JP5527590B2 - 送電装置、受電装置及び電力伝送システム - Google Patents

送電装置、受電装置及び電力伝送システム Download PDF

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本発明は、送電装置、受電装置及び電力伝送システムに関し、例えば送電装置から受電装置へ電力を無線で伝送し得る電力伝送システムに適用して好適なものである。
近年、磁界による共鳴現象を利用して送電装置から受電装置に非接触で電力を伝送できることが、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)により確認されている(例えば、非特許文献1参照)。このように磁界の共鳴現象を利用して、送電装置から受電装置まで電力を伝送する電力伝送システムでは、電磁誘導を利用した無接点給電技術に比べて、送電装置から受電装置に電力を伝送できる伝送距離を長くすることができ、例えば数メートル離した場合でも、高い伝送効率で電力を伝送し得ることが確認されている。
Kurs, A. et al. : "Wireless Power Transfer via Strongly Coupled Magnetic Resonances", Science Magazine, Vol.317, No.5834 pp.83-86 (2007)
しかしながら、かかる構成でなる電力伝送システムでは、送電装置の送電共振コイルと受電装置の受電共振コイルとの伝送距離を最適距離からずらすと、これに伴い相互リアクダンスが変化し、その結果、電源側である送電装置から見た負荷側の受電装置において伝送距離に応じてインピーダンスが変化し、伝送効率が急激に低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は以上の点を考慮してなされたもので、送電共振コイル及び受電共振コイル間の伝送距離が変化しても、高い伝送効率を維持できる送電装置、受電装置及び電力伝送システムを提案することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明の請求項1は、磁場の共鳴により受電装置の受電共振コイルと磁気的に結合し、前記受電共振コイルに電力を伝送する送電共振コイルと、電磁誘導又は磁場の共鳴によって前記送電共振コイルに電力を受電させる送電ピックアップコイルとを備え、前記送電ピックアップコイルは、前記送電共振コイルで発生した磁束の鎖交状態を変化させることで、前記送電共振コイルから見た前記送電ピックアップコイルのインピーダンスが調整され、前記送電共振コイルの巻回領域内に、前記送電共振コイルと同一平面上に配置されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2は、前記送電共振コイル及び前記送電ピックアップコイルのうち、少なくともいずれか一方を所定方向へ移動させ、前記送電共振コイルの重心と、前記送電ピックアップコイルの重心との距離を変化させることにより、前記送電ピックアップコイルにおける磁束の鎖交状態を変化させることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項は、誘電性及び又は透磁性を有する挿入部材を備え、前記挿入部材は、前記送電共振コイル及び前記送電ピックアップコイルに対する位置が変化することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項は、前記送電共振コイル及び又は前記送電ピックアップコイルにコンデンサが設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項は、磁場の共鳴により送電装置の送電共振コイルと磁気的に結合し、前記送電共振コイルから電力を受電する受電共振コイルと、電磁誘導又は磁場の共鳴によって前記受電共振コイルから電力を受電する受電ピックアップコイルとを備え、前記受電ピックアップコイルは、前記受電共振コイルで発生した磁束の鎖交状態を変化させることで、前記受電共振コイルから見た前記受電ピックアップコイルのインピーダンスが調整され、前記受電共振コイルの巻回領域内に、前記受電共振コイルと同一平面上に配置されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項は、前記受電共振コイル及び前記受電ピックアップコイルのうち、少なくともいずれか一方を所定方向へ移動させ、前記受電共振コイルの重心と、前記受電ピックアップコイルの重心との距離を変化させることにより、前記受電ピックアップコイルにおける磁束の鎖交状態を変化させることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項は、誘電性及び又は透磁性を有する挿入部材を備え、前記挿入部材は、前記受電共振コイル及び前記受電ピックアップコイルに対する位置が変化することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項は、前記受電共振コイル及び又は前記受電ピックアップコイルにコンデンサが設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項は、磁場の共鳴により受電装置から送電装置に電力が伝送される電力伝送システムにおいて、前記送電装置は、請求項1〜のうちいずれか1項記載の送電装置であり、前記受電装置は、請求項のうちいずれか1項記載の電装置であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項10は、前記受電装置における前記受電共振コイルに対する前記受電ピックアップコイルの位置と、前記送電装置における前記送電共振コイルに対する前記送電ピックアップコイルの位置とが同じ状態に調整されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項1の送電装置によれば、送電ピックアップコイルにおける磁束の鎖交状態を変化させ、これに伴い当該送電ピックアップコイルと送電共振コイルとの昇圧比を上昇又は下降させて、送電共振コイルのインピーダンス比を調整することができ、かくして、当該インピーダンス比の調整により高い伝送効率を維持することができる。
