JP5540371B2 - 面光源装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置等で使用されるバックライトユニットや照明装置等の面光源装置、及びその製造方法に関する。
さらに詳しくは、複数の線状光源の光出射側に、均一光拡散層、パターン光拡散層、及び集光機能層を有する光学ユニットが配置された面光源装置、及びその製造方法に関する。
液晶テレビ、液晶モニター、看板、標識・表示、照明器具などに使用される面光源装置のうち、複数の線状光源が配列された直下型のものは、光源の真上が明るく、光源の真上以外は相対的に暗くなるという線状光源からの距離による輝度むらが生じる。そのため、光源の光出射側に、光拡散板、拡散シート、プリズムシートなど種々の光学部材を用いて光源からの光を拡散して均一化する工夫が行われている。
近年は、薄型化のために光源と光拡散板の距離が近くなり、低消費電力のために光源の数を減少させる傾向がある。そのため、ますます光源の真上近傍は相対的に明るく、光源の真上以外(特に光源と光源の中間近傍)は相対的に暗くなる輝度むらが顕著に現れ、輝度の均一化がより困難になってきている。
そこで、輝度を均一化させるために、光源の配置に対応したパターン光拡散層を設けることが提案されている。
例えば、特許文献1ではパターン光拡散層を備えない状態での面光源装置の輝度分布測定データを階調反転させたパターン光拡散層を、均一光拡散層等に印刷形成した光学部材、特許文献2では均一光拡散層である光拡散板に光源からの距離に応じて調光用ドットパターンが印刷された光学部材、特許文献3ではパターン光拡散層を備えない場合の輝度が高い位置ほど高密度となるように、網点パターンの透過率調整体を設けたパターン光拡散層である透過率調整体ユニットが開示されている。
これらパターン光拡散層を有する光学部材は、種々の光学部材に代えて、あるいは追加して用いられる。上記各特許文献では、パターン光拡散層を有する光学部材からの出射光が、高度に均斉化されていることを目標としている。
特開2004−170698号公報 特開2005−117023号公報 国際公開第06/028080号パンフレット
しかし、本発明者らが鋭意検討を進めたところ、均一光拡散層及びパターン光拡散層を有する光学部材の光出射側に、さらに、プリズムシート等の集光機能層を配置する場合、均一光拡散層及びパターン光拡散層が積層された光学部材からの出射光が、高度に均斉化されていると、面光源装置全体での輝度分布は、逆に均斉化が不充分となることが判明した。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、均一光拡散層及びパターン光拡散層の光出射側に、プリズムシート等の集光機能層を備え、面光源装置全体での輝度分布が均斉化された面光源装置、及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 底面と対向する側に矩形状の開口部を有し、内面が反射面とされたハウジングと、該ハウジングに収容され、各々の軸方向が前記矩形上の開口部の一辺と平行となるように、かつ互いの軸方向中央が同一直線上に並ぶように、前記底面と平行な同一平面上に配列されたn本(但し、nは2以上の整数)の線状光源と、該ハウジングの開口部を塞ぐように、かつ前記各線状光源からの距離dが略等距離となるように配置された光学ユニットとを備え、
前記光学ユニットは、均一光拡散層と、該均一光拡散層の線状光源と反対側に配置され、光入射面に対して斜めから入射した光を、光出射面と直交する方向に立ち上げて出射させる集光機能を有する集光機能層と、前記均一光拡散層の何れか一方の面側であって、前記集光機能層よりも線状光源側に設けられたパターン光拡散層とを有し、
前記集光機能層は、断面三角形のプリズム条列を有するプリズムシート、または底面が略円形であり、断面が略半球状であるマイクロレンズが、互いにほぼ接する間隔で、ランダムに二次元配置されたマイクロレンズシートであり、
下式(5)で定義される調整値C(但し、mは1≦m≦nである整数)に占める、C≦0%を満たす調整値Cの割合が60%以上であり、かつ、総ての調整値Cが−30%以上であると共に、調整値Cを平均した平均調整値Cが、−30≦C<0%であることを特徴とする面光源装置。
(線状光源L 、座標X
光出射面において、各線状光源とその軸方向中央で直交する直線を座標軸Xとする。
最も外側に配置される線状光源の一方をLとし、該線状光源Lから数えてm番目に配置される線状光源をL 、線状光源Lの断面中心に対応する座標軸X上の位置を座標Xとする。
(座標Xm−
mの値に応じて、下式(1a)又は下式(1b)により座標Xm−を定義する。
m=1の場合、
座標Xm−=座標[(3X−X)/2] ・・・式(1a)
m≠1の場合
座標Xm−=座標[(Xm−1+X)/2] ・・・式(1b)
(座標Xm+
mの値に応じて、下式(2a)又は下式(2b)により座標Xm+を定義する。
m=nの場合、
座標Xm+=座標[(3X−Xn−1)/2] ・・・式(2a)
m≠nの場合
座標Xm+=座標[(X+Xm+1)/2] ・・・式(2b)
(調整前近似曲線A’
前記光学ユニットに代えて前記均一光拡散層のみを配置した時の、該均一光拡散層から1000mm離間した位置に配置した輝度計で測定した座標Xm−から座標Xm+までの輝度分布Aを最小二乗法で二次関数に近似した曲線を調整前近似曲線A’とする。
(調整前振幅S
前記調整前近似曲線A’上の、座標Xにおける値をAm0、座標Xm−における値をAm−、座標Xm+における値をAm+として、下式(3)により調整前振幅Sを定義する。
=Am0−(Am−+Am+)/2 ・・・式(3)
(調整後近似曲線B’
前記光学ユニットに代えて前記均一光拡散層及びパターン光拡散層のみを配置した時の、該均一光拡散層から1000mm離間した位置に配置した輝度計で測定した各座標Xm−から座標Xm+までの輝度分布Bを最小二乗法で二次関数に近似した曲線を調整後近似曲線B’とする。
(調整後振幅T
前記調整後近似曲線B’上の、座標Xにおける値をBm0、座標Xm−における値をBm−、座標Xm+における値をBm+として、下式(4)により調整後振幅Tを定義する。
=Bm0−(Bm−+Bm+)/2 ・・・式(4)
(調整値C
前記調整後振幅T及び調整前振幅Sから、下式(5)により調整値Cを定義する。
=T/S×100(%) ・・・式(5)
[2] パターン光拡散層が、パターン状の白色インキ部を有する[1]に記載の面光源装置。
[3] 前記線状光源から前記光学ユニットまでの距離dがd(但し、dは距離dの設計値)である場合において、前記調整値Cに占める、C≦0%を満たす調整値Cの割合が80%以上になると共に、前記平均調整値Cが、−25≦C<0%になる光学ユニットを用いることを特徴とする[1]または[2]に記載の面光源装置の製造方法。
本発明によれば、均一光拡散層及びパターン光拡散層の光出射側に、プリズムシート等の集光機能層を備え、面光源装置全体での輝度分布が均斉化された面光源装置、及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る面光源装置の一例を示す断面図である。 本発明に係る面光源装置の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る面光源装置の他の一例を示す断面図である。 パターン光拡散層の(a)部分拡大平面図、及び(b)部分拡大断面図である。 条件式中の符号の説明図である。 光拡散板により得られる輝度分布及び光拡散板にプリズムシートを重ねた際の輝度分布を対比した図である。 プリズムシートによる輝度上昇量を示す図である。 プリズムシートに光を照射した際の出射光の配向特性を調査する装置の説明図である。 プリズムシートに光を照射した際の出射光の配向特性を示すグラフである。 プリズムシートに光を照射した際の出射光の配向特性に関する説明図である。 光学ユニットの調製方法の説明図である。 光学ユニットの調製方法の説明図である。 光学ユニットの調製方法の説明図である。 光学ユニットの調製方法の説明図である。 光学ユニットの調製方法の説明図である。 光学ユニットの調製方法の説明図である。 光学ユニットの調製方法の説明図である。 光学ユニットの調製方法の説明図である。 実験例1の結果を示す輝度分布図である。 実験例2の結果を示す輝度分布図である。 実験例3の結果を示す輝度分布図である。 実験例4の結果を示す輝度分布図である。 実験例5の結果を示す輝度分布図である。
