質量%より多くしても、導電性ペーストの流動性の低下や、樹脂と金属成分の密着力(凝集力)の低下により、基板に対する密着性や印刷性が低下するのを防止することができることを見出した。また、金属成分と、バインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤と、溶剤とを含み、金属成分が平均粒径0.5μm以上の銀粒子と平均一次粒子径10〜200nmの銀微粒子とからなる導電性ペーストにおいて、金属成分とバインダー樹脂(またはバインダー樹脂および硬化剤)の総量に対する金属成分の割合(以下、「F値」という)を95質量%より多くすることにより、従来の導電性ペーストより低い温度で加熱しても導電膜の配線を形成することができるとともに、従来の導電性ペーストより体積抵抗率が低い導電膜の配線を形成することができ、且つ基板に対する密着性や印刷性に優れた導電性ペーストを製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による導電性ペーストは、金属成分と、バインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤と、溶剤とを含み、金属成分が平均粒径0.5μm以上の銀粒子と平均一次粒子径10〜200nmの銀微粒子とからなり、金属成分とバインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤との総量に対する金属成分が95質量%より多いことを特徴とする。
この導電性ペーストにおいて、分散剤を添加した溶剤を使用するのが好ましい。また、200℃で60分間加熱してバインダー樹脂を硬化させた後の体積抵抗率が10μΩ・cm以下の導電性ペーストであるのが好ましい。また、銀粒子の平均粒径が0.5〜10μmであるのが好ましく、金属成分中の銀微粒子の添加量が1〜70質量%であるのが好ましい。また、銀微粒子が有機化合物で被覆されているのが好ましい。この場合、有機化合物が脂肪酸であるのが好ましく、その脂肪酸がソルビン酸などのカルボン酸であるのがさらに好ましい。また、バインダー樹脂がフェノール樹脂またはエポキシ樹脂であるのが好ましく、エポキシ樹脂の場合、導電性ペーストがさらに硬化剤を含むのが好ましい。また、溶媒が極性溶媒であるのが好ましい。
本発明によれば、従来の導電性ペーストより低い温度で加熱しても導電膜の配線を形成することができるとともに、従来の導電性ペーストより体積抵抗率が低い導電膜の配線を形成することができ、且つ基板に対する密着性や印刷性に優れた導電性ペーストを製造することができる。
導電性ペーストを使用して基板上に描画した配線にかすれやにじみがない状態を示す図である。 導電性ペーストを使用して基板上に描画した配線にかすれがある状態を示す図である。 導電性ペーストを使用して基板上に描画した配線ににじみがある状態を示す図である。 導電性ペーストを使用して基板上に描画した配線が断線している状態を示す図である。
本発明による導電性ペーストの実施の形態は、金属成分と、バインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤と、溶剤とを含み、金属成分が平均粒径0.5μm以上の銀粒子と平均一次粒子径10〜200nmの銀微粒子とからなり、金属成分とバインダー樹脂(またはバインダー樹脂および硬化剤)の総量に対する金属成分の割合(F値)が95質量%より多い。この導電性ペーストにおいて、分散剤を添加した溶剤を使用するのが好ましい。また、導電性ペーストを200℃で60分間加熱してバインダー樹脂を硬化させた後の体積抵抗率が10μΩ・cm以下であるのが好ましい。
銀微粒子としては、透過型電子顕微鏡写真より測定した平均一次粒子径が10〜200nm、好ましくは10〜150nm、さらに好ましくは10〜100nmの銀微粒子(銀ナノ粒子)を使用する。なお、銀微粒子として、異なる平均一次粒子径の複数の銀微粒子を混合して使用してもよい。このような粒子径の銀微粒子を使用することにより、耐熱性の低い基板に影響を与えない程度の低温環境下で熱処理した場合でも、熱硬化後の導電性が良好な導電性ペーストを得ることができる。
銀微粒子は、粒子の表面の活性が非常に高いので、粒子の表面が露出していると、隣接する粒子同士が焼結する場合や、空気中で激しく酸化する場合がある。このような焼結や酸化を抑制して粒子を独立して安定した状態で保存できるようにするために、銀微粒子の表面を有機化合物で被覆することが知られている。しかし、銀微粒子の表面を被覆する有機化合物の分子量が大き過ぎると、銀微粒子を導電性ペースト中の銀粒子の接合材として使用する際に多少加熱しても分解または蒸散し難くなる。一方、分子量が小さ過ぎると、銀微粒子が安定して存在し難くなって取扱いに不便になる。したがって、銀微粒子の表面を被覆する有機化合物の分子量は、適度な分子量にする必要があり、低温で焼結させるためには、適度に短い分子鎖の有機化合物にする必要がある。このような有機化合物として、炭素数3〜8の低炭素の脂肪酸を使用するのが好ましく、脂肪酸として酢酸、乳酸、ヘキサン酸、ソルビン酸などのカルボン酸を使用するのが好ましい。この脂肪酸として不飽和脂肪酸を使用する場合には、その構造中に少なくとも一つの不飽和結合を有し、その不飽和結合の形態は二重結合または三重結合のいずれの形態でもよく、芳香族環を有してもよい。特に、銀微粒子の表面を被覆する有機化合物として、飽和脂肪酸であるヘキサン酸や不飽和脂肪酸であるソルビン酸などを使用すれば、銀微粒子を安定な粉末状態として得ることができる。また、それぞれ異なる種類の有機化合物で表面を被覆した銀微粒子を使用してもよい。例えば、不飽和脂肪酸で表面を被覆した銀微粒子と、飽和脂肪酸で表面を被覆した銀微粒子を混合して使用してもよい。
