以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機と略す)1では、図1に示すように、遊技盤面2における外側レール3と内側レール4とで囲まれた遊技領域5を備え、遊技領域5には、その中央に、飾り枠体13に囲まれてセンター役物16が配設されている。センター役物16の後方には、液晶等で所定の図柄を表示する図柄表示装置14が配設されている。
遊技領域5の飾り枠体13の周囲には、図示しない釘、風車6、普通入賞口7、賞球の無い入賞口8、始動入賞口9、電動チューリップ10、大入賞口11、アウト口12等の公知の部材が配設されて、図示しないハンドルを操作し、遊技球を外側レール3と内側レール4との間から遊技領域5に打ち出せば、遊技球は、普通入賞口7、賞球の無い入賞口8、始動入賞口9、電動チューリップ10、大入賞口11、アウト口12のいずれかに入球する。そして、遊技球が、普通入賞口7や開放時の大入賞口11に入賞すれば、所定数の遊技球を獲得でき、入賞口8に入賞すれば、抽選により電動チューリップ10を所定時間若しくは所定回数開放させることとなる。また、遊技球が、始動入賞口9や開放時の電動チューリップ10に入賞すれば、抽選により、大当たり、中当たり、小当たり等の当たりや外れが決定され、当たりとなれば、大入賞口11を、その当たりに応じて開放時間、開放回数、入賞個数等を制限して、開放することとなる。これらの作動や遊技フローは、公知のものであり、遊技盤面2の背面側に配置された図示しないメイン制御基板が、入賞時のセンシングに基づき、各種の作動信号を出力し、そして、メイン制御基板からの当たりや外れ等の抽選結果に基づいて、図示しないサブ制御基板が、所定数の遊技球を払い出したり、所定のランプやスピーカ等を作動させつつ、所定の演出を図柄表示装置14に表示することとなる。
そして、飾り枠体13で囲まれた実施形態のセンター役物16は、図2に示すように、ステージ部19、ワープ通路17、入賞補助通路45、及び、リフト51を配設させて構成されている。ステージ部19は、飾り枠体13の下枠13a側に配置されて、遊技球Bを上面側でそれぞれ転動可能な上ステージ20と上ステージ20の下方に配置される下ステージ29との少なくとも二つのステージ20,29を有して構成されている。なお、実施形態では、図柄表示装置14に近い後部側に上ステージ20が配設され、下ステージ29が、前部側に配置されている。
ワープ通路17は、図1,2に示すように、ステージ部19への遊技球Bの入球口となるもので、飾り枠体13におけるステージ部19の上方側の左枠13b側で開口した入口17aから入る遊技球Bを、ステージ部19の下ステージ29の左縁側に転動可能に案内するように、配設されている。
入賞補助通路45は、図1,2に示すように、流出口47を下ステージ29の下方に位置した始動入賞口9の上方で開口させ、また、上ステージ20の左右方向の中央付近に流入口46を開口させて構成されて、流入口46から流入した遊技球Bを、自重により、流出口47まで転動させ、流出口47から、始動入賞口9へ流出可能として、始動入賞口9への入賞を補助するために配設されている。この入賞補助通路45は、図5に示すように、上ステージ20の左右方向の中央付近に配置された流入口46から、上ステージ20の背面、下方、さらに、下ステージ29の左右方向の中央の下方に位置する流出口47まで、前後方向に沿った略L字状の通路として構成されている。
そして、ステージ部19の上ステージ20は、図2,3に示すように、流入口46を開口させた中央部21の左右両側に、上面側で遊技球Bを転動可能な左面部22と右面部23とを配設させている。これらの左面部22と右面部23とは、それぞれ、中央部21から離れるに従って低くし、さらに、最も低い底部22b,23bから外縁22c,23c側にかけて、徐々に高くするように構成されている。また、左面部22と右面部23との中央部21側には、リフト51によって移送されても流入口46に流入しなかった遊技球Bを、受け入れて、底部22b,23b側に転動させるエリア(戻しエリア)22a,23aが、配設されている。戻しエリア22a,23aと流入口46との間には、相互に平行として、後述する背面壁26側から前方側に延びてリフト51の上方側に配置される区画壁49,49が配設されている。また、左面部22と右面部23との底部22b,23bは、下ステージ29側に遊技球Bを転動させる連通口43を構成する部位としている。なお、実施形態の場合、左右の連通口43は、後述する装飾体79,74を蓋体80,75として、開閉されることとなる。
また、上ステージ20の後縁側には、図1,2に示すように、図柄表示装置14側との境界として、背面壁26が左右方向に沿って上方に突設され、背面壁26の左右方向の中央には、既述の流入口46が延設されて開口している。