<面光源装置>
図1〜図3は、本発明によって得られる面光源装置の一例を示す断面図である。なお、図1〜図3では、図示の便宜上厚みを適宜強調している。
図1の面光源装置1は、矩形状の開口部を有し、内面が反射面MとされたハウジングCAと、ハウジングCAに収容されるn本(図1では8本)の線状光源L(L、〜L)と、ハウジングCAの開口部を塞ぐ様に線状光源Lの光出射側に設けられた光学ユニットCP1とを備えている。
光学ユニットCP1は、均一光拡散層DP、パターン光拡散層HS、及び集光機能層PSが、線状光源L側から順次積層された構成とされている。
図2の面光源装置2は、面光源装置1の光学ユニットCP1に代えて、光学ユニットCP2を備えている。光学ユニットCP2は、パターン光拡散層HS、均一光拡散層DP、及び集光機能層PSが、線状光源L側から順次積層された構成とされている。すなわち、光学ユニットCP2は、均一光拡散層DPとパターン光拡散層HSとの積層順が異なる他は、光学ユニットCP1と同一である。
図3の面光源装置3は、面光源装置1の光学ユニットCP1に代えて、光学ユニットCP3を備えている。光学ユニットCP3は、均一光拡散層DP、パターン光拡散層HS、付加的な均一光拡散層である拡散層DS、集光機能層PS、及び拡散層DSが、線状光源L側から順次積層された構成とされている。すなわち、光学ユニットCP3は、集光機能層PSの両側に拡散層DSが付加された他は、光学ユニットCP1と同一である。このように、集光機能層のさらに光出射側に、付加的な均一光拡散層を備えていてもよい。
本発明の面光源装置は、図3の面光源装置3における均一光拡散層DPとパターン光拡散層HSとの積層順を逆転させた構成であってもよい。また、パターン光拡散層HSは、均一光拡散層DPの両側に配置されていてもよい。
また、各面光源装置において、集光機能層PSは2層以上あってもよい。ただし、何れの集光機能層PSも、均一光拡散層DP及びパターン光拡散層HSよりも、光出射側に配置されることが必要である。
各面光源装置において、各線状光源Lから光学ユニットまでの距離(各線状光源Lの光学ユニットに最も近い位置から光学ユニットの各線状光源L側の面までの距離)dは、d±γとされている。ここで、dは距離dの設計値であり、γは使用時の温度変化等により変動し得る変動値である。設計値dは特に限定されないが、20mm以下であることが好ましい。dが小さいほど、本発明の効果が顕著である。一方、設計値dは1mm以上であることが好ましい。dが小さ過ぎると、製造困難となるからである。
変動値γは、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることがより好ましい。変動値γは、ハウジングや光学ユニットの部材を、熱膨張率の低い材質で構成したり、充分な厚みを持たせたりすること等により低減可能である。
[線状光源]
線状光源Lとしては、冷陰極蛍光管(CCFL)、熱陰極蛍光管(HCFL)、外部電極蛍光管(EEFL)などが採用できる。線状光源の形状としては、直管状のほか、U字状、M字状などの屈曲管であっても構わない。また、線状に配置すれば、発光ダイオード(LED)のような点状光源を用いることもできる。
線状光源Lは、互いに平行に、かつハウジングCAの底面と平行な方向に(図1における紙面の垂直方向に)、各々延在している。線状光源Lの互いの間隔は均等でも不均等でもよい。不均等とする場合は、例えば、中央部の輝度を高くするために、中央部の間隔を狭く、両端部の間隔を広くすることができる。屈曲管の場合は、屈曲部以外の部分が平行であればよい。
[均一光拡散層]
均一光拡散層DPは、入射光を拡散可能で、その光拡散性が面方向に均一な層である。
均一光拡散層DPの厚さは、0.1mm〜4mmであることが好ましく、0.5mm〜2.5mmであることがより好ましい。0.5mm以上であればハウジングの開口部の強度を維持しやすくなり、変動値γを小さくしやすい。また、より均質な面発光を得ることができる。一方、2.5mm以下とすることで薄型化が容易になる。
均一光拡散層DPは、光出入射面がハウジングCAの開口部と相似形で僅かに大きいことが好ましい。
均一光拡散層DPの具体例としては、例えば、光散乱性微粒子を含有する透明樹脂製の板やシート、透光性基材上に光散乱性微粒子を塗工したものなどが挙げられる。
均一光拡散層DPを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが挙げられる。また、透光性基材としては、後述するパターン光拡散層で用いる透光性基材と同様のものが使用できる。光散乱性微粒子としては、例えば、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリウレタン系、ポリエチレン系等の有機フィラーや、シリコーンビーズ、中空粒子、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ微粒子等の無機フィラーなどが挙げられる。
均一光拡散層DPは、面方向に均一に気泡が形成された発泡体であってもよい。
本発明に用いる均一光拡散層DPは、JIS K 7361で定義される全光線透過率(以下単に「透過率」という。)が75%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、65%以下であることがさらに好ましい。ただし、透過率が低すぎると、面光源装置全体の輝度が低下するので、透過率は50%以上であることが好ましい。
なお、均一光拡散層DPが後述の集光機能層PSと一体化されている場合、表面に凹凸構造が付加された構造となる。その場合、全光線透過率は、例えば、均一光拡散層DPに相当する部分の厚さで、均一光拡散層DPと同じ構成成分からなる板について測定したり、熱プレスを用いて表面の凹凸構造を平坦化するなどして測定したりすることができる。平坦化すると、集光機能層PSが平坦化された層の厚みが加わると共に、熱プレスにより厚みが減少し得るので、当初の板厚と変化が生じ得る。その場合は、ランベルトの法則に従って当初の均一光拡散層DPの板厚に補正する。
[パターン光拡散層]
パターン光拡散層HSは、線状光源Lからの輝度分布を補正する層であり、後述の条件(I)を満たすものである。パターン光拡散層HSの光出入射面の面積・形状と均一光拡散層DPの光出入射面の面積・形状は略同一である。
パターン光拡散層HSは、上記均一光拡散層DPの少なくとも片面側に設けられる。パターン光拡散層HSが、均一光拡散層DPの光入射面側に設けられる場合は、パターンが観察者側から視認されにくくなり好ましい。一方、パターン光拡散層HSが、均一光拡散層DPの光出射側に設けられる場合は、製造工程においてハンドリングがしやすく、また、パターンの変化(後述する階調値)を小さくすることができ好ましい。
パターン光拡散層HSとしては、気泡や微粒子によりパターンを形成したものでもよいが、所定のパターンの白色インキ部を有するものが好ましい。
白色インキ部を有するパターン光拡散層HSとしては、均一光拡散層DPに直接形成された白色インキ部(白色インキ部のみからなるパターン光拡散層)、別基材に白色インキ部を有するものが挙げられる。
図4は、透光性の別基材10に白色インキ部20が所定のパターン状に印刷されたパターン光拡散層HSの一例である。なお、図示の便宜上、図4においては、網点の大きさを強調し、網点の数を全体的に実際より少なく記載している。また、パターン光拡散層HSと線上光源L以外の図示は省略している。
透光性の別基材10に白色インキ部20が所定のパターン状に印刷されたパターン光拡散層HSの場合、貼合やインモールドなどの手法を用いて光拡散板と一体化させて用いることが好ましい。
透光性基材10としては、ガラス基板や透明樹脂シートが用いられる。透明樹脂シートを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが挙げられる。透光性基材10としては、網点を印刷しやすいことから、透明樹脂シートが好ましい。透光性基材10の厚さは30μm〜4mmであることが好ましい。透光性基材10が30μm以上であれば、充分な強度を有する。
もちろん、本発明の効果を損なわない範囲で、透光性基材10に光拡散性微粒子を含む顔料を内添、あるいは塗工してもよいし、発泡シートを使用することもできる。
