JP5530771B2 - 移動体の旋回角度・方位・位置を検出するシステムおよび方法 - Google Patents
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Description
また、移動体の旋回指令量から旋回角度を推測し、移動指令量により移動距離を推測して位置・方位情報を得る技術もあるが、これは移動体の滑りにより大きな誤差が生じる可能性がある。
(ア)移動体に搭載され、所定の走査角度範囲にわたって周囲の対象物までの距離データを生成する距離計と、
(イ)上記距離データ又はこの距離データに基づき演算された上記周囲対象物の二次元マップデータを、空間周波数領域においてフーリエ変換するフーリエ変換手段と、
(ウ)移動体が第1の方位から第2の方位へと旋回する際に、上記第1の方位での上記フーリエ変換データの所定次数の成分と、上記第2の方位での上記フーリエ変換データの上記所定次数の成分の位相差に基づき、移動体の旋回角度を演算する旋回角度演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、この旋回角度検出に際して、積分処理をしないので誤差が蓄積されることがなく、旋回指令量を用いないので移動体のすべりに伴う誤差も生じず、比較的高い検出精度が得られる。
これにより、移動体の第2方位すなわち現在方位を検出することができる。
これによれば、移動体の第2方位すなわち現在方位のみならず、第2位置すなわち現在位置をも距離データを用いて検出することができる。
(ア)移動体に搭載された距離計により、移動体が上記第1の方位にある時に所定の走査角度範囲にわたって周囲の対象物までの距離データを生成し、移動体が上記第2の方位にある時に上記走査角度範囲にわたって周囲対象物までの距離データを生成し、
(イ)上記第1、第2の方位での距離データ又はこの距離データに基づき演算された上記周囲対象物の二次元マップデータを、それぞれ空間周波数領域においてフーリエ変換し、
(ウ)上記第1方位でのフーリエ変換データの所定次数の成分と上記第2方位でのフーリエ変換データの上記所定次数の成分の位相差に基づき、移動体の旋回角度を演算する
ことを特徴とする。
上記走査角度範囲が、上記距離計を通る基準軸線を中心として広がっており、
移動体が第1の位置から第2の位置へ上記基準軸線に沿って直線的に移動する際に、上記距離計により、移動体が上記第1の位置にある時に上記走査角度範囲にわたって周囲の対象物までの距離データを生成し、移動体が上記第2の位置にある時に上記走査角度範囲にわたって周囲対象物までの距離データを生成し、
上記第1、第2の位置での距離データ又はこの距離データに基づき演算された上記周囲対象物の二次元マップデータを、それぞれ空間周波数領域においてフーリエ変換し、
上記第1の位置でのフーリエ変換データの一次成分と、上記第2の位置でのフーリエ変換データの一次成分の振幅差に基づき、移動体の移動距離を演算し、
上記の演算された移動距離と、既知の第1の位置とこの第1位置での既知の方位に基づき、移動体の第2の位置を演算する。
説明の便宜上、図1に示すようにクローラロボット10を基準として、その前後に延びる座標軸をY軸とし、左右に延びる座標軸をX軸とする。クローラロボット10のY軸に沿って延びる中心軸線(基準軸線)を符号10aで示す。
上記ボデイ11には、上記中心軸線10a上に位置するビデオカメラ15とレーザー距離計16が搭載されるとともに、送受信機17が搭載されている。
クローラロボット10が図3に示す第1の位置・方位にある場合を例にとって説明する。図3の状態では、クローラロボット10は、布基礎100において2つの壁面101が直角に交差した隅部102の近傍に配置されている。クローラロボット10の中心軸線10aが上記隅部102を通り、2つの壁面101と同角度をなして交差している。
図3に矢印で示すように、クローラロボット10を中心軸線10aに沿って直線的に移動させた場合、例えば布基礎100の隅部102から遠ざかるように後退させた場合には、壁面101のマップは図4(A)に破線で示すようになる。また、超信地旋回させた場合のマップは図8(A)に破線で示すようになる。
クローラロボット10が直線的移動例えば上述したように後退動作をする際には、制御・演算手段22は第1の位置・方位でのフーリエ変換データから図4(B)に実線で示す一次成分(周波数が「1」の成分)を抽出するとともに、第2の位置・方位でのフーリエ変換データから図4(B)に破線で示す一次成分を抽出する。なお、図4(B)において横軸は、位相(または周期)を表し、縦軸は振幅を表す。横軸の数字は0〜127のサンプリングポイントを示す。
本発明者は、所定距離だけ直線的に移動した時の一次〜四次のスペクトル成分の振幅差を測定し、図6のようなデータを得た。このデータからも、一次成分の振幅差が最大であることが理解できる。
そこで、本実施形態では上述したように、一次成分の振幅差ΔWを用いて移動距離を演算したのである。
クローラロボット10を前進する場合も、上記と同様の演算により現在の位置・方位(第2の位置・方位)を検出することができる。
本発明者は、所定角度だけ超信地旋回時の一次〜四次のスペクトル成分の位相差を測定し、図10のようなデータを得た。このデータからも、三次成分の位相差が最大であることが理解できる。
