以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持する部材である。
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、ハンドル31の回転角度に応じた打球力で不図示の発射装置から遊技球が発射される。発射された遊技球は、ガイド部材(不図示)によって遊技領域20の上部位置へ案内され、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2の表面に沿って落下する。
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。また、遊技領域20における大入賞口23の下方には、始動口21,22、又は入賞口23,24に入らなかった遊技球を遊技領域20の外へ排出する排出口26が設けられている。
第1始動口21及び第2始動口22は、第1始動口21を第2始動口22の上側として所定の間隔を隔てて上下に並んで配置されている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞することで、賞球が払い出されると共に大当たり抽選が実行される。なお、以下の説明では、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を「第1特別図柄抽選」と呼び、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を「第2特別図柄抽選」と呼び、これらの抽選を総称して「特別図柄抽選」と呼ぶものとする。
第1始動口21と第2始動口22との間には、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有する電動チューリップ27が配置されている。電動チューリップ27は、一対の羽根部材が閉じた閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた開姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されており、不図示の電動ソレノイドが作動することによって閉姿勢から開姿勢に姿勢変化する。
電動チューリップ27の一対の羽根部材が閉姿勢の状態では、第1始動口21を構成する部材及び電動チューリップ27によって第2始動口22への遊技球の進入経路が塞がれており、遊技球が第2始動口22へ入ることはない。これに対して、遊技球がゲート25を通過すると、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)が実行され、この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、普通図柄抽選に当選することで、第2始動口22への遊技球の進入経路が開放されて、遊技球が第2始動口22に入賞可能となる。すなわち、第2特別図柄抽選の実行が可能な状態となる。ちなみに、普通入賞口24に遊技球が入賞した場合には抽選は実行されないが、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合よりも多い賞球が払い出される。
大入賞口23は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。大入賞口23の開口部には、大入賞口23を開閉するプレートが配置されている。特別図柄抽選に当選していない状態では、このプレートが遊技盤2の表面と同一平面を形成する姿勢となっているために、大入賞口23に遊技球が入らない状態となっている。これに対して、特別図柄抽選に当選すると、プレートの下端側を軸としてプレートの上端側が遊技盤2の表面側へ傾倒して、大入賞口23が開放される。
図1に示されるように、遊技盤2の表面における遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための演出画像を表示する液晶表示器5(本発明の画像表示器の一例)が設けられている。液晶表示器5の液晶画面50(本発明の表示画面の一例)には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等の各種表示オブジェクトが表示される。この液晶表示器5の構成については、後に詳述する。
液晶表示器5の上方に盤ランプ8が設けられている。盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。液晶表示器5と近接する位置に、剣を模した可動役物7(本発明の可動役物の一例)が配置されている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば内蔵された発光素子(後述する図6の役物ランプ71)を発光させながら回動することによって各種の演出を行う。この可動役物7は、液晶画面50の近傍に配置されており、パチンコ遊技機1を正面から見て液晶画面50と重なるように移動可能である。なお、可動役物7が回動した際には、可動役物7を装飾する表示オブジェクトを含む演出画像が液晶画面50に表示される(図12及び図13参照)。
図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1及び図2に示されるように、枠部材3には、上記ハンドル31及びレバー32の他に、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、及び皿39が設けられている。
皿39は、枠部材3からパチンコ遊技機1の正面側へ突出するように設けられており、上述の発射装置へ供給される遊技球や払い出された賞球を溜めるものである。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、皿39に溜められた遊技球が発射装置へ供給されて、遊技領域20へ所定の時間間隔で発射される。この遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン33を押下することによって一時的に停止される。
取り出しボタン34は、皿39と近接する位置に設けられている。遊技者が取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された不図示の箱へ落下する。なお、この皿39は、1つの皿によって構成されてもよいし、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜める上皿と、賞球のみを溜める下皿との2つの皿によって構成されてもよい。
演出ボタン37及び演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する操作入力を行うために設けられている。演出キー38は、中央キーと中央キーの周辺に配列された複数(ここでは4つ)の周辺キーとを有しており、演出ボタン37に隣接配置されている。演出ボタン37及び演出キー38は、遊技者が操作情報を入力するための操作手段として機能する。
スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ36は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による各種の演出を行う。
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果やこれらの抽選の保留数に関する情報を表示するものである。図3に示されるように、表示器4は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を備えている。
