JP5543029B2 - ターボ機械のための内部冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外側ハウジング及び内側ハウジングを有している蒸気タービンであって、複数のロータブレードを具備するロータが、内側ハウジング内に回転可能に取り付けられた状態で配置されているスラスト力補償ピストンを有しており、内側ハウジングが、スラスト力補償ピストンの周囲に形成されている内側ハウジング端部領域を有している、蒸気タービンに関する。
本出願では、蒸気タービンは、蒸気の形態をした作動媒体が流れる際に通過するタービンそれぞれ又は部分タービンであることに留意すべきである。これに対して、ガス及び/又は空気は、作動媒体としてガスタービンを通じて流れるが、作動媒体は、蒸気タービン内の蒸気とは完全に異なる温度及び圧力条件に曝される。ガスタービンと比較して、例えば、作動媒体は、最高温度で部分タービンに流れる共に、同時に蒸気タービン内で最高圧力を有している。流路に向かって開口している開放冷却システムは、冷却媒体をガスタービン内に供給するための外部供給装置を必要とせず実現することができる。冷却媒体の外部供給装置が、蒸気タービンに設けられているべきである。従って、この理由のために、ガスタービンに関連する従来技術は、本発明の主たる課題を解決するために利用することができない。
蒸気タービンは、一般に、回転可能に取り付けられたロータを備えており、ロータは、ブレードを具備し、ハウジング又はハウジングシェルの内側に配置されている。加熱及び加圧された蒸気が、流路の内側を通じて流れるので、流路の内部は、ハウジングシェルによって形成されている。ロータは、ブレードを介した蒸気によって回転し始める。さらに、固定された案内ブレードは、一般に内側ハウジングに固定されており、案内ブレードは、本体のアキシアル方向の延長部分に沿ってロータブレードの中間空間に到達する。案内ブレードは、一般に、第1の地点において蒸気タービンのハウジングの内側に沿って保持される。さらに、案内ブレードは、一般に、蒸気タービンのハウジングの内側に内周に沿って配置されている多数の案内ブレードを備えている、案内ブレード段の一部分である。さらに、案内ブレードそれぞれが、対応するタービンブレードと共にラジアル方向内側に向いている。当該第1の地点においてアキシアル方向の延長部分に沿った案内ブレード列は、案内ブレードカスケード又は案内ブレードリングと呼称されている。一般に、多数のガイドブレード列は縦列に接続されている。従って、さらなる第2のブレードは、第2の地点において第1の地点の後方でアキシアル方向の延長部分に沿った蒸気タービンのハウジングの内側に沿って保持されている。一組の案内ブレード列及びロータブレード列は、ブレード段とも呼称される。
このタイプの蒸気タービンのハウジングシェルは、多数のハウジングセグメントから形成されている。蒸気タービンのハウジングシェルが、蒸気の形態をした作動媒体が貫流する流路の形態をした内部を蒸気タービンの長手方向に沿って有している、特に蒸気タービン又は部分タービンの固定式ハウジングコンポーネントであることに留意すべきである。蒸気タービンのタイプに依存して、これは、内側ハウジング、及び/又は、内側ハウジング又は案内ブレードキャリアを有していない案内ブレードキャリアとされる。
効率の観点から、“高い蒸気パラメータ(high steam parameters)”として知られている、このタイプの蒸気タービンの設計が、すなわち、高い蒸気圧力及び/又は高い蒸気温度が望ましい。しかしながら、特に温度を材料の観点から無制限に増大させることはできない。特に高温の場合であっても蒸気タービンの信頼性を有する運転を実現するために、構造要素又は構成部品それぞれを冷却することが望ましい。一般に、構成部品の耐熱性には限界がある。効率的に冷却しなければ、比較的高価な材料(例えばニッケル基合金)が、温度上昇する場合に必要されるだろう。
特に蒸気タービンハウジングの形態をした蒸気タービン本体又はロータのための、従来から知られている冷却方法の場合には、能動的冷却と受動的冷却とに区別されている。能動的冷却の場合には、蒸気タービン本体に供給される冷却媒体によって、すなわち作動媒体に加えて、別々に冷却される。対照的に、受動的冷却は、単に作動媒体を適切に案内又は利用することによって実施される。現在に至るまで、蒸気タービン本体は受動的冷却されることが望ましかった。
石油燃料によって発電する場合において効率を高めるためには、タービン内において従来よりも高い蒸気パラメータすなわち一層高い圧力及び温度を利用する必要がある。高温蒸気タービンでは、作動媒体として蒸気が利用される場合には、温度は、部分的に500℃を越えている。
