JP5532996B2 - 定着用ベルト、定着用ベルトの製造方法、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着用ベルト、定着用ベルトの製造方法、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は定着用ベルト、定着用ベルトの製造方法、定着装置及び画像形成装置に関し、詳しくは、トナー像を記録媒体に定着させて画像を形成するための定着用ベルト、その定着用ベルトの製造方法、その定着用ベルトを配した定着装置及び画像形成装置に関するものである。
高画質を目的とする電子写真複写機、プリンタ、特にカラー電子写真による出力を行う装置においては、トナーへの柔軟な密着性確保、耐熱性のため定着部材としてシリコーンゴムを使用することが多い。しかし、これら耐熱性ゴム材料は熱伝導性が低く、熱源からの熱を被記録材に伝える際には熱抵抗層となる。カラー画像では、特に柔らかいゴム層が画質向上の点で、重要である。しかし、熱容量が大きく、熱抵抗が高いため立ち上がりの時間が遅くなる。また、高速機の場合にも熱供給が間に合わなくなる。
従来においては、熱伝導性充填材を含むシリコーンゴムにより3次元網目構造を作製し、その網目の空孔部に弾性体を含侵した定着部材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この定着部材においては3次元網目構造は、熱の流路として構成し、その隙間にまたシリコーンゴムを充填するものであるため、密度を低くできないので、低密度化によって低熱容量とし、立ち上がりの時間を短縮することができない。
また、1分子中に2つ以上の反応性基を有する高分子と熱伝導性充填材からなる熱伝導性樹脂組成物を用いた樹脂シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この樹脂シートは低発泡であるが、その発泡の意図するところは柔軟性を持たせ、密着性を向上することにある。そして、この樹脂シートは電気・電子部品等の冷却用途であるため、低密度化は、この用途では、デメリットである。発泡倍率は1.5倍程度であり、密度の低下は十分ではない。従って、この樹脂シートを定着部材に使用したとしても低密度化によって低熱容量とし、立ち上がりの時間を短縮することができない。
また、軟質樹脂と熱伝導性充填材とを含み、発泡倍率が1.1〜5.0倍の範囲にある発泡体からなる熱伝導性樹脂シートが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この熱伝導性樹脂シートは特許文献2に記載の発明と同様、電気・電子部品等の冷却用途であり、シリコーンゴム系では強度が出にくいとして、高発泡でアクリル系樹脂を使用したものである。また、発泡倍率としては1.5倍のみが実施例に記述されている。
また、40℃以上で発泡する発泡剤および高熱伝導フィラーを含む樹脂組成物から形成された発泡性高熱伝導層を備えている熱伝導材が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この熱伝導材も特許文献2、3に記載の発明と同様、電気・電子部品等の冷却用に供されるものである。
また、熱伝導率が5×10−4(cal/cm・sec・℃):〔0.21W/mK〕である定着ローラも提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、このレベルでは、高速立ち上げをすることは難しい。
また、互いに隣接する中空糸の外周同士が当接する樹脂繊維層と、当該樹脂繊維層を固定するバインダーとを備え、1〜10kg/cmで加圧した場合の熱伝導率が0.08〜0.09W/mKであって、かつ、JIS−Aゴム硬度が60〜90Hsである弾性層を有する定着回転体も提案されている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、この弾性層は加圧力に対して熱伝導率が変化しないものであり、定着用ベルトへの転用には無理がある。
その他、芯金上に炭素繊維を含むシリコーンゴムよりなるマトリクス相中に気泡部を構成している弾性部材を形成した定着用回転体も提案されている(例えば、特許文献7、8、9参照)。
