JP5544023B2 - ポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法及びこれにより製造される固体触媒 - Google Patents

ポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法及びこれにより製造される固体触媒 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィンを製造するために使用される触媒に関し、特にポリプロピレン重合用チーグラー・ナッタ系固体触媒の製造方法に関する。
既存のポリオレフィン重合用触媒は、使用される中心金属の種類によって、チーグラー・ナッタ系触媒、クロム系触媒及びメタロセン系触媒に区分される。これらの触媒は、触媒活性、ポリマーの分子量分布特性及び共単量体に対する反応特性が互いに異なるため、それぞれの製造工程及び応用製品に応じて選択的に使用されている。
この中でも、チーグラー・ナッタ系の触媒が最も多く使用されており、チーグラー・ナッタ系触媒は、担体の種類によって、マグネシウム担持型触媒とシリカ担持型触媒とに区分される。
前記マグネシウム担持型触媒の製造法としては、2つの方法が挙げられる。第一の方法では、マグネシウム化合物をアルコール、アミン、エーテル、エステル、カルボン酸などのような電子供与体と反応させてマグネシウム化合物溶液を製造し、このように製造されたマグネシウム化合物溶液を、先ず噴射乾燥、真空乾燥、スプレー乾燥などの方法によって固体形態のマグネシウム化合物にした後、これをチタン化合物と反応させることで最終的に重合用固体触媒を製造する。また、第2の方法では、前記マグネシウム化合物溶液を溶液状態にしてチタン化合物と反応させることで固体触媒を製造する。
しかし、第1の方法は、噴射乾燥などの方法により、先ず球形の固体触媒担持体を製造しているため、最終的に製造される触媒が球形の固体形状となり得るという長所を持つが、第2の方法に比べて複雑な製造工程を経る必要があり、製造された固体触媒の粒子サイズ分布が広いという短所を持っている。
これにより、最近、噴射乾燥方法に比べて製造工程が簡単である、マグネシウム化合物溶液とチタン化合物とを直接反応させて固体触媒を得ることができる第2の方法に関する研究が盛んに行われている。
これと関連して、特許文献1には、マグネシウム化合物をポリカルボン酸エステル化合物を含むチタン化合物で一次処理して固体状のマグネシウム化合物を得て、これを70〜130℃の温度で加熱して固体成分を分離し、分離された固体成分をチタン化合物で再処理することで触媒を製造する方法が示されている。しかし、この技術は、製造工程中、チタンハライド化合物を相当量使用する必要があり、その工程が複雑で、この方法で重合されたポリプロピレン(プロピレン重合体)は、0.45g/ml以下の低い見掛け密度を有するという短所がある。
また、特許文献2は、アルファオレフィン重合用固体チタン触媒の製造方法に関するものであって、マグネシウムハライド化合物を環状エーテル及び1種以上のアルコール混合溶媒に溶解後、このように得られたマグネシウム化合物溶液をチタンアルコキシハライド化合物とハロゲン元素を含む炭化水素と反応させて担体を製造し、製造された担体をチタン化合物及び電子供与体と反応させてアルファオレフィン重合用固体錯物のチタン触媒を製造することを特徴としている。しかし、このような技術で製造された触媒を使用して重合されたポリプロピレンは、やはり0.43g/ml以下の低い見掛け密度を有するという短所がある。
米国特許第6,323,150号明細書 米国特許出願公開第2007/0298964号明細書
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、単純な製造工程を通じて高活性のポリプロピレン重合用固体触媒を高収率で製造することにある。
本発明の他の目的は、上述の固体触媒を用いてポリプロピレンを重合することにより、高い活性と高い見掛け密度特性を有するポリプロピレンを製造することにある。
上記のような目的を達成するための本発明に係るポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法は、(a)マグネシウムハライド化合物をアルコールと反応させた後、フタル酸化合物を添加してマグネシウム化合物溶液を準備するステップ、(b)脂肪族または脂環族炭化水素溶媒と芳香族炭化水素溶媒とを混合させて混合溶媒を製造し、製造された前記混合溶媒にチタン化合物を分散させた後、準備した前記マグネシウム化合物溶液と反応させ、加熱して担持体を生成するステップ、及び(c)前記担持体をチタン化合物及び電子供与体と反応させ、固体生成物を得るステップを含むことを特徴とする。
