JP5535887B2 - 風車回転翼の避雷装置およびこれを備えた風力発電装置 - Google Patents

風車回転翼の避雷装置およびこれを備えた風力発電装置 Download PDF

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Description

本発明は、風車翼の表面に避雷部材が突設された風車回転翼に係り、特に避雷部材が発生させる騒音を抑制するようにした風車回転翼の避雷装置およびこれを備えた風力発電装置に関するものである。
標準的な風力発電装置は、ロータヘッドを中心として放射方向に延びる数本の風車翼を有する風車回転翼を備えており、タワーの上端にて水平旋回可能に支持されたナセルにロータヘッドが軸支され、この風車回転翼の回転により、ナセル内部に設置された発電機が駆動されて発電が行われるように構成されている。
この種の風力発電装置は、特に風車翼の部分に落雷を受けやすいため、特許文献1に開示されているように、風車翼に避雷装置としてレセプタ(受雷部材)が設けられる。この場合、最も落雷しやすい翼先端部にレセプタが設けられ、このレセプタから延びる避雷導線(ダウンコンダクタ)が、風車翼の内部を通り、ナセル、タワーを経由して地面にアース接続され、レセプタに落雷した際における雷電流を地中に導くようになっている。
このようなレセプタを設けることにより、翼先端部への落雷をほぼ確実に受け止めることが可能であるが、翼先端部から数メートル程度、翼根側にずれた位置に着雷すると、雷電流が翼外皮を溶損させて翼内部に到達し、風車翼が損傷する危険性がある。今後、風力発電装置の大型化に伴い、翼長が長くなる傾向があり、また海洋付近では翼表面への塩分付着により全体的に雷撃補足率が低下するため、翼先端部に設けたレセプタ以外の部分に着雷するリスクが増大する傾向にある。
そこで、レセプタを設けた翼先端部以外の翼表面においては、ボタン状の金属片であるダイバータ・ストリップを多数設け、これらのダイバータ・ストリップにより、翼先端部以外の場所に着雷した際における落雷電流を、各ダイバータ・ストリップを経由させて風車翼の表面に沿って流れさせ、先述のレセプタに導くことができる。このようにすれば、各ダイバータ・ストリップには避雷導線を設ける必要がないため、簡素な構造によって風車翼の耐雷性能を向上させることができる。
特開2010−223148号公報
しかしながら、上述のように多数のダイバータ・ストリップを風車翼の表面に設置した場合、風車翼の表面から突出したダイバータ・ストリップにより、風車回転翼の回転時に、風車翼の表面を流れる気流に対し、ダイバータ・ストリップの下流側にカルマン渦(またはカルマン渦列)が発生し、これが耳障りな流体騒音の原因となっていた。ダイバータ・ストリップが風車翼の表面に対して面一になるようにダイバータ・ストリップを埋設すれば流体騒音の問題は解消されるが、こうするとダイバータ・ストリップの着雷性および落雷電流の伝送性が低下する上に、風車翼の表面にダイバータ・ストリップを埋設するための凹部が発生してしまい、この凹部の周辺に応力が集中するため、風車翼の強度を低下させる原因となってしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構造により、風車翼の表面に設けられる避雷部材による流体騒音レベルを増大させることなく、耐雷性能を向上させることのできる風車回転翼の避雷装置およびこれを備えた風力発電装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
即ち、本発明に係る風車回転翼の避雷装置の第1の態様は、回転自在に軸支されたロータヘッドから放射方向に延びる風車翼の表面に避雷部材が突設された風車回転翼の避雷装置であって、前記風車回転翼の回転時に、前記風車翼の表面を流れる気流に対し、該避雷部材の下流側にカルマン渦が発生することを抑制する騒音抑制構造を有し、前記騒音抑制構造は、前記風車翼の表面に、前記気流の流動方向に沿う方向に前記避雷部材を複数個蛇行させて配列した配列構造であり、これら複数の避雷部材の間隔を、前記カルマン渦の発生間隔に合わせたことを特徴とする。