金属成分の銀粒子としては、平均粒径が0.5μm以上の銀粒子を使用する。導電性ペーストにより微細な配線を形成するためには、銀粒子の隙間を充填する銀微粒子の量を少なくしても銀微粒子が焼結した際に銀粒子同士を接合して導電性をさらに高めることができるように、銀粒子の平均粒径は10μm以下であるのが好ましい。また、球状の銀粒子の場合には、平均粒径が0.5〜1.0μmであるのが好ましく、0.5〜0.8μmであるのがさらに好ましい。フレーク状の銀粒子の場合には、平均粒径が0.5〜5.0μmであるのが好ましく、0.5〜3.5μmであるのがさらに好ましい。
また、金属成分中の銀微粒子の添加量は、1〜70質量%であるのが好ましく、5〜70質量%であるのがさらに好ましく、20〜70質量%であるの最も好ましい。
バインダー樹脂は、基板に対する密着性と、熱硬化後の強度および導電性を十分に確保するために、導電性ペーストに添加する。バインダー樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などを使用することができ、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂を使用するのが好ましい。なお、エポキシ樹脂を使用する場合には、さらに硬化剤を添加するのが好ましく、この硬化剤としては、アミン系硬化剤、尿素系硬化剤、芳香族系(アミンアダクト)硬化剤などを使用することができる。バインダー樹脂と硬化剤の総量は、溶剤を除いた成分(金属成分とバインダー樹脂と硬化剤)に対して5質量%以下であるのが好ましく、4質量%以下であるのがさらに好ましく、3質量%以下であるのが最も好ましい。バインダー樹脂と硬化剤の総量が5質量%より多いと、過剰なバインダー樹脂によって導電性に与える影響が大きくなるので好ましくない。一方、バインダー樹脂と硬化剤の総量が少な過ぎると、基板に対する密着性や熱硬化後の強度を十分に確保することができなくなるため、バインダー樹脂と硬化剤の総量は、少なくとも2質量%程度は必要である。
溶剤としては、主として極性溶媒を使用する。この溶剤は、ペーストの粘度調整や揮発防止のために使用する有機溶剤や無機溶剤だけでなく、ペーストの特性を向上させるレベリング剤、粘度調整剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、ダレ防止剤などの添加剤を含んでもよい。
また、バインダー樹脂と相溶可能な溶剤を使用すれば問題ないが、エステル系、エーテル系、ケトン系、エーテルエステル系、アルコール系、炭化水素系、アミン系などの有機溶剤を使用するのが好ましい。また、導電性ペーストは、一般に印刷によって回路を形成するために使用されるので、印刷時の揮発性が低い高沸点溶剤を使用するのが好ましく、テルピネオールやブチルカルビトールアセテート、またはオクタンジオールなどのジオール類を使用するのがさらに好ましい。また、複数種類の溶剤を組み合わせて使用してもよい。この溶剤の量は、バインダー樹脂と金属成分の総量に対して30質量%以下であるのが好ましく、20質量%以下であるのがさらに好ましい。
導電性ペーストには、銀微粒子の分散性を向上させるために、一種または二種以上の分散剤を溶剤に添加するのが好ましい。この分散剤としては、銀微粒子の表面と親和性を有し且つ溶剤に対しても親和性を有するものであればよい。
このような性質を有する分散剤の例として、脂肪酸塩(石けん)、α−スルホ脂肪酸エステル塩(MES)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、アルキル硫酸塩(AS)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルキル硫酸トリエタノールなどの低分子陰イオン性(アニオン性)化合物や、脂肪酸エタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(APE)、ソルビトール、ソルビタンなどの低分子非イオン系化合物や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジニウムクロリドなどの低分子陽イオン性(カチオン性)化合物や、アルキルカルボキシルベタイン、スルホベタイン、レシチンなどの低分子両性系化合物や、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ビニル化合物とカルボン酸系単量体の共重合体塩、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどの高分子水系分散剤や、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミンなどの高分子非水系分散剤や、ポリエチレンイミン、アミノアルキルメタクリレート共重合体などの高分子カチオン系分散剤などが挙げられる。