また、本発明の他の実施形態は、上述の製造方法により製造されたポリプロピレン重合用固体触媒であることができる。ここで、前記固体触媒は、10〜30μmの範囲内の粒子サイズを有することが好ましく、また、球形形状を有することがさらに好ましい。
以下、上述のような本発明をより詳細に説明する。
なお、本発明において、「重合」は、単独重合だけでなく、共重合をも含む意味であり、また「重合体」は、単独重合体だけでなく、共重合体をも含む意味である。
また、本発明において、「ポリプロピレン」は、プロピレンの単独重合体又は2〜18個の炭素原子を有する他のα−オレフィンのブロック又は不規則共重合体などを含む。前記他のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテンなどが挙げられる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンの量は、プロピレンのモルに対して0〜50モル%の範囲内であることが好ましい。
<ポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法及びこれにより製造されたポリプロピレン重合用固体触媒>
1.マグネシウム化合物溶液の準備
本発明に係るポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法は、マグネシウムハライド化合物をアルコールと反応させ、ここにフタル酸化合物を添加してマグネシウム化合物溶液を準備するステップを含む。
すなわち、マグネシウムハライド化合物を、1種以上の炭化水素溶媒の存在下又は非存在下で、アルコールに溶解させて高温で均質な溶液を製造した後、ここにフタル酸無水物や1,2−フタロイルジクロライド化合物のようなフタル酸化合物を添加してマグネシウムハライド溶液を製造する。
なお、前記マグネシウムハライド化合物のアルコールとの反応は、前記マグネシウムハライド化合物を炭化水素溶媒の存在下でアルコールと反応させることが好ましいが、この場合、少量のアルコールを使用しながらもマグネシウムハライド化合物とアルコールとの均質な溶液を得ることができる。すなわち、マグネシウムハライド溶液は、最終的に低温に維持した状態でチタン化合物と反応させて固体生成物を製造するが、もし、マグネシウムハライド化合物をアルコールのみで溶融させ、低温で冷却させて均質な溶液を製造する場合は、過量のアルコールを使用する必要がある。しかし、アルコールと共に炭化水素溶媒を使用すれば、アルコールの添加量を低減することができる。また、アルコールの添加量が多くなるほどマグネシウムハライド化合物と反応させるチタン化合物の量を増加させる必要があるため、炭化水素溶媒の存在下でアルコールと反応させることが好ましい。
本発明において使用される前記マグネシウムハライド化合物としては、還元性を有しない化合物であって、塩化マグネシウム、二塩化マグネシウム、フッ化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フェノキシマグネシウムクロライド、イソプロキシマグネシウムクロライド、ブトキシマグネシウムクロライド等を使用することができ、その中でも、二塩化マグネシウムが、主活性金属である四塩化チタンと構造的及び配位的に安定的でかつ高活性を示すことができるため、好ましく使用される。
また、前記マグネシウムハライド化合物と反応するアルコールとしては、特に限定されないが、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、デカノール、ドデカノール、2−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族または脂環族アルコール;シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどの 脂環族アルコール;ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、イソプロピルベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコールなどの芳香族アルコールを使用することができ、この中でも、脂肪族または脂環族アルコールまたは炭素数2以上のアルコールを使用することが好ましく、具体的には、2−エチルヘキサノールを使用することがさらに好ましい。すなわち、炭素数の少ないアルコールは、炭化水素溶媒と混合されないため、均質なマグネシウムハライド化合物溶液の製造に難があり、炭化水素溶媒との混合性が良くなるように分枝のある炭素数2以上、具体的には、炭素数6以上のアルコールを使用することが好ましい。