上記構成によれば、騒音抑制構造を設けたことより、風車翼の表面を流れる気流が、風車翼の表面に突設された避雷部材の下流側にカルマン渦を発生させることが抑制されるため、カルマン渦の発生に起因する流体騒音が抑止される。
また、風車翼の表面を流れる気流に対して最も上流側にある避雷部材の下流側に交互に発生しようとするカルマン渦の位置に次の避雷部材が配設されているため、カルマン渦の発生が阻害される。このため、カルマン渦の発生に起因する流体騒音の発生が抑止される。なお、気流に対して最も下流側にある避雷部材の後流側にはカルマン渦が発生しにくい。これは、蛇行配列された上流側の避雷部材が気流を乱すからである。
例えば単一の避雷部材の下流側に発生したカルマン渦の流体騒音は単一周波数、即ち純音であり、異音として人間の耳に聞こえやすいが、上記のように蛇行配列された複数の避雷部材の下流側に発生する気流が発する音は広帯域音であり、風車翼が発する騒音と同質の音質であるため、人間の耳には異音として捕らえられにくい。このため、流体騒音レベルを増大させることがない。
また、本発明に係る風車回転翼の避雷装置の第の態様は、前記第の態様において、前記複数の避雷部材のうち、前記気流の流動方向に対して下流側にある避雷部材の大きさを、上流側にある避雷部材よりも小さくしたことを特徴とする。
上記構成によれば、風車翼の表面を流れる気流に対して下流側にある避雷部材によって、上流側にある避雷部材の後部におけるカルマン渦の発生が阻害され、しかも下流側にある避雷部材の大きさが上流側にある避雷部材よりも小さいために、下流側にある避雷部材が発生させるカルマン渦の大きさが小さくなり、これによって複数の避雷部材全体から発生するカルマン渦の流体騒音レベルが低下する。
また、本発明に係る風車回転翼の避雷装置の第の態様は、前記第または第の態様において、前記複数の避雷部材を不等間隔で設置したことを特徴とする。これにより、風車翼の表面を流れる気流に対して上流側にある避雷部材の下流側の気流が乱れがちになるため、上流側にある避雷部材の下流側に等間隔で交互に発生しようとするカルマン渦を崩壊させやすくなる。このため、カルマン渦に起因する流体騒音レベル低下に貢献することができる。
また、本発明に係る風車回転翼の避雷装置の第の態様は、前記第1の態様において、前記騒音抑制構造は、前記避雷部材の形状を、前記気流の流動方向に対して左右非対称な形状にした構造であることを特徴とする。こうすれば、避雷部材の両側を流れる気流に速度差が生じ、これによって避雷部材の下流側の気流が乱流になり、カルマン渦が発生しなくなるため、カルマン渦の発生に起因する流体騒音を抑制することができる。
また、本発明に係る風車回転翼の避雷装置の第の態様は、前記第1の態様において、前記騒音抑制構造は、前記避雷部材の形状を、前記気流の流動方向に対して流線形状にした構造であることを特徴とする。これにより、避雷部材の下流側の気流を整えて、カルマン渦の発生を防止し、流体騒音を抑制することができる。
また、本発明に係る風車回転翼の避雷装置の第の態様は、前記第1〜第6のいずれかの態様において、前記避雷部材は、前記風車翼の前縁部付近に設けられていることを特徴とする。風車翼の前縁部付近は気流の速度が遅いため、避雷部材の下流側にカルマン渦が発生しにくく、これにより流体騒音の発生をより効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る風車回転翼の避雷装置の第の態様は、前記第1〜第7のいずれかの態様において、前記避雷部材は、落雷電流を前記風車翼の表面に沿って流れさせ、前記風車翼に設けられたアース部材に導くダイバータ・ストリップであることを特徴とする。このようにすれば、ダイバータ・ストリップには避雷導線を設ける必要がないため、簡素な構造によって風車翼への落雷被害を最小限に食い止めることができる。
また、本発明に係る風車回転翼の避雷装置は、前記第〜第のいずれかの態様において、前記騒音抑制構造は、前記風車翼の翼先端から翼長の20%までの範囲に適用されたことを特徴とする。風車翼から発される騒音レベルは、風車翼の半径の6乗に比例して増大するため、翼先端から翼長の20%までの範囲で流体騒音の発生レベルが最も高くなる。このため、翼先端から20%までの範囲のみに騒音抑制構造を適用することにより、他の部分では避雷部材等の配置を比較的自由に行うことができ、これによって流体騒音レベルを増大させることなく耐雷性能を向上させることができる。
