JP5532447B2 - 感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料 - Google Patents

感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料 Download PDF

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Description

本発明は感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料に関する。さらに詳細には、温度変化により大きなヒステリシス特性を示して発色と消色の可逆的変色を呈し、変色に要した熱又は冷熱の適用を取り去った後にあっても、着色状態と消色状態のいずれかを互変的且つ可逆的に保持する感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料に関する。
この種の感温変色性色彩記憶性材料に関して、本出願人は先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
先に提案した感温変色性色彩記憶性材料は、従来の可逆熱変色性材料のように変色温度を境にその前後で変色し、変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態はその状態が発現するのに要する熱または冷熱が適用されている間は維持され、熱または冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻るタイプと比較して、変色温度より低温側の色と高温側の色のいずれかを常温域において選択的に保持できるうえ、必要に応じて熱又は冷熱を適用することにより互変的に保持させることができ、感温記録材料、玩具類、装飾、印刷分野等多様な分野に適用されている。
日本国特開2004−107367号公報
この種の色彩記憶性効果は、前記特開2004−107367号公報に開示されているように、呈色反応をコントロールするエステル類から選ばれる化合物のうち、特定の化合物を構成成分として適用した系のみ発現されるものである。
本発明は、前記色彩記憶性効果を発現させる反応媒体となる化合物について追求し、反応媒体の選択の自由度を高め、この種の感温変色性色彩記憶性材料の利用度を更に高めようとするものである。
本発明者は、特定構造を有する化合物を呈色反応の反応媒体として適用した系にあって、ヒステリシス幅(ΔH)の大きい熱変色特性を示し、効果的な色彩記憶性効果を発現させることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、(I)電子供与性呈色性有機化合物、(II)電子受容性化合物、(III)前記(I)、(II)の呈色反応をコントロールする反応媒体として、下記式(1)で示されるエステル化合物、の相溶体からなる感温変色性色彩記憶性組成物を提供する。
Figure 0005532447
(式中、Rは炭素数1乃至21のアルキル基又は炭素数1乃至21のアルケニル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
更には、本発明は、前記感温変色性色彩記憶性組成物を内包してなる感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を提供する。前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は、色濃度−温度曲線に関して8℃乃至80℃のヒステリシス幅を示して変色することが好ましい。
更には、本発明は、前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料と、ビヒクルとからなる感温変色性色彩記憶性液状組成物、前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料と、成形用樹脂とからなる感温変色性色彩記憶性成形用樹脂組成物、支持体上に、前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を樹脂に分散状態に固着させた可逆熱変色層を設けてなる感温変色性色彩記憶性積層体を提供する。
本発明によれば、色濃度−温度曲線に関して広いヒステリシス幅(ΔH)を示して発色と消色の可逆的変色を生起させ、変色温度より低温側の色と高温側の色の両方を互変的に記憶保持できる。また、必要に応じて熱又は冷熱を適用することにより、いずれかの色を可逆的に再現させて記憶保持できる特性を効果的に発現させることができる。そのため、示温、装飾、玩具、教習要素等、多様な分野に適用性を有する感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を提供できる。
図1は、本発明の感温変色性色彩記憶性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。 図2は、本発明の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を用いた筆記具の縦断面説明図である。 図3は、本発明の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を用いた筆記具の縦断面説明図である。 図4は、本発明の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を用いた筆記具の縦断面説明図である。
以下に本発明の感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを用いた感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を図1のグラフを参照して説明する。
図1において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度T(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは完全発色状態を保持できる温度T(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは完全消色状態を保持できる温度T(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する温度T(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度領域は前記TとT間の温度域であり、TとTの間の温度域が実質変色温度域、即ち、着色状態或いは消色状態のいずれかの状態を保持できる温度域である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が大きい程、変色前後の各状態の保持が容易である。
変色前後の各状態を保持できるΔH値は8℃乃至80℃の範囲である。ここで、TとTの差、或いは、TとTの差であるΔtが変色の鋭敏性を示す尺度であり、1℃乃至20℃の範囲、好ましくは1℃乃至15℃の範囲、より好ましくは1℃乃至10℃の範囲が実用的である。
更に、変色前後の両状態のうち常温域において特定の一方の状態のみ存在させるためには、完全消色温度(T)が40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であり、且つ、発色開始温度(T)が0℃以下、好ましくは−5℃以下、より好ましくは−10℃以下である。
