JP5527397B1 - パルス生成器 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御パルスを生成する回路の動作クロックの周期を短くせずに制御パルスのパルス幅をより短かい時間刻みで変動させる。
【解決手段】幅データの下位側ビット列全てをゼロでマスクした第1幅データで規定される第1パルス幅のパルスSp1を生成する第1パルス生成回路11と、パルスSp1の終了タイミングに同期して上限電圧値から降下を開始し第1時間を経過した時点で下限電圧値に達するランプ波形Wraを生成するランプ波形生成回路12と、幅データの下位側ビット列で構成される電圧データが最小のときに上限電圧値に一致し、電圧データが最大のときに下限電圧値に一致する閾値電圧Vthを生成するD/A変換回路13と、ランプ波形Wraが閾値電圧Vthに一致する一致タイミングを検出する検出回路14と、パルスSp1の開始タイミングで開始し、一致タイミングで停止する制御パルスSsを生成する第2パルス生成回路15とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】幅データの下位側ビット列全てをゼロでマスクした第1幅データで規定される第1パルス幅のパルスSp1を生成する第1パルス生成回路11と、パルスSp1の終了タイミングに同期して上限電圧値から降下を開始し第1時間を経過した時点で下限電圧値に達するランプ波形Wraを生成するランプ波形生成回路12と、幅データの下位側ビット列で構成される電圧データが最小のときに上限電圧値に一致し、電圧データが最大のときに下限電圧値に一致する閾値電圧Vthを生成するD/A変換回路13と、ランプ波形Wraが閾値電圧Vthに一致する一致タイミングを検出する検出回路14と、パルスSp1の開始タイミングで開始し、一致タイミングで停止する制御パルスSsを生成する第2パルス生成回路15とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば出力電圧に応じて帰還回路からの制御パルスのパルス幅(時間幅)を変更することにより、MOSFETなどのスイッチング素子のオン時間を調整して、出力電圧の安定化を図りつつスイッチング素子のスイッチング動作を行うスイッチング電源装置に組み込まれて、この制御パルスを生成するパルス生成器に関するものである。
この種のパルス生成器として、下記の特許文献1に開示されたスイッチングレギュレータに帰還回路として使用されているパルス生成器が知られている。このパルス生成器は、基準電圧供給回路、差動増幅器、クロック信号供給部、A/Dコンバータ、帰還量演算回路、D/Aコンバータおよびドライブ回路を有している。
このパルス生成器では、差動増幅器が、スイッチング素子を備えたスイッチングレギュレータの被監視対象となる出力電圧と、基準電圧供給回路で生成された基準電圧との差を検出し、A/Dコンバータがこの差をデジタルデータ化し、帰還量演算回路が、A/Dコンバータから出力されるデジタルデータに対する処理をクロック信号供給部からのクロック信号に同期して実行して帰還量を演算し、D/Aコンバータが帰還量を示すデジタルデータをアナログレベルに変換し、ドライブ回路が、このアナログレベルに応じたパルス幅で、制御パルスとしてのパルス駆動信号を生成して、スイッチング素子に出力する。この構成により、このパルス生成器は、スイッチングレギュレータにおける帰還回路として機能して、スイッチングレギュレータの出力電圧を安定化させている。
また、この特許文献1では、出力電圧が急激に変化する過渡応答時には、クロック信号供給部からのクロックの周波数が高くなり、それ以外の出力電圧が比較的安定している時には、クロック信号供給部からのクロックの周波数を低くして、出力電圧の急変時における過渡応答特性を改善する考えも提案されている。
上記構成のような帰還回路としてのパルス生成器からの制御パルスによりスイッチング素子をスイッチング動作させるスイッチング電源装置において、例えば制御パルスがパルス生成器内におけるクロック信号のカウンタ値を基に生成される場合には、制御パルスのオン時間幅の増減の最小単位(最小変動値)は、クロック信号の1周期Tclkに自ずと制限される。このため、例えば入力電圧よりも低い出力電圧を取り出す降圧コンバータでは、制御パルスの一周期をTswとし、入力電圧をVinとしたときに、出力電圧Voutの最小変動値ΔVoutは、ΔVout=Vin×Tclk/Tswで表されることから、コンバータの小型化を図るために、スイッチング周波数を高く、すなわち周期Tswを小さくしようとすると、被監視対象の出力電圧の最小変動値ΔVoutが大きくなり、クロック信号の1周期Tclkを短くしない限り、出力電圧の設定精度が粗くなるという課題が生じる。また、クロック信号の1周期Tclkを短くしようとすると、高い周波数で動作可能な高価な電子デバイスを使用しなければならないため、装置コストが上昇するという課題や、スイッチングロスが増加するという課題が新たに発生することから、こられの課題を回避するための大幅な設計変更が必要になる。
本発明は、かかる課題を改善するためになされたものであり、制御パルスを生成するための回路の動作クロックの周期を短くすることなく、生成する制御パルスのパルス幅をより短かい時間刻みで変動させ得るパルス生成器を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係るパルス生成器は、幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されて、前記下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの終了タイミングに同期して予め規定された上限電圧値から降下を開始すると共に、当該降下の開始から前記第1時間を経過した時点で予め規定された下限電圧値に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、前記下位側ビット列で構成される電圧データが最小のときに前記上限電圧値に対応し、かつ当該電圧データが最大のときに前記下限電圧値に対応する電圧値の閾値電圧を生成するD/A変換回路と、前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、前記第1パルスの開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記一致タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えている。
また、本発明に係るパルス生成器は、幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されて、前記下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの終了タイミングに同期して予め規定された下限電圧値から上昇を開始すると共に、当該上昇の開始から前記第1時間を経過した時点で予め規定された上限電圧値に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、前記下位側ビット列で構成される電圧データが最小のときに前記下限電圧値に対応し、かつ当該電圧データが最大のときに前記上限電圧値に対応する電圧値の閾値電圧を生成するD/A変換回路と、前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、前記第1パルスの開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記一致タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えている。
また、本発明に係るパルス生成器は、幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られるデータの当該下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットに1が加算された第1幅データで規定されて、前記最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの開始タイミングに同期して予め規定された下限電圧値から上昇を開始すると共に、当該上昇の開始から前記第1時間を経過した時点で予め規定された上限電圧値に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、D/A変換回路と、検出回路と、第2パルス生成回路とを備え、少なくとも前記下位側ビット列の値が1以上のときに、前記D/A変換回路が、等価的に前記下位側ビット列よりも1ビット多いビット列で構成されると共に最上位ビットのみが1に規定されたデータから前記下位側ビット列で構成されるデータを減算して得られる電圧データが最小のときに前記下限電圧値に対応し、かつ当該電圧データが最大のときに前記上限電圧値に対応する電圧値の閾値電圧を生成し、前記検出回路が、前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出し、前記第2パルス生成回路が、前記一致タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記第1パルスの終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する。
また、本発明に係るパルス生成器は、幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られるデータの当該下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットに1が加算された第1幅データで規定されて、前記最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの開始タイミングに同期して予め規定された上限電圧値から降下を開始すると共に、当該降下の開始から前記第1時間を経過した時点で予め規定された下限電圧値に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、D/A変換回路と、検出回路と、第2パルス生成回路とを備え、少なくとも前記下位側ビット列の値が1以上のときに、前記D/A変換回路が、等価的に前記下位側ビット列よりも1ビット多いビット列で構成されると共に最上位ビットのみが1に規定されたデータから前記下位側ビット列で構成されるデータを減算して得られる電圧データが最小のときに前記上限電圧値に対応し、かつ当該電圧データが最大のときに前記下限電圧値に対応する電圧値の閾値電圧を生成し、前記検出回路が、前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出し、前記第2パルス生成回路が、前記一致タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記第1パルスの終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する。
また、本発明に係るパルス生成器は、幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されて、前記下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの終了タイミングに同期して予め規定された電圧値から前記下位側ビット列で構成されるデータのデータ値に対応した時定数で降下または上昇を開始することにより、当該データ値に対応した経過時間後に予め規定された閾値電圧に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、前記第1パルスの開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記一致タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えている。
また、本発明に係るパルス生成器は、幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られるデータの当該下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットに1が加算された第1幅データで規定されて、前記最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの開始タイミングに同期して予め規定された電圧値から前記下位側ビット列で構成されるデータのデータ値に対応した時定数で降下または上昇を開始することにより、当該データ値に対応した経過時間後に予め規定された閾値電圧に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、前記一致タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記第1パルスの終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えている。