ステージ部19の下ステージ29は、図2,3に示すように、上面側で遊技球Bを転動可能として、左右方向の中央付近となる中央部30を低くし、中央部30の左右両側を高くするように構成され、左右の左縁34付近と右縁35付近とが、上ステージ20の左面部22と右面部23との外縁22c,23c付近と略面一の同じ曲面として、形成されている。また、下ステージ29の中央部30には、図5,6に示すように、後部側に配置されて遊技球Bをリフト51に案内可能な後下がりの案内面31と、前部側に配置される前下がりの傾斜面32と、が配設されている。案内面31は、リフト51における遊技球Bの受止エリア30aを構成することとなり、傾斜面32は、遊技球Bを下ステージ29の前縁から飾り枠体13(センター役物16)外の下方へ自由落下させて排出する排出路40を構成することとなる。また、下ステージ29の前縁側には、傾斜面32が配設されたエリアを除いて、すなわち、排出路40のエリアを除いて、遊技球Bの前方側への落下を防止可能な突条37,38が、小さな突出量として、上方に突設されている。
なお、排出路40から落下する遊技球Bは、排出路40が左右方向に幅広に開口された状態としており、入賞補助通路45の流出口47から始動入賞口9に向けて落下するように流出される場合と相違して、殆ど、始動入賞口9に入賞せずに、落下していくこととなる。
また、ワープ通路17の出口17bは、中央部30側に向いて、下ステージ29の左縁34付近に配設されている。
そして、遊技球Bが、図2,3に示すように、リフト51に受止保持されて上ステージ20の中央部21付近まで持ち上げられ、流入口46に流入しなかった場合には、その遊技球Bは、左面部22や右面部23のエリア(戻しエリア)22a,23aから底部22b,23b付近まで転動し、連通口43,43を経て、底部22b,23bから下ステージ29に転動し、そして、中央部30のリフト51付近まで転動し、排出路40から排出されなければ、受止エリア30aとしての案内面31に転動し、再度、リフト51で受止保持されて循環するようなループ動作する場合が生ずる。すなわち、左面部22や右面部23は、下ステージ29とともに、連通口43,43を利用して、遊技球Bをループ動作で戻すような戻しルート42を構成している。
リフト51は、図3〜6に示すように、下ステージ29側の遊技球Bを、上ステージ20側における流入口46付近に移送可能に、移送動作を繰り返すものである。そして、リフト51は、下ステージ29側の遊技球Bを受け止めて保持し、かつ、上ステージ20側で遊技球Bを離脱可能な受止保持部53、を備えて構成されている。受止保持部53は、下ステージ29側で受け止めた遊技球Bを略直上に移送させる構成として、受止保持した遊技球Bを上ステージ20側における流入口46に流入可能なエリアに移送可能な流入側移送部54(図4のA、図5のA,B,C参照)と、受止保持した遊技球Bを上ステージ20側における戻しルート42の戻しエリア22a,23aに移送可能な戻し側移送部55,56(図4のB、図6のA,B参照)と、を備えて構成されている。
なお、実施形態の場合、流入口46の周囲の戻しエリア22a,23aが、流入口46の左右両側に、配置されており、受止保持部53は、流入口46と流入口46の左右両側における戻しエリア22a,23aとの部位に対応して、戻し側移送部55,56を、流入側移送部54の左右両側に配置させて構成されている。
また、実施形態の場合、リフト51は、左右方向に沿う回転軸C(図5,6参照)を有して回転する回転タイプとして、受止保持部53は、略円柱形状のロータ52の外周面に、遊技球Bを吸着可能な磁石58,59を配設させて構成されている。磁石58は、流入側移送部54に一個配設され、磁石59は、左右の戻し側移送部55,56に、それぞれ、回転軸Cの軸周り方向に、120°ずつずれた位置に配置されている。なお、磁石58は、一つの磁石59に対して、回転軸Cの軸周り方向に180°ずれた位置に、配置されている。また、磁石58,59は、受止保持部53での配置を遊技者が認識できるように、ロータ52の外周面側に所定の色や模様等の意匠が施されて、配設されている。
ロータ52は、その軸方向に沿う長さ寸法L(図4のB参照)を、左右の戻しエリア22a,23aと流入口46とを合わせた長さ寸法とし、遊技球Bの直径寸法の4〜5倍程度(実施形態では約50mm)としている。そして、各磁石58,59は、流入側移送部54や戻し側移送部55,56の各々の左右方向(軸方向)の中央付近に配置されている。また、このロータ52の回転方向は、磁石58が、受止エリア30a側の前面側に向いた状態から、上方側に向き、さらに、流入口46内に入り込むような後方回転としている。