上記の分散剤として市販の分散剤を使用することができる。例えば、三洋化成株式会社製のビューライトLCA−HやLCA−25NH、共栄社化学株式会社製のフローレンDOPA−15B、日本ルーブリゾール株式会社製のソルプラスAX5、ソルスパース9000、ソルシックス250、エフカアディディブズ社製のEFKA4008、味の素ファインテクノ株式会社製のアジスパーPA111、コグニクスジャパン株式会社製のTEXAPHOR−UV21、ビックケミー・ジャパン株式会社製のDisperBYK2020やBYK220S、楠本化成株式会社製のディスパロン1751NやハイプラッドED−152、株式会社ネオス製のFTX−207Sやフタージェント212P、東亞合成株式会社製のAS−1100、花王株式会社製のカオーセラ2000、KDH−154、MX−2045L、ホモゲノールL−18、レオドールSP−010V、第一工業製薬株式会社製のエパンU103、シアノールDC902B、ノイゲンEA−167、プライサーフA219B、DIC株式会社製のメガファックF−477、日信化学工業株式会社製のシルフェイスSAG503Aやダイノール604、サンノプコ株式会社製のSNスパーズ2180やSNレベラーS−906、AGCセイミケミカル社製のS−386などの市販の分散剤を使用することができる。
分散剤の添加量は、金属成分に対して5質量%以下であるのが好ましく、3質量%以下であるのがさらに好ましく、2質量%以下であるのが最も好ましい。分散剤の添加量が5質量%より多いと、加熱時に分散剤を十分に除去することができなくなるとともに、熱硬化後の導電性に与える影響が大きくなるので好ましくない。一方、分散剤の添加量が少な過ぎると、特に銀微粒子同士が凝集してペースト中の分散が完全でなくなってしまうため、銀微粒子が銀粒子の隙間の部分に存在し難しくなって、熱硬化後の体積抵抗率が上昇してしまうので適当ではない。そのため、分散剤の添加量は、少なくとも0.5質量%程度添加するのが好ましい。
また、金属成分をバインダー樹脂および溶剤に分散させるために、適当な機械的分散処理を行ってもよい。この機械的分散処理には、粒子の著しい改質を伴わないという条件下において、超音波分散、ディスパー、三本ロールミル、ボールミル、ビーズミル、二軸ニーダー、自公転式攪拌機などを単独で、あるいは併用して使用することができる。
なお、銀微粒子または銀粒子が有機化合物で被覆されている場合には、銀微粒子または銀粒子の重量(有機化合物で被覆された銀微粒子または銀粒子中の銀の重量)は、有機化合物で被覆された銀微粒子または銀粒子(銀粉末)の重量に、有機化合物で被覆された銀微粒子または銀粒子中の銀の割合を示す値(係数)を乗じることによって得られる。これらの係数は、有機化合物で被覆された銀微粒子または銀粒子を大気中において500℃で加熱したときに有機化合物の重量が減少して最終的に有機化合物に被覆されていない銀微粒子または銀粒子になるとみなして、有機化合物で被覆された銀微粒子または銀粒子(銀粉末)10gを大気中において500℃で重量減少がなくなるまで加熱処理した後の重量を測定し、得られた重量を10で除すことによって、有機化合物で被覆された銀微粒子または銀粒子1g当りの銀微粒子または銀粒子の重量として得られる。
また、バインダー樹脂が固形分以外を含む場合には、バインダー樹脂の重量は、バインダー樹脂中の固形分の重量であり、固形分およびそれ以外を含むバインダー樹脂の重量に、固形分およびそれ以外を含むバインダー樹脂中の固形分の割合を示す値(係数)を乗じることによって得られる。
以下、本発明による導電性ペーストの実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
有機溶剤としてのテルピネオール(異性体混合物)12.5gに対して、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製の828XA、係数1.0)1.67gと、硬化剤としての3級アミン(味の素ファインテクノ株式会社製のMY−24)0.33gと、分散剤(味の素ファインテクノ株式会社製の高分子系顔料分散剤アジスパーPA111)0.20gを溶解させた。このようにして得られた溶液に、有機化合物としてヘキサン酸(炭素数6の直鎖脂肪酸)で被覆された平均一次粒子径14nmの銀微粒子(係数0.969)49.5g(銀として47.97g)を加え、10分間手攪拌して混合した後、平均粒径2.8μmのフレーク状の銀粒子(DOWAエレクトロニクス製、係数0.9962)49.5g(銀として49.31g)を加えて、さらに10分間攪拌した。この溶液に色ムラや粉の塊がないことを確認した後、この溶液を三本ロールミルに通し、混練脱泡を行って導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は97.99になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて配線を描画した配線の印刷性および密着性の評価を以下のように行うとともに、配線の体積抵抗率の算出を以下のように行った。なお、導電性ペーストの作製に使用した銀微粒子の平均一次粒子径および銀粒子の平均粒径の測定と、有機化合物で被覆された銀微粒子中の銀含有量の算出は以下のように行った。
(銀微粒子の平均一次粒子径の測定)
銀微粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡写真(TEM像)に基づいて以下のように測定した。
まず、銀微粒子2質量%をシクロヘキサン96質量%とオレイン酸2質量%との混合溶液に添加し、超音波によって分散させた。この分散溶液を支持膜付きCuマイクログリッドに滴下して乾燥させることによってTEM測定用試料を作製した。このようにして作製したTEM測定用試料について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製のJEM−100CXMark−II型)を使用し、加速電圧を100kVとして明視野で銀微粒子を観察した像を倍率300,000倍で撮影した。
