JP5530531B2 - 質量分析装置および質量分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析装置および質量分析方法に関する。
質量分析装置は、試料分子に電荷を付加してイオン化を行い、生成したイオンを電場または磁場により質量電荷比によって分離し、その量を検出器にて電流値として計測する機器である。質量分析装置は、高感度であり、従来の分析装置に比べ、定量性および同定能力に優れている。近年、ライフサイエンス分野ではゲノム解析に代わるペプチド解析や代謝物解析が注目され、それらの解析における同定・定量能力の優れた質量分析装置の有効性が再評価されている。
質量分析装置では、試料分子中の構成成分が複雑である場合、特に、質量電荷比が400以下のマススペクトルにおいて溶媒中や環境中由来の夾雑物が多く存在する場合に、目的成分を夾雑物と区別する目的で、MS分析が実施されている。
MS分析とは、試料分子をイオン化した分子イオンを質量分析装置に取り込んで収束させ、その中から特定の質量電荷比の分子イオンを選択し(イオン選択)、選択した分子イオン(目的イオン)と中性分子との衝突を起こすことにより、分子イオン(目的イオン)の一部の結合を破壊し(衝突誘起解離(CID: Collision Induced Dissociation))、結合の切れた分子イオン(フラグメントイオン)を測定する方法である。
このMS分析の衝突誘起解離においては、衝突時のフラグメントイオンの運動エネルギの減少により、イオン速度の減少とともに速度分布の広がりが起こるため、複数の試料分子を測定すると、後の結果に前の結果が残ってしまうという、いわゆる、クロストークが生じる場合があった。クロストークが生じると、不要な構造情報の表示や定量正確さの低下などの問題が生じる。このクロストークを解決するために、衝突誘起解離を起こす衝突室に軸電界を発生させることが提案されている(特許文献1、2参照)。特許文献1、2では、フラグメントイオンの進行方向(軸方向)に直流電界(加速電圧)を生成することで、補足的にフラグメントイオンを加速し、衝突誘起解離が実施される衝突室内での滞留時間を短くしている。
特開2007−95702号公報 特表平11−510946号公報
しかし、特許文献1、2の発明では、分子イオンの進行方向(軸方向)に直流電界(加速電圧)を生成する際に、分子イオンの進行方向に対する直交方向にも電位差(加速電圧)が生じる。そのため、進行方向の直流電界を大きくすると、直交方向の電位差(加速電圧)も大きくなり、分子イオンを収束させていた擬似的な井戸型ポテンシャルを越え失われてしまう場合があった。
すなわち、前記クロストークを解決するために、分子イオンの進行方向に直流電界(加速電圧)を生成すると、計測できなくなる分子イオンが生じ、いわゆる、マスウインドウが狭くなるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、クロストークを解決するために分子イオンの進行方向に直流電界を生成しても、マスウインドウが広い質量分析装置および質量分析方法を提供することである。
本発明は、線形多重極電極を有し、前記線形多重極電極間に衝突交流電圧と第1直流電圧を重畳し印加して、分子イオンを中性分子と衝突させ、前記分子イオンの衝突誘起解離を行いフラグメントイオンを生成し、前記線形多重極電極毎に分割された前段電極と後段電極の間に第2直流電圧を印加して、前記フラグメントイオンを前記線形多重極電極に沿った方向に加速させる衝突室と、
前記衝突室で加速した前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離する質量分析部と、
前記フラグメントイオンの質量電荷比によらず前記衝突室内における前記フラグメントイオンの速度が等しくなるように、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比に基づいて、前記第2直流電圧を決定する制御部とを有し、
前記衝突室の前記線形多重極電極毎に分割された前記前段電極と前記後段電極の分割比は、前記線形多重極電極毎に異なっているか、または、前記衝突室の前記線形多重極電極毎に分割された前記前段電極と前記後段電極の分割位置は、前記線形多重極電極に沿った方向において、前記線形多重極電極毎に異なっている質量分析装置であることを特徴としている。また、本発明は、この質量分析装置で実施される質量分析方法であることを特徴としている。
本発明によれば、クロストークを解決するために分子イオンの進行方向に直流電界を生成しても、マスウインドウが広い質量分析装置および質量分析方法を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る質量分析装置の構成図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る質量分析装置の制御部と電源を含めた構成図であり、(b)は、質量分析装置の軸方向に沿った電位を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る質量分析装置の衝突室に設けられる線形多重極電極の結線図である。 分子イオンの質量数に対する、擬似ポテンシャル深さを示すグラフである。 フラグメントイオンの質量数に対する、衝突室を透過するフラグメントイオンの質量数の範囲(マスウインドウ)を示すグラフである。 測定回毎の、(a)データ収集時間、(b)選択するフラグメントイオンの質量数、(c)第2直流電圧、(d)分析交流電圧の変化を示すグラフ(その1)である。 測定回毎の、(a)データ収集時間、(b)選択するフラグメントイオンの質量数、(c)第2直流電圧、(d)分析交流電圧の変化を示すグラフ(その2)である。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係る質量分析装置の制御部、同期部と電源を含めた構成図であり、(b)は、質量分析装置の軸方向に沿った電位を示すグラフである。 フラグメントイオンの質量数に対する、衝突室を透過するフラグメントイオンの質量数の範囲(マスウインドウ)を示すグラフである。 測定回毎の、(a)データ収集時間、(b)選択するフラグメントイオンの質量数、(c)第2直流電圧、(d)分析交流電圧、(e)衝突交流電圧の変化を示すグラフ(その1)である。 測定回毎の、(a)データ収集時間、(b)選択するフラグメントイオンの質量数、(c)第2直流電圧、(d)分析交流電圧、(e)衝突交流電圧の変化を示すグラフ(その2)である。 本発明の第3の実施形態に係る質量分析装置の制御部と電源を含めた構成図である。 測定回毎の、(a)データ収集時間、(b)アクセルスタックの電位、(c)選択するフラグメントイオンの質量数、(d)第2直流電圧、(e)衝突交流電圧の変化を示すグラフである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略している。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る質量分析装置100の構成図を示す。第1の実施形態の質量分析装置100では、3連四重極形質量分析計(QMS: Quadrupole Mass Spectrometer)を採用した場合を説明する。