第1特別図柄表示器41は、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第1特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄抽選の保留数を表示する。第2特別図柄表示器42は、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第2特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄抽選の保留数を表示する。普通図柄表示器45は、遊技球がゲート25を通過したことを契機として始動した普通図柄抽選の結果を表示する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄抽選の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。
ここまでパチンコ遊技機1の概略構成について説明したが、上述したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例であって、遊技盤2の盤面構成等は適宜変更されてもよい。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の主な特徴は、液晶画面50に内蔵された光センサ56(本発明の光センサの一例)によって可動役物7の位置を検知して、その検知結果に基づいて可動役物7の動作を正確に制御する機能を備えている点である。以下、このような機能を実現するためのパチンコ遊技機1の構成及び動作について詳細に説明する。
[液晶表示器5の構成]
液晶表示器5は、遊技盤2を支持するパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。このため、液晶表示器5は、遊技盤2に対して固定されている。液晶表示器5としては、例えば垂直方向11の画素数が「600」で、水平方向12の画素数が「800」という画面解像度(垂直画素数×水平画素数)の液晶画面50を有する液晶ディスプレイが使用される。液晶表示器5は、後述する画像音響制御部140(図6)から出力された演出画像を液晶画面50に表示する。
図4は、液晶画面50の概略構成を示す図である。図4(A)に示されるように、液晶画面50は、多数の画素ユニット51を有して構成されている。画素ユニット51は、本実施形態では、垂直方向11に600個、水平方向12に800個並んで配置されているが、説明の便宜上、図4(A)では、実際よりも少なく画素ユニット51が表記されている。
画素ユニット51は、カラー液晶素子52(本発明の発光部の一例)及び光センサ56を有している。カラー液晶素子52は、3原色のそれぞれの色を表示するR(Red)色液晶素子53、G(Green)色液晶素子54、及びB(Blue)色液晶素子55から構成されている。光センサ56は、液晶画面50の前面側からの光を検知する受光素子であり、例えばフォトレジスタ(photoresistor)によって構成される。この光センサ56は、R色液晶素子53、G色液晶素子54、及びB色液晶素子55と隣接するように配置されている(図4(B)参照)。このように、光センサ56は、液晶画面50を構成する各カラー液晶素子52のそれぞれに近接配置されている。なお、ここで説明した光センサ56の配置は一例であって、一部の画素ユニット51が光センサ56を内蔵するような配置であってもよい。
光センサ56によって光が受光されると、受光した光の輝度に応じた信号レベルのセンサ信号(電気信号)が生成される。液晶画面50が有する各光センサ56は、後述する演出制御部130(図6参照)に接続されており、各光センサ56で生成されたセンサ信号は演出制御部130へ出力される。各光センサ56によって受光される光の強さによって、演出制御部130へ出力されるセンサ信号の信号レベルが変化する。図5(A)に示されるように、液晶画面50と対向する可動役物7の裏面75(本発明の対向面に相当)には、液晶画面50に向けて赤外光を照射するLED78(本発明の照射部の一例)が設けられている。また、図には示されていないが、各光センサ56の前面側には、液晶画面50からの光のうち赤外光のみを透過する赤外線フィルタが設けられている。このため、LED78の正面に位置する光センサ56からのセンサ信号の信号レベルが、その周辺に位置する光センサ56からのセンサ信号の信号レベルよりも大きくなる。言い換えれば、LED78の真正面に位置する光センサ56からのセンサ信号の信号レベルが最も高く、その光センサ56を中心とする円の半径方向の外側へ向けて、光センサ56からのセンサ信号の信号レベルが徐々に小さくなる。したがって、演出制御部130のCPU131は、各光センサ56から出力されるセンサ信号の信号レベルの違いに基づいてLED78の重心に対応する位置に配置された光センサ56を特定することにより、可動役物7の位置及び姿勢を検知することができる。
図4(B)に示されるように、画素ユニット51には、画素ユニット51と隣接する他の画素ユニットとを区画する外壁57、及び画素ユニット51を構成するカラー液晶素子52と光センサ56とを区画する内壁58が設けられている。外壁57は、カラー液晶素子52及び光センサ56の外側を囲み、且つ画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。内壁58は、カラー液晶素子52と光センサ56との間に画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。この外壁57及び内壁58が設けられていることにより、光センサ56に対して近接するカラー液晶素子52から光が直接入射することが防止されるので、液晶画面50の前方からの光を各光センサ56で正確に検知することができる。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側(図1の紙面奥側)には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
以下、図6を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図6は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図6に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、払出制御部120、演出制御部130、画像音響制御部140、及びランプ制御部150を備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。ROM102には、上記プログラムの他に、第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1、第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2等が記憶されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。この遊技制御部100の主な機能は以下の通りである。
遊技制御部100は、各種演出に必要なデータを演出制御部130へ送信する。例えば、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を実行し、その判定結果を示すデータを演出制御部130へ送信する。
遊技制御部100は、電動チューリップ27の羽根部材が開姿勢となる開時間、羽根部材が開閉する回数、及び羽根部材が閉じてから次に開くまでの開閉時間間隔を制御する。また、遊技制御部100は、遊技球が第1始動口21又は第2始動口22へ入賞したことによる特別図柄抽選の保留数、及び遊技球がゲート25を通過したことによる普通図柄抽選の保留数を管理する。