本発明の請求項の受電装置によれば、受電ピックアップコイルにおける磁束の鎖交状態を変化させ、当該受電ピックアップコイルと受電共振コイルとの昇圧比を上昇又は下降させて、受電共振コイルのインピーダンス比を調整することができ、かくして、当該インピーダンス比の調整により高い伝送効率を維持することができる。
本発明の請求項の電力伝送システムによれば、電ピックアップコイルにおける磁束の鎖交状態と、受電ピックアップコイルにおける磁束の鎖交状態とを変化させ、これに伴い当該送電ピックアップコイルと送電共振コイルとの昇圧比と、該受電ピックアップコイルと受電共振コイルとの昇圧比とを上昇又は下降させて、送電共振コイル及び受電共振コイルのインピーダンス比を調整することができ、かくして、当該インピーダンス比の調整により高い伝送効率を維持することができる。
従来システムの全体構成を示す概略図である。 従来システムの等価回路の回路構成を示すブロック図である。 伝送効率の説明に供する従来システムの概略図である。 周波数比と、インピーダンス比と、伝送効率との関係を示すグラフである。 相対距離の説明に供する概略図である。 相対距離及び結合係数が変化したときの周波数比と、インピーダンス比と、伝送効率との関係を示すグラフである。 本発明における電力伝送システムの全体構成を示す概略図である。 送電共振コイル及び送電ピックアップコイルの構成と、受電共振コイル及び受電ピックアップコイルの構成を示す概略図である。 検証に用いた電力伝送システムの全体構成を示す概略図である。 送電装置及び受電装置をトラッキングジェネレータ付スペクトラアナライザに接続したときの構成を示す概略図である。 相対距離と、結合係数と、伝送効率の関係を示すグラフである。 相対距離と、ピックアップコイル位置と、インピーダンス比の関係を示すグラフである。 無制御時、片側制御時及び両側制御時における伝送効率と伝送距離との関係を示すグラフである。 第2の実施の形態による送電装置及び受電装置の構成と、第3の実施の形態による送電装置の構成を示す概略図である。 第4の実施の形態による送電装置の構成と、第5の実施の形態による送電装置の構成を示す概略図である。 第6の実施の形態による送電装置の構成を示す概略図である。 第7の実施の形態による送電装置の構成を示す概略図である。
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。
(1)電力の伝送効率及びインピーダンス比について
図1において、1は本発明の概略を説明するために用いる従来の電力伝送システム(以下、これを従来システムと呼ぶ)を示し、磁界による共鳴現象を利用して送電装置2から受電装置3に非接触で電力を伝送し得るようになされている。ここで、磁界による共鳴現象を利用した電力伝送方式では、給電側の送電共振器4に交流電流が流れることにより磁場の振動が発生し、同じ周波数で共振する受電側の受電共振器5に磁場の振動が伝わり、受電共振器5に交流電流が流れるものであり、電磁誘導を利用した電力伝送方式よりも電力の伝送距離を長くし得る。ここでは先ず初めに、この従来システム1を用いて、送電装置2から受電装置3への電力の伝送効率に関してついて以下説明する。
この場合、従来システム1では、交流電源6が送電共振器4に接続されていると供に、例えばランプ等の負荷7が受電共振器5に接続された構成を有し、送電共振器4と受電共振器5とが所定の共振周波数で共鳴し得るようになされている。このような従来システム1については、図2に示すような等価回路に置き換えることができる。
実際上、送電共振器4は、抵抗値Rの抵抗8と、容量Cのコンデンサ9と、自己インダクタンスLの送電ループコイル10とが直列接続された構成を有する。また、送電共振器4には、交流電圧値Vsrcの交流電源6が直列接続され、交流電流値Isrcの交流電流が流れる。一方、受電共振器5は、抵抗値Rの抵抗11と、容量Cのコンデンサ12と、自己インダクタンスLの受電ループコイル13とが直列接続された構成を有する。また、受電共振器5には、抵抗値Ridの負荷7(ここで、Zは伝送線路の特性インピーダンスを示し、負荷7の抵抗値RidはZに一致する)が直列接続されている。
ここで、送電ループコイル10と受電ループコイル13との相互インダクタンスをMSDとし、送電装置2のインピーダンスをZとし、受電装置3のインピーダンスをZとし、磁界の共鳴現象により受電共振器5に交流電流値Iidの交流電流が流れるとする。この場合、従来システム1では、キルヒホッフ第2法則から以下のような数1に示す関係が成り立つ(jは虚数単位、ωは交流電源が出力する交流電圧の出力周波数を示す)。
Figure 0005527590
ここで、10MHz程度以上の高周波では、図3に示すように、入力波Wと反射波Wと透過波Wとに分けて電力の伝送効率を考える。この場合、交流電源6から送電共振器4に入射される入射波Wの電圧振幅Vは、(Vsrc + ZIsrc)/2となり、このときの入力電力PはV /Zとなる。また、入力波Wが送電共振器4で反射して交流電源6側に戻ってくる反射波Wの電圧振幅Vは、(Vsrc − ZIsrc)/2となり、このときの反射電力PはV /Zとなる。さらに、受電共振器5を透過した透過波Wの電圧振幅Vは、ZIsrcとなり、このときの透過電力PはV /Zとなる。
これにより交流電源6から負荷7への電力の伝送効率ηは、以下の数2にように表すことができる。
Figure 0005527590
また、従来システム1は、結合係数kを以下の数3のように表すことができる。
Figure 0005527590
さらに、送電共振器4のQ値をQとし、受電共振器5のQ値をQとすると、Q及びQはそれぞれ以下の数4のように表すことができる(ωは送電共振器4及び受電共振器5の固有振動数を示す)。
Figure 0005527590
また、送電共振器4のインピーダンス比をrとし、受電共振器5のインピーダンス比をrとすると、r及びrはそれぞれ以下の数5のように表すことができる。
Figure 0005527590
電力の伝送効率ηについては、これら結合係数kと、Q値であるQ及びQと、インピーダンス比であるr及びrとを用いて、実物理属性を無次元パラメータとしてまとめると、以下の数6のように表すことができる。
Figure 0005527590