質量分析装置100には、イオン源部1が設けられている。イオン源部1には、数kVの直流電圧が印加されており、試料分子をイオン化して、分子イオンを生成することができる。正または負に帯電した分子イオンは、直径0.2〜0.8mm程度の細孔2を通り、減圧された質量分析装置100の本体内部に導入される。
細孔2の後段には、イオンガイド部(1段目クワドロポール(1段目線形四重極電極))3が設けられている。イオンガイド部3は、分子イオンを効率よく選択部5へ輸送するために設けられている。イオンガイド部3は、4本の円柱状または双曲面をもったポール状の電極(線形四重極電極(線形多重極電極))を有している。なお、電極(線形多重極電極)の本数は6本や8本、またはそれ以上でも良い。イオンガイド部3の線形四重極電極に、高周波電圧を印加することにより、線形四重極電極間に四重極電界を形成し、擬似的な井戸型ポテンシャルを作り、分子イオンを線形四重極電極間に収束させ輸送することができる。すなわち、イオンガイド部3の線形四重極電極は、分子イオンの輸送機能と収束・ガイド機能を有している。
イオンガイド部3の後段には、細孔4が設けられている。細孔4は、後段(選択部5側)を高真空に維持したまま前段(イオンガイド部3側)を差動排気するために設けられている。
細孔4の後段には、選択部(2段目クワドロポール(2段目線形四重極電極))5が設けられている。選択部5は、4本の円柱状または双曲面をもったポール状の電極(線形四重極電極(線形多重極電極))を有している。選択部5の線形四重極電極に、高周波電圧を印加することにより、線形四重極電極間に四重極電界を形成し、擬似的な井戸型ポテンシャルを作り、分子イオンを線形四重極電極間に収束させ輸送することができる。さらに、高周波電圧が印加されている線形四重極電極に、直流電圧を、高周波電圧と直流電圧の比が一定となるように重畳すれば、特定の質量電荷比の分子イオンを、それ以外の質量電荷比の分子イオンを透過させることなく、透過させることができる。すなわち、線形四重極電極は、分子イオンのイオン選択機能も有している。なお、特定の質量電荷比には、構造解析する目的の分子イオン、いわゆる、目的イオンの質量電荷比が選択される。この目的イオンは、衝突室9において、衝突誘起解離される。
選択部5の後段には、細孔6が設けられている。細孔6の後段には、衝突室9が設けられている。目的イオンは、細孔6を通り、衝突室9に導入される。衝突室9内部は、ヘリウム(He)や窒素(N)等の中性分子を導入することで数百ミリPa(数ミリTorr)程度の圧力に維持されている。衝突室9は、4本の円柱状または双曲面をもったポール状の電極(線形四重極電極(線形多重極電極))a、b(c、d図示省略)を有している。なお、電極(線形四重極電極)a、b(c、d図示省略)の本数は6本や8本、またはそれ以上でも良い。線形四重極電極a、b(c、d図示省略)に、高周波電圧を印加することにより、線形四重極電極a、b(c、d図示省略)間に四重極電界を形成し、擬似的な井戸型ポテンシャルを作り、目的イオンを線形四重極電極a、b(c、d図示省略)間に収束させることができる。さらに、線形四重極電極a、b(c、d図示省略)に、直流電圧を重畳させれば、目的イオンを開裂(衝突誘起解離)させ、フラグメントイオンを生成することができる。目的イオンは、選択部5の線形四重極電極の直流電圧と、衝突室9の線形四重極電極の直流電圧との電位差により、衝突誘起解離(開裂)する。すなわち、線形四重極電極a、b(c、d図示省略)は、目的イオン(分子イオン)の解離機能を有している。
衝突室9の後段には、細孔10が設けられている。細孔10は、衝突室9と質量分析部11とを区分ける真空隔壁に設けられている。この真空隔壁には、直流電圧が印加でき、電極として機能させることができる。衝突室9から排出されたフラグメントイオンは、細孔10を通り、質量分析部11に導入される。
質量分析部11は、4本の円柱状または双曲面をもったポール状の電極(4段目クワドロポール(4段目線形四重極電極))12と、検出器13を有している。線形四重極電極12に、高周波電圧を印加することにより、線形四重極電極12間に四重極電界を形成し、擬似的な井戸型ポテンシャルを作り、フラグメントイオンを線形四重極電極12間に収束させることができる。さらに、線形四重極電極12に、直流電圧を高周波電圧と直流電圧の比が一定となるように重畳すれば、特定の質量電荷比のフラグメントイオンを、それ以外の質量電荷比のフラグメントイオンを透過させることなく、透過させることができる。すなわち、線形四重極電極12は、フラグメントイオンの選択機能(フィルタ機能)を有している。
そして、線形四重極電極12は、その特定の質量電荷比のフラグメントイオンを検出器13に輸送する。検出器13は、そのフラグメントイオンの量を測定することができる。
図2(a)に、本発明の第1の実施形態に係る質量分析装置100の制御部14と電源RF1、RF2、RF3、RF4、DC1、DC2、DC31、DC32、DC4を含めた構成図を示し、図2(b)に、その質量分析装置100の軸方向に沿った電位分布を示す。なお、便宜的に、電源RF1、RF2、RF3、RF4、DC1、DC2、DC31、DC32、DC4の符号RF1等は、電源RF1、RF2、RF3、RF4、DC1、DC2、DC31、DC32、DC4が出力する電圧も表すこととしている。具体的に、ガイド交流電源RF1は、ガイド交流電圧RF1を出力するとしている。
