JP5537476B2 - 導電パターンの作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法に関する。
プリント配線板やリードフレームの製造方法として、表面に導電層を設けた絶縁性基板あるいは導電性基板の回路部にエッチングレジスト層を設け、露出している非回路部の導電層をエッチング除去して導電パターンを形成するサブトラクティブ法がある。また、絶縁性基板の回路部にメッキ法で導電層を設けていくアディティブ法やセミアディティブ法がある。
さて、近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、機器内部に使用されるプリント配線板やリードフレームも高密度化や導電パターンの微細化が進められており、サブトラクティブ法により、現在では導体幅が50〜80μm未満、導体間隙が50〜80μmの導電パターンが製造されている。また、さらなる高密度化、微細配線化が進み、導体幅あるいは導体間隙50μm未満の超微細な導電パターンが求められるようになってきている。それに伴って、導電パターンの精度やインピーダンスの要求も高くなっている。このような微細な導電パターンを形成するため、従来から、サブトラクティブ法に代わり、セミアディティブ法が検討されているが、製造工程が大幅に増加するという問題や電解メッキ銅の接着強度不足等の問題があった。そのため、サブトラクティブ法でプリント配線板やリードフレームを製造するのが主流となっている。
サブトラクティブ法において、エッチングレジスト層は、感光性材料を用いた露光現像工程を有するフォトファブリケーション法、スクリーン印刷法、インクジェット法等によって形成される。この中でも、フォトファブリケーション法におけるネガ型のドライフィルムレジストと呼ばれるシート状の光架橋性樹脂層を用いた方法は、取り扱い性に優れ、テンティングによるスルーホールの保護が可能なことから好適に用いられている。
光架橋性樹脂層を用いた方法では、基板上に光架橋性樹脂層を形成し、露光現像工程を経てエッチングレジスト層が形成される。微細な導電パターンを形成するためには、微細なエッチングレジスト層を形成させることが必要不可欠である。このために、できる限りレジスト膜厚を薄くする必要がある。光架橋性樹脂層として一般的なドライフィルムレジストでは、例えば、10μm以下の膜厚にすると、ゴミを核とした気泡の混入や凹凸追従性の低下が原因となり、レジスト層の剥がれや断線が発生するという問題があり、微細なエッチングレジスト層を形成させることは困難であった。
このような問題を解決すべく、基板上に25μm以上の厚みのドライフィルムレジストを貼り付け、次に、アルカリ水溶液を用いてドライフィルムレジストを10μm程度まで薄膜化した後、回路パターンの露光、現像を行ってエッチングレジスト層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、孔上及びその周囲の光架橋性樹脂層をあらかじめ硬化させてから、未硬化部の光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行うことで、孔上及びその周囲部にはテンティング強度を有する厚いエッチングレジスト層を形成することができ、エッチング工程でテンティング膜が破れ難くなり、孔内導電層がエッチングされ難くなる。さらに、孔上及びその周囲のテンティングに必要のない部分は、薄膜化処理を施した後に回路パターンの露光やエッチングを施すことによって、微細な導電パターンの作製が可能となる。この方法によれば、特殊なドライフィルムレジストを必要とせずに、テンティングによる孔内導電層の保護と薄膜化処理による微細な導電パターンの作製とを両立することができる。
しかしながら、孔上及びその周囲に相当する光架橋性樹脂層は、基板全面積の数パーセントから十数パーセント程度しかないことが多く、薄膜化処理後の光架橋性樹脂層のほとんどは剥き出しの状態になっている。この状態で、薄膜化後に通常のハンドリングを行うと、両面露光時の露光装置ステージとの接触、基板同士の接触、搬送工程や投入及び受け取り工程でのコンベアや吸引パットとの接触によって、薄膜化樹脂層に擦り傷や打痕と呼ばれる小さなへこみが発生し、レジストパターンの欠けや断線に繋がる欠陥が発生することがあった。
また、特許文献1には、孔上及びその周囲の光架橋性樹脂層を予め硬化させてから、未硬化部の光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行った後、光架橋性樹脂層上に透明性フィルムを再積層する方法も提案されているが、通常の透明性フィルムでは、光架橋性樹脂層の段差に完全に追従させることは極めて困難で、段差周囲において、線太りによる解像不良や重合阻害による膜減り、あるいは解像度の悪化といった問題が発生する場合があった。
さらに、孔上及びその周囲の光架橋性樹脂層を予め硬化させる方法では、孔上及びその周囲の光架橋性樹脂層を硬化させる工程と薄膜化処理後に回路パターンに相当する光架橋性樹脂層を硬化させる工程という2回の硬化工程がある。光架橋性樹脂層の硬化では、通常、基板に形成された貫通孔を露光位置の基準(アライメントマーク)として使用する。しかしながら、孔上及びその周囲の光架橋性樹脂層を硬化させる工程でアライメントマークとして使用した貫通孔を、回路パターンに相当する部分の光架橋性樹脂層の硬化時にもアライメントマークとして使用した場合、該貫通孔上の光架橋性樹脂層は薄くなっているために、テント破れが起こり、貫通孔の形状が正確に認識されにくくなり、その結果、2回目の回路パターンの硬化時に位置ずれが起こる場合があった。