本発明における(I)、(II)、(III)成分の構成割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の特性が得られる成分比は、(I)成分1部に対して、(II)成分0.1〜50部、好ましくは0.5〜20部、(III)成分1〜800部、好ましくは5〜200部の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。
又、各成分は各々2種以上の混合であってもよく、機能に支障のない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、溶解助剤等を添加することができる。
以下に(I)、(II)、(III)の各成分について具体的に化合物を例示する。
本発明の(I)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられる。
以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,6−ジフェニルアミノフルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、
3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、
2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン、
2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3´,6´−ビス〔フェニル(2−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン等を挙げることができる。
更には、蛍光性の黄色乃至赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
成分(II)の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(I)を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
次に(III)成分のエステル化合物について具体的に例示する。
本発明に用いられるエステル化合物は、式(1)で示される化合物であって、式中のRは炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数1〜21のアルケニル基を示すが、好ましくは炭素3〜17のアルキル基、更に好ましくは炭素数4〜15のアルキル基である。
式中のnは1乃至3の整数を示し、好ましくは1又は2の整数、更に好ましくは2である。
前記式(1)で示されるエステル化合物は、下記式(2)で示されるビス(ヒドロキシアルコキシ)ベンゼンと各種カルボン酸とのエステル化反応によって得られる。
Figure 0005532447
前記式(2)で示されるビス(ヒドロキシアルコキシ)ベンゼンとして具体的には、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゼンを挙げることができる。
なお、1,4−ビス(ヒドロキシアルコキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシアルコキシ)ベンゼンは入手性及び価格の面から好適に用いられ、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンがより好適に用いられる。
前記式(2)のビス(ヒドロキシアルコキシ)ベンゼンとのエステル化反応に用いられるカルボン酸としては、公知のカルボン酸を用いることができる。
前記カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、n−ノナデカン酸、アラキジン酸、n−ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、DL−2−メチル酪酸、ピバル酸、2−メチル吉草酸、4−メチル吉草酸、tert−ブチル酢酸、2−エチル酪酸、2,2−ジメチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、2−n−プロピル−n−吉草酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等が挙げられる。
前記ビス(ヒドロキシアルコキシ)ベンゼンと、前記カルボン酸との組合せにより種々のエステル化合物が得られ、これらを(III)成分として適用することにより、様々な変色温度の感温変色性色彩記憶性組成物を得ることができる。
前記式(1)で示されるエステル化合物を具体的に以下に例示する。
Figure 0005532447
Figure 0005532447
Figure 0005532447
Figure 0005532447
Figure 0005532447
Figure 0005532447
前記化合物は、従来の感温変色性色彩記憶性組成物に用いられているエステル化合物を用いた場合と同程度の広いヒステリシス幅が得られ、具体的にはヒステリシス幅(ΔH)が8〜80℃である。
前記したヒステリシス幅を有することにより、変色温度域より低温側の色と高温側の色のいずれかを選択的に保持できる機能に優れ、様々な用途への応用性に優れる。
本発明の(III)成分は前記エステル化合物を用いるが、必要に応じてヒステリシス特性を大きく変動しない範囲で他のエステル類、アルコール類、カルボン酸類、ケトン類、アミド類等を加えることができる。この場合、その添加量は本発明のエステル化合物100に対して20以下(質量部)が所期の色彩記憶性効果を有効に発現させるうえで好ましい。
前記三成分から少なくともなる均質相溶混合物は、マイクロカプセルに内包させて感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を形成することもでき、カプセル膜壁で保護することによって酸性物質、塩基性物質、過酸化物等の化学的に活性な物質又は他の溶剤成分と接触しても、その機能を低下させることがないことは勿論、耐熱安定性を向上させることができる。
前記カプセル膜壁の材質としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート樹脂等が挙げられる。
更にマイクロカプセル顔料の表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセルは、平均粒子径0.1〜50μm、好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは、0.5〜20μmの範囲が実用性を満たす。
なお、粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を算出する。
前記マイクロカプセル顔料は、平均粒子径が、50μmを越える系では、インキ、塗料、或いは熱可塑性樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。
一方、平均粒子径が0.1μm以下の系では、高濃度の発色性を示し難い。
また、カプセル顔料を微小粒子化することにより、必須3成分の組成物の均質相溶体のΔHと比較し、カプセル顔料のΔHを更に拡大することができる。