そして、交流電源6の出力周波数がω=ω1又はω=ω2のとき、反射電力P=0になり、インピーダンス比r及びrが以下の数7の関係を満たすとき、上述した伝送効率ηは最大になる。
Figure 0005527590
ここで、周波数比ω/ωと、インピーダンス比r及びrと、伝送効率ηとの関係を示すと、図4のようになる(ここでは結合係数k=0.03、Q値Q=Q=333とする)。そして、伝送効率ηが高いピークηpeakは、送電共振器4と受電共振器5との伝送距離や、結合係数k等により変化する。例えば、図5に示すように、正四辺形状でなり各辺の長さがlでなる送電ループコイル10及び受電ループコイル13を用い、これら送電ループコイル10及び受電ループコイル13間の伝送距離をzとした場合、図6(A)、(B)及び(C)に示すように、相対距離z/l及び結合係数kの変化により、伝送効率ηのピークηpeakが移動する(図6(A)、(B)及び(C)において、伝送効率ηのピークηpeakを星印で示す)。
特に、伝送距離zが小さくなると、共振周波数の***によって生じる伝送効率ηの谷間が大きくなり、伝送効率ηが大きく下がる。従って、伝送距離zが変化したときに高い伝送効率ηを維持するためには、インピーダンス比の整合を図ることが必要となる。
ここで、図7において、21は本発明の電力伝送システムを示し、この電力伝送システム21は、送電共振コイル22に送電ピックアップコイル23が移動可能に設けられた送電装置24と、受電共振コイル25に受電ピックアップコイル26が移動可能に設けられた受電装置27とを備え、送電装置24及び受電装置27間の伝送距離が変化しても、これに応じて送電ピックアップコイル23及び又は受電ピックアップコイル26を最適な位置に調整することで、インピーダンス比を上述した数7の(1+k1/2と一致するように整合を図り、高い伝送効率を維持し得るようになされている。以下、本発明の電力伝送システム21について詳細に説明する。
(2)本発明の概略
実際上、本発明の第1の実施の形態による電力伝送システム21は、磁界の共鳴現象を利用して送電装置24から受電装置27に比接触で電力を伝送し得るようになされている。この実施の形態の場合、送電装置24は、コンデンサ30を備え、磁場の共鳴により受電共振コイル25と磁気的に結合する送電共振コイル22と、コンデンサ31を備えた送電ピックアップコイル23とが、透明なアクリル板からなる支持部32に設けられている。
送電装置24は、送電ピックアップコイル23の外郭が送電共振コイル22の外郭よりも小さく選定されており、当該送電共振コイル22に取り囲まれた領域内に送電ピックアップコイル23が配置され、送電ピックアップコイル23が所定方向にスライド移動することで、送電共振コイル22の重心位置と、送電ピックアップコイル23の重心位置との距離を調整し得るように構成されている。
この実施の形態の場合、送電共振コイル22は、所定の固有振動数を有しており、例えば銅線等の導電性線材が四辺状に折り曲げられコイル状に形成された状態で、保持部33によって支持部32の表面に固定されている。
かかる構成に加えて、支持部32には、送電共振コイル22の外郭内側の表面に、例えば透明なアクリル板からなるスライド部34が上下方向にスライド可能に設けられている。このスライド部34には、送電ピックアップコイル23が表面に固定されていると供に、支持部32に設けられた案内部35に沿って摺動して所定位置で固定可能な固定部(図示せず)が設けられている。これにより、スライド部34は、支持部32に設けられた案内部35に沿って上下方向にスライドすることで、送電ピックアップコイル23の重心位置が上下方向に移動し、送電共振コイル22の重心との距離を調整し得るようになされている。
すなわち、送電ピックアップコイル23は、スライド部34の上下方向へのスライドによって、図8に示すように、送電共振コイル22中で取り囲まれた巻回領域S1と、送電ピックアップコイルで取り囲まれた巻回領域S2とを平行にした状態まま、送電共振コイル22の重心O1と重なる鉛直線Pに沿って、送電ピックアップコイル23の重心O2の位置が上下方向に移動し得る。
このように、送電ピックアップコイル23は、スライド部34が上方にスライドすることにより、送電ピックアップコイル23の重心O2の位置が送電共振コイル22の重心O1の高さまで移動して、当該重心O2が当該送電共振コイルの重心O1と水平線上で重なる。一方、送電ピックアップコイル23は、スライド部34が下方にスライドすることにより、送電ピックアップコイル23の重心O2の位置が送電共振コイル22の重心O1よりも下方側に離れるように移動し得る。
ここで、送電ピックアップコイル23は、例えば銅線等の導電性線材が四辺状に折り曲げられコイル状に形成された状態で、保持部37によってスライド部34の表面に固定されている。また、送電ピックアップコイル23は、送電共振コイル22の固有振動数と同じ所定の固有振動数を有しており、送電共振コイル22の固有振動数と送電ピックアップコイル23の固有振動数とが異なることにより生じる送電装置24全体の共振周波数のずれの発生を防止し得るようになされている。
このような送電装置24には、出力周波数が共振周波数に設定されている交流電源6が配線38を介して送電ピックアップコイル23に接続されており、交流電流が当該交流電源6から送電ピックアップコイル23に給電され、当該送電ピックアップコイル23による電磁誘導又は磁場の共鳴によって送電共振コイル22に交流電流が発生し得るようになされている。
かかる構成に加えて、送電装置24は、送電ピックアップコイル23の重心O2の位置を調整することにより、送電共振コイル22により発生する磁束のうち、当該送電ピックアップコイル23の外郭内を貫く磁束が変化し得るようになされている。これにより送電装置24は、送電ピックアップコイル23側に対し送電共振コイル22が昇圧又は降圧し、当該送電ピックアップコイル23と送電共振コイル22との昇圧比が上昇又は下降して送電共振コイル22のインピーダンス比が調整され得るようになされている。
すなわち、この送電装置24では、送電共振コイル22の重心O1から外縁側に向かうほど磁束密度が高いことから、送電ピックアップコイル23を送電共振コイル22の重心O1側へ移動させることで、当該送電ピックアップコイル23の外郭内を貫く磁束が減少し、送電共振コイル22のインピーダンス比を下げることができる。一方、送電装置24は、送電ピックアップコイル23を送電共振コイル22の外縁側へ移動させることで、当該送電ピックアップコイル23の外郭内を貫く磁束が増加し、送電共振コイル22のインピーダンス比を上げることができる。