また、上記のような光架橋性樹脂のテント破れを回避するために、孔上及びその周囲の光架橋性樹脂層の硬化時に、該アライメントマークとして使用する貫通孔上及びその周囲の光架橋性樹脂層を硬化させることで、アライメントマークである貫通孔上のテンティング強度は維持される。しかし、一般に光架橋性樹脂の硬化部は発色するように設計されており、この発色によって貫通孔のエッジのコントラストが変化するため、貫通孔の形状が正確に認識されにくくなり、2回目の回路パターンの硬化時に位置ずれが起こる問題は、この方法では、完全に解決できない。
国際公開第2009/096438号パンフレット
本発明の課題は、サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、薄膜化処理後のハンドリングにおいて、基板同士の接触、搬送工程や投入及び受け取り工程でのコンベアや吸引パットとの接触があっても、薄膜化面に擦り傷や打痕がなく、光架橋性樹脂層の硬化が2回行われる場合でも、位置ずれを防止することができる導電パターンの作製方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、該導電パターンが、第一導電パターン部及び第二導電パターン部から少なくとも構成されており、(a)表面に導電層が設けられている基板上に光架橋性樹脂層を形成する工程、(b)第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程、(c)アルカリ水溶液によって光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行う工程、(d)少なくとも第二導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程、(e)現像工程、(f)エッチング工程をこの順に含む導電パターンの作製方法において、工程(b)で形成された光架橋性樹脂層の硬化部の一部を、工程(d)でアライメントマークとして用いて光架橋性樹脂を硬化させることを特徴とする導電パターンの作製方法、
(2)サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、該導電パターンが、ランド部、第一導電パターン部及び第二導電パターン部から少なくとも構成されており、(a′)孔を有し、表面及び孔内部に導電層が設けられている基板上に光架橋性樹脂層を形成する工程、(b′)ランド部及び第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程、(c)アルカリ水溶液によって光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行う工程、(d)少なくとも第二導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程、(e)現像工程、(f)エッチング工程をこの順に含む導電パターンの作製方法において、工程(b′)で形成された光架橋性樹脂層の硬化部の一部を、工程(d)でアライメントマークとして用いて光架橋性樹脂を硬化させることを特徴とする導電パターンの作製方法、
を見出した。
本発明では、少なくとも第一の導電パターン部と第二の導電パターン部が形成されることにより、薄膜化処理後のハンドリングにおいて、基板同士の接触、搬送工程や投入及び受け取り工程でのコンベアや吸引パットとの接触があっても、薄膜化面に擦り傷や打痕のない導電パターンの作製方法を提供することができる。
すなわち、本発明のレジストパターンの作製方法(1)においては、第一導電パターン部に相当する光架橋性樹脂層を硬化させた後、未硬化の光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行う。これにより、第一導電パターン部は、厚い硬化膜となり、未硬化の薄膜化部と段差が形成される。この段差の形成によって、例えば、両面露光を行ったり、基板同士を重ね置いたり、コンベア搬送や吸引搬送を行ったとしても、薄膜化部に直接接触することはほとんどなく、擦り傷や打痕の発生を防止することができる。
本発明のレジストパターンの作製方法(2)においては、ランド部及び第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させた後、未硬化の光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行う。あらかじめランド部を硬化させることにより、孔上及びその周囲部にはテンティング強度を有する厚いエッチングレジスト層を形成することができ、エッチング工程でテンティング膜が破れ難くなり、孔内導電層がエッチングされ難くなる。さらに、第一導電パターン部もランド部と同様に厚い硬化膜となり、未硬化の薄膜化部と段差を形成することで、薄膜化部への直接の接触による擦り傷や打痕を防止することができる。
また、本発明では、第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させ、未硬化部を薄膜化処理した後、第二導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程において、第一導電パターンに相当する部分の光架橋性樹脂層の硬化部の一部をアライメントマークとして用いることにより、第一導電パターンと第二導電パターンの位置ずれを防止する方法を提供することができる。