白色インキ部20を構成する白色インキとしては、例えば蒸発乾燥型インキ、酸化重合型インキ、加熱硬化型インキ、2液反応型インキ、紫外線硬化インキなど各種白色インキが挙げられる。これらの中でも紫外線照射により瞬時にインキがセットされるため微妙な階調制御が行ないやすく、耐擦過性も期待できる紫外線硬化型インキが好適に使用できる。特にオフセット印刷による場合は、貼り付き防止パウダーが不要となるため好ましい。
白色インキには、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、クレー、塩基性炭酸鉛、チタン酸ストロンチウム、硫酸バリウム等の白色顔料が含まれる。これらの中でも、透過率制御効果が高い、色調の偏りが少ないなどの点で、酸化チタンや酸化亜鉛、硫酸バリウムが好ましい。また、白色の色調を大きく損なわない範囲であれば、一般的な白色インキに含まれる前述の光散乱性微粒子や色調調整用に微量の着色顔料等が含まれていてもよい。
白色インキ部を有するパターン光拡散層HSは、前記別基材を用いるものより、均一光拡散層DPに直接形成された白色インキ部(白色インキ部のみからなるパターン光拡散層)であることがより好ましい。均一光拡散層DPに直接形成された白色インキ部は、透光性の別基材10に白色インキ部20が所定のパターン状に印刷されたパターン光拡散層HSと比較し、輝度の低下が防止できるとともに、部材数減が可能となる。
均一光拡散層DPに直接白色インキ部を形成する方法としては、均一光拡散層DPに直接形成する方法、基材に白色インキ部が印刷されたパターンシートの白色インキ部のみを熱や圧力などの手段を用いて転写する方法等が挙げられる。均一光拡散層DPに直接印刷して形成する方法は、パターン光拡散層と輝度分布の位置合わせが容易である。別基材から白色インキ部を転写する方法の場合、別基材は転写後不要となるため、転写性が良好であればよく、透光性等は必要でない。また、別基材の厚さは、転写工程に支障を及ぼさない範囲で薄くてもよく、薄手フィルムにロールのまま印刷しても良い。
均一光拡散層DPに直接形成する白色インキ部は、図4の白色インキ部20と同様のパターンで、同様の白色インキを用いて形成することができる。
[集光機能層]
集光機能層PSは、集光機能を有する層であり、集光機能とは、斜めから入射した光を、出射面と直交する方向に立ち上げて出射させる機能である。集光機能層PSの光出入射面の面積・形状と均一光拡散層DPの光出入射面の面積・形状は略同一である。
集光機能層PSの厚さは、1〜800μmであることが好ましく、20〜500μmであることが好ましい。集光機能層PSが1μm以上であれば、集光効果を発揮しやすい。
集光機能層PSは、表面の微細な凹凸構造により集光機能を有している。微細な凹凸構造としては、断面形状が、三角形、三角形の頂角が丸められている疑似三角形、多角形等である線状突起部が、多数平行に配列されたプリズム条列、かまぼこ形のシリンドリカルレンズが多数平行に配列されたレンチキュラーレンズ等が挙げられる。プリズム条列またはレンチキュラーレンズにおいては、各突起部の断面構造が互いに同一であることが好ましいが、断面構造が異なる突起部が規則的に配列した構成でも構わない。また、一部分間引かれた配列構成でも構わない。
また、凹凸構造は、単レンズを多数二次元配置したマイクロレンズアレイ、三角錘型プリズム、四角錘型プリズム等を多数二次元配置したものが挙げられる。
また、集光機能層PSは、上記種々の凹凸構造を、2種以上組み合わせて有していてもよい。
集光機能層PSは、凹凸構造を少なくとも一方の面に有していることが必要であり、両方の面に凹凸構造を有していてもよい。凹凸構造を片面にのみ有する場合、凹凸構造面と反対側面を光入射面側、凹凸構造面を光出射面となるように積層することが好ましい。
凹凸構造を形成する方法としては、透光性基材に凹凸構造を賦形する方法、透光性基材上に光散乱性粒子を塗工する方法などが挙げられる。
また、パターン光拡散層HSが均一光拡散層DPの光入射側のみに設けられる場合は、均一光拡散層DPの光出射側に直接集光機能層PSを形成してもよい。均一光拡散層DPに集光機能層PSを直接形成する方法としては、均一光拡散層DPに集光機能層PSを付加した複合部材を一体成形する方法、均一光拡散性を有する基材の片面に凹凸構造を賦形して、均一光拡散層DPに集光機能層PSを付加した複合部材を形成する方法が挙げられる。
集光機能層PSに用いる透光性基材としては、ガラス基板や透明樹脂シートが用いられる。透明樹脂シートを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが挙げられる。
なお、透明樹脂中に光散乱性微粒子が含まれていてもよい。光散乱性微粒子を含有する場合、均一光拡散層DPで用いる光散乱性微粒子と同様のものが使用できる。
[反射面]
ハウジングCAの内面を反射面Mとするには、ハウジングCAの内面に反射板を設けることが好ましい。
反射板としては、例えば、白色のプラスチックシート(白色ポリエチレンテレフタレートシート、白色ポリプロピレンシートなど)を、樹脂、金属、金属蒸着板などの基材に貼り付けたものが挙げられる。また、金属板、樹脂や金属等の基材の表面に銀やアルミニウム等の金属が蒸着された金属蒸着板などが挙げられる。反射板は、ハウジングCAの内側の底面と一体化されたものでもよい。
また、反射板を用いずに、ハウジングCAの内面自体を、鏡面仕上げ加工等により反射面としてもよい。
[付加的な拡散層]
付加的な均一拡散層である拡散層DSは、入射光を拡散可能で、その光拡散性が面方向に均一なシートである。拡散層DSの厚さは、0.05〜1mmであることが好ましく、0.1〜0.5mmであることがより好ましい。0.05mm以上であれば充分な強度を得ることが容易であり、1mm以下であれば柔軟性を確保しやすい。
拡散層DSの光入出射面の面積・形状と均一光拡散層DPの光入射面の面積・形状は略同一である。拡散層DSとしては、例えば、透光性基材上に微粒子を塗工したものなどが使用できる。
拡散層DSは、パターン光拡散層HS、均一光拡散層DP、集光機能層PSと共に、輝度むら解消の点で有効である。但し、拡散層DSにより解消される輝度むらは、線状光源Lのピッチより遙かに小さいものである。したがって、以下に述べる光学ユニットの条件に影響を与えるものではない。
<光学ユニットの条件>
光学ユニットとしては、下記条件(I)を満たすものを使用する。
[条件(I)]
下式(5)で定義される調整値C(但し、mは1≦m≦nである整数、nは線状光源Lの本数)に占める、C≦0%を満たす調整値Cの割合が60%以上であると共に、調整値Cを平均した平均調整値Cが、−30≦C<0%である。
(線状光源L 、座標X
光出射面において、各線状光源とその軸方向中央で直交する直線を座標軸Xとする。
最も外側に配置される線状光源の一方をLとし、該線状光源Lから数えてm番目に配置される線状光源をL 、線状光源Lの断面中心に対応する座標軸X上の位置を座標Xとする。
(座標Xm−
mの値に応じて、下式(1a)又は下式(1b)により座標Xm−を定義する。
m=1の場合、
座標Xm−=座標[(3X−X)/2] ・・・式(1a)
m≠1の場合
座標Xm−=座標[(Xm−1+X)/2] ・・・式(1b)
(座標Xm+
mの値に応じて、下式(2a)又は下式(2b)により座標Xm+を定義する。
m=nの場合、
座標Xm+=座標[(3X−Xn−1)/2] ・・・式(2a)
m≠nの場合
座標Xm+=座標[(X+Xm+1)/2] ・・・式(2b)
(調整前近似曲線A’
前記光学ユニットに代えて前記均一光拡散層のみを配置した時の、座標Xm−から座標Xm+までの輝度分布Aを最小二乗法で二次関数に近似した曲線を調整前近似曲線A’とする。
図5に輝度分布Aと調整前近似曲線A’との関係を示した。図5に示すように、輝度分布Aはm毎に規定される。したがって、調整前近似曲線A’もm毎に規定される。
(調整前振幅S
前記調整前近似曲線A’上の、座標Xにおける値をAm0、座標Xm−における値をAm−、座標Xm+における値をAm+として、下式(3)により調整前振幅Sを定義する。
=Am0−(Am−+Am+)/2 ・・・式(3)
図5に示すように、Am0、Am−、Am+は、m毎に規定される。したがって、Sもm毎に規定される。Am+とA(m+1)−とは通常一致しない。
(調整後近似曲線B’
前記光学ユニットに代えて前記均一光拡散層及びパターン光拡散層のみを配置した時の、各座標Xm−から座標Xm+までの輝度分布Bを最小二乗法で二次関数に近似した曲線を調整後近似曲線B’とする。