イオンガイド部(1段目クワドロポール(1段目線形四重極電極))3には、ガイド交流電源RF1が接続され、ガイド交流電圧(高周波電圧)RF1が印加可能になっている。また、イオンガイド部3には、ガイド直流電源DC1が接続され、ガイド直流電圧DC1が印加可能になっている。制御部14が、イオンガイド部3への、ガイド交流電圧RF1とガイド直流電圧DC1の印加を制御することにより、イオンガイド部3は、分子イオンを収束させ選択部5へ輸送することができる。
選択部(2段目クワドロポール(2段目線形四重極電極))5には、選択交流電源RF2が接続され、選択交流電圧(高周波電圧)RF2が印加可能になっている。また、選択部5には、選択直流電源DC2が接続され、選択直流電圧DC2が印加可能になっている。制御部14が、選択交流電圧(高周波電圧)RF2と選択直流電圧DC2を、電圧比が一定となるように重畳して印加するように制御すれば、特定の質量電荷比の分子イオンを、それ以外の質量電荷比の分子イオンを透過させることなく、選択部5から透過させることができる。
衝突室9の線形多重極電極(3段目線形四重極電極)a、b(c、d図示省略)には、衝突交流電源RF3が接続され、衝突交流電圧(高周波電圧)RF3が印加可能になっている。また、線形多重極電極(3段目線形四重極電極)a、b(c、d図示省略)には、第1直流電源DC31と第2直流電源DC32が接続され、第1直流電圧DC31と第2直流電圧DC32が印加可能になっている。制御部14が、線形四重極電極a、b(c、d図示省略)に、衝突交流電圧(高周波電圧)RF3を印加する制御をすることにより、目的イオンを線形四重極電極a、b(c、d図示省略)間に収束させることができる。さらに、制御部14が、線形四重極電極a、b(c、d図示省略)に、第1直流電圧DC31を重畳させれば、選択直流電圧DC2と、第1直流電圧DC31との電位差(Collision Energy)により、目的イオンを衝突誘起解離させ、フラグメントイオンを生成することができる。制御部14が、前段電極7a、7b(7c、7d図示省略)と、後段電極8a、8b(8c、8d図示省略)との間に印加する第2直流電圧DC32(加速電圧ΔU)を制御することで、フラグメントイオンを軸方向(z軸方向)に加速することができる。
質量分析部11の4段目クワドロポール(4段目線形四重極電極)12には、分析交流電源RF4が接続され、分析交流電圧(高周波電圧)RF4が印加可能になっている。また、4段目線形四重極電極12には、分析直流電源DC4が接続され、分析直流電圧DC4が印加可能になっている。制御部14が、分析交流電圧(高周波電圧)RF4と分析直流電圧DC4を、電圧比が一定となるように重畳して印加するように制御すれば、特定の質量電荷比のフラグメントイオンを、それ以外の質量電荷比のフラグメントイオンを透過させることなく、検出器13へ透過させることができる。検出器13で検出された質量電荷比毎のフラグメントイオンの量は、制御部14へ送信される。
そして、制御部14が、分析交流電圧(高周波電圧)RF4と分析直流電圧DC4を電圧掃引すれば、検出器13へ透過できるフラグメントイオンの質量電荷比を、小さい質量電荷比から順に大きい質量電荷比になるように掃引することができる。これにより、マススペクトルを得ることができる。このような四重極形質量分析計を採用する質量分析装置100は、MS分析のようなシーケンシャルな測定が可能であり、かつ、検出器のダイナミックレンジが広いため、定量性能が高い特長を持っている。
MS分析では、特定の質量電荷比の分子イオンを選択し(イオン選択)、選択した分子イオン(目的イオン)を衝突誘起解離し、フラグメントイオンを生成しそれを測定する。MS分析では、イオン選択と衝突誘起解離の一連の操作を、1回から複数回数繰り返し実施することができる。イオン選択と衝突誘起解離の一連の操作の繰返し回数によってMS分析の呼び方は変わり、2回繰り返す場合はMS分析、3回繰り返す場合はMS分析と呼ばれる。試料分子中の原子間の結合はその構造や結合の種類によって結合エネルギが異なり、衝突誘起解離では、結合エネルギが低い箇所から切断される。衝突誘起解離を繰り返し、既知のフラグメントイオンを生成させることで、分子イオンの構造を知ることができる。さらに、フラグメントイオンを目的イオンとして選択して開裂することから、開裂後のフラグメントイオンの質量電荷比に対するノイズが小さく、信号強度とノイズの比(S/N比)を高くできる。
図3に、本発明の第1の実施形態に係る質量分析装置100の衝突室9に設けられる線形多重極電極(3段目線形四重極電極)a、b、c、dの結線図を示す。線形四重極電極a、b、c、dは、軸方向に沿って、互いに平行に配置されている。軸方向に垂直な面での断面視で、線形四重極電極a、b、c、dは、正方形(矩形)の角の位置に配置されている。線形四重極電極a、cは、その正方形の一方の対角線上に配置され、線形四重極電極b、dは、その正方形の他方の対角線上に配置されている。
線形四重極電極a、b、c、dは、それぞれ、前段電極7a、7b、7c、7dと、後段電極8a、8b、8c、8dとに分割され互いに離れている。前段電極7a、7b、7c、7dの軸方向の長さは、互いに異なっている。また、後段電極8a、8b、8c、8dの軸方向の長さは、互いに異なっている。ただし、対となる前段電極7aと後段電極8aの軸方向の長さの和と、対となる前段電極7bと後段電極8bの軸方向の長さの和と、対となる前段電極7cと後段電極8cの軸方向の長さの和と、対となる前段電極7dと後段電極8dの軸方向の長さの和とは、等しくなっている。
前段電極7a、7b、7c、7dと、後段電極8a、8b、8c、8dとの間に、第2直流電源DC32が接続されている。前段電極7a、7b、7c、7dと、後段電極8a、8b、8c、8dとの間に、第2直流電圧DC32(加速電圧ΔU)が印加されることで、フラグメントイオンを軸方向(z軸方向)に加速することができる。
線形四重極電極a、c(前段電極7a、7c、後段電極8a、8c)と、線形四重極電極b、d(前段電極7b、7d、後段電極8b、8d)との間には、衝突交流電源RF3と第1直流電源DC31が接続されている。線形四重極電極a、c(前段電極7a、7c、後段電極8a、8c)と、線形四重極電極b、d(前段電極7b、7d、後段電極8b、8d)との間に、衝突交流電圧RF3が印加されることにより、線形四重極電極a、b、c、d間に四重極電界を形成し、擬似的な井戸型ポテンシャルを作り、目的イオンを線形四重極電極a、b、c、d間に収束させることができる。さらに、線形四重極電極a、c(前段電極7a、7c、後段電極8a、8c)と、線形四重極電極b、d(前段電極7b、7d、後段電極8b、8d)との間に、第1直流電圧DC31を重畳させれば、目的イオンを開裂(衝突誘起解離)させ、フラグメントイオンを生成することができる。