また、本発明に係るパルス生成器は、幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されて、前記下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの印加によって当該第1パルスの振幅と同じ電圧値に充電されているコンデンサを前記下位側ビット列で構成される電圧データで規定される電圧値まで抵抗を介して放電させる動作を当該第1パルスの終了タイミングに同期して開始することにより、当該終了タイミングに同期して降下するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、前記ランプ波形と予め規定された閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、前記第1パルスの開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記一致タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えている。
また、本発明に係るパルス生成器は、幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られるデータの当該下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットに1が加算された第1幅データで規定されて、前記最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの反転パルスの印加によって当該反転パルスの振幅と同じ電圧値に充電されているコンデンサを前記下位側ビット列で構成される電圧データで規定される電圧値まで抵抗を介して放電させる動作を当該反転パルスの終了タイミングに同期して開始することにより、当該終了タイミングに同期して降下するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、前記ランプ波形と予め規定された閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、前記一致タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記第1パルスの終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えている。
本発明のパルス生成器によれば、第1パルス生成回路で生成される第1パルスの第1パルス幅に、幅データの下位側ビット列に応じた長さに規定される遅延時間(最小のゼロから最大の第1時間までの間で下位側ビット列に応じて変化する時間)が付加された長さのパルス幅で制御パルスを生成することができるため、このパルス幅の制御パルスを生成するための第1パルス生成回路の動作クロックを、幅データの上位側ビット列で規定される第1パルス幅の分解能に対応する周波数に維持しつつ、つまり、制御パルスを生成するための回路の動作クロックの周期を短くすることなく、制御パルスのパルス幅を第1パルス幅の分解能よりも短い時間刻みで変動させることができる。
また、本発明のパルス生成器によれば、幅データの上位側ビット列に1が加算されたデータを上位側ビット列とし、下位側ビット列全てがゼロでマスクされた第1幅データで規定されて第1パルス生成回路で生成される第1パルスの第1パルス幅から、このようにして第1幅データに加算されている分と幅データの下位側ビット列との差分に応じた長さに規定される遅延時間(最小のゼロから最大の第1時間までの間で、この差分に応じて変化する時間)を減じた長さのパルス幅で制御パルスを生成することができるため、このパルス幅の制御パルスを生成するための第1パルス生成回路の動作クロックを、幅データの上位側ビット列で規定される第1パルス幅の分解能に対応する周波数に維持しつつ、つまり、制御パルスを生成するための回路の動作クロックの周期を短くすることなく、パルス幅を第1パルス幅の分解能よりも短い時間刻みで変動させることができる。
以下、パルス生成器の実施の形態について、一例として電源装置に適用した例を挙げて、図面を参照しつつ説明する。
図1の電源装置PSは、コンバータ1と、コンバータ1に対する電圧帰還ループ(帰還回路)を形成する電圧検出回路2、A/D変換回路3、CPU4およびパルス生成器5と、後述の各種のクロック(動作クロックSopやサンプリングクロックSsp)や後述のスタートパルスSstを生成するクロック生成回路6とを備えている。
コンバータ1は、入力端子+Vi,−Vi間に印加される直流入力電圧Vin(以下、「入力電圧Vin」ともいう)を、直流出力電圧Vout(以下、「出力電圧Vout」ともいう)に変換して出力端子+Vo,−Voに出力する機能を有し、出力端子+Vo,−Vo間に接続される不図示の負荷に出力電圧Voutを供給する。本例では、コンバータ1は、一例として、スイッチ素子Q1、ダイオードD1、チョークコイルL1およびコンデンサC1を備えて非絶縁型降圧チョッパ回路に構成されて、入力電圧Vinをより低い出力電圧Voutに変換して出力する。また、入力端子−Viおよび出力端子−Voは共にグランドに接続されている。
具体的には、入力端子+Vi,−Viの両端間に、スイッチ素子Q1およびダイオードD1で構成される直列回路が接続され、ダイオードD1の両端間に、チョークコイルL1およびコンデンサC1で構成される直列回路が接続され、コンデンサC1の両端に出力端子+Vo,−Voが接続されている。スイッチ素子Q1は、例えば、MOS型FETやバイポーラトランジスタなどの制御端子付き半導体スイッチ素子で構成されて、パルス生成器5から出力される後述の制御パルスSsによるPWM制御でオン・オフ駆動される(スイッチング周波数fsw(周期Tsw))。なお、図示はしないが、上記の降圧チョッパ回路を有する構成のコンバータ1に代えて、昇圧チョッパ回路などの公知の種々の回路で構成されたコンバータを使用することができる。
電圧検出回路2は、コンバータ1からの出力電圧Voutを検出する回路であって、抵抗R1,R2の直列回路で構成されて、出力端子+Vo,−Vo間に接続されている。この構成により、電圧検出回路2は、出力電圧Voutを検出すると共に、検出した出力電圧Voutを抵抗R1,R2の分圧比で分圧してアナログ検出電圧Vdとして出力する。
A/D変換回路3は、電圧検出回路2から出力されるアナログ検出電圧Vdを、クロック生成回路6から出力されるサンプリングクロックSsp(本例では一例として、後述のように周波数が125kHzのクロック)でサンプリングすることにより、アナログ検出電圧Vdの電圧値を示す検出電圧データDv(一例として12ビットのデータ)に変換して出力する。
CPU(中央演算ユニット)4は、クロック生成回路6から出力される動作クロックSop(本例では後述のように周波数が16MHzのクロック)に同期して作動して、サンプリングクロックSspの周期で新たな検出電圧データDvをA/D変換回路3から入力する都度、制御指令値算出処理およびデータ出力処理を実行する。
具体的には、CPU4は、制御指令値算出処理では、新たな検出電圧データDvに基づいて、出力電圧Voutを予め規定された目標電圧に制御する(安定化させる)ための制御指令値(制御パルスSsのパルス幅Tonを表す所定数のビット列(本例では一例として、検出電圧データDvと同じ12ビット)で構成される幅データDw。なお、制御パルスSsは一定の周波数であるため、幅データDwは制御パルスSsのデューティ比を示すデータでもある)を図3に示すようにサンプリングクロックSspの1周期Tsw内で算出する。本例では一例として、パルス生成器5から出力される制御パルスSsの周波数は、125kHzに規定されている。このため、CPU4は、制御パルスSsのパルス幅Tonを最小の0μs(デューティ比:0)から最大の8μs(=1/125kHz。デューティ比:1)までの範囲内で変化させ得ることから、1.95ns(=8μs/4096(=212))を増減の最小単位(最小変動時間)として(つまり、1.95nsの分解能で)、制御指令値(幅データDw)を算出する。
また、CPU4は、データ出力処理では、下位側ビット列(本例では一例として、最下位ビットを含む5ビット)と、上位側ビット列(下位側ビット列を除く残りの全てのビット。本例では、最上位ビットを含む7ビット)とに幅データDwを分割して、下位側ビット列については下位分割データDdi1として、また上位側ビット列については上位分割データDdi2としてそれぞれパルス生成器5に出力する。CPU4は、この下位分割データDdi1および上位分割データDdi2についても、図3に示すように、一例として、新たな検出電圧データDvに基づく新たな制御指令値(幅データDw)を算出したのと同じ周期Tsw内で算出する。
パルス生成器5は、第1パルス生成回路11、ランプ波形生成回路12、D/A変換回路13、検出回路14および第2パルス生成回路15を備えている。
第1パルス生成回路11は、一例として、CPU4から出力される上位分割データDdi2の下位側に、すべてのビットがゼロである下位分割データDdi1と同じビット数のビット列を付加することで、CPU4で算出された制御指令値(幅データDw)を構成する12ビットのうちの上位側ビット列はそのまま(上位分割データDdi2そのもの)で、上記の下位分割データDdi1分(下位側ビット列の5ビット分)全てをゼロでマスクするマスク処理を実行して得られる第1幅データ(12ビットの幅データ)を作成する。また、第1パルス生成回路11は、この第1幅データで規定される第1パルス幅T1の第1パルスSp1を、図3に示すように、上限電圧値が予め規定されたVmaxで、下限電圧値が予め規定されたVmin(本例では一例として、ゼロボルト(グランド電位))になる状態で生成して出力する。
例を挙げて説明すると、制御指令値が10進数で「1234」のときには、制御指令値を示す12ビットの幅データDwは2進数(バイナリデータ)で「010011010010」と表される。このため、このうちの下位側ビット列(5ビット)に対するマスク処理によって得られる第1幅データは、2進数では「010011000000」(10進数では「1216」)と表される。この場合、制御指令値を構成する12ビットの幅データDwの分解能は上記したように、1.95ns(=8μs/4096)であるから、同じビット数の第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1は、2.375μs(=8μs/4096×1216)に規定される。
この第1パルス生成回路11は、図示はしないが、例えば、クロック生成回路6から出力される後述のスタートパルスSst(コンバータ1のスイッチング周波数fsw(スイッチング周期Tsw)と同じ周波数。本例では一例として、サンプリングクロックSspと同じ125kHz)を入力する都度、動作クロックSop(16MHz)に同期したカウント動作をCPU4から出力される上位分割データDdi2で表される値分だけ実行するカウンタを用いて構成することができる。
この構成では、例えば、制御指令値が「1234」(10進数)であるときには、上記のように12ビットの幅データが「010011010010」(2進数)であることから、上位分割データDdi2は「0100110」(2進数)で表される(10進数では「38」)。このため、第1パルス生成回路11は、スタートパルスSstの入力タイミングに同期して、動作クロックSop(16MHz)に同期したカウント動作をこの上位分割データDdi2で表される値分だけ実行することにより、2.375μs(=1/16MHz×38)の第1パルス幅T1で第1パルスSp1を生成して出力する。つまり、第1パルス生成回路11は、12ビットの幅データの上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間ΔT1(本例では、0.0625μs(=1/16MHz))を最小単位として、第1パルスSp1の第1パルス幅T1を増減して出力する。言い換えれば、第1パルス生成回路11は、第1時間ΔT1の分解能で、幅データDwで規定されるパルス幅Tonに近い第1パルス幅T1で第1パルスSp1を生成して出力する。
なお、CPU4が上位分割データDdi2に代えて幅データDwそのものを第1パルス生成回路11に出力し、第1パルス生成回路11が、幅データDwの下位分割データDdi1分に対する上記したマスク処理を実行することで、第1幅データを演算する構成を採用することもできる。
ランプ波形生成回路12は、入力した第1パルスSp1の終了タイミングに同期して上記の上限電圧値Vmaxから降下を開始すると共に、降下の開始から上記の第1時間ΔT1を経過した時点で上記の下限電圧値Vminに達するランプ波形Wraを生成して出力する。
本例ではランプ波形生成回路12は、一例として、図2に示すように、抵抗21(抵抗値Ra)とコンデンサ22(静電容量値Ca)とで形成されたRC積分回路で構成されている。この構成のランプ波形生成回路12は、同図に示すように、入力した第1パルスSp1(上限電圧値がVmaxで、下限電圧値がVminの矩形波)を積分することにより、立ち上がり波形が下限電圧値Vminから上限電圧値Vmaxまで指数関数的(擬似的なランプ波形状)に上昇し、立ち下がり波形が上限電圧値Vmaxから下限電圧値Vminまで指数関数的(擬似的なランプ波形状)に降下する第2パルスSp2に変換して出力する。
また、このランプ波形生成回路12では、RC積分回路の時定数(Ra×Ca)が第1時間ΔT1とほぼ等しくなるように、抵抗値Raおよび静電容量値Caが予め規定されている。これにより、ランプ波形生成回路12は、図2,4に示すように、上限電圧値がVmaxで、下限電圧値がVminの第1パルスSp1に基づいて、第2パルスSp2における立ち下がり波形を上記のランプ波形Wraとして、第1パルスSp1の第1パルス幅T1の長短に拘わらず一定の形状で生成して出力する。