このようなアルコールの投入量は、マグネシウムハライド化合物1モルに対して1〜10モルの範囲内、特に2〜6モルの範囲内の比率で反応させることが好ましい。アルコールの投入量が1モル未満の場合は、マグネシウムハライド化合物を均質な溶液にすることができず、10モルを超える場合は、マグネシウム化合物溶液をチタン化合物溶液と反応させて固体担持体を得る時、チタン化合物の使用量を必要以上に増加させる必要がある。
前記マグネシウムハライド化合物とアルコールとは、炭化水素溶媒の存在下で反応する場合、均質な溶液とすることが容易であり、このとき、使用し得る炭化水素としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ミネラルオイルなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素などを含む溶媒であることができる。より具体的には、均質なマグネシウムハライド化合物溶液を製造するため、炭素数5〜20の脂肪族または脂環族炭化水素が好ましく、その中でも炭素数6〜17の脂肪族または脂環族炭化水素溶媒が最も好ましい。なお、炭化水素溶媒の使用量については、前記反応するアルコールに対して0.2〜2モルの範囲内の比率で存在するように使用することが好ましい。炭化水素溶媒の使用量が上記の範囲未満であると、低温で均質なマグネシウムハライド溶液を得ることが難しく、上記の範囲を超えると、工程上の反応器容量が大きくなり、チタン化合物との反応時、反応器の温度を低温に維持するのに難がある。
また、前記マグネシウムハライド化合物をアルコールに溶解させる溶解温度は、70〜150℃が好ましく、溶解温度の上限は、好ましくは、使用する炭化水素溶媒の沸点より高くならないようにする。また、溶液全体の分散のために、反応器に撹拌機を取り付けて十分な撹拌を行うようにすることができる。
上述のようにマグネシウムハライド化合物がアルコールに完全に溶解した後は、フタル酸化合物を添加して十分な時間の間維持した後、得られたマグネシウム化合物溶液を安定的に保管するため、40℃以下に冷却することが好ましい。ここで、前記フタル酸化合物は、沈殿促進剤の役割を果たすもので、触媒の沈殿を促進し、これにより製造される触媒の収率を高めることができるフタル酸無水物又は1,2−フタロイルジクロライドであることが好ましい。このときに添加されるフタル酸化合物の量は、前記マグネシウムハライド化合物1モル当たり0.03〜3モルの範囲内の比率で添加されることが好ましい。
2.担持体の生成
本発明は、脂肪族または脂環族炭化水素溶媒と芳香族炭化水素溶媒とが混合され、チタン化合物が分散された混合溶媒を、上記で準備したマグネシウム化合物溶液と反応させた後、加熱して担持体を生成するステップを含む。
すなわち、上記のように準備したマグネシウム化合物溶液を、2種以上の炭化水素溶媒に分散されたチタン化合物と反応させて固体担持体を形成する。このため、別の反応器で低温の1種以上の脂肪族または脂環族炭化水素溶媒と1種以上の芳香族炭化水素溶媒とを混合させ、ここにチタン化合物を分散させる必要があり、その後、これに上記で準備したマグネシウム化合物溶液を投入する。
ポリプロピレン重合用触媒においては、触媒活性点の均一度が非常に重要であり、一般に、触媒活性点の均一度を向上させるためには、マグネシウム化合物溶液とチタン化合物とを反応させて形成された固体生成物を、チタン化合物単独又は電子供与体と共に2回以上反応させる必要がある。しかし、本発明では、マグネシウム化合物溶液とチタン化合物とを反応させて得られた固体生成物をチタン化合物と電子供与体で1回のみ反応させても、触媒活性点の均一性を向上させることができ、触媒の製造工程が簡略化され、製造工程の効率を向上できる。
なお、本発明は、担持体を生成するための溶媒として、2種以上の溶媒が混合された混合溶媒を用いることを特徴とし、このような前記混合溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ケロシン、ミネラルオイルなどの脂肪族炭化水素又はシクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素と、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素とが混合された混合溶媒であることができる。前記脂肪族または脂環族炭化水素としては、炭素数5〜20の炭化水素溶媒が好ましく、炭素数5〜14の脂肪族又は炭素数5〜14の脂環族炭化水素がより好ましく、より具体的には、ヘキサン、ヘプタンなどが好ましく使用される。