ここまで、線形四重極電極a、b、c、dによって、四重極電界が形成され、擬似的な井戸型ポテンシャルが作られ、そこに目的イオン、フラグメントイオンを収束させることができることを説明した。また、線形四重極電極a、b、c、d(前段電極7a、7b、7c、7d、後段電極8a、8b、8c、8d)によって、フラグメントイオンを、第2直流電圧DC32(加速電圧ΔU)で加速できることを説明した。
次に、フラグメントイオンを第2直流電圧DC32(加速電圧ΔU)で加速させると、フラグメントイオンの一部が、失われてしまう(マスウインドウが狭くなってしまう)場合があることを説明する。
まず、線形四重極電極a、b、c、dによる四重極電界で作成される擬似的な井戸型ポテンシャルの深さDは、式(1)で表される。ここで、Vは、線形四重極電極a、b、c、dに印加する衝突交流電圧RF3の振幅である。また、qは、線形四重極電極a、b、c、dによる四重極電界とそれを透過する分子イオンの質量数との関係を表した固有値である。
Figure 0005530531
そして、この固有値qは、式(2)で表される。ここで、eは電気素量であり、mは分子イオン1個の質量(質量数)であり、wは衝突交流電圧RF3の角振動数であり、rは線形四重極電極a、b、c、dの内接円の半径である。
Figure 0005530531
式(1)のq(固有値)に式(2)を代入すると、質量mにおける擬似的な井戸型ポテンシャルの深さDを表す式(3)を求めることができる。式(3)より、図4に示すように、擬似的な井戸型ポテンシャルの深さ(擬似ポテンシャル深さ)Dは、分子イオンの質量数mに対して反比例の関係にある。分子イオンの質量数mが大きくなるほど、その質量数mを有する分子イオンに対する擬似ポテンシャルの深さDは浅くなる。
Figure 0005530531
図4において、分子イオンを軸方向に加速するための加速電圧ΔUが、線形四重極電極a、b、c、dの前段電極7a、7b、7c、7dと、後段電極8a、8b、8c、8dとの間に印加されると、軸方向とは直交方向にも、加速電圧ΔUと同じ大きさの電圧(加速電圧ΔU)が印加される(加速電圧ΔUは、軸方向だけでなく、軸方向の直交方向にも印加される)。加速電圧ΔUが擬似ポテンシャル深さDより小さくなる(ΔU<D)分子イオンは、擬似ポテンシャルを越えられず、線形四重極電極a、b、c、d間に収束したまま透過できる。この加速電圧ΔUが擬似ポテンシャル深さDより小さくなる(ΔU<D)分子イオンは、質量数mが質量数mntより小さくなる(m<mnt)分子イオンであり、加速電圧ΔUが印加されることにより、透過できる分子イオンが質量数mntより小さい質量数mに制限され、マスウインドウが狭くなることがわかる。
一方、加速電圧ΔUが擬似ポテンシャル深さD以上になる(ΔU≧D)分子イオンは、擬似ポテンシャルを越えて、線形四重極電極a、b、c、dにぶつかり失われてしまう。この加速電圧ΔUが擬似ポテンシャル深さD以上になる(ΔU≧D)分子イオンは、質量数mが質量数mnt以上になる(m≧mnt)分子イオンであり、マスウインドウが狭くなる際に、分子イオンは、質量数mの大きい側から失われカットされることがわかる。
これまで、フラグメントイオンを加速電圧ΔU(第2直流電圧DC32(図2参照))で加速させると、フラグメントイオンの一部が失われ、マスウインドウが狭くなってしまう場合があることを説明した。次に、マスウインドウを拡大する方法について説明する。
まず、移動した電位差Eによる、質量数mの分子イオンの運動エネルギは、式(4)で表される。ここで、vは分子イオンの速度である。
Figure 0005530531
この式(4)を、線形四重極電極a、b、c、dの前段電極7a、7b、7c、7dと、後段電極8a、8b、8c、8dとの間に、加速電圧ΔUを印加し、フラグメントイオンを加速させる場合について記載すると、式(5)のように表される。ここで、mはフラグメントイオンの質量数であり、vは衝突室9内でのフラグメントイオンの速度である。
Figure 0005530531
式(5)より、従来のように加速電圧ΔUを一定とすると、フラグメントイオンの質量数mが、測定する試料分子やその目的イオン、そのフラグメントイオンに応じて変動すると、そのフラグメントイオンの速度vは、1/mの平方根に比例して(相関関係を持って)変化する。
これに対し、本発明では、フラグメントイオンの速度vを一定とする。そして、式(5)を満たすように、フラグメントイオンの質量数mの変動に対して、加速電圧ΔUを変化させる。フラグメントイオンの速度vを一定とすると、フラグメントイオンが線形四重極電極a、b、c、dを透過する時間を、フラグメントイオンの質量数mによらず一定とすることができるので、フラグメントイオンが質量分析部11に導入される時刻、さらには、質量分析部11での分析を開始すべき時刻を容易に決定することができる。
そして、図4に示すように、擬似ポテンシャル深さDが加速電圧ΔUと等しくなる(D=ΔU)分子イオンの質量数mntが、マスウインドウにおける最大質量数mとなることから、式D=ΔUに、式(3)および式(5)を代入し、DとΔUを消すと、マスウインドウにおける最大質量数mとフラグメントイオンの質量数mとの関係を表す式(6)を求めることができる。
Figure 0005530531
一方、従来技術である加速電圧ΔUが一定のときのマスウインドウにおける最大質量数mは、フラグメントイオンの質量数mに関係なく一定であり、式(7)で表すことができる。
Figure 0005530531
また、マスウインドウにおける最小質量数mは、式(2)における固有値qが0.908のとき(q=0.908)の質量数mであることから、フラグメントイオンの質量数mに関係なく一定であり、式(8)で表すことができる。
Figure 0005530531