図5に輝度分布Bと調整後近似曲線B’との関係を示した。図5に示すように、輝度分布Bはm毎に規定される。したがって、調整後近似曲線B’もm毎に規定される。
(調整後振幅T
前記調整後近似曲線B’上の、座標Xにおける値をBm0、座標Xm−における値をBm−、座標Xm+における値をBm+として、下式(4)により調整後振幅Tを定義する。
=Bm0−(Bm−+Bm+)/2 ・・・式(4)
図5に示すように、Bm0、Bm−、Bm+は、m毎に規定される。したがって、Tもm毎に規定される。Bm+とB(m+1)−とは通常一致しない。
(調整値C
前記調整後振幅T及び調整前振幅Sから、下式(5)により調整値Cを定義する。
=T/S×100(%) ・・・式(5)
、Tがm毎に規定されるので、Cもm毎に規定される。
[条件(I)の意義]
条件(I)は、「式(5)で定義される調整値CがC≦0%となる比率が60%以上であること」を要件とする。この調整値Cは、調整前振幅Sに対する調整後振幅Tの比である。
まず、座標Xは、線状光源Lの直上の位置、すなわち、線状光源Lからの距離が最も小さい位置に相当する。
一方、座標Xm−は、線状光源Lと隣接する線状光源Lm−1の座標の中間位置(m=1の場合、線状光源Lと隣の線状光源Lとの間隔の1/2相当分、線状光源Lより外側の位置)である。また、座標Xm+は、線状光源Lと隣接する線状光源Lm+1の座標の中間位置(m=nの場合、線状光源Lと隣の線状光源Ln−1との間隔の1/2相当分、線状光源Lより外側の位置)である。すなわち、座標Xm−及び座標Xm+は、線状光源Lからの距離が最も大きい位置に相当する。
線状光源の光出射側に均一光拡散層(図1〜3の装置の場合、均一光拡散層DP)のみを配置した構成(以下「調整前構成」という。)においては、均一光拡散層の光拡散性が面方向に均一なため、線状光源Lからの距離が短い座標X近傍は相対的に明るく、線状光源Lからの距離が遠い座標Xm−、及び座標Xm+の近傍は相対的に暗くなる。そのため、調整前振幅S(調整前構成における輝度分布の振幅)は、必ず正の値となる。
したがって、調整値CがC≦0%ということは、調整後振幅T(調整後構成における輝度分布の振幅)がT≦0%であることを意味する。
つまり、「式(5)で定義される調整値CがC≦0%となる」は、パターン光拡散層HSの調整力が、調整前構成における輝度むらを完全に消滅させる調整力に満たないことは許容されないが、輝度むらを完全に消滅させる調整力を超えること(輝度分布が反転すること)は許容されることを意味する。
条件(I)において、C≦0%の関係は、60%以上のmにおいて満たされることが必要であり、70%以上のmにおいて満たされることが好ましく、80%以上のmにおいて満たされることがより好ましく、90%以上のmにおいて満たされることがさらに好ましく、総てのmにおいて満たされることが特に好ましい。
また、Cは、−0.2%以下であることが好ましく、−0.4%以下であることがより好ましい。さらに、Cは、−25%以上であることが好ましく、−20%以上あることがより好ましい。
また、条件(I)は、「前記調整値Cを平均した平均調整値Cが、−30≦C<0%である」ことを要件とする。
平均調整値Cの絶対値が100%であれば、調整前構成の輝度分布の振幅と調整後構成の輝度分布の振幅が等しいことを意味する。平均調整値Cの絶対値が30%以下であることは、調整後構成の輝度分布の振幅(絶対値)が、調整前構成の輝度分布の振幅より小さい範囲に制限されていることを意味する。平均調整値Cが0%未満であることは、調整値Cが負の値となる度合いが、正の値となる度合いよりも高い傾向にあることを意味する。
つまり、−30≦C<0%は、パターン光拡散層HSの調整力が、調整前構成における輝度むらを完全に消滅させる調整力を超えるべきであるが、調整後構成の輝度分布の振幅の絶対値が、平均すると調整前構成の輝度分布の振幅の30%以下となる範囲に留める必要があることを意味する。
条件(I)において、平均調整値Cは−25≦C≦−0.2%であることが好ましく、−20≦C≦−0.4%であることがより好ましい。
条件(I)は、調整後構成における輝度分布が完全に平坦であることを理想の形態とする従来の概念と異なるものである。
本願発明者らは、何故条件(I)が求められるのかにつき、以下に示す試験1、試験2に基づき、理論的な解析を行った。
(試験1)
試験1では、均一光拡散層に集光機能層を積層することによる輝度上昇効果を確認した。まず、白色のプラスチックシートが貼り付けられることにより内面が反射面とされ、表示面の大きさが縦399mm、横708mmとなるように開口面が設けられたハウジングCA内に、直径4mm、長さ700mmの線状光源(8本)を、長手方向を表示面の横方向に平行に配列した。各線状光源の間隔は、何れも48mmとした。
次に、ハウジングCAの開口面を塞ぐように、透明樹脂(ポリメチルメタクリレート)に、シリカ粒子を光散乱性微粒子として均一に分散させ、これを射出成形した厚さ2mmの板とした全光線透過率50%の光拡散板(以下「光拡散板DP1」という。)を配置し、試験構成1を得た。各線状光源Lから均一光拡散層である光拡散板DP1迄の距離dは、11.5mmとした。
この試験構成1について、輝度分布を測定した。具体的には、輝度計(トプコンテクノハウス社製、製品名「UA−1000」)を、試験構成1の表示面中央における上方1000mmの位置に配置した。そして、座標軸Xに沿って0.6mm間隔で輝度を測定した。結果を図6に「DP1」として示す。
次に、試験構成1の光拡散板DP1上に、頂角の角度90°のプリズム条列をピッチ50μmで有し、厚さが155μmである住友スリーエム社製BEFIII (以下「プリズムシートPS1」という。)を重ね、試験構成2を得た。この試験構成2について、試験構成1と同様にして輝度分布を測定した。結果を図6に「DP1+PS1」として示す。
図6に示すように、光拡散板DP1にプリズムシートPS1を積層することによって輝度が上昇していた。両者の差より得たプリズムシートPS1による輝度上昇量の分布を図7に示す。プリズムシートPS1による輝度上昇量は一定ではなく、線状光源L直上の方がその周辺よりも高かった。この傾向はマイクロレンズシートでも同様に発生した。
以上から、光拡散板などの均一光拡散層の上に、プリズムシートやマイクロレンズシートなどの均一な集光機能層を積層すると、集光機能層による輝度上昇量は不均一で、線状光源L直上がその周辺よりも大きくなることが分かった。
したがって、集光機能層からの出射光の輝度を均斉化するには、集光機能層を設置する前の輝度分布を、線状光源Lの直上では低く、離れた部分では高くしておく必要があることが分かった。つまり、調整後振幅TをT<0%とすべきこと、すなわち、調整値CをC<0%とすべきことが分かった。
また、図7の輝度上昇量の振幅は無限大ではないので、調整値Cの絶対値には上限を設けるべきことが分かった。
(試験2)
試験2では、集光機能層による輝度上昇量が線状光源L直上とその周辺で不均一である、という試験1で確認した事項の理由を明らかにするため、集光機能層PSへ入射する光の出射角分布を調べた。
試験2には、ジェネシア社製ゴニオ/ファーフィールドスキャッタリングプロファイラを用いた。この装置は、図8に示すように、光源30の位置を変更することにより、集光機能層PSに入射する光の入射角θを変化させ、その際の出射光の強度を、光計測部40の位置をスキャンさせることにより、出射角θ毎に測定するものである。
図9に、試験1で用いたプリズムシートPS1(集光機能層PS)について、出射角θを測定した結果を示す。
図9に示すように、入射角10°以下の入射光はプリズムシートPS1からほとんど出射されなかった。入射角10°以下では、ほとんどが反射していると考えられる。入射角20°以上の入射光であれば屈折によって入射角と異なる出射角にピークを有する出射光が得られた。具体的には、入射角20から40°の入射光は、出射角15°以下にピーク強度を持つ正面出射光となり、それ以上の入射角の入射光は出射角がさらに大きい出射光となった。
この現象を図10の概念図によって説明する。図10のように、線状光源Lから直上に向かう出射光αは、入射角10°以下で集光機能層PSに入射し、集光機能層PSの出射面によって反射されて正面に出射しない。一方、線状光源Lから周辺に向かう出射光βは、入射角20°〜40°で集光機能層PSに入射し、集光機能により正面に出射する。つまり、集光機能層PSには出射異方性があると考えられる。
