JP5545819B2 - 徐放性農薬粒剤 - Google Patents

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Description

本発明は農薬活性成分を担持した農薬粒剤に関し、農薬活性成分の溶出を制御し、溶出期間を長期化させることにより、所望の期間に亘り農薬効力を持続的に発現させることができる農薬粒剤の製剤技術に関する。また当該粒剤の粒硬度を向上させた農薬粒剤に関し、市場流通過程における保存中及び輸送中での粒の崩壊を抑制し、機械的強度が向上した長期保存安定性に優れた農薬粒剤技術に関する。さらには当該農薬粒剤の散布初期おける農薬活性成分溶出量を抑制し、散布初期から長期間に亘り一定の効力持続を可能にさせた農薬粒剤に関する。詳しくは、農薬活性成分、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体、並びに無機物質を含む農薬組成物を押出造粒した後に、加熱処理して得られる農薬粒剤に関し、水溶解度の高い農薬活性成分の溶出を制御し溶出期間を長期化させ、散布回数を減らし省力化を可能にする農薬粒剤に関する。
近年、農業従事者の高齢化が益々深刻になり、農作業の省力化が求められている。それに伴い農薬も省力散布製剤やその省力的散布方法に関する技術が開発されてきている。さらに環境負荷低減という面から、農薬の使用量及び使用回数の減少と使用期間の早期化が望まれる。これらの要請を受け、農薬活性成分の溶出制御、溶出期間の長期化を目的とした農薬粒剤の開発が行われている。そこで、農薬活性成分の土壌中及び水中における溶出速度を制御する製剤技術の開発が必要となるが、農薬活性成分の溶出を制御する製剤としては、これまでにも様々な農薬基材を用いた製剤が開発されている。これらの中において脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体や、各種ワックスを用いた溶出制御製剤が知られている。例えば特許文献1には20℃における水溶解度が50ppm以上の殺虫活性成分、炭素数が10〜18の高級脂肪酸の炭素数1〜6のアルキルエステル、吸油性粒状担体からなる農薬粒剤が開示されている。また特許文献2にはアルコール型ワックスを含有することを特徴とする農薬粒剤が開示されている。さらに、特許文献3ではモンタンロウ誘導体混合物を含有することを特徴とする農薬粒剤が開示されている。
特開2000−178102号公報 特開平11−292706号公報 特開2000−351705号公報
しかし、特許文献1に示した溶出制御粒剤は、数日から数週間といった長期の溶出制御はできず、十分な生物効果を得られない。特許文献2においては、農薬活性成分の溶出効率が十分でなく、農薬粒剤中に薬物が一部もしくは多くの含量が留まってしまい、一定の施用量において生物効果を得るための十分な溶出が得られないといった欠点があった。また、特許文献3の農薬粒剤の製造方法は、基材であるモンタンロウ誘導体と農薬活性成分を加熱溶融して混合した後に、冷却固化したものを破砕造粒することによって得られる。しかしながら、熱に不安定な農薬活性成分を用いた場合、上記のような加熱溶融工程を含む製造方法では製造することができない。また、モンタンロウ誘導体などの脂肪酸誘導体と農薬活性成分を固体のまま直接混合し、加熱工程を経ずに押出造粒を行うと、得られる粒の硬度が低く、保存や輸送時に粒が割れたり欠けたりすることで粒剤の総表面積が大きくなり望む溶出速度が得られなくなるおそれがある。
本発明の課題は、水溶性の高い農薬活性成分を含有する農薬粒剤において、散布初期における薬剤過剰溶出を抑制し、薬剤の溶出を長期間維持できる農薬製剤を提供することにある。加えて市場流通過程において、粒破砕等がなく粒剤形状が保たれる十分な粒硬度を有し、保存性が良好な粒剤を提供することにある。更には熱分解性農薬活性成分の製剤調製にも適用し得るような、高温または長時間の加熱処理を加える工程を経ることない農薬粒剤の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、農薬粒剤に使用され得る種々の製剤基材や添加剤を用い、様々な製剤調製処方及び条件について鋭意検討した結果、農薬活性成分、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体、並びに無機物質を含有する農薬活性体組成物を造粒してなる農薬粒剤が、水溶解度の高い農薬活性成分の長期間に亘る薬剤溶出を制御できることを見出した。また、当該造粒してなる農薬粒状物を、用いた脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の融点以下の温度で短時間加熱処理することによって、当該農薬粒剤の粒硬度を増強すると共に、製剤散布初期における薬剤の過剰溶出を制御し、散布当初から長期間に亘り薬効力を持続発揮させ得ることを見出した。
すなわち本発明は、
(1) 農薬活性成分(a)、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体(b)、並びに無機物質(c)を含む混合物を造粒した後、前記脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体(b)の融点より低い温度で加熱処理して得られることを特徴とする農薬粒剤、
(2) 脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体(b)が、C8〜C40アルキル鎖カルボン酸及びその誘導体の中から選ばれる1種、または2種以上の混合物である(1)に記載の農薬粒剤、
(3) 脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体(b)として、ヒマシ硬化油、ヒマシ油、及びステアリン酸の混合物である(1)または(2)に記載の農薬粒剤、
(4) 農薬活性成分(a)として、ネライストキシン系農薬活性成分を含む(1)〜(3)のいずれか一項に記載の農薬粒剤、