なお、図示はしないが、第1パルスSp1の第1パルス幅T1が極めて短くなって、第2パルスSp2における立ち上がり波形が上限電圧値Vmaxに達する前に、第1パルスSp1が立ち下がる状況が発生したときや、第1パルスSp1の第1パルス幅T1が極めて長くなって、第2パルスSp2が立ち下がっているときに次の第1パルスSp1が入力される状況が発生したときには、ランプ波形生成回路12による一定の形状でのランプ波形Wraの生成に支障を来す状況に陥る。しかしながら、CPU4は、このような状況にならない範囲で制御指令値(幅データDw)を算出する。
また、本例では、このように1つの抵抗21と1つのコンデンサ22とでランプ波形生成回路12を構成したことにより、極めて簡易な回路構成でランプ波形Wraを生成することが可能になっている。
D/A変換回路13は、CPU4から出力される下位分割データDdi1に基づいて閾値電圧Vthを生成して出力する。具体的には、D/A変換回路13は、下位分割データDdi1に基づいて、下位分割データDdi1が増加したときには電圧値が降下して、下位側ビット列が最大(本例では「11111」)のときに下限電圧値Vminに達し(一致し:対応の一例)、下位分割データDdi1が減少したときには電圧値が上昇して、下位側ビット列が最小(本例では「00000」)のときに上限電圧値Vmaxに達する(一致する:対応の一例)ように閾値電圧Vthを生成する。また、D/A変換回路13は、図3において第2パルスSp2と共に示すように、このようにして生成した閾値電圧VthをスタートパルスSstに同期して出力する。
検出回路14は、第2パルスSp2のランプ波形Wraと閾値電圧Vthとを比較することにより、ランプ波形Wraの電圧が閾値電圧Vthに一致するタイミング(一致タイミング)を検出して、二値化信号である検出パルスSdeを出力する。本例では一例として、検出回路14は、1つのコンパレータで構成されて、その非反転入力端子に第2パルスSp2が入力され、その反転入力端子に閾値電圧Vthが入力されている。
この構成により、検出回路14は、図3に示すように、第2パルスSp2の立ち上がり波形が閾値電圧Vthに一致したタイミング(立ち上がり波形が閾値電圧Vthと交差するタイミング)を検出して、このタイミングに同期して立ち上がり、第2パルスSp2の立ち下がり波形(ランプ波形Wra)が閾値電圧Vthに一致したタイミング(立ち下がり波形が閾値電圧Vthと交差するタイミング。上記の一致タイミング)を検出して、このタイミングに同期して立ち下がる検出パルスSdeを出力する。
第2パルス生成回路15は、第1パルスSp1および検出パルスSdeを入力すると共に、第1パルスSp1の開始タイミング(本例では、第1パルスSp1の立ち上がりタイミング)に同期して出力が開始される(LレベルからHレベルに移行する)と共に、検出回路14で検出された上記の一致タイミング(本例では、検出パルスSdeの立ち下がりタイミング)に同期して出力が停止される(HレベルからLレベルに移行する)パルスを制御パルスSsとして生成して出力する。本例では一例として、第2パルス生成回路15は、1つのOR素子で構成されて、図3に示すように、第1パルスSp1と検出パルスSdeの論理和を演算することにより、パルス幅がTonで、かつ一定周期Tswの制御パルスSsを生成して出力する。
このパルス生成器5では、このように、ランプ波形生成回路12が第1パルスSp1に基づいて第2パルスSp2を生成し、この第2パルスSp2に基づいて検出回路14が検出パルスSdeを生成し、第2パルス生成回路15がこの検出パルスSdeと第1パルスSp1とに基づいて制御パルスSsを生成する構成のため、第1パルス生成回路11で生成された第1パルスSp1にのみ基づいて制御パルスSsを生成することが可能になっている。
クロック生成回路6は、基準クロック(本例では、周波数が16MHzのクロック)を生成する不図示の発振器と、この基準クロックを分周してサンプリングクロックSspおよびスタートパルスSstを生成する分周器とを備えている。本例では、クロック生成回路6は、基準クロックを不図示のバッファを介して動作クロックSop(16MHz)として出力すると共に、一例として基準クロックを128分周してサンプリングクロックSspおよびスタートパルスSst(互いの位相が一致し、かついずれの周波数も125kHzの信号)を生成して出力する。
次に、パルス生成器5の動作について、電源装置PSの動作と併せて説明する。
この電源装置PSでは、コンバータ1のスイッチ素子Q1が、電圧帰還ループを形成するパルス生成器5から制御パルスSsが供給されている状態において、オン・オフ動作を繰り返す。これにより、制御パルスSsのパルス幅Tonをその周期Tswで除算した値(デューティ比)に入力電圧Vinを乗算して得られる電圧値の出力電圧Voutが、出力端子+Vo,−Voから負荷に供給される。
この際に、電圧検出回路2は、コンバータ1からの出力電圧Voutを抵抗R1,R2で分圧して得たアナログ検出電圧VdをA/D変換回路3に出力する。A/D変換回路3は、アナログ検出電圧VdをサンプリングクロックSspでサンプリングすることにより、図3に示すように、サンプリングクロックSspに同期してアナログ検出電圧Vdの電圧値を示す検出電圧データDvを出力する。
CPU4は、アナログ検出電圧Vdの電圧値を示す新たな検出電圧データDv(電圧検出回路2で検出された出力電圧Voutの電圧値を示すデータでもある)を入力する都度(周期Tsw毎に)、図3に示すように、この検出電圧データDvに基づいて出力電圧Voutを目標電圧に制御するための制御指令値(幅データDw)を算出すると共に、下位分割データDdi1および上位分割データDdi2を出力する。
この場合、CPU4は、制御指令値算出処理を実行して、新たな検出電圧データDvに基づき、制御パルスSsのパルス幅Tonを示す制御指令値としての幅データDwを上記の分解能(1.95ns)で算出する。また、CPU4は、データ出力処理を実行して、幅データDwを下位分割データDdi1と上位分割データDdi2とに分割すると共に、下位分割データDdi1についてはD/A変換回路13に出力し、上位分割データDdi2については第1パルス生成回路11に出力する。
第1パルス生成回路11は、まず、CPU4が新たな上位分割データDdi2の出力を開始した周期Tswと同じ周期Tsw内において、この上位分割データDdi2を入力する。本例では一例として、図3に示すように、スタートパルスSstの立ち下がりタイミングまでに、CPU4が第1パルス生成回路11に上位分割データDdi2を出力するため、第1パルス生成回路11は、このスタートパルスSstの立ち下がりタイミングで上位分割データDdi2を入力する。
次いで、第1パルス生成回路11は、次の周期Tswの開始タイミングに同期(スタートパルスSstに同期)して、入力した上位分割データDdi2に基づいて作成した第1幅データで規定される第1パルス幅T1での第1パルスSp1の生成、並びに生成している第1パルスSp1のランプ波形生成回路12および第2パルス生成回路15への出力を開始する。この場合、第1パルス生成回路11は、上記したように、第1時間ΔT1(本例では、1/16MHz)の分解能で第1パルスSp1を生成する。また、生成される第1パルスSp1の第1パルス幅T1は、幅データDwの下位側ビット列(5ビット)をゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されているため、幅データDwで規定される制御パルスSsの本来のパルス幅Tonよりも、下位側ビット列で規定される幅分だけ短い幅に規定されている。
D/A変換回路13もまた、第1パルス生成回路11と同様にして、CPU4が新たな下位分割データDdi1の出力を開始した周期Tswと同じ周期Tsw内において、この下位分割データDdi1を入力する。また、D/A変換回路13は、図3に示すように、次の周期Tswの開始タイミングに同期(スタートパルスSstに同期)して、入力した下位分割データDdi1に基づいて閾値電圧Vthの生成を開始すると共に、検出回路14への出力を開始する。
ランプ波形生成回路12は、入力した第1パルスSp1を積分することにより、図3に示すように、第1パルスSp1を、立ち上がり波形が下限電圧値Vminから上限電圧値Vmaxまでランプ波形状に上昇し、立ち下がり波形が上限電圧値Vmaxから下限電圧値Vminまでランプ波形状に降下する第2パルスSp2に変換して、検出回路14に出力する。この場合、ランプ波形生成回路12は、第2パルスSp2における立ち下がり波形をランプ波形Wra(第1パルスSp1の終了タイミングに同期して上限電圧値Vmaxから降下を開始し、降下の開始から第1時間ΔT1を経過した時点で下限電圧値Vminに達する波形)として出力する。
検出回路14は、第2パルスSp2のランプ波形Wraと閾値電圧Vthとを比較することにより、第2パルスSp2の立ち上がり波形が閾値電圧Vthに一致したタイミングに同期して立ち上がり、第2パルスSp2の立ち下がり波形(ランプ波形Wra)が閾値電圧Vthに一致したタイミング(一致タイミング)に同期して立ち下がる検出パルスSdeを出力する。
この場合、第1パルスSp1の立ち下がりタイミング(第2パルスSp2の立ち下がりタイミングでもある)から検出パルスSdeの立ち下がりタイミングまでの遅延時間τ1は、第1時間ΔT1の時間幅で生成されるランプ波形Wraの開始から閾値電圧Vthと一致するまでの時間である。また、遅延時間τ1の長さは、最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間において、閾値電圧Vthが上昇したときには短くなり、閾値電圧Vthが降下したときには長くなるように変化する。
また、D/A変換回路13は、上記したように、上限電圧値Vmaxから下限電圧値Vminまでの範囲内において、下位分割データDdi1が減少したときには電圧値が上昇し、下位分割データDdi1が増加したときには電圧値が降下するように閾値電圧Vthを生成する。したがって、遅延時間τ1の長さは、下位分割データDdi1に基づいて、下位分割データDdi1が減少したときには短くなり、下位分割データDdi1が増加したときには長くなるように、最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間において変化する。
第2パルス生成回路15は、第1パルスSp1および検出パルスSdeを入力すると共に、両パルスSp1,Sdeの論理和を演算することにより、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して出力が開始され(LレベルからHレベルに移行し)、検出回路14で検出された上記の一致タイミング(本例では、検出パルスSdeの立ち下がりタイミング)に同期して出力が停止される(HレベルからLレベルに移行する)制御パルスSsを生成して、コンバータ1のスイッチ素子Q1に出力する。これにより、スイッチ素子Q1は、制御パルスSsの立ち上がりに同期してオン状態に制御され、制御パルスSsの立ち下がりに同期してオン状態に制御される。これらの動作が繰り返されることにより、コンバータ1は、規定された電圧値の出力電圧Voutを生成する。
この場合、第2パルス生成回路15で生成される制御パルスSsのパルス幅Tonは、上位分割データDdi2(すなわち、幅データDwの下位側ビット列をゼロでマスクして得られる第1幅データ)で規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1に、下位分割データDdi1(この下位側ビット列)に応じた長さに規定される遅延時間τ1が付加された長さに規定されている。また、この付加される遅延時間τ1は、上記したように、その長さが最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間の長さであって、下位分割データDdi1の値で規定される長さである。
これにより、このパルス生成器5を含む電源装置PSでは、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するための動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、パルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分)よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることが可能になっている。
本例では、ランプ波形Wraは擬似的なランプ波形(具体的には、指数関数的に降下する波形)であるが、第1時間ΔT1が短時間であるときには、ほぼランプ波形とみなすことができる。この場合には、下位分割データDdi1の1ビット分の閾値電圧Vthの変化(つまり、下位分割データDdi1の1ビット)に対して、遅延時間τ1は、ΔT1/32(=25)ずつ一定時間単位で変化する。つまり、下位分割データDdi1に基づいて、遅延時間τ1を均一な時間刻み(分解能)Tclk(=ΔT1/32=1.953ns)で規定することが可能になる。
例えば、CPU4が、制御パルスSsのパルス幅Tonについての制御指令値(幅データDw)として「1234」(10進数)(2進数では「010011010010」)を算出したときには、この制御指令値で示されるパルス幅Tonは、1.95ns(=8μs/4096)×1234=2.410μsになる。