そして、本発明に係る風力発電装置は、上記各態様の風車回転翼の避雷装置を備えたことを特徴とする。これにより、上記の各作用、効果を奏することができる。
以上のように、本発明に係る風車回転翼の避雷装置およびこれを備えた風力発電装置によれば、簡素な構造により、風車翼の表面に設けられる避雷部材による流体騒音レベルを増大させることなく、耐雷性能を向上させることができる。
本発明に係る風車回転翼の避雷装置を適用可能な風力発電装置の一例を示す側面図である。 図1に示す風力発電装置の風車翼を拡大した斜視図である。 図2のIII部を拡大して本発明の第1実施形態を示す図である。 (a)は1つのダイバータ・ストリップの後流側にカルマン渦が発生した状態を示す図であり、(b)は蛇行して配列された複数のダイバータ・ストリップによってカルマン渦が崩壊する状態を示す図である。 (a)は1つのダイバータ・ストリップの後流側にカルマン渦が発生した場合における流体騒音の周波数分布を示す図であり、(b)は蛇行して配列された複数のダイバータ・ストリップの下流側に発生する気流が発する流体騒音の周波数分布を示す図である。 本発明の第2実施形態を示す図である。 本発明の第3実施形態を示す図である。 本発明の第4実施形態を示す図であり、(a)はダイバータ・ストリップを傾斜した楕円形状に形成して気流の流動方向に対し左右非対称な形状にした図であり、(b)は円形のダイバータ・ストリップを一部切り落として気流の流動方向に対し左右非対称な形状にした図である。 本発明の第5実施形態を示す図であり、(a)はダイバータ・ストリップを水滴型の流線形状に形成した平面図であり、(b)はダイバータ・ストリップの肩部に丸みを持たせて流線形状に形成した側面図である。 本発明の第6実施形態を示す風車翼の拡大斜視図である。 風車翼の翼根からの距離と、風車翼の単位長さあたりの音響パワーレベルとの関係をグラフで示した図である。
以下、本発明に係る風力発電装置の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る風車回転翼の避雷装置を適用可能な風力発電装置の一例を示す側面図である。この風力発電装置1は、例えば地表面2に設置された鉄筋コンクリート製の基礎3上に立設されるタワー4と、このタワー4の上端部に設置されるナセル5と、略水平な横方向の回転軸線周りに回転自在に支持されてナセル5の前端部側に設けられるロータヘッド6とを有している。
タワー4は、鋼管製のモノポール式であり、タワー4の下端部には例えば鋼板製のベースプレート7が固定され、このベースプレート7が多数のアンカーボルト8で基礎3に締結固定されている。ロータヘッド6には、放射方向に延びる複数枚(例えば3枚)の風車翼9が取り付けられて風車回転翼10が構成されており、ナセル5の内部には発電機11が収容設置され、ロータヘッド6の回転軸12が発電機11の主軸に増速機(非図示)を介して連結されている。このため、風車翼9に当たった外風の風力が、風車回転翼10と回転軸12を回転させる回転力に変換され、発電機11が駆動されて発電が行われる。
ナセル5は、風車回転翼10と共に、タワー4の上端において水平方向に旋回することができる。ナセル5の外周面適所(たとえば上部等)には、周辺の風向および風速値を測定する風向風速計14と、落雷を回避するための避雷針15が設置されている。ナセル5は、図示しない駆動装置と制御装置により、常に風上方向に指向して効率良く発電できるように制御される。なお、ナセル5や風車翼9等は、例えばFRP成形により形成されている。
図2は、風車翼9の1本を拡大した斜視図である。各風車翼9の表面には、本発明に係る避雷装置Aが設けられている。この避雷装置Aでは、風車翼9の表面に避雷部材として1基のレセプタ17と多数のダイバータ・ストリップ18が設けられている。レセプタ17は公知の避雷部材(受雷部材)であり、最も落雷しやすい風車翼9の翼先端部に設けられ、一般には直径数センチ程度の円形、もしく翼端形状に沿う形状等に形成されている。このレセプタ17から延びる避雷導線(ダウンコンダクタ)19が、風車翼9の内部を通り、ナセル5、タワー4を経由して地面にアース接続され、レセプタ17に落雷した際における雷電流を地中に導くようになっている。
