JP5532868B2 - ボールスプライン - Google Patents

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Description

この発明は、ボールスプラインに関し、特に、過大トルクを受けやすい条件下で使用されるボールスプラインに関する。
ボールスプラインとして、スプライン軌道が設けられた軸と、軸のスプライン軌道に対向するスプライン軌道が設けられたボールスプライン外筒と、両スプライン軌道で形成された通路内に配設された複数のボールと、ボールスプライン外筒を回転不可能に支持するハウジングとを備えているものはよく知られており(例えば特許文献1)、ボールねじと組み合わされて、電動アクチュエータ用や緩衝器用として使用されている。
特開平7−35137号公報
ボールスプライン付きボールねじを使用するアクチュエータや緩衝器では、ねじ軸が高速移動、ボールねじナットが高速回転している状態から、ストッパによって急停止させられる構成とされているものがあり、この場合、ボールねじに過大な衝撃荷重が入り、過大トルクが発生して、そのトルクによってスプライン軌道に圧痕が生じることがある。
この発明の目的は、過大トルクを受けた場合でもスプライン軌道に圧痕が生じることを防止したボールスプラインを提供することにある。
この発明によるボールスプラインは、スプライン軌道が設けられた軸と、軸のスプライン軌道に対向するスプライン軌道が設けられたボールスプライン外筒と、両スプライン軌道で形成された通路内に配設された複数のボールと、ボールスプライン外筒を回転不可能に支持するハウジングとを備え、第1の接触角を有し時計方向の回転を受けるスプライン軌道と第2の接触角を有し反時計方向の回転を受けるスプライン軌道とが対とされたスプライン軌道の対が複数設けられているボールスプラインにおいて、各対における時計方向の回転を受けるスプライン軌道と反時計方向の回転を受けるスプライン軌道との間に、ハウジングの内周部とボールスプライン外筒の外周部とにまたがるように、トルク負荷時にボールスプライン外筒を内周側に押圧するキーがそれぞれ設けられており、キーのボールスプライン外筒内にある部分の横断面形状は、台形または三角形とされていることを特徴とするものである。
スプライン軌道は、時計方向の回転を受けるものと反時計方向の回転を受けるものとが対とされて、これが複数対(例えば3対)設けられる。軸の外周には、例えば、基準円筒面から突出するように(または基準面が突出面となるように)形成された複数(例えば3つ)のボール受け部が設けられ、このボール受け部の時計方向側肩部および反時計方向側肩部に、それぞれスプライン軌道が形成される。これに対応して、ボールスプライン外筒の内周には、ボール受け部の時計方向側のスプライン軌道に時計方向側から対向するスプライン軌道と、ボール受け部の反時計方向側のスプライン軌道に反時計方向側から対向するスプライン軌道とがそれぞれ形成される。これにより、時計方向側のスプライン軌道同士によって第1の接触角が、反時計方向側のスプライン軌道同士によって第2の接触角がそれぞれ形成される。ボールは、軸に形成されたスプライン軌道と外筒に形成されたスプライン軌道との間を転動して循環する。ボールの中心とボールがスプライン軌道に接触する点とを結ぶ接触角は、時計方向の回転を受けるスプライン軌道と反時計方向の回転を受けるスプライン軌道とで逆方向となり、主として、これらの互いに逆方向の1対の接触角によって規定される範囲で、外部から作用するトルクが受けられる。
従来使用されているキーは、ハウジングに対するボールスプライン外筒の回転防止のためであるので、横断面方形状とされて、接線方向の力のみを受けるようになされているが、この発明におけるキーは、接線方向の力だけでなく、径方向の力も受けることができるように形成される。