この場合、幅データDwの上位分割データDdi2は、「0100110」(2進数)であり、10進数では「38」であるから、第1パルス生成回路11は、動作クロックSop(16MHz)に基づいて、0.0625μs(=1/16MHz)×38=2.375μsの第1パルス幅T1(第1幅データ「010011000000」(2進数)で規定されるパルス幅)で第1パルスSp1を生成して出力する。
一方、ランプ波形Wraがランプ波形と見なせる場合においては、検出回路14は、ランプ波形Wraと閾値電圧Vthとを比較することにより、上記の時間刻み(分解能)Tclk(=ΔT1/32=1.953ns)に下位分割データDdi1で示される値(下位分割データDdi1は「10010」(2進数)であり、10進数では「18」であるため、値「18」)を乗算して得られる遅延時間τ1(=ΔT1/32×18=0.035μs)だけ、第1パルスSp1の立ち下がりタイミング(第2パルスSp2の立ち下がりタイミングでもある)から遅延させて、検出パルスSdeを立ち下げる。
これにより、第1パルスSp1と検出パルスSdeとを論理和して得られる制御パルスSsのパルス幅Tonは、2.410μs(=2.375μs+0.035μs)となり、CPU4が算出した制御指令値(幅データDw)で示されるパルス幅Tonに一致する。
このように、この電源装置PSのパルス生成器5では、第1パルス生成回路11が、動作クロックSopに同期して作動して、CPU4が算出した制御指令値(幅データDw)の上位分割データDdi2に基づいて、幅データDwの下位側ビット列をゼロでマスクして得られる第1幅データで規定される第1パルス幅T1の第1パルスSp1を第1時間ΔT1を増減の最小単位として生成し、ランプ波形生成回路12が、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して上限電圧値から降下を開始すると共に第1時間ΔT1を経過した時点で下限電圧値に達するランプ波形Wraを生成し、D/A変換回路13が、幅データDwの下位分割データDdi1に基づいて、下位分割データDdi1が最小のときに上限電圧値に一致し、かつ下位分割データDdi1が最大のときに下限電圧値に一致する電圧値の閾値電圧Vthを生成し、検出回路14が、ランプ波形Wraと閾値電圧Vthとを比較して、ランプ波形Wraの電圧が閾値電圧Vthに一致する一致タイミングを検出し、第2パルス生成回路15が、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、検出回路14で検出された一致タイミングに同期して出力が停止されるパルス幅Tonの制御パルスSsを生成する。
したがって、このパルス生成器5によれば、上位分割データDdi2で規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1に、下位分割データDdi1に応じた長さに規定される遅延時間τ1(最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間で下位分割データDdi1に応じて変化する時間)が付加された長さのパルス幅Tonで制御パルスSsを生成することができるため、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するためのCPU4や第1パルス生成回路11の動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、つまり、制御パルスSsを生成するための回路の動作クロックSopの周期を短くすることなく、制御パルスSsのパルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分0.0625μs(=1/16MHz))よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることができる。
なお、上記の例は、第1パルスSp1の立ち下がりに同期して立ち下がるランプ波形Wraを生成し、第1パルスSp1の開始タイミング(この例では立ち上がりタイミング)と、このランプ波形Wraと閾値電圧Vthの一致タイミングとから制御パルスSsを生成しているが、図4に示すように、抵抗21(抵抗値Ra)とコンデンサ22(静電容量値Ca)とで形成されたRC積分回路の前段にインバータ23が配設されたランプ波形生成回路12Aを使用して、図5に示すように、第1パルスSp1の反転信号をランプ波形生成回路12Aで積分することにより、図4,5に示すように、第1パルスSp1を、立ち下がり波形が上限電圧値Vmaxから下限電圧値Vminまでランプ波形状に降下し、立ち上がり波形が下限電圧値Vminから上限電圧値Vmaxまでランプ波形状に上昇する第2パルスSp2に変換して、検出回路14に出力する構成を採用することもできる。
この構成では、ランプ波形生成回路12Aは、第2パルスSp2における立ち上がり波形(第1パルスSp1の終了タイミングに同期して下限電圧値Vminから上昇を開始し、上昇の開始から第1時間ΔT1を経過した時点で上限電圧値Vmaxに達する波形)をランプ波形Wraとして出力する。また、D/A変換回路13は、このランプ波形Wraに対応させて、下位分割データDdi1に基づいて、下位分割データDdi1が増加したときには電圧値が上昇して、下位側ビット列が最大(本例では「11111」)のときに上限電圧値Vmaxに達し(一致し:対応の一例)、下位分割データDdi1が減少したときには電圧値が降下して、下位側ビット列が最小(本例では「00000」)のときに下限電圧値Vminに達する(一致する:対応の一例)ように閾値電圧Vthを生成する。また、D/A変換回路13は、このようにして生成した閾値電圧VthをスタートパルスSstに同期して出力する。
また、このランプ波形生成回路12Aを備えたパルス生成器5においても、検出回路14が、このランプ波形Wraと閾値電圧Vthとを比較することにより、ランプ波形Wraの電圧が閾値電圧Vthに一致する一致タイミングを検出して、図5に示すタイミングで検出パルスSdeを出力し、第2パルス生成回路15が、第1パルスSp1および検出パルスSdeに基づいて、図5に示すように、第1パルスSp1の開始タイミング(立ち上がりタイミング)に同期して出力が開始され(立ち上がり)、かつ検出回路14で検出された上記の一致タイミング(検出パルスSdeの立ち下がりタイミング)に同期して出力が停止される(立ち下がる)パルス幅Ton(=第1パルス幅T1+遅延時間τ1)の制御パルスSsを生成して出力する。
したがって、このランプ波形生成回路12Aを備えたパルス生成器5によっても、上位分割データDdi2で規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1に、下位分割データDdi1に応じた長さに規定される遅延時間τ1(最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間で下位分割データDdi1に応じて変化する時間)が付加された長さのパルス幅Tonで制御パルスSsを生成することができるため、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するためのCPU4や第1パルス生成回路11の動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、つまり、制御パルスSsを生成するための回路の動作クロックSopの周期を短くすることなく、制御パルスSsのパルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分0.0625μs(=1/16MHz))よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることができる。
また、上記のランプ波形生成回路12Aに代えて、図6に示すランプ波形生成回路12Bを使用しても、同図に示すように、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して下限電圧値VminBから上昇を開始し、上昇の開始から第1時間ΔT1を経過した時点で上限電圧値VmaxBに達するランプ波形Wraを生成することができる。
このランプ波形生成回路12Bは、図6に示すように、抵抗21(抵抗値Ra)とコンデンサ22(静電容量値Ca)とで形成されたCR微分回路で構成されて、図6,7に示すように、第1パルスSp1を微分して第2パルスSp2に変換して出力することにより、第1パルスSp1の立ち下がり微分波形を、第1パルスSp1の立ち下がりに同期して立ち上がるランプ波形Wraとして生成して出力する。
また、このランプ波形生成回路12Bを備えたパルス生成器5では、D/A変換回路13が、このランプ波形Wraに対応させて、下位分割データDdi1に基づいて、下位分割データDdi1が増加したときには電圧値が上昇して、下位側ビット列が最大(本例では「11111」)のときに上限電圧値VmaxBに達し(一致し:対応の一例)、下位分割データDdi1が減少したときには電圧値が降下して、下位側ビット列が最小(本例では「00000」)のときに下限電圧値VminBに達する(一致する:対応の一例)ように閾値電圧Vthを生成して出力する。また、検出回路14が、第2パルスSp2の電圧と閾値電圧Vthとを比較することにより、図7に示すタイミングで検出パルスSdeを出力し、第2パルス生成回路15が、第1パルスSp1の開始タイミングと検出回路14で検出された一致タイミング(本例では検出パルスSdeの立ち下がりタイミング)とに基づいて、第1パルスSp1の開始タイミング(立ち上がりタイミング)に同期して出力が開始され(立ち上がり)、かつ一致タイミング(検出パルスSdeの立ち下がりタイミング)に同期して出力が停止される(立ち下がる)パルス幅Ton(=第1パルス幅T1+遅延時間τ1)の制御パルスSsを生成して出力する。
したがって、このランプ波形生成回路12Bを備えたパルス生成器5によっても、ランプ波形生成回路12やランプ波形生成回路12Aを備えたパルス生成器5と同様の効果を奏することができる。
また、図示はしないが、図5に示す第1パルスSp1の反転信号を図6に示す構成のランプ波形生成回路12Bで微分して、第2パルスSp2として出力することにより、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して上限電圧値Vmaxから降下を開始し、降下の開始から第1時間ΔT1を経過した時点で下限電圧値Vminに達するランプ波形Wraを生成することができる。
これにより、この構成を採用したパルス生成器においても、上記したパルス生成器5と同様にして、第2パルス生成回路15が、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、検出回路14で検出された一致タイミングに同期して出力が停止されるパルス幅Tonの制御パルスSsを生成することができる。したがって、このパルス生成器によっても、上記したパルス生成器5と同様の効果を奏することができる。
なお、上記のパルス生成器5では、第1パルス生成回路11が、入力した上位分割データDdi2に基づいて第1幅データを作成すると共に、この第1幅データで規定される第1パルス幅T1(幅データDwで規定される制御パルスSsの本来のパルス幅Tonよりも、幅データDwの下位側ビット列分だけ短い幅)で第1パルスSp1を生成し、ランプ波形生成回路12(12A,12B)が第1パルスSp1の終了タイミングに同期して立ち下がる(または立ち上がる)ランプ波形Wraを生成し、第2パルス生成回路15が、第1パルスSp1の開始タイミングおよび検出回路14で検出された一致タイミングに基づいて、第1パルスSp1の第1パルス幅T1に遅延時間τ1を付加して、本来のパルス幅Ton(=第1パルス幅T1+遅延時間τ1)の制御パルスSsを生成して出力する構成を採用しているが、図1に示すパルス生成器5Aのように、第1パルス生成回路11Aが、制御パルスSsの本来のパルス幅Tonよりも長いパルス幅T1で第1パルスSp1を生成し、第2パルス生成回路15Aが、幅データDwの下位側ビット列分に応じた長さの期間をパルス幅T1から減ずることにより、本来のパルス幅Tonの制御パルスSsを生成して出力する構成を採用することもできる。
以下、この構成を採用したパルス生成器5Aについて、図面を参照して説明する。なお、パルス生成器5と同一の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
パルス生成器5Aは、第1パルス生成回路11A、ランプ波形生成回路12、D/A変換回路13、検出回路14および第2パルス生成回路15Aを備えている。
第1パルス生成回路11Aは、上記の第1パルス生成回路11と同様にして、図8に示すように、CPU4が新たな上位分割データDdi2の出力を開始した周期Tswと同じ周期Tsw内において、この上位分割データDdi2を入力する。本例では一例として、図8に示すように、スタートパルスSstの立ち下がりタイミングまでに、CPU4が第1パルス生成回路11Aに上位分割データDdi2を出力するため、第1パルス生成回路11Aは、このスタートパルスSstの立ち下がりタイミングで上位分割データDdi2を入力する。