(5) 無機物質(c)がクレー、タルク、白土、珪藻土、ゼオライト、硫酸バリウム、二酸化チタン、及び非晶質二酸化珪素(ホワイトカーボン)からなる群から選ばれる1種以上である(1)〜(4)のいずれか一項に記載の農薬粒剤、
(6) 農薬活性成分(a)を3〜25質量%、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体(b)を10〜80質量%、並びに無機物質(c)を10〜60質量%を含有する(1)〜(5)のいずれか一項の農薬粒剤、
(7) 粒径が2〜10mmであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載の農薬粒剤、
(8) 界面活性剤(d)を0.1〜10質量%含有する(1)〜(7)のいずれか一項に記載の農薬粒剤、
(9) 水難溶性多糖類(e)を0.5〜20質量%含有する(1)〜(8)のいずれか一項に記載の農薬粒剤、
(10) 加熱処理が50℃以上80℃より低い温度で、60分以内で行われることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか一項に記載の農薬粒剤、
(11) (1)〜(10)のいずれか一項に記載の農薬粒剤に、界面活性剤(d)をコーティングして得られる農薬粒剤、
(12) 農薬活性成分(a)、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体(b)、並びに無機物質(c)を含む農薬組成物を混合する工程、次いでこれを粒状に造粒する工程、その後この造粒物を前記脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体(b)の融点より低い温度で加熱処理する工程、を含むことを特徴とする農薬粒剤の製造方法、
(13) 造粒が縦型押出造粒機によって行われる(12)に記載の農薬粒剤の製造方法、
(14) 加熱処理が50℃以上80℃より低い温度で、60分以内で行われることを特徴とする(12)または(13)に記載の農薬粒剤の製造方法、に関する。
本発明の農薬粒剤は、製剤基材に用いる脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の種類や組合せ組成、及び無機物質の種類や含有量の調整すること、さらにそれら組成物の造粒体を、用いた脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の融点以下で加熱処理することによって、種々の農薬活性成分の溶出速度を制御した農薬粒剤を調製することができる。したがって用いる農薬活性成分の至適濃度、対象とする病害虫、散布時期、作用期間に応じた製剤をデザインすることができ、その結果、用いる農薬活性成分の効力が十分に発揮される農薬粒剤を提供できる。また、加熱処理を経ることにより当該粒剤の粒硬度が向上し、機械的強度安定性が高く、市場流通過程における長期保存性が良好な農薬粒剤を提供できる。加えて当該農薬散布初期における農薬活性成分の過剰溶出が抑制され、散布初期から長期間に亘り薬効力を持続発揮させ得る農薬粒剤を提供できる。
以下に本発明の農薬粒剤及びその製造方法についてより詳しく説明する。
本発明の農薬粒剤に使用される農薬活性成分は、通常、農薬殺虫活性成分または農薬殺菌活性成分であればいずれでもよく、特に制限はない。これらの中でも水の溶解度が高い農薬活性成分が特に適している。具体的には、20℃における水溶解度が0.01〜50質量%程度の親水性物質であり、水中への溶出性が高い傾向にある農薬活性成分が好ましい。農薬活性成分としては、具体的には例えば次のようなものが挙げられるがこれに限定されるものではない。農薬殺虫活性成分としては、例えば1,3−ジカルバモイルチオ−2−(N、N−ジメチルアミノ)−プロパン塩酸塩(カルタップ塩酸塩)、5−ジメチルアミノ−1,2,3−トリチアンシュウ酸塩(チオシクラムシュウ酸塩)、S,S'‐2‐ジメチルアミノトリメチレン=ジ(ベンゼンチオスルホナート)(ベンスルタップ)等のネライストキシン系殺虫剤;1‐(6‐クロロ‐3‐ピリジルメチル)‐N‐ニトロイミダゾリジン‐2‐イリデンアミン(イミダクロプリド)、3‐(2‐クロロ‐1,3‐チアゾール‐5‐イルメチル)‐5‐メチル‐1,3,5‐オキサジアジナン‐4‐イリデン(ニトロ)アミン(チアメトキサム)、(E)‐1‐(2‐クロロ‐1,3‐チアゾール‐5‐イルメチル)‐3‐メチル‐2‐ニトログアニジン(クロチアニジン)、(RS)‐1‐メチル‐2‐ニトロ‐3‐(テトラヒドロ‐3‐フリルメチル)グアニジン(ジノテフラン)、3‐(6‐クロロ‐3‐ピリジルメチル)‐1,3‐チアゾリジン‐2‐イリデンシアナミド(チアクロプリド)、(E)‐N‐(6‐クロロ‐3‐ピリジルメチル)‐N‐エチル‐N'‐メチル‐2‐ニトロビニリデンジアミン(ニテンピラム)、(E)‐N‐[(6‐クロロ‐3‐ピリジル)メチル]‐N'‐シアノ‐N‐メチルアセトアニジン(アセタミプリド)等のネオニコチノイド系殺虫剤;S−メチル−N−[(メチルカルバモイル)オキシ]チオアセトイミデート(メソミル)、2−セコンダリーブチルフェニル−N−メチルカーバメート(BPMC)等のカーバメイト系殺虫剤が挙げられる。農薬殺菌活性成分としては、例えば、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド(プロベナゾール)、1,2,5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(ピロキロン)、(E)−2−メトキシイミノ−N−メチル−2−(2−フェノキシフェニル)アセトアミド(メトミノストロピン)、5−メチル−1,2,4―トリアゾロ[3,4−b]ベンゾチアゾール(トリシクラゾール)、3'-クロロ−4,4'−ジメチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサニリド(チアジニル)、[5−アミノ−2−メチル−6−(2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシシクロヘキシロキシ)テトラヒドロピラン−3−イル]アミノ−α−イミノ酢酸(一般名:カスガマイシン)等が挙げられる。これらの中でも、ネライストキシン系殺虫剤、またはネオニコチノイド系殺虫剤の溶出制御型農薬粒剤を調製するために適用できる。農薬活性成分としてより好ましくはカルタップ塩酸塩、チオシクラムシュウ酸塩である。本発明の農薬粒剤にはこれらの農薬活性成分を単独又は2種以上を併用してもよい。