図5に、本発明(式(6))の最大質量数mを実線で示し、従来(式(7))の最大質量数mと、式(8)の最小質量数mを、破線で示す。これより、本発明のマスウインドウは、本発明(式(6))の最大質量数mと、式(8)の最小質量数mとの差に表れ、従来のマスウインドウは、従来(式(7))の最大質量数mと、式(8)の最小質量数mとの差に表れる。これより、フラグメントイオンの質量数mの全域にわたり、本発明(式(6))の最大質量数mは、従来(式(7))の最大質量数mより大きくなり、本発明のマスウインドウは、従来のマスウインドウより広くすることができる。また、本発明(式(6))の最大質量数mは、フラグメントイオンの質量数mが小さくなるほど、大きくなる傾向があり、本発明のマスウインドウも、フラグメントイオンの質量数mが小さくなるほど、広くなる傾向がある。
図6に、本発明の質量分析方法による測定において、測定のデータ収集((a)参照)を3回繰り返した場合を示す。測定1回目では、図6(b)に示すように、制御部14が、オペレータによって入力されたフラグメントイオンの質量数(質量電荷比)に基づいて、フラグメントイオンの質量数m(m)を決定する。そして、制御部14は、図6(c)に示すように、加速電圧ΔUを決定する。加速電圧ΔUは、式(5)を利用して、フラグメントイオンの質量数m(m)と一定値のフラグメントイオンの速度vに基づいて算出され、決定される。なお、制御部14は、図6(d)に示すように、分析交流電圧RF4や、分析直流電圧DC4も決定する。分析交流電圧RF4や、分析直流電圧DC4は、質量分析部11で、決定された質量数m(m)のフラグメントイオンが、選択されて、検出器13に検出されるように決定できる。
図6(b)に示すように、測定2回目では、測定1回目より、大きなフラグメントイオンの質量数m(m)が、制御部14によって決定された場合を示している。また、測定3回目では、測定2回目より、さらに大きなフラグメントイオンの質量数m(m)が、制御部14によって決定された場合を示している。これに応じて、図6(c)に示すように、測定2回目では、測定1回目より、大きな加速電圧ΔUが、制御部14によって決定されている。また、測定3回目では、測定2回目より、さらに大きな加速電圧ΔUが、制御部14によって決定されている。このように決定することによって、フラグメントイオンの速度vを一定とすることができる。また、図6(d)に示すように、測定2回目では、測定1回目より、大きな分析交流電圧RF4や、分析直流電圧DC4が、制御部14によって決定されている。また、測定3回目では、測定2回目より、さらに大きな分析交流電圧RF4や、分析直流電圧DC4が、制御部14によって決定されている。このように決定することによって、質量分析部11で、決定された質量数m(m)のフラグメントイオンが、選択されて、検出器13に検出される。
次に、マススペクトルを取得する場合について説明する。
図7(a)と図7(b)に示すように、測定回毎に、制御部14は、フラグメントイオンの質量数m(m)を、測定範囲として予め設定された最小質量数mminから最大質量数mmaxまで掃引する。この掃引時の時刻毎におけるフラグメントイオンの質量数m(m)に応じて、制御部14は、図7(c)に示すように、加速電圧ΔUを決定する。加速電圧ΔUは、式(5)を利用して、掃引され逐次変化するフラグメントイオンの質量数m(m)と一定値のフラグメントイオンの速度vに基づいて算出され、逐一決定される。これより、加速電圧ΔUは、あたかも設定範囲をその最小値から最大値まで掃引したように変化する。
なお、制御部14は、図7(d)に示すように、分析交流電圧RF4や、分析直流電圧DC4も決定する。分析交流電圧RF4や、分析直流電圧DC4は、掃引され逐一決定される質量数m(m)のフラグメントイオンが、質量分析部11で選択されて検出器13に検出されるように決定される。これより、分析交流電圧RF4や、分析直流電圧DC4は、設定範囲の最小値から最大値まで掃引したように変化する。また、制御部14は、加速電圧ΔU(第2直流電圧DC32)の掃引のスタートから、フラグメントイオンの衝突室9(線形四重極電極a、b、c、d)の透過に要する一定時間Δtの経過後に、分析交流電圧RF4と分析直流電圧DC4の掃引をスタートさせている。これによれば、S/N比の高いマススペクトルを取得することができる。なお、このようなスタート方法は、掃引する場合に限らず、図6(d)の分析交流電圧RF4や、分析直流電圧DC4のスタートにおいて実施しても良い。
(第2の実施形態)
図8(a)に、本発明の第2の実施形態に係る質量分析装置100の構成図を示し、図8(b)に、質量分析装置100の軸方向に沿った電位を示す。第2の実施形態の質量分析装置100が、第1の実施形態の質量分析装置100と異なっている点は、同期部15を有している点である。同期部15は、衝突交流電源RF3の衝突交流電圧RF3を、分析交流電源RF4の分析交流電圧RF4に同期させ、同電位とする。
4段目クワドロポール(4段目線形四重極電極)12は、フラグメントイオンを質量分離するが、一般的に四重極質量分析計(線形四重極電極)では固有値qが0.706(q=0.706)で操作するため、フラグメントイオンの質量数mと分析交流電圧RF4の振幅V’の関係は、式(2)より、以下の式(9)で示される。
Figure 0005530531
このとき、擬似ポテンシャルの深さD’は、式(9)を式(3)に代入して、以下の式(10)で表される。
Figure 0005530531
ここで、第2の実施形態では、衝突交流電圧RF3と分析交流電圧RF4は、同期し同電位であるので、衝突交流電圧RF3の振幅Vと、分析交流電圧RF4の振幅V’は、等しい(V’=V)。このため、分析交流電圧RF4によって生成される擬似ポテンシャルの深さD’は、衝突交流電圧RF3によって生成される擬似ポテンシャルの深さDに等しい(D’=D)。第1の実施形態で説明したように、擬似ポテンシャル深さDが加速電圧ΔUと等しくなる(D=ΔU)とき、フラグメントイオンの質量数mがマスウインドウにおける最大質量数mとなり、第2の実施形態では、さらに、擬似ポテンシャルの深さD’が擬似ポテンシャルの深さDに等しい(D’=D)ので、擬似ポテンシャルの深さD’が加速電圧ΔUと等しくなる(D’=ΔU)とき、フラグメントイオンの質量数mがマスウインドウにおける最大質量数m(m’)となる。式D’=ΔUに、式(5)および式(10)を代入し、D’とΔUを消すと、マスウインドウにおける最大質量数m’とフラグメントイオンの質量数mとの関係を表す式(11)を求めることができる。
Figure 0005530531