次に、図10の線状光源Lと集光機能層PSの間に、均一光拡散層やパターン光拡散層などの拡散部材が追加された場合の現象を説明する。
出射光αおよびβは、各々拡散部材によって拡散される。出射光αは、拡散により入射角10°以下で集光機能層PSに入射する割合が減少し、入射角20°〜40°で集光機能層PSに入射する割合が増加する。入射角20°〜40°で入射する光の増加は集光機能層PSからの正面出射量を増加させるので、線状光源L直上では集光機能層PSによる輝度上昇が大きくなる。
一方、出射光βは、拡散により入射角20°〜40°で集光機能層PSに入射する割合が減少し、入射角10°以下で集光機能層PSに入射する割合が増加する。入射角20°〜40°で入射する光の減少は集光機能層PSからの正面出射量を減少させるので、線状光源Lから離れた位置では集光機能層PSによる輝度上昇が小さくなる。
以上のように、集光機能層による輝度上昇量が線状光源L直上とその周辺で不均一である、という試験1で確認した事項の理由が判明した。
以上説明したように、調整値Cは、C<0%であることが好ましいが、条件(I)では、「C≦0%を満たす調整値Cの割合が60%以上」とした。これは、後述の実験例に示すように、C=0%であれば、調整後構成における輝度分布のむらは、実質的に生じないこと、また、総てのmにおいてC≦0%の関係を満たさなくても、調整後構成における輝度分布のむらは、許容範囲に収まるからである。
また、条件(I)では、平均調整値Cについて、−30≦C<0%とした。これは、調整値Cは、C<0%であることが好ましいので、全体として、調整値Cが負の値となる度合いが高い傾向とすべきことを明確にしたものである。また、調整値Cの絶対値には上限を設けるべきなので、後述の実験例を参酌して上限を定めたものである。
<面光源装置の製造方法>
本発明では、まず、内面が反射面MとされたハウジングCAに線状光源L,L・・・を収容する。次いで、下記の条件(II)を満たすようにパターン光拡散層HSを調整した光学ユニットCPを用意し、これを、線状光源L,L・・・の光出射側に設ける。
[条件(II)]
線状光源から光学ユニットまでの距離dがd(但し、dは距離dの設計値)である場合において、前記調整値Cに占める、C≦0%を満たす調整値Cの割合が80%以上になると共に、前記平均調整値Cが、−25≦C<0%になる。
本発明者らは、同じ光学ユニットを用いても、距離dが変動すると、平均調整値Cも変動することを見いだした。具体的には、距離dがdの時に特定の光学ユニットを用いて得られる平均調整値CをCとし、距離dがd+d(但しd>0)の時に前記特定の光学ユニットを用いて得られる平均調整値CをC、距離dがd−d(但しd>0)の時に前記特定の光学ユニットを用いて得られる平均調整値CをCとすると、C<C<Cとなることを見いだした。
そこで、距離dの変動値γを、0.5mm以下とすることは可能であることを踏まえて、距離dが設計値のdである場合の条件を、条件(I)よりも厳しくすることを検討した。
その結果、後述の実験例に示すように、条件(II)を満たせば、距離dがd±0.5mmの範囲で、上記条件(I)を満たす蓋然性が高いことを見いだした。
条件(II)において、C≦0%の関係は、80%以上のmにおいて満たされることが必要であり、85%以上のmにおいて満たされることが好ましく、90%以上のmにおいて満たされることがより好ましく、総てのmにおいて満たされることが特に好ましい。
また、Cは、−0.2%以下であることが好ましく、−2.0%以下であることがより好ましい。さらに、Cは、−20%以上であることが好ましく、−15%以上あることがより好ましい。
また、平均調整値Cは−20≦C≦−0.2%であることが好ましく、−15≦C≦−2%であることがより好ましい。
<条件(II)を満たす光学ユニットの調製1>
条件(II)を満たす光学ユニットは、例えば、特願2008−230996号の輝度均斉化シートの製造方法に準じて調製することができる。すなわち、以下の(a)〜(g)の工程を経ることにより製造できる。
条件(II)を満たすためには、調整前構成、調整後構成の距離dをdとして、以下の各工程を行う。
[(a)工程]
(a)工程では、まず、調整前構成に、互いに階調値が異なる複数の矩形状の標準パターンを順次配置して、各々、複数の測定点において輝度を測定する。
複数の標準パターンは、いずれも、全面均一な階調値である他は、パターン光拡散層と同等のものを用いる。例えば、パターン光拡散層が、調整前構成の光拡散板にパターン状に設けられた白色インキ部からなるものであれば、標準パターンは、全面均一な階調値の白色インキ部で構成される。同様に、パターン光拡散層が、光拡散板と別の基材に白色インキ部を有するものであれば、標準パターンは、前記基材と同一の基材に全面均一な階調値の白色インキ部を有するもので構成される。何れの場合も、標準パターンの白色インキの種類は、パターン光拡散層の白色インキと全て同一とする。
また、パターン光拡散層を均一光拡散層の光出射側に配置する場合、標準パターンも均一光拡散層の光出射側に配置する。パターン光拡散層を均一光拡散層の光入射側に配置する場合、標準パターンも均一光拡散層の光入射側に配置する。
複数の標準パターンの階調値としては、より充分に均斉化できる点から、階調値0〜100%の範囲で均等な間隔で選択することが好ましい。しかし、選択する複数の階調値は等間隔である必要はなく、必要に応じて間隔を広くしてもよいし、狭くしてもよい。
また、複数の標準パターンには、より充分に均斉化できることから、階調値0%の標準パターンまたは階調値100%の標準パターンが含まれることが好ましく、階調値0%の標準パターンおよび階調値100%の標準パターンの両方が含まれることがより好ましい。階調値0%の標準パターンまたは階調値100%の標準パターンを用意しない場合には、階調値ができるだけ0%に近い標準パターン、階調値ができるだけ100%に近い標準パターンを用いることが好ましい。
以下に、複数の標準パターンとして、階調値が0%,20%,40%,60%,80%,100%の6種類の標準パターンを用いて実際に得たデータを例にとって説明する。
複数の測定点は、座標軸X上で設定する。本例では、座標軸X上の0〜188mmの範囲で、0.6mm間隔で測定点を設定した。なお、本例の線状光源は、座標軸X上の13.5〜174.5mmの範囲に23mm間隔で、8本配列されたものである。
輝度は、輝度計(トプコンテクノハウス社製、製品名「UA−1000」)を、座標軸X上の94mm(座標軸X上の0〜188mmの範囲の中間点)の上方に、光拡散板の面に対して垂直な向きで設置する。また、輝度計のレンズから均一光拡散層までの距離は、焦点が定まる任意の範囲で設定でき、本例では1000mmとした。
図11に、横軸を、測定点の位置とし、縦軸を各測定点で測定した輝度とした輝度曲線を、標準パターン毎に示す。ここで、位置は座標軸X上の位置のことである。
図11に示すように、いずれの標準パターンを配置した場合でも、線状光源の直上において極大値をとり、隣接する線状光源の間の直上において極小値をとる輝度パターンが得られる。また、標準パターンの階調値が高くなる程、輝度は小さくなる傾向にある。
[(b)工程]
(b)工程では、図11に示すように、以下に説明する第1の輝度近似曲線と第2の輝度近似曲線との間で目標輝度曲線を設定する。
まず、第1の輝度近似曲線は、階調値0%の標準パターンを配置したときに得られる輝度曲線の各極小点を最小二乗法により2次関数に近似することにより求められる。
また、第2の輝度近似曲線は、階調値100%の標準パターンを配置したときに得られる輝度曲線の各極大点を最小二乗法で2次関数に近似することにより求められる。
目標輝度曲線は、第1の輝度近似曲線と第2の輝度近似曲線との間の範囲で、これらの曲線と略同等の曲率で設定する。目標輝度曲線はできるだけ上の位置で、すなわち、第1の輝度近似曲線に近い位置で設定する。
[(c)工程]
(c)工程では、各測定点(x)毎に標準パターンの階調値と輝度との関係を求める。
標準パターンの階調値と輝度との関係の例として、図12に、図11における測定点aでの標準パターンの階調値と輝度との関係を示し、図13に、図11における測定点bでの標準パターンの階調値と輝度との関係を示す。
図12,13に示すように、標準パターンの階調値と輝度とは、傾きが負の比例の関係にあり、輝度が大きくなる程、階調値が小さくなる。
[(d)工程]