このようにして得られた300,000倍のTEM像に基づいて、画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製のA像くん(登録商標))を用いて、銀微粒子の平均一次粒子径を測定した。この画像解析ソフトは、色の濃淡で個々の粒子を識別するものであり、300,000倍のTEM像に対して、「粒子の明度」を「暗」、「雑音除去フィルタ」を「有」、「円形しきい値」を「20」、「重なり度」を「50」とする条件で、円形粒子解析を行って平均一次粒子径を測定した。なお、TEM像中に凝結粒子や異形粒子が多数ある場合は、測定不能であるとした。
(有機化合物で被覆された銀微粒子中の銀含有量の算出)
有機化合物で被覆された銀微粒子中の銀含有量は、灰分測定用灰皿に試料(有機化合物で被覆された銀微粒子)を0.5g以上秤量し、マッフル炉(ヤマト科学株式会社製のFO310)において約10℃/分の速度で700℃まで昇温させて、銀微粒子の表面に存在する有機化合物を除去した後、自然放冷により炉内の温度が500℃以下になった段階で灰皿を取り出して、デシケーター内で常温まで冷却し、冷却後の試料の重量と加熱処理前の重量を比較することによって算出した。
(銀粒子の平均粒径の測定)
銀粒子の平均粒径の測定は、以下のようにレーザー回折法に基づいて行った。すなわち、銀粒子の試料0.3gをイソプロピルアルコール50mLに入れ、出力50Wの超音波洗浄器で5分間分散させた後、マイクロトラック粒度分布測定装置(ハネウエル−日機装製の9320−X100)によってレーザー回折法で測定した際のD50(累積50質量%粒径)の値を平均粒径とした。
(配線の印刷性の評価)
作製した導電性ペーストを用いて、スクリーン印刷機(マイクロテック社製のMT−320T)による配線を描画した。この配線の描画では、ステンレス製の配線用スクリーン版(250メッシュ、乳剤厚10μm、ソノコム社製)を用いて、線幅300μmで線長42mmの配線と、線幅80μmで線長20mmの配線をガラス基板上に描画し、配線の印刷性の評価を行った。
この配線の印刷性の評価では、基板上に描画した配線をデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製のVHX−900)で拡大して、図1Aに示すようにかすれやにじみがない配線の印刷性を良好であると評価し、図1Bに示すように断線していないがかすれがある配線や、図1Cに示すように断線していないがにじみがある配線の印刷性を良好でないと評価し、図1Dに示すように断線している配線の印刷性を不良と評価した。その結果、本実施例では、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であった。
(配線の密着性の評価)
作製した導電性ペーストを用いて、上記と同様の方法で線幅300μmの配線を描画した基板を、オーブン(ヤマト科学株式会社製のDKM400)によって、大気中において200℃でそれぞれ30分間および60分間加熱して、サンプルを作製し、配線の密着性の評価を行った。
この配線の密着性の評価では、基板上に形成された配線に幅24mmのセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、5kg重程度の荷重をかけた後、配線とセロハンテープの間の気泡がなくなるよう加重を擦過させることによって、気泡を除去してセロハンテープと基板を密着させ、その後、基板を固定してセロハンテープを持ち上げ、基板とテープの角度が約90度になるように注意しながら約0.6秒の速度で一気に引き剥がし、テープに配線の剥離が全く付着していない場合に密着性が良好であると評価し、エッジの一部のみが剥離している場合に密着性が良好でないと評価し、断線して線抵抗が測定できないほど剥離している場合に密着性が不良であると評価した。その結果、本実施例では、配線の密着性は良好であった。
(配線の体積抵抗率の算出)
作製した導電性ペーストを用いて、上記と同様の方法で線幅300μmの配線を描画した基板を、オーブン(ヤマト科学株式会社製のDKM400)によって、大気中において、120℃でそれぞれ10分間および60分間加熱したサンプルと、200℃でそれぞれ10分間および60分間加熱したサンプルを作製し、これらのサンプルを用いて配線の体積抵抗率を算出した。
この配線の体積抵抗率の算出は、基板上に形成した配線の線抵抗をデジタルマルチメーター(日置電機株式会社製のミリオームハイテスタ)、配線の幅をデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製のVHX−900)、配線の厚みを表面粗度計(株式会社東京精密製のサーフコム1500D)で測定することによって行った。
その結果、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが9.1μmで体積抵抗率は82.7μΩ・cmであり、このような低温で短時間加熱しただけでも、導電性を示すことがわかった。また、120℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが9.7μmで体積抵抗率が89.9μΩ・cmであった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが10.1μmで体積抵抗率は26.2μΩ・cmであった。また、200℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが10.2μmで体積抵抗率は7.0μΩ・cmであり、極めて導電性の高い配線が得られた。
[実施例2]