遊技制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、所定条件(例えば、大入賞口23が開いてから30秒が経過、大入賞口23への10個の遊技球の入賞、又は大入賞口23の開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口23のプレートが突出傾倒して大入賞口23の開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回)繰り返す。
遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部120に指示する。払出制御部120が遊技制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払い出された賞球の個数に関する情報が払出制御部120から遊技制御部100へ送られる。遊技制御部100は、払出制御部120から取得した情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
これらの機能を実現するために、遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、及び表示器4が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ出力する。電動チューリップ開閉部113は、電動チューリップ27の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを有している。遊技制御部100からの制御信号に応じて電動ソレノイドが作動して、電動チューリップ27の一対の羽根部材が姿勢変化する。ゲートスイッチ114は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ出力する。大入賞口スイッチ115は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ出力する。大入賞口制御部116は、大入賞口23のプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを有している。遊技制御部100からの制御信号に応じて電動ソレノイドが作動して、大入賞口23が開閉される。普通入賞口スイッチ117は、普通入賞口24に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ出力する。
遊技制御部100は、第1特別図柄抽選の結果を第1特別図柄表示器41に表示させ、第1特別図柄抽選を保留している保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させる。遊技制御部100は、第2特別図柄抽選の結果を第2特別図柄表示器42に表示させ、第2特別図柄抽選の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させる。遊技制御部100は、普通図柄抽選の結果を普通図柄表示器45に表示させ、普通図柄抽選の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。遊技制御部100は、遊技状態表示器47にパチンコ遊技機1の遊技状態を表示させる。
[払出制御部120の構成]
払出制御部120は、CPU121、ROM122、及びRAM123を備えている。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
払出制御部120は、遊技制御部100からの指示に基づいて、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球が皿39へ払い出されるように、球タンクから皿39へ遊技球を送り出す払出モータ125を制御する。
払出制御部120には、払出モータ125の他に、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128が接続されている。払出球検出部126は、払出モータ125により球タンクから皿39へ払い出された賞球の数を検出する。球有り検出部127は、球タンクにおける遊技球の有無を検出する。満タン検出部128は、皿39が遊技球で満タンになったことを検出する。払出制御部120は、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン37又は演出キー38からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。演出制御部130は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。
演出制御部130には、液晶表示器5が備える光センサ56が接続されている。演出制御部130のCPU131は、各光センサ56の検知結果、すなわち各光センサ56から入力されるセンサ信号に基づいて、液晶画面50に対する可動役物7の位置及び姿勢を検知(特定)する。
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、及びRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶画面50に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、及びスピーカ35から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンド及びROM142に記憶されたプログラムに基づいて生成した制御信号をVDP及び音響DSPへ出力して、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ35へ出力する。
VDPは、液晶画面50に表示される演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5へ出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて描画処理を実行する。具体的には、各ピクセルの色を計算し、計算した色の値をフレームバッファに書き込むレンダリング処理を行う。フレームバッファに描画された演出画像は、1フレーム分の演出画像に対応する複数の画素データから構成されており、各画素データは、R(Red)、G(Green)、B(Blue)を示す色情報と、画素の透過度を示すアルファ値とを含んでいる。出力回路は、フレームバッファに描画された演出画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5へ出力する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36、可動役物7の発光、及び可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
図7は、ROM152に記憶されているデータについて説明するための説明図である。図7(A)に示されるように、ROM152には、プログラム1521、発光パターンデータ1522、動作パターンデータ1523、及び座標テーブル1524が記憶されている。ここで、プログラム1521は、CPU151によって実行されるプログラムのデータである。発光パターンデータ1522は、枠ランプ36、盤ランプ8、可動役物7に設けられた役物ランプ71のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータ1523は、可動役物7の動作パターンを示すデータである。座標テーブル1524は、図7(B)に示されるように、可動役物7が動作を開始してからの経過時間tとLED78の重心に対応する位置に配置された液晶画面50上の光センサ56の位置座標とが対応付けられたデーブルのデータである。