キーの横断面形状は、例えば、ハウジング内にある部分が方形で、ボールスプライン外筒内にある部分がくさび状(台形または三角形)とされる。このようにすると、キーには、法線方向に対して時計方向に傾斜した面と法線方向に対して反時計方向に傾斜した面とが形成され、時計方向のトルクに対しては、法線方向に対して反時計方向に傾斜した面がボールスプライン外筒を反時計方向でかつ径方向内方に押圧し、反時計方向のトルクに対しては、法線方向に対して時計方向に傾斜した面がボールスプライン外筒を時計方向でかつ径方向内方に押圧することで、ハウジングに対するボールスプライン外筒の回転が防止されるとともに、ボールスプライン外筒の径方向外方への変形が抑制される。過大なトルクが作用した場合に起きる肩乗り上げは、ボールスプライン外筒の径方向外方への変形によって生じやすくなるので、この変形が抑制されることで、肩乗り上げが防止され、肩乗り上げによって生じるスプライン軌道の圧痕が防止される。
キーの横断面形状は、また、円形(全体としての形状が円筒または円柱)とされることがある。この場合、キーは、転がりながらトルクを支持することができ、すべりが発生しないことで、耐摩耗性が向上する。ボールスプライン外筒内にある部分は円弧状(半円状)となり、キーには、時計方向のトルク作用時には、法線方向に対して時計方向に傾斜した接触角が形成され、反時計方向のトルク作用時には、法線方向に対して反時計方向に傾斜した接触角が形成される。これにより、時計方向のトルクに対しては、法線方向に対して時計方向に傾斜した接触角方向の力によってボールスプライン外筒を反時計方向でかつ径方向内方に押圧し、反時計方向のトルクに対しては、法線方向に対して反時計方向に傾斜した接触角方向の力によってボールスプライン外筒を時計方向でかつ径方向内方に押圧することで、ハウジングに対するボールスプライン外筒の回転が防止されるとともに、ボールスプライン外筒の径方向外方への変形が抑制される。過大なトルクが作用した場合に起きる肩乗り上げは、ボールスプライン外筒の径方向外方への変形によって生じやすくなるので、この変形が抑制されることで、肩乗り上げが防止され、肩乗り上げによって生じるスプライン軌道の圧痕が防止される。
ボールスプラインは、好ましくは、ボールねじと組み合わされて、ボールねじ軌道および軸方向にのびるスプライン軌道が設けられたねじ軸と、ねじ軸のボールねじ軌道にボールを介してねじ合わされた回転自在のボールねじナットと、スプライン軌道にボールを介して嵌め合わされてねじ軸の軸方向直線運動を案内するボールスプライン外筒とからなるものとされる。
このようなボールスプライン付きボールねじでは、ボールスプラインは、ボールスプライン外筒が上記複数のキーからなる回り止め部によってハウジングに対して回り止めされ、ねじ軸の回転を防止して、ボールねじナットで発生するトルクの反力を受ける。従来のボールスプライン付きボールねじでは、ねじ軸に過大トルクが作用すると、ボールスプライン外筒が径方向外方へ変形しやすいために、肩乗り上げが発生して、スプライン軌道に圧痕が生じやすいものとなっていた。この発明のボールスプラインによると、従来1つだけ設けられた横断面方形のキーに代えて、トルク負荷時にボールスプライン外筒を内周側に押圧する複数のキーが設けられていることで、ボールスプライン外筒の径方向外方への変形が抑制され、これによってボールの肩乗り上げが確実に防止され、衝撃荷重(過大トルク)によるスプライン軌道の圧痕が防止される。
ねじ軸、ボールねじナットおよびボールスプライン外筒は、例えば、S45C,S55Cなどの炭素鋼製あるいはSAE4150鋼製とされ、また、ボールは、例えば、軸受鋼(SUJ2)製とされる。
この発明によるボールスプラインは、ボールねじと組み合わされて、アクチュエータ(モータによってボールねじナットが回転させられ、これにより、ねじ軸が直線移動する形態)として使用されることがあり、緩衝器(ねじ軸が外部からの力によって直線移動させられ、これにより、ボールねじナットが回転し、モータが発生する電磁力が減衰力となる形態)として使用されることがある。
アクチュエータや緩衝器で使用される場合には、例えば、ボールスプライン付きボールねじと、ボールねじナットに一体化された中空軸と、軸受を介して中空軸を回転可能に支持するとともにボールスプライン外筒を支持するハウジングと、中空軸に固定されたモータロータおよびハウジング内径に固定されたモータステータからなるモータとを備えているものとされる。