有機溶剤の量を16.4gとし、分散剤の量を0.48gとした以外は、実施例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は97.99になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて、実施例1と同様の方法により、配線を描画した配線の印刷性および密着性を評価するとともに、配線の体積抵抗率を算出した。
その結果、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であり、配線の密着性も良好であった。
また、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが12.3μmで体積抵抗率は119.1μΩ・cmであり、このような低温で短時間加熱しただけでも、導電性を示すことがわかった。また、120℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが9.8μmで体積抵抗率が86.4μΩ・cmであった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが8.0μmで体積抵抗率は14.2μΩ・cmであった。また、200℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが9.3μmで体積抵抗率は6.1μΩ・cmであり、極めて導電性の高い配線が得られた。
[実施例3]
有機溶剤の量を11.8gとし、分散剤の量を0.96gとした以外は、実施例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は97.99になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて、実施例1と同様の方法により、配線を描画した配線の印刷性および密着性を評価するとともに、配線の体積抵抗率を算出した。
その結果、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であり、配線の密着性も良好であった。
また、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが13.3μmで体積抵抗率は129.8μΩ・cmであり、このような低温で短時間加熱しただけでも、導電性を示すことがわかった。また、120℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが12.4μmで体積抵抗率が93.1μΩ・cmであった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが12.0μmで体積抵抗率は46.0μΩ・cmであった。また、200℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが11.5μmで体積抵抗率は6.8μΩ・cmであり、極めて導電性の高い配線が得られた。
[実施例4]
有機溶剤としてのテルピネオール1.2gに対して、バインダー樹脂としてのフェノール樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製のPL4348、係数0.775)1.3g(固形分1.008g)と、分散剤(味の素ファインテクノ株式会社製の高分子系顔料分散剤アジスパーPA111)0.20gを溶解させた。このようにして得られた溶液に、有機化合物としてソルビン酸(炭素数6の不飽和脂肪酸)で被覆された平均一次粒子径61nmの銀微粒子10.0g(銀として9.86g)を加え、10分間手攪拌して混合した後、平均粒径2.8μmのフレーク状の銀粒子(DOWAエレクトロニクス製)10.0g(銀として9.96g)を加えて、さらに10分間攪拌した。この溶液に色ムラや粉の塊がないことを確認した後、この溶液を三本ロールミルに通し、混練脱泡を行って導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は95.16になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて、実施例1と同様の方法により、配線を描画した配線の印刷性および密着性を評価するとともに、配線の体積抵抗率を算出した。
その結果、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であり、配線の密着性も良好であった。
また、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが15.0μmで体積抵抗率は185.9μΩ・cmであり、このような低温で短時間加熱しただけでも、導電性を示すことがわかった。また、120℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが15.3μmで体積抵抗率が170.8μΩ・cmであった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが12.8μmで体積抵抗率は106.1μΩ・cmであった。また、200℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが14.3μmで体積抵抗率は6.4μΩ・cmであり、極めて導電性の高い配線が得られた。
[実施例5]