一方、図7に示すように、送電装置24から非接触で電力が伝送される受電装置27は、送電装置24と同一構成を有しており、コンデンサ40を備え、磁場の共鳴により送電共振コイル22と磁気的に結合する受電共振コイル25と、コンデンサ41を備えた受電ピックアップコイル26とが、透明なアクリル板からなる支持部42に設けられている。
受電装置27は、受電ピックアップコイル26の外郭が受電共振コイル25の外郭よりも小さく選定されており、当該受電共振コイル25に取り囲まれた領域内に受電ピックアップコイル26が配置され、受電ピックアップコイル26が所定方向にスライド移動することで、受電共振コイル25の重心位置と、受電ピックアップコイルの重心位置との距離を調整し得るように構成されている。
この実施の形態の場合、受電共振コイル25は、送電共振コイル22及び送電ピックアップコイル23と同じ所定の固有振動数を有しており、例えば銅線等の導電性線材が四辺状に折り曲げられコイル状に形成された状態で、保持部43によって支持部42の表面に固定されている。
かかる構成に加えて、支持部42には、受電共振コイル25の外郭内側の表面に、例えば透明なアクリル板からなるスライド部44が上下方向にスライド可能に設けられている。このスライド部44には、受電ピックアップコイル26が表面に固定されていると供に、支持部42に設けられた案内部45に沿って摺動して所定位置で固定可能な固定部(図示せず)が設けられている。これにより、スライド部44は、送電装置24と同様に、支持部42に設けられた案内部45に沿って上下方向にスライドすることで、受電ピックアップコイル26の重心位置が上下方向に移動し、受電共振コイル25の重心位置との距離を調整し得るようになされている。
すなわち、受電ピックアップコイル26も、スライド部44の上下方向へのスライドによって、図8に示したように、受電共振コイル25の重心O1と重なる鉛直線Pに沿って、受電ピックアップコイル26の重心O2の位置が上下方向に移動し得る。このように、受電ピックアップコイル26は、スライド部44が上方にスライドすることにより、受電ピックアップコイル26の重心O2の位置が受電共振コイル25の重心O1の高さまで移動して、当該重心O2が当該受電共振コイル25の重心O1と水平線上で重なる。一方、受電ピックアップコイル26は、スライド部44が下方にスライドすることにより、受電ピックアップコイル26の重心O2の位置が受電共振コイル25の重心O1よりも下方側に離れるように移動し得る。
ここで、受電ピックアップコイル26は、例えば銅線等の導電性線材が四辺状に折り曲げられコイル状に形成された状態で、保持部47によってスライド部44の表面に固定されている。また、受電ピックアップコイル26は、受電共振コイル25の固有振動数と同じ所定の固有振動数を有しており、受電共振コイル25の固有振動数と受電ピックアップコイル26の固有振動数とが異なることにより生じる受電装置27全体の共振周波数のずれの発生を防止し得るようになされている。
かくして、受電装置27は、受電共振コイル25の固有振動数が送電共振コイル22の固有振動数と一致するように選定されていることから、送電共振コイル22により発せられる共振周波数で振動する磁界に受電共振コイル25が共鳴して、受電共振コイル25に交流電流が発生し得る。これにより、受電装置27は、受電共振コイル25による電磁誘導又は磁場の共鳴によって受電ピックアップコイル26にも交流電流が発生し得るようになされている。かくして、受電装置27は、受電ピックアップコイル26に接続された配線48を介して負荷7に電流を給電し得るようになされている。
かかる構成に加えて、受電装置27でも、受電ピックアップコイル26の重心O2の位置を調整することにより、受電共振コイル25により発生する磁束のうち、当該受電ピックアップコイル26の外郭内を貫く磁束が変化し得るようになされている。これにより受電装置27では、受電共振コイル25側に対し受電ピックアップコイル26が昇圧又は降圧し、当該受電ピックアップコイル26と受電共振コイル25との昇圧比が上昇又は下降して受電共振コイル25のインピーダンス比が調整され得るようになされている。
実際上、この受電装置27では、送電装置24と同様に、受電共振コイル25において重心O1から外縁側に向かうほど磁束密度が高いことから、受電ピックアップコイル26を受電共振コイル25の重心O1側へ移動させることで、当該受電ピックアップコイル26の外郭内を貫く磁束が減少し、受電共振コイル25のインピーダンス比を下げることができる。一方、受電装置27は、受電ピックアップコイル26を受電共振コイル25の外縁側へ移動させることで、当該受電ピックアップコイル26の外郭内を貫く磁束が増加し、受電共振コイル25のインピーダンス比を上げることができる。
(3)本発明の電力伝送システムにおける送電ピックアップコイル及び受電ピックアップコイルの位置変化と、伝送効率との関係
次に、図9に示すような電力伝送システム21を作製し、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26の位置変化と、このときの送電装置24から受電装置25への電力の伝送効率との関係について検証した。実際上、送電装置24では、例えば一辺lが約198mmでなる正四辺形状の送電共振コイル22と、一辺Lが送電共振コイル22の一辺lの半分程度の約96mmでなる正四辺形状の送電ピックアップコイル23とを用い、当該送電共振コイル22から約2mm離れた位置に、当該送電共振コイル22と平行に対向するように送電ピックアップコイル23を配置した。
また、送電ピックアップコイル23は、送電共振コイル22の重心O1と重なる鉛直線に沿って、その重心O2の位置が上下方向に移動し得るように設けた。この場合、送電ピックアップコイル23は、送電共振コイル22の重心O1の高さを基準高さHoとし、この基準高さHoから鉛直下方へ最大約48mmまで当該送電ピックアップコイル23の重心O2の位置を移動し得るように設定した。これにより、送電ピックアップコイル23は、例えば重心O2が基準高さHoのときに、水平線上で重心O2が送電共振コイル22の重心O1と一致するように配置される。