一方、ダイバータ・ストリップ18も公知の避雷部材であり、一般には銅にニッケルメッキを施した直径数ミリ程度、厚さ1mm以下の円板状(ボタン状)、または矩形状等に形成され、風車翼9の表面のうち、レセプタ17の設けられていない範囲、即ち翼先端部以外の長手方向に沿う範囲に、耐候性の高い接着剤等によって固着される。したがって、多数のダイバータ・ストリップ18が風車翼9の表面に散りばめられて突設される態様となる。
各ダイバータ・ストリップ18には避雷導線19が接続されないが、このように広い範囲で金属製のダイバータ・ストリップ18を多数設置することにより、レセプタ17以外の場所に着雷した場合における落雷電流を、複数のダイバータ・ストリップ18を経由させて風車翼9の表面に沿って流れさせ、避雷導線(ダウンコンダクタ)19に接続するレセプタ17まで導くことができる。これにより、着雷による風車翼9の損傷を防ぐことができる。
上記のように多数のダイバータ・ストリップ18を風車翼9の翼表面に突設した場合、風車回転翼10の回転時に、風車翼9の表面を流れる気流に対し、ダイバータ・ストリップ18の下流側にカルマン渦(またはカルマン渦列)が発生し、これが耳障りな流体騒音の原因となる。このため、本発明における避雷装置Aでは、風車回転翼10の回転時に、風車翼9の表面を流れる気流に対し、ダイバータ・ストリップ18の下流側にカルマン渦が発生することを抑制する騒音抑制構造が設けられている。
図3は、図2のIII部を拡大して本発明の第1実施形態である騒音抑制構造A´を示す図である。この図3に示すように、風車翼9の表面に設けられたダイバータ・ストリップ18は、例えば4個で1組のグループG1を構成しており、これらのグループG1が風車翼9の長手方向に沿って複数組配置されている。各グループG1の設置間隔は、ダイバータ・ストリップ18の直径の1/10以下、例えば1mm程度である。なお、図3において、各グループG1におけるダイバータ・ストリップ18の記号は、風車翼9の前縁9a側から18a,18b,18c,18dとする。そして、各グループG1において、4個のダイバータ・ストリップ18a〜18dは、風車翼9の表面を流れる気流の流動方向に沿う方向に沿って蛇行して配列されている。
また、各グループG1は、風車翼9の前縁部付近に設けられている。風車翼9の前縁部付近とは、図2に示すように、風車翼9の前縁9aから、風車翼9の翼厚が最も厚い部分(避雷導線19の付近)までの範囲である。
図4(a)に示すように、風車翼9の表面に1個のダイバータ・ストリップ18が設けられている場合には、前述のようにダイバータ・ストリップ18の後流側にカルマン渦が交互に発生し、これにより流体騒音が発生する。そこで、本発明では、図3および図4(b)に示すように、4個のダイバータ・ストリップ18a〜18dの設置間隔Sを、概ねカルマン渦の発生間隔に合わせている。具体的には、ダイバータ・ストリップ18a〜18dの形状が円形(短円柱形)である場合、その直径の2倍の間隔でカルマン渦が周期的に発生するため、上記設置間隔Sを、ダイバータ・ストリップ18a〜18dの直径の2倍の間隔で配置するのが好ましい。
以上のように、本発明に係る避雷装置Aでは、風車翼9の表面に複数のダイバータ・ストリップ18をグループ化して配列し、ダイバータ・ストリップ18の下流側に騒音の原因となるカルマン渦が発生することを抑制する騒音抑制構造A´を設けたため、簡素な構造により、風車翼9の表面を流れる気流がダイバータ・ストリップ18の下流側にカルマン渦を発生させて流体騒音レベルを増大させる懸念を排除しつつ、ダイバータ・ストリップ18により耐雷性能を向上させることができる。