また、第1パルス生成回路11Aは、上記の第1パルス生成回路11と同様にして、上位分割データDdi2に基づいて、制御指令値(幅データDw)を構成する12ビットのうちの上位側ビット列はそのまま(上位分割データDdi2そのもの)で、上記の下位分割データDdi1分(下位側ビット列の5ビット分)全てをゼロでマスクして得られるデータを作成する。また、第1パルス生成回路11Aは、上記の第1パルス生成回路11とは異なり、さらに、この作成したデータを構成する上位側ビット列(上位分割データDdi2)における最下位ビットに1を加算して第1幅データ(12ビットの幅データ)を作成する。
例を挙げて説明すると、制御指令値が10進数で「1234」のときには、制御指令値を示す12ビットの幅データDwは2進数(バイナリデータ)で「010011010010」と表される。このため、このうちの下位側ビット列(5ビット)全てをゼロでマスクして得られるデータは2進数では「010011000000」(10進数では「1216」)と表されることから、1が加算された第1幅データは、2進数では「010011100000」(10進数では「1248」)と表される。この場合、第1パルスSp1の第1パルス幅T1は、2.437μs(=8μs/4096×1248)に規定されるため、10進数「1234」の幅データDwで規定される本来のパルス幅2.410μs(=8μs/4096×1234)よりも、0.027μs(=8μs/4096×(1248−1234))だけ長く規定されている。
また、この第1パルス生成回路11Aは、上記した第1パルス生成回路11と同様にして、スタートパルスSstの入力タイミングに同期して、動作クロックSop(16MHz)に同期したカウント動作を、第1幅データで表される値分だけ実行するカウンタを用いて構成されている。したがって、第1パルス生成回路11Aは、上記した第1パルス生成回路11と同様にして、第1幅データで規定される第1パルス幅T1の第1パルスSp1を、この第1パルス幅T1を12ビットの幅データDwの上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間ΔT1(本例では、0.0625μs(=1/16MHz))を最小単位として、増減しつつ生成して出力する(第1時間ΔT1の分解能で第1パルスSp1を生成して出力する)。また、第1パルス生成回路11Aは、この第1パルスSp1を、図8に示すように、上限電圧値が予め規定されたVmaxで、下限電圧値が予め規定されたVminになる状態で生成して出力する。
なお、CPU4が上位分割データDdi2に代えて幅データDwそのものを第1パルス生成回路11Aに出力し、第1パルス生成回路11Aが、幅データDwの下位分割データDdi1分に対する上記したマスク処理と、幅データDwの上位側ビット列における最下位ビットに1を加算する処理とを実行することで、第1幅データを演算する構成を採用することもできる。
D/A変換回路13は、CPU4から出力される下位分割データDdi1に基づいて閾値電圧Vthを生成して出力する。具体的には、D/A変換回路13は、等価的に、下位分割データDdi1を構成する下位側ビット列よりも1ビット多いビット列で構成されると共に最上位ビットのみが1に規定されたデータから下位分割データDdi1を減算して得られる電圧データに対応する電圧値であって、電圧データが最小のときに下限電圧値Vminに対応し(本例では一例として下限電圧値Vminに一致し)、かつ電圧データが最大のときに上限電圧値Vmaxに対応する(本例では一例として上限電圧値Vmaxに一致する)電圧値の閾値電圧Vthを生成する。また、D/A変換回路13は、この生成した閾値電圧Vthを、一例として、図8に示すように、次のスタートパルスSstの到来よりも若干早いタイミングで出力する。
例えば、制御指令値が10進数で「1234」(2進数で「010011010010」)のときの幅データDwについての下位分割データDdi1は、2進数で「10010」である。このため、この下位分割データDdi1を構成する幅データDwの下位側ビット列(5ビット)よりも1ビット多いビット列で構成されると共に最上位ビットのみが1に規定されたデータは、2進数で「100000」である。これにより、このデータから下位分割データDdi1を減算して得られる電圧データは、2進数で「1110」(10進数で「14」)と算出される。したがって、D/A変換回路13は、このようにして算出された電圧データに対応する電圧値であって、電圧データが、2進数で「00000」のときに下限電圧値Vminになり、2進数で「11111」のときに上限電圧値Vmaxになる電圧値で閾値電圧Vthを生成して出力する。
なお、下位分割データDdi1に基づく上記の電圧データの算出は、上記したように、1の加算による第1幅データの増加分から下位分割データDdi1分を減算して得られる電圧データを等価的に算出できればよく、上記した算出方法に限定されるものではなく、2の補数を用いた減算などを使用して算出することもできる。また、下位分割データDdi1に基づく上記の電圧データの算出は、D/A変換回路13にD/A変換器と共に演算回路を配置して、D/A変換回路13の演算回路で実行する構成を作用することもできるし、CPU4で実行して、その算出結果としての電圧データをD/A変換回路13に出力する構成を採用することもできる。
第2パルス生成回路15Aは、第1パルスSp1および検出回路14から出力される検出パルスSdeに基づいて、図8に示すように、検出回路14で検出された一致タイミング(本例では、検出パルスSdeの立ち上がりタイミング)に同期して出力が開始される(LレベルからHレベルに移行する)と共に、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して出力が停止される(HレベルからLレベルに移行する)パルスを制御パルスSsとして生成して出力する。本例では一例として、第2パルス生成回路15Aは、図示はしないが、1つのAND素子で構成されて、第1パルスSp1と検出パルスSdeの論理積を演算することにより、パルス幅がTonで、かつ一定周期Tswの制御パルスSsを生成して出力する。
次に、パルス生成器5Aの動作について説明する。なお、パルス生成器5の動作と相違する動作について主として説明し、共通する動作についての説明を省略する。
このパルス生成器5Aでは、図8に示すように、CPU4が新たな上位分割データDdi2および下位分割データDdi1の出力を開始した周期Tswと同じ周期Tsw内において、D/A変換回路13がこの下位分割データDdi1を入力すると共に、下位分割データDdi1に基づいて算出される上記の電圧データに対応する電圧値で閾値電圧Vthを生成して出力する。また、第1パルス生成回路11Aが、上記の同じ周期Tsw内において、この上位分割データDdi2を入力すると共に、次の周期Tswの開始タイミングに同期(スタートパルスSstに同期)して、この上位分割データDdi2に基づいて作成した上記の第1幅データで規定される第1パルス幅T1での第1パルスSp1の生成、並びに生成している第1パルスSp1のランプ波形生成回路12および第2パルス生成回路15への出力を開始する。
ランプ波形生成回路12は、入力した第1パルスSp1を積分することにより、図8に示すように、第1パルスSp1を、立ち上がり波形が下限電圧値Vminから上限電圧値Vmaxまでランプ波形状に上昇し、立ち下がり波形が上限電圧値Vmaxから下限電圧値Vminまでランプ波形状に降下する第2パルスSp2に変換して、検出回路14に出力する。この場合、ランプ波形生成回路12は、第2パルスSp2における立ち上がり波形(第1パルスSp1の開始タイミングに同期して下限電圧値Vminから上昇を開始し、上昇の開始から第1時間ΔT1を経過した時点で上限電圧値Vmaxに達する波形)をランプ波形Wraとして出力する。
検出回路14は、第2パルスSp2のランプ波形Wraと閾値電圧Vthとを比較することにより、第2パルスSp2の立ち上がり波形(ランプ波形Wra)が閾値電圧Vthに一致したタイミング(一致タイミング)に同期して立ち上がり、第2パルスSp2の立ち下がり波形が閾値電圧Vthに一致したタイミングに同期して立ち下がる検出パルスSdeを出力する。
この場合、第1パルスSp1の立ち上がりタイミング(第2パルスSp2の立ち上がりタイミングでもある)から検出パルスSdeの立ち上がりタイミングまでの遅延時間τ2は、第1時間ΔT1の時間幅で生成されるランプ波形Wraの開始タイミングから閾値電圧Vthと一致するタイミングまでの時間である。また、遅延時間τ2の長さは、最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間において、閾値電圧Vthが上昇したときには長くなり、閾値電圧Vthが降下したときには短くなるように変化する。
また、D/A変換回路13は、上記したように、上限電圧値Vmaxから下限電圧値Vminまでの範囲内において、電圧データが減少したときには電圧値が降下し、電圧データが増加したときには電圧値が上昇するように閾値電圧Vthを生成する。したがって、遅延時間τ2は、電圧データに基づいて、電圧データが減少したときには短くなり、電圧データが増加したときには長くなるように、最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間において変化する。
第2パルス生成回路15Aは、第1パルスSp1および検出パルスSdeを入力すると共に両パルスSp1,Sdeの論理積を演算することにより、検出回路14で検出された上記の一致タイミング(本例では、検出パルスSdeの立ち上がりタイミング)に同期して出力が開始され、第1パルスSp1の立ち下がりタイミングに同期して出力が停止される制御パルスSsを生成して、コンバータ1のスイッチ素子Q1に出力する。
この場合、第2パルス生成回路15で生成される制御パルスSsのパルス幅Tonは、第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1から、電圧データで規定される遅延時間τ2を減じた長さに規定されている。また、この減じられる遅延時間τ2は、上記したように、その長さが最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間の長さであって、電圧データの値で規定される長さである。
これにより、このパルス生成器5Aを含む電源装置PSでは、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するための動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、パルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分)よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることが可能になっている。
本例では、ランプ波形Wraは擬似的なランプ波形(具体的には、指数関数的に降下する波形)であるが、第1時間ΔT1が短時間であるときには、ほぼランプ波形とみなすことができる。この場合には、電圧データの1ビット分の閾値電圧Vthの変化(つまり、電圧データの1ビット)に対して、遅延時間τ2は、ΔT1/32(=25)ずつ一定時間単位で変化する。つまり、電圧データに基づいて、遅延時間τ2を均一な時間刻み(分解能)Tclk(=ΔT1/32=1.953ns)で規定することが可能になる。
例えば、CPU4が、制御パルスSsのパルス幅Tonについての制御指令値(幅データDw)として「1234」(10進数)(2進数では「010011010010」)を算出したときには、この制御指令値で示されるパルス幅Tonは、1.95ns(=8μs/4096)×1234=2.410μsになる。
この場合、幅データDwの上位分割データDdi2は「0100110」(2進数)であり、これにより第1幅データの上位側ビットは「0100111」(2進数)(10進数では「39」)であるから、第1パルス生成回路11Aは、動作クロックSop(16MHz)に基づいて、0.0625μs(=1/16MHz)×39=2.437μsの第1パルス幅T1(第1幅データ「010011100000」(2進数)で規定されるパルス幅)で第1パルスSp1を生成して出力する。
一方、ランプ波形Wraがランプ波形と見なせる場合においては、検出回路14は、ランプ波形Wraと閾値電圧Vthとを比較することにより、上記の時間刻み(分解能)Tclk(=ΔT1/32=1.953ns)に電圧データで示される値(第1幅データに加算されている分「100000」(2進数)から下位分割データDdi1「10010」(2進数)を減じて得られる「01110」(2進数)(10進数では「14」))を乗算して得られる遅延時間τ2(=ΔT1/32×14=0.027μs)だけ、第1パルスSp1の立ち上がりタイミング(第2パルスSp2の立ち上がりタイミングでもある)から遅延させて、検出パルスSdeを立ち上げる。
これにより、第1パルスSp1と検出パルスSdeとを論理積して得られる制御パルスSsのパルス幅Tonは、2.410μs(=2.437μs−0.027μs)となり、CPU4が算出した制御指令値(幅データDw)で示されるパルス幅Tonに一致する。