本発明の目的は、画像形成装置の定着装置の高速立ち上げを意図し、低熱容量(低密度)を利用した、熱抵抗のコントロールによる高熱効率の定着用ベルトを提供することである。更には、その定着用ベルトの製造方法、及びその定着用ベルトを具備する定着装置及び画像形成装置を提供することである。
上記のように、従来においては、定着材料の変形による熱伝導率変化、および厚み変化による熱効率の向上による熱伝達性の向上による試みはあまりなされていない。ここで、発泡倍率とは気泡がない状態の体積Vsを分母とし、気泡の体積VfとVsの和を分子とし、100分率化したものである。
上記試みがあまりなされていない理由は、発泡倍率を上げていく(気泡を増やし密度を下げていく)と急激に熱伝導性が低下しこれは、非加圧時の物性として元の物質の熱伝導性が変わらない場合に起こる(例えば「新編熱物性ハンドブック」日本熱物性学会、養賢堂発行、p.325fig、C−7−6−9参照)。この問題のため、高温環境下で変形を繰り返される定着部材で、低熱容量(低密度)と耐熱性を持つ定着ベルトを開発することは困難であった。
上記困難は、次ぎの(1)〜(7)に記載の本発明によって解決される。
(1)トナーを記録媒体に定着させるのに用いる定着用ベルトであって、少なくとも金属又は耐熱性樹脂のベース層上に空孔部を有する耐熱弾性層が設けられ、該耐熱弾性層の発泡倍率は150%以上200%以下であり、かつ該耐熱弾性層がシリコーンゴムを含有し、該シリコーンゴムの熱伝導率は0.3[W/mK]以上であることを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の定着用ベルトにおいて、前記耐熱弾性層上にトナーの付着性が低い離型層を設けたことを特徴とする。
(3)トナーを記録媒体に定着させるのに用いる定着用ベルトの製造方法であって、未加硫付加型のシリコーンゴムに発泡剤または発泡粒子を含有させ、これを金属又は耐熱性樹脂のベース層上に塗布した後、1次加硫及び発泡を行い、さらに2次加硫を行って空孔部を有する耐熱弾性層を形成し、該耐熱弾性層の発泡倍率は150%以上200%以下であり、前記シリコーンゴムの熱伝導率は0.3[W/mK]以上であることを特徴とする。
(4)トナーを記録媒体に定着させるのに用いる定着用ベルトの製造方法であって、未加硫付加型のシリコーンゴムに発泡剤または発泡粒子を含有させ、これを金属又は耐熱性樹脂のベース層上に塗布した後、1次加硫及び発泡を行い、さらに2次加硫を行って空孔部を有する耐熱弾性層を形成し、この耐熱弾性層上にトナーの付着性が低い離型層を積層し、該耐熱弾性層の発泡倍率は150%以上200%以下であり、前記シリコーンゴムの熱伝導率は0.3[W/mK]以上であることを特徴とする。
(5)上記(1)又は(2)に記載の定着用ベルト、あるいは上記(3)又は(4)に記載の定着用ベルトの製造方法により製造した定着用ベルトを用いたことを特徴とした定着装置。
(6)上記(5)に記載の定着装置において、定着部材に圧接する定着用ベルトの接触部分の面積S[cm]で前記定着部材に対する加圧力F[N]を割った値(F/S)が、10.0[N/cm]以上となるようにしたことを特徴とする。
(7)画像形成装置であって、上記(5)又は(6)に記載の定着装置と、画像形成部とを備え、前記画像形成部でシート上にトナー像を形成し、前記定着装置でシートにトナー像を定着させて画像を得ることを特徴とする。
上記(1)に記載の定着用ベルトによれば、耐熱弾性層に空間を持つことにより、圧力による変形が可能となる。これにより、加圧時に実質的な熱伝導率向上と、加圧に伴う弾性層が薄くなることにより、熱抵抗が低下する。また、従来のソリッドシリコーンゴム弾性層に比較して、加圧時の熱輸送特性が大きくなる。さらに、非加圧時の断熱性により、ニップ部以外放熱が押さえられるため定着ベルト全体の温度上昇が図られる。加えて、空孔部により加圧時の熱輸送特性が大きくなる。
上記(2)に記載の定着用ベルトによれば、耐熱弾性層上にトナーの付着性が低い離型層を設けているためオイルレストナーの定着ができる。
上記(3)及び(4)に記載の定着用ベルトの製造方法によれば、上記(1)〜(2)に記載の定着用ベルトを容易に製造することができる。