また、受電装置25は、送電装置24と同一の構成とし、例えば一辺lが約198mmでなる正四辺形状の受電共振コイル25と、一辺Lが受電共振コイル25の一辺lの半分程度の約96mmでなる正四辺形状の受電ピックアップコイル26とを用い、当該受電共振コイル25から約2mm離れた位置に、当該受電共振コイル25と平行に対向するように受電ピックアップコイル26を配置した。
また、受電ピックアップコイル26は、受電共振コイル25の重心O1と重なる鉛直線に沿って、その重心O2が上下方向に移動し得るように設けた。この場合、受電ピックアップコイル26は、受電共振コイル25の重心O1の高さを基準高さHoとし、当該受電ピックアップコイル26の重心O2がこの基準高さHoから鉛直下方へ最大約48mmまで移動し得るように設定した。これにより、受電ピックアップコイル26は、例えば重心O2が基準高さHoのときに、水平線上で重心O2が受電共振コイル25の重心O1と一致するように配置される。
そして、送電共振コイル22及び受電共振コイル25は、送電共振コイル22及び受電共振コイル25間の伝送距離zを、一辺lの約1倍〜2倍でなる200〜400mmの間で調整し得るようにした。なお、これら送電共振コイル22、送電ピックアップコイル23、受電共振コイル25及び受電ピックアップコイル26にはコンデンサ30,31,40,41としてそれぞれマイカコンデンサを設けた。
そして、図10に示すように、電力伝送システム21では、トラッキングジェネレータ付スペクトラアナライザ50のTG(トラッキングジェネレータ)出力に送電ピックアップコイル23を電気的に接続させると供に、当該トラッキングジェネレータ付スペクトラアナライザ50のSA(スペアナ)入力に受電ピックアップコイル26を電気的に接続し、電源周波数としてこれら送電共振コイル22、送電ピックアップコイル23、受電共振コイル25及び受電ピックアップコイル26の平均共振周波数13.44MHzを設定した。
先ず初めに、送電共振コイル22及び受電共振コイル25間の伝送距離zを200mmから400mmまで所定間隔で大きくしてゆき、各伝送距離zにおいて、インピーダンス比が上述した数7の(1+k1/2と一致するように、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26の位置(以下、基準高さHoからの送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26の位置を、単にピックアップコイル位置yと呼ぶ)を調整し(以下、これをインピーダンス整合と呼ぶ)、最も高い伝送効率(インピーダンス整合時の伝送効率)を調べたところ、図11に示すような結果が得られた。なお、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26は、同じピックアップコイル位置yに設定した。
図11では、送電共振コイル22及び受電共振コイル25間の伝送距離zの変化を、相対距離z/lで表した。また、比較例として、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26をピックアップ位置y=0に固定した状態で、送電共振コイル22及び受電共振コイル25間の伝送距離zを200mmから400mmまで所定間隔で大きくしてゆき、各伝送距離zにおける伝送効率(インピーダンス不整合時の伝送効率)についても調べた。また、相対距離z/lに対する結合係数kについても調べた。その結果、図11のような結果が得られた。
さらに、インピーダンス整合時の伝送効率と、インピーダンス不整合時の伝送効率とについて、それぞれ理論値を算出したところ、図11に示すような結果が得られた。図11に示すように、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26の各ピックアップコイル位置yを調整し、インピーダンス整合を行うことにより、常に高い伝送効率ηが得られることが確認できた。
次に、送電共振コイル22及び受電共振コイル25間の伝送距離zを変えてゆき、各伝送距離zにおいて、インピーダンス整合時におけるインピーダンス比と、ピックアップコイル位置yとの関係について調べたところ、図12に示すような結果が得られた。
図12に示す結果から、高い伝送効率ηを得たときのピックアップコイル位置yでのインピーダンス比の実測値と、インピーダンス比の理論値とが一致することが確認できた。また、伝送距離zが大きくなるに従って、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26のピックアップコイル位置yが、送電共振コイル22及び受電共振コイル25の重心O1側へそれぞれ移動することが確認できた。
次に、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26のいずれか一方だけを移動させたときに、伝送効率ηがどのように変化するかについても検証した。その結果、図13に示すような結果が得られた。この場合、伝送効率ηが60%以上であることを条件とし、当該伝送効率ηが60%となる送電共振コイル22と受電共振コイル25の伝送距離z=300mmを設計点とした。
ここで、図13では、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26の両方を同じピックアップコイル位置yに調整したときの結果を、「両側制御」として示した。また、図13では、送電ピックアップコイル23又は受電ピックアップコイル26のうちいずれか一方をピックアップコイル位置y=0に固定し、他方の受電ピックアップコイル26又は送電ピックアップコイル23のピックアップコイル位置yだけを調整したときの結果を、「片側制御」として示した。さらに、図13では、送電ピックアップコイル23又は受電ピックアップコイル26の両方をピックアップコイル位置y=0に固定したときの結果を、「無制御」として示した。
図13に示すように、伝送距離zのうち伝送効率ηが60%以上となる伝送距離zの範囲(以下、有効伝送範囲と呼ぶ)は、無制御時の有効伝送範囲に比べて、片側制御時及び両側制御時のほうが格段的に広くなることが確認できた。
(4)動作及び効果