前記芳香族炭化水素としては、炭素数6以上の芳香族炭化水素が好ましく、その中でもトルエンが最も好ましい。
すなわち、脂肪族または脂環族炭化水素溶媒の沸点が芳香族炭化水素溶媒より低いものをそれぞれ選択して混合された混合溶媒を使用して触媒を製造した後、ポリオレフィン重合を行うと、見掛け密度が向上したポリオレフィンを得ることができる。これにより、芳香族炭化水素として沸点が110℃付近であるトルエンを使用する場合は、脂肪族または脂環族炭化水素としてヘキサン又はヘプタン等を使用することが好ましい。
本発明では、1種以上の脂肪族または脂環族炭化水素溶媒と、1種以上の芳香族炭化水素溶媒との混合溶媒を使用することにより、芳香族炭化水素内に脂肪族または脂環族炭化水素溶媒とマグネシウム化合物溶液とを一様に分散させ、均一な触媒粒子を形成することができる。
また、本発明は、前記混合溶媒に含まれた芳香族炭化水素と、脂肪族または脂環族炭化水素のモル比を調節し、粒子サイズが均一でかつ表面が滑らかな固体型担持体を製造することができる。
具体的には、前記混合溶媒については、芳香族炭化水素のモル比に対して脂肪族または脂環族炭化水素のモル比が0.1〜10、好ましくは、0.2〜3の範囲内の量で混合された混合溶媒を用いると、得られる固体触媒の粒子サイズ分布が均一で且つ触媒粒子表面が滑らかな球形のポリプロピレン重合用固体触媒を製造することができる。
なお、前記混合溶媒に分散されるチタン化合物は、一般式Ti(OR)4−mで示すことができ、ここで、Rは、炭素数1〜14の脂肪族又は炭素数1〜14の脂環族ヒドロカルビル基であり、Xは、F、Cl、Brなどのハロゲン元素及びその混合物からなる群から選択され、mは、1〜4の整数である。このようなチタン化合物としては、例えば、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、テトラブトキシチタン、テトラエトキシチタン、ジエトキシチタンジクロライド、エトキシチタントリクロライド及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、その中でも、活性及び物性に優れた四塩化チタンを使用することが好ましい。
このように2種以上の炭化水素混合溶媒に分散されたチタン化合物とマグネシウム化合物溶液を投入して反応させる場合、チタン化合物が分散される反応器の温度は、−50〜50℃、より好ましくは、−30〜30℃の温度範囲を維持することが好ましい。反応器の温度が上記の範囲から外れると、生成される固体生成物(担体)の粒子サイズの均一性が低下することがあり得る。なお、マグネシウム化合物溶液の添加時、チタン化合物との急激な反応が発生しないようにする必要があり、溶液全体の分散のために反応器に撹拌機を取り付けて十分な撹拌が行われるようにすることが好ましい。
チタン化合物が分散された2種以上の炭化水素混合溶媒が投入される反応器は、マグネシウム化合物溶液が投入され、30分〜1時間程度の低温状態で維持する過程を経た後、反応器の温度が20℃になるまで0.5℃/分程度の昇温速度を維持し、20℃で30分〜1時間程度の維持(熟成)状態を経てから1℃/分の速度で昇温させることが好ましい。このとき、脂肪族または脂環族炭化水素溶媒としてヘキサンが使用された場合は、74℃まで昇温させ、74℃で2時間熟成させることが好ましい。このように反応器の温度を20℃まで徐々に昇温させることにより、初期触媒粒子の生成時において、激しい反応による不均一な触媒粒子の生成を抑制する効果が得られる。
本発明の他の特徴は、前記混合溶媒をマグネシウム化合物溶液と反応させた後、加熱するにあたって、前記脂肪族または脂環族炭化水素溶媒と、芳香族炭化水素溶媒中、沸点が最も低い炭化水素溶媒の沸点よりも10℃高い温度範囲まで加熱することが好ましい。すなわち、混合溶媒として使用する脂肪族または脂環族炭化水素溶媒の中、最低沸点よりも10℃高い温度(例えば、炭化水素溶媒の最低沸点が100℃であれば、0〜10℃程度まで加熱)まで加熱することにより、チタン化合物とマグネシウムハライド化合物溶液とが十分に反応し、これにより、チタン化合物から生成される触媒活性点が均一に分布し、最終的に得られるポリプロピレンの物性を均一化できるという効果がある。
また、固体担持体をチタン化合物と内部電子供与体で処理する時、固体触媒の物理的安定性を確保し、触媒粒子の割れ現象を減少し、微粉の発生を最小化することができる。