すなわち、本発明の導電パターンの作製方法(1)においては、工程(b)で第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させ、工程(c)で未硬化の光架橋性樹脂層を薄膜化処理した後、工程(b)で硬化された光架橋性樹脂層の一部を、工程(d)においてアライメントマークとして用いる。これにより、工程(d)においてアライメントマークの位置情報が正確に読み取られ、第一導電パターンと第二導電パターンの位置ずれを防止することができる。
本発明の導電パターンの作製方法(2)においては、工程(b′)でランド部及び第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させ、工程(c)で未硬化の光架橋性樹脂層を薄膜化処理した後、工程(b′)で硬化された光架橋性樹脂層の一部を、工程(d)においてアライメントマークとして用いる。これにより、工程(d)におけるアライメントマークの位置情報が正確に読み取られ、第一導電パターンと第二導電パターンの位置ずれを防止することができる。
本発明の導電パターンの作製方法(1)の一例を示す断面工程図である。 本発明の導電パターンの作製方法(2)の一例を示す断面工程図である。 第一導電パターン部及び第二導電パターン部を示す概略断面図である。 第一導電パターン部及び第二導電パターン部を示す概略断面図である。 実施例及び比較例で形成したアライメントマークとして使用する貫通孔及び実施例及び比較例で使用したパターンデータの円状パターン部を示す概略俯瞰図である。
以下、本発明の導電パターンの作製方法について詳細に説明する。
図1は、本発明の導電パターンの作製方法(1)の一例を示す断面工程図である。基板2としては、表面に導電層3を設けた絶縁性基板4を使用している。工程(a)では、基板2の導電層3上に光架橋性樹脂層1を形成する。工程(b)では、第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層1を硬化させ、第一導電パターン部5を形成する。工程(c)では、アルカリ水溶液によって光架橋性樹脂層1の薄膜化処理を行い、薄膜化部7を形成する。工程(d)では、第一導電パターン部の一部をアライメントマークとして用いて、少なくとも第二導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層1を硬化させ、薄膜の第二導電パターン部6を形成する。工程(e)では、光架橋性樹脂層の薄膜化部7を現像により除去する。工程(f)では、光架橋性樹脂の第一導電パターン部5及び第二導電パターン部6で覆われていない導電層3をエッチングし、導電パターンを得る。
図2は、本発明の導電パターンの作製方法(2)の一例を示す断面工程図である。基板2としては、孔9を有し、表面及び孔内部に導電層3が設けられている絶縁性基板4を使用している。工程(a′)では、孔9を塞ぐような状態で、基板2の表面の導電層3上に光架橋性樹脂層1を形成する。工程(b′)では、ランド部及び第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層1を硬化させ、ランド部8及び第一導電パターン部5を形成する。工程(c)では、アルカリ水溶液によって光架橋性樹脂層1の薄膜化処理を行い、薄膜化部7を形成する。工程(d)では、第一導電パターン部の一部をアライメントマークとして用いて、少なくとも第二導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層1を硬化させ、薄膜の第二導電パターン部6を形成する。工程(e)では、光架橋性樹脂層の薄膜化部7を現像により除去する。工程(f)では、光架橋性樹脂の第一導電パターン部5及び第二導電パターン部6で覆われていない導電層3をエッチングし、導電パターンを得る。
<工程(a)及び(a′)>
工程(a)では、表面に導電層が設けられている基板の少なくとも片面に光架橋性樹脂層を形成する。工程(a′)では、孔を有し表面及び孔内部に導電層が設けられている基板の少なくとも片面に光架橋性樹脂層を形成する。光架橋性樹脂層の形成には、例えば、加熱したゴムロールを加圧して押し当てる熱圧着方式のラミネータ装置を用いることができる。温度は、40℃から150℃、より好ましくは、60℃から120℃である。圧力は、熱ロールでのラミネートの場合には、線圧力で、1N/cmから100N/cmの範囲、より好ましくは5N/cmから50N/cmの範囲である。基板には、アルカリ脱脂、酸洗等の前処理を施してもよい。
表面に導電層を設けた基板としては、プリント配線板またはリードフレーム用基板が挙げられる。プリント配線板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。フレキシブル基板の絶縁性基板の厚さは5〜125μmで、その両面もしくは片面に1〜35μmの金属箔層が導電層として設けられており、可撓性が大きい。絶縁性基板の材料には、通常、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等が用いられる。絶縁性基板上に金属箔層を有する材料は、接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に絶縁性基板材料である樹脂の液を塗布するキャスト法、スパッタリングや蒸着法で絶縁性基板である樹脂フィルム上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属箔層を形成するスパッタ/メッキ法、熱プレスで貼り付けるラミネート法等のいかなる方法で製造したものを用いてもよい。金属箔層の金属としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、あるいはそれらの合金等のいかなる金属を用いることができるが、銅が一般的である。