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータ1522の中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、枠ランプ36、及び役物ランプ71の発光を制御する。
また、CPU151は、演出制御部130から送信されたコマンドに基づいて、可動役物7を回動させる役物モータ73(本発明の駆動手段の一例)の動作を制御する。具体的には、液晶画面50に可動役物7と連動するような演出画像を表示する演出(以下「連動演出」という。)ではなく液晶画面50上に可動役物7とは無関係な演出画像を表示する演出(以下「非連動演出」ともいう。)が画像音響制御部140によって実行される場合、CPU151は、ROM152に記憶されている可動役物7の動作パターンデータ1523の中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する動作パターンデータを読み出して、その動作パターンデータに応じた制御信号を役物モータ73の駆動回路72へ出力する。これにより、駆動回路72から制御信号に応じた励磁信号が役物モータ73へ出力されて、役物モータ73の回転、すなわち可動役物7の動作が制御される。後に詳述するが、画像音響制御部140によって連動演出が実行される場合、CPU151は、演出制御部130から送信されるコマンド等と座標テーブル1524に基づいて、可動役物7の動作を制御する。
[遊技制御部100による主要動作]
次に、遊技制御部100において実行される主要動作について説明する。図8は、遊技制御部100によって実行される主要動作の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図8に示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図8以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいてCPU101が発行する命令に従って行われる。
乱数更新処理(ステップS1)では、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種の乱数の更新を行う。ここで、大当たり乱数は、特別図柄抽選の当選(大当たり)又は落選(ハズレ)を決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に、当たりの種類(長当たり、短当たり、高確率状態への移行の有無、時短遊技状態への移行の有無)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選又は落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値がステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理で取得され、ステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタにはループカウンタが使用されており、設定されている乱数の最大値に達した後は、再び「0」に戻る。
始動口スイッチ(SW)処理(ステップS2)では、CPU101は、第1始動口スイッチ111及び第2始動口スイッチ112の状態を監視し、いずれかのスイッチから検出信号が出力された場合に、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得する処理等を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図9に基づいて後に詳述する。
ゲートスイッチ(SW)処理(ステップS3)では、CPU101は、ゲートスイッチ114の状態を監視し、遊技球がゲート25を通過してゲートスイッチ114から検出信号が出力された場合に、普通図柄抽選の保留数が上限値未満であるか否かを判断する。そして、保留数が上限値未満であると判断した場合に、ステップS5の普通図柄処理に使用される普通図柄乱数を取得する。
特別図柄処理(ステップS4)では、CPU101は、特別図柄抽選を実行し、表示器4に特別図柄を変動表示してから特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示するための処理を実行する。この特別図柄処理については、図10に基づいて後に詳述する。
普通図柄処理(ステップS5)では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数がその当選値と一致するか否かを判定する。そして、表示器4の普通図柄表示器45(図3参照)に普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
大入賞口処理(ステップS6)では、CPU101は、特別図柄抽選に当選した場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口23の開閉を制御する。
電動チューリップ処理(ステップS7)では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理において普通図柄乱数がその当選値と一致すると判定された場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ27の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ27が作動することによって第2始動口22へ遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで第2特別図柄抽選が始動する。
賞球処理(ステップS8)では、CPU101は、上述したように、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力処理(ステップS9)では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部130へ送る。また、ステップS8の賞球処理でRAM103にセットされた賞球の払い出しを指示するコマンドを払出制御部120へ送る。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
図9は、図9のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。遊技制御部100のCPU101は、図9に示されるように、第1始動口スイッチ111からの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111がONになったか否かを判定する(ステップS21)。第1始動口スイッチ111がONになったと判定した場合(ステップS21:YES)、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1がUmax1未満であるか否かを判定する(ステップS22)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS22:YES)、RAM103に記憶されている保留数U1の値を「1」加算した値に書き換える(ステップS23)。そして、CPU101は、ステップS23の処理によって保留した第1特別図柄抽選等に使用される乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103の所定領域に格納する(ステップS24)。