有機溶剤の量を3.7g、フェノール樹脂の量を0.5g(固形分0.4g)とするとともに、有機化合物としてソルビン酸(炭素数6の不飽和脂肪酸)で被覆された平均一次粒子径61nmの銀微粒子の代わりに、有機化合物としてヘキサン酸(炭素数6の直鎖脂肪酸)で被覆された平均一次粒子径14nmの銀微粒子10.0g(銀として9.69g)を使用した以外は、実施例4と同様の方法により、導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は97.99になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて、実施例1と同様の方法により、配線を描画した配線の印刷性および密着性を評価するとともに、配線の体積抵抗率を算出した。
その結果、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であり、配線の密着性も良好であった。
また、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが11.9μmで体積抵抗率は103.0μΩ・cmであり、このような低温で短時間加熱しただけでも、導電性を示すことがわかった。また、120℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが9.7μmで体積抵抗率が95.8μΩ・cmであった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが11.0μmで体積抵抗率は20.1μΩ・cmであった。また、200℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが9.8μmで体積抵抗率は4.9μΩ・cmであり、極めて導電性の高い配線が得られた。
[比較例1]
有機溶剤の量を0.3g、フェノール樹脂の量を2.2g(固形分1.7g)とした以外は、実施例4と同様の方法により、導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は91.98になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて、実施例1と同様の方法により、配線を描画した配線の印刷性および密着性を評価するとともに、配線の体積抵抗率を算出した。
その結果、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であり、配線の密着性も良好であった。
しかし、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが15.3μmで体積抵抗率が1110.1μΩ・cmと非常に高く、120℃で60分間加熱したサンプルでも、配線の厚みが14.3μmで体積抵抗率が854.9μΩ・cmと非常に高かった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが15.5μmで体積抵抗率が294.3μΩ・cmと高く、200℃で60分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが13.5μmで体積抵抗率が9.4μΩ・cmであった。
[比較例2]
有機溶剤の量を5.7g、エポキシ樹脂の量を6.67g、硬化剤の量を1.33g、分散剤の量を0.23g、銀微粒子の量を46.5g(銀として45.06g)、銀粒子の量を46.5g(銀として46.32g)とした以外は、実施例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は91.95になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて、実施例1と同様の方法により、配線を描画した配線の印刷性および密着性を評価するとともに、配線の体積抵抗率を算出した。
その結果、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であり、配線の密着性も良好であった。
しかし、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが12.2μmで体積抵抗率が956.5μΩ・cmと非常に高く、120℃で60分間加熱したサンプルでも、配線の厚みが13.5μmで体積抵抗率が774.1μΩ・cmと非常に高かった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが12.5μmで体積抵抗率が1721.8μΩ・cmと非常に高く、200℃で60分間加熱したサンプルでも、配線の厚みが10.9μmで体積抵抗率が408.9μΩ・cmと高かった。
[比較例3]
有機溶剤の量を9.2gとし、分散剤の量を0.45gとした以外は、比較例2と同様の方法により、導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は91.95になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて、実施例1と同様の方法により、配線を描画した配線の印刷性および密着性を評価するとともに、配線の体積抵抗率を算出した。
その結果、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であり、配線の密着性も良好であった。
しかし、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが13.9μmで体積抵抗率が1870.7μΩ・cmと非常に高く、120℃で60分間加熱したサンプルでも、配線の厚みが12.4μmで体積抵抗率が722.7μΩ・cmと非常に高かった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが13.2μmで体積抵抗率が1743.6μΩ・cmと非常に高く、200℃で60分間加熱したサンプルでも、配線の厚みが11.5μmで体積抵抗率が662.3μΩ・cmと高かった。