リジッド基板としては、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂等を浸漬させた紙基材またはガラス基材を重ねて絶縁性基板とし、その片面もしくは両面に金属箔を導電層として載置し、加熱及び加圧により積層して、金属箔層が設けられたものが挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント基板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属箔層の材料としては、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント基板の例は、「プリント回路技術便覧」((社)日本プリント回路工業会編、1987年刊行、(株)日刊工業新聞社刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット編、1992年刊行、(株)近代化学社刊)に記載されている。リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
孔を有し、表面及び孔内部に導電層が設けられている基板は、例えば、絶縁性基板表面に金属箔層を有する基板に対して、ドリルやレーザーによって孔を形成し、次に、無電解めっき、電解めっき等のめっき処理を施して、孔内部を含む表面にめっき金属層を形成することによって作製される。
光架橋性樹脂層とは露光部が架橋して現像液に不溶化する樹脂層であり、回路形成用として、ネガ型のドライフィルムレジストが一般的に使用されている。市販のドライフィルムレジストは、少なくとも光架橋性樹脂層を有していて、ポリエステル等の支持層フィルム上に光架橋性樹脂層を設け、場合によってはポリエチレン等の保護フィルムで光架橋性樹脂上を挟んだ構成となっているものが多い。本発明において、光架橋性樹脂層として使用できる市販のドライフィルムレジストとしては、例えば、サンフォート(登録商標)シリーズ(旭化成イーマテリアルズ社製)、フォテック(登録商標)シリーズ(日立化成工業社製)、リストン(登録商標)シリーズ(デュポンMRCドライフィルム社製)、ALPHO(登録商標)シリーズ(ニチゴー・モートン社製)等を挙げることができる。
光架橋性樹脂層の厚みは、15〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。この厚みが15μm未満では、ゴミを核とした気泡の混入や凹凸追従性不良によって、レジスト剥がれや断線が発生する場合があり、100μmを超えると、薄膜化で溶解除去される量が多くなって薄膜化処理時間が長くなり、生産性が悪くなる場合がある。また、連続処理において安定した品質を維持するのが難しくなる場合がある。
<工程(b)及び工程(b′)>
本発明の導電パターンの作製方法(1)において、工程(b)では、第一導電パターン部に相当する光架橋性樹脂層を硬化させる。基板のハンドリングにおいて、基板を重ねて積層する場合や、あるいは両面露光を行う場合に、この第一導電パターン部に相当する光架橋性樹脂層が、支柱となって薄膜化後の光架橋性樹脂層が直接接触するのを防止することができる。露光方式としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトツールを用いた片面あるいは両面密着露光方式、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザー走査露光方式等が挙げられる。
本発明の導電パターンの作製方法(2)において、工程(b′)では、ランド部及び第一導電パターン部の光架橋性樹脂層を硬化させる。ランド部は、テンティングが可能なように、所望のランド幅を設定して露光を行う。孔上及びその周囲部に厚膜のテント、さらに、ランド部と同様に厚膜の第一導電パターン部を形成させることで、薄膜化部への直接の接触による擦り傷や打痕を防止することができる。
第一導電パターン部は、その面積が広くなるほど、薄膜化樹脂層の接触リスクは小さくなる。第一導電パターン部の面積は基板全面積の30%〜99%が好ましく、さらに好ましくは50%〜99%である。第一導電パターン部と第二導電パターン部の具体例としては、図3に示したような、スペース幅の広い部分を第一導電パターン部とし、第二導電パターン部を狭小スペースの配線部とその周囲のみとするか、または、全パターンを第二導電パターン部とする例、図4に示したような、第二導電パターン部の線幅を一律縮小したパターンを第一導電パターン部とする例等が挙げられる。また、ランド部以外の第二導電パターン部の線幅を一律縮小したパターンを第一導電パターン部とする例も挙げられる。
なお、工程(b)における位置合わせは、工程(a)において、アライメントマークとして使用する貫通孔を作製し、それを基準として、行うことができる。工程(b′)における位置合わせは、工程(a′)において、内部に導電層が設けられた孔とは別の貫通孔を作製し、それを基準として、行うことができる。アライメントマークとして使用する貫通孔を基板に設ける方法としては、例えば、絶縁性基板表面に金属箔層を有する基板に対して、ドリルやレーザーによって孔を形成する方法が挙げられる。アライメントマークとして使用する貫通孔は、めっき処理が施されていても、施されていなくても、どちらでも良い。
工程(b)及び(b′)において、アライメントマークとして基板に形成された貫通孔を用いることによって、第一導電パターンにおける表面と裏面の位置ずれや積層基板の層間の位置ずれを防止することができる。そして、第二導電パターンに相当する部分の光架橋性樹脂層の硬化時にアライメントマークとして、第一導電パターンに相当する部分の光架橋性樹脂層の硬化部の一部を用いることによって、第一導電パターンと第二導電パターンの両方で、表面と裏面の位置ずれや積層基板の層間位置ずれを防止することができる。