前記マイクロカプセル顔料は、内包物/壁膜=7/1〜1/1(質量比)の範囲が有効であり、壁膜の比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を免れず、好適には、内包物/壁膜=6/1〜1/1(質量比)である。
前記マイクロカプセル化は、従来より公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。
なお、マイクロカプセル顔料には、一般の染顔料(非熱変色性)を配合し、有色(1)から有色(2)への変色挙動を呈することもできる。
前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は、必要により添加剤を含むビヒクル中に分散してスクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷等に用いられる印刷インキ、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等に用いられる塗料、インクジェット用インキ、紫外線硬化型インキ、マーキングペン用、ボールペン用、万年筆用、筆ペン用等の筆記具用インキや塗布具用インキ、絵の具、化粧料、繊維用着色液等の感温変色性色彩記憶性液状組成物に利用できる。
前記添加剤としては、樹脂、架橋剤、硬化剤、乾燥剤、可塑剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、沈降防止剤、平滑剤、ゲル化剤、消泡剤、つや消し剤、浸透剤、pH調整剤、発泡剤、カップリング剤、保湿剤、防かび剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
そのうち、筆記具用インキに用いられる筆記具用ビヒクルとしては、有機溶剤を含む油性ビヒクル、或いは、水と、必要により有機溶剤を含む水性ビヒクルが挙げられる。
前記有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
前記筆記具用インキとしては、ビヒクル中に剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インキ、ビヒクル中に水溶性高分子凝集剤を含み、顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集性インキを挙げることができる。
前記剪断減粘性付与剤を添加することにより、顔料の凝集、沈降を抑制することができると共に、筆跡の滲みを抑制することができるため、良好な筆跡を形成できる。
更に、前記インキを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
前記剪断減粘性付与剤の添加量としては、インキ中に0.1〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%の範囲で添加される。
前記水溶性高分子凝集剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類等が挙げられる。
前記水溶性多糖類としてはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリン、水溶性セルロース誘導体等が挙げられ、水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
前記水溶性高分子凝集剤の添加量としては、インキ中に0.05〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される。
前記高分子凝集剤と共に、側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤及び有機窒素硫黄化合物を併用することにより、前記高分子凝集剤によるマイクロカプセル顔料のゆるい凝集体の分散性を向上させることができる。
前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤としては、側鎖に複数のカルボキシル基を有する櫛型高分子化合物であれば特に限定されるものではないが、側鎖に複数のカルボキシル基を有するアクリル高分子化合物が好適であり、前記化合物として日本ルーブリゾール社製の商品名:ソルスパース43000を例示できる。
前記有機窒素硫黄化合物は、インキ組成物を筆記具に充填して実用に供する際、振動によるマイクロカプセル顔料の沈降をいっそう抑制する。
これは、マイクロカプセル顔料のゆるい凝集体を側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤によって分散させる分散性をより向上させるものである。
前記有機窒素硫黄化合物としては、チアゾール系化合物、イソチアゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイソチアゾール系化合物から選ばれる化合物が用いられる。
前記有機窒素硫黄化合物として具体的には、2−(4−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−(チオシアネートメチルチオ)−1,3−ベンゾチアゾール(TCMTB)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる一種又は二種以上の化合物が用いられ、好ましくは2−(4−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる一種又は二種以上の化合物が用いられる。
前記有機窒素硫黄化合物としては、(株)パーマケム・アジア製、商品名:トップサイド88、同133、同170、同220、同288、同300、同400、同500、同600、同700Z、同800、同950、北興産業(株)製、商品名:ホクスターHP、同E50A、ホクサイドP200、同6500、同7400、同MC、同369、同R−150を例示できる。
なお、前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤と、有機窒素硫黄化合物の質量比率は1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5であり、前記範囲を満たすことにより、マイクロカプセル顔料のゆるい凝集体の分散性、及び、振動によるマイクロカプセル顔料の沈降抑制を十分に発現させることができる。
更に、筆跡の紙面への固着性や粘性を付与するために適用される水溶性樹脂を添加すると、前述の側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤と有機窒素硫黄化合物を含むインキ中でマイクロカプセル顔料の安定性を高める機能がいっそう向上する。
前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられ、好ましくはポリビニルアルコールが用いられる。
更に、前記ポリビニルアルコールは、けん化度が70〜89モル%の部分けん化度型ポリビニルアルコールが、インキが酸性域でも可溶性に富むため、より好適に用いられる。
前記水溶性樹脂の添加量としては、インキ中に0.3〜3.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲で添加される。