特に、複数(ここでは4個)のダイバータ・ストリップ18a〜18dを1つのグループG1としてこれらのグループG1を風車翼9の前縁部に長手方向に沿って複数配列し、各グループG1においてはダイバータ・ストリップ18a〜18dを相対気流の流動方向に沿う方向で蛇行させて配列し、かつ各ダイバータ・ストリップ18a〜18dの設置間隔Sをカルマン渦の発生間隔に合わせたため、風車翼9の表面を流れる気流に対して最も上流側にあるダイバータ・ストリップ18aの下流側に発生しようとする最初のカルマン渦の位置に次のダイバータ・ストリップ18bが位置している。このため、最初のカルマン渦の発生が阻害され、以下のカルマン渦も発生できなくなり、こうしてカルマン渦(渦列)の発生に起因する流体騒音の発生が抑止される。なお、気流方向に対して最後部にあるダイバータ・ストリップ18dの後流側にはカルマン渦が発生しにくい。これは、蛇行配列された上流側のダイバータ・ストリップ18a〜18cにより気流が乱され、最後部のダイバータ・ストリップ18dの両側では不均一な流れになるからである。
例えば単一のダイバータ・ストリップ18の下流側に発生したカルマン渦の流体騒音は、図5(a)に示すように、特定の周波数fのみの音量Lpが高い、いわゆる純音であり、異音として人間の耳に聞こえやすい。
一方、上記のように蛇行配列された複数のダイバータ・ストリップ18の下流側に発生する気流が発する音は、図5(b)に示すように、その周波数fの分布が平均的に均された広帯域音であり、音量Lpの最大レベルも低く、風車翼9が発する風車音(風切り音)と同様の音質であるため、人間の耳には異音として捕らえられにくい。このため、風力発電装置1としての全体的な流体騒音レベルを増大させることがない。
4個のダイバータ・ストリップ18a〜18dを有する複数組のグループG1は、風車翼9の長手方向に沿って前縁部付近に配置されているが、風車翼9の前縁部付近は気流の速度が遅いため、ダイバータ・ストリップ18a〜18dの下流側にカルマン渦が発生しにくく、この点でも流体騒音の発生をより効果的に抑制することができる。
そして、本実施形態では、風車翼9に多数設けられている避雷部材のうち、風車翼9の先端に設置される避雷部材だけを避雷導線19が接続されたレセプタ17とし、他の避雷部材を、落雷電流を風車翼9の表面に沿って流れさせて、避雷導線(ダウンコンダクタ)19に接続するレセプタ17に導くダイバータ・ストリップ18としたため、風車翼9の内部に多数の避雷導線19を設ける必要がない。したがって、簡素な構造により、風車翼9への落雷被害を最小限に食い止めることができる。
[第2実施形態]
図6は、本発明に係る避雷装置の第2実施形態を示す図である。
この第2実施形態における避雷装置Bの騒音抑制構造B´では、風車翼9の表面に設けられた複数の避雷部材であるダイバータ・ストリップ18が、例えば3個で1組のグループG2を構成しており、これらのグループG2が風車翼9の長手方向に沿って複数組配置されている。各グループG2は、第1実施形態におけるダイバータ・ストリップ18のグループG1と同様に、風車翼9の前縁部付近に配列されている。
各グループG2においては、3個の円板状(ボタン状)のダイバータ・ストリップ18e,18f,18gが、風車翼9の表面を流れる気流の流動方向に沿って蛇行して配列されている。これら3個のダイバータ・ストリップ18e,18f,18gの間隔は、第1実施形態の場合と同じく、カルマン渦の発生間隔に概ね合わせられている。そして、これら3個のダイバータ・ストリップ18e,18f,18gのうち、気流の流動方向に対して下流側にあるダイバータ・ストリップ18f,18gの大きさ(直径)が、上流側にあるダイバータ・ストリップ18eよりも小さくなっている。例えばダイバータ・ストリップ18f,18gの直径がダイバータ・ストリップ18eの直径の1/2に設定されている。なお、直径を18e>18f>18gと徐々に小さくしてもよい。
このような騒音抑制構造B´とした場合、風車翼9の表面を流れる気流に対して下流側にあるダイバータ・ストリップ18f,18gによって、上流側にあるダイバータ・ストリップ18eの後部におけるカルマン渦の発生が阻害される。しかも、下流側のダイバータ・ストリップ18f,18gの大きさが上流側のダイバータ・ストリップ18eよりも小さいために、下流側のダイバータ・ストリップ18f,18gが発生させるカルマン渦の大きさが小さくなるか、または発生を阻害され、これによって3個のダイバータ・ストリップ18e,18f,18g全体から発生する流体騒音レベルを低下させることができる。