<工程(c)>
工程(c)では、アルカリ水溶液によって未硬化の光架橋性樹脂層を薄膜化処理し、薄膜化部を形成させる。光架橋性樹脂層上に支持層フィルムが設けられている場合には、剥がしてから薄膜化処理を実施する。薄膜化処理とは、光架橋性樹脂層の厚みを略均一に薄くする処理のことであり、詳しくは、薄膜化処理を施す前の厚みの0.05〜0.9倍の厚みまで薄くすることをいう。
本発明に係わるアルカリ水溶液としては、リチウム、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または重炭酸塩等のアルカリ金属炭酸塩、カリウム、ナトリウムのリン酸塩等のアルカリ金属リン酸塩、リチウム、ナトリウムまたはカリウムの水酸化物等のアルカリ金属水酸化物、カリウム、ナトリウムのケイ酸塩等のアルカリ金属ケイ酸塩、カリウム、ナトリウムの亜硫酸塩等のアルカリ金属亜硫酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物、エタノールアミン類、エチルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の有機アルカリ性化合物等のうち少なくともいずれか1種を含む。このうち、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含むことが好ましい。さらに、光架橋性樹脂層の溶解能力、処理液のpHを維持する緩衝能力、装置のメンテナンス性等の点から、アルカリ金属炭酸塩が特に好ましい。
アルカリ性化合物の含有量は5〜20質量%が好ましい。5質量%未満では、ミセルが不溶化し難く溶解除去途中で可溶化されたミセルが溶解拡散して、薄膜化処理で面内ムラが発生する。また、20質量%を超えると、アルカリ性化合物の析出や分離が起こりやすく、液の経時安定性、作業性に劣る。溶液のpHは9〜12の範囲とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜少量添加することもできる。
光架橋性樹脂層の薄膜化処理である工程(c)は、少なくとも2つの工程に分離して処理されることが好ましい。まず、高濃度のアルカリ水溶液を過剰に供給することにより、溶解途中でミセル化された光架橋性樹脂層成分を一旦不溶化し、処理液中への溶解拡散を抑制する。次いで、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含むpH5〜10、より好ましくはpH6〜8の水溶液または水を供給し、不溶化された光架橋性樹脂層成分を再分散させて溶解除去する。水溶液のpHが5未満では、再分散により溶け込んだ光架橋性樹脂成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって薄膜化した光架橋性樹脂層表面に付着する。一方、水溶液のpHが10を超えると、光架橋性樹脂層の溶解拡散が促進され、面内で膜厚ムラが発生するため好ましくない。水溶液のpHは、硫酸、リン酸、塩酸等を用いて適宜調整される。また、水溶液の供給流量は多い方が好ましく、供給流量が不足すると、不溶化された光架橋性樹脂層成分の再分散性が悪くなり、溶解不良が起こりやすくなる。その結果、薄膜化後の光架橋性樹脂層表面に不溶解成分の析出が見られ、タック性が問題になる場合がある。
薄膜化処理の方法として、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スクレーピング等があり、スプレー方式が光架橋性樹脂層の溶解速度の点からは最も適している。スプレー方式の場合、処理条件(温度、時間、スプレー圧)は、使用する光架橋性樹脂層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜40℃、さらに好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.3MPaである。
<工程(d)>
工程(d)では、工程(b)及び工程(b′)で硬化させた第一導電パターンに相当する部分の光架橋性樹脂層の一部をアライメントマークとして用い、少なくとも第二導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる。アライメントマークとして用いられる光架橋性樹脂層の形状としては、二値化可能な点対称図形が適しており、例として真円、正方形等が挙げられる。
本発明の導電パターンの作製方法においては、ランド部及び第一導電パターン部と薄膜化された光架橋性樹脂層との間に段差ができるため、第二導電パターンの露光において密着露光方式を用いると、回折光による影響が大きく、解像度の低下が起こる場合がある。さらに、露光工程が2回あるため、フォトツールを必要とする露光方式ではコスト的に不利になる。そこで、非接触方式のダイレクトイメージング露光を行えば、ランド部と薄膜化樹脂層の段差で起こる回折光による解像度の低下は発生せず、さらに、フォトツールも必要としないため、最も好適な露光方式であるといえる。
<工程(e)>
工程(e)では、未硬化の光架橋性樹脂層を現像液で除去して、エッチングレジスト層を形成する。現像方法としては、使用する光架橋性樹脂層に見合った現像液を用い、基板の上下方向から基板表面に向かってスプレーを噴射して、エッチングレジストパターンとして不要な部分を除去し、回路パターンに相当するエッチングレジスト層を形成する。一般的には、0.3〜2質量%の炭酸ナトリウム水溶液が使用される。