なお、本発明は、前記混合溶媒をマグネシウム化合物溶液と反応させた後、加熱して担持体を生成するに当たって、前記混合溶媒をマグネシウム化合物溶液及び電子供与体と共に反応させた後、加熱し、熟成して固体担持体を形成することもできる。
上述のようなチタン化合物とマグネシウム化合物溶液との反応が終わると、最終の反応温度で未反応物質と反応残渣を除去するため、上記の芳香族炭化水素及び脂肪族または脂環族炭化水素溶媒で洗浄して一次固体触媒を得ることが好ましい。より具体的には、芳香族炭化水素としてトルエンを、脂肪族または脂環族炭化水素としてヘキサンを用いて一次固体触媒を洗浄することができる。
3.固体生成物の収得
本発明は、上記で生成した担持体をチタン化合物及び電子供与体と反応させて固体生成物を得るステップを含む。
すなわち、生成した固体担持体を、好ましくは、炭化水素溶媒の存在下で、チタンハライド化合物及び芳香族カルボン酸エステル系の内部電子供与体と反応させて最終的に固体触媒を得る。具体的には、上記で生成した担持体を上述のチタン化合物及び電子供与体と反応させ、これを80〜130℃の範囲の温度で加熱し、1〜3時間の範囲で熟成後、洗浄する過程を経る。以下、この過程について詳述する。
まず、前記固体担持体を1種以上の芳香族炭化水素溶媒に分散させ、低温に冷却する。次いで、チタン化合物の投入時、激しい反応が起こらないように反応器の温度を−40〜40℃、より好ましくは、−20〜20℃の範囲で維持し、ここにチタン化合物を徐々に投入する。チタン化合物の投入完了後、投入時の温度を30〜1時間程度維持することが好ましい。ここで、前記固体担持体のチタン化合物及び電子供与体との反応は、2回以上繰り返して行うことができる。このように生成された固体担持体のチタン化合物及び電子供与体との反応を2回以上繰り返して行うことにより、得られる触媒の活性点均一度を増大させることができる。より好ましくは、2回以上5回以下の範囲で繰り返して行うが、5回を超えると、触媒活性点の均一度を増加させることはできるが、工程が複雑で、コストアップになる。
次いで、110℃まで1℃/分の昇温速度で反応器を昇温させた後、反応器の温度が70℃になると、内部電子供与体を投入する。このとき、使用し得る内部電子供与体としては、特に限定されないが、フタレート系化合物、カルボン酸エステル化合物またはジエーテル化合物が好ましく使用される。
具体的に、前記フタレート化合物としては、モノエトキシフタレート、ジメチルフタレート、メチルエチルフタレート、ジエチルフタレート、ジノルマルプロピルフタレート、ジイソプロピルフタレート、ジノルマルブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、ジペンチルフタレート、又はこれらの混合物等からなる群から選択することができる。前記カルボン酸エステル化合物としては、メチルアセテート、エチルアセテート、フェニルアセテート、エチルプロパネート、エチルブチレート、ジエチルマロネート、又はこれらの混合物等からなる群から選択することができる。前記ジエーテル化合物としては、1,3−ジエーテル型の2,2−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジブトキシプロパン、又はこれらの混合物等からなる群から選択することができる。
なお、内部電子供与体の投入量は、初期投入されたマグネシウム化合物溶液中のマグネシウムハライド化合物1モル当たり0.01〜2モル、より好ましくは、0.01〜1モルの比率であることが好ましい。内部電子供与体の投入量が上記の範囲から外れると、最終的に得られる触媒活性点の均一性が低下することがある。また、内部電子供与体の投入後、0.5〜2時間反応を維持後、110〜130℃まで昇温してさらに0.5〜3時間反応を維持することが好ましい。
このように反応器の温度を昇温及び維持した後は、100℃以下で上記の芳香族炭化水素溶媒で数回洗浄を行い、次に、上述の脂肪族または脂環族炭化水素溶媒で、脂肪族または脂環族炭化水素溶媒の沸点以下で触媒を洗浄することで最終固体触媒を得ることができる。洗浄のために使用される芳香族炭化水素溶媒としては、特に限定されないが、トルエンを使用することが好ましく、脂肪族または脂環族炭化水素溶媒としては、特に限定されないが、ヘキサンを使用することが好ましい。
なお、炭化水素溶媒にスラリー状で存在する触媒粒子を得るため、残存する未反応のチタン化合物を除去し、撹拌機の撹拌を止め、固体触媒粒子を沈殿させてから上澄液を除去する過程を数回繰り返して行うことが好ましい。次に、チタン化合物が除去された触媒粒子は、流れる窒素下で4時間以上換気させた後、乾燥させることで希望の触媒を得ることができる。