以上の構成において、電力伝送システム21では、所定の固有振動数を有する送電共振コイル22を備える送電装置24と、当該送電共振コイル22の固有振動数と一致した固有振動数を有する受電共振コイル25を備える受電装置27とを所定の伝送距離zを設けて配置し、送電共振コイル22で発生する磁界によって受電共振コイル25を共鳴させ、当該送電共振コイル22から受電共振コイル25に電力を比接触で伝送する。
これに加えて、送電装置24では、電磁誘導又は磁場の共鳴によって送電共振コイル22に電力を受電させる送電ピックアップコイル23を、送電共振コイル22と対向するように配置し、当該送電共振コイル22の巻回領域S1と、送電ピックアップコイルの巻回領域S2とを平行にした状態のまま、送電ピックアップコイル23が上下方向に移動するようにしたことにより、送電共振コイル22の重心O1と送電ピックアップコイル23の重心O2との距離を変化させる。
これにより、送電装置24は、送電ピックアップコイル23の重心O2の位置を調整することにより、送電共振コイル22により発生する磁束のうち、当該送電ピックアップコイル23の外郭内を貫く磁束が変化して、当該送電ピックアップコイル23と送電共振コイル22との昇圧比が上昇又は下降して送電装置24のインピーダンス比を調整することができる。かくして、送電装置24では、送電ピックアップコイル23の外郭内を貫く磁束の状態(鎖交状態)を変化させて、送電共振コイル22から見た送電ピックアップコイル23のインピーダンスを調整することで、高い伝送効率ηを維持することができる。
また、受電装置27では、受電共振コイル25による電磁誘導又は磁場の共鳴によって受電共振コイル25から電力を受電する受電ピックアップコイル26を、当該受電共振コイル25と対向するように配置し、当該受電共振コイル25の巻回領域S1と、受電ピックアップコイル26の巻回領域S2とを平行にした状態のまま、受電ピックアップコイル26が上下方向に移動するようにしたことにより、受電共振コイル25の重心O1と受電ピックアップコイル26の重心O2との距離を変化させる。
これにより、受電装置27では、受電ピックアップコイル26の重心O2の位置を調整することにより、受電共振コイル25により発生する磁束のうち、当該受電ピックアップコイル26の外郭内を貫く磁束が変化して、当該受電ピックアップコイル26と受電共振コイル25との昇圧比が上昇又は下降して受電装置27のインピーダンス比を調整することができる。かくして、受電装置27では、受電ピックアップコイル26の外郭内を貫く磁束の状態(鎖交状態)を変化させて、受電共振コイル25から見た受電ピックアップコイル26のインピーダンスを調整することで、高い伝送効率ηを維持することができる。
電力伝送システム21では、送電装置24において送電ピックアップコイル23のピックアップコイル位置yを変えることによりインピーダンス比を調整すると供に、受電装置27においても受電ピックアップコイル26のピックアップコイル位置yを変えることによりインピーダンス比を調整し、送電ピックアップコイル23又は受電ピックアップコイル26のいずれか一方のピックアップコイル位置yだけを変える場合に比して、インピーダンス比の調整量を大きくさせることができ、一段と高い伝送効率ηで電力を伝送させることができる。
また、送電装置24では、送電共振コイル22の巻回領域S1と送電ピックアップコイル23の巻回領域S1とが対向するように配置されていると供に、送電共振コイル22に対し所定間隔を設けて送電ピックアップコイル23が配置されていることにより、送電共振コイル22の巻回領域S1を超えて外郭の外側にまで当該送電ピックアップコイル23を移動させることができ、かくして送電ピックアップコイル23を移動させる自由度が大きくなり、インピーダンス比の調整量を一段と大きくさせることができる。
因みに、受電装置27についても送電装置24と同一構成を有しており、受電共振コイル25の巻回領域S1と受電ピックアップコイル26の巻回領域S1とが対向するように配置されていると供に、受電共振コイル25に対し所定間隔を設けて受電ピックアップコイル26が配置されていることから、受電装置27でも受電ピックアップコイル26を移動させる自由度が大きくなり、インピーダンス比の調整量を一段と大きくさせることができる。
(5)他の実施の形態
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態においては、送電共振コイル22、送電ピックアップコイル23、受電共振コイル25及び受電ピックアップコイル26にそれぞれコンデンサ30,31,40,41を設け、これら送電共振コイル22、送電ピックアップコイル23、受電共振コイル25及び受電ピックアップコイル26の各巻回量を減らして薄型化した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、送電共振コイル22、送電ピックアップコイル23、受電共振コイル25及び受電ピックアップコイル26にそれぞれコンデンサ30,31,40,41を設けずに、これら送電共振コイル22、送電ピックアップコイル23、受電共振コイル25及び受電ピックアップコイル26の各巻回量を単に増やすようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、送電共振コイル22、送電ピックアップコイル23、受電共振コイル25及び受電ピックアップコイル26の形状を四辺形状とした場合について述べたが、それら形状はこれに限らず、円形、楕円形、多角形等この他種々の形状にしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
さらに、上述した第1の実施の形態においては、図8に示したように、送電共振コイル22に対して所定間隔を設けた状態で、送電ピックアップコイル23が上下方向に移動する送電装置24について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、送電ピックアップコイル23の外郭内を貫く磁束を変化させることができればよく、当該送電ピックアップコイル23が送電共振コイル22に近づく方向又は遠ざかる方向に移動等、この他各種方向に送電ピックアップコイル23が移動するようにしてもよい。なお、受電装置においても同様に、受電ピックアップコイル26の外郭内を貫く磁束を変化させることができればよく、当該受電ピックアップコイル26を各種方向に移動し得るようにしてもよく、また、送電装置24の送電ピックアップコイル23と、受電装置27の受電ピックアップコイル26とが必ずしも同じ方向に移動しなくともよい。