<工程(f)>
工程(f)では、エッチングレジスト層で保護されない導電層をエッチングすることにより、微細な導電パターンを作製する。エッチング工程では、「プリント回路技術便覧」((社)日本プリント回路工業会編、1987年刊行、(株)日刊工業新聞社刊)記載の方法等を使用することができる。エッチング液は金属箔層を溶解除去できるもので、また、少なくともエッチングレジスト層が耐性を有しているものであればよい。一般に導電層に銅を使用する場合には、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液等を使用することができる。エッチングに続き、エッチングレジスト層を水酸化ナトリウム等のアルカリ性化合物を含有する高pHの水溶液、有機溶剤等で除去することにより、導電パターンを作製することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
<工程(a)>
ガラス基材エポキシ樹脂銅張積層板(面積406mm×510mm、銅箔厚み18μm、基材厚み0.1mm、商品名:CCL−E170、三菱ガス化学社製)に、ドリルを用いて、図5に示すように、直径3mmの貫通孔Aを4穴形成した。この上に、耐熱シリコンゴムライニング表面処理されたラミネートロールを備えたドライフィルム用ラミネータを用いて、保護フィルムを剥がしながら、ロール温度100℃、エアー圧力0.3MPa、ラミネート速度1.00m/minにて、ドライフィルムレジスト(商品名:サンフォート(登録商標)AQ4059、厚み40μm、旭化成イーマテリアルズ社製)をラミネートした。
<工程(b)>
工程(a)で形成した直径3mmの貫通孔Aをアライメントマークとして、ライン/スペース=120/30μm、110/40μm、100/50μm、90/60μmのパターンが混在する回路パターン部と非回路パターン部(例えば、ガイド部、ベタ部、図5で示した円状パターン部B及びC等)を有するパターンデータ(非回路パターン部の面積率は基板全面積の10%)を用い、直接描画装置(商品名:LI−8500、大日本スクリーン製造社製)で第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層の露光を行った。第一導電パターン部は、非回路パターン部及びライン/スペース=110/40μm、100/50μm、90/60μmの回路パターン部とした。第一導電パターン部の基板全面積に対する割合は80%だった。なお、円状パターン部Bの直径は1.5mmであり、円状パターン部Cの直径は50μmであり、どちらも各4個である。なお、露光時にアライメントマークとして用いた貫通孔上の光架橋性樹脂層のテント破れは起きていなかった。
<工程(c)>
ドライフィルムレジストの支持層フィルムを剥離した後、10質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、光架橋性樹脂層の厚みが平均15μmになるように薄膜化処理を行い(液温度25℃、スプレー圧0.05MPa)、十分な水洗、冷風乾燥を経て、薄膜化された光架橋性樹脂層を得た。
<工程(d)>
上記パターンデータ全体を第二導電パターン部として、直接描画装置(商品名:LI−8500、大日本スクリーン製造社製)において、薄膜化後の光架橋性樹脂層の両面露光を行った。工程(b)で硬化させた直径1.5mmの円状パターン部B計4個をアライメントマークとして露光を行った。
<工程(e)>
1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて現像処理を行い、エッチングレジスト層を形成した。得られたエッチングレジスト層を光学顕微鏡で観察したところ、厚膜部及び薄膜化部いずれにおいても、線細りや断線あるいは線太りやショート等の欠陥は見られなかった。また、レーザー顕微鏡(商品名:VK−8510、キーエンス社製)で観察したところ、直径50μmの円状パターン部C計4個について、第一導電パターン部と第二導電パターン部の中心間距離の平均は8μmであった。
<工程(f)>
エッチングレジスト層を形成した基板を塩化第二鉄溶液(液温度45℃、スプレー圧0.20MPa)で処理し、エッチングレジスト層で保護されない銅箔を除去することでエッチングを行った。続いて、液温度40℃、3質量%の水酸化ナトリウム溶液で残存するエッチングレジスト層を除去し、導電パターンを得た。得られた導電パターンを光学顕微鏡で観察したところ、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかった。
実施例2〜4
第一導電パターン部の露光領域について、下記のように変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電パターンの作製を行った。それぞれの第一導電パターン部の基板全面積に対する割合は、60%、35%、10%である。工程(e)で得られたエッチングレジスト層の直径50μmの円状パターン部C計4個について、第一導電パターン部と第二導電パターン部の中心間距離の平均はそれぞれ7μm、8μm、8μmであった。また、工程(f)で得られた導電パターンには、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかった。
(第一導電パターン部)
実施例2:非回路パターン部及びライン/スペース=100/50μm、90/60μmの回路パターン部
実施例3:非回路パターン部及びライン/スペース=90/60μmの回路パターン部
実施例4:非回路パターン部
実施例5