上記(5)及び(6)に記載の定着装置によれば、高い熱効率の定着装置を提供することができる。
上記(7)に記載の画像形成装置によれば、高い熱効率の画像形成装置を提供することができる。
耐熱弾性層の熱流Qに関する模式図である。 本発明の定着用ベルトを具備した定着装置の説明図である。 耐熱弾性層の厚さ方向に力が加えられて、その厚さが変化する様子(断面変化)を説明するための図である。 耐熱弾性層における熱伝導率と発泡倍率との関係を示す図である。 本発明の定着装置を具備したデジタル複写機の構成図である。
本発明者らは、低熱容量(低密度)と熱抵抗のコントロールによる高熱効率の定着用ベルトを開発するために、耐熱弾性層の発泡倍率を上げていくと急激に熱伝導性が低下する問題について検討した。これについては、2つの要素即ち(i)圧縮によるニップ部での熱伝導率向上、(ii)圧縮による厚み減少による熱抵抗の減少で、熱抵抗をコントロールすることとした。そして、ここでは上記2つの効果のニップ以外での逆の効果、つまり断熱効果を用いる。
図1は、本発明における耐熱弾性層の熱流Qに関する模式図である。熱流Qが流入する方向への垂直面の断面積をAとする。定着用ベルトとしては、熱源から紙(記録媒体)側に流れる熱流を想定する。この図において、下記式1が成り立つ。
q=−λ・grad(Temp) (式1)
これを変形して、
1/λ・(C/A)=D/Q (式2)
ここで、
λ: 熱伝導率 W/(m・K)
Q: 熱流 W
q: 熱流速 W/m
(単位時間に単位面積を通過する熱流)
C: 耐熱弾性層の厚さ m
D: 温度差 K
R: 熱抵抗 K/W
〔R=1/λ・(C/A)〕 (式3)
この式3〔R=1/λ・(C/A)〕から、熱抵抗を小さくするためには、λの値を大きくすることと、Cの値を小さくすることが重要であることが解る。
また、熱伝導率λが大きくなることと、圧縮による耐熱弾性層の厚さCの減少は、掛け算の関係であることが解る。圧力を低くして耐熱弾性層の厚さCが大きくなる場合は、逆の効果が生じる。すなわち断熱である。
本発明は、この原理に基づいて比較的容易に熱効率を上げる定着用ベルトを提供するものである。この発明の定着用ベルトの定着装置に適用した例を図2に示す。定着ユニット17は、図2の構成図に示すように、加熱ローラ31と、定着ローラ32と、加熱ローラ31と定着ローラ32に巻き回された定着用ベルト33と、定着用ベルト33を定着ローラ32に押圧する加圧ローラ34と、入口ガイド板35及び例えばサーミスタからなる温度検出手段36を有する。加熱ローラ31はヒータ37を内蔵し、テンションスプリング38により定着ローラ32と反対側に付勢され、定着用ベルト33に一定の張力を与えている。この加熱ローラ31の温度は温度検出手段36で検出されて制御される。加圧ローラ34もヒータ39を内蔵し、加圧スプリング40により定着ローラ32に押圧されている。この定着用ベルト33と加圧スプリング40により加圧された加圧ローラ34がニップ部を形成し、入口ガイド板35により導かれたトナー42が乗った記録紙41がニップ部に導入される。そして記録紙41に転写された離型剤を含有したトナー42を加熱加圧して記録紙41に定着する。この定着用ベルト33は耐熱性の高分子材料又は金属ベルトがその基体として用いられる。
ここで、熱の流れという観点から定着用ベルト33の一部分に注目すると、熱の供給はヒータ37で供給され、記録紙41に熱を供給する部分である定着ローラ32と加圧ローラ34により形成されたニップ部にベルトのその部分が移動する。ここまでは、定着用ベルト33に圧力がかからないため、ベルト内側の加熱された部分からの熱は、熱抵抗が高いため逃げにくい。しかし、ニップ部で、適切な圧力以上がかかった場合、熱伝導率向上と耐熱弾性層の厚さ減少により、数分の1の熱抵抗となる。
図3は、耐熱弾性層11の厚さ変化時の模式図である。耐熱弾性層11は空孔部(気泡)11aを有しており、加圧により気泡11aの体積が減り、実質的な発泡倍率が下がり、熱伝導率向上が予想され、また、非加圧時の厚さCから加圧時の厚さC’のように耐熱弾性層11の厚さが減っていくという相乗効果が考えられる。実際に、20mm×20mmのサンプルを切り出し、圧力により、耐熱弾性層の厚さを変えて、熱抵抗を測定し、式1、式2より熱伝導率を求めると、モデルのグラフ図4と同様の傾向が得られた。