さらに、ステージ部19内には、ロータ52の外周面と僅かな隙間を開けて、リフト51の軸方向に沿って配置される剥離板63が配置され(図5,6参照)、磁石58,59に吸着された遊技球Bを、リフト51の回転に伴い、剥離板63に当てて磁石58,59から剥し、入賞補助通路45に落下させるように構成されている。
そして、下ステージ29側におけるリフト51の前側には、案内部72,77が配設されている。各案内部72,77は、下ステージ29を転動する遊技球Bに接触して、遊技球Bを流入側移送部54と戻し側移送部55,56との少なくとも一方側に、実施形態では、流入側移送部54に案内可能とするものである。さらに、各案内部72,77は、遊技球Bを流入側移送部54と戻し側移送部55,56との少なくとも一方側に対して、実施形態では、戻し側移送部55,56に対して、案内可能な位置と案内不能とする位置とに、配置されるように、循環移動する。
具体的には、実施形態の場合、案内部72,77は、左右方向に沿って、相互に接近しかつ離隔するように循環移動し、相互の接近時、流入側移送部54の前側を開けた状態で、左右の戻し側移送部55,56の前側を、同時に覆い、かつ、相互の離隔時に、流入側移送部54と左右の戻し側移送部55,56との前側を開けるように、配設されている。
なお、左右の案内部72,77は、図7に示すように、それぞれ、装飾体74,79を一体的に連結させた移動体71,76に配設されて、装飾体74,79とともに、雲形状の意匠を施された略半円板状として、上ステージ20と下ステージ29との間の左右に延びたスリット19a,19b,19c(図2参照)から上方に突出している。各移動体71,76は、それぞれ、案内部72,77と装飾体74,79とを連結杆部73,78によって連結して構成されている。連結杆部73は、リフト51の左方側の案内部72と右面部23側の連通口43付近に配置される装飾体74とを連結しており、二つのリンク73a,73dから構成されている。リンク73aは、案内部72の下部に連結され、リンク73dは、支持部73eを装飾体74の下部に連結させている。そして、リンク73a,73dは、対応する凹凸形状を設けて相互に嵌めた枢着部73c,73fにより、揺動可能に連結されている。また、連結杆部78は、リフト51の右方側の案内部77と左面部22側の連通口43付近に配置される装飾体79とを連結しており、二つのリンク78a,78dから構成されている。リンク78aは、案内部77の下部に連結され、リンク78dは、支持部78eを装飾体79の下部に連結させている。そして、リンク78a,78dも、対応する凹凸形状を設けて相互に嵌めた枢着部78c,78fにより、揺動可能に連結されている。
これらの移動体71,76は、相互に略左右対称形に形成され、リンク73a,78aに設けられた摺動溝部73b,78bに図示しない回動カムが接続され、図示しない回動カムの回転により、移動体71,76が、左右方向に沿って往復移動することとなる。
ちなみに、移動体71の往復移動時には、図4のA,Bに示すように、案内部72の右縁72bが、流入側移送部54の前側を隠さない状態として、左方側の戻し側移送部55の右縁55bに配置された状態から、戻し側移送部55の前側を覆わない状態の戻し側移送部55の左縁55a付近まで、の左右の移動距離分、往復移動し、その際、装飾体74は、左端側に移動した際、右面部23側の連通口43の前側を塞ぎ(図4のB参照)、右端側に移動した際、その連通口43を開口することとなる(図4のA参照)。なお、装飾体74が右面部23側の連通口43の前側を閉口している際、実施形態の場合には、右側の案内部77が右端側に移動しており、右面部23側の連通口43の前側が、装飾体74と案内部77の右縁77b付近とによって、二枚重ねで塞がれることとなる(図4のB参照)。
また、移動体76の往復移動時には、図4のA,Bに示すように、案内部77の左縁77aが、流入側移送部54の前側を隠さない状態として、右方側の戻し側移送部56の左縁56aに配置された状態から、戻し側移送部56の前側を覆わない状態の戻し側移送部56の右縁56b付近まで、の左右の移動距離分、往復移動し、その際、装飾体79は、右端側に移動した際、左面部22側の連通口43の前側を塞ぎ(図4のB参照)、左端側に移動した際、その連通口43を開口することとなる(図4のA参照)。なお、装飾体79が左面部22側の連通口43の前側を閉口している際、実施形態の場合には、左側の案内部72が左端側に移動しており、左面部22側の連通口43の前側が、装飾体79と案内部72の左縁72a付近とによって、二枚重ねで塞がれることとなる(図4のB参照)。
なお、移動体71,76は、それぞれ、リンク73d,78d付近が飾り枠体13の内部の図示しない支持板により、左右方向に沿って往復移動可能に、支持されている。そして、摺動溝部73b,78bに接続された図示しない回動カムは、図示しな歯車機構やリンク機構等の連動機構を利用して、リフト51を回転駆動させる駆動機構と機械的に連結されており、この駆動機構の作動時、移動体71,76の左右方向に沿う往復移動とリフト51との回転とが、連動して動作されるように構成されている。