図9に示すように、式(11)より、最大質量数m’はフラグメントイオンの質量数mに比例することがわかる。一方、式(9)より、分析交流電圧RF4の振幅V’もフラグメントイオンの質量数mに比例するため、最小質量数m’もフラグメントイオンの質量数mに比例する。すなわち、式(2)における固有値qを0.908とおき(q=0.908)、第2の実施形態では、衝突交流電圧RF3と分析交流電圧RF4は同期し同電位で、衝突交流電圧RF3の振幅Vと分析交流電圧RF4の振幅V’は等しい(V’=V)ので、式(2)のVに式(9)のV’を代入して、V、V’を消去すると、マスウインドウにおける最小質量数m’とフラグメントイオンの質量数mとの関係を表す式(12)を求めることができる。
Figure 0005530531
図9に、本発明(式(11))の最大質量数m’と、本発明(式(12))の最小質量数m’を実線で示し、従来(式(7))の最大質量数mと、式(8)の最小質量数mを、破線で示す。本発明のマスウインドウは、本発明(式(11))の最大質量数m’と、本発明(式(12))の最小質量数m’との差に表れ、従来のマスウインドウは、従来(式(7))の最大質量数mと、式(8)の最小質量数mとの差に表れる。これより、フラグメントイオンの質量数mの全域にわたり、式(11)の最大質量数m’はフラグメントイオンの質量数mより大きく(m’>m)、式(12)の最小質量数m’はフラグメントイオンの質量数mより小さい(m’<m)ので、どんな大きさの質量数mを有するフラグメントイオンであっても、測定することができる。また、本発明のマスウインドウは、フラグメントイオンの質量数mが大きくなるほど、広くなる傾向がある。
図10に、本発明の第2の実施形態の質量分析方法による測定において、測定のデータ収集((a)参照)を3回繰り返した場合を示す。第2の実施形態の質量分析方法が、第1の実施形態の質量分析方法(図6参照)と異なる点は、図10(d)と図10(e)に示すように、衝突交流電圧RF3を、分析交流電圧RF4に同期させ同電位としている点である。測定1回目より、測定2回目では、大きな分析交流電圧RF4が、制御部14によって決定され、測定3回目では、測定2回目より、さらに大きな分析交流電圧RF4が、制御部14によって決定されると、衝突交流電圧RF3は、それらに対して同電位に設定されるので、測定1回目より測定2回目が大きく設定され、測定3回目では測定2回目よりさらに大きく設定される。このように設定することによって、図9で説明したように、決定された質量数m(m)に対して、それが確実に含まれるマスウインドウを設けることができる。
次に、マススペクトルを取得する場合について説明する。第2の実施形態の質量分析方法(マススペクトルの取得方法)が、第1の実施形態の質量分析方法(マススペクトルの取得方法、図7参照)と異なる点は、図11(d)と図11(e)に示すように、衝突交流電圧RF3を、分析交流電圧RF4に同期し同電位となるように掃引している点である。制御部14は、図11(b)と(d)に示すように、分析交流電源RF4が、掃引され逐一決定される質量数m(m)のフラグメントイオンが、質量分析部11で選択されて検出器13に検出されるように決定される。これより、分析交流電圧RF4は、設定範囲の最小値から最大値まで掃引したように変化する。そして、衝突交流電圧RF3は、逐一、分析交流電圧RF4と同電位となるように変化する。その結果、衝突交流電圧RF3も、あたかも設定範囲の最小値から最大値まで掃引したように変化することになる。
(第3の実施形態)
図12に、本発明の第3の実施形態に係る質量分析装置100の構成図を示す。第3の実施形態の質量分析装置100が、第1の実施形態の質量分析装置100と異なっている点は、第1の実施形態の質量分析部(四重極形質量分析計)11に替えて、第2の実施形態の質量分析部11aに、飛行形質量分析計(TOFMS:Time Of Flight Mass Spectrometer)を用いている点である。
飛行形質量分析計の質量分析部11aは、フラグメントイオンを加速するアクセルスタック16と、フラグメントイオン毎の運動エネルギを均一にする反射電極17と、フラグメントイオンを検出し電流値に変換する検出器13とを有している。本第3の実施形態では、直行加速反射形飛行時間形質量分析計を例とするが、軸方向に加速する方法や反射電極17を用いずフラグメントイオンの進行方向に検出器を配置する方法においても、本発明は実施可能である。
飛行形質量分析計の質量分析部11aは、フラグメントイオンを、アクセルスタック16に発生させる電界により加速し、検出器13に到達する時間を計測することで質量分離を行う。その電界によりフラグメントイオンに与えられる加速エネルギは、フラグメントイオンの質量電荷比(質量数m)によらず、一定のため、検出器13に到達する時間は、質量電荷比(m)によって異なる。すなわち、質量電荷比(m)の小さいフラグメントイオンほど速く、質量電荷比(m)の大きいフラグメントイオンほど遅く、検出器13に到達する。この到達時刻は、質量電荷比(m)に一対一に対応し、到達時刻毎に検出器13から出力される電流値を取得しグラフ化すれば、マススペクトルを得ることができる。飛行形質量分析計は、質量分解能が高く、かつ質量精度が高いため、定性性能が高い特徴を持っている。
また、第3の実施形態の質量分析装置100は、選択部(2段目クワドロポール(2段目線形四重極電極))5と、飛行形質量分析計の質量分析部11aを結合した装置であり、その間に衝突室9が設けられている。これにより、イオン選択と衝突誘起解離を1回以上行うMS/MS分析ができる。MS/MS分析が可能な質量分析装置は、タンデムMSと呼ばれ、第3の実施形態の質量分析装置100のような四重極-飛行形質量分析計(Q-TOF)や、第1の実施形態の質量分析装置100のような三連四重極形質量分析計(Triple QMS)、さらには、イオントラップ質量分析計が挙げられる。イオントラップ質量分析計は、第1の実施形態の質量分析装置100において、衝突室9の3段目線形四重極電極a、b、c、dで、選択部5の2段目線形四重極電極と、質量分析部11の4段目線形四重極電極12も兼ね、Collision Energyを、細孔6の電位と、第1直流電圧DC31との電位差としてしまうものである。そして、第3の実施形態の四重極-飛行形質量分析計(Q-TOF)、第1の実施形態の三連四重極形質量分析計(Triple QMS)、イオントラップ質量分析計でも、本発明の質量分析方法による測定の実施は可能である。