さらに、上述した実施の形態においては、送電共振コイル22及び受電共振コイル25を固定し、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26を移動させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26を固定し、送電共振コイル22及び受電共振コイル25を移動させるようにしたり、或いは送電共振コイル22及び受電共振コイル25を移動させると供に、送電ピックアップコイル23及び受電ピックアップコイル26も移動させるようにしてもよい。
(5−1)第2の実施の形態
図8との対応部分に同一符号を付して示す図14(A)において、61は第2の実施の形態による送電装置を示し、この送電装置61は、送電共振コイル22の巻回領域S1内に送電ピックアップコイル23を設け、当該送電共振コイル22と送電ピックアップコイル23とを同一平面上に配置した構成を有する。
この場合、送電装置61は、送電共振コイル22の巻回領域S1内に送電ピックアップコイル23の巻回領域S2を配置させ、送電共振コイル22に対して送電ピックアップコイル23を同一平面上に配置させた状態のまま、上下方向に移動し得るように構成されている。この場合、送電共振コイル22の重心O1から送電ピックアップコイル23が離れる方向への移動範囲は、送電ピックアップコイル23が送電共振コイル22の外郭に接するまでとなる。
以上の構成において、送電装置61では、上述した同様な効果が得られる他、送電共振コイル22と送電ピックアップコイル23とを同一平面上に配置した分だけ、送電装置61の薄型化を図ることができる。なお、第2の実施の形態として送電装置61についてのみ説明したが、受電装置62でも、上述した送電装置61と同一の構成を有するようにしてもよい。
(5−2)第3の実施の形態
さらに、上述した実施の形態においては、例えば外郭形状が正四辺形状でなる送電共振コイル23を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図14(A)との対応部分に同一符号を付して示す図14(B)のように、外郭形状が縦長の長方形状でなる送電共振コイル64を適用してもよい。
以上の構成によれば、送電装置65では、送電共振コイル64と、送電ピックアップコイル23とを同一平面上に配置させても、送電ピックアップコイル23の移動範囲が大きくなるので、送電共振コイル22の重心O1と送電ピックアップコイル23の重心O2との距離を大きく変化させることができる。なお、第3の実施の形態として送電装置65についてのみ説明したが、受電装置についても上述した送電装置65と同一の構成としてもよい。
(5−3)第4の実施の形態
図8との対応部分に同一符号を付して示す図15(A)において、71は第4の実施の形態による送電装置を示し、この送電装置71は、送電共振コイル22の巻回領域S1に対して送電ピックアップコイル23の巻回領域S2が所定角度に傾斜して配置された構成を有する。
この場合、送電ピックアップコイル23は、所定角度に傾斜した状態のまま、送電共振コイル22の鉛直線Pに沿って上下方向に移動し、当該送電ピックアップコイル23の重心O2と、送電共振コイル23の重心O1との距離を調整し得るように構成されている。
実際上、送電ピックアップコイル23は、四辺状の一辺が送電共振コイルと近接するように配置されていると供に、当該一辺と対向する他辺が送電共振コイルと所定距離を設けて配置されていることにより、鉛直線Pと平行な中心線X1に対して、送電ピックアップコイル23の巻回領域S2が所定角度θに傾斜するように配置され得る。
このような送電ピックアップコイル23は、図示しないスライド部を介して鉛直線Pに沿って上下方向に移動することにより、所定角度θで傾斜した状態のまま重心O2が上下方向に移動し、送電共振コイル22の重心O1と送電ピックアップコイル23の重心O2との距離を変化させ得る。
以上の構成においても、送電装置71は上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、第4の実施の形態として送電装置71についてのみ説明したが、受電装置についても上述した送電装置と同一の構成としてもよい。
(5−4)第5の実施の形態
図15(A)との対応部分に同一符号を付して示す図15(B)において、81は第5の実施の形態による送電装置を示し、この送電装置81は、送電ピックアップコイル23において中心線X1と直交する方向に延びる四辺状の一辺に回動軸X2が設けられており、当該送電ピックアップコイル23が回動軸X2を中心に回動し得るようになされている。
送電ピックアップコイル23は、回動軸X2を中心に回動することにより、送電共振コイル22の巻回領域S1に対して送電ピックアップコイル23の巻回領域S2が所定角度θに変位し、送電共振コイル22の重心O1と送電ピックアップコイル23の重心O2との距離を変化させ得る。
これにより、送電ピックアップコイル23は、所定角度θに調整され位置決めされることにより、当該送電ピックアップコイル23における磁束の鎖交状態が変化し、インピーダンス比を調整させることができる。以上の構成においても、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、第5の実施の形態として送電装置81についてのみ説明したが、受電装置についても上述した送電装置と同一の構成としてもよい。
(5−5)第6の実施の形態
図15(B)との対応部分に同一符号を付して示す図16において、91は第6の実施の形態による送電装置を示し、この送電装置91は、中心線X1と直交する方向に延び、かつ送電ピックアップコイルの重心O2を通る回転軸X3が設けられており、当該送電ピックアップコイル23が回動軸X3を中心に送電ピックアップコイル23が回動し得るようになされている。