また、前記インキをボールペンに充填して用いる場合は、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗を防止することが好ましい。
更に、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール及び/又はその塩を含有させることにより、インキのpHが酸性或いはアルカリ領域であっても、一度凍結したインキが再度解凍された後に生じるマイクロカプセル顔料の分散不良や凝集を抑制でき、インキ粘度の上昇やそれに伴う筆跡カスレや淡色化を防止することができると共に、ボールペンに用いる場合はボールの腐食を防止することもできる。
前記2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール及び/又はその塩の添加量としては、インキ中に0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜7質量%の範囲で添加される。
その他、必要に応じてアクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の樹脂を添加して紙面への固着性や粘性を付与したり、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
前記インキを収容するボールペン、マーキングペンについて説明する。
前記インキをボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に剪断減粘性インキを充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したボールペンチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.3〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.5mm、より好ましくは0.3〜1.0mm径程度のものが適用できる。
前記インキを収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを樹脂製、金属製等の軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
また、前記インキ組成物を出没式のボールペンに収容する場合、出没式ボールペンの構造、形状は特に限定されるものではなく、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧にすることにより、ボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記出没式ボールペンは軸筒内に複数のボールペンレフィルを収容してなり、出没機構の作動によっていずれかのボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する複合タイプの出没式ボールペンであってもよい。
前記インキ収容管に収容したインキの後端にはインキ逆流防止体が充填される。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体は、増粘剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、前記増粘剤としては表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物等を挙げることができる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
前記インキをマーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に繊維集束体からなるインキ吸蔵体を内蔵し、毛細間隙が形成された繊維加工体からなるマーキングペンチップを直接或いは中継部材を介して軸筒に装着してなり、前記インキ吸蔵体とチップが連結されてなるマーキングペンの前記インキ吸蔵体に凝集性インキを含浸させたマーキングペンや、チップの押圧により開放する弁体を介してチップとインキ収容管とを配置し、該インキ収容管内にインキを直接収容させたマーキングペン等を例示できる。
前記チップは、繊維の樹脂加工体、熱溶融性繊維の融着加工体、フェルト体等の従来より汎用の、気孔率が概ね30〜70%の範囲から選ばれる連通気孔の多孔質部材であり、一端を砲弾形状、長方形状、チゼル形状等の目的に応じた形状に加工して実用に供される。
前記インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね40〜90%の範囲に調整して構成される。
また、前記弁体は、従来より汎用のポンピング式形態が使用できるが、筆圧により押圧開放可能なバネ圧に設定したものが好適である。
更に、前記ボールペンやマーキングペンの形態は前述したものに限らず、相異なる形態のチップを装着させたり、相異なる色調のインキを導出させるペン先を装着させた両頭式筆記具であってもよい。
なお、前記筆記具用インキ組成物を収容した筆記具を用いて被筆記面に筆記して得られる筆跡は、加温又は冷却することにより変色させることができる。
加熱手段としては、ドライヤーを用いたり、指で擦る方法が挙げられるが、簡便な方法により変色可能な手段として摩擦部材や摩擦体を用いて摩擦することにより変色させることが好ましい。
前記摩擦部材や摩擦体としては、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
前記摩擦部材や摩擦体の材質としては、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)、ポリエステル系樹脂が好適に用いられる。
前記摩擦部材は筆記具と別体の任意形状の部材(摩擦体)とを組み合わせて筆記具セットを得ることもできるが、筆記具に摩擦部材を固着させることにより、携帯性が向上する。
キャップを備える筆記具の場合、摩擦部材を設ける箇所は特に限定されるものではないが、例えば、キャップ自体を摩擦部材により形成したり、軸筒自体を摩擦部材により形成したり、クリップを設ける場合はクリップ自体を摩擦部材により形成したり、キャップ先端部(頂部)或いは軸筒後端部(筆記先端部を設けていない部分)に摩擦部材を設けることができる。
出没式の筆記具の場合、摩擦部材を設ける箇所は特に限定されるものではないが、例えば、軸筒自体を摩擦部材により形成したり、クリップを設ける場合はクリップ自体を摩擦部材により形成したり、軸筒開口部近傍、軸筒後端部(筆記先端部を設けていない部分)或いはノック部に摩擦部材を設けることができる。
冷却手段としては、ペルチエ素子を利用した冷熱変色具、冷水、氷片等の冷媒を充填した冷熱変色具、冷蔵庫や冷凍庫の適用が挙げられる。
前記した液状組成物を用いて各種材質及び形状の支持体上に可逆熱変色層を設けて感温変色性色彩記憶性積層体(印刷物)が形成される。
なお、前記可逆熱変色層は、液状組成物中の溶剤が揮発してそれ以外の成分(添加剤)により形成される層であり、前記マイクロカプセル顔料は樹脂に分散状態に固着されてなる。
前記感温変色性色彩記憶性液状組成物を塗布又は印刷する場合、支持体の材質は特定されず、総て有効であり、紙、合成紙、繊維、布帛、合成皮革、レザー、プラスチック、ガラス、陶磁材、金属、木材、石材等を例示でき、平面状に限らず、凹凸状であってもよい。