前記好ましい農薬活性成分であるネライストキシン系殺虫剤、ネオニコチノイド系殺虫剤を適用した場合、これらに対して化学的安定性の面で影響を与えない範囲であれば1種類以上併用することができる。ネライストキシン系殺虫剤、及びネオニコチノイド系殺虫剤と混用し得る好ましい併用薬剤とは、具体的には例えば次のようなものが挙げられる。例えば殺虫活性成分としては、BPMC(2‐sec‐ブチルフェニル‐N‐メチルカーバメート)、MIPC(2‐イソプロピルフェニル‐N‐メチルカーバメート)、NAC(1‐ナフチル‐N‐メチルカーバメート)、ピラクロホス((RS)‐〔O‐1‐(4‐クロロフェニル)ピラゾール‐4‐イル〕‐O‐エチル‐S‐プロピル‐ホスホロチオエート)、ブプロフェジン(2‐tert‐ブチルイミノ‐3‐イソプロピル‐5‐フェニル‐3,4,5,6‐テトラヒドロ‐2H‐1,3,5‐チアジアジン‐4‐オン)、フルシトリネート((RS)‐α‐シアノ‐3‐フェノキシベンジル‐(S)‐2‐(4‐ジフルオロメトキシフェニル)‐3‐メチルブチラート)、メソミル(S‐メチル‐N‐〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミデート)、エトフェンプロックス(2‐(4‐エトキシフェニル)‐2‐メチルプロピル‐3‐フェノキシベンジル−エーテル)、XMC(3,5‐キシリル‐N‐メチルカーバメート)などが挙げられる。殺菌活性成分としては、IBP(O,O‐ジイソプロピル‐S‐ベンジルチオホスフェート)、トリシクラゾール(5‐メチル‐1,2,4−トリアゾロ〔3,4−b〕ベンゾチアゾール)、フサライド(4,5,6,7‐テトラクロロフタリド)、バリダマイシン、プロベナゾール(3‐アリルオキシ‐1,2‐ベンゾイソチアゾール‐1,1‐ジオキシド)、フェリムゾン((Z)‐2'‐メチルアセトフェノン=4,6‐ジメチルピリミジン‐2‐イルヒドラジン)、フルトラニル(α,α,α‐トリフルオロ‐3'‐イソプロポキシ‐O‐トルアニリド)、フラメトピル((RS)‐5‐クロロ‐N‐(1,3‐ジヒドロ‐1,1,3‐トリメチルイソベンゾフラン‐4‐イル)‐1,3‐ジメチルピラゾール‐4‐カルボキサミド、ペンシクロン(1‐(4‐クロロベンジル)‐1‐シクロペンチル‐3‐フェニル尿素、ジクロメジン(6‐(3,5‐ジクロロ‐4‐メチルフェニル)‐3(2H)‐ピリダジノン)、カスガマイシン一塩酸塩などが挙げられる。また、2種以上の農薬活性成分を本発明の農薬粒剤に含有させる場合には、農薬活性成分の種類によっては農薬活性成分が脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の内部構造を粗くする作用が生じる場合があり、この場合、農薬活性成分が水中溶出を調整する効果を発揮する。そのため所望の溶出制御を発現させるためには、用いる農薬活性成分の種類及びその含有量を調整することが好ましい。
本発明の農薬粒剤中の農薬活性成分の含有割合は、通常3.0〜25.0質量%、好ましくは4.0〜15.0質量%である。粒剤中の含有量が3.0質量%に満たない場合は農薬活性成分の十分な効力発現が期待できず、25質量%を超えると農薬活性成分の水中への溶出を十分に制御し得ないために、長期の残効を期待できない。
本発明の農薬粒剤は、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体が製剤基材の一つとして適用される。当該脂肪酸及び脂肪酸誘導体は加工性に優れており、溶融等の加熱工程を経なくても混合及び押出造粒によって均一で所望の粒径及び粒長の粒剤に調製することができる。そのため脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体と農薬活性成分、無機物質、及びその他任意の原材料を均一に混合する場合、加熱溶融し混合する工程を経ることなく農薬粒剤を製造することができ、熱に不安定な農薬活性成分にも適用できる。
本発明に使用できる脂肪酸及び脂肪酸誘導体は、農薬活性成分に対して不活性であれば特に限定されずに使用することができる。本発明に好適な脂肪酸及び脂肪酸誘導体は、C8〜C40アルキル鎖カルボン酸及びその誘導体である。より好ましくはC10〜C30アルキル鎖カルボン酸及びその誘導体である。これらの脂肪酸及び脂肪酸誘導体は、総じて常温固体のものであり、農薬活性成分を含浸保持する粒剤基材として適用できるものである。粒剤調製における加工性及びその後の加熱処理工程条件を勘案すると、当該脂肪酸及び脂肪酸誘導体の融点が45〜100℃の範囲の物性のものが特に好適に使用され得る。より好ましくは、融点が50〜90℃の範囲の脂肪酸及び脂肪酸誘導体が優れた物性の粒剤を調製し得る。
脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸(融点約70℃)、ミリスチン酸(融点約54℃)、ベヘン酸(融点約80℃)、パルミチン酸(融点約63℃)、ラウリン酸(融点約45℃)、等が挙げられる。脂肪酸誘導体の具体例としては、12‐ヒドロキシステアリン酸(融点約75℃)が挙げられる。更には、牛硬化油(融点40〜50℃)、ヒマシ硬化油(融点75〜90℃)、大豆硬化油(融点50〜65℃)、パーム硬化油(融点40〜45℃)、菜種硬化油(融点60〜65℃)といった動物性油脂若しくは植物性油脂等の脂肪酸エステルを水素添加して得られた硬化油なども含まれる。前記例示した脂肪酸及び脂肪酸誘導体の単独使用や、これらの中から選ばれる2種以上の混合物を任意に組み合わせて使用することもできる。2種類以上の脂肪酸及び脂肪酸誘導体を混合物として使用することにより、加工性が向上し、尚且つ好ましい融点範囲に調整することが可能となる。またこれら脂肪酸及び脂肪酸誘導体の選択が、当該農薬粒剤の農薬活性成分の溶出特性に大きく影響を及ぼすものであり、農薬活性成分の至適有効濃度及び時間に応じ、適宜選択し使用することが好ましい。