したがって、この電源装置PSのパルス生成器5Aによれば、1が加算された上位分割データDdi2を上位側ビット列とし、下位側ビット列全てがゼロでマスクされた第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1から、このようにして第1幅データに加算されている分と下位分割データDdi1との差分に応じた長さに規定される遅延時間τ2(最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間で、この差分に応じて変化する時間)を減じた長さのパルス幅Tonで制御パルスSsを生成することができるため、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するためのCPU4や第1パルス生成回路11Aの動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、つまり、制御パルスSsを生成するための回路の動作クロックSopの周期を短くすることなく、パルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分0.0625μs(=1/16MHz))よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることができる。
なお、上記の例は、第1パルスSp1の立ち上がりに同期して立ち上がるランプ波形Wraを生成し、このランプ波形Wraと閾値電圧Vthの一致タイミングと第1パルスSp1の終了タイミング(この例では立ち下がりタイミング)とから制御パルスSsを生成しているが、上記したパルス生成器5と同様にして、図9に示すように、第1パルスSp1の反転信号をランプ波形生成回路12Aで積分することにより、第1パルスSp1を、立ち下がり波形が上限電圧値Vmaxから下限電圧値Vminまでランプ波形状に降下し、立ち上がり波形が下限電圧値Vminから上限電圧値Vmaxまでランプ波形状に上昇する第2パルスSp2に変換して、検出回路14に出力する構成を採用することで、第1パルスSp1の立ち上がりに同期して立ち下がるランプ波形Wraを生成し、このランプ波形Wraと閾値電圧Vthの一致タイミングと第1パルスSp1の終了タイミング(この例では立ち下がりタイミング)とから制御パルスSsを生成する構成を採用することもできる。
この構成では、D/A変換回路13は、上記した電圧データに対応する電圧値であって、電圧データが最小のときに上限電圧値Vmaxに対応し(本例では一例として上限電圧値Vmaxに一致し)、かつ電圧データが最大のときに下限電圧値Vminに対応する(本例では一例として下限電圧値Vminに一致する)電圧値の閾値電圧Vthを生成して、次のスタートパルスSstの到来よりも若干早いタイミングで出力する。
この構成を採用したパルス生成器5Aによっても、1が加算された上位分割データDdi2を上位側ビット列とし、下位側ビット列全てがゼロでマスクされた第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1から、このようにして第1幅データに加算されている分と下位分割データDdi1との差分に応じた長さに規定される遅延時間τ2(最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間で、この差分に応じて変化する時間)を減じた長さのパルス幅Tonで制御パルスSsを生成することができるため、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するためのCPU4や第1パルス生成回路11Aの動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、つまり、制御パルスSsを生成するための回路の動作クロックSopの周期を短くすることなく、パルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分0.0625μs(=1/16MHz))よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることができる。
なお、図示はしないが、第1パルスSp1の立ち上がりに同期して立ち上がるランプ波形Wraを生成する構成としては、上記の構成に代えて、例えば、第1パルスSp1の反転信号を図6に示すランプ波形生成回路12Bで微分する構成を採用することもできる。また、図示はしないが、第1パルスSp1の立ち上がりに同期して立ち下がるランプ波形Wraを生成する構成としては、上記の構成に代えて、例えば、第1パルスSp1を図6に示すランプ波形生成回路12Bで微分する構成を採用することもできる。
また、上記したパルス生成器5,5Aでは、第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1に対して付加する(加える)遅延時間τ1や、この第1パルス幅T1から減じる遅延時間τ2を規定する構成として、ランプ波形生成回路12,12A,12Bにおいて、形状が一定のランプ波形Wraを第1パルスSp1に基づいて生成させると共に、D/A変換回路13において、電圧値が変化する閾値電圧Vthを下位分割データDdi1や下位分割データDdi1から算出される上記の電圧データに基づいて生成させ、検出回路14がこのランプ波形Wraとこの閾値電圧Vthとを比較することによって検出した一致タイミングを使用して規定する構成を採用しているが、この構成とは逆に、下位分割データDdi1や下位分割データDdi1から算出される上記の電圧データに基づいて波形が変化するランプ波形Wraをランプ波形生成回路において生成させ、検出回路14がこのランプ波形Wraと電圧値が一定の閾値電圧(後述する閾値電圧Vth1,Vth2)とを比較することによって検出した一致タイミングを使用して遅延時間τ1や遅延時間τ2を規定する構成を採用することもできる。以下、この構成を採用するパルス生成器5B〜5Eについて説明する。
まず、パルス生成器5Bについて、その構成を説明する。なお、パルス生成器5と同一の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
パルス生成器5Bは、図10に示すように、第1パルス生成回路11、ランプ波形生成回路12C、検出回路14および第2パルス生成回路15を備えている。
第1パルス生成回路11は、パルス生成器5と同様にして、CPU4から出力される上位分割データDdi2の下位側に、すべてのビットがゼロである下位分割データDdi1と同じビット数のビット列を付加することで(制御指令値(幅データDw)を構成する12ビットのうちの上位側ビット列はそのままで、下位分割データDdi1分(下位側ビット列の5ビット分)全てをゼロでマスクするマスク処理を実行することで)、第1幅データ(12ビットの幅データ)を作成する。また、第1パルス生成回路11は、この第1幅データで規定される第1パルス幅T1の第1パルスSp1を、図12に示すように、上限電圧値が予め規定されたVmaxで、下限電圧値が予め規定されたVminになる状態で生成してランプ波形生成回路12Cおよび第2パルス生成回路15に出力する。
ランプ波形生成回路12Cは、一例として、図11に示すように、1つの抵抗21(抵抗値Ra)と、それぞれの一端が抵抗21に接続された複数(下位分割データDdi1と同じビット数)のコンデンサ22(本例では、このビット数に対応して5つのコンデンサ22a〜22e)と、各コンデンサ22a〜22eの他端とグランドとの間に配設されて、対応するコンデンサ22の他端を、対応する下位分割データDdi1のビット(最上位ビットのDdi1a〜最下位ビットのDdi1e)の状態に応じて、グランドに接地される接地状態とグランドから切り離される分離状態のいずれかの状態に移行させるスイッチ素子24(本例では、上記のビット数に対応して5つのスイッチ素子24a〜24e)とを備えている。なお、本例では、各スイッチ素子24は、一例としてMOSFETで構成されているが、バイポーラ型トランジスタなどの制御端子を有する他の半導体スイッチ素子で構成することもできる。
具体的には、ランプ波形生成回路12Cでは、各スイッチ素子24が、下位分割データDdi1の対応するビットが「1」のときにオン状態に移行することで、接続されているコンデンサ22を接地状態に移行させ、一方、下位分割データDdi1の対応するビットが「0」のときにオフ状態に移行することで、接続されているコンデンサ22を分離状態に移行させる。この構成により、ランプ波形生成回路12Cでは、下位分割データDdi1に基づいて、下位分割データDdi1が増加したときには積分回路の時定数が増加して、下位側ビット列が最大(本例では「11111」)のときに時定数が最大となり、下位分割データDdi1が減少したときには時定数が減少して、下位側ビット列が最小(本例では「00000」)のときに時定数が最小になる。
この構成により、ランプ波形生成回路12Cは、入力した第1パルスSp1を積分して出力することにより、図12に示すように、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して、予め規定された電圧値(この例では下限電圧値Vmin(ゼロボルト))から下位分割データDdi1のデータ値に対応した時定数で上昇を開始して、予め規定された電圧値(この例では上限電圧値Vmax)に達し、また第1パルスSp1の終了タイミングに同期して、上限電圧値Vmaxから下位分割データDdi1のデータ値に対応した時定数で降下を開始して、このデータ値に対応した経過時間(遅延時間τ1)後に閾値電圧Vth1に達すると共に、最終的には下限電圧値Vminに至る第2パルスSp2を生成して出力する。この場合、同図に示すように、第2パルスSp2の立ち下がり波形がランプ波形Wraとして生成される。なお、同図では、説明のために第2パルスSp2の振幅を誇張して記載しているが、第1パルスSp1の振幅と同じである。
検出回路14は、第2パルスSp2の電圧と閾値電圧Vth1とを比較することにより、第2パルスSp2の電圧が閾値電圧Vth1に一致するタイミングを検出して、二値化信号である検出パルスSdeを出力する。この構成により、検出回路14は、図12に示すように、第2パルスSp2の立ち上がり波形の電圧が閾値電圧Vth1に一致したタイミングに同期して立ち上がり、第2パルスSp2の立ち下がり波形(ランプ波形Wra)の電圧が閾値電圧Vth1に一致したタイミング(一致タイミング)に同期して立ち下がる検出パルスSdeを出力する。
第2パルス生成回路15は、第1パルスSp1および検出パルスSdeを入力すると共に、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、検出回路14で検出された上記の一致タイミング(検出パルスSdeの立ち下がりタイミング)に同期して出力が停止される制御パルスSsを、パルス幅Ton(=第1パルス幅T1+遅延時間τ1)で生成して出力する。
したがって、このパルス生成器5Bによっても、パルス生成器5と同様にして、上位分割データDdi2で規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1に、下位分割データDdi1に応じた長さに規定される遅延時間τ1が付加された長さのパルス幅Tonで制御パルスSsを生成することができるため、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するためのCPU4や第1パルス生成回路11の動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、つまり、制御パルスSsを生成するための回路の動作クロックSopの周期を短くすることなく、制御パルスSsのパルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分(1/16MHz))よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることができる。
また、パルス生成器5Bにおける第1パルス生成回路11と第2パルス生成回路15とを上記した第1パルス生成回路11Aと第2パルス生成回路15Aとにそれぞれ代えて、図10に示すように、パルス生成器5Cとして構成することもできる。
このパルス生成器5Cでは、第1パルス生成回路11Aが、上記したパルス生成器5Aと同様にして制御パルスSsの本来のパルス幅Tonよりも長いパルス幅T1で第1パルスSp1を生成する。また、ランプ波形生成回路12Cは、下位分割データDdi1のデータ値に対応した時定数でこの第1パルスSp1を積分して第2パルスSp2を生成して出力する。この場合、ランプ波形生成回路12Cは、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して、下位分割データDdi1のデータ値に対応した時定数で上昇を開始し、下位分割データDdi1のデータ値に対応した経過時間(遅延時間τ2)後に閾値電圧Vth1に達する第2パルスSp2の立ち上がり波形をランプ波形Wraとして生成して出力する。
検出回路14は、第2パルスSp2の電圧と閾値電圧Vth1とを比較することにより、第2パルスSp2の電圧が閾値電圧Vth1に一致するタイミングを検出して、二値化信号である検出パルスSdeを出力する。この構成により、検出回路14は、図13に示すように、第2パルスSp2の立ち上がり波形(ランプ波形Wra)の電圧が閾値電圧Vth1に一致したタイミングに同期して立ち上がり、第2パルスSp2の立ち下がり波形の電圧が閾値電圧Vth1に一致したタイミングに同期して立ち下がる検出パルスSdeを出力する。
第2パルス生成回路15Aは、第1パルスSp1および検出回路14から出力される検出パルスSdeに基づいて、検出回路14で検出された一致タイミング(本例では、検出パルスSdeの立ち上がりタイミング)に同期して出力が開始されると共に、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスであって、第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1から電圧データで規定される遅延時間τ2を減じた長さにパルス幅Tonが規定されたパルスを、制御パルスSsとして生成して出力する。