第1始動口スイッチ111がOFFであると判定した場合(ステップS21:NO)、保留数U1が最大保留数Umax1と等しいと判定した場合(ステップS22:NO)、又はステップS24の処理を行った場合、CPU101は、第2始動口スイッチ112からの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ112がONになったか否かを判定する(ステップS25)。第2始動口スイッチ112がONになったと判定した場合(ステップS25:YES)、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が最大保留数Umax2未満であるか否かを判定する(ステップS26)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS26:YES)、RAM103に記憶されている保留数U2の値を「1」加算した値に書き換える(ステップS27)。そして、CPU101は、ステップS27の処理によって保留した第2特別図柄抽選等に使用される乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103の所定領域に格納する(ステップS28)。
第2始動口スイッチ112がOFFであると判定された場合(ステップS25:NO)、保留数U2が最大保留数Umax2と等しいと判定された場合(ステップS26:NO)、又はステップS28の処理が行われた場合、一連の処理が終了して図8のステップS3におけるゲートスイッチ処理へ処理が進められる。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
図10は、図8のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図10に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たり中であるか否かを判定する(ステップS41)。大当たり中であるとCPU101によって判定された場合(ステップS41:YES)、既に何らかの大当たりを表す特別図柄が選択されて停止表示されている状態であるため、特別図柄の変動表示を開始することなく特別図柄処理を終了し、図8のステップS5における普通図柄処理へ処理が進められる。
CPU101は、大当たり中ではないと判定した場合(ステップS41:NO)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42による特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS42)。CPU101は、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS42:NO)、RAM103に記憶されている保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS43)。CPU101は、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS43:YES)、RAM103に記憶されている保留数U2を「1」減算した値に書き換える(ステップS44)。
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄抽選が保留されていない)と判定した場合(ステップS43:NO)、RAM103に記憶されている保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS45)。CPU101は、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS45:YES)、RAM103に記憶されている保留数U1を「1」減算した値に書き換える(ステップS46)。一方、保留数U1が「1」以上ではない(第1特別図柄抽選が保留されていない)とCPU101によって判定された場合(ステップS45:NO)、特別図柄の変動表示を開始することなく特別図柄処理を終了し、図8のステップS5における普通図柄処理へ処理が進められる。
CPU101は、ステップS44又はステップS46の処理を行った後、大当たり判定処理を実行する(ステップS47)。具体的には、ステップS44の処理に続いてステップS47の処理を実行する場合、CPU101は、ROM102に記憶されている大当たりの当選値をRAM103に読み出し、第2始動口22への遊技球の入賞を契機としてステップS28(図9参照)の処理で取得されてRAM103に格納された大当たり乱数がこの大当たりの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS46の処理に続いてステップS47の処理を実行する場合、CPU101は、ROM102に記憶されている大当たりの当選値をRAM103に読み出し、第1始動口21への遊技球の入賞を契機としてステップS24(図9参照)の処理で取得されてRAM103に格納された大当たり乱数がこの大当たりの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、CPU101は、複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた図柄乱数をROM102から読み出す。そして、上述した当選値と一致するか否かの判定に使用した大当たり乱数と一緒に取得された図柄乱数が、複数種の大当たりのいずれの大当たりに割り当てられた図柄乱数と一致するかに応じて、大当たりの種類を判定する。そして、この大当たりの種類に応じた大当たり図柄を設定情報としてRAM103にセット(格納)する。一方、大当たりの判定結果がハズレである場合には、特別図柄抽選に落選したことを表すハズレ図柄を設定情報としてRAM103にセットする。
CPU101は、ステップS47の処理によって大当たり抽選の結果に応じた大当たり図柄又はハズレ図柄を設定情報としてセットした後に、変動パターン選択処理を実行する(ステップS48)。具体的には、ステップS47の大当たり判定処理で大当たりしたと判定した場合、大当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする。一方、ハズレと判定した場合、ROM102に記憶されているリーチ乱数をRAM103に読み出し、ステップS47の大当たり判定処理に使用した大当たり乱数及び図柄乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、このROM102から読み出したリーチ乱数と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを判定する。そして、リーチ演出を行うと判定した場合にはリーチ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットし、リーチ演出を行わないと判定した場合にはハズレ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする。ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の乱数値とを対応付けたテーブルである。