図13を用いて、本発明の第3の実施形態の質量分析方法による測定において、マススペクトルを取得する場合について説明する。第3の実施形態の質量分析方法(マススペクトルの取得方法)が、第2の実施形態の質量分析方法(マススペクトルの取得方法、図11参照)と異なる点は、分析交流電源RF4が必要ないので、図11(d)に示すような分析交流電圧RF4が存在しない点である。一方、図13(b)に示すように、制御部14は、アクセルスタック(加速電極)16に、パルス状の電圧を印加する。パルス状の電圧が印加される度に、フラグメントイオンは加速され、制御部14は、到達時刻の計測をスタートさせる。
第3の実施形態でも、フラグメントイオンの速度Vを一定とし、第1と第2の実施形態と同様の方法で、質量分析部11aが飛行時間形質量分析計であるため、その測定質量範囲をフラグメントイオンの質量数mが図13(c)となるように、測定回毎のデータ収集時間の時間間隔でスイープ(掃引)する。具体的に、制御部14は、図13(d)に示すように加速電圧ΔU(第2直流電圧DC32)の電圧操作を行う。これによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図13(e)に示すように、図11(e)と同様に、衝突交流電圧RF3や第1直流電圧DC31を掃引することで、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。ただ、第3の実施形態では、分析交流電源RF4が存在しないので、分析交流電圧RF4に衝突交流電圧RF3を同期させることができない。そこで、加速電圧ΔU(第2直流電圧DC32)に同期させている。
1 イオン源部
2 細孔
3 イオンガイド部(1段目クワドロポール(1段目線形四重極電極))
4 細孔
5 選択部(2段目クワドロポール(2段目線形四重極電極))
6 細孔
7a、7b、7c、7d 3段目線形四重極電極の前段電極
8a、8b、8c、8d 3段目線形四重極電極の後段電極
9 衝突室
10 細孔
11 質量分析部(四重極形質量分析計)
11a 質量分析部(飛行形質量分析計)
12 4段目クワドロポール(4段目線形四重極電極)
13 検出器
14 制御部
15 同期部
16 加速電極
17 反射電極
100 質量分析装置
a、b、c、d 線形多重極電極(3段目線形四重極電極)
DC1 ガイド直流電源(ガイド直流電圧)
DC2 選択直流電源(選択直流電圧)
DC31 第1直流電源(第1直流電圧)
DC32 第2直流電源(第2直流電圧ΔU:加速電圧)
DC4 分析直流電源(分析直流電圧)
RF1 ガイド交流電源(ガイド交流電圧)
RF2 選択交流電源(選択交流電圧)
RF3 衝突交流電源(衝突交流電圧)
RF4 分析交流電源(分析交流電圧)
ΔU 第2直流電圧

Claims (20)

  1. 線形多重極電極を有し、前記線形多重極電極間に衝突交流電圧と第1直流電圧を重畳し印加して、分子イオンを中性分子と衝突させ、前記分子イオンの衝突誘起解離を行いフラグメントイオンを生成し、前記線形多重極電極毎に分割された前段電極と後段電極の間に第2直流電圧を印加して、前記フラグメントイオンを前記線形多重極電極に沿った方向に加速させる衝突室と、
    前記衝突室で加速した前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離する質量分析部と、
    前記フラグメントイオンの質量電荷比によらず前記衝突室内における前記フラグメントイオンの速度が等しくなるように、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比に基づいて、前記第2直流電圧を決定する制御部とを有し、
    前記衝突室の前記線形多重極電極毎に分割された前記前段電極と前記後段電極の分割比は、前記線形多重極電極毎に異なっていることを特徴とする質量分析装置。
  2. 線形多重極電極を有し、前記線形多重極電極間に衝突交流電圧と第1直流電圧を重畳し印加して、分子イオンを中性分子と衝突させ、前記分子イオンの衝突誘起解離を行いフラグメントイオンを生成し、前記線形多重極電極毎に分割された前段電極と後段電極の間に第2直流電圧を印加して、前記フラグメントイオンを前記線形多重極電極に沿った方向に加速させる衝突室と、
    前記衝突室で加速した前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離する質量分析部と、
    前記フラグメントイオンの質量電荷比によらず前記衝突室内における前記フラグメントイオンの速度が等しくなるように、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比に基づいて、前記第2直流電圧を決定する制御部とを有し、
    前記衝突室の前記線形多重極電極毎に分割された前記前段電極と前記後段電極の分割位置は、前記線形多重極電極に沿った方向において、前記線形多重極電極毎に異なっていることを特徴とする質量分析装置。
  3. 前記制御部は、前記質量分析部で選択する質量電荷比が大きいほど、前記第2直流電圧を大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の質量分析装置。
  4. 前記質量分析部で選択する質量電荷比が大きいほど、
    前記衝突室を経て前記質量分析部で質量分離され得る前記フラグメントイオンの質量電荷比の上限が小さくなることを特徴とする請求項1または2に記載の質量分析装置。
  5. 前記制御部は、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比に基づいて、選択された前記フラグメントイオンに前記衝突室内を透過させるように、前記衝突交流電圧と前記第1直流電圧の少なくともどちらか一方を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の質量分析装置。
  6. 前記質量分析部は、
    前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離するために、分析交流電圧と分析直流電圧が印加される分析用多重極電極を有し、
    前記制御部は、
    前記第2直流電圧の印加のスタートから、前記フラグメントイオンの前記衝突室の透過に要する一定時間の経過後に、前記分析交流電圧と前記分析直流電圧の少なくともどちらか一方の印加をスタートさせることを特徴とする請求項1または2に記載の質量分析装置。
  7. 前記質量分析部は、