上記のように本発明の製造方法によれば、比較的簡単な方法で高活性のポリプロピレン重合用固体触媒を高収率で製造することができ、このように製造されたポリプロピレン重合用固体触媒は、球形形状を有し(球形なので、ポリプロピレン重合工程時の移送問題を低減できる)、10〜30μmの範囲内の粒子サイズ特性を有するため、ポリプロピレン重合時に高い活性及び見掛け密度を有するポリプロピレンを製造することができる。
また、本発明によって製造された固体触媒でポリプロピレンを製造する場合、製造されたポリプロピレンは、0.45g/ml以上、具体的には、0.45〜0.52g/mlの見掛け密度を有することができる。このように本発明は、ポリプロピレンの見掛け密度を高めることができるため、工程の単位当たりの生産性を向上させることができる。
<ポリプロピレンの製造>
上述のような方法で製造された本発明に係る固体触媒は、気状、塊状又はスラリー状でポリプロピレン重合に用いられることができ、重合方法については、当業界で周知の常法を適用することができる。このとき、塊状又はスラリー状の重合を行う場合、媒質として別の溶媒又はプロピレン自体を使用することができる。
なお、ポリプロピレンを重合させる温度は、0〜200℃、好ましくは、50〜150℃が適当であり、重合圧力は、1〜100気圧、好ましくは、2〜40気圧が適当である。
上記のような重合条件でポリプロピレンを重合させる過程については、重合反応器に助触媒であるアルキルアルミニウム、外部電子供与体、触媒(具体的には、本発明に係る固体触媒)及び水素を添加した後、プロピレンを投入して一定時間の間重合反応を進行すると、固体粒子重合体(具体的には、ポリプロピレン)が形成されるが、このように製造された重合体を通じて本発明により製造された触媒の活性及び重合体の物性を確認することができる。ここで、使用し得るアルキルアルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、又はエチルアルミニウムセスキクロライドなどが挙げられるが、これらに制限されない。また、使用し得る外部電子供与体としては、例えば、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン及びビニルトリエトキシシラン等のシラン化合物、又は前記シラン化合物の混合体が挙げられるが、これらに制限されない。
以下、下記の実施例によって本発明をより具体的に説明するが、下記の実施例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の権利範囲を制限するものではない。
[実施例1]
(1)マグネシウム化合物溶液の準備
撹拌機とオイル循環ヒータを備えた2L入りの耐圧用ガラス反応器を窒素で十分に換気させた後、窒素雰囲気下で無水二塩化マグネシウム47.6g、2−エチルヘキサノール274.5ml、デカン200mlを投入し、130℃で500rpmの回転速度で撹拌した。マグネシウム化合物が完全に溶解して均質な溶液となると、1時間熟成後、1,2−フタロイルジクロライド10.8mlを30分間かけて投入し、1,2−フタロイルジクロライドの投入完了後、130℃で1時間熟成した。1時間熟成後は、反応器の温度を30℃に下げて保管した。
(2)固体担持体の生成
撹拌機とオイル循環ヒータを備えた3L入りの別の耐圧用ガラス反応器を窒素で十分に換気させた後、窒素還流状態でトルエン650ml、ヘキサン850ml及び四塩化チタン438.6mlを投入し、500rpmで撹拌しながら反応器の温度を−20℃に下げて混合溶媒を準備した。
ヘキサンとトルエンの混合溶媒内に分散されているチタン化合物が投入された反応器内に上記で準備した二塩化マグネシウム溶液を4時間かけて添加した。マグネシウム化合物溶液の投入完了後、1時間維持した後、反応器の温度が20℃になるまで0.5℃/分の速度で昇温させた。反応器の温度が20℃に到達すると、1時間熟成させた。
20℃で1時間熟成した後、反応器の温度を74℃まで1℃/分の昇温速度で昇温させ、74℃に到達後、次いで、2時間熟成し、74℃でトルエン1Lで3回洗浄を行った。
(3)固体チタン触媒の製造
上述のようにトルエン1Lで3回洗浄した後、再度トルエン1Lを満たして反応器の温度を−10℃に維持した。反応器の温度が−10℃に到達すると、四塩化チタン219.3mlを30分間かけて投入し、四塩化チタンの投入完了後、−10℃で30分間維持した。次いで、70℃まで1℃/分の昇温速度で昇温し、70℃に到達すると、ジイソブチルフタレート20.1mlを30分間かけて投入した。ジイソブチルフタレートの投入完了後、1時間熟成させた。