前記支持体上に非熱変色性着色層(像を含む)が予め形成されているものにあっては、前記着色層上に可逆熱変色層を設けることで、温度変化により前記着色層を隠顕させることができ、変化の様相を更に多様化させることができる。
更に、前記液状組成物を用いて支持体上に可逆熱変色層を設ける他、予め可逆熱変色層を設けた転写シートを用いて支持体上に可逆熱変色層を形成することもできる。
更に、前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ワックス類等に溶融ブレンドしてペレット、粉末、又はペースト形態として感温変色性色彩記憶性成形用樹脂組成物として利用することもでき、汎用の射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形等の手段により、任意形象の立体造形物、フィルム、シート、板、フィラメント、棒状物、パイプ等の形態の成形体が得られる。
また、熱可塑性樹脂やワックス類に溶融ブレンドしてクレヨンやトナーを得ることもできる。
なお、前記液状組成物や樹脂組成物中には、一般の染顔料(非熱変色性)を配合し、有色(1)から有色(2)への変色挙動を呈することもできる。
前記積層体、或いは、樹脂組成物を用いて成形した成形体上には、光安定剤及び/又は透明性金属光沢顔料を含む層を積層することによって耐光性を向上させたり、或いは、トップコート層を設けて耐久性を向上させることもできる。
前記光安定剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤を例示できる。
前記透明性金属光沢顔料としては、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した顔料を例示できる。
前記積層体の可逆熱変色層の上層又は下層には、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層を設けることもできる。
前記多孔質層について説明する。
前記多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸液状態で透明性が異なる層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を用いた製品として具体的には、人形又は動物形象玩具、人形又は動物形象玩具用毛髪、人形の家や家具、衣類、帽子、鞄、靴等の人形用付属品、アクセサリー玩具、ぬいぐるみ、描画玩具、玩具用絵本、ジグソーパズル等のパズル玩具、積木玩具、ブロック玩具、粘土玩具、流動玩具、こま、凧、楽器玩具、料理玩具、鉄砲玩具、捕獲玩具、背景玩具、乗物、動物、植物、建築物、食品等を模した玩具、Tシャツ、トレーナー、ブラウス、ドレス、水着、レインコート、スキーウェア等の被服、靴や靴紐等の履物、ハンカチ、タオル、ふろしき等の布製身の回り品、絨毯、カーテン、カーテン紐、テーブル掛け、敷物、クッション、額縁、造花等の屋内装飾品、布団、枕、マットレス等の寝具、指輪、腕輪、ティアラ、イヤリング、髪止め、付け爪、リボン、スカーフ等のアクセサリー、筆記具、スタンプ具、消しゴム、下敷き、定規、粘着テープ等の文房具類、口紅、アイシャドー、マニキュア、染毛剤、付け爪、付け爪用塗料等の化粧品、コップ、皿、箸、スプーン、フォーク、鍋、フライパン等の台所用品、カレンダー、ラベル、カード、記録材、偽造防止用の各種印刷物、絵本等の書籍、手袋、ネクタイ、帽子、鞄、包装用容器、刺繍糸、運動用具、釣り具、歯ブラシ、コースター、時計、眼鏡、照明器具、冷暖房器具、楽器、カイロ、蓄冷剤、写真立て、財布等の袋物、傘、家具、乗物、建造物、温度検知用インジケーター、教習具を例示できる。
以下に本発明の実施例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
各実施例における感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包したマイクロカプセル顔料の製造方法と、感温変色性色彩記憶性組成物及びマイクロカプセル顔料の温度変化によるヒステリシス特性の測定方法について説明する。
なお、実施例中の部は質量部を表す。
実施例1
感温変色性色彩記憶性組成物の調製方法
(I)成分として3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、(II)成分として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン2部、(III)成分として1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと酢酸とのジエステル(化合物1)50部を混合し、加温して均質に溶解して感温変色性色彩記憶性組成物を得た。
前記感温変色性色彩記憶性組成物は青色から無色に変色するものであった。
測定試料の作製
前記感温変色性色彩記憶性組成物を内径1mm、長さ78mmの透明ガラス製毛細管に、毛細管底部から約10mmの高さまで封入し、測定試料を得た。
変色温度の測定
前記測定試料の感温変色性色彩記憶性組成物を封入した部分全体を水中に浸漬し、水温を変化させながら、感温変色性色彩記憶性組成物の変色状態を目視で観察して、T(完全発色温度)、T(発色開始温度)、T(消色開始温度)、T(完全消色温度)を測定し、T〔TとTの中間の温度(T+T)/2〕、T〔TとTの中間の温度(T+T)/2〕、ΔH(ヒステリシス幅T−T)を求めた。
前記感温変色性色彩記憶性組成物はT:45℃、T:47℃、T:80℃、T:90℃、T:46℃、T:85℃、ΔH:39℃のヒステリシス特性を示した。
実施例2〜18
感温変色性色彩記憶性組成物の(I)成分、(II)成分、(III)成分を以下の表に記載した化合物に変更した以外は実施例1と同一配合量、同一方法で、実施例2〜18の感温変色性色彩記憶性組成物を調製し、実施例1と同様にしてヒステリシス特性を測定した。
Figure 0005532447
表中の(I)成分のAは3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドであり、Bは1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオランであり、Cは2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランである。
表中の(II)成分のaは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンであり、bは1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパンである。
実施例1〜18の感温変色性色彩記憶性組成物の色変化、T、T、T、T、T、T、ΔHの値を以下の表に示す。
Figure 0005532447
実施例19
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製方法