ねじ軸は、往復直線移動し、通常、その所定量以上の移動を防止するためのストッパが設けられる。ストッパは、例えば、ねじ軸が所定量以上移動した際にハウジングに当接するフランジ部をねじ軸に設けることで形成することができ、また、ストッパは、ねじ軸と一体に直線移動する部材に形成してもよく、直線移動しない方の部材(ハウジングや中空軸)に設けることもできる。
この発明のボールスプラインによると、ハウジングの内周部とボールスプライン外筒の外周部とにまたがるように、トルク負荷時にボールスプライン外筒を内周側に押圧するキーが周方向に所定間隔で複数設けられているので、ボールスプライン外筒の径方向外方への変形が抑制されることで、肩乗り上げが防止され、過大トルクを受けた場合でもスプライン軌道に圧痕が生じることを防止することができる。
図1は、この発明によるボールスプラインが使用されたボールねじ装置を示す縦断面図である。 図2は、この発明による第1実施形態のボールスプラインの横断面図である。 図3は、この発明による第1実施形態のボールスプラインの作用を説明するための拡大横断面図である。 図4は、この発明による第2実施形態のボールスプラインの横断面図である。 図5は、この発明による第2実施形態のボールスプラインの作用を説明するための拡大横断面図である。 図6は、従来ボールスプラインの作用を説明するための拡大横断面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図1の上下をいうものとする。
図1から図3までは、この発明によるボールスプラインを使用したボールねじ装置の第1実施形態を示している。
ボールねじ装置(1)は、ボールねじ軌道(2a)および上下方向にのびるスプライン軌道(2b)(2c)が設けられた上下にのびる鋼製ねじ軸(2)と、ねじ軸(2)のボールねじ軌道(2a)にボールを介してねじ合わされた回転自在の鋼製ボールねじナット(3)と、ねじ軸(2)の下端部側においてスプライン軌道(2b)(2c)にボールを介して嵌め合わされてねじ軸(2)の上下方向(軸方向)直線運動を案内するボールスプライン外筒(4)と、ボールねじナット(3)に一体化されて上方にのびる中空軸(5)と、軸受(7)を介して中空軸(5)を回転可能に支持するとともにボールスプライン外筒(4)を支持するハウジング(6)と、中空軸(5)に固定された円筒状のモータロータ(9)およびハウジング(6)内径に固定された円筒状のモータステータ(10)からなるモータ(8)とを備えている。
モータ(8)は、永久磁石型三相同期モータとされており、モータロータ(9)が永久磁石とされて、モータステータ(10)にU相、V相およびW相の三相のコイル(10a)が巻かれている。
ねじ軸(2)と中空軸(5)とは、同心状に配置されており、ボールねじ装置(1)は、ボールねじナット(3)、中空軸(5)およびモータロータ(9)を回転させて、ねじ軸(2)を直線移動させる形態で使用される。
中空軸(5)は、ねじ軸(2)を案内する小径部(11)と、内周面がボールねじナット(3)の外周面に固定されかつ外周面に軸受(7)を保持する大径部(12)とからなる。
ボールスプライン外筒(4)は、ねじ軸(2)の回転を防止してその上下移動を案内するために、回り止め部(13)によってハウジング(6)に対して回り止めされる。回り止め部(13)は、後述する3つのキー(21)によって構成されている。
図2に示すように、ねじ軸(2)の外周には、基準円筒面から突出するように形成された3つのボール受け部(15)が周方向に等間隔で設けられており、このボール受け部(15)の時計方向側肩部および反時計方向側肩部に、それぞれスプライン軌道(2b)(2c)が形成されている。これに対応して、ボールスプライン外筒(4)の内周には、ボール受け部(15)の時計方向側のスプライン軌道(2b)に時計方向側から対向するスプライン軌道(4a)と、ボール受け部(15)の反時計方向側のスプライン軌道(2c)に反時計方向側から対向するスプライン軌道(4b)とがそれぞれ形成されている。