図4は、球形の空間を想定したBruggemanの式を用いているため、変形モデルとしては、必ずしも適切ではないが、かなり近似できている([新編熱物性ハンドブック]日本熱物性学会、養賢堂発行、p.325参照)。また、特許第4231717号公報の図9にスポンジの熱伝導率の対圧力挙動のグラフが描かれているが、圧力を加えるところは3点のみであり、実際には、本発明のような特性を示すと考えられる。
図5はこの発明のデジタル複写機の構成図の例である。図5に示すように、デジタル複写機1は複写機本体2と原稿自動送り装置(以下、ADFという)3と自動仕分け装置4とを有する。複写機本体2は原稿読取ユニット5と書込ユニット6とエンジン部7と給紙ユニット8を有する。原稿読取ユニット5は光源と複数のミラーを有するキャリッジ9とレンズ10とCCD11及びバッファ12を有し、ADF3で送られた原稿を走査して読み取る。書込ユニット6はレーザ光源やポリゴンミラー等を有し、画像情報を含むレーザビーム13をエンジン部7に出射する。エンジン部7は、画像形成ユニット14と1次転写ユニット15と2次転写ユニット16及び定着ユニット17を有する。画像形成ユニット14は、感光体18の周囲に配置された帯電チャージャ19と書込ユニット5からのレーザビーム13の照射部とシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)からなるカラー現像部20及びドラムクリーニング部21を有し、帯電チャージャ19で帯電した感光体18上にレーザビーム13で静電潜像を形成し、形成した静電潜像をカラー現像部20で可視化してトナー像を形成する。1次転写ユニット15は中間転写ベルト22と1次転写部23とテンションローラ24と2次転写ローラ25とクリーニング部26及び基準位置センサ27を有し、感光体18に形成されたトナー像を中間転写ベルト22に1次転写する。中間転写ベルト22は、このデジタル複写機1における最大転写紙サイズであるA3よりも大きく形成されており、使用する転写紙がA4サイズ以下の場合には、2面分のトナー像を保持することができる。この中間転写ベルト22は感光体18上のトナー像を1次転写するとき以外は図示しない接離機構によって感光体18表面から離れ、中間転写ベルト22に画像を1次転写するときだけ感光体18表面に圧接される。2次転写ユニット16は中間転写ベルト22に転写されたトナー像を記録紙に2次転写する。定着ユニット17は記録紙に転写されたトナー像を熱と圧力で定着する。給紙ユニット8は複数の給紙カセット28a〜28cと手差トレイ29を有し、記録紙を2次転写ユニット16に送る。
本発明の定着用ベルトは、少なくとも金属又は耐熱性樹脂のベース層(ベルト基材)上に空孔部を有する耐熱弾性層を設けたもの、或いは、少なくとも金属又は耐熱性樹脂のベース層(ベルト基材)上に空孔部を有する耐熱弾性層を設け、この耐熱弾性層上にトナーの付着性が低い離型層を設けたものである。ここにいう“トナーの付着性が低い”とは、トナーの熱変形温度以上において5N/cm以上の加圧でトナーが付着しないことを意味する。
ベルト基材は耐熱性材料からなる。耐熱性材料としては、SUS、ニッケル等の金属材料、もしくはポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂が用いられる。金属材料の場合はベルトの撓みを考慮して、100μm以下の膜厚であることが望ましい。また、耐熱性樹脂の場合には、熱容量(立ち上がり時間短縮から、薄い方が有利である)、強度(厚い方が有利である)の点から、30〜200μmの膜厚が望ましい。
耐熱弾性層に用いるベース(材質)としては、定着時の温度(約200℃)での耐熱性から、シリコーンゴムが用いられる。シリコーンゴムは、その熱伝導率が0.3/mK以上であることが好ましい。これにより、加圧時の実質的な熱伝導率をより向上させることができるようになる。熱伝導率の測定には例えば京都電子工業社製の熱計測機器(迅速熱伝導率計<QTM−500>)などを用いることができる。