本発明に係る脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導として、ヒマシ硬化油単独、ヒマシ硬化油とステアリン酸の組合せ、または牛硬化油とステアリン酸の組合せが農薬活性成分の良好な溶出性を示すことから好ましい。これら好適な脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体は、加工性や農薬活性成分との相溶性に優れ、優れた粒剤性能を発揮させる製剤基材である。特にヒマシ硬化油は、融点が最も高く熱化学的安定性に優れる点で、本発明に係る農薬粒剤の好適な主基材として選択される脂肪酸及び脂肪酸誘導体として挙げることができる。
また前記の脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体と共に、ヒマシ油、菜種油、パーム油、大豆油、綿実油、亜麻仁油等の常温液体性の植物性脂肪酸誘導体を適宜添加することは、本願に係る農薬粒剤の造粒性が向上する事から好ましい。しかしながら当該植物性脂肪酸誘導体の混用は、当該粒剤硬度を低下させる懸念もあることから、その添加は粒剤中に0.05〜10質量%の範囲において用いられるものである。当該粒剤の造粒性向上と粒硬度の両立の観点から、当該農薬粒剤中で0.1〜5質量%の適用がより好ましい。
脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体は、本発明の農薬粒剤中に10〜80質量%の割合で含有させることができる。好ましくは20〜70質量%である。10質量%未満では脂肪酸及び脂肪酸誘導体による溶出制御効果が期待できず、また農薬粒剤の形状に成形することが困難となる。また80質量%を超えると、農薬活性成分が十分に水中に溶出されず、粒剤中に農薬活性成分が残留するため、十分な効果が発揮できない可能性がある。本発明に係る農薬粒剤において、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の含量を多くすると薬剤溶出速度が遅く制御された粒剤を調製できる。逆に脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の含量を少なくすると、早い薬剤溶出パターンを示す粒剤を調製できる。
本発明の農薬粒剤は無機物質を含有する。当該無機物質は、本発明に係る農薬粒剤の内部の構造を粗くする作用を有し、粒剤内部に分散存在する農薬活性成分の水中への溶出を促進するとともに、その溶出速度を適宜調整する機能を担うものである。更に、当該農薬粒剤の比重を調整し、当該農薬粒剤の水中沈降性を付与させるものである。脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体を製剤基材として適用した農薬粒剤は、基材の比重が1に近く、その比重軽さと基材由来の撥水性によって、水田等の湛水圃場に散布した場合、該粒剤が水面に浮遊する。水面に浮遊した該粒剤は、風の影響を受けて圃場の一部に局在化して効力が不均一になるだけでなく、水流の影響を受けて圃場から流亡し、期待される効力を発揮できないおそれがある。当該無機物質は、比重の軽さによる効力不均一及び効力低下を防ぐために機能するものであり、水田等の湛水圃場に散布した場合に速やかに水中に沈降させる作用を付与させるものである。
本発明に用いられる無機物質はクレー、珪石、タルク、白土、珪藻土、アッシュメント、非晶質二酸化珪素(通称:ホワイトカーボン)、硫酸バリウム、二酸化チタン、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどから選ばれる1種または2種以上の組合せで用いられるが、農薬活性成分の安定性を損なうものでなければこれに限るものではない。無機物質の粒径は様々なものが使用できるが、その中でも20μm〜200μmのものが製造上及び/又は農薬活性成分の溶出を促す作用を導き出すのに好ましい。
当該無機物質は本発明の農薬粒剤中に10〜60質量%の割合で含有させることができる。好ましくは20〜50質量%である。10質量%未満では比重調整の効果が期待できず、60質量%を超えると農薬活性成分の溶出制御が困難となるばかりでなく、農薬粒剤としての形状に成形することが難しくなる。
本発明の農薬粒剤は任意成分として界面活性剤を含有し得るものである。当該界面活性剤は、ノニオン性及び/又はアニオン性界面活性剤が適用される。アニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤は、湛水圃場に本発明に係る農薬粒剤を散布した際、その水親和性によって本発明の農薬粒剤の撥水性を抑えて水中沈降性を改善し、速やかに水中に沈降する機能を付与させるものである。また、本発明に用いられる界面活性剤は、当該農薬粒剤の親水性を高めて、粒内部に存在する農薬活性成分の水中への溶出を適宜調整する役割をも有する。本発明に用いられるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレートなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。農薬活性成分の安定性を損なうものでなければこれら例示物質に限るものではない。これらノニオン性及びアニオン性界面活性剤の群より選ばれる1種又は2種以上の組合せによって水中沈降性効果を発揮することができる。
当該界面活性剤がその効果を発揮する使用の形態は、農薬活性成分やその他原材料と共に混合して押出造粒して農薬粒剤に形成してもよいし、農薬活性成分やその他原材料を混合、押出造粒してできた農薬粒剤の粒表面に界面活性剤を均一にコーティングすることも可能である。また、その両方を併用することも可能である。