次に、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを参照して、ステップS47の大当たり判定処理に使用した大当たり乱数及び図柄乱数と一緒に取得された変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択することによって特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。このようにして選択された変動パターンは、設定情報としてRAM103にセットされる。
ステップS47の大当たり判定処理及びステップS48の変動パターン選択処理を行った後、CPU101は、大当たり判定処理を行ってセットした図柄の設定情報、変動パターン選択処理を行ってセットした変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す遊技状態情報等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS49)。この変動開始コマンドは、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42で行われる特別図柄の変動表示に伴って液晶表示器5で行われる装飾図柄の変動表示の開始を指示するコマンドであって、図8のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
ステップS49の処理に続いて、CPU101は、ステップS49の処理でセットされた変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS50)、変動時間の計測を開始する(ステップS51)。この変動時間を示す情報は、RAM103に一時的に格納される。なお、ステップS50における特別図柄の変動表示は、ステップS44の処理の後に行われる場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS46の処理の後に行われる場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS51の処理によって変動時間の計測を開始した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS42:YES)、ステップS51における変動時間の計測開始からステップS48の変動パターン選択処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS52)。変動時間が経過していないとCPU101が判定した場合(ステップS52:NO)、特別図柄処理を終了して、図8のステップS5における普通図柄処理へ処理が進められる。
一方、CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS52:YES)、液晶表示器5による装飾図柄の変動表示の終了を指示する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS53)、ステップS50の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS54)、計測した変動時間をリセットする(ステップS55)。なお、ステップS53の処理でセットされた変動停止コマンドは、図8のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、変動時間をリセットした後、大当たりと判定した場合に大入賞口制御部116に大入賞口23の開閉制御を開始させるといった停止中処理を実行する(ステップS56)。
[演出制御部130による演出制御処理]
以下、図11〜図13を参照しつつ、演出制御部130によって実行される演出制御処理について説明する。ここで、図11は、演出制御部130によって実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。図12及び図13は、液晶表示器5及び可動役物7による連動演出の一例を示す説明図である。なお、図11のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいてCPU131が発行する命令に従って行われる。
演出制御部130のCPU131は、例えば画像音響制御部140から取得した演出に関する情報に基づいて、液晶表示器5における装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS101)。CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS101:NO)、図10のステップS49の処理でセットされた変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS102)。変動開始コマンドを受信していないとCPU131によって判定された場合(ステップS102:NO)、一連の演出制御処理が終了して、処理がステップS101へ戻される。
CPU131は、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、変動開始コマンドを解析して(ステップS103)、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報(図柄、変動パターン等)に基づいて演出パターンを決定する(ステップS104)。このステップS104の処理が行われることにより、液晶画面50に表示される装飾図柄の変動パターン、可動役物7を作動させる場合には可動役物7の動作パターンや発光パターン、盤ランプ8や枠ランプ36の発光パターン、スピーカ35から出力される音声の出力パターンといった遊技演出の内容が決定される。
そして、CPU131は、遊技制御部100から受信した変動パターンの設定情報に基づく液晶表示器5での装飾図柄の変動表示の開始、及びステップS104の処理で決定した演出パターンに対応する演出の開始を指示する変動演出開始コマンドを生成して、その変動演出開始コマンドを画像音響制御部140へ送信する(ステップS105)。次に、CPU131は、ステップS104の処理で決定した演出パターンに基づいて、可動役物7の動作に伴う連動演出を画像音響制御部140に実行させるか否かを判定する(ステップS106)。CPU131は、連動演出を実行させずに非連動演出を実行させると判定した場合(ステップS106:NO)、動作パターンデータ1523(図7(A)参照)に基づく可動役物7の動作制御を指示する第1ランプ制御コマンドをランプ制御部150へ送信する(ステップS107)。一方、CPU131は、連動演出を実行させると判定した場合(ステップS106:YES)、可動役物7のより正確な位置制御が必要になるため、座標テーブル1524(図7参照)を用いた可動役物7の動作制御を指示する第2ランプ制御コマンドをランプ制御部150へ送信する(ステップS108)。ステップS105の処理と、ステップS107又はステップS108の処理とが行われることによって、演出制御部130で決定された演出が画像音響制御部140及びランプ制御部150によって実現される。なお、第1ランプ制御コマンド及び第2ランプ制御コマンドには、盤ランプ8、枠ランプ36、及び役物ランプ71のそれぞれの発光パターンを示す情報が含まれており、ランプ制御部150では、第1ランプ制御コマンド又は第2ランプ制御コマンドに含まれている情報に基づいて、これらのランプの発光を制御する。