(d)工程では、各測定点毎に、(c)工程により求めた標準パターンの階調値と輝度との関係に基づき、内挿法によって目標輝度から目標階調値を求める。例えば、測定点aにおける目標輝度は3063なので、測定点aの目標階調値は、図12に示すように64.6となる。測定点bにおける目標輝度は3067なので、測定点bの目標階調値は、図13に示すように、31.2となる。
そして、図14に示すように、各測定点の位置を横軸とし、各測定点における目標階調値を縦軸とした目標階調値曲線を得る。
[(e)工程]
(e)工程では、各測定点における目標階調値を最小二乗法により2次関数に近似して、図15に示す基準階調値曲線を得る。この基準階調値曲線は、目標階調値曲線の振幅の略中央を通る曲線となる。
[(f)工程]
次いで、(f)工程では、各測定点毎に、前記基準階調値曲線上の基準階調値および前記目標階調値曲線上の目標階調値を用いて、下記式(6)に基づき、補正階調値を求める。各補正階調値によって形成される補正階調値曲線を図15に示す。
補正階調値=基準階調値+K×(目標階調値−基準階調値)・・・式(6)
パターン光拡散層が、パターン状に設けられた白色インキ部を有するものである場合、Kは、0<K<1の範囲の値である。K=0では、線状光源Lからの遠近を考慮した輝度均斉化ができない。一方、K=1では、白色インキの印刷部での光の反射が考慮されていない従来の技術に該当するものとなり、線状光源Lの直上で輝度が極小値となる逆転現象が過大に発生してしまう。
調整後構成における輝度分布が条件(II)を満たしやすいのは、Kが0.05〜0.9の範囲であり、0.1〜0.7の範囲であるとより満たしやすい。
Kが小さいほど、平均調整値Cは100%に近くなる。一方、Kを大きくするにつれ、
平均調整値Cは減少し、ついには、マイナスとなる。本発明では、以下のようにして、平均調整値Cが、条件(II)を満たすKを選択する。
まず、暫定のKの値を代入して暫定の補正階調値を求め、この暫定の補正階調値に従って暫定のパターン光拡散層を得る。
次いで、この暫定のパターン光拡散層を均一光拡散層と積層して得た調整後構成の輝度分布を測定する。そして、この輝度分布と、階調値0%の標準パターンを均一光拡散層に配置したときの輝度分布とを対比する。
図16に示すように、Kの値が比較的大きければ、パターンが反転する。すなわち、平均調整値Cの値がマイナスとなる。そして、その平均調整値Cの絶対値が条件(II)を満たせば、暫定のパターン光拡散層を本発明におけるパターン光拡散層として採用できる。
平均調整値Cの絶対値が条件(II)の上限値を超える場合(平均調整値Cが条件(II)の下限値以下の場合)は、Kの値を小さくして、再度、補正階調値を求めて暫定のパターン光拡散層を作り直す。そして、この暫定のパターン光拡散層を均一光拡散層と積層して得た調整後構成の輝度分布を測定する。そして、この輝度分布と、階調値0%の標準パターンを均一光拡散層に配置したときの輝度分布とを対比する。
図17に示すように、パターンが反転しない場合、すなわち、平均調整値Cの値がプラスとなる場合は、Kの値が小さすぎる。また、図18に示すように、調整後構成の輝度分布が完全に均斉化された場合、すなわち、平均調整値Cの値がゼロの場合も、Kの値が小さすぎる。
このような対比を、条件(II)を満たすまで繰り返して、Kを決定し、測定点毎に式(4)により補正階調値を求める。
なお、汎用的なパターン光拡散層とするためには、同一規格の複数の調整前構成の各々に適した補正階調値を求め、これらを平均化した補正階調値を採用すればよい。
また、均一光拡散層の全光線透過率が変化しても調整前構成の輝度分布パターンは基本的に高さだけが変化する。そのため、便宜上全光線透過率の異なる均一光拡散層を用いて基準階調値と目標階調値とを求め、その後当該均一光拡散層を用いて平均調整値Cが条件(II)を満たすKを求め前記式(4)による補正階調値の設定を行ってもよい。
[(g)工程]
(g)工程では、各測定点に対応する位置の階調値が(f)の工程にて得た補正階調値となるようにパターン光拡散層を調製する。
ここで、各測定点に対応する位置とは、当該測定点において座標軸Xと直交する直線上の総ての位置を意味する。
パターン光拡散層が、図4に示すように透光性基材に白色インキが所定のパターン状に印刷されたものである場合、透光性基材に白色インキをパターン印刷することにより得られる。
白色インキの印刷方法としては、オフセット、フレキソ、グラビア、スクリーン、パット、インクジェット、グラビアオフセットなど公知の技術を、所望のパターンや基材の種類などに応じて適宜選択して用いることができる。特に製版が比較的容易で生産性も高いことから、オフセット印刷やフレキソ印刷がより好ましい。
特にオフセット印刷を適用する場合には、JIS B0601−1994に従って測定される印刷の表面粗さが0.5〜1.5μmであることが好ましい。印刷部の表面粗さRaが0.5μm以上であれば、印刷部自体に光散乱性が生じるため、輝度をより均斉化でき、1.5μm以下にすれば、印刷の生産性低下を抑制できる。オフセット印刷では、インキの性質や印刷条件などにより、印刷部の表面粗さを制御しやすく、その結果として光散乱性の制御も可能である。
厚みのある光拡散板に対しては、スクリーン印刷やフレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷、パッド印刷がより適している。
また、複数の印刷方式を組み合わせたり、多色印刷機や両面印刷機を用いる等の手段により、白色インキのパターン印刷部に重ね刷りもしくは両面印刷を施したりしてもよく、例えば白色インキ部の密着性や擦過性向上のためにアンダーコートやオーバーコートをベタ印刷してもよい。重ね刷りもしくは両面印刷によって得られるパターン光拡散層が所望の階調印刷パターンを保持していれば、白色インキのパターン印刷に組み合わせる印刷のインキは、白色インキであっても、透明ニスなどの白色成分を含まない透明インキであってもよい。
白色インキのパターン印刷層として最適な厚さは、印刷方式や白色インキの種類によって異なるため限定するものではないが、0.5〜20μmが望ましい。0.5μm未満になると印刷の安定性が保ち難く、20μmより厚くなると印刷部の耐擦過性が保ち難い。
階調値の制御方法としては、網点印刷により網点面積率を変化させる方法、印刷回数やインキ量を変化させることで白色インキ印刷部の厚さを変化させる方法、透過率の異なる白色インキを組み合わせて印刷する方法などが挙げられる。また、それらを組み合わせて調整してもよい。例えば、網点印刷により階調値を制御する場合、網点面積率が100%の部分の階調値を100%にすることが好ましい。
網点印刷により網点面積率を変える場合、網点の大きさを変えて階調を調整するAM網点方式や、網点の個数を変えて階調を調整するFM網点方式、両者の長所を生かしたハイブリッド方式(例えば、大日本スクリーン製造株式会社製:Fairdot、RandotX、クレオジャパン株式会社製:Staccto)など各種スクリーン方式の網点印刷が採用できる。
AMスクリーン印刷の場合、印刷方式によっても異なるが、スクリーン線数は40〜400線程度が好ましく、より好ましくは60〜200線である。スクリーン線数が低すぎると網点に起因するむらが輝度均一化の妨げとなる可能性があり、逆にスクリーン線数が高すぎると印刷管理が難しくなる。また、網点の形状としては、スクエア、ラウンド、エリプティカル、チェーン、ライン、クロスライン、トライアングル、ハニカムなど、公知の網点形状が例示できる。
<条件(II)を満たす光学ユニットの調製2>
条件(I)〜(III)の何れかを満たすパターン光拡散層は、以下の(h)〜(n)の工程を経ることによっても製造できる。
この場合も、条件(II)を満たすためには、調整前構成、調整後構成の距離dをdとして、以下の各工程を行う。
(h)調整前構成を用いて、座標軸Xにおける複数位置にて、調整前の輝度を測定し、横軸を前記位置、縦軸を調整前の輝度とする調整前の輝度曲線を得る。
(i)調整前の輝度曲線を最小二乗法により二次関数に近似して、基準曲線を得る。
(j)前記位置毎の調整前の輝度と基準曲線上の基準輝度との差から輝度差を求め、横軸を前記位置、輝度差を縦軸とする輝度差曲線を得る。
(k)前記位置毎の暫定階調値(0〜100%)を下記式(7)に基づき設定する。そして、前記位置毎の階調値を暫定階調値とした暫定のパターン光拡散層を調整前構成の均一光拡散層と積層して、前記位置毎に暫定輝度を測定し、横軸を座標軸Xにおける位置、縦軸を暫定輝度とする暫定輝度曲線を得る。