蒸気タービンハウジングについての既知の冷却方法は、当該方法が能動的冷却でない限り、冷却すべき別のタービン部分の目標入射流れを提供し、第1の案内ブレードリングの組み込んだ状態において、作動媒体の流入領域に制限されている。一層高い蒸気パラメータを備えた一般的な蒸気タービンの負荷の場合には、これにより、タービン全体に作用する熱負荷が高められ、ハウジングの上述の一般的な冷却装置によって不十分に低減されるにすぎない。効率を高めるために主に比較的高い蒸気パラメータで動作する蒸気タービンは、蒸気タービンの比較的高い熱負荷を十分に補償するために、特にハウジング及び/又はロータの改善された冷却を必要とする。ここで、従来の一般的なタービンの材料が利用されている場合には高められた蒸気パラメータによって、蒸気タービン本体の負荷が高まるので、蒸気タービンの不利益な熱負荷が発生する。この結果として、このタイプの蒸気タービンを製造することはほぼ不可能とされる。
この問題を解決するために、ロータとスクリューを含むハウジングに加えて、高い耐熱性及び高い耐圧性を有しているバルブ接続部分を設計することが重要である。
本発明の目的は、高温の範囲であっても特に効率的に冷却され得る蒸気タービンを提供することである。
本発明の目的は、外側ハウジングと内側ハウジングとを有している蒸気タービンであって、ロータが内側ハウジング内に回転可能に取り付けられた状態で配置されているスラスト力補償ピストンを有している、複数のロータブレードを備えており、内側ハウジングが、スラスト力補償ピストンの周囲に形成されている内側ハウジング端部領域を有しており、シールが、内側ハウジングと外側ハウジングとの間に配置されている第1の圧力空間に関連して、内側ハウジング端部領域と外側ハウジングとの間に配置されている第3の圧力空間を密封する、蒸気タービンによって達成される。
優位な発展形態は、従属請求項において特定されている。
一の優位な発展形態では、シールが、ピストンリングとして構成されているので、本発明における蒸気タービンを急速に且つ安価に製造することができる。
さらなる優位な発展形態では、蒸気タービンが、スラスト力補償ピストンと内側ハウジングとの間に配置されている第4の圧力空間に第3の圧力空間を流通させている接続部分を有している。
さらなる優位な発展形態では、蒸気タービンが、蒸気を流路に供給するためのバルブを有しており、環状冷却流路が、バルブ内に形成されており、第1の圧力空間に流通している。環状冷却流路が、第3の圧力空間に流通している。
本発明は、構成部品自体を冷却することができるというアイデアに基づくものであるので、圧力の大きさが異なる流れを実現可能とすることができる。従って、第1の圧力空間内の圧力が第3の圧力空間内の圧力より大きい。従って、冷却流路は、蓄熱された構成部品の周囲を流れるように配置されているので、比較的低温の蒸気が強制的に流れるようになっている。結論として、バルブ接続部分の構成部品についての冷却効果を著しく高めることができる。
優位には、冷却流路が、バルブディフューザと外側ハウジングとの間に配置されている。
典型的な実施例を利用して、本発明について詳述する。同一の参照符号を付した構成部品は、同一の動作方法を有している。
本発明における蒸気タービンの断面図である。 本発明における蒸気タービンの流入部分の断面図である。
図1は、蒸気タービン1の断面図である。蒸気タービン1は、外側ハウジング2と内側ハウジング3とを有している。図2に詳細に表わすように、内側ハウジング3と外側ハウジング2とは、新鮮な蒸気を供給するための流路を有している。ロータ5は、スラスト力補償ピストン4を有しており、内側ハウジング3内に回転可能に取り付けられた状態で配置されている。ロータ5は、一般に、回転軸線6に関して回転対称となるように構成されている。ロータ5は、複数のロータブレード7を備えている。内側ハウジング3は、複数の案内ブレード8を有している。流路9は、内側ハウジング3とロータ5との間に形成されている。流路9は、ロータブレード7から成る列及び案内ブレード8から成る列からそれぞれ形成されている、複数のブレード段を備えている。
新鮮な蒸気は、新鮮な蒸気を供給するための流路を介して流入開口部10内に流入し、流入開口部10から、回転軸線6に対して略平行に延在している流路9を通じて流れ方向11に流れる。当該プロセスにおいて、新鮮な蒸気が膨張し冷却される。当該プロセスにおいて、熱エネルギは回転エネルギに変換される。ロータ5は、回転運動し始めると、例えば電力を発生させるための発電機を駆動することができる。