さらに、実施形態の場合、リフト51の回転と移動体71,76との左右往復移動とは、リフト51の流入側移送部54に設けた磁石58が、受止エリア30aに向いて配置された際に、案内部72,77が、相互に接近し、流入側移送部54の前側を開け、かつ、左右の戻し側移送部55,56の前側を覆う状態とし、その後、磁石58が後方側に回転するに従って、案内部72,77が相互に離隔し、そして、磁石58が、再度、受止エリア30a側の前面に現れる際には、案内部72,77が、相互に接近し、流入側移送部54の前側を開け、かつ、左右の戻し側移送部55,56の前側を覆う状態とするように、相互の動作を同期させるように、設定されている。
実施形態の遊技機1の作動を説明すれば、電源オンとともに、図示しない駆動機構によって、リフト51が後方回転するとともに、案内部72,77を相互に接近させ、かつ、離隔させるように、移動体71,76が左右方向に沿って往復移動する。そして、遊技時、ワープ通路17の入口17aに遊技球Bが入球されれば、遊技球Bは、出口17bから下ステージ29に転動する(図2,3参照)。この転動時、遊技球Bが、案内部72若しくは案内部77の案内により、受止エリア30aの案内面31に転動して、流入側移送部54の磁石58、あるいは、戻し側移送部55,56の磁石59に吸着されれば、リフト51の回転に伴って、上ステージ20側に移送される。そして、遊技球Bが流入側移送部54の磁石58に吸着されていれば、遊技球Bは、図5のA,B,Cに示すように、流入口46に流入し、剥離板63で剥がされて入賞補助通路45内に落下し、そして、自重により、流出口47まで転動し、流出口47から、始動入賞口9へ向けて落下するように流出することとなる。また、遊技球Bが戻し側移送部55,56の磁石59に吸着されていれば、遊技球Bは、図6のA,Bに示すように、戻しルート42の戻しエリア22a,23aに転動して、左面部22や右面部23の底部22b,23b付近まで転動し、連通口43,43を経て、底部22b,23bから下ステージ29に転動し、さらに、中央部30のリフト51付近まで転動し、排出路40から排出されなければ、受止エリア30aとしての案内面31に転動し、再度、案内部72,77の案内により、リフト51で受止保持されて循環する。
そして、実施形態では、遊技球Bが下ステージ29側を転動する際、案内部72,77が、リフト51の前側の受止エリア30aの前側で、循環移動して、左右方向に沿って往復移動している。この案内部72,77の循環移動は、案内部72,77が下ステージ27を転動する遊技球Bに接触しつつ、遊技球Bを流入側移送部54に案内可能に移動する。そしてさらに、案内部72,77の循環移動は、遊技球Bを、戻し側移送部55,56に案内可能な位置(案内部72,77が相互に離隔する位置)と、案内不能とする位置(案内部72,77が戻し側移送部55,56の前側を覆う位置)と、に配置されるように、移動している。
そのため、リフト51の移送動作を繰り返している際、流入側移送部54と戻し側移送部55,56とのどちらの部位が、遊技球Bを受け止めることとなるか、下ステージ29を転動する遊技球Bの速度と、流入側移送部54と戻し側移送部55,56とを備えたリフト51の移送動作の速度(実施形態では回転速度)と、に加えて、戻し側移送部55,56への案内部72,77の案内動作が加わることから、遊技球Bが、流入側移送部54若しくは戻し側移送部55,56のどちらに受止保持されるかが、案内部72,77の循環移動によって幻惑されて予測し難くなる。そして勿論、リフト51の受止エリア30aが配設されている下ステージ29には、遊技球Bをセンター役物16外へ排出可能な排出路40が配設されており、遊技球Bは、リフト51に受止保持されずに、排出路40から排出される可能性もある。そのため、下ステージ29を遊技球Bが転動する際、遊技球Bを受止保持可能なリフト51が移送動作を繰り返すだけでなく、案内部72,77の循環移動による幻惑動作(案内動作でもあり、さらに、案内されない側の流入側移送部54側から見れば邪魔する邪魔動作ともなる)も加わって、遊技球Bが、リフト51の受止保持部53における流入側移送部54若しくは戻し側移送部55,56のどちらかに受止保持されて移送を開始されるか、あるいは、排出路40から排出されるかを、それらの動作が確定するまで、遊技者にハラハラドキドキさせることとなる。