    前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離するために、分析交流電圧と分析直流電圧が印加される分析用多重極電極を有し、
    前記制御部は、
    前記衝突交流電圧を、前記分析交流電圧と同期して同電位とすることを特徴とする請求項1または2に記載の質量分析装置。
  8. 前記質量分析部で選択する質量電荷比が大きいほど、
    前記衝突室を経て前記質量分析部で質量分離され得る前記フラグメントイオンの質量電荷比の上限が大きくなることを特徴とする請求項7に記載の質量分析装置。
  9. 前記質量分析部で選択する質量電荷比が大きいほど、
    前記衝突室を経て前記質量分析部で質量分離され得る前記フラグメントイオンの前記質量電荷比の下限が、前記上限が大きくなるレートより小さいレートで、大きくなることを特徴とする請求項8に記載の質量分析装置。
  10. 前記制御部は、
    選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比を掃引し、
    前記フラグメントイオンの質量電荷比によらず前記衝突室内における前記フラグメントイオンの速度が等しくなるように、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比の掃引に同期して、前記第2直流電圧を掃引し、
    前記質量電荷比毎に質量分離された前記フラグメントイオンの量を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の質量分析装置。
  11. 前記制御部は、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比に基づいて、選択された前記フラグメントイオンに前記衝突室内を透過させるように、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比又は前記第2直流電圧の掃引に同期して、前記衝突交流電圧と前記第1直流電圧の少なくともどちらか一方を掃引することを特徴とする請求項10に記載の質量分析装置。
  12. 前記質量分析部は、
    前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離するために、分析交流電圧と分析直流電圧が印加される分析用多重極電極を有し、
    前記制御部は、
    前記第2直流電圧の掃引のスタートから、前記フラグメントイオンの前記衝突室の透過に要する一定時間の経過後に、前記分析交流電圧と前記分析直流電圧の少なくともどちらか一方の掃引をスタートさせることを特徴とする請求項10に記載の質量分析装置。
  13. 前記質量分析部は、
    前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離するために、分析交流電圧と分析直流電圧が印加される分析用多重極電極を有し、
    前記制御部は、
    前記衝突交流電圧の掃引を、前記分析交流電圧の掃引と同期して同電位で行うことを特徴とする請求項10に記載の質量分析装置。
  14. 前記質量分析部は、飛行時間形質量分析計であることを特徴とする請求項10に記載の質量分析装置。
  15. 特定の質量電荷比を有する前記分子イオンを、取り込んだ前記分子イオンの中から選択して、前記衝突室に供給する選択部を有し、
    前記制御部は、前記特定の質量電荷比を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の質量分析装置。
  16. 試料分子をイオン化し前記分子イオンを生成するイオン源部と、
    前記分子イオンを前記選択部へ輸送するイオンガイド部とを有することを特徴とする請求項15に記載の質量分析装置。
  17. 前記衝突室は、前記選択部と前記質量分析部の少なくともどちらか一方を兼ねることを特徴とする請求項15に記載の質量分析装置。
  18. 衝突室にて、線形多重極電極間に衝突交流電圧と第1直流電圧を重畳し印加して、分子イオンを中性分子と衝突させ、前記分子イオンの衝突誘起解離を行いフラグメントイオンを生成し、
    さらに、前記衝突室にて、前記線形多重極電極毎に分割された前段電極と後段電極の間に第2直流電圧を印加して、前記フラグメントイオンを前記線形多重極電極に沿った方向に加速させ、
    質量分析部にて、前記衝突室で加速した前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離する質量分析方法において、
    前記衝突室の前記線形多重極電極毎に分割された前記前段電極と前記後段電極の分割比は、前記線形多重極電極毎に異なっており、
    前記フラグメントイオンの質量電荷比によらず前記衝突室内における前記フラグメントイオンの速度が等しくなるように、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比に基づいて、前記第2直流電圧を決定することを特徴とする質量分析方法。
  19. 衝突室にて、線形多重極電極間に衝突交流電圧と第1直流電圧を重畳し印加して、分子イオンを中性分子と衝突させ、前記分子イオンの衝突誘起解離を行いフラグメントイオンを生成し、
    さらに、前記衝突室にて、前記線形多重極電極毎に分割された前段電極と後段電極の間に第2直流電圧を印加して、前記フラグメントイオンを前記線形多重極電極に沿った方向に加速させ、
    質量分析部にて、前記衝突室で加速した前記フラグメントイオンを質量電荷比によって質量分離する質量分析方法において、
    前記衝突室の前記線形多重極電極毎に分割された前記前段電極と前記後段電極の分割位置は、前記線形多重極電極に沿った方向において、前記線形多重極電極毎に異なっており、
    前記フラグメントイオンの質量電荷比によらず前記衝突室内における前記フラグメントイオンの速度が等しくなるように、前記質量分析部で選択する前記フラグメントイオンの質量電荷比に基づいて、前記第2直流電圧を決定することを特徴とする質量分析方法。
  20. 前記質量分析部で選択する質量電荷比が大きいほど、前記第2直流電圧を大きくすることを特徴とする請求項18または19に記載の質量分析方法。
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