<工程(a′)>
ガラス基材エポキシ樹脂銅張積層板(面積406mm×510mm、銅箔厚み18μm、基材厚み0.1mm、商品名:CCL−E170、三菱ガス化学社製)に、ドリルを用いて直径5mmの貫通孔を100穴、図5に示すように、直径3mmの貫通孔Aを4穴形成した後、直径5mmの貫通孔内部と銅箔上に15μm厚のめっき銅層を形成した孔あり銅張積層板を作製した。その孔あり銅張積層板上に耐熱シリコンゴムライニング表面処理されたラミネートロールを備えたドライフィルム用ラミネータを用いて、保護フィルムを剥がしながら、ロール温度100℃、エアー圧力0.3MPa、ラミネート速度1.00m/minにて、ドライフィルムレジスト(商品名:サンフォート(登録商標)AQ4059、厚み40μm、旭化成イーマテリアルズ社製)をラミネートした。
<工程(b′)>
工程(a′)で形成した直径3mmの貫通孔Aをアライメントマークとして、ランドパターン(ランドパターンの面積率は基板全面積の10%)とライン/スペース=120/30μm、110/40μm、100/50μm、90/60μmのパターンが混在する回路パターン部と、非回路パターン部(例えば、ガイド部、ベタ部、図5で示した円状パターン部B及びC等)を有するパターンデータ(非回路パターン部の面積率は基板全面積の10%)を用い、直接描画装置(商品名:LI−8500、大日本スクリーン製造社製)で第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層の露光を行った。第一導電パターン部は、非回路パターン部、ランドパターン及びライン/スペース=110/40μm、100/50μm、90/60μmの回路パターン部とした。第一導電パターン部の基板全面積に対する割合は80%だった。なお、円状パターン部Bの直径は1.5mmであり、円状パターン部Cの直径は50μmであり、どちらも各4個である。なお、アライメントマークとして用いた貫通孔上の光架橋性樹脂層のテント破れは起きていなかった。
<工程(c)>
支持層フィルムを剥離した後、10質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、光架橋性樹脂層の厚みが平均15μmになるように薄膜化処理を行い(液温度25℃、スプレー圧0.05MPa)、十分な水洗、冷風乾燥を経て、薄膜化された光架橋性樹脂層を得た。
<工程(d)>
上記パターンデータ全体を第二導電パターン部として、直接描画装置(商品名:LI−8500、大日本スクリーン製造社製)において、薄膜化後の光架橋性樹脂層の両面露光を行った。この時、工程(b)で硬化させた直径1.5mmの円状パターン部B計4個をアライメントマークとして露光を行った。
<工程(e)>
1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて現像処理を行い、エッチングレジスト層を形成した。得られたエッチングレジスト層を光学顕微鏡で観察したところ、厚膜部及び薄膜化部いずれにおいても、線細りや断線あるいは線太りやショート等の欠陥は見られなかった。また、レーザー顕微鏡(商品名:VK−8510、キーエンス社製)で観察したところ、直径50μmの円状パターン部C計4個について、第一導電パターン部と第二導電パターン部の中心間距離の平均は7μmであった。
<工程(f)>
エッチングレジスト層を形成した基板を塩化第二鉄溶液(液温度45℃、スプレー圧0.20MPa)で処理し、エッチングレジスト層以外の銅箔を除去することでエッチングを行った。続いて、液温度40℃、3質量%の水酸化ナトリウム溶液で残存するエッチングレジスト層を除去し、導電パターンを得た。得られた導電パターンを光学顕微鏡で観察したところ、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかった。
実施例6〜8
第一導電パターン部の露光領域について、下記のように変更した以外は、実施例5と同じ方法で導電パターンの作製を行った。それぞれの第一導電パターン部の基板全面積に対する割合は、60%、40%、20%である。工程(e)で得られたエッチングレジスト層の直径50μmの円状パターン部C計4個について、第一導電パターン部と第二導電パターン部の中心間距離の平均は、それぞれ8μm、7μm、7μmであった。また、工程(f)で得られた導電パターンには、実用上問題となる断線またはショート欠陥はなく、孔内壁の断線も見られなかった。
(第一導電パターン部)
実施例6:非回路パターン部、ランドパターン及びライン/スペース=100/50μm、90/60μmの回路パターン部
実施例7:非回路パターン部、ランドパターン及びライン/スペース=90/60μmの回路パターン部
実施例8:非回路パターン部、ランドパターン
比較例1
第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させずに、樹脂層全面を薄膜化した以外は、実施例1と同じ方法で導電パターンの作製を行った。薄膜化処理後、未硬化の薄膜化樹脂層が全面剥き出しの状態であり、両面露光時のハンドリングや基板の重ね置き時において擦り傷や打痕に由来するパターンの断線またはショート欠陥が多発していた。
比較例2
第一導電パターン部の露光領域を、ランドパターンのみとした以外は、実施例5と同じ方法で導電パターンの作製を行った。得られた導電パターンには、孔内壁の断線は見られなかったが、両面露光時のハンドリングや基板の重ね置き時において発生したと考えられる擦り傷や打痕に由来するパターンの断線またはショート欠陥が散発していた。
比較例3