したがって、実施形態の遊技機1では、流入口46付近まで遊技球Bを移送可能なリフト51を設けた下ステージ29を遊技球Bが転動する際、案内部72,77の幻惑動作(案内、邪魔動作)により、遊技球Bが、流入口46に流入し易い流入側移送部54に受止保持されて移送を開始するか、戻しルート42に転動する戻し側移送部55,56に受止保持されて移送を開始するか、あるいは、排出路40から排出されてしまうか、を、それらの動作が確定するまで、遊技者にハラハラドキドキさせることとなって、遊技の趣向性を向上させることができる。
そして、実施形態では、流入口46の周囲における戻しルート42の戻しエリア22a,23aが、流入口46の左右両側に配置されて、リフト51の受止保持部53も、流入口46と流入口46の左右両側の戻しエリア22a,23aとの部位に対応して、戻し側移送部55,56を流入側移送部54の左右両側に配置させて構成している。さらに、案内部72,77が、左右の戻し側移送部55,56の前側を、同時に覆うように、配設されるとともに、左右の戻し側移送部55,56を覆う際に、流入側移送部54に遊技球Bを案内可能に流入側移送部54の前側を開けるように、配設されている。そのため、案内部72,77が、左右の戻し側移送部55,56の前側を開閉するように覆う構成であり、それらの戻し側移送部55,56の前側が案内部72,77に覆われている際に、流入側移送部54の前側が開けられており、案内部72,77が、極力、戻し側移送部55,56を覆って、受止エリア30aの遊技球を、流入側移送部54に案内することなる。すなわち、遊技球Bが、リフト51における受止保持部53に受止保持される際、流入口46に流入し易い流入側移送部54に保持される確率が高まって、流入口46に流入する期待感が増進されることから、実施形態の遊技機1では、遊技の趣向性を向上させることができる。
そして、実施形態では、案内部72,77が、流入側移送部54の左右両側に配置させて、相互に接近しかつ離隔するように、左右方向に沿って往復移動して循環移動するとともに、相互の接近時に、流入側移送部54の前側を開け、かつ、相互の離隔時に、流入側移送部54と左右の戻し側移送部55,56との前側を開けるように、配設されている。そのため、実施形態では、常時、流入側移送部54の前側を開けて、左右の戻し側移送部55,56を同時に開閉することができる。また、左右の案内部72,77が、リフト51の前側を小さく開けた状態から大きく開け、相互の相対移動量を大きくすることから、案内部72,77に所定の意匠を施した際に(実施形態では雲型の意匠が施されている)、それらの案内部72,77によって、ダイナミックな演出を可能にできる。
さらに、実施形態では、ステージ部19上で突出するとともに案内部72,77に連動して左右に往復移動する装飾体74,79が、案内部72,77に連結させて配設されている。実施形態の装飾体74,79は、案内部72,77とともに、雲型に意匠が施されている。そのため、実施形態の遊技機1では、案内部72,77と装飾体74,79との左右方向に沿う循環移動により、ステージ部19での演出効果を一層高めることもできる。
さらにこの場合、実施形態では、装飾体74,79が、上ステージ20から下ステージ29に転動する戻しルート42の連通口43,43を開閉可能な蓋体75,80として構成されている。そして、実施形態の場合には、左右の連通口43,43を開口する蓋体(装飾体74,79)75,80の移動タイミングと左右の戻し側移送部55,56を塞ぐ案内部72,77との閉塞タイミングとを対応させている。すなわち、案内部72,77が相互に離隔してリフト51の戻し側移送部55,56の前側を開けている際には、蓋体75,80が、連通口43,43の前側を塞いでおり(図4のB参照)、そして、案内部72,77が、リフト51の流入側移送部54の前側だけを開けるように、相互に接近する際には、蓋体75,80が連通口43,43を開口させることとなる(図4のA参照)。そのため、遊技球Bが、連通口43付近で蓋体75,80によって上ステージ20側に留められていた場合には、その遊技球Bは、蓋体75,80の連通口43の開口によって、下ステージ29側に転動し、そして、リフト51の受止エリア30aに到達すれば、案内部72,77がリフト51の戻し側移送部55,56の前側を塞いで、流入側移送部54の前側を開けていることから、流入側移送部54の磁石58に容易に吸着される。その結果、連通口43を経て下ステージ29に転動する遊技球Bが、リフト51を利用して、流入口46に流入する確率を高くできて、一層、遊技の趣向性を向上させることができる。
さらに、実施形態では、リフト51の受止保持部53として、流入側移送部54と戻し側移送部55,56とにそれぞれ磁石58,59を配設して、流入側移送部54に配設される磁石58と戻し側移送部55,56に配設される磁石59とを、リフト51の回転軸Cの軸周り方向で、ずれて配設している。さらに、実施形態の場合、リフト51の受止保持部53における受止エリア30a側のエリアにおいて、流入側移送部54の磁石58が受止エリア30a側に向いて配置されている場合に、戻し側移送部55,56では、磁石59が受止エリア30a側に配置されない構成としている。