案内ブレード8及びロータブレード7のブレードタイプに依存するが、ロータ5の数倍のスラスト力が流れ方向11において発生する。スラスト力補償ピストン4は、一般に、スラスト力補償ピストン直前空間12が形成されるように構成されている。蒸気がスラスト力補償ピストン直前空間12内に供給されることによって、ブレード流路のスラスト力13に反作用する反作用力が発生する。
動作中において、蒸気が流入開口部10内に流入する。矢印13aは、新鮮な蒸気の供給を記号化して表わす。ここで、新鮮な蒸気は、一般に、例えば最大625℃の温度及び最大350barの圧力を有している。新鮮な蒸気は、流路9を通じて流れ方向11に流れる。ブレード段の下流において、蒸気は、戻り流路14と第1の圧力空間15と供給流路16とを具備する接続部分を介して、スラスト力補償ピストン直前空間12内に流入する。
特に、蒸気は、ブレード段の下流において内側ハウジング3と外側ハウジング2との間に形成された第1の圧力空間15と流路9とを連通している連通管として形成されている、戻り流路14を介して、内側ハウジング3と外側ハウジング2との間に形成された第1の圧力空間15内に流入する。第1の圧力空間15内の圧力は圧力pである。そのとき、内側ハウジング3と外側ハウジング2との間に形成された第1の圧力空間15内の蒸気の温度及び圧力は一層低い。当該蒸気は、第1の圧力空間15とスラスト力補償ピストン直前空間12とを連通している連通管として形成されている、供給流路16を介して流れる。
スラスト力補償ピストン直前空間12は、スラスト力補償ピストン4と内側ハウジング3との間においてアキシアル方向17に配置されている。スラスト力補償ピストン直前空間12は、第4の圧力空間とも呼称される。第4の圧力空間内の圧力は圧力pである。
流入開口部10内に流入する新鮮な蒸気の大部分は、流路9を通じて流れ方向11に流れる。当該新鮮な蒸気の残り部分は、漏出蒸気として漏出防止空間18内に流入する。ここで、漏出蒸気は、実質的に逆方向19に流れる。ここで、逆方向19は流れ方向11の反対方向に向いている。漏出蒸気は、ロータ5と内側ハウジング3との間に形成された露出防止空間18とブレード段の下流に配置されている流入開口部26とを連通する連通管として形成されている、横方向戻り流路20を介して流路9内に流入する。ここで、横方向戻り流路20が、流れ方向11に対して相対的に、漏出防止空間18から第1の圧力空間15に向かって略垂直に、偏向部分21の下流において略平行に、且つ、第2の偏向部分22の下流において略垂直に形成されている。
代替的な実施例では、内側ハウジング3と外側ハウジング2とが、溢流流入管23を具備して構成されている(詳細には図示しない)。外部の蒸気が溢流流入管23内に流入する。
一の好ましい例示的な実施例では、戻り流路14は、戻りブレード段24の下流において流路9に接続されており、横方向戻り流路20は、横方向戻りブレード段25の下流において流路9に接続されている。ここで、蒸気の膨張に関連して、横方向ブレード段25は、戻りブレード段24の下流において流路9の流れ方向11に配置されている。
一の特に好ましい典型的な実施例では、戻りブレード段24が第4のブレード段であり、横方向戻りブレード段25が第5のブレード段である。
シール27は、スラスト力補償ピストン4の領域において内側ハウジング3と外側ハウジング2との間に配置されている。シール27は、ピストンリングとして構成されており、内側ハウジング3の溝28に配置されている。その結果として、シール27によって、第1の圧力空間15が第3の圧力空間29から隔離されている。第3の圧力空間29内の圧力は圧力pである。さらなるシール30が、第3の圧力空間29の境界を形成している。さらなるシール30は、内側ハウジング3と外側ハウジング2との間に配置されており、第3の圧力空間29を第4の圧力空間31から隔離している。第4の圧力空間31の圧力は圧力pである。
第3の圧力空間29は、接続部分32を介して、密閉空間とも呼称される第4の圧力空間31に接続されている。接続部分32は、流れを接続するようになっており、第3の圧力空間29内の蒸気を第4の圧力空間31に流入させることができる。第4の圧力空間31は、スラスト力補償ピストン4のスラスト力補償ピストン表面34の上方において、内側ハウジング端部領域33に向かって開口している。
図2は、蒸気タービン1の、流入部分35を通過する断面図である。流入部分35は、バルブディフューザ36を備えている。図1に関連して説明したように、バルブディフューザ36の下流では、新鮮な蒸気が流入開口部10内に流入し、流入開口部10から流路9を通じて流れる。第1の圧力空間15に流入した蒸気の一部分は、バルブディフューザ36と外側ハウジング2との間に形成されている環状冷却流路37内に流入する。反転地点38において、蒸気は、外側ハウジング2のさらなる冷却流路39を介して第3の圧力空間29に流れる。さらに、蒸気は、第3の圧力空間29から接続部分32を介して第4の圧力空間31内に流入する。第1の圧力空間15、第3の圧力空間29、及び第4の圧力空間31の圧力はp>p>pの関係にあるので、強制流れが発生し、その結果として、優位にはバルブ接続部分40を冷却する。従って、蒸気を冷却するための外部装置を利用することなく、バルブ接続部分40を効率的に冷却することができる。ここで、バルブディフューザ36が内側ハウジング3に密封状態で配置されている。