したがって、このパルス生成器5Cによっても、パルス生成器5Aと同様にして、1が加算された上位分割データDdi2を上位側ビット列とし、下位側ビット列全てがゼロでマスクされた第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1から、第1幅データに加算されている分と下位分割データDdi1との差分に応じた長さに規定される遅延時間τ2(最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間で、この差分に応じて変化する時間)を減じた長さのパルス幅Tonで制御パルスSsを生成することができるため、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するためのCPU4や第1パルス生成回路11Aの動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、つまり、制御パルスSsを生成するための回路の動作クロックSopの周期を短くすることなく、パルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分(1/16MHz))よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることができる。
また、上記のパルス生成器5B,5Cでは、ランプ波形生成回路12Cが第1パルスSp1をそのまま積分して第2パルスSp2を出力することにより、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して立ち下がる第2パルスSp2の立ち下がり波形や、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して立ち上がる第2パルスSp2の立ち上がり波形をランプ波形Wraとして生成しているが、図示はしないが、上記したランプ波形生成回路12Aと同様にして、ランプ波形生成回路12C内にインバータ23を配置して、第1パルスSp1の反転信号をランプ波形生成回路12Cで積分することにより、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して立ち上がる第2パルスSp2の立ち上がり波形や、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して立ち下がる第2パルスSp2の立ち下がり波形をランプ波形Wraとして生成して出力する構成を採用することもできる。
また、上記したインバータ23をランプ波形生成回路12C内に配置する構成に代えて、図示はしないが、上記したランプ波形生成回路12Bの構成とランプ波形生成回路12Cの構成とを組み合わせることにより、下位分割データDdi1のデータ値に対応してコンデンサ22の容量値を変化可能な微分回路でランプ波形生成回路を構成することもでき、このランプ波形生成回路を使用して第1パルスSp1を微分して第2パルスSp2を生成することでも、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して一旦立ち下がった後に立ち上がる第2パルスSp2の立ち上がり波形や、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して一旦立ち上がった後に立ち下がる第2パルスSp2の立ち下がり波形をランプ波形Wraとして生成して出力する構成を採用することもできる。
まず、パルス生成器5Dについて、その構成を説明する。なお、パルス生成器5と同一の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
パルス生成器5Dは、図14に示すように、第1パルス生成回路11、ランプ波形生成回路12D、D/A変換回路13、検出回路14および第2パルス生成回路15を備えている。
第1パルス生成回路11は、パルス生成器5の第1パルス生成回路11と同様にして、CPU4から出力される上位分割データDdi2の下位側に、すべてのビットがゼロである下位分割データDdi1と同じビット数のビット列を付加することで(制御指令値(幅データDw)を構成する12ビットのうちの上位側ビット列はそのままで、下位分割データDdi1分(下位側ビット列の5ビット分)全てをゼロでマスクするマスク処理を実行することで)、第1幅データ(12ビットの幅データ)を作成する。また、第1パルス生成回路11は、この第1幅データで規定される第1パルス幅T1の第1パルスSp1を、図16に示すように、上限電圧値が予め規定されたVmaxで、下限電圧値が予め規定されたVminになる状態で生成してランプ波形生成回路12Dおよび第2パルス生成回路15に出力する。
D/A変換回路13は、下位分割データDdi1で構成される電圧データで規定される電圧値の電圧をLo側電圧VLOとして生成して出力する。具体的には、D/A変換回路13は、下位分割データDdi1に基づいて、下位分割データDdi1が増加したときには電圧値が降下して、下位側ビット列が最大(本例では「11111」)のときに最も低い電圧値になり、下位分割データDdi1が減少したときには電圧値が上昇して、下位側ビット列が最小(本例では「00000」)のときに最も高い電圧値なるLo側電圧VLOを生成する。
ランプ波形生成回路12Dは、一例として、図15に示すように、アノード端子に第1パルスSp1が供給されるダイオード25と、ダイオード25のカソード端子とグランドとの間に接続されたコンデンサ22と、ダイオード25のカソード端子とD/A変換回路16の出力端子との間に配設された抵抗21とを備えている。
このランプ波形生成回路12Dでは、抵抗21におけるD/A変換回路16の出力端子に接続された端部の電圧は、D/A変換回路16から出力されているLo側電圧VLOに規定されている。この構成により、ランプ波形生成回路12Dは、図16に示すように、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して、ダイオード25を介して上限電圧値Vmaxによるコンデンサ22に対する充電を開始することにより、Lo側電圧VLOから第1パルスSp1の振幅(詳細には、上限電圧値Vmaxからダイオード25の順方向電圧Vfを減算した電圧)に向けて急速に立ち上がり、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して、抵抗21を介してコンデンサ22のLo側電圧VLOへの放電を開始することにより、第1パルスSp1の振幅(詳細には、Vmax−Vf)からLo側電圧VLOに向けて、抵抗21の抵抗値とコンデンサ22の容量値とで規定される時定数で立ち下がる第2パルスSp2を生成して出力する。
この場合、第2パルスSp2のランプ波形Wraとして生成される立ち下がり波形は、図16に示すように、Lo側電圧VLOの電圧値に応じて変化し、第1パルスSp1の終了タイミングから後述する閾値電圧Vth2(電圧値が一定)に達するまでの経過時間(遅延時間τ1)もLo側電圧VLOの電圧値に応じて変化する。なお、同図では、発明の理解を容易にするため、Lo側電圧VLOの電圧値が電圧VLO1,VLO2,VLO3,VLO4,の4段階に変化する状態で記載しているが、実際には、下位分割データDdi1のビット数分の段階(本例では、25段階)で変化する。
検出回路14は、第2パルスSp2の電圧と閾値電圧Vth2とを比較することにより、第2パルスSp2の電圧が閾値電圧Vth2に一致するタイミングを検出して、二値化信号である検出パルスSdeを出力する。この構成により、検出回路14は、図16に示すように、第2パルスSp2の立ち上がり波形の電圧が閾値電圧Vth2に一致したタイミングに同期して立ち上がり、第2パルスSp2の立ち下がり波形(ランプ波形Wra)の電圧が閾値電圧Vth2に一致したタイミング(一致タイミング)に同期して立ち下がる検出パルスSdeを出力する。
第2パルス生成回路15は、第1パルスSp1および検出パルスSdeを入力すると共に、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、検出回路14で検出された上記の一致タイミング(検出パルスSdeの立ち下がりタイミング)に同期して出力が停止される制御パルスSsを、パルス幅Ton(=第1パルス幅T1+遅延時間τ1)で生成して出力する。
したがって、このパルス生成器5Bによっても、パルス生成器5と同様にして、上位分割データDdi2で規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1に、下位分割データDdi1に応じた長さに規定される遅延時間τ1が付加された長さのパルス幅Tonで制御パルスSsを生成することができるため、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するためのCPU4や第1パルス生成回路11の動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、つまり、制御パルスSsを生成するための回路の動作クロックSopの周期を短くすることなく、制御パルスSsのパルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分(1/16MHz))よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることができる。
また、パルス生成器5Dにおける第1パルス生成回路11と第2パルス生成回路15とを上記した第1パルス生成回路11Aと第2パルス生成回路15Aとにそれぞれ代えると共に、ランプ波形生成回路12Dに代えて図17に示すランプ波形生成回路12Eを使用することにより、図14に示すように、パルス生成器5Eとして構成することもできる。
このパルス生成器5Eでは、第1パルス生成回路11Aが、上記したパルス生成器5Aと同様にして制御パルスSsの本来のパルス幅Tonよりも長いパルス幅T1で第1パルスSp1を生成する。
また、ランプ波形生成回路12Eは、ランプ波形生成回路12Dの構成に加えてインバータ23を備え、第1パルスSp1を反転してダイオード25のアノード端子に供給する。これにより、ランプ波形生成回路12Eは、図18に示すように、第1パルスSp1の開始タイミングに同期して、抵抗21を介してコンデンサ22のLo側電圧VLOへの放電を開始することにより、第1パルスSp1の振幅(詳細には、Vmax−Vf)からLo側電圧VLOに向けて、抵抗21の抵抗値とコンデンサ22の容量値とで規定される時定数で立ち下がり、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して、ダイオード25を介して上限電圧値Vmaxによるコンデンサ22に対する充電を開始することにより、Lo側電圧VLOから第1パルスSp1の振幅(詳細には、上限電圧値Vmaxからダイオード25の順方向電圧Vfを減算した電圧)に向けて急速に立ち上がる第2パルスSp2を生成して出力する。
この場合、第2パルスSp2のランプ波形Wraとして生成される立ち下がり波形は、図16を参照して説明した場合と同様にして、図18に示すように、Lo側電圧VLOの電圧値に応じて変化し、第1パルスSp1の開始タイミングから閾値電圧Vth2(電圧値が一定)に達するまでの経過時間(遅延時間τ2)もLo側電圧VLOの電圧値に応じて変化する。なお、同図では、発明の理解を容易にするため、Lo側電圧VLOの電圧値が電圧VLO1,VLO2,VLO3,VLO4,の4段階に変化する状態で記載しているが、実際には、下位分割データDdi1のビット数分の段階(本例では、25段階)で変化する。
検出回路14は、第2パルスSp2の電圧と閾値電圧Vth2とを比較することにより、第2パルスSp2の電圧が閾値電圧Vth2に一致するタイミングを検出して、二値化信号である検出パルスSdeを出力する。この構成により、検出回路14は、図16に示すように、第2パルスSp2の立ち下がり波形(ランプ波形Wra)の電圧が閾値電圧Vth2に一致したタイミング(一致タイミング)に同期して立ち上がり、第2パルスSp2の立ち下がり波形の電圧が閾値電圧Vth2に一致したタイミングに同期して立ち下がる検出パルスSdeを出力する。
第2パルス生成回路15Aは、第1パルスSp1および検出回路14から出力される検出パルスSdeに基づいて、検出回路14で検出された一致タイミング(本例では、検出パルスSdeの立ち上がりタイミング)に同期して出力が開始されると共に、第1パルスSp1の終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスであって、第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1から電圧データで規定される遅延時間τ2を減じた長さにパルス幅Tonが規定されたパルスを、制御パルスSsとして生成して出力する。