そのため、このような構成では、案内部72,77の開閉のタイミングが、仮に、既述の実施形態の説明と相違して、リフト51の回転とずれ、案内部72,77が、流入側移送部54と戻し側移送部55,56との前側を開けてしまい、かつ、その際、リフト51の回転に伴い、流入側移送部54の磁石58が受止エリア30a側に向いて配置される事態が発生しても、その際には、戻し側移送部55,56の前側が開いているにも拘らず、開いている流入側移送部54で遊技球Bを吸着させることができて、遊技球Bの流入口46への流入の期待感を、向上させることができる。
勿論、逆に、案内部72,77の開閉のタイミングが、仮に、既述の実施形態の説明と相違して、リフト51の回転とずれた場合、リフト51の回転角度によっては、案内部72,77が流入側移送部54の前側だけ開いていても、そのエリアの流入側移送部54に磁石58が無く、遊技球Bが流入側移送部に吸着されない事態を生じさせることもできる。すなわち、実施形態の構成では、戻し側移送部55,56の前側を覆う案内部72,77の循環移動と、リフト51の回転に伴う磁石58,59の回転移動と、のタイミングを、同期させたり、あるいは、同期させないようにする設定する他に、流入側移送部54と戻し側移送部55,56とに設ける磁石58,59の配置の設定により、流入側移送部54に遊技球を吸着させる確率を、容易に、種々設定できる。
なお、実施形態では、戻し側移送部55,56の前側を覆う案内部72,77の循環移動と、リフト51の回転に伴う磁石58,59の回転移動と、のタイミングを、既述したように同期させている。すなわち、リフト51の流入側移送部54に設けた磁石58が、受止エリア30aに向いて配置された際に、案内部72,77が、相互に接近し、流入側移送部54の前側を開け、かつ、左右の戻し側移送部55,56の前側を覆う状態とし、その後、磁石58が後方側に回転するに従って、案内部72,77が相互に離隔し、そして、磁石58が、再度、受止エリア30a側の前面に現れる際には、案内部72,77が、相互に接近し、流入側移送部54の前側を開け、かつ、左右の戻し側移送部55,56の前側を覆う状態とするように、相互の動作を同期させるように、設定されている。ちなみに、左右の戻し側移送部55,56の磁石59に遊技球Bが吸着される場合には、案内部72,77が相互に離隔されて戻し側移送部55,56の前側を開けて、その際に、リフト51の回転軸Cの軸周り方向に沿って配設された三個の磁石59のいずれかに吸着される場合であり、その場合は、主に、ワープ通路17を経て下ステージ29側に遊技球Bが入球する場合である。
そして、実施形態の遊技機1において、戻し側移送部55,56の前側を覆う案内部72,77の循環移動と、リフト51の回転に伴う磁石58,59の回転移動と、のタイミングを同期させない場合とは、リフト51の一回転と案内部72,77の接近と離隔との一サイクルとの時間が相違する場合である。例えば、磁石58が受止エリア30a側に向いて配置され、かつ、その際、案内部72,77が流入側移送部54の前側だけを開けている状態が、あるものの、その状態が、リフト51の数回転、若しくは、数十回転し、かつ、案内部72,77が、戻し側移送部55,56の前側を、リフト51の回転数と相違した回数分、開閉するごとにしか出現しない場合、あるいは、リフト51の一回転する間に、案内部72,77が接近と離隔とを繰り返すサイクルを、2回以上行ったり、さらには、案内部72,77が接近して離隔する一サイクル分の間に、リフト51が二回転以上する場合がある。
また、回転タイプのリフトに設ける磁石としては、図8〜11に示すリフト51Aのように、磁石60を、流入側移送部54と戻し側移送部55,56とにそれぞれ配設させるとともに、流入側移送部54に配設される磁石60と戻し側移送部55,56に配設される磁石60とを、リフト51Aの回転軸Cに沿って、配設させてもよい。図例の場合には、この磁石60は、リフト51Aの軸方向に沿って一本の棒状として配設され、また、受止保持部53での磁石60配置を遊技者が認識できるように、ロータ52の外周面側に所定の色や模様等の意匠が施されて、配設されている。なお、図例の場合には、磁石60は、軸周り方向に180°ずれて、2個配設されている。また、図例の場合には、一本の棒状の磁石60を使用したが、流入側移送部54と戻し側移送部55,56との部位にわたって、遊技球Bを吸着可能な小さな複数の磁石を、直列的に設けてもよい。