(I)成分として3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、(II)成分として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(III)成分として1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと吉草酸とのジエステル(化合物4)50部からなる感温変色性色彩記憶性組成物を混合し、均一に加温溶解し、さらに壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー20部、酢酸エチル40部を混合した前記溶液を15%ゼラチン水溶液100部中に投入し、微小滴になるように乳化分散した。前記分散液を70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性アミン化合物〔ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:jERキュアU、エポキシ樹脂のアミン付加物〕2部を水23部に溶解させた水溶液を攪拌しながら徐々に添加し、さらに液温を90℃に保って約3時間攪拌を続けて感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の懸濁液を得た。
前記マイクロカプセル顔料の懸濁液から、遠心分離により感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を単離し、青色から無色に変色する感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を得た(平均粒子径:5μm)。
測定試料の作製
前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料40部を、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン50.0部、レベリング剤1.0部、消泡剤1.0部、粘度調整剤0.5部、水7.5部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性インキを調製した。前記インキを用いて上質紙にベタ柄をスクリーン印刷して測定試料を得た。
変色温度の測定
前記測定試料を色差計(TC−3600型色差計、東京電色株式会社製)の測定部分にセットし、試料部分を10℃/分の速度で昇温、降温させ、各温度における色濃度として明度値を測定し、色濃度−温度曲線を作成した。前記色濃度−温度曲線よりT、T、T、T、T〔TとTの中間の温度(T+T)/2〕、T〔TとTの中間の温度(T+T)/2〕、ΔH(ヒステリシス幅T−T)を求めた。
前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料はT:−14℃、T:−4℃、T:54℃、T:74℃、T:−9℃、T:64℃、ΔH:73℃のヒステリシス特性を示した。
実施例20〜44
マイクロカプセルに内包させる感温変色性色彩記憶性組成物の(I)成分、(II)成分、(III)成分と各配合量を、以下の表に記載した化合物と各配合量に変更した以外は実施例19と同一の方法により実施例20〜44の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を調製し、実施例19と同様にヒステリシス特性を測定した。
Figure 0005532447
表中の(I)成分のAは3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドであり、Bは1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオランであり、Cは2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランである。
表中の(II)成分のaは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンであり、cは1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−デカンである。
実施例19〜44の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の色変化、T、T、T、T、T、T、ΔHの値を以下の表に示す。
Figure 0005532447
応用例1
実施例21で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料2.5部及び非熱変色性蛍光ピンク色顔料1.5部を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂12.5部、キシレン38.3部、酢酸ブチル45部、粘度調整剤0.2部からなる油性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性液状組成物(塗料)を調製した。
前記塗料を−4℃以下の温度に冷却して紫色に変色させた後、家庭用電気コードのプラグ部分(白色)にスプレー塗装して可逆熱変色層を設け、感温変色性色彩記憶性プラグを得た。
前記プラグは室温(25℃)で紫色を呈しているが、加温により82℃以上の温度でピンク色となった。この変色状態から冷却すると、−4℃以下の温度で再び紫色となった。
前記感温変色性色彩記憶性プラグは、82℃以上の温度でピンク色になると−4℃以下の温度に冷却されない限りピンク色の変色状態を保持することができるため、プラグが異常過熱状態となり、82℃以上の高温域に達した場合の温度履歴を目視により検知できた。
応用例2(図2参照)
実施例33で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料27部(予め−24℃以下に冷却して青色に発色させたもの)を、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10.0部、グリセリン10部、ノニオン系界面活性剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防黴剤0.2部、水51.77部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性液状組成物(筆記具用インキ2)を調製した。
筆記具の作製
前記インキ2をポリプロピレン製パイプからなるインキ収容管3に吸引充填し、樹脂製ホルダー4を介して0.7mmステンレス鋼ボールを先端に抱持したボールペンチップ5と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後端より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)6を充填し、更に尾栓7をパイプの後部に嵌合させ、先軸筒と後軸筒とからなる軸筒8を組み付け、キャップ9を嵌めた後、遠心分離により脱気処理を行い、筆記具(ボールペン)1を得た。
なお、前記後軸筒後部には摩擦部材10としてSEBS製ゴムを装着してなる。
前記ボールペンを用いて紙面に筆記して青色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)では青色を呈しており、摩擦体を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は室温下で維持することができた。
なお、消色後の前記紙面を冷凍庫に入れて−24℃以下の温度に冷却すると、再び文字が青色になる変色挙動を示し、前記挙動は繰り返し再現することができた。
応用例3(図3参照)