また、耐熱弾性層には空孔部を形成するために、発泡剤、発泡粒子等が含有されている。発泡剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられ、発泡粒子としては、松本油化製薬社製のF−30、F−30VS、F−46、F−50、F−55等が挙げられる。また、樹脂バルーンとしては、松本油化製薬社製のF−80SED等の樹脂バルーンも用いることができる。また、界面活性剤を用いて、水をシリコーンオイル中に分散させ、硬化時に発泡させる方法を用いても良い。
耐熱弾性層の厚さは、非加圧時で200〜300μmであり、加圧時で100〜150μmであることが好ましい。加圧時で100〜150μmとするためには、発泡剤、発泡粒子、樹脂バルーン等の含有量を加減することで行うことができる。
耐熱弾性層は、その発泡倍率が150〜200%の範囲であることが好ましい。これにより、加圧による耐熱弾性層の変形をより所望なものにすることができる。
耐熱弾性層の発泡倍率は、耐熱弾性層が空孔を含まない状態(発泡粒子を含まない状態)での密度を求め、更に耐熱弾性層が空孔を含む状態での密度を求め、この両者の比率から求めることができる。例えば耐熱弾性層が空孔を含まない状態(発泡粒子を含まない状態)での密度が1.0g/cmであり、耐熱弾性層が空孔を含む状態での密度が0.5g/cmであったとすると、発泡倍率は1.0/0.5×100=200%ということになる。耐熱弾性層が空孔を含まない状態(発泡粒子を含まない状態)での密度は層を構成する材料物性から計算することができる。また耐熱弾性層が空孔を含む状態での密度は、アルキメデス法などで測定することができる。この場合、PFA層を設けない状態で測定する。
離型層に使用される材料としてはフッ素系樹脂が好ましく、特に焼成による溶融成膜性のよい、比較的融点の低いもの(好ましくは250〜300℃)が好ましく選択される。具体的には、低分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフオロオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアアルキアルビニルエーテル共重合体(PFA)の微粉末が挙げられる。また、これらの樹脂の混合物、耐熱性樹脂にこれらフッ素系樹脂を分散させたものも挙げられる。特に強度、平滑性を両立する点からPFAが好ましい。
耐熱弾性層を離型層で被覆すると、シリコーンオイル等を使用しなくてもトナー離型性、紙粉固着防止が可能になり、オイルレス化を達成することができる。
低分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末としては、ルブロンL−5、L−2(以上、ダイキン工業社製)、MP1100、1200、1300、TLP−10F−1(以上、三井デュポンフロロケミカル社製)が知られている。テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)粉末としては、532−8000(デュポン社製)が知られている。テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)としては、MP−10、MP102(以上、三井デュポンフロロケミカル社製)が知られている。特にMFR(メルトフローレート)が小さい流動性の低いものとして、MP103、MP300(以上、三井デュポンフロロケミカル社製)、AC−5600、AC−5539(以上、ダイキン工業社製)等が本発明には好適に用いられる。
離型層の厚さは、5〜50μm(好ましくは、5〜30μm)に形成されている。これにより、前記定着用ベルトのトナー離型性が担保されるとともに、定着ベルトの柔軟性が確保される。
本発明の定着用ベルトは、未加硫付加型のシリコーンゴムに発泡剤、発泡粒子または樹脂バルーンを含有させ、これを金属又は耐熱性樹脂のベース層(ベルト基材)上に塗布した後、1次加硫及び発泡を行い、さらに2次加硫を行って空孔部を有する耐熱弾性層を形成するか、或いは、前記の形成された耐熱弾性層上にさらにトナーの付着性が低い離型層を積層することにより製造される。前記1次加硫時の温度は120〜150℃が適当であり、前記2次加硫時の温度は180〜200℃が適当である。