このようなリフト51Aでは、磁石60が、リフト51Aの回転軸Cに沿って流入側移送部54と戻し側移送部55,56とにわたるエリアに配設されており、リフト51Aの遊技球Bを吸着するタイミングが、流入側移送部54と戻し側移送部55,56とで一致する。そのため、受止保持部53が遊技球Bを吸着する際、案内部72,77が、図9のBに示すように、戻し側移送部55,56の前側を開けていれば、遊技球Bを戻し側移送部55,56に吸着させ、戻し側移送部55,56の前側を覆っていれば、図9のAに示すように、遊技球Bを流入側移送部54に吸着させることができて、リフト51Aの回転と案内部72,77の循環移動とのタイミングを同期させて、流入側移送部54に遊技球を吸着させる確率を、容易に安定させることができる。ちなみに、図例の場合には、回転軸Cの軸周り方向に沿って二個の磁石60が配設されており、そのうちの一つが、受止エリア30aに向いて配置される際、案内部72,77が、相互に接近し、流入側移送部54の前側を開け、かつ、左右の戻し側移送部55,56の前側を覆う状態とし、その後、磁石60が後方側に回転するに従って、案内部72,77が相互に離隔し、そして、その磁石60が、再度、受止エリア30a側の前面に現れる際には、案内部72,77が、相互に接近し、流入側移送部54の前側を開け、かつ、左右の戻し側移送部55,56の前側を覆う状態とするように、相互の動作を同期させるように、設定されている。
なお、このリフト51Aを設けた遊技機1Aでは、リフト51Aの磁石60の構成がリフト51と相違しているだけで、案内部72,77等の構成は、遊技機1と同じである。そして、この遊技機1Aでは、遊技時、ワープ通路17の入口17aに遊技球Bが入球されれば、遊技球Bは、出口17bから下ステージ29に転動し、案内部72若しくは案内部77の案内により、受止エリア30aの案内面31に転動して、流入側移送部54の磁石60、あるいは、戻し側移送部55,56の磁石60に吸着されれば、リフト51の回転に伴って、上ステージ20側に移送される。そして、遊技球Bが流入側移送部54の磁石60に吸着されていれば、遊技球Bは、図10のA,B,Cに示すように、流入口46に流入し、剥離板63で剥がされて入賞補助通路45内に落下し、そして、自重により、流出口47まで転動し、流出口47から、始動入賞口9へ向けて落下するように流出することとなる。また、遊技球Bが戻し側移送部55,56の磁石60に吸着されていれば、遊技球Bは、図11のA,Bに示すように、戻しルート42の戻しエリア22a,23aに転動して、左面部22や右面部23の底部22b,23b付近まで転動し、連通口43,43を経て、底部22b,23bから下ステージ29に転動し、さらに、中央部30のリフト51付近まで転動し、排出路40から排出されなければ、受止エリア30aとしての案内面31に転動し、再度、案内部72,77の案内により、リフト51で受止保持されて循環することとなる。
また、実施形態では、左右の案内部72,77が、左右の戻し側移送部55,56の前側を、同時に覆う場合に示したが、図12〜14に示す遊技機1Bのように、案内部72B,77Bが、左右の戻し側移送部55,56を交互に覆うように、配設するとともに、左右の戻し側移送部55,56の少なくとも一方を覆う際に、流入側移送部54に遊技球Bを案内可能に流入側移送部54の前側を開けるように、構成してもよい。なお、この案内部72B,77Bは、一枚の移動体81から構成され、両者の間に、流入側移送部54と戻し側移送部55,56の一つ分との合計の左右方向の幅寸法WHの開口82を設けて、配設されている。そして、移動体81は、左右方向の往復移動ストロークを、戻し側移送部55,56の一つ分の左右方向の幅寸法分として、左右方向に往復移動して、左右の戻し側移送部55,56を交互に覆うするように、配設されている。
また、この遊技機1Bでは、移動体81以外のリフト51等は、実施形態の遊技機1と同じものが使用されている。なお、移動体81には、実施形態の遊技機1の装飾体74,79を、一体的に連結させた状態として、設けてもよい。
この遊技機1Bでは、案内部72B,77Bが、左右の戻し側移送部55,56の一方の前側を開閉するように覆う構成であり、それらの戻し側移送部55,56の前側が案内部72B,77Bに覆われている際に、流入側移送部54の前側が開けられており、案内部72B,77Bが、極力、戻し側移送部55,56を覆って、受止エリア30aの遊技球Bを、流入側移送部54に案内することができる。すなわち、この遊技機1Bでも、遊技球Bが、リフト51における受止保持部53に受止保持される際、流入口46に流入し易い流入側移送部54の磁石58に吸着保持される確率が高まって、流入口46に流入する期待感が増進されることから、遊技の趣向性を向上させることができる。