[比較例4]
有機溶剤の量を5.0gとし、分散剤の量を0.90gとした以外は、比較例2と同様の方法により、導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストのF値は91.95になる。
このようにして作製した導電性ペーストを用いて、実施例1と同様の方法により、配線を描画した配線の印刷性および密着性を評価するとともに、配線の体積抵抗率を算出した。
その結果、線幅300μmの配線と線幅80μmの配線のいずれも印刷性が良好であり、配線の密着性も良好であった。
しかし、120℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが13.4μmで体積抵抗率が1245.2μΩ・cmと非常に高く、120℃で60分間加熱したサンプルでも、配線の厚みが14.5μmで体積抵抗率が624.3μΩ・cmと高かった。
一方、200℃で10分間加熱したサンプルでは、配線の厚みが14.3μmで体積抵抗率が1427.4μΩ・cmと非常に高く、200℃で60分間加熱したサンプルでも、配線の厚みが12.1μmで体積抵抗率が638.2μΩ・cmと高かった。
実施例および比較例の導電性ペーストの製造条件を表1に示し、それらの導電性ペーストを用いて形成した配線の厚みおよび体積抵抗率を表2に示す。
Figure 0005547570
Figure 0005547570
表1および表2に示すように、実施例1〜5では、金属成分と、バインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤と、溶剤とを含み、金属成分が平均粒径0.5μm以上の銀粒子と平均一次粒子径10〜200nmの銀微粒子とからなる導電性ペーストにおいて、分散剤を加えるとともにF値を95より大きくすることにより、従来の導電性ペーストより低い温度(120℃)で加熱しても導電膜の配線を形成することができるとともに、従来の導電性ペーストより体積抵抗率が低く(10μΩ・cm以下の)非常に良好な導電性の導電膜の配線を形成することができ、且つ基板に対する密着性や印刷性に優れた導電性ペーストを得ることができる。
本発明による導電性ペーストは、従来の導電性ペーストより低い温度で加熱しても導電膜の配線を形成することができるとともに、従来の導電性ペーストより体積抵抗率が低く非常に良好な導電性の導電膜の配線を形成することができ、且つ基板に対する密着性や印刷性に優れた導電性ペースト得ることができるので、小型電子機器の微細回路の形成や、電磁波シールドなどに利用することができる。

Claims (12)

  1. 金属成分と、バインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤と、分散剤が添加された溶剤とを含み、金属成分が平均粒径0.5μm以上の銀粒子と平均一次粒子径10〜200nmの銀微粒子とからなり、金属成分とバインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤との総量に対する金属成分が95質量%より多いことを特徴とする、導電性ペースト。
  2. 金属成分と、バインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤と、溶剤とを含み、金属成分が平均粒径0.5μm以上の銀粒子と平均一次粒子径10〜200nmの銀微粒子とからなり、銀微粒子が有機化合物で被覆され、金属成分とバインダー樹脂またはバインダー樹脂および硬化剤との総量に対する金属成分が95質量%より多いことを特徴とする、導電性ペースト。
  3. 前記有機化合物が脂肪酸であることを特徴とする、請求項に記載の導電性ペースト。
  4. 前記有機化合物がカルボン酸であることを特徴とする、請求項に記載の導電性ペースト。
  5. 前記有機化合物がソルビン酸であることを特徴とする、請求項に記載の導電性ペースト。
  6. 前記溶剤が、分散剤が添加された溶剤であることを特徴とする、請求項2乃至5のいずれかに記載の導電性ペースト。
  7. 前記導電性ペーストが、200℃で60分間加熱してバインダー樹脂を硬化させた後の体積抵抗率が10μΩ・cm以下の導電性ペーストであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の導電性ペースト。
  8. 前記銀粒子の平均粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の導電性ペースト。
  9. 前記金属成分中の前記銀微粒子の添加量が1〜70質量%であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の導電性ペースト。
  10. 前記バインダー樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性ペースト。
  11. 前記バインダー樹脂がエポキシ樹脂であり、前記導電性ペーストがさらに硬化剤を含むことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性ペースト。
  12. 前記溶剤が極性溶媒であることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の導電性ペースト。
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