例えばシールバンドのような非接触式シール要素は、圧力散逸と圧力空間の隔離とを実現することができるが、一般に、スラスト力補償ピストン4の領域においてロータ5と内側ハウジング3との間に、特に漏出防止空間19と第2の第2の漏出防止空間41との間に配置されている。
1 蒸気タービン
2 外側ハウジング
3 内側ハウジング
4 スラスト力補償ピストン
5 ロータ
6 回転軸線
7 ロータブレード
8 案内ブレード
9 流路
10 流入開口部
11 流れ方向
12 スラスト力補償ピストン直前空間
13 スラスト力
13a 矢印
14 戻り流路
15 第1の圧力空間
16 供給流路
17 アキシアル方向
18 漏出防止空間
19 逆方向
20 横方向戻り流路
21 偏向部分
22 第2の偏向部分
23 溢流流入管
24 戻りブレード段
25 横方向戻りブレード段
27 シール
28 溝
29 第3の圧力空間
30 さらなるシール
31 第4の圧力空間
32 接続部分
33 内側ハウジング端部領域
35 流入部分
36 バルブディフューザ
37 環状冷却流路
38 反転地点
39 さらなる冷却流路
40 バルブ接続部分
41 第2の漏出防止空間

Claims (8)

  1. 外側ハウジング(2)と内側ハウジング(3)とを有している蒸気タービン(1)であって、
    複数のロータブレード(7)を備えているロータ(5)が、前記内側ハウジング(3)内に回転可能に取り付けられた状態で配置されている、スラスト力補償ピストン(4)を有しており、
    前記内側ハウジング(3)が、前記スラスト力補償ピストン(4)の周囲に形成されている内側ハウジング端部領域(33)を有しており、
    シール(27)が、前記内側ハウジング端部領域(33)と前記外側ハウジング(2)との間に配置されている第3の圧力空間(29)を密封しており、
    前記蒸気タービン(1)が、前記スラスト力補償ピストン(4)と前記内側ハウジング(3)との間に配置されている第4の圧力空間(31)に前記第3の圧力空間(29)を流通させている接続部分(32)を有していることを特徴とする蒸気タービン(1)。
  2. 前記シール(27)が、ピストンリングとして構成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン(1)。
  3. 流路(9)が、前記内側ハウジング(3)と前記ロータ(5)との間に形成されている複数のブレード段を有しており、
    前記内側ハウジング(3)が、ブレード段の下流に位置する前記流路(9)と第1の圧力空間(15)とを連通している連通管として形成されている、戻り流路(14)を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気タービン(1)。
  4. 前記内側ハウジング(3)が、前記スラスト力補償ピストン(4)と前記内側ハウジング(3)との間に配置されているスラスト力補償ピストン直前空間(12)に前記第1の圧力空間(15)を接続している、供給流路(16)を有していることを特徴とする請求項に記載の蒸気タービン(1)。
  5. 前記蒸気タービン(1)が、蒸気を流路(9)内に供給するためのバルブを有しており、
    環状冷却流路(37)が、前記バルブ内に形成されており、第1の圧力空間(15)に流通していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の蒸気タービン(1)。
  6. 前記環状冷却流路(37)が、前記第3の圧力空間(29)に流通していることを特徴とする請求項に記載の蒸気タービン(1)。
  7. 前記バルブが、バルブディフューザ(36)を備えており、
    前記環状冷却流路(37)が、前記バルブディフューザ(36)と前記外側ハウジング(2)との間に配置されていることを特徴とする請求項又はに記載の蒸気タービン(1)。
  8. さらなる冷却流路(39)が、前記外側ハウジング(2)内に配置されていることを特徴とする請求項又はに記載の蒸気タービン(1)。
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