なお、案内部としては、遊技機1,1A,1Bの案内部72,72B,77,77Bのように、リフト51,51Aの前側で、左右方向に沿って移動して、戻し側移送部55,56の前側を開閉する他、図15,16の遊技機1Cの案内部72C,77Cのように、リフト51の前側で、鉛直方向に沿って、上下動させたり、あるいは、図17,18の遊技機1Dの案内部72D,77Dのように、リフト51の前側で、往復回動移動させて、戻し側移送部55,56の前側を開閉することもできる。
また、これらの遊技機1,1A,1B,1C,1Dでは、遊技球Bを受止保持するリフトとして、左右方向に沿う回転軸Cを有して回転し、磁石58,59,60を受止保持部53に利用した回転タイプのリフト(回転リフト)51,51Aを例示したが、他の回転タイプのリフトとしては、受止保持部を、遊技球を保持可能なバケットや羽根から構成したものでもよい。但し、リフト51,51Aのように、受止保持部53が、略円柱形状として、外周面に、遊技球Bを吸着可能な磁石58,59,60を配設させて構成されれば、受止保持部を、遊技球を保持可能なバケットや羽根から構成する場合に比べて、直径寸法をコンパクトに構成でき、ステージ部19の前後方向の幅寸法に制限のある場合に好適となる。
また、遊技球を受止保持するリフトとしては、図19〜21に示す遊技機1Eのリフト85のように、上面側を、下ステージ29側で遊技球Bを受け止めて上ステージ20側に上昇させ、流入口46や戻しエリア22a,23aに転動させるような受止保持部86として、上下動を繰り返す上下往復移動タイプとしてもよい。
なお、このリフト85の上面(受止保持部)86は、前縁86aから後縁86b側にかけて下方に変位するように傾斜しており、さらに、受止保持部86には、区画壁49,49の前方側に一致する位置に、遊技球Bが乗り越えて左右に転動しないように、区画突起86c,86cが配設されている。そして、このリフト85は、最下降時、前縁86aが下ステージ29の案内面31に連なるように配置され、最上昇時、後縁86bが、上ステージ20の戻しエリア22a,23aや流入口46に連なるように、上下往復移動を繰り返すように構成されている。そのため、受止保持部86における区画突起86c,86c間の部位が、流入側移送部87を構成し、受止保持部86における区画突起86cの外側が、戻し側移送部88,89を構成することとなる。
また、この遊技機1Eでは、遊技機1と同一の案内部72,77が配設されている。さらに、案内部72,77の循環移動とリフト85の上下往復移動とのタイミングは、リフト85が、最下降位置から最上昇位置まで上昇し、最下降位置まで下降する上下動を二回繰り返す際に、移動体71,76が、左右の往復移動を一回行うように、設定されている。そして、移動体71,76の一回の往復移動におけるリフト85の二回の最下降時には、左右の戻し側移送部88,89の前側を覆って流入側移送部87の前側を開けた状態(図19参照)と、流入側移送部87とともに左右の戻し側移送部88,89の前側を開けた状態(図21参照)と、が交互に繰り返されるように設定されている。
そして、この遊技機1Eでも、遊技時、ワープ通路17の入口17aに遊技球Bが入球されれば、遊技球Bは、出口17bから下ステージ29の案内面31に転動し、その際、リフト85が最下降時に配置されていれば、案内部72若しくは案内部77の案内により、リフト85の受止保持部86における流入側移送部87、あるいは、戻し側移送部88,89で受止保持されれば、リフト85の上昇に伴って、上ステージ20側に移送される。そして、遊技球Bが流入側移送部87に受止保持されていれば、遊技球Bは、入賞補助通路45の流入口46に流入し、そして、自重により、流出口47まで転動し、流出口47から、始動入賞口9へ向けて落下するように流出することとなる。また、遊技球Bが戻し側移送部88,89に受止保持されていれば、遊技球Bは、戻しルート42の戻しエリア22a,23aに転動して、左面部22や右面部23の底部22b,23b付近まで転動し、連通口43,43を経て、底部22b,23bから下ステージ29に転動し、さらに、中央部30のリフト85付近まで転動し、排出路40から排出されなければ、受止エリア30aとしての案内面31に転動し、再度、案内部72,77の案内により、リフト85で受止保持されて循環することとなる。
また、実施形態では、デジパチタイプの遊技機1について説明したが、デジパチタイプ以外のセンター役物のあるハネモノタイプのパチンコ遊技機等に、本発明を適用してもよい。
さらに、実施形態では、ステージ部19への遊技球Bの入球が、パイプ状のワープ通路17からなる入球口を使用して行われる場合を例示したが、単に、飾り枠体13の内外を貫通する入球口を利用して、ステージ部19上に遊技球Bを入球させるように構成してもよい。
さらにまた、リフト51,51A,85、あるいは、ステージ部19の中央部21,30付近は、内部を通過する遊技球Bを視認できるように、ある程度の透明度を有した合成樹脂材料等からなる透明体(若しくは半透明体)から形成してもよい。