実施例35で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料25部(予め−6℃以下に冷却してピンク色に発色させたもの)、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、櫛型高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000〕0.2部、有機窒素硫黄化合物〔北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイドR−150、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物〕1.0部、ポリビニルアルコール0.5部、グリセリン25.0部、消泡剤0.02部、水47.78部を混合して感温変色性色彩記憶性液状組成物(筆記具用インキ)を得た。
筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体11内に前記インキ組成物を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒8内に収容し、ホルダー4を介して軸筒先端部にポリエステル繊維のマーキングペンチップ(チゼル型)5と接続状態に組み立て、キャップ9を装着して筆記具1(マーキングペン)を得た。
前記軸筒後端部には摩擦部材10としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記してピンク色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)ではピンク色を呈しており、摩擦体を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は室温下で維持することができた。
なお、消色後の前記紙面を冷凍庫に入れて−6℃以下の温度に冷却すると、再び文字がピンク色になる変色挙動を示し、前記挙動は繰り返し再現することができた。
応用例4
実施例23で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料40部(予め−3℃以下に冷却して黒色に発色させたもの)を、ウレタン樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤1部、水8部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性液状組成物(印刷用インキ)を調製した。
A4サイズの白色合成紙(厚み200μm)上に、前記インキをコーティング加工して厚み20μmの可逆熱変色層を設け、感温変色性色彩記憶性記録材を得た。
前記記録材にサーマルプリンター(昭和情報機器株式会社製、品番:S4870)を用いて文字を印字し、案内板として実用に供した。
前記案内板は黒色の背景に白色の文字が明瞭に視認され、この変色状態を室温下で保持することができ、室温下で前記文字を保持できた。
前記案内板は−3℃以下に冷却することにより、文字部分の可逆熱変色層を再び着色させて文字部分を消去し、サーマルプリンターにより繰り返し異なる文字を形成することができた。
応用例5
支持体としてピンク色の合成紙上に、実施例21で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料45部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)44部、シリコーン系消泡剤1部、水4部、エチレングリコール2部、増粘剤2部、イソシアネート系架橋剤2部を均一に混合攪拌してなる可逆熱変色性スクリーンインキを109メッシュのスクリーン版を用いて全面にベタ印刷を行ない、130℃にて5分間乾燥硬化させて可逆熱変色層を形成した。
前記、支持体と可逆熱変色層を積層した状態では、−4℃以下に冷却すると支持体のピンク色と可逆熱変色層の青色が混色となった紫色が視覚され、82℃以上に加温すると、可逆熱変色層が無色となり、支持体のピンク色が視覚される。
次いで、微粉末シリカ〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)30部、水47.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを180メッシュのスクリーン版を用いて、前記可逆熱変色層上に全面にベタ印刷し、130℃にて5分間乾燥硬化させて、乾燥状態で白色の多孔質層を形成して変色性コースターを得た。
前記多孔質層は、水の付着により、白色状態から無色透明状態に変化する。
前記変色性コースターを−4℃以下に冷却した後、5℃の水を付着させると、乾燥状態では白色を呈していた多孔質層が水の吸液により透明化して、下層の支持体のピンク色と可逆熱変色層の青色が混色となった紫色が視認される。
水が付着した状態では前記様相を呈していたが、水が蒸発すると、再び全面が白色になった。
次いで、前記変色性コースターを82℃以上に加温した後、5℃の水を付着させると、乾燥状態では白色を呈していた多孔質層が水の吸液により透明化して、下層の支持体によるピンク色が視認される。
水が付着した状態では前記様相を呈していたが、水が蒸発すると、再び全面が白色になった。
前記様相変化は、水の付着により繰り返し行うことができた。
応用例6
実施例24で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料13部、結着樹脂として軟化点が70℃のポリエステル樹脂84.5部、離型剤として低分子量ポリエチレン2.5部を混合した後、2軸エクストルーダーにより混練温度90℃にて溶融混練し、冷却固化後に粉砕、分級して粒径7μmの感温変色性色彩記憶性トナーを得た。このトナー粒子の軟化点は73℃であった。
前記感温変色性色彩記憶性トナー(予め−7℃以下に冷却して青色に発色させたもの)をカートリッジに収容した。
前記カートリッジをレーザープリンタにセットして会議用資料をコピーして感温変色像を形成して感温変色性複写物を得た。
前記複写物は室温(25℃)下で青色の感温変色像が視認された。前記複写物を80℃以上に加温することにより感温変色像は消色し、室温(25℃)に戻しても感温変色像が消色した状態(一見何も複写していない記録用紙)は維持された。
再び、レーザープリンタに前記記録用紙をセットしてコピーを行なうことにより別の感温変色像を形成して複写物を得ることができ、繰り返し記録用紙を使用することができた。
応用例7(図4参照)
実施例33で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料27部(予め−24℃以下に冷却して青色に発色させたもの)を、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10.0部、グリセリン10部、ノニオン系界面活性剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防黴剤0.2部、水51.77部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性液状組成物(筆記具用インキ)を調製した。
筆記具の作製
