JP5534173B2 - 多段リーマ - Google Patents
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Description
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(3)項の各々が、特許請求の範囲に記載した請求項1〜3の各々に相当する。
本項に記載の多段リーマによれば、各段の刃部により加工される各穴に要求される加工精度、切削屑を排出するための溝のスペース等に応じて、各刃部の加工面に開口するクーラント穴から噴射されるクーラントの噴射方向を設定することができる。ここで、クーラントの噴射方向とは、クーラント穴のリーマ軸心からの延び方向、あるいは、クーラント穴がリーマの軸心に対してなす角度と言い換えることができる。
また、本項に記載の多段リーマによれば、各段の刃部の切削により生じた切削屑を、各段の刃部により加工される各穴に要求される加工精度等に応じて、リーマの先端側あるいはシャンク側へ排出することができる。
本項の態様において、多段リーマは、例えば、2段以上の刃部を有するガンリーマ、チップ刃付きリーマ等を対象とし、刃数も、1枚刃、3枚刃、4枚刃等に限定されない。なお、3段以上の刃部を有する多段リーマの場合、必ずしも全ての段の刃部の加工面にクーラント穴を開口させなくてもよく、例えば、最も先端側の1段目の刃部の加工面とこれに隣接する2段目の刃部の加工面とにクーラント穴を開口させ、3段目の刃部の加工面にはクーラント穴を開口させないように構成することもできる。
本項に記載の多段リーマによれば、隣接する刃部間において、切削により生じた切削屑を相互に反対方向へ排出することができる。
本項に記載の多段リーマによれば、1段目の刃部による切削により生じた切削屑をリーマの先端側へ、2段目の刃部の切削により生じた切削屑をリーマのシャンク側へそれぞれ排出することができる。これにより、2段目の刃部の切削により生じた切削屑が、1段目の刃部と該1段目の刃部により仕上げ加工された仕上面との間に入り込む等に起因する1段目の刃部により仕上げ加工された仕上面の傷の発生を回避することができ、1段目の刃部により仕上げ加工された穴の加工精度を確保することができる。
本項の態様において、3段の刃部を有する多段リーマの場合、3段目の刃部の加工面に開口するクーラント穴からのクーラントをリーマのシャンク方向あるいは半径方向へ噴射して、3段目の刃部による切削により生じた切削屑がリーマの先端側、すなわち、2段目の刃部側へ排出されないように構成することが望ましい。
本実施形態によれば、第2刃部4b(2段目の刃部)の加工面6bに開口するクーラント穴8bから噴射されるクーラントの噴射方向を、第1刃部4a(1段目の刃部)の加工面6aに開口するクーラント穴8aから噴射されるクーラントの噴射方向(先端側)に対して反対向き(シャンク側)に設定したので、第2刃部4bの切刃5bによる切削により生じた切削屑を、第2刃部4bの加工面6bに開口するクーラント穴8bから噴射されたクーラントにより、先端側に対して反対向き、すなわち、シャンク側へ排出することができる。これにより、第2刃部4bの切刃5bによる切削により生じた切削屑が、隣接する第1刃部4aと該第1刃部4aにより仕上げ加工された仕上面との間に入り込むこと等に起因する当該仕上面の傷を防止することができ、要求される穴の加工精度を確保することができる。
また、第3刃部4c(3段目の刃部)の加工面6cに開口するクーラント穴8cから噴射されるクーラントの噴射方向を、第2刃部4bの加工面6bに開口するクーラント穴8bから噴射されるクーラントの噴射方向とは異なる方向、すなわち、多段リーマ1の半径方向に設定したので、第3刃部4cの切刃5cによる切削により生じた切削屑を、第3刃部4cの加工面6cに開口するクーラント穴8cから噴射されたクーラントにより、当該多段リーマ1の軸送りに伴い、第2刃部4bの切刃5bによる切削により生じた切削屑とともにシャンク側へ排出することができる。これにより、第3刃部4cの切刃5cによる切削により生じた切削屑が、隣接する第2刃部4bと該第2刃部4bにより仕上げ加工された仕上面との間に入り込むこと等に起因する当該仕上面の傷を防止することができ、要求される穴の加工精度を確保することができる。
本実施形態は、ガンリーマ、チップ式リーマ等、いかなる形式の多段リーマに採用することができる。また、多段リーマの刃数は、1枚刃、3枚刃、4枚刃、6枚刃等とすることができる。
多段リーマの軸心Oに対するクーラント穴の傾斜角度は、45°、90°等に限定されるものではなく、必要に応じて適宜設計することができる。また、使用するクーラントは、油性、水性を問わない。
Claims (3)
- リーマの先端からシャンク側へ向けて刃径が段階的に大きくなる複数段の刃部と、前記リーマの軸心に沿って形成されたクーラント供給路から延びて対応する前記刃部の加工面に開口する複数個のクーラント穴と、を有する多段リーマであって、
クーラントの噴射方向は、
異なる段の前記刃部の前記加工面に開口する前記クーラント穴間で異なり、
前記クーラントが前記リーマの先端側へ向けて噴射される方向と、前記クーラントが前記リーマのシャンク側へ向けて噴射される方向と、前記クーラントが前記リーマの半径方向へ噴射される方向と、が選択されることを特徴とする多段リーマ。 - 隣接する段の前記刃部の前記加工面に開口する前記クーラント穴間で、前記クーラントの噴射方向が反対向きに設定されることを特徴とする請求項1に記載の多段リーマ。
- 前記複数段の刃部のうち最も先端側の1段目の前記刃部の前記加工面には、前記リーマの先端側へ向けて前記クーラントが噴射される前記クーラント穴が開口し、2段目の前記刃部の前記加工面には、前記リーマのシャンク側へ向けて前記クーラントが噴射される前記クーラント穴が開口することを特徴とする請求項1または2に記載の多段リーマ。
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