こうして、ねじ軸(2)が時計方向に回転しようとしたときにそのトルクを負荷するスプライン軌道(2b)(4a)と、ねじ軸(2)が反時計方向に回転しようとしたときにそのトルクを負荷するスプライン軌道(2c)(4b)とが対とされて、これが3対設けられている。時計方向側のスプライン軌道(2b)(4a)同士によって第1の接触角(C1)が、反時計方向側のスプライン軌道(2c)(4b)同士によって第2の接触角(C2)がそれぞれ形成されている。ボール(16)は、ねじ軸(2)に形成されたスプライン軌道(2b)(2c)とボールスプライン外筒(4)に形成されたスプライン軌道(4a)(4b)との間(主通路)を軸方向に転動し、保持器(18)に形成された戻し通路(図示略)によって循環させられる。
接触角(C1)(C2)は、ボール(16)の中心とボール(16)がスプライン軌道(2b)(4a)(2c)(4b)に接触する点とを結ぶもので、時計方向の回転を受けるスプライン軌道(2b)(4a)の第1の接触角(C1)と、反時計方向の回転を受けるスプライン軌道と(2c)(4b)の第2の接触角(C2)とで逆方向となり、主として、これらの互いに逆方向の1対の接触角(C1)(C2)によって規定される範囲において、外部から作用するトルクが受けられる。
ハウジング(6)とボールスプライン外筒(4)との間に設けられる回り止め部(13)は、通常、1つの横断面方形のキーによって構成されているが、この発明のボールねじ装置(1)では、等間隔で配置されたくさび形状の3つのキー(21)によって形成されている。各キー(21)は、互いに逆方向の1対の接触角(C1)(C2)によって規定される範囲のちょうど中央部において、ハウジング(6)の内周部とボールスプライン外筒(4)の外周部とにまたがるように、ハウジング(6)の内周部に設けられたキー溝(24)とボールスプライン外筒(4)の外周部に設けられたキー溝(25)とに嵌め入れられている。
図6に示すように、従来の横断面方形のキーでは、ねじ軸(2)側から反時計方向のトルクが作用した際には、ボールスプライン外筒(4)は、ボール(16)から矢印で示す接触角方向の力を受け、二点鎖線で示すように、径方向外方へ変形(膨張)する。これにより、接触点がボールスプライン外筒(4)のスプライン軌道(4b)の肩に近づき、過大トルクが作用した場合には、ねじ軸(2)のスプライン軌道(2c)の肩に乗り上げ、この肩乗り上げに伴ってスプライン軌道(2c)(4b)に圧痕が生じる可能性がある。
上記のようなスプライン軌道(2b)(2c)(4a)(4b)の圧痕を防止するために、この発明によるボールねじ装置(1)の各キー(21)の横断面形状は、図2に示すように、ハウジング(6)内にある部分(21a)が方形で、ボールスプライン外筒(4)内にある部分(21b)が台形とされている。台形部分(21b)は、法線方向に対して時計方向に傾斜した面(22)と法線方向に対して反時計方向に傾斜した面(23)とを有している。
したがって、ねじ軸(2)側から反時計方向のトルクが作用した際には、図3に示すように、ボール(16)から作用する矢印で示す接触角方向の力に対して、法線方向に対して時計方向に傾斜した面(22)がボールスプライン外筒(4)を時計方向でかつ径方向内方に押圧し、これにより、ハウジング(6)に対するボールスプライン外筒(4)の回転が防止されるとともに、ボールスプライン外筒(4)の径方向外方への変形が抑制される。過大なトルクが作用した場合に起きる肩乗り上げは、ボールスプライン外筒(4)の径方向外方への変形によって生じやすくなるので、この変形が抑制されることで、肩乗り上げが防止され、肩乗り上げによって生じるスプライン軌道(2c)(4b)の圧痕が防止される。時計方向のトルクに対しては、法線方向に対して反時計方向に傾斜した面(23)がボールスプライン外筒(4)を反時計方向でかつ径方向内方に押圧することで、同様の効果を得ることができる。
図4および図5は、この発明によるボールスプラインを使用したボールねじ装置の第2実施形態を示している。第2実施形態は、第1実施形態とキーの形状が相違しており、これ以外の構成は同様である。以下の説明では、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態のボールねじ装置では、スプライン軌道(2b)(2c)(4a)(4b)の圧痕を防止するために、各キー(31)は、図4に示すように、その横断面形状が円形(各キー(31)の形状が円柱状)とされて、ハウジング(6)の内周部に設けられた横断面円弧状のキー溝(32)とボールスプライン外筒(4)の外周部に設けられた横断面円弧状のキー溝(33)とに回転可能に嵌め入れられている。