本発明の定着装置は、前記の定着用ベルトを具備したものであるが、好ましくは、定着部材(図2に示す定着装置では「加圧ローラ34」)に圧接する定着用ベルトの接触部分の面積S[cm]で前記被定着部材に対する加圧力F[N]を割った値(F/S)、即ちニップ圧が、10.0[N/cm]以上となるようにしたものである。好ましいニップ圧は10.0〜20.0[N/cm]である。これにより、より高い熱効率の定着装置とすることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、ここでの部は質量基準である。
<実施例A>
発泡粒子(F−80SDE)1.5部及び2液型の付加型液状シリコーンゴム100部の中に分散したものを調製する。発泡粒子は予め1/8量部のグリセリンと混合しておいたものを用いる。分散には倉敷紡績社製のマゼルスターを用いて行った。前記の分散物を厚さ70μmのポリイミド基体(ベルト基材)に硬化後の厚さが300μmになるよう塗布し、120℃、0.5時間で1次硬化させ、200℃、4時間で2次硬化させる。この時、前記発泡粒子が壊れて、空孔を有する耐熱弾性層が形成される。
この耐熱弾性層上にPFA樹脂チューブ(三井・デュポンフロロケミカル社製のHPPlus 950HP)を接着する。この最上層となるPFA樹脂層を用いた場合、球晶が小さくなり表面粗さが向上する。通常用いられるプライマーを用いてチューブを接着した。PFA樹脂層(離型層)の厚さは15μmである。この一連の工程で、外径をφ60(mm)にした定着用ベルトを作製した。
発泡粒子(F−80SDE)は、発泡倍率に影響を与えるが、作製条件により、発泡倍率が変動するため、適宜調整する。
この定着用ベルトにおけるシリコーンゴムの熱伝導率は、0.3[W/mK]である。
この定着用ベルトを図2に示す定着ユニットにセットし、加熱1000[W]ハロゲンヒータによる160℃までの温度上昇時間(秒)を測定した。また、複写紙(リコー社製、type6200紙)によるマゼンタベタ未定着画像(IMAGIO Neo C385用トナー)を用い、定着温度幅を測定した。トナー載り量は0.5[mg/cm]である。温度測定は、加熱ローラの上部の部分に熱電対を設けて行った。定着温度幅は、定着上限温度は、ホットオフセットの有無。定着下限温度は、スミア法(8.8N/φ15mmの重りに付着した布を転写紙の上に載せ、5往復擦ったときの布上の濃度による)で評価した。定着下限温度は布上の濃度0.3以下の基準により決定した。すなわち、定着下限温度以下では、0.3より大きい。また、定着下限温度以上では、0.3以下である。また、ニップ圧は、15.0[N/cm]である。
耐熱弾性層の発泡倍率を100%〜210%の範囲で変化させて定着用ベルトを作製し、測定を行った。測定結果をまとめて表1に示す。なお、発泡倍率100%は耐熱弾性層が発泡粒子を含有しないものである。
Figure 0005532996
表1にみられるように、耐熱弾性層の発泡倍率が150%以上200%以下である場合には、定着温度幅が広がり、定着下限温度の低下が得られる。
<実施例B>
シリコーンゴムの熱伝導率(W/mK)を0.2〜0.35の範囲で変化させた以外は、前記実施例A(4)と同様にして定着用ベルトを作製し、測定を行った。測定結果をまとめて表2に示す。
Figure 0005532996
表2にみられるように、シリコーンゴムの熱伝導率が0.3[W/mK]以上であると、定着温度幅が広がり、温度上昇時間の短縮が得られる。
<実施例C>
前記実施例A(4)の定着ベルトを用い、ニップ圧[N/cm]を6.0〜30の範囲で変化させた以外は、実施例A(4)と同様にして測定を行った。測定結果をまとめて表3に示す。
Figure 0005532996
表3にみられるように、低ニップ圧(10.0[N/cm]未満では、耐熱弾性層の変形が充分ではなく、望ましい定着温度幅及び温度上昇時間が得られない。
<実施例D>
PFA層を形成しないこと以外は実施例A(3)と同様にして定着用ベルトD(1)を作製し、測定を行った。測定結果をまとめて表4に示す。
ただし、定着ユニット17には定着用ベルトにシリコーンオイルを塗布する機構を追加した。即ち、これはシリコーンオイルタンクと塗布布により構成されており、従来のカラー電子写真で用いられるものを使用した(図示せず)。