当該界面活性剤は本発明の農薬粒剤中に0.1〜10質量%の割合で含有させることができる。より好ましくは0.3%〜10質量%である。0.1質量%未満では当該農薬粒剤を水中に沈降させるには足りず、10質量%を超えると良好な水中沈降性は得られるものの、界面活性剤によって農薬活性成分の水中溶出速度が大幅に促進されるため、溶出制御が困難になる。
本発明の無機物質及び/又は界面活性剤は、当該農薬粒剤に良好な水中沈降性を付与すると共に、農薬活性成分の水中溶出速度を調整する役割を果たしている。無機物質及び/又は界面活性剤の含有量を適宜調整することにより、粒剤への成形を困難にすることなく良好な水中沈降性を保ちつつ所望の水中溶出速度を有する農薬粒剤を得ることができる。通常、本発明の農薬粒剤は農薬活性成分を3〜25質量%、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体を10〜80質量%、無機物質を10〜60質量%を含有し、この範囲内で適宜調整することで所望の水中溶出速度を得ることができる。加えて、当該農薬粒剤には界面活性剤を0.1〜10質量%の割合で含有することができ、当該農薬粒剤の水中沈降性ならびに農薬活性成分の水中溶出速度を適宜調整することができる。界面活性剤は、農薬活性成分、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体、無機物質で構成される農薬粒剤の、粒表面にコーティングして適用される。また、界面活性剤を農薬組成物中に合わせて混合し、これを造粒する形態も挙げられる。若しくは、界面活性剤を含んだ農薬組成物造粒体に、更に粒表面に界面活性剤をコーティングして適用される。
本発明の農薬粒剤は、前記農薬組成物(農薬活性成分、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体、無機物質、必要により界面活性剤、及び水難溶性多糖類)を混合し、粒状に造粒する事により成形されるものである。粒状に造粒する方法は特に限定されるものではないが、前記農薬組成物の混合物を調製し、これを押出成形する方法が、粒剤成形方法及び製造操作上において好ましい。当該農薬粒剤は、前記農薬組成物の混合物を押出造粒機によって圧縮形成することにより得られるものであり、水や結合剤といった形成助剤の使用、若しくは製剤基材溶融工程を必要としない。したがって、水や熱による分解が懸念される比較的化学的安定性が低い農薬活性成分の、造粒成形にも適用できるものである。
本発明の農薬粒剤の成形体調製工程に用いられる押出造粒機は、縦型押出造粒機が好ましく、原材料をよく混合した後に当該造粒機に投入して造粒する。このとき、ダイスの厚さが10mm以上、粒剤粒径が2〜10mmであることが粒剤を製造する上で重要になる。ダイスの厚さが10mmに満たない場合、原材料にかかる圧力が足りず粒剤としての形に成形することが困難となる。また、粒径が2〜10mmの範囲外の場合、やはり原材料にかかる圧力が足りず粒剤として成形することが難しくなる。縦型押出造粒機は、一般に被造粒組成物に圧力をかけて水平に設置されたダイスから押出して造粒する機器の一般名称で、ディスクペレッター(不二パウダル社製)等が挙げられる。
農薬組成物を造粒する際、その粒剤粒径は好ましくは2〜10mmが適用される。2mm未満では造粒の際に当該農薬組成物にかかる圧力が足りず、粒剤としての形に成形することが困難となる。また、水田に散布する際に風などの影響を受けて当該農薬粒剤が狙う水田以外の畦畔等に落下するおそれがある。10mmを超える場合も造粒が難しくなるばかりか、単位面積当たりの散布粒数が少なくなり散布ムラや効力が不均一化する等の問題が起きるおそれがある。
本発明の農薬粒剤は、前記農薬組成物を混合し、押出成形方法により粒状に造粒する事により成形されるものである。しかしながら、造粒工程においてできた造粒物の粒硬度が一定せず、硬度の低い粒が少量ながら混在する場合がある。本発明に係る脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体は、加工性において良好な物性である半面、得られる粒剤成形体の粒硬度不足が生じる場合がある。このような現象を改善し、溶融工程を経ずに十分な硬度を持った均質な粒剤を得る方法として、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体と農薬活性成分、並びに無機物質を良く混合したものを押出造粒機で造粒した後、得られた造粒物を、用いた脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の融点以下の温度で加熱処理する工程を採用することで、得られる粒剤硬度が向上することを見出した。加熱処理工程を経ることにより、当該農薬粒剤成形体中で分断されていた脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体が、効果的なネットワークを構築することにより粒硬度が向上するものと考えられる。
粒状成形体の加熱処理は、恒温槽や流動層乾燥機により施されれるものであるが、当該粒状成形体が一様に加熱される機器であればこれに限るものではない。なお、本明細書で言う加熱温度は、粒を包囲する雰囲気の温度を指すものとする。従って、恒温槽の場合は、目的の温度になったことを確認した後、当該農薬組成物の造粒物を槽内に所望の時間だけ静置する。流動層乾燥機の場合は流動層内に当該農薬組成物の造粒物を投入し、運転開始後、流動槽内が目的とする温度で一定となってから適切な時間、流動層内で加熱処理を行う。加熱温度は室温以上であり、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上であり、粒剤を構成する脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の融点以下である必要がある。製剤基材として採用する脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体がC8〜C40アルキル鎖カルボン酸である場合、加熱処理温度は40〜90℃にて行なわれる。