70℃で1時間維持した後は、110℃まで1℃/分の速度で加熱して2時間維持した後、撹拌機を止め、触媒を沈殿させて上澄液を除去した。反応器の沈殿固体を除いた上澄液を除去した後、トルエン1Lで4回洗浄、ヘキサン1Lで6回洗浄を行い、最終のスラリー固体触媒を得た。最終の触媒スラリーを窒素で乾燥し、固体状態のポリプロピレン重合用固体触媒を得た。このような触媒の質量を測定し、触媒の収率を算出し、その結果を下記の表1に示す。
最終的に得られた触媒については、電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SM−701、TOPCON社製)を用いて粒子サイズ及び模様を観察した結果、球形の触媒粒子が形成されることが確認され、製造された触媒の重合特性は、塊状重合で確認した。具体的なポリプロピレンの重合方法は、下記の通りである。
まず、120℃に加熱した2L入りの高圧反応器内を窒素で1時間換気させ、高圧反応器の状態を窒素雰囲気に置換した。窒素雰囲気下で反応器の温度を25℃に下げてプロピレンで換気させ、反応器内をプロピレン雰囲気状態に維持した。プロピレン気体雰囲気に維持した反応器に1モル濃度でデカン溶媒に希釈されたトリエチルアルミニウム2ミリモルを投入し、デカン溶媒に希釈されたシクロヘキシルメチルジメトキシシランの外部電子供与体をSi/Tiモル比が30となるように投入した。触媒は、デカン溶媒に希釈され、0.005gを基準に投入し、水素1000mlを入れた後、プロピレン500gを加え、撹拌機を動作させて5分間予備重合を行った。予備重合後、反応器の温度を70℃に加熱して70℃で1時間重合後、未反応のプロピレンは大気に排出させ、反応器の温度を常温に下げた。生成されたポリプロピレンを50℃の真空オーブンで10時間乾燥した後、計量し、見掛け密度及びキシレン可溶性(xylene soluble)の測定を行い、測定結果を下記の表1に示す。
[実施例2]
実施例1における一次チタン化合物の反応器内の分散溶媒としてヘキサン850mlの代わりに650mlを投入し、トルエン650mlの代わりに850mlを投入した以外は、実施例1と同様にして触媒粒子及びポリプロピレンを得た。その結果を下記の表1に示す。
[実施例3]
実施例1における一次チタン化合物の反応器内の分散溶媒としてヘキサン850mlの代わりに450mlを投入し、トルエン650mlの代わりに1050mlを投入した以外は、実施例1と同様にして触媒粒子及びポリプロピレンを得た。その結果を下記の表1に示す。
比較例1
実施例1における一次チタン化合物の反応器内の分散溶媒としてヘキサン850mlの代わりに1200mlを投入し、トルエン650mlの代わりに300mlを投入した以外は、実施例1と同様にして触媒粒子及びポリプロピレンを得た。その結果を下記の表1に示す。
[比較例
実施例1における一次チタン化合物の反応器内の分散溶媒としてトルエンを使用せず、ヘキサン単独で1500ml投入した以外は、実施例1と同様にして触媒粒子及びポリプロピレンを得た。その結果を下記の表1に示す。
[比較例
実施例1における一次チタン化合物の反応器内の分散溶媒としてヘキサンを使用せず、トルエン単独で1500ml投入した以外は、実施例1と同様にして触媒粒子及びポリプロピレンを得た。その結果を下記の表1に示す。
上記の表1に示されたように、本発明に係る実施例1〜3により重合されたポリプロピレンは、比較例1及び2に比べて、0.45g/mL以上の優れた見掛け密度を有することが確認された。また、本発明に係る実施例1及び2で得られたポリプロピレンは、比較例1及び2に比べて、著しく高い重合活性を有することが確認された。
以上のように、実施例を挙げて本発明の詳細を説明してきたが、上述の実施例は、本発明の好適な一例に過ぎず、本発明は、上述の実施例によって限定されるものではない。また、本発明の権利範囲は、後述の特許請求の範囲及びその等価概念であることを理解すべきである。
以上のように、本発明によれば、溶媒に分散されたチタン化合物とアルコールに溶けているマグネシウム化合物とを反応させて固体触媒のための担持体を形成するにあたって、前記溶媒として2種以上の溶媒が混合された混合溶媒を用いることにより、比較的簡単な方法で高活性のポリプロピレン重合用固体触媒を高い収率で製造することができる。
また、本発明の固体触媒を用いてポリプロピレン重合を行うことにより、高い活性及び高い見掛け密度特性を有するポリプロピレンを製造することができる。

Claims (15)

  1. (a)マグネシウムハライド化合物をアルコールと反応させた後、フタル酸化合物を添加してマグネシウム化合物溶液を準備するステップ、