第一導電パターン部の露光領域を、ランドパターンのみとし、薄膜化処理後に厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを再積層させた以外は、実施例5と同じ方法で導電パターンの作製を行った。第一導電パターン部であるランドパターンと薄膜化部の段差にポリエチレンテレフタレートフィルムが追従しておらず、段差周囲において、回折光による線太り及びショート欠陥が発生していた。また、段差周囲に存在する空気(酸素)の存在のため重合阻害による膜減りが発生していた。
比較例4
工程(d)において、アライメントマークとして、工程(a)で形成した貫通孔A4穴を用いた以外は、実施例1と同様にして導電パターンを作製した。この時、工程(c)で光架橋性樹脂層を薄膜化処理した際、該貫通孔上のテント破れが起きた。工程(e)で得られたエッチングレジスト層の直径50μmの円状パターン部C計4個について、第一導電パターン部と第二導電パターン部の中心間距離の平均は25μmであった。工程(f)で得られた導電パターンには、第一導電パターン部と第二導電パターン部の位置ずれに由来するショート欠陥が多発していた。
比較例5
工程(b)において、アライメントマークとして用いた貫通孔A上及びその周囲(貫通孔の外縁から300μm範囲内)の光架橋性樹脂層も硬化させた後、工程(d)において貫通孔(A)をアライメントマークとした以外は、実施例1と同様にして導電パターンを作製した。工程(e)で得られたエッチングレジスト層の直径50μmの円状パターン部C計4個について、第一導電パターン部と第二導電パターン部の中心間距離の平均は20μmであった。工程(f)で得られた導電パターンには、第一導電パターン部と第二導電パターン部の位置ずれに由来するショート欠陥が多発していた。
比較例6
工程(d)において、アライメントマークとして工程(a′)で形成した直径3mmの貫通孔A4穴を用いた以外は、実施例5と同様にして導電パターンを作製した。工程(c)において、光架橋樹脂層を薄膜化処理した際、直径3mmの貫通孔上のテンティング膜が破れた。工程(e)で得られたエッチングレジスト層の直径50μmの円状パターン部C計4個について、第一導電パターン部と第二導電パターン部の中心間距離の平均は28μmであった。工程(f)で得られた導電パターンには、第一導電パターン部と第二導電パターン部の位置ずれに由来するショート欠陥が多発していた。
比較例7
工程(b′)において、アライメントマークとして用いた貫通孔A上及びその周囲(貫通孔の外縁から300μm範囲内)の光架橋性樹脂層も硬化させた後、工程(d)において、貫通孔をアライメントマークとした以外は、実施例5と同様にして導電パターンを作製した。工程(e)で得られたエッチングレジスト層の直径50μmの円状パターン部C計4個について、第一導電パターン部と第二導電パターン部の中心間距離の平均は20μmであった。工程(f)で得られた導電パターンには、第一導電パターン部と第二導電パターン部の位置ずれに由来するショート欠陥が多発していた。
本発明は、サブトラクティブ法を用いた微細な導電パターンの作製に広く利用され、実施例で説明したプリント配線板のほか、リードフレームの製造方法にも利用することができる。
1 光架橋性樹脂層(未硬化部)
2 基板
3 導電層
4 絶縁性基板
5 第一導電パターン部(厚膜硬化部)
6 第二導電パターン部(薄膜硬化部)
7 薄膜化部
8 ランド部(厚膜硬化部)
9 孔
A 直径3mmの貫通孔
B 直径1.5mmの円状パターン部
C 直径50μmの円状パターン部

Claims (2)

  1. サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、該導電パターンが、第一導電パターン部と第二導電パターン部とから少なくとも構成されており、(a)表面に導電層が設けられている基板上に光架橋性樹脂層を形成する工程、(b)第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程、(c)アルカリ水溶液によって光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行う工程、(d)少なくとも第二導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程、(e)現像工程、(f)エッチング工程をこの順に含み、工程(b)で形成された光架橋性樹脂層の硬化部の一部を、工程(d)でアライメントマークとして用いて光架橋性樹脂を硬化させることを特徴とする導電パターンの作製方法。
  2. サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、該導電パターンが、ランド部、第一導電パターン部及び第二導電パターン部とから少なくとも構成されており、(a′)孔を有し、表面及び孔内部に導電層が設けられている基板上に光架橋性樹脂層を形成する工程、(b′)ランド部及び第一導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程、(c)アルカリ水溶液によって光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行う工程、(d)少なくとも第二導電パターン部に相当する部分の光架橋性樹脂層を硬化させる工程、(e)現像工程、(f)エッチング工程をこの順に含み、工程(b′)で形成された光架橋性樹脂層の硬化部の一部を、工程(d)でアライメントマークとして用いて光架橋性樹脂を硬化させることを特徴とする導電パターンの作製方法。
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