より具体的な例として、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体がヒマシ硬化油、ヒマシ油、及びステアリン酸の混合物である場合、加熱処理温度は50℃以上で80℃より低い温度であり、好ましくは75℃以下である。より好ましくは50〜75℃であり、更に好ましくは55〜70℃である。80℃以上では当該農薬粒剤成形体の表面が融解し、粒剤同士付着してブロッキング現象を起こしてしまい農薬粒剤として不具合をもたらす。また50℃未満では、加熱による当該農薬粒剤の構造改良の効果は期待できない。粒の加熱時間は、少なくとも当該粒表面が改質されるごく短時間で良い。加熱時間は加熱処理機器の性能容量にも依存するものであるが、60分以内が適切である。好ましくは15秒以上で45分以内であり、より好ましくは30秒以上で30分以内である。
上記の加熱処理工程は粒硬度増強作用だけでなく、農薬製剤散布直後における、初期の農薬有効成分の過剰溶出を抑制する働きがある。縦型押出造粒機による造粒で得られた粒の底面は切断面で形成されており、表面が粗く当該農薬粒剤表面積が大きい。更には粒剤の粗表面は粒剤内部への水の侵入を許し、溶出速度、特に散布直後の溶出速度を速める傾向がある。当該農薬粒剤を、用いた脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の融点以下の温度で加熱処理することにより、農薬粒剤基材の表面が融解し表面改質され、粒をあたかも継ぎ目のないカプセルのようにすることができる。この結果、当該農薬粒剤の散布直後における薬剤過剰溶出を抑制できる。必要以上の農薬活性成分を散布直後の一時に溶出させず、長期間効力を持続させることができる効果を発揮する。
本発明に係る農薬粒剤は、更に粒硬度を向上させることを目的として製剤中に水難溶性多糖類を加えることができる。水難溶性多糖類は、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体を基材とする当該農薬粒剤中でネットワークを形成して、粒の硬度を高める機能を有する。更に圧縮成形性を付与して、押出造粒による圧縮で硬度を持った粒剤が得られる。粒剤の加熱処理により当該農薬粒剤の粒硬度は向上するが、水難溶性多糖類を更に添加することにより、当該農薬粒剤の粒硬度は十分に担保されたものとなる。
本発明の農薬粒剤に用いられる水難溶性多糖類としては結晶セルロース、水不溶性ペクチン、キチン・キトサン等が挙げられるが、押出造粒による造粒性を向上し得るもので、当該農薬粒剤中の農薬活性成分の安定性を損なうものでなければこれに限るものではない。水難溶性多糖類の平均粒子径は1〜45μmのものを用いることができる。好ましくは平均粒径5〜20μmである。当該農薬粒剤には水難溶性多糖類を0.5〜20質量%用いることで十分な硬度を与えることができる。0.5質量%未満では水難溶性多糖類による圧縮形成性と硬度を与えることができない。また、20質量%を超えると農薬粒剤としての形状に成形することが難しくなる。
当該農薬粒剤の硬度は、全農が制定した「農薬製剤の製品規格および規格試験法」(昭和62年12月改定)により定められた試験方法により規定される。具体的な試験方法は以下の通りである。当該農薬粒剤100gをボールミル用磁製ポット(内径100×内深100mm)に入れる。次に磁製玉(直径30±2mm、質量35g±3g)を任意に3個取り、3個分の全質量が105gとし、ポットに入れる。ふたをし、予め回転を調整(75rpm)しておいた可変ローラーの上にポットを置き、正しく15分間回転させる。回転が終了したら中身を取り出し、標準篩500μmで篩い、通過した微粉を上皿天秤で量る。硬度は次の式で表され、値の小さいものほど硬度が高いということができる。
硬度(%)=500μm通過微粉量(g)/100(g)×100
前記農薬粒剤硬度試験方法において硬度が不十分である場合、市場流通における製剤保管及び輸送中において、粒が割れたり欠けたりすることが懸念される。その場合、粒剤の総表面積が大きくなり、所望の溶出速度や水沈降性が得られなくなるおそれがある。本発明に係る農薬粒剤は、前記の粒剤硬度試験方法において、粒剤硬度が7.0%以下の物性を示すことを特徴とする。更に過酷な市場流通を考慮すると、粒剤硬度が5.0%以下の物性であることがより好ましい。本発明に係る農薬粒剤は十分な機械強度を示すものであり、輸送及び保管を含めた一般市場流通条件に耐えうる安定性に優れた物性を有する。
本発明の農薬粒剤の好ましい製造方法は以下の2通りがある。
1) 農薬活性成分、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体、無機物質、及び場合によっては水難溶性多糖類を混合し農薬組成混合物を調製する工程、次いで前記農薬組成混合物を造粒機に投入して粒状成形体に造粒する工程、その後得られた粒状成形体を加熱処理する工程、を含むものである。更にこの加熱処理した農薬粒剤の表面に、界面活性剤をコーティングする工程が任意に加えられる。
2) 農薬活性成分、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体、無機物質、界面活性剤、及び場合によっては水難溶性多糖類を混合し農薬組成混合物を調製する工程、次いで前記農薬組成混合物を造粒機に投入し粒状成形体に造粒する工程、その後得られた粒状成形体を加熱処理する工程、を含むものである。更にこの加熱処理した農薬粒剤の表面に、界面活性剤をコーティングする工程が任意に加えられる。