Figure 0005532996
表4にみられるように、PFA層を形成しない定着用ベルトD(1)であっても、耐熱弾性層の発泡倍率が150%かつシリコーンゴムの熱伝導率が0.3[W/mK]以上であることにより、定着下限温度の低下が得られる。
(図2において)
17 定着ユニット17
31 加熱ローラ
32 定着ローラ
33 定着用ベルト
34 加圧ローラ
35 入口ガイド板
36 温度検出手段
37 ヒータ
38 テンションスプリング
39 ヒータ
40 加圧スプリング
41 記録紙
42 トナー
(図3において)
11 耐熱弾性層
11a 気泡
(図5において)
1 デジタル複写機
2 複写機本体
3 原稿自動送り装置(ADF)
4 自動仕分け装置
5 原稿読取ユニット
6 書込ユニット
7 エンジン部
8 給紙ユニット
9 キャリッジ
10 レンズ
11 CCD
12 バッファ
13 レーザビーム
14 画像形成ユニット
15 1次転写ユニット
16 2次転写ユニット
17 定着ユニット
18 感光体
19 帯電チャージャ
20 カラー現像部
21 ドラムクリーニング部
22 中間転写ベルト
23 1次転写部
24 テンションローラ
25 2次転写ローラ
26 クリーニング部
27 基準位置センサ
28 給紙カセット
29 手差トレイ
特開2006−133576号公報 特開2002−3732号公報 特開2002−128931号公報 特開2002−317064号公報 特開平4−166970号公報 特許第4231717号公報 特開2008−197585号公報 特開2008−191557号公報 特開2009−92826号公報

Claims (7)

  1. トナーを記録媒体に定着させるのに用いる定着用ベルトであって、少なくとも金属又は耐熱性樹脂のベース層上に空孔部を有する耐熱弾性層が設けられ、該耐熱弾性層の発泡倍率は150%以上200%以下であり、かつ該耐熱弾性層がシリコーンゴムを含有し、該シリコーンゴムの熱伝導率は0.3[W/mK]以上であることを特徴とする定着用ベルト。
  2. 前記耐熱弾性層上にトナーの付着性が低い離型層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の定着用ベルト。
  3. トナーを記録媒体に定着させるのに用いる定着用ベルトの製造方法であって、未加硫付加型のシリコーンゴムに発泡剤または発泡粒子を含有させ、これを金属又は耐熱性樹脂のベース層上に塗布した後、1次加硫及び発泡を行い、さらに2次加硫を行って空孔部を有する耐熱弾性層を形成し、
    該耐熱弾性層の発泡倍率は150%以上200%以下であり、
    前記シリコーンゴムの熱伝導率は0.3[W/mK]以上であることを特徴とする定着用ベルトの製造方法。
  4. トナーを記録媒体に定着させるのに用いる定着用ベルトの製造方法であって、未加硫付加型のシリコーンゴムに発泡剤または発泡粒子を含有させ、これを金属又は耐熱性樹脂のベース層上に塗布した後、1次加硫及び発泡を行い、さらに2次加硫を行って空孔部を有する耐熱弾性層を形成し、この耐熱弾性層上にトナーの付着性が低い離型層を積層し、
    該耐熱弾性層の発泡倍率は150%以上200%以下であり、
    前記シリコーンゴムの熱伝導率は0.3[W/mK]以上であることを特徴とする定着用ベルトの製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の定着用ベルト、あるいは請求項3又は4に記載の定着用ベルトの製造方法により製造した定着用ベルトを用いたことを特徴とした定着装置。
  6. 定着部材に圧接する定着用ベルトの接触部分の面積S[cm]で前記定着部材に対する加圧力F[N]を割った値(F/S)が、10.0[N/cm]以上となるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 請求項5又は6に記載の定着装置と、画像形成部とを備え、前記画像形成部でシート上にトナー像を形成し、前記定着装置でシートにトナー像を定着させて画像を得ることを特徴とする画像形成装置。
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