そこで、本実施形態では上述したように、三次成分の振幅差αを用いて旋回角度を演算したのである。
上述したようにして制御・演算部22は第2の方位を検出する。なお、超信地旋回の場合、第2の位置は第1の位置と等しいので、制御・演算部22は、現在の位置・方位(第2の位置・方位)を検出したことになる。
また、本実施形態の検出システムと、ジャイロ、速度センサを含む位置・方位検出システムとの併用も可能である。
16 距離計
24 マップ作成手段
25 FFT(フーリエ変換手段)
26 移動距離演算手段
27 位置演算手段
28 旋回角度演算手段
29 方位演算手段
Claims (4)
- 移動体の旋回角度を検出するシステムにおいて、
(ア)移動体に搭載され、所定の走査角度範囲にわたって周囲の対象物までの距離データを生成する距離計と、
(イ)上記距離データ又はこの距離データに基づき演算された上記周囲対象物の二次元マップデータを、空間周波数領域においてフーリエ変換するフーリエ変換手段と、
(ウ)移動体が第1の方位から第2の方位へと旋回する際に、上記第1の方位での上記フーリエ変換データの三次成分と、上記第2の方位での上記フーリエ変換データの三次成分の位相差に基づき、移動体の旋回角度を演算する旋回角度演算手段と、
を備えたことを特徴とする移動体の旋回角度検出システム。 - 移動体の位置および方位を検出するシステムにおいて、
(ア)移動体に搭載され、所定の走査角度範囲にわたって周囲の対象物までの距離データを生成する距離計と、
(イ)上記距離データ又はこの距離データに基づき演算された上記周囲対象物の二次元マップデータを、空間周波数領域においてフーリエ変換するフーリエ変換手段と、
(ウ)移動体が第1の方位から第2の方位へと旋回する際に、上記第1の方位での上記フーリエ変換データの所定次数の成分と、上記第2の方位での上記フーリエ変換データの上記所定次数の成分の位相差に基づき、移動体の旋回角度を演算する旋回角度演算手段と、
(エ)上記旋回角度検出システムで検出された旋回角度と既知の第1の方位に基づき、移動体の第2の方位を演算する方位演算手段と、
を備え、上記距離計の所定の走査角度範囲が上記距離計を通る基準軸線を中心として広がっており、さらに、
(オ)移動体が第1の位置から第2の位置へ上記基準軸線に沿って直線的に移動する際に、上記フーリエ変換手段で演算された第1の位置でのフーリエ変換データの一次成分と、上記第2の位置でのフーリエ変換データの一次成分の振幅差に基づき、移動体の移動距離を演算する移動距離演算手段と、
(カ)上記演算された移動距離と、移動体の既知の第1の位置とこの第1位置での既知の方位に基づき、移動体の第2の位置を演算する位置演算手段と、
を備えたことを特徴とする移動体の位置・方位検出システム。 - 移動体が第1の方位から第2の方位へと旋回する際の旋回角度を検出する方法において、
(ア)移動体に搭載された距離計により、移動体が上記第1の方位にある時に所定の走査角度範囲にわたって周囲の対象物までの距離データを生成し、移動体が上記第2の方位にある時に上記走査角度範囲にわたって周囲対象物までの距離データを生成し、
(イ)制御・演算手段により、上記第1、第2の方位での距離データ又はこの距離データに基づき演算された上記周囲対象物の二次元マップデータを、それぞれ空間周波数領域においてフーリエ変換し、さらに、上記第1方位でのフーリエ変換データの三次成分と上記第2方位でのフーリエ変換データの三次成分の位相差に基づき、移動体の旋回角度を演算する
ことを特徴とする移動体の旋回角度検出方法。 - 移動体の位置および方位を検出する方法において、
移動体に搭載された距離計により、移動体が上記第1の方位にある時に、上記距離計を通る基準軸線を中心として広がる走査角度範囲にわたって周囲の対象物までの距離データを生成し、移動体が上記第2の方位にある時に上記走査角度範囲にわたって周囲対象物までの距離データを生成し、
制御・演算手段が、
(ア)上記第1、第2の方位での距離データ又はこの距離データに基づき演算された上記周囲対象物の二次元マップデータを、それぞれ空間周波数領域においてフーリエ変換し、
(イ)上記第1方位でのフーリエ変換データの所定次数の成分と上記第2方位でのフーリエ変換データの上記所定次数の成分の位相差に基づき、移動体の旋回角度を演算し、
(ウ)上記演算された移動体の旋回角度と、既知の上記第1方位とに基づき、上記第2方位を演算し、
(エ)移動体が第1の位置から第2の位置へ上記基準軸線に沿って直線的に移動する際に、上記距離計により、移動体が上記第1の位置にある時に上記走査角度範囲にわたって周囲の対象物までの距離データを生成し、移動体が上記第2の位置にある時に上記走査角度範囲にわたって周囲対象物までの距離データを生成し、
(オ)上記第1、第2の位置での距離データ又はこの距離データに基づき演算された上記周囲対象物の二次元マップデータを、それぞれ空間周波数領域においてフーリエ変換し、
(カ)上記第1の位置でのフーリエ変換データの一次成分と、上記第2の位置でのフーリエ変換データの一次成分の振幅差に基づき、移動体の移動距離を演算し、
(キ)上記の演算された移動距離と、既知の第1の位置とこの第1位置での既知の方位に基づき、移動体の第2の位置を演算する
ことを特徴とする移動体の位置・方位検出方法。
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