農薬組成混合物を調製する工程において、その混合方法は各農薬組成成分が十分混合できる方法であれば特に限定されない。具体的にはニーダーやスパルタンリューザー、リボンミキサーなどが使用できる。一般的に、押出成形法による農薬粒剤の調製において、農薬活性成分や製剤基材、添加物等の農薬組成物を混合する場合、混練性を高め、各成分を結着させる目的で、水や水溶性高分子バインダー水溶液を加えて混合する。しかしながら、本発明に係る農薬粒剤は、用いる基材が加工性に優れる脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体であり、水を加えることなく十分に混合することができるものである。特に水溶性の農薬活性成分を用いる場合、製剤調製過程において水を添加することは、得られる製剤物性に好ましくない影響を及ぼすことが懸念される。すなわち造粒時の加圧状態で農薬活性成分の少なくとも一部を溶解した水が農薬組成混合物内に均一に分散せず、特に粒剤の表面に薬剤の局在化をもたらし、農薬組成混合物内に農薬活性成分が均一に分散しない現象をもたらす。このため均質な農薬組成混合物が得られず、所望の製剤特性が発揮されないものとなる。したがって本願に係る農薬粒剤の調製の混合工程において水を添加しないことは、製剤特性を発揮させる上で重要である。
農薬組成混合物を造粒する工程は、前記縦型押出造粒機による方法が好ましい。具体的にはディスクペレッターの使用が挙げられる。粒状成形体を加熱処理する工程は、当該粒状成形体雰囲気を所定の温度で維持できる方法であれば特に問題はなく、縦型押出造粒機によって得られた粒状形成体を均一に広げた状態で恒温槽に静置または流動層乾燥機で処理する方法が挙げられる。
上記の方法で得られた粒剤の表面に界面活性剤をコーティングする方法としては、コンクリートミキサーやコーティングパンなどが用いられる。ミキサーに、上記の方法で得られた粒剤、界面活性剤の順に投入し、内部を撹拌することで粒剤表面に均一に界面活性剤をコーティングすることができる。
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。また農薬活性成分として供試したチオシクラムシュウ酸塩の純度は約89.9%であった。
実施例1
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて55℃、5分間処理した。これをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
実施例2
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて60℃、5分間処理した。これをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
実施例3
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて60℃、10分間処理した。これをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
実施例4
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて65℃、1分間処理した。これをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
実施例5
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて65℃、5分間処理した。これをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
実施例6
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて70℃、5分間処理した。これをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
実施例7
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて75℃、5分間処理した。これをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
実施例8
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて50℃、10分間処理した。これをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
比較例1
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものをコンクリートミキサーに投入し、レオドールTW−O120V(商品名、花王社製、POEソルビタンモノオレート)0.3質量部をコーティングし、チオシクラムシュウ酸塩8.3%粒剤を得た。
比較例2
チオシクラムシュウ酸塩9.2質量部及びステアリン酸13.1質量部、ヒマシ硬化油24.8質量部、シルト#500(商品名、丸中白土社製、白土、平均粒子径:約40μm)50.0質量部、ヒマシ油0.35質量部、NPファイバー(商品名、日本製紙ケミカル社製、微粉結晶セルロース、平均粒子径:10μm)2.5質量部をよく混合したものをディスクペレッター(商品名、不二パウダル社製、縦型押出造粒機、ダイス厚さ15mm、粒径4.0mm)に投入して造粒し、3mm(7メッシュ)の篩で篩別したものを流動層乾燥機(ミゼットドライヤー、MDD−400N型、不二パウダル社製)にて80℃、1分間処理したところ、粒同士が付着するブロッキング現象が起き、農薬粒剤として不適格であった。
試験例1 硬度試験
農薬粒剤100gをボールミル用磁製ポット(内径100×内深100mm)に入れる。次に磁製玉(直径30±2mm、質量35g±3g)を任意に3個取り、3個分の全質量が105gとし、ポットに入れる。ふたをし、予め回転を調整(75rpm)しておいた可変ローラーの上にポットを置き、正しく15分間回転させる。回転が終了したら中身を取り出し、標準篩500μmで篩い、通過した微粉を上皿天秤で量る。硬度は次の式で表され、値の小さいものほど硬度が高いということができる。
硬度(%)=500μm通過微粉量(g)/100(g)×100
試験例1の結果を表1に示した。
表1 各農薬粒剤の硬度
硬度(%)
実施例1 4.7
実施例2 2.9
実施例3 2.8
実施例4 2.9
実施例5 2.8
実施例6 4.9
実施例7 4.0
実施例8 6.2
比較例1 8.7
試験例2 初期薬剤溶出試験