[第3実施形態]
図7は、本発明に係る避雷装置の第3実施形態を示す図である。
この第3実施形態における避雷装置Cの騒音抑制構造C´では、風車翼9の表面に設けられた複数の避雷部材であるダイバータ・ストリップ18が、例えば4個で1組のグループG3を構成しており、これらのグループG3が風車翼9の長手方向に沿って複数組配置されている。各グループG3は風車翼9の前縁部付近に配列されている。
各グループG3における複数のダイバータ・ストリップ18h,18i,18j,18kは、同じ大きさの円板状(ボタン状)であるが、第2実施形態にように大きさを異ならせたり、形状を異ならせたりしてもよい。そして、これらのダイバータ・ストリップ18h〜18kの設置間隔S1,S2,S3が不等間隔になるように、例えばS2<S1<S3に設定されている。
このような騒音抑制構造C´とした場合、第1実施形態における騒音抑制構造A´と同様に、風車翼9の表面を流れる気流に対して上流側にあるダイバータ・ストリップ18hの下流側の気流が乱れがちになるため、上流側にあるダイバータ・ストリップ18hの下流側に等間隔で交互に発生しようとするカルマン渦を崩壊させやすくなる。このため、カルマン渦に起因する流体騒音レベルを低下させることに貢献することができる。
[第4実施形態]
図8(a),(b)は、本発明に係る避雷装置の第4実施形態を示す図である。
この第4実施形態における避雷装置Dの騒音抑制構造D´およびD´´では、ダイバータ・ストリップ18の形状が、気流の流動方向に対して左右非対称な形状にされている。例えば図8(a)に示す騒音抑制構造D´では、ダイバータ・ストリップ18mが平面視で楕円形状に形成され、その長軸が気流の流動方向に対して傾斜するように配置されている。また、図8(b)に示す騒音抑制構造D´´では、ダイバータ・ストリップ18nが平面視で円板形状(ボタン形状)の一部が切り取られた形状とされ、その切断線18n´がダイバータ・ストリップ18nの後流側、かつ気流の流動方向に対して傾斜するように配置されている。なお、これらの形状に限定はなく、左右非対称であれば他の形状であってもよい。
このように、ダイバータ・ストリップ18m,18nの形状を、気流の流動方向に対して左右非対称な形状にすれば、ダイバータ・ストリップ18m,18nの両側を流れる気流に速度差が生じ、これによってダイバータ・ストリップ18m,18nの下流側の気流が不均一になり、カルマン渦が発生できなくなる。このため、カルマン渦の発生に起因する流体騒音を抑制することができる。
[第5実施形態]
図9(a),(b)は、本発明に係る避雷装置の第5実施形態を示す図である。
この第5実施形態における避雷装置Eの騒音抑制構造E´およびE´´では、ダイバータ・ストリップ18o,18pの形状が、気流の流動方向に対して流線形状にされている。例えば図9(a)に示す騒音抑制構造E´では、ダイバータ・ストリップ18oが平面視で水滴型の流線形状に形成されている。また、図9(b)に示す騒音抑制構造E´´では、ダイバータ・ストリップ18pが側面視でその肩部に丸み(スロープ)が持たされて流線形状に形成されている。
このように、ダイバータ・ストリップ18o,18pの形状を気流の流動方向に対して流線形状にすれば、ダイバータ・ストリップ18o,18pの下流側の気流を整えて、カルマン渦の発生を防止し、流体騒音を抑制することができる。
[第6実施形態]
図10は、本発明に係る避雷装置の第6実施形態を示す風車翼9の拡大斜視図である。この第6実施形態における避雷装置Fでは、その騒音抑制構造F´が、風車翼9の翼先端から翼長の20%までの範囲にのみ適用されている。騒音抑制構造F´の構成は、前述の第1〜第5実施形態の騒音抑制構造A´〜E´のいずれであってもよい。また、騒音抑制構造A´〜E´を組み合わせたものであってもよい。