したがって、このパルス生成器5Eによっても、パルス生成器5Aと同様にして、1が加算された上位分割データDdi2を上位側ビット列とし、下位側ビット列全てがゼロでマスクされた第1幅データで規定される第1パルスSp1の第1パルス幅T1から、第1幅データに加算されている分と下位分割データDdi1との差分に応じた長さに規定される遅延時間τ2(最小のゼロから最大の第1時間ΔT1までの間で、この差分に応じて変化する時間)を減じた長さのパルス幅Tonで制御パルスSsを生成することができるため、パルス幅Tonの制御パルスSsを生成するためのCPU4や第1パルス生成回路11Aの動作クロックSopを16MHz(上位分割データDdi2で規定される第1パルス幅T1の分解能ΔT1に対応する周波数)に維持しつつ、つまり、制御パルスSsを生成するための回路の動作クロックSopの周期を短くすることなく、パルス幅Tonを第1パルス幅T1の分解能ΔT1(動作クロックSopの1周期分(1/16MHz))よりも短い時間刻み(分解能)Tclkで変動させることができる。
また、第1幅データで規定される第1パルス幅T1から遅延時間τ2を減じる構成において、下位分割データDdi1の値の如何に拘わらず、幅データDwの上位分割データDdi2に1を加算して第1パルスSp1の第1パルス幅T1を規定する第1幅データを算出する複数の例について上記したが、これに限定されない。例えば、下位分割データDdi1が1以上のときにのみ上記の処理を行い、ゼロのときには、1を加算する上記の演算を行うことなく、幅データDwの上位分割データDdi2をそのまま上位側ビット列とし、下位側ビット列全てがゼロでマスクされた第1幅データを使用して、この第1幅データで規定される第1パルス幅T1で第1パルスSp1を生成する構成を採用することもできる。
1 コンバータ
5,5A,5B,5C,5D,5E パルス生成器
11,11A 第1パルス生成回路
12,12A、12B,12C,12D,12E ランプ波形生成回路
13 D/A変換回路
14 検出回路
15,15A 第2パルス生成回路
5,5A,5B,5C,5D,5E パルス生成器
11,11A 第1パルス生成回路
12,12A、12B,12C,12D,12E ランプ波形生成回路
13 D/A変換回路
14 検出回路
15,15A 第2パルス生成回路
Claims (8)
- 幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、
前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されて、前記下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、
前記第1パルスの終了タイミングに同期して予め規定された上限電圧値から降下を開始すると共に、当該降下の開始から前記第1時間を経過した時点で予め規定された下限電圧値に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、
前記下位側ビット列で構成される電圧データが最小のときに前記上限電圧値に対応し、かつ当該電圧データが最大のときに前記下限電圧値に対応する電圧値の閾値電圧を生成するD/A変換回路と、
前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、
前記第1パルスの開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記一致タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えているパルス生成器。 - 幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、
前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されて、前記下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、
前記第1パルスの終了タイミングに同期して予め規定された下限電圧値から上昇を開始すると共に、当該上昇の開始から前記第1時間を経過した時点で予め規定された上限電圧値に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、
前記下位側ビット列で構成される電圧データが最小のときに前記下限電圧値に対応し、かつ当該電圧データが最大のときに前記上限電圧値に対応する電圧値の閾値電圧を生成するD/A変換回路と、
前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、
前記第1パルスの開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記一致タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えているパルス生成器。 - 幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、
前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られるデータの当該下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットに1が加算された第1幅データで規定されて、前記最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、前記第1パルスの開始タイミングに同期して予め規定された下限電圧値から上昇を開始すると共に、当該上昇の開始から前記第1時間を経過した時点で予め規定された上限電圧値に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、D/A変換回路と、検出回路と、第2パルス生成回路とを備え、
少なくとも前記下位側ビット列の値が1以上のときに、
前記D/A変換回路が、等価的に前記下位側ビット列よりも1ビット多いビット列で構成されると共に最上位ビットのみが1に規定されたデータから前記下位側ビット列で構成されるデータを減算して得られる電圧データが最小のときに前記下限電圧値に対応し、かつ当該電圧データが最大のときに前記上限電圧値に対応する電圧値の閾値電圧を生成し、
前記検出回路が、前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出し、
前記第2パルス生成回路が、前記一致タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記第1パルスの終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成するパルス生成器。 - 幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、
前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られるデータの当該下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットに1が加算された第1幅データで規定されて、前記最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、
前記第1パルスの開始タイミングに同期して予め規定された上限電圧値から降下を開始すると共に、当該降下の開始から前記第1時間を経過した時点で予め規定された下限電圧値に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、D/A変換回路と、検出回路と、第2パルス生成回路とを備え、
少なくとも前記下位側ビット列の値が1以上のときに、
前記D/A変換回路が、等価的に前記下位側ビット列よりも1ビット多いビット列で構成されると共に最上位ビットのみが1に規定されたデータから前記下位側ビット列で構成されるデータを減算して得られる電圧データが最小のときに前記上限電圧値に対応し、かつ当該電圧データが最大のときに前記下限電圧値に対応する電圧値の閾値電圧を生成し、
前記検出回路が、前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出し、
前記第2パルス生成回路が、前記一致タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記第1パルスの終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成するパルス生成器。 - 幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、
前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されて、前記下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、
前記第1パルスの終了タイミングに同期して予め規定された電圧値から前記下位側ビット列で構成されるデータのデータ値に対応した時定数で降下または上昇を開始することにより、当該データ値に対応した経過時間後に予め規定された閾値電圧に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、
前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、
前記第1パルスの開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記一致タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えているパルス生成器。 - 幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、
前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られるデータの当該下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットに1が加算された第1幅データで規定されて、前記最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、
前記第1パルスの開始タイミングに同期して予め規定された電圧値から前記下位側ビット列で構成されるデータのデータ値に対応した時定数で降下または上昇を開始することにより、当該データ値に対応した経過時間後に予め規定された閾値電圧に達するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、
前記ランプ波形と前記閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、
前記一致タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記第1パルスの終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えているパルス生成器。 - 幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、
前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られる第1幅データで規定されて、前記下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、
前記第1パルスの印加によって当該第1パルスの振幅と同じ電圧値に充電されているコンデンサを前記下位側ビット列で構成される電圧データで規定される電圧値まで抵抗を介して放電させる動作を当該第1パルスの終了タイミングに同期して開始することにより、当該終了タイミングに同期して降下するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、
前記ランプ波形と予め規定された閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、
前記第1パルスの開始タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記一致タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えているパルス生成器。 - 幅データで規定される任意のパルス幅の制御パルスを生成するパルス生成器であって、
前記幅データを示すバイナリデータの下位側ビット列全てをゼロでマスクして得られるデータの当該下位側ビット列を除く上位側ビット列における最下位ビットに1が加算された第1幅データで規定されて、前記最下位ビットで規定される第1時間を最小単位として増減される第1パルス幅の第1パルスを生成する第1パルス生成回路と、
前記第1パルスの反転パルスの印加によって当該反転パルスの振幅と同じ電圧値に充電されているコンデンサを前記下位側ビット列で構成される電圧データで規定される電圧値まで抵抗を介して放電させる動作を当該反転パルスの終了タイミングに同期して開始することにより、当該終了タイミングに同期して降下するランプ波形を生成するランプ波形生成回路と、
前記ランプ波形と予め規定された閾値電圧とを比較して、当該ランプ波形の電圧が当該閾値電圧に一致する一致タイミングを検出する検出回路と、
前記一致タイミングに同期して出力が開始されると共に、前記第1パルスの終了タイミングに同期して出力が停止されるパルスを前記制御パルスとして生成する第2パルス生成回路とを備えているパルス生成器。
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