図12は、特別図柄抽選に当選して大当たりとなる場合に、液晶表示器5及び可動役物7を用いて行われる連動演出の一例を示している。ステップS105の処理で送信された変動演出開始コマンドが画像音響制御部140によって受信され、ステップS108の処理で送信された第2ランプ制御コマンドがランプ制御部150によって受信されると、液晶画面50には、装飾図柄が変動表示されると共に、剣を持った敵キャラクタが表示される(図12(A)参照)。その際、可動役物7が初期状態(図1参照)から僅かに回動してその一部が液晶画面50の手前に配置され、可動役物7が光っているように見せるためのエフェクト画像が液晶画面50に表示される。続いて、リーチに発展した際に可動役物7が更に回動して、液晶画面50上の敵キャラクタに可動役物7がヒットしたかのように見せるためのエフェクト画像が液晶画面50に表示される(図12(B)参照)。そして、3つの装飾図柄が揃う際に可動役物7が最後まで回動して、倒れた敵キャラクタ及び敵キャラクタに勝利して大当たりとなったことを示す「撃破!!」の文字が液晶画面50に表示される(図12(C)参照)。
図13は、リーチに発展するも特別図柄抽選の結果がハズレとなる場合に、液晶表示器5及び可動役物7を用いて行われる連動演出の一例を示している。ステップS105の処理で送信された変動演出開始コマンドが画像音響制御部140によって受信され、ステップS108の処理で送信された第2ランプ制御コマンドがランプ制御部150によって受信されると、液晶画面50上で装飾図柄が変動表示されると共に、剣を持った敵キャラクタが表示される(図13(A)参照)。その際、可動役物7が初期状態から僅かに回動してその一部が液晶画面50の手前に配置される。続いて、リーチに発展した際に、液晶画面50上の敵キャラクタに可動役物7がヒットする直前の状態を示すために、可動役物7が更に回動した状態で一旦停止する(図13(B)参照)。そして、装飾図柄が揃わずにハズレとなる際に可動役物7が最後まで回動して、可動役物7をかわして逃走する敵キャラクタ及び敵キャラクタが逃走してハズレになったことを示す「逃走!!」の文字が液晶画面50に表示される(図13(C)参照)。
これに対して、ステップS105の処理で送信された変動演出開始コマンドが画像音響制御部140によって受信され、ステップS107の処理で送信された第1ランプ制御コマンドがランプ制御部150によって受信されると、可動役物7の動作とは無関係な表示内容の演出画像が液晶画面50に表示される。すなわち、非連動演出が行われる。
一方、CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であると判定した場合(ステップS101:YES)、可動役物7の動作に連動するような演出画像を液晶画面50に表示させる連動演出を実行させるか否かを、ステップS104の処理で決定した演出パターンに基づいて判定する(ステップS110)。CPU131は、連動演出を実行させると判定した場合(ステップS110:YES)、連動演出が開始されたか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、変動演出開始コマンド及び第2ランプ制御コマンドが送信されてから第1設定時間後に連動演出が開始される場合、変動演出開始コマンド及び第2ランプ制御コマンドを送信した時刻T1から現在時刻T2までの経過時間が第1設定時間に達したか否かに基づいて、連動演出が開始されたか否かを判定する。連動演出が開始されていないとCPU131によって判定された場合(ステップS111:NO)、処理がステップS111に戻されて待機状態となる。
特定手段として機能するCPU131は、連動演出が開始されたと判定した場合(ステップS111:YES)、各光センサ56からのセンサ信号を取得する(ステップS112)。そして、LED78の真正面に位置する液晶画面50上の重心画素を特定する(ステップS113)。具体的には、LED78の真正面に位置する光センサ56からのセンサ信号の信号レベルが最も高く、その光センサ56から離れるほど光センサ56から出力されるセンサ信号の信号レベルが小さくなるので、センサ信号の信号レベルが最も高い光センサ56が位置している液晶画面50上の画素のアドレスを特定する。
このように、CPU131は、LED78からの光を検知した光センサ56を判別して、液晶画面50に対する可動役物7の位置(正確には可動役物7のLED78の位置)を特定する。
CPU131は、液晶画面50上の重心画素を特定した後、その重心画素の位置を示す位置情報、及び連動演出が開始されてからの経過時間を示す時間情報をランプ制御部150へ送信する(ステップS114)。後述するが、ランプ制御部150では、このステップS114の処理で送信された位置情報及び時間情報と、座標テーブル1524(図7(B)参照)とに基づいて役物モータ73の駆動が制御される。
位置情報及び時間情報を送信したCPU131は、連動演出が終了したか否かを判定する(ステップS115)。具体的には、変動演出開始コマンド及び第2ランプ制御コマンドが送信されてから第2設定時間後に連動演出が終了する場合、変動演出開始コマンド及び第2ランプ制御コマンドが送信された上記時刻T1から現在時刻T3までの経過時間が第2設定時間に達したか否かに基づいて、連動演出が終了したか否かを判定する。連動演出が終了していないとCPU131によって判定された場合(ステップS115:NO)、処理がステップS112へ戻される。
CPU131は、ステップS110の処理で連動演出ではなく非連動演出を実行させると判定した場合(ステップS110:NO)、又は連動演出が終了したと判定した場合(ステップS115:YES)、図10のステップS53の処理でセットされた変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS116)。CPU131は、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップS116:YES)、液晶表示器5に特別図柄抽選の結果を示す装飾図柄を停止表示させると共に、ステップS105の処理に応じて開始された演出を画像音響制御部140に終了させ、ステップS107又はステップS108の処理に応じて開始された演出をランプ制御部150に終了させる(ステップS117)。このステップS117の処理が行われた場合、又は変動停止コマンドを受信していないとCPU131によって判定された場合(ステップS116:NO)、一連の演出制御処理が終了して、処理がステップS101へ戻される。
[ランプ制御部150によるランプ制御処理]
次に、図14を参照しつつ、ランプ制御部150によって実行されるランプ制御処理について説明する。ここで、図14は、ランプ制御部150によって実行されるランプ制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図14に基づいて説明するランプ制御部150で行われる処理は、ROM152(図6参照)に記憶されているプログラム1521(図7(A)参照)に基づいてCPU151が発行する命令に従って行われる。
ランプ制御部150のCPU151は、図11のステップS107の処理で送信された第1ランプ制御コマンド、又はステップS108の処理で送信された第2ランプ制御コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS201)。第1ランプ制御コマンド又は第2ランプ制御コマンドを受信していないとCPU151によって判定された場合(ステップS201:NO)、処理がステップS201へ戻される。