前記インキ2をポリプロピレン製パイプからなるインキ収容管3に吸引充填し、樹脂製ホルダー4を介して0.7mmステンレス鋼ボールを先端に抱持したボールペンチップ5と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後端より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填してボールペンレフィルを得た。
前記ボールペンレフィルを、軸筒8内に組み込み、筆記具1(出没式ボールペン)を得た。
なお、前記出没式ボールペンは、ボールペンチップが外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、軸筒後端部に設けられた出没機構(ノック機構)の作動によって軸筒前端開口部からボールペンチップの先端部が突出する構造である。
出没機構の作動により軸筒前端開口部からボールペンチップの先端を出没させた状態で紙面に筆記して青色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、軸筒先端開口部の周囲に設けたSEBS樹脂製の摩擦部材10を用いて摩擦すると、該文字は消色して無色となり、この状態は室温下で維持することができた。
なお、消色後の前記紙面を冷凍庫に入れて−24℃以下の温度に冷却すると、再び文字が青色になる変色挙動を示し、前記挙動は繰り返し再現することができた。
応用例8
実施例44で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料5部、分散剤1部、非熱変色性ピンク色顔料0.1部、ポリプロピレンホモポリマー93.9部をエクストルーダーにて180℃で溶融混合して感温変色性色彩記憶性ペレットを得た。前記ペレットを用いて、射出成形機にてシリンダー温度180℃でプラスチックカップを成形した。前記プラスチックカップは室温(25℃)では紫色を呈しているが、加温により82℃以上の温度で変色を開始し、90℃以上の温度でピンク色となった。この状態から降温すると58℃以下の温度から変色を開始し、42℃以下の温度で再び紫色となった。
前記プラスチックカップに飲料を入れ、電子レンジで加熱したところ、紫色からピンク色へ変色し、内部の飲料が90℃以上の温度となったことを容易に確認することができた。加熱によりピンク色へ変色した前記プラスチックカップを電子レンジから取出して室温に放置すると、ピンク色から再び紫色に変色し、カップ内の飲料が42℃以下の温度になったことを容易に確認することができた。
応用例9
実施例19で調製した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料20部(予め−14℃以下に冷却して青色に発色させたもの)を、アクリル系樹脂エマルジョン(固形分40%)78.0部、消泡剤2.0部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性インキを調製した。
上質紙上に黒色非熱変色性インキを用いて印刷された商品券に、前記感温変色性色彩記憶性インキを用いてグラビア印刷により偽造判別マークを印刷した。前記偽造判別マークは室温(25℃)では青色を呈しており、体温や環境温度では色変化しないが、74℃以上に加熱すると無色となり、−14℃以下に冷却すると再び青色となった。
前記商品券の偽造判別マークは室温温度域では青色を呈して色変化しないため、偽造判別マークであることを識別できないが、74℃以上に加熱すると無色となることから、偽造防止機能を有していた。
応用例10
平均粒子径を2.5μmに調整した以外は実施例19と同様の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料(予め−14℃以下に冷却して青色に発色させたもの)20部を、スチレンアクリル共重合樹脂エマルジョン(固形分45%)5部、グリセリン10部、防黴剤0.2部、消泡剤0.1部、水64.7部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて感温変色性色彩記憶性インキを調製した。
前記インキをインクジェット記録装置にセットして記録用紙に印字を行い、感温変色像を形成し、感温変色性印刷物を得た。
前記印刷物は室温(25℃)で青色の感温変色像が視認された。前記印刷物は体温や環境温度では変化しないが、74℃以上に加熱することにより感温変色像が消色し、室温温度域に戻しても感温変色像が消色した状態(一見何も印刷していない記録用紙)が維持された。
再び、インクジェット記録装置に前記記録用紙をセットして印字を行うことにより、別の感温変色像を形成して印刷物を得ることができ、繰り返し記録用紙を使用することができた。
また、前記感温変色像が形成された印刷物上に、応用例2で得た感温変色性色彩記憶性ボールペンを用いて文字等を加筆することも可能であり、74℃以上に加熱することにより感温変色像及び加筆部分を消色させた状態(一見何も印刷していない記録用紙)に戻し、インクジェット記録装置で繰り返し記録用紙を再利用することができた。
本発明を詳細に、また特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本発明は、2009年5月12日出願の日本国特許出願2009−115474、及び2010年4月2日出願の日本国特許出願2010−86409に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
完全発色温度
発色開始温度
消色開始温度
完全消色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 筆記具
2 インキ
3 インキ収容管
4 ホルダー
5 チップ
6 インキ逆流防止体
7 尾栓
8 軸筒
9 キャップ
10 摩擦部材
11 インキ吸蔵体

Claims (6)

  1. (I)電子供与性呈色性有機化合物、(II)電子受容性化合物、(III)前記(I)、(II)の呈色反応をコントロールする反応媒体として、下記式(1)で示されるエステル化合物、の相溶体からなる感温変色性色彩記憶性組成物。
    Figure 0005532447
    (式中、Rは炭素数1乃至21のアルキル基又は炭素数1乃至21のアルケニル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
  2. 請求項1の感温変色性色彩記憶性組成物を内包してなる感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料。
  3. 色濃度−温度曲線に関して8℃乃至80℃のヒステリシス幅を示して変色する請求項2記載の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料。
  4. 請求項2又は3記載の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料と、ビヒクルとからなる感温変色性色彩記憶性液状組成物。
  5. 請求項2又は3記載の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料と、成形用樹脂とからなる感温変色性色彩記憶性成形用樹脂組成物。
  6. 支持体上に、請求項2又は3記載の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を樹脂に分散状態に固着させた可逆熱変色層を設けてなる感温変色性色彩記憶性積層体。
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