送電ピックアップコイル23は、回動軸X3を中心に回動することにより、送電共振コイル22の巻回領域S1に対して送電ピックアップコイル23の巻回領域S2が所定角度θに変位し得る。この場合、送電ピックアップコイル23は、送電共振コイル22の重心O1と送電ピックアップコイル23の重心O2との距離が変化しないものの、回動軸X3を中心に回動することにより、当該送電ピックアップコイル23における磁束の鎖交状態が変化し、インピーダンス比を調整させることができる。以上の構成においても、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、第6の実施の形態として送電装置91についてのみ説明したが、受電装置についても上述した送電装置と同一の構成としてもよい。
(5−6)第7の実施の形態
図14(A)との対応部分に同一符号を付して示す図17において、92は第7の実施の形態による送電装置を示し、この送電装置92は、送電共振コイル22の巻回領域S1と、送電ピックアップコイル23の巻回領域S2とを貫くように、誘電性及び又は透磁性を有する挿入部材93が配置され得る。
挿入部材93は、例えば円筒形状に形成された鉄芯からなり、鉛直線Pに沿って移動することにより、送電共振コイル22の巻回領域S1と、送電ピックアップコイル23の巻回領域S2とに対する挿入位置を変化させ得るように構成されている。また、この挿入部材93は、鉛直線Pと直交し、かつ送電共振コイル22と送電ピックアップコイル23とへ近づく方向及び遠ざかる方向と平行な挿入線Pxに沿って移動し得るように構成されている。
これにより、挿入部材93は、鉛直線P及び又は挿入線Pxに沿って移動することにより、送電共振コイル22の巻回領域S1と、送電ピックアップコイル23の巻回領域S2への挿入状態を変化させ得る。かくして、送電ピックアップコイル23は、挿入部材93の挿脱状態に応じて当該送電ピックアップコイル23における磁束の鎖交状態が変化し、インピーダンス比を調整させることができる。また、以上の構成においても、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、第7の実施の形態として送電装置92についてのみ説明したが、受電装置についても上述した送電装置と同一の構成としてもよい。
また、上述した第1の実施の形態から第7の実施の形態については、適宜、組み合わせることも可能であり、例えば、第1の実施の形態による送電装置24や第5の実施の形態による送電装置81に、第7の実施の形態における挿入部材93を設けるようにしてもよい。
21 電力伝送システム
22 送電共振コイル
23 送電ピックアップコイル
24 送電装置
25 受電共振コイル
26 受電ピックアップコイル
27 受電装置

Claims (10)

  1. 磁場の共鳴により受電装置の受電共振コイルと磁気的に結合し、前記受電共振コイルに電力を伝送する送電共振コイルと、
    電磁誘導又は磁場の共鳴によって前記送電共振コイルに電力を受電させる送電ピックアップコイルとを備え、
    前記送電ピックアップコイルは、
    前記送電共振コイルで発生した磁束の鎖交状態を変化させることで、前記送電共振コイルから見た前記送電ピックアップコイルのインピーダンスが調整され
    前記送電共振コイルの巻回領域内に、前記送電共振コイルと同一平面上に配置されている
    ことを特徴とする送電装置。
  2. 前記送電共振コイル及び前記送電ピックアップコイルのうち、少なくともいずれか一方を所定方向へ移動させ、前記送電共振コイルの重心と、前記送電ピックアップコイルの重心との距離を変化させることにより、前記送電ピックアップコイルにおける磁束の鎖交状態を変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載の送電装置。
  3. 誘電性及び又は透磁性を有する挿入部材を備え、
    前記挿入部材は、前記送電共振コイル及び前記送電ピックアップコイルに対する位置が変化する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の送電装置。
  4. 前記送電共振コイル及び又は前記送電ピックアップコイルにコンデンサが設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項記載の送電装置。
  5. 磁場の共鳴により送電装置の送電共振コイルと磁気的に結合し、前記送電共振コイルから電力を受電する受電共振コイルと、
    電磁誘導又は磁場の共鳴によって前記受電共振コイルから電力を受電する受電ピックアップコイルとを備え、
    前記受電ピックアップコイルは、
    前記受電共振コイルで発生した磁束の鎖交状態を変化させることで、前記受電共振コイルから見た前記受電ピックアップコイルのインピーダンスが調整され
    前記受電共振コイルの巻回領域内に、前記受電共振コイルと同一平面上に配置されている
    ことを特徴とする受電装置。
  6. 前記受電共振コイル及び前記受電ピックアップコイルのうち、少なくともいずれか一方を所定方向へ移動させ、前記受電共振コイルの重心と、前記受電ピックアップコイルの重心との距離を変化させることにより、前記受電ピックアップコイルにおける磁束の鎖交状態を変化させる
    ことを特徴とする請求項記載の受電装置。
  7. 誘電性及び又は透磁性を有する挿入部材を備え、
    前記挿入部材は、前記受電共振コイル及び前記受電ピックアップコイルに対する位置が変化する
    ことを特徴とする請求項5又は6記載の受電装置。
  8. 前記受電共振コイル及び又は前記受電ピックアップコイルにコンデンサが設けられている
    ことを特徴とする請求項のうちいずれか1項記載の受電装置。
  9. 磁場の共鳴により受電装置から送電装置に電力が伝送される電力伝送システムにおいて、
    前記送電装置は、請求項1〜のうちいずれか1項記載の送電装置であり、
    前記受電装置は、請求項のうちいずれか1項記載の電装置である
    ことを特徴とする電力伝送システム。
  10. 前記受電装置における前記受電共振コイルに対する前記受電ピックアップコイルの位置と、前記送電装置における前記送電共振コイルに対する前記送電ピックアップコイルの位置とが同じ状態に調整されてい
    とを特徴とする請求項記載の電力伝送システム。
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