暫定階調値=中心階調値+K’×{(輝度差)/(輝度差の最大絶対値)}
(但し、中心階調値は20〜80%、K’は0.5〜80%である。)
・・・・・式(7)
(l)先の暫定輝度曲線(調整後の輝度曲線)と、調整前の輝度曲線とを対比して、条件(II)を満たせば、暫定のパターン光拡散層を本発明におけるパターン光拡散層として採用できる。条件(II)を満たさない場合は、K’の値を調整して、式(7)に基づき新たな暫定階調値を設定する。
(m)(l)を繰り返して、条件(II)を満たしたときの暫定階調値を最終的な階調値とする。
(n)工程では、各測定点に対応する位置の階調値が(m)の工程にて得た最終的な階調値となるように前記(g)と同様にパターン光拡散層を調製する。
上記の工程でパターン光拡散層を調製する場合、前記(h)〜(m)の工程を、座標軸Xを線状光源Lの長手方向に所定量ずつ平行移動させた複数座標において繰り返すことにより座標毎の最終的な階調値を求め、これらを平均化して、(n)工程における最終的な階調値とすることが好ましい。これにより、各線状光源Lの長手方向に沿った輝度のバラツキを補償することができる。
また、より汎用的なパターン光拡散層とするためには、同一規格の複数の調整前構成を用いて前記(h)〜(m)の工程を繰り返すことにより調整前構成毎の最終的な階調値を求め、これらを平均化して、(n)工程における最終的な階調値とすることが好ましい。
前記座標毎の最終的な階調値の平均化と、前記調整前構成毎の最終的な階調値の平均化とを併せて行うことが特に好ましい。
[実験例1]
図1と同様の断面構造を有し、表示面の大きさが縦399mm、横708mmである面光源装置を製作した。
まず、白色の光沢ポリエチレンテレフタラートシートが貼り付けられることにより内面が反射面とされているハウジング内に、直径4mm、長さ700mmの線状光源(8本)を、長手方向を表示面の横方向に平行に配列した。各線状光源の間隔は、何れも48mmとした。
次に、ハウジングCAの開口面を塞ぐように、均一光拡散層として試験1で用いた光拡散板DP1を配置し、各線状光源Lから光拡散板DP1迄の距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの調整前構成を得た。
次に、各調整前構成の光拡散板DP1上にパターン光拡散層HSを重ねて、前記距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの調整後構成を得た。
パターン光拡散層HSとしては、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム(東洋紡製、コスモシャインA4300)に、白色インキ(東洋インキ社製FDOニュー青 T白MF1)でオフセット印刷したパターン光拡散層HS1(以下「HS1」という。)を用いた。
HS1は、前記<条件(II)を満たす光学ユニットの調製2>の(h)〜(n)工程により調製した。(n)工程における最終的な階調値における中心階調値は50%、K’は10%とした。階調値は、単位面積あたりのインキ量を変化させて調整した。
なお、(n)工程における最終的な階調値は、同一規格の5つの調整前構成を用いて前記(h)〜(m)の工程を繰り返すことにより調整前構成毎の最終的な階調値を求め、これらを平均化した階調値とした。
次に、各調整後構成のHS1上に、試験1で用いたプリズムシートPS1を重ねて、前記距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの面光源装置の最終構成を得た。
各調整前構成、調整後構成、最終構成について、試験1と同様にして輝度分布を測定した。結果を図19に示す。図19(a)、(b)、(c)は、距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである場合の結果である。
図19において、調整前構成の輝度分布データは「調整前1」として示した。また、
調整後構成の輝度分布データは「調整後1」として示した。また、最終構成の輝度分布データは「最終構成1」として示した。
[実験例2]
実験例1と同様にして、各線状光源Lから光拡散板DP1迄の距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの調整前構成を得た。
次に、HS1に代えて、K’を12%とした他はHS1と同様のパターン光拡散層(以下「HS2」という。)を用いた他は、実験例1と同様にして、前記距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの調整後構成を得た。
次に、各調整後構成のHS2上に、実験例1と同様にしてプリズムシートPS1を重ねて、前記距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの面光源装置の最終構成を得た。
各調整前構成、調整後構成、最終構成について、実験例1と同様にして輝度分布を測定した。結果を図20に示す。図20(a)、(b)、(c)は、距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである場合の結果である。
図20において、調整前構成の輝度分布データは「調整前2」として示した。また、
調整後構成の輝度分布データは「調整後2」として示した。また、最終構成の輝度分布データは「最終構成2」として示した。
[実験例3]
実験例1と同様にして、各線状光源Lから光拡散板DP1迄の距離dが、(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの調整前構成を得た。
次に、HS1に代えて、K’を13%とした他はHS1と同様のパターン光拡散層(以下「HS3」という。)を用いた他は、実験例1と同様にして、前記距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの調整後構成を得た。
次に、各調整後構成のHS3上に、実験例1と同様にしてプリズムシートPS1を重ねて、前記距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである3つの面光源装置の最終構成を得た。
各調整前構成、調整後構成、最終構成について、実験例1と同様にして輝度分布を測定した。結果を図21に示す。図21(a)、(b)、(c)は、距離dが、各々(a)14.6mm、(b)14.1mm、(c)13.6mmである場合の結果である。
図21において、調整前構成の輝度分布データは「調整前3」として示した。また、
調整後構成の輝度分布データは「調整後3」として示した。また、最終構成の輝度分布データは「最終構成3」として示した。
[実験例4]
図2と同様の断面構造を有し、表示面の大きさが縦399mm、横708mmである面光源装置を製作した。
まず、白色の光沢ポリエチレンテレフタラートシートが貼り付けられることにより内面が反射面とされているハウジング内に、直径4mm、長さ700mmの線状光源(8本)を、長手方向を表示面の横方向に平行に配列した。各線状光源の間隔は、何れも48mmとした。
次に、ハウジングCAの開口面を塞ぐように、均一光拡散層として、試験1で用いた光拡散板DP1を配置し、各線状光源Lから光拡散板DP1迄の距離dが、各々(a)12.5mm、(b)12.0mm、(c)11.5mmである3つの調整前構成を得た。
次に、上記光拡散板DP1に、インクジェットプリンタ(incaSP320、インカデジタルプリンターズリミティッド製)にて白色インキ単色で印刷して、パターン光拡散層HS4(以下「HS4」という。)を設けることにより、一方の面にHS4が形成された光拡散板DP1(以下「HS4付き光拡散板」という。)を得た。
そして、前記ハウジングCAの開口面を塞ぐように、HS4付き光拡散板を、HS4を入射光側として配置し、各線状光源LからHS4付き光拡散板迄の距離dが、各々(a)12.5mm、(b)12.0mm、(c)11.5mmである3つの調整後構成を得た。
HS4付き光拡散板は、前記<条件(II)を満たす光学ユニットの調製2>の(h)〜(n)工程により調製した。(n)工程における最終的な階調値における中心階調値は50%、K’は25%とした。階調値は、単位面積あたりのインキ量を変化させて調整した。
なお、(n)工程における最終的な階調値は、同一規格の5つの調整前構成を用いて前記(h)〜(m)の工程を繰り返すことにより調整前構成毎の最終的な階調値を求め、これらを平均化した階調値とした。