そして、この20%の範囲以外の部分には、複数のダイバータ・ストリップ18qが所定の間隔および個数で配列されており、特にカルマン渦の発生を抑制するような配列等にはされていない。例えば図10では、これらのダイバータ・ストリップ18が風車翼9の前縁に沿って1列に配置されている。
風車翼9から発される騒音レベルは、風車翼の半径の6乗に比例して増大する。このため、図11に示すように、翼先端から翼長の20%までの範囲で流体騒音の発生レベルが最も高くなる。このため、例えば風車翼9の長さが50mである場合には、翼先端から20%までの長さ、つまり先端側の10mの範囲のみに騒音抑制構造F´(A´〜E´)を適用することにより、他の部分ではダイバータ・ストリップ18q等の配置を比較的自由に行うことができ、これによって流体騒音レベルを増大させることなく耐雷性能を向上させることができる。
そして、上記各態様の避雷装置A〜Fを風力発電装置1に備えることにより、簡素な構造によって風車翼9の表面に設けられるダイバータ・ストリップ18による流体騒音レベルを増大させることなく、風力発電装置1の耐雷性能を向上させることができる。
なお、本発明の実施形態は、上述の第1〜第6実施形態のみに限定されることはない。例えば、第1〜第6実施形態を組み合わせる等してもよい。また、本発明に係る避雷装置は、風力発電装置の風車回転翼のみに限らず、他の種の風車回転翼にも適用することができる。
1 風力発電装置
6 ロータヘッド
9 風車翼
10 風車回転翼
11 発電機
17 レセプタ(避雷部材/アース部材)
18 ダイバータ・ストリップ(避雷部材)
18e 気流の流動方向に対して上流側にあるダイバータ・ストリップ
18f,18g 気流の流動方向に対して下流側にあるダイバータ・ストリップ
A,B,C,D,E,F 避雷装置
A´,B´,C´,D´,D´´,E´,F´ 騒音抑制構造
S,S1,S2,S3 ダイバータ・ストリップの設置間隔

Claims (9)

  1. 回転自在に軸支されたロータヘッドから放射方向に延びる風車翼の表面に避雷部材が突設された風車回転翼の避雷装置であって、
    前記風車回転翼の回転時に、前記風車翼の表面を流れる気流に対し、該避雷部材の下流側にカルマン渦が発生することを抑制する騒音抑制構造を有し、
    前記騒音抑制構造は、前記風車翼の表面に、前記気流の流動方向に沿う方向に前記避雷部材を複数個蛇行させて配列した配列構造であり、これら複数の避雷部材の間隔を、前記カルマン渦の発生間隔に合わせたことを特徴とする風車回転翼の避雷装置。
  2. 前記複数の避雷部材のうち、前記気流の流動方向に対して下流側にある避雷部材の大きさを、上流側にある避雷部材よりも小さくしたことを特徴とする請求項に記載の風車回転翼の避雷装置。
  3. 前記複数の避雷部材を不等間隔で設置したことを特徴とする請求項またはに記載の風車回転翼の避雷装置。
  4. 前記騒音抑制構造は、前記避雷部材の形状を、前記気流の流動方向に対して左右非対称な形状にした構造であることを特徴とする請求項1に記載の風車回転翼の避雷装置。
  5. 前記騒音抑制構造は、前記避雷部材の形状を、前記気流の流動方向に対して流線形状にした構造であることを特徴とする請求項1に記載の風車回転翼の避雷装置。
  6. 前記避雷部材は、前記風車翼の前縁部付近に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風車回転翼の避雷装置。
  7. 前記避雷部材は、落雷電流を前記風車翼の表面に沿って流れさせ、前記風車翼に設けられたアース部材に導くダイバータ・ストリップであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風車回転翼の避雷装置。
  8. 前記騒音抑制構造は、前記風車翼の翼先端から翼長の20%までの範囲に適用されたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風車回転翼の避雷装置。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の風車回転翼の避雷装置を備えたことを特徴とする風力発電装置。
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