本発明の粒剤0.5gを100mL共栓付き三角フラスコに入れ、100mLの蒸留水を静かに注ぐ(粒剤中の全てのチオシクラムシュウ酸塩が水中に溶出した場合500ppmとなる)。これを25℃恒温槽に2時間静置後、水中に溶出したチオシクラムシュウ酸塩の量をHPLCにより測定した。
試験例2の結果を表2にまとめた。
表2 粒剤からのチオシクラムシュウ酸塩の初期水中溶出量
チオシクラムシュウ酸塩濃度(ppm)
実施例1 40
実施例2 25
実施例3 18
実施例4 25
実施例5 24
実施例6 35
実施例7 36
実施例8 32
比較例1 53
試験例3 経時的薬剤溶出量試験
本発明の粒剤0.5gを100mL共栓付き三角フラスコに入れ、100mLの蒸留水を静かに注ぐ(粒剤中の全てのチオシクラムシュウ酸塩が水中に溶出した場合500ppmとなる)。これを25℃恒温槽に一昼夜静置後、水中に溶出したチオシクラムシュウ酸塩の量をHPLCにより測定した。その後、フラスコ内の全ての水を除き、改めて100mLの蒸留水を静かに注ぎ、25℃恒温槽に一昼夜静置した。この操作を繰り返し、チオシクラムシュウ酸塩の24時間毎の溶出量を経時的に測定した。
試験例3の結果を表3にまとめた。
表3
粒剤からのチオシクラムシュウ酸塩の24時間水中溶出量
チオシクラムシュウ酸塩濃度(ppm)
実施例6 比較例1
1日後 95 132
3日後 23 29
5日後 21 22
7日後 20 16
10日後 14 11
14日後 12 7
表1に示すように、実施例の何れの製剤例においても粒剤硬度が6.5%以下の硬度を示した。したがって保存及び輸送中に粒が割れたり欠けたりする懸念が少ないものであった。この結果から当該農薬粒剤は市場流通過程における粒破砕が少なく、農薬活性成分の溶出性能等の粒剤品質低下の懸念が少ない事が示された。
また表2に示すように、本発明の農薬粒剤は散布後2時間の農薬活性成分の溶出量が40ppm以下であった。すなわち、農薬粒剤散布初期の農薬放出率が8%以下に抑えられた製剤であった。一方、加熱処理工程を行なわない比較例1では、初期薬剤溶出量が53ppmと認められた。初期薬剤溶出量が多い場合、農薬活性成分による農作物への薬害が懸念される。加えて、粒剤内に滞留する農薬活性成分量が少なくなり、効力の長期持続が期待できなくなる。本願に係る農薬粒剤は初期薬剤溶出量が抑制されており、これら課題を解決できることが示された。
さらに表3に示した経時的な薬剤溶出量分析では、実施例6の1日目の農薬放出量が比較例1よりも低く抑えられていた。更に実施例6の14日後の農薬放出量は、比較例1より高い結果であった。実施例6は粒剤内に農薬活性成分が確実に保持されていることを示しており、初期の薬剤溶出が抑え、尚且つ散布後長時間経過後も粒剤からの薬物放出の持続が達成されていた。
試験例1〜3の結果を総合すると、本願に係る農薬粒剤は、粒剤硬度と初期溶出抑制効果に相関があり、農薬組成物の造粒体の加熱処理によりこれら粒剤物性を規定できるものであった。すなわち加熱処理により当該粒剤の表面改質がなされ、粒硬度が向上すると共に、薬剤溶出制御作用に寄与する効果が得られた。加熱処理の温度及び時間条件を変えることで、所望の溶出制御特性を持った農薬粒剤が得られる事が示唆された。
本発明に係る農薬粒剤は、農薬有効成分の溶出を制御した機能性農薬製剤であり、農園芸産業において、農薬の溶出期間を長期化させることにより散布回数を減らし省力化を可能とする農薬製剤として適用されるものである。当該農薬粒剤は粒硬度が高く、機械的強度が保たれ、輸送環境下及び長期保存条件下において粒の粉砕現象が抑えられる。したがって所定の製剤特性が担保された薬剤溶出制御型農薬粒剤として適用されるものであり、農園芸用殺虫製剤、殺菌製剤、殺ダニ製剤、除草性製剤として適用され得るものである。

Claims (10)

  1. 農薬活性成分(a)を3〜25質量%、ヒマシ硬化油及びステアリン酸の混合物(b)を10〜80%、並びに無機物質(c)を10〜60質量%含む混合物を造粒した後、前記ヒマシ硬化油及びステアリン酸の混合物(b)の融点より低い温度で加熱処理して得られることを特徴とする農薬粒剤。
  2. 無機物質(c)がクレー、タルク、白土、珪藻土、ゼオライト、硫酸バリウム、二酸化チタン、及び非晶質二酸化珪素(ホワイトカーボン)からなる群から選ばれる1種以上である請求項に記載の農薬粒剤。
  3. 粒径が2〜10mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の農薬粒剤。
  4. さらに界面活性剤(d)を0.1〜10質量%含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の農薬粒剤。
  5. さらに水難溶性多糖類(e)を0.5〜20質量%含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の農薬粒剤。
  6. 加熱処理が50℃以上80℃より低い温度で、60分以内の範囲で行われることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の農薬粒剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の農薬粒剤に、界面活性剤をコーティングして得られる農薬粒剤。
  8. 農薬活性成分(a)を3〜25質量%、ヒマシ硬化油、及びステアリン酸の混合物(b)を10〜80%、並びに無機物(c)を10〜60質量%含む農薬組成物を混合する工程、次いでこれを粒状に造粒する工程、その後この造粒物をヒマシ硬化油、及びステアリン酸の混合物(b)の融点より低い温度で加熱処理する工程を含むことを特徴とする農薬粒剤の製造方法。
  9. 造粒が縦型押出造粒機によって行われる請求項に記載の農薬粒剤の製造方法。
  10. 加熱処理が50℃以上80℃より低い温度で、60分以内の範囲で行われることを特徴とする請求項またはに記載の農薬粒剤の製造方法。
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