次に、HS4付き光拡散板の上に、集光機能層としてマイクロレンズシートPS2を1枚重ねて、前記距離dが、各々(a)12.5mm、(b)12.0mm、(c)11.5mmである3つの面光源装置の最終構成を得た。
マイクロレンズシートとしては、底面が長径約30〜70μmの略円形であり、断面が略半球状であり、高さが30〜40μm程度であるマイクロレンズが、互いにほぼ接する間隔で、ランダムに二次元配置されたものを用いた。
各調整前構成、調整後構成、最終構成について、試験1と同様にして輝度分布を測定した。結果を図22に示す。図22(a)、(b)、(c)は、距離dが、各々(a)12.5mm、(b)12.0mm、(c)11.5mmである場合の結果である。
図22において、調整前構成の輝度分布データは「調整前4」(輝度は左側の目盛)として示した。また、
調整後構成の輝度分布データは「調整後4」(輝度は右側の目盛)として示した。また、最終構成の輝度分布データは「最終構成4」(輝度は左側の目盛)として示した。
[実験例5]
光拡散板DP1に代えて、透明樹脂(ポリメチルメタクリレート)に、シリカ粒子を光散乱性微粒子として均一に分散させ、これを射出成形した厚さ2mmの板とした全光線透過率70%の光拡散板(以下「光拡散板DP2」という。)を用いた他は、実験例4と同様にして、各線状光源Lから光拡散板DP2迄の距離dが、各々(a)12.5mm、(b)12.0mm、(c)11.5mmである3つの調整前構成を得た。
次に、上記光拡散板DP2に、K’を23%とした他はHS4と同様にしてパターン光拡散層HS5(以下「HS5」という。)を設けることにより、一方の面にHS5が形成された光拡散板DP2(以下「HS5付き光拡散板」という。)を得た。
そして、前記ハウジングCAの開口面を塞ぐように、HS5付き光拡散板を、HS5を入射光側として配置し、各線状光源LからHS5付き光拡散板迄の距離dが、各々(a)12.5mm、(b)12.0mm、(c)11.5mmである3つの調整後構成を得た。
次に、HS5付き光拡散板の上に、前記マイクロレンズシートPS2を1枚重ねて、前記距離dが、各々(a)12.5mm、(b)12.0mm、(c)11.5mmである3つの面光源装置の最終構成を得た。
各調整前構成、調整後構成、最終構成について、実験例1と同様にして輝度分布を測定した。結果を図23に示す。図23(a)、(b)、(c)は、距離dが、各々(a)12.5mm、(b)12.0mm、(c)11.5mmである場合の結果である。
図23において、調整前構成の輝度分布データは「調整前5」(輝度は左側の目盛)として示した。また、
調整後構成の輝度分布データは「調整後5」(輝度は右側の目盛)として示した。また、最終構成の輝度分布データは「最終構成5」(輝度は左側の目盛)として示した。
[調整値の計算]
実験例1〜5の各々について、上記式(5)で定義した調整値Cと、平均調整値Cを求めた。また、得られた最終構成の輝度分布の均斉化の程度を下記評価基準で評価した。実験例1〜3の結果を表1に、実験例4、5の結果を表2に、各々示す。
◎:輝度むらなし。
○:輝度むらがあるが、無視できる程度。
△:輝度むらがあるが、実用上問題ない程度。
×:実用上問題となる輝度むらあり。
Figure 0005540371
Figure 0005540371
表1、表2に示すように、実験例1におけるdが13.6mmの場合と、実験例3におけるdが14.6mmの場合以外は、条件(I)を満たしていた。これら、条件(I)を満たすものは、何れも実用上、輝度むらが問題とならない程度に最終構成の輝度分布が均斉化されていた。
また、条件(II)を満たした実験例2、4、5は、dが0.5mmで変動しても、最終構成の輝度分布を充分に均斉化できることが確認できた。
CA…ハウジング、L…線状光源、DP…均一光拡散層、HS…パターン光拡散層、
PS…集光機能層、M…反射面、DS…付加的な拡散層、
CP1、CP2、CP3…光学ユニット

Claims (3)

  1. 底面と対向する側に矩形状の開口部を有し、内面が反射面とされたハウジングと、該ハウジングに収容され、各々の軸方向が前記矩形上の開口部の一辺と平行となるように、かつ互いの軸方向中央が同一直線上に並ぶように、前記底面と平行な同一平面上に配列されたn本(但し、nは2以上の整数)の線状光源と、該ハウジングの開口部を塞ぐように、かつ前記各線状光源からの距離dが略等距離となるように配置された光学ユニットとを備え、
    前記光学ユニットは、均一光拡散層と、該均一光拡散層の線状光源と反対側に配置され、光入射面に対して斜めから入射した光を、光出射面と直交する方向に立ち上げて出射させる集光機能を有する集光機能層と、前記均一光拡散層の何れか一方の面側であって、前記集光機能層よりも線状光源側に設けられたパターン光拡散層とを有し、
    前記集光機能層は、断面三角形のプリズム条列を有するプリズムシート、または底面が略円形であり、断面が略半球状であるマイクロレンズが、互いにほぼ接する間隔で、ランダムに二次元配置されたマイクロレンズシートであり、
    下式(5)で定義される調整値C(但し、mは1≦m≦nである整数)に占める、C≦0%を満たす調整値Cの割合が60%以上であり、かつ、総ての調整値Cが−30%以上であると共に、調整値Cを平均した平均調整値Cが、−30≦C<0%であることを特徴とする面光源装置。
    (線状光源L 、座標X
    光出射面において、各線状光源とその軸方向中央で直交する直線を座標軸Xとする。
    最も外側に配置される線状光源の一方をLとし、該線状光源Lから数えてm番目に配置される線状光源をL 、線状光源Lの断面中心に対応する座標軸X上の位置を座標Xとする。
    (座標Xm−
    mの値に応じて、下式(1a)又は下式(1b)により座標Xm−を定義する。
    m=1の場合、
    座標Xm−=座標[(3X−X)/2] ・・・式(1a)
    m≠1の場合
    座標Xm−=座標[(Xm−1+X)/2] ・・・式(1b)
    (座標Xm+
    mの値に応じて、下式(2a)又は下式(2b)により座標Xm+を定義する。
    m=nの場合、
    座標Xm+=座標[(3X−Xn−1)/2] ・・・式(2a)
    m≠nの場合
    座標Xm+=座標[(X+Xm+1)/2] ・・・式(2b)
    (調整前近似曲線A’
    前記光学ユニットに代えて前記均一光拡散層のみを配置した時の、該均一光拡散層から1000mm離間した位置に配置した輝度計で測定した座標Xm−から座標Xm+までの輝度分布Aを最小二乗法で二次関数に近似した曲線を調整前近似曲線A’とする。
    (調整前振幅S
    前記調整前近似曲線A’上の、座標Xにおける値をAm0、座標Xm−における値をAm−、座標Xm+における値をAm+として、下式(3)により調整前振幅Sを定義する。
    =Am0−(Am−+Am+)/2 ・・・式(3)
    (調整後近似曲線B’
    前記光学ユニットに代えて前記均一光拡散層及びパターン光拡散層のみを配置した時の、該均一光拡散層から1000mm離間した位置に配置した輝度計で測定した各座標Xm−から座標Xm+までの輝度分布Bを最小二乗法で二次関数に近似した曲線を調整後近似曲線B’とする。
    (調整後振幅T
    前記調整後近似曲線B’上の、座標Xにおける値をBm0、座標Xm−における値をBm−、座標Xm+における値をBm+として、下式(4)により調整後振幅Tを定義する。
    =Bm0−(Bm−+Bm+)/2 ・・・式(4)
    (調整値C
    前記調整後振幅T及び調整前振幅Sから、下式(5)により調整値Cを定義する。
    =T/S×100(%) ・・・式(5)
  2. パターン光拡散層が、パターン状の白色インキ部を有する請求項1に記載の面光源装置。
  3. 前記線状光源から前記光学ユニットまでの距離dがd(但し、dは距離dの設計値)である場合において、前記調整値Cに占める、C≦0%を満たす調整値Cの割合が80%以上になると共に、前記平均調整値Cが、−25≦C<0%になる光学ユニットを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の面光源装置の製造方法。
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