CPU151は、第1ランプ制御コマンド又は第2ランプ制御コマンドを受信したと判定した場合(ステップS201:YES)、受信したランプ制御コマンドに含まれている情報に対応する発光パターンデータ1522(図7(B)参照)をROM152から読み出して、その発光パターンデータ1522に基づいて盤ランプ8及び枠ランプ36の発光動作の制御を開始する(ステップS202)。なお、ランプ制御コマンドによって可動役物7の動作が指示されている場合、盤ランプ8及び枠ランプ36と同様に、ランプ制御コマンドに含まれている情報に対応する発光パターンデータ1522を読み出して、その発光パターンデータ1522に基づいて役物ランプ71の発光動作の制御を開始する。
続いて、CPU151は、演出制御部130から受信したランプ制御コマンドが第1ランプ制御コマンドであるか、或いは第2ランプ制御コマンドであるかを判定する(ステップS203)。言い換えれば、連動演出の実行が指示されたか否かを判定する。CPU151は、第1ランプ制御コマンドを受信したと判定した場合(ステップS203:第1)、すなわち指示された演出が非連動演出である場合、第1ランプ制御コマンドに含まれる情報に基づいて、可動役物7の動作が指示されたか否かを判定する(ステップS204)。CPU151は、可動役物7の動作が指示されたと判定した場合(ステップS204:YES)、可動役物7の動作開始タイミングになったか否かを、例えば第1ランプ制御コマンドを受信してからの経過時間と第1ランプ制御コマンドに含まれている動作開始タイミングの情報とに基づいて判定する(ステップS205)。可動役物7の動作開始タイミングになっていないとCPU151によって判定された場合(ステップS205:NO)、可動役物7の動作開始タイミングになるまで処理がステップS205に戻される。
CPU151は、可動役物7の動作開始タイミングになったと判定した場合(ステップS205:YES)、可動役物7の動作制御を開始する(ステップS206)。具体的には、受信した第1ランプ制御コマンドに対応する動作パターンデータ1523(図7(A)参照)を読み出して、その動作パターンデータ1523が示す動作パターンで可動役物7が動作するように、駆動回路72を介した役物モータ71の駆動制御を開始する。
CPU151は、第2ランプ制御コマンドを受信したと判定した場合(ステップS203:第2)、すなわち連動演出が指示された場合、可動役物7の動作開始タイミングになったか否かを判定する(ステップS208)。可動役物7の動作開始タイミングになっていないとCPU151によって判定された場合(ステップS208:NO)、可動役物7の動作開始タイミングになるまで処理がステップS208に戻される。
CPU151は、可動役物7の動作開始タイミングになったと判定した場合(ステップS208:YES)、可動役物7の動作制御を開始する(ステップS209)。すなわち、駆動回路72を介した役物モータ73の駆動制御を開始する。
役物モータ73の駆動制御を開始すると、CPU151は、図11のステップS114の処理で送信された位置情報及び時間情報を受信することによって、可動役物7に設けられたLED78の正面に位置する重心画素のアドレスを示す位置情報、及び可動役物7の動作開始からの経過時間を示す時間情報を取得する(ステップS210)。
位置情報及び時間情報を取得した後、CPU151は、位置情報によって示される可動役物7のLED78の現在の位置が、その時点での目標位置であるか否かを判定する(ステップS211)。具体的には、時間情報が示す経過時間tに対応する位置座標(Xt,Yt)をROM152内の座標テーブル1524からRAM153に読み出して、位置情報が示すLED78の現在の位置(X,Y)が位置座標(Xt,Yt)と一致するか否かを判定する。
CPU151は、経過時間tにおける現在位置(X,Y)が目標座標である位置座標(Xt,Yt)と一致しないと判定した場合(ステップS211:NO)、可動役物7の位置及び姿勢を補正するための役物モータ73の補正制御を実行する(ステップS212)。例えば、図15に例示されるように、経過時間t40における現在位置(X,Y)が目標位置(X40,Y40)に到達していない場合、現在位置(X,Y)が目標位置(X40,Y40)に近付くように役物モータ73の回転速度を上昇させる。
このように、駆動制御手段として機能するランプ制御部150のCPU151は、演出制御部130のCPU131によって特定された可動役物7の位置(本実施形態では可動役物7に設けられたLED78の位置)が可動役物7の動作開始からの経過時間tに応じた所定位置となるように、役物モータ73の動作を制御する。
ステップS212の補正制御を実行した場合、又は現在位置(X,Y)が目標座標(Xt,Yt)と一致すると判定した場合(ステップS211:YES)、CPU151は、可動役物7の動作終了タイミングになったか否かを、例えば可動役物7の動作開始からの経過時間と第2ランプ制御コマンドに含まれている終了タイミングを示す情報とに基づいて判定する(ステップS213)。可動役物7の動作終了タイミングになっていないとCPU151によって判定された場合(ステップS213:NO)、処理がステップS210へ戻されて、動作終了タイミングになるまでステップS210以降の処理が行われる。一方、可動役物7の動作終了タイミングになったとCPU151によって判定された場合(ステップS213:YES)、一連のランプ制御処理が終了する。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、液晶画面50に内蔵された複数の光センサ56の検知結果に基づいて役物モータ73が制御されるので、液晶画面50に対する可動役物7の動作を正確に制御することができる。
また、本実施形態では、光センサ56の検知結果に基づいて特定される可動役物7の位置が可動役物7の動作開始からの経過時間に応じた所定位置となるように役物モータ73の動作が制御されるので、所定位置を適切な位置に設定しておくことにより、液晶画面50に表示された演出画像に対する可動役物7の位置ズレを効果的に防止することができる。
また、上記実施形態では、可動役物7の裏面75に設けられたLED78の光が一部の光センサ56によって検知されて、その検知結果に基づいて可動役物7の位置が特定されるので、可動役物7の位置を精度良く検知することができる。
[変形例]
なお、上記実施形態では、赤外線フィルタを設けてLED78から照射された赤外光以外の可視光が光センサ56によって受光されないように構成されている場合について説明したが、これに代えて、光センサ56として赤外線センサを使用するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、可動役物7が回動することによって可動役物7の位置及び姿勢が変化して液晶画面50の手前に配置されるように構成されている場合について説明したが、本発明の可動役物の動作はこれに限定されるものではなく、例えば所定方向に往復移動するように構成されたもの等、可動役物の動作態様は、その動作中に液晶画面50の手前に配置されるのであれば、どのようなものであっても構わない。
また、上記実施形態では、パチンコ遊技機1の周辺の可視光の影響を抑制するために、赤外光により可動役物7の位置を特定する場合について説明したが、赤外光の代わりに紫外光を利用して可動役物7の位置を特定するようにしてもよい。
また、他の実施形態として、液晶画面50に赤外線フィルタを設けず、且つ可動役物7にLED78を設けない構成を採用してもよい。この場合、可動役物7に覆われた液晶画面50の被覆領域に配置されている光センサ56からのセンサ信号と、可動役物7に覆われていない液晶画面50の開放領域に配置されている光センサ56からのセンサ信号との信号レベルが異なることとなるので、各光センサ56からのセンサ信号の信号レベル差に基づいて被覆領域と開放領域とを判別して、可動役物7の位置及び姿勢を特定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。