    (b)脂肪族または脂環族炭化水素溶媒と、芳香族炭化水素溶媒とを混合させて混合溶媒を製造し、製造された前記混合溶媒にチタン化合物を分散させた後、前記マグネシウム化合物溶液と反応させ、加熱して担持体を生成するステップ、及び
    (c)前記担持体を前記チタン化合物及び電子供与体と反応させ、固体生成物を得るステップ、
    を含み、
    前記ステップ(b)における前記脂肪族または脂環族炭化水素溶媒は、前記芳香族炭化水素溶媒のモル比に対して前記脂肪族または脂環族炭化水素溶媒のモル比が0.2〜3の範囲内の比率で混合される、ポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  2. 前記ステップ(a)において、前記マグネシウムハライド化合物を炭化水素溶媒の存在下で前記アルコールと反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  3. 前記ステップ(a)において、前記フタル酸化合物は、フタル酸無水物又は1,2−フタロイルジクロライド化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  4. 前記ステップ(a)において、前記アルコールは、前記マグネシウムハライド化合物1モルに対して1〜10モルの範囲内の比率で反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  5. 前記マグネシウムハライド化合物と前記アルコールとの反応に供される前記炭化水素溶媒は、炭素数5以上の脂肪族又は炭素数5以上の脂環族炭化水素溶媒であり、前記反応するアルコールに対して0.2〜2モルの範囲内の比率で存在することを特徴とする請求項2に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  6. 前記ステップ(a)において、前記フタル酸化合物は、前記マグネシウムハライド化合物1モルに対して0.03〜3モルの範囲内の比率で添加することを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  7. 前記ステップ(b)において、前記脂肪族または脂環族炭化水素溶媒は、炭素数5以上の脂肪族又は炭素数5以上の脂環族炭化水素溶媒であり、前記芳香族炭化水素溶媒は、炭素数6以上の芳香族炭化水素溶媒であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  8. 前記ステップ(b)において、混合溶媒を前記ステップ(a)のマグネシウム化合物溶液と反応させることは、前記混合溶媒が−50〜50℃の温度範囲で維持される条件下で行われることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  9. 前記ステップ(c)において、前記担持体は、炭化水素溶媒の存在下で前記チタン化合物及び前記電子供与体と反応させるものであることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  10. 前記ステップ(c)において、前記担持体と前記チタン化合物及び電子供与体との反応は、2回以上繰り返して行われることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  11. 前記ステップ(c)において、前記担持体と前記チタン化合物及び電子供与体との反応は、80〜130℃範囲内の温度まで加熱し、1〜3時間範囲内で熟成させた後、洗浄する過程を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  12. 前記ステップ(c)において、前記電子供与体は、前記マグネシウムハライド化合物1モルに対して0.01〜1モルの範囲内の比率で反応することを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の製造方法により製造され、10〜30μmの範囲内の粒子サイズを有することを特徴とするポリプロピレン重合用固体触媒。
  14. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたポリプロピレン重合用触媒を使用することを特徴とするポリプロピレンの製造方法。
  15. 見掛け密度が0.45g/ml以上であるポリプロピレンを製造することを特徴とする請求項14に記載のポリプロピレンの製造方法。
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