したがって、図5に示すように、ねじ軸(2)側から反時計方向のトルクが作用した際には、ボール(16)から作用する矢印で示す接触角方向の力に対して、法線方向に対して反時計方向に傾斜した接触角が形成される。これにより、反時計方向のトルクに対し、法線方向に対して反時計方向に傾斜した接触角方向の力によってボールスプライン外筒(4)を時計方向でかつ径方向内方に押圧し、これにより、ハウジング(6)に対するボールスプライン外筒(4)の回転が防止されるとともに、ボールスプライン外筒(4)の径方向外方への変形が抑制される。過大なトルクが作用した場合に起きる肩乗り上げは、ボールスプライン外筒(4)の径方向外方への変形によって生じやすくなるので、この変形が抑制されることで、肩乗り上げが防止され、肩乗り上げによって生じるスプライン軌道の圧痕が防止される。時計方向のトルクに対しては、法線方向に対して時計方向に傾斜した接触角方向の力によってボールスプライン外筒(4)を時計方向でかつ径方向内方に押圧することで、同様の効果を得ることができる。
この第2実施形態のものでは、キー(31)は、転がりながらトルクを支持することができ、すべりが発生しないことで、第1実施形態のものに比べて耐摩耗性が向上するという利点を有している。
このボールねじ装置(1)は、例えば、自動車の電磁緩衝器用として使用するのに適している。電磁緩衝器は、タイヤから伝わる外力によってねじ軸(2)が軸方向に直線移動し、これに伴って、ボールねじナット(3)および中空軸(5)が回転し、この回転運動をモータ(8)に取り込んで、モータ(8)で発生する電磁力を減衰力として利用するようになっている。
このような電磁緩衝器は、突起乗り越し等のオーバストローク時には、ねじ軸(2)と一体で上下移動するバンプストッパがハウジング(6)等に衝突することにより、高速回転していたモータ(8)が急停止し、モータ(8)の慣性トルクにより過大トルクがボールスプラインのスプライン軌道(2b)(2c)(4a)(4b)などに負荷されることがあり、その保護が課題となっている。この発明によるボールスプラインでは、上記のように、各キー(21)(31)によってボールスプライン外筒(4)の径方向外方への変形が抑制されることで、肩乗り上げが防止され、過大トルクを受けた場合でもスプライン軌道(2b)(2c)(4a)(4b)に圧痕が生じることが防止される。
なお、上記のボールねじ装置(1)は、電磁緩衝器用として説明したが、これに限られるものではなく、電動アクチュエータとして使用することもできる。この場合、モータ(8)の回転駆動力をボールねじナット(3)を介してねじ軸(2)の軸方向推力に変換し、推力の軸方向反力を軸受(7)で支持してねじ軸(2)を直線運動させ、ねじ軸(2)に作用する軸方向荷重をボールねじナット(3)で負荷するとともに、トルクをボールスプライン外筒(4)で支持した形態での使用となる。
(2) ねじ軸(軸)
(2b)(2c) スプライン軌道
(4) ボールスプライン外筒
(4a)(4b) スプライン軌道
(6) ハウジング
(21)(31) キー

Claims (1)

  1. スプライン軌道が設けられた軸と、軸のスプライン軌道に対向するスプライン軌道が設けられたボールスプライン外筒と、両スプライン軌道で形成された通路内に配設された複数のボールと、ボールスプライン外筒を回転不可能に支持するハウジングとを備え、第1の接触角を有し時計方向の回転を受けるスプライン軌道と第2の接触角を有し反時計方向の回転を受けるスプライン軌道とが対とされたスプライン軌道の対が複数設けられているボールスプラインにおいて、
    各対における時計方向の回転を受けるスプライン軌道と反時計方向の回転を受けるスプライン軌道との間に、ハウジングの内周部とボールスプライン外筒の外周部とにまたがるように、トルク負荷時にボールスプライン外筒を内周側に押圧するキーがそれぞれ設けられており、
    キーのボールスプライン外筒内にある部分の横断面形状は、台形または三角形とされていることを特徴とするボールスプライン。
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