JP5531714B2 - 水硬性組成物 - Google Patents
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Description
(1)水硬性組成物が細骨材をさらに含み、細骨材が、細骨材100質量%中に、30μm以上〜150μm未満の粒子を5〜30質量%含み、150μm以上〜600μm未満の粒子を25〜55質量%含み、600μm以上〜2000μm未満の粒子を25〜60質量%を含む。細骨材の粒度構成が上記特定の粒度構成の範囲にある場合には、水硬性モルタルを、スラリーポンプを用いて長距離(100m)圧送した際に、水硬性モルタル中の細骨材が材料分離を生じることがなく、スラリーホースを閉塞させることがない。
(2)水硬性組成物が、水硬性組成物を貯蔵するタンクを備えた水硬性モルタル調製・施工用トラックに搭載したミキサーを用いて、水硬性組成物と水とを連続的に混練して水硬性モルタルを調製し、前記トラックに搭載されたスラリーポンプによりスラリーホースを介して水硬性モルタルを施工箇所へ連続的に供給・打設して硬化させるモルタル施工方法に用いられる。本発明の水硬性モルタルを所定のモルタル施工方法に用いることにより、異なった温度条件であっても容易に、モルタル施工をすることができる。
水硬性成分に含まれることのできる成分としては、ポルトランドセメントのみ、ポルトランドセメント及び石膏の2種、ポルトランドセメント及びアルミナセメントの2種、ポルトランドセメント、アルミナセメント及び石膏の3種、から選ぶことができる。
また、特定の粒度構成を有する細骨材として、より好ましくは、細骨材100質量%中に、30μm以上〜150μm未満の粒子を8〜28質量%含み、150μm以上〜600μm未満の粒子を30〜52質量%含み、600μm以上〜2000μm未満の粒子を30〜55質量%含むものを好適に使用することができる。
また、特定の粒度構成を有する細骨材として、さらに好ましくは、細骨材100質量%中に、30μm以上〜150μm未満の粒子を9〜26質量%含み、150μm以上〜600μm未満の粒子を33〜50質量%含み、600μm以上〜2000μm未満の粒子を33〜52質量%含むものを好適に使用することができる。
また、特定の粒度構成を有する細骨材として、特に好ましくは、細骨材100質量%中に、30μm以上〜150μm未満の粒子を10〜25質量%含み、150μm以上〜600μm未満の粒子を35〜48質量%含み、600μm以上〜2000μm未満の粒子を35〜50質量%含むものを好適に使用することができる。
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのJ14ロート流下値をXJ0とする。
水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのJ14ロート流下値をYJ0とする。
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのJ14ロート流下値をXJ20とする。
水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのJ14ロート流下値をYJ20とする。
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのフロー値をXF0とする。
水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのフロー値をYF0とする。
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのフロー値をXF20とする。
水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのフロー値をYF20とする。
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのJ14ロート流下値XJ0と、水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのJ14ロート流下値YJ0とのJ14ロート流下値の温度依存性の比率(YJ0/XJ0)
並びに、
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのJ14ロート流下値XJ20と、水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのJ14ロート流下値YJ20とのJ14ロート流下値の温度依存性の比率(YJ20/XJ20)が、
好ましくはYJ0/XJ0(又はYJ20/XJ20)=0.8〜1.15の範囲であり、
より好ましくはYJ0/XJ0(又はYJ20/XJ20)=0.85〜1.13の範囲であり、
さらに好ましくはYJ0/XJ0(又はYJ20/XJ20)=0.9〜1.1の範囲である水硬性モルタルを得ることができる。
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのJ14ロート流下値XJ0と、水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのJ14ロート流下値XJ20との比率(XJ20/XJ0)
並びに、
水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのJ14ロート流下値YJ0と、水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのJ14ロート流下値YJ20とのJ14ロート流下値保持性の比率(YJ20/YJ0)が、
好ましくはXJ20/XJ0(又はYJ20/YJ0)=0.8〜1.8の範囲であり、
より好ましくはXJ20/XJ0(又はYJ20/YJ0)=0.9〜1.7の範囲であり、
さらに好ましくはXJ20/XJ0(又はYJ20/YJ0)=1.0〜1.6の範囲である水硬性モルタルを得ることができる。
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのフロー値XF0と、水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのフロー値YF0とのフロー値の温度依存性の比率(YF0/XF0)
並びに、
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのフロー値XF20と、水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのフロー値をYF20とのフロー値の温度依存性の比率(YF20/XF20)が、
好ましくはYF0/XF0(又はYF20/XF20)=0.62〜1.3の範囲であり、
より好ましくはYF0/XF0(又はYF20/XF20)=0.64〜1.2の範囲であり、
さらに好ましくはYF0/XF0(又はYF20/XF20)=0.66〜1.1の範囲である水硬性モルタルを得ることができる。
水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのフロー値XF0と、水硬性組成物を混練条件A(20℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのフロー値XF20とのフロー値保持性の比率(XF20/XF0)
並びに、
水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した直後の水硬性モルタルのフロー値YF0と、水硬性組成物を混練条件A(35℃)の条件で混練して調製した後、20分間練置きしたときの水硬性モルタルのフロー値YF20とのフロー値保持性の比率(YF20/YF0)が、
好ましくはXF20/XF0(又はYF20/YF0)=0.72〜1.3の範囲であり、
より好ましくはXF20/XF0(又はYF20/YF0)=0.8〜1.2の範囲であり、
さらに好ましくはXF20/XF0(又はYF20/YF0)=0.9〜1.1の範囲である水硬性モルタルを得ることができる。
1)J14ロート流下値:
J14ロート流下値(秒)は、土木学会充てんモルタル試験方法(JSCE・F541−1999)に準拠して測定した。
フロー値(mm)は、建築改修工事監理指針に記載の簡易テーブルフロー試験方法に準拠して測定した。すなわち、厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ102mmの塩化ビニル製パイプ(内容積200ml)を置き、練り混ぜた水硬性モルタルを充填した後、パイプを引き上げた。広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とした。
20℃において2Lポリ容器に所定量の水を入れ、タービン羽根を取り付けた0.15KW攪拌機(新東科学社製、品番:スリーワンモータBL600)を使用し、300rpmで攪拌しながら水硬性組成物(粉体1500g)を全量投入後、780rpmで所定時間(2分間)混練して、J14ロート値が6〜10秒となるように水硬性モルタルを調製することを混練条件A(20℃)とする。
水硬性モルタルを調整する際の温度が35℃である以外は、混練条件A(20℃)と同様に、水硬性モルタルを調製することを混練条件A(35℃)とする。
・ポルトランドセメント(宇部早強セメント、ブレーン比表面積4500cm2/g)。比表面積の評価法は、JIS・R5201−1997に規定されているブレーン空気透過装置を用いて測定されたものである。
・珪砂A:4号、JFEミネラル社製。
・珪砂B:SN50、瓢屋社製。
・珪砂C:SN70、瓢屋社製。
なお、表2に示す実施例及び比較例では、細骨材の粒度は特定の粒度構成のものを用いた。すなわち、所定割合の珪砂A、珪砂B及び珪砂Cを混合することにより、表2に示す実施例及び比較例で用いた細骨材の粒度は、細骨材100質量%中に、30μm以上〜150μm未満の粒子を5.0〜30.0質量%含み、150μm以上〜600μm未満の粒子を25.0〜55.0質量%含み、600μm以上〜2000μm未満の粒子を25.0〜60.0質量%含むものだった。
・無機系膨張材a:太平洋ジプカル(太平洋マテリアル社製)。
・無機系膨張材b:太平洋ハイパーエクスパン(太平洋マテリアル社製)。
・金属系膨張材:アルミニウム粉(粒度44μm以下を60質量%以上含有、大和金属粉工業社製)。
・流動化剤A:変性ポリカルボン酸系流動化剤a(構造単位A、構造単位B及び構造単位Cを含む変性ポリカルボン酸の流動化剤である。構造単位Cは、ポリオキシエチレン鎖を有するカルボン酸エステルの側鎖を有する。その他、詳細を表1に示す。)
・流動化剤B:変性ポリカルボン酸系流動化剤、Melflux(登録商標)AP101F(BASFポゾリス社製。構造単位A、構造単位B及び構造単位Cを含む変性ポリカルボン酸の流動化剤である。構造単位Cは、ポリオキシエチレン鎖を有するカルボン酸エステルの側鎖を有する。その他、詳細を表1に示す。)
表2に示す配合割合で水硬性組成物と水とを混練条件A(20℃)及び混練条件A(35℃)にしたがって混練し、780rpmで2分間混練したスラリーの水硬性モルタルを調製し、混練直後及び混練後20分間練置きしたときのJ14ロート流下値(秒)及びフロー値を測定した。J14ロート流下値(秒)及びフロー値の測定結果を表2に示す。
11:スラリー製造・供給装置
12:水硬性組成物
13:ホッパー
14:ホッパースクリュー
15:給水口
16:混練装置(ミキサー)
17:混練スクリュー
18:モルタル(スラリー)排出口
19:モルタル(スラリー)
20:リザーバータンク
21:モルタル(スラリー)
22:スターラースクリュー(螺旋形状撹拌羽根)
23:移送スクリュー
24:スネークポンプ(スラリーポンプ)
25:モルタル(スラリー)
26、27、28:モーター
29、30:動力伝達ベルト
31:水硬性モルタル調製・施工用トラック
32:水硬性組成物の供給口
33:水硬性組成物タンク
34:水硬性モルタル
35:混練装置(ミキサー)
36:ホッパー
37:水硬性組成物
38:スクリューフィーダー
39:水タンク
40:水供給ポンプ
41:水供給パイプ
42:水硬性モルタルタンク(リザーバータンク)
43:スラリーポンプ
44:スラリーホース
Claims (7)
- 水硬性成分と、流動化剤と、膨張材とを含む水硬性組成物であって、
水硬性成分100質量部に対して、流動化剤0.001〜5質量部であり、
流動化剤が、変性ポリカルボン酸系流動化剤であり、変性ポリカルボン酸系流動化剤を構成するポリマーが、下記化学式で示される構造単位A及び構造単位Cを含み、
構造単位Cが、ポリオキシエチレン鎖を有するカルボン酸エステルの側鎖を含み、ポリオキシエチレン鎖の繰り返し単位構造数nが30〜50であり、
構造単位Aの数と、構造単位Cの数との割合が9:1〜5:5であり、
変性ポリカルボン酸系流動化剤を構成するポリマー中のNa量が、3000〜20000μg/gである、水硬性組成物。
- 水硬性組成物が細骨材をさらに含み、細骨材は、細骨材100質量%中に、30μm以上〜150μm未満の粒子を5〜30質量%含み、150μm以上〜600μm未満の粒子を25〜55質量%含み、600μm以上〜2000μm未満の粒子を25〜60質量%を含む、請求項1又は2に記載の水硬性組成物。
- 水硬性組成物が、水硬性組成物を貯蔵するタンクを備えた水硬性モルタル調製・施工用トラックに搭載したミキサーを用いて、水硬性組成物と水とを連続的に混練して水硬性モルタルを調製し、前記トラックに搭載されたスラリーポンプによりスラリーホースを介して水硬性モルタルを施工箇所へ連続的に供給・打設して硬化させるモルタル施工方法に用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水硬性組成物と水とを混練して得られる水硬性モルタル。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水硬性組成物と水とを混練して得られる水硬性モルタルを硬化させて得られる水硬性モルタルの硬化体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水硬性組成物を貯蔵するタンクを備えた水硬性モルタル調製・施工用トラックに搭載したミキサーを用いて、水硬性組成物と水とを連続的に混練して水硬性モルタルを調製する工程と、前記トラックに搭載されたスラリーポンプによりスラリーホースを介して水硬性モルタルを施工箇所へ連続的に供給・打設して硬化させる工程とを含む、水硬